JP4448364B2 - 回転電極体 - Google Patents

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Description

本発明は、電極と電解液との界面で電気化学反応が行われる反応装置に関し、その電極が回転し、さらにその回転する電極の内部を通して、電極反応物質が供給されることにより、電気分解、電気化学合成等の反応を促進させるものであり、さらに、電極での反応解析や反応分析等の測定装置としても利用される。
上記の分野においては、電解液中に含まれる物質を回転電極上で電気化学的に酸化または還元することによって、電気分解、電気化学合成、反応分析を行うことができる。電気化学反応に関わる物質は、電解液中に溶解した物質や電極中に含まれる物質である。例えば、アクリロニトリルを電気分解することによってアジポニトリルを製造する方法では、アクリロニトリルを含む電解液を用いる(特許文献1〜2)。しかし、電解液中で安定に存在できない物質や、気体等の電解液中に溶解しない物質を用いた電気化学反応を取り扱うことができない。新しい電気分解反応や電気化学合成の開発に向けて、溶液中に安定に存在することが困難な物質を反応系外から電極に安定供給する手段として、ガス透過性電極(非特許文献1)を用いる場合がある。また、これまでに、電解液中に差し込まれた気体導入管を通じて外部から気体を導入することによって、気体を電解液中に飽和溶解させる方法が知られており(非特許文献2)、電解液に溶解した気体は、電極上で電気化学反応することができる。
しかし、上記非特許文献1に開示された電極のみでは、電解液中の反応種が電極表面に到達する拡散過程が遅いと、反応が拡散過程に律速されて、反応が遅く、また、反応解析等においても、拡散過程が反応解析の阻害になる。また、上記非特許文献2に開示された方法では、一般的に電解液への気体の溶解度が低いので、回転電極上への気体の供給速度に限界があり、連続的に安定した電気化学反応を行うことが難しい。
特公平3−43351号公報 特公昭62−23074号公報 Zeitschrift fur Physikalische Chemie Neue Folge, Bd.36, S.383-386,1963独国 N. M. Markovic, et al, Journal ofElectroanalytical Chemistry, 377, 249 (1994) オランダ
本発明は、電解液中で安定に存在できない物質や、気体等の電解液中に溶解し難い物質を、電極表面に連続的かつ安定に供給すると同時に、電極表面での反応における拡散速度をアップさせ、電気分解、電気化学合成等の反応を促進させることにある。また、電極での反応解析や反応分析等の測定装置として適用範囲を広げ、また測定精度を向上させることにある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、下記のことを特徴とする。本発明は、電解液との界面で電気化学反応が行われる電極を有する反応装置において、この電極が回転している回転電極であり、この回転電極の表面における反応物質の一部が、この回転電極の内部を通して、回転電極の表面に導かれるように構成されている回転電極体に関する。また本発明は、前記回転電極体が、前記回転電極に電極通過物質を供給するための物質貯蔵管を有する回転電極体に関する。また本発明は、前記物質貯蔵管が、前記電極通過物質を生成する電気化学反応セルを含む回転電極体に関する。また本発明は、前記物質貯蔵管が、前記電極通過物質を前記回転電極に供給する供給路である回転電極体に関する。また本発明は、前記物質貯蔵管に貯蔵される物質が、気体である回転電極体に関する。また本発明は、前記回転電極が、その円盤形状であり、円盤の中心を軸として回転するように構成されている回転電極体に関する。また本発明は、前記回転電極体において、リング形状の電極が前記回転電極と同軸円状に等距離に配置されている回転電極体に関する。また本発明は、前記回転電極体が、電極反応における電気エネルギを供給する電池を内蔵する回転電極体に関する。さらに本発明は、前記回転電極体が、前記回転電極における電極反応を利用する反応解析、反応分析の測定装置である回転電極体に関する。
本発明は、電解液との界面で電気化学反応が行われる電極を有する反応装置に関する。電気化学反応は、電気分解や電気化学合成において、有益な物質を生成することに利用されており、この反応を促進できることは、この有益な物質の生産性を高めることに貢献する。電極表面での電解液と電極との反応は、電解液中の反応種が、電極表面に到達する拡散過程と、電極上での電子の授受である電荷移動過程からなる。本発明は、この電極表面に電極反応物質を供給する手段と、拡散過程における拡散速度をアップすることにより、反応速度を向上させる手段を提供することにある。
さらに本発明は、上記反応装置において、電極表面への反応種の供給速度、すなわち拡散速度をアップすることにより、相対的に電荷移動速度が遅くなり、電荷移動反応を解析できる測定装置や分析装置としての適用範囲や、測定精度を向上させることを可能にし、この上記反応装置を電気化学反応の測定装置としての適用範囲を広げることができた。
本発明の反応装置の電極は、電極自体が回転する回転電極であることを特徴とする。本発明の電極を回転電極とすることで、電極表面における拡散速度をアップさせることにより反応速度を向上させることができ、また、回転速度をコントロールすることにより、電気化学測定装置としての種々のデータを測定可能にするものである。回転は、通常円盤状の電極の円盤の中心を軸として回転させるが、反応装置全体を回転させることもできる。回転は、高速回転による振動を少なくし、回転精度を上げるため、電極等をモータ軸に直結させて行うが、ベルトやギア等の伝導部材を介して行うこともできる。また、電極の回転にともなって、電極の電位や、電極に流れる電流値、また反応に必要な電気エネルギを供給する方式が問題となるが、それらは通常、スリップリングを介して、外部から入出力できる。また、電気エネルギについては、心臓のペースメーカーや、魚釣りの浮きに使用されるような、微小な電池等を、電極系に直結させて行うこともできる。
本発明の回転電極においては、回転電極の表面における反応物質の一部が、この回転電極の内部を通して、回転電極の表面に導かれるように構成されていることを特徴とする。反応が行われる電極表面への反応物質の供給は、電解液に含まれている反応種によって行われるが、それのみでは、電解液に溶解が不十分な物質があり、量的に、または質的に十分な供給が出来ない場合がある。本発明では、それらの反応物質を、回転電極の内部を通して、電極表面に供給する。電極は、焼結合金のように、多孔質であってもよく、また、緻密であっても、電極内部通して、物質拡散や電子伝導等で、透過させることもできる。このような電極材料としては、導電性を有するものであることが望ましく、具体的には、炭素、ニッケル、パラジウム、白金、銅、銀、金、コバルト、ロジウム、イリジウム、リチウム、ナトリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、カリウム、カルシウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、鉛、カドミウム、タリウム、ランタン、セリウムの群から選ばれる少なくとも1種類の元素を含むことが好ましく、これらの合金や化合物であってもよい。また、回転電極の全てが同一組成の材料によって構成される必要はなく、2種類以上の異なる材料を繋ぎ合わせて用いることができる。
本発明の回転電極は、連続的かつ安定な電気化学反応を行うためには、電極の厚さが0.005μm〜120mmであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜5mmであり、0.3〜1mmが最も好ましい。0.005μm未満では、均質かつ平坦な電極を形成することが難しく、120mmを超えると供給される物質が電極内を通過するために長い時間を要するので、電極表面への物質の供給が遅れることによって電極で検出される電流量が低下する傾向がある。回転電極は、電極の拡散層の厚みを制御するために、円盤型の形状であることが好ましい。回転電極体の回転数を制御することによって、回転電極表面の拡散層の厚みを制御することができる。円盤の直径は、回転電極体の使用目的に応じて決められるが、1〜600mm、さらに好ましくは、3〜20mmである。
本発明における回転電極体は、回転電極に電極通過物質を供給するための物質貯蔵管を有することを特徴とする。物質貯蔵管を、本発明の反応装置が内蔵することにより、連続的に安定して電極通過物質を、回転電極表面に供給することができる。この物質貯蔵管は、貯められる物質が気体の場合は、反応装置の外部に貯蔵装置があり、単に電極通過物質を回転電極に供給する供給路としての役目を果たす場合もある。また、この物質貯蔵管を電気伝導性物質にすることにより、回転電極等に電気を伝導する導体配線の役目を兼ねることもできる。このように、物質貯蔵管に貯められている物質が、その電極内を通って電解液と接する電極表面上に到達し、電解液中の物質と反応することができる。
本発明における回転電極に供給される電極通過物質は、電解液に溶解されたイオンや気体の状態である。回転電極表面と回転電極裏面におけるイオンや気体の濃度差が駆動力として働くことによって、イオンや気体が回転電極の内部を拡散および/または透過するので、電解液と接する回転電極表面に連続的かつ安定に電極通過物質を供給することができる。電気化学反応セルによる電池反応または電気分解反応によって回転電極に電極通過物質が挿入される場合、挿入されたイオンが回転電極の内部を拡散することによって、電解液11との界面である回転電極表面に到達する。
本発明における物質貯蔵管が、電極通過物質を生成する電気化学反応セルを含むものであることが好ましい。電気化学反応セルによって生成したイオン等を、回転電極の内部を通して、回転電極の表面に供給し、電極反応を行わせることができる。電極化学反応セルによって電極通過物質を生成させることにより、物質貯蔵管や供給路を通じて、イオンや気体を供給する場合より、目的の電極通過物質を生成しつつ、必要な量だけ供給するようにすることができる。電気化学反応セル中の電解質は、電解液や固体高分子電解質膜のような固体も使用することができる。
本発明における回転電極体において、回転電極における電極反応によって発生した生成物を、さらに反応させることができる電極が設けられていることが好ましい。その電極として、リング形状の電極が、回転電極と同軸円上に等距離に配置されることにより、回転電極表面で発生した生成物を、リング状電極の全ての位置で、同時期に効率的に捕捉できるようにすることができる。
本発明は、上記のように、回転電極体における回転電極内を、電極通過物質を通過させて電極反応に寄与させることで、反応物の供給速度が増し、反応速度を向上させることができた。また、新規な電気化学反応や化学反応を実現することができた。また、電極を通過して物質が供給されることを回転電極の反応に応用することで、電極反応速度が向上するので、拡散の影響を避けた状態での電極反応メカニズムを解析することができた。また、従来は検知できなかった副反応の反応を検知でき、副反応の反応メカニズムの解析を行うことができた。これらにより、電極反応の解析、分析等の測定装置としての適用範囲を広くでき、測定精度も向上させることができた。
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明するが、本発明は、これらの図に限定されるものではない。図1は、本発明の回転電極体1を含む反応系の全体図を示し、図aは、側面断面を示し、図bは、図aのA−Aにおける断面を示す。回転電極2は、物質貯蔵管3と支持枠4に固定されており、物質貯蔵管3内には、電極通過物質5が電解液等に溶解されて貯められている。物質貯蔵管3は、モータMのシャフト6に固定され、モータMの回転により、物質貯蔵管3と、回転電極2が回転する。回転電極2に与えられる電気エネルギは、電気電導性のある物質貯蔵管3を通じて、配線7(一部図示を省略)に導かれ、スリップリング8を介して、外部の電源や測定装置に接続されている。回転電極2の外部に、支持体4に固定されているリング状電極9が設けられており、容器10に満たされている電解液11を介して、回転電極2の電極表面12で電極反応が行われる。また、必要に応じて、回転電極2によって生成した反応物を、さらに反応や制御させる電極として、リング状電極9を設けてもよい。その電極反応においては、物質貯蔵管3に貯められている電極通過物質5が、回転電極2の電極裏面13から電極内部を通過して、電極表面12に供給され、反応に寄与する。物質貯蔵管3と支持枠4は、シャフト6に固定されている上蓋14に固定されて、モータMの回転により、一体的に回転する。電解液11は、容器10に満たされており、容器10は回転しない。
回転電極2の近傍のみを拡大して図2に示す。回転電極体1は、電子導電体からなる回転電極2と、回転電極2に物質を供給するための物質貯蔵管3を有し、これらを保持する支持体4からなる。回転電極2が、電気電導性を有する物質貯蔵管3を通じて外部電気回路と接続されることによって、電解液11との界面である電極表面12における電気化学反応が可能となる。物質貯蔵管3から供給される物質は、回転電極2の内部を通過することによって、電解液11と接する電極表面12に到達することができる。
回転電極2を保持するための支持体4は、電解液11や電解質15等に対して化学的に安定な絶縁材料であることが好ましく、例えば、フッ素系樹脂やオレフィン系樹脂が用いられる。
図3は、物質貯蔵管3が、電気化学反応セルを構成している例を示す。電気化学反応セルは、対極22と、物質貯蔵管3の内部に存在する電解質15と、回転電極2の電極裏面13によって構成される2極式セルを構成することによって、電気化学反応セルとなる。電気化学反応セルにおける電気化学反応によって生成する物質が、回転電極2に供給される。電気化学反応の反応速度を制御することによって、回転電極2へ連続的かつ安定な物質の供給が可能となる。回転電極2に物質を供給するために、電気化学反応セルと回転電極2が直接接していることが好ましい。電気化学反応セルにおける電気化学反応によって生成する物質が、回転電極2の内部を拡散および/または透過することによって電解液11との界面である電極表面12に移動する。
図3における電気化学反応セルにおいては、回転電極2と対極22が、負荷または電源21を介して配線7を用いて接続されることによって、電気回路が形成される。回転電極2および対極22による電気化学反応は、電池反応または電気分解反応であることが好ましい。対極22の電極反応は、カソード反応とアノード反応のいずれであってもよい。対極22の形状は、円盤や矩形の平板等、種々の形態をとることができるが、回転電極2と、平行に配置されていることが好ましい。電気化学反応セルにおける電気化学反応が電気分解反応である場合、電源を回転電極体の外部に設けてもよいが、装置全体を簡素化するために、図4に示すように、魚釣り用の浮きや心臓ペースメーカー等に用いられる微小な電池を回転電極体の内部に設けて、電気化学反応セルと配線7を通じて接続してもよい。なお、図4の物質貯蔵管3の下部に、絶縁パッキング23を設けることで、物質貯蔵管3と回転電極2は、電気的には直接繋がっておらず、配線11を介して接続されている。電気化学反応セルにおける電気化学反応によって生成した物質が、回転電極2の内部を拡散および/または透過することによって電解液11との界面である電極表面12に移動する。また、対極22の電極反応によって、気体の発生を伴う場合は、脱気経路を設けることが好ましい。
本発明で用いる回転電極体の他の形態の例を図5に示す。回転電極体1は、回転電極2と、回転電極2に物質を供給するため供給路16を有し、これらを保持する支持体4からなる。供給路16の一端は回転電極2と接続されており、他端は回転電極体の外部にある物質供給装置と接続される。供給路16は、物質貯蔵管3の役割を果たす。回転電極2が配線7を通じて外部電気回路と接続されることによって、電解液11との界面である回転電極表面12において電気化学反応が可能となる。外部装置から供給される物質は、供給路16を経て回転電極2の内部を拡散および/または透過することによって、電解液11と接する電極表面12に到達することができる。
図5における回転電極2に供給される物質が気体であることが好ましい。電極表面12と電極裏面13における気体の濃度差および/または圧力差が駆動力として働くことによって、気体が回転電極2の内部を拡散および/または透過するので、電解液11と接する回転電極表面12に連続的かつ安定に気体を供給することができる。透過する気体は、分子の状態または分子が解離した原子の状態であることが好ましい。
回転電極2で生じた物質を検出するために、図6に示すように、リング状電極9を備えてもよい。配線7を介してリング状電極9と外部電気回路を接続する。リング状電極9の電位を制御することによって、電極表面12を通過した物質を検知することができる。 回転電極2における電極反応によって発生した生成物を、さらに電極反応させるために、図6に示すリング状電極9を備えてもよい。配線7を介してリング状電極9と外部電気回路を接続し、デュアルポテンショスタット等の電位制御装置を用いてリング状電極9の電位を制御することによって、回転電極表面で発生した生成物をさらに反応させることが可能であり、また、その反応電流を検出することができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。電解液11の中に、図6に示す回転電極2と、補助電極としての白金板(図示せず)、参照電極としての標準水素電極(図示せず)を配置し、各電極の電位をデュアルポテンショスタットで制御した。回転電極体1は、図6の装置において、直径が6mm、厚さが500μmのAg−Pd合金からなる円盤形状の回転電極2と、内径が9mm、外径が11mm、厚さが0.5μmの白金からなるリング状電極9と、直径が6mm、厚さが500μmのAg−Pd合金からなる円盤形状の対極22と、電圧1.5Vの電池14と、電解液11として過塩素酸水溶液と、電気化学反応セル内の電解質15として水酸化カリウム水溶液を用いて、回転電極体1を毎分100〜1000回の回転速度で回転させながら、リング状電極9の電位を1.4Vに保持し、回転電極2の電位を標準水素電極に対して1.0Vから0.05Vまで毎秒0.08Vで掃引した。回転電極2において80〜190mAcm−2の限界拡散電流が検出された。このように限界拡散電流値が増加したことは、電極の内部を通じて反応物質が供給されており、それによって、反応速度が向上していることがわかる。また、限界拡散電流値は、回転速度の1/2乗に対して比例関係を示した。このことにより、本発明の電極においても、回転電極として機能が満たされていることがわかる。さらに、リング状電極9において、0〜0.2Vの範囲に酸化電流が認められた。このことにより、従来は検知できなかった副反応も検知できるようになった。
直径が10mm、厚さが3mmのPtを担持させた多孔性炭素からなる円盤形状の回転電極2を用いた以外は、実施例1を繰り返した。回転電極2において40〜120mAcm−2の拡散限界電流が検出された。限界拡散電流は、回転速度の1/2乗に対して比例関係を示した。リング状電極9において0〜0.2Vの範囲に酸化電流が認められた。
図4の装置において、直径が20mm、厚さが1μmのPdからなる円盤形状の回転電極2と、直径が25mm、厚さが1mmのPtからなる円盤形状の対極22と、電圧1.8Vの電池14と、電解液11として硫酸水溶液と、電気化学反応セル内の電解質15として過塩素酸水溶液を用いて、回転電極体1を毎分1000〜5000回の回転速度で回転させながら開回路電位に対して1.0Vから−1.0Vまで毎秒0.003Vで掃引した。円盤電極2において50〜170mAcm−2の拡散限界電流が検出された。限界拡散電流は、回転速度の1/2乗に対して比例関係を示した。
図4の装置において、直径が1mm、厚さが0.07μmのPtからなる円盤形状の回転電極2と、直径が1mm、厚さが50mmのPtからなる円柱状の対極22と、電圧2.0Vの電池14と、電解液11として過塩素酸水溶液と、電気化学反応セル内の電解質15として固体高分子電解質膜を用いて、回転電極体1を毎分300〜3000回の回転速度で回転させながら標準水素電極に対して、1.1Vから0.3Vまで、毎秒0.01Vで掃引した。回転電極2において85〜195mAcm−2の拡散限界電流が検出された。限界拡散電流は、回転速度の1/2乗に対して比例関係を示した。
電源21を回転電極体の外部に設けた以外は、実施例4を繰り返した(図3)。回転電極2において75〜165mAcm−2の拡散限界電流が検出された。限界拡散電流は、回転速度の1/2乗に対して比例関係を示した。
図5の装置において、直径が6mm、厚さが1mmのAg−Pd合金からなる円盤形状の回転電極2と、電解液11として過塩素酸水溶液を用いて、物質を供給するための供給路16に水素ガスを供給し、回転電極体1を毎分150〜3000回の回転速度で回転させながら、回転電極2の電位を標準水素電極に対して1.0Vから0.05Vまで毎秒0.1Vで掃引した。回転電極2において60〜130mAcm−2の限界拡散電流が検出された。限界拡散電流値は、回転速度の1/2乗に対して比例関係を示した。
電解槽は単一室電解槽とし、陰極として図5に示す直径が500mm、厚さが100mmのAg−Pd合金からなる円盤形状の回転電極2、陽極として同じ通電面積を有する円盤形状のニッケル鋼を回転電極体1の外部に設けた。陰極と陽極は13mm離して平行に配置した。電解液11として20重量%の油相と80重量%の水相からなるエマルジョンを用いた。水相は、アクリロニトリルを10重量%、エチルブチルアンモニウム塩を0.5重量%、リン酸カリウムを10重量%、硼酸カリウムを3重量%、アジポニトリルを0.5重量%、プロピオニトリルを0.5重量%、1,3,5−トリシアノヘキサンを0.5重量%含む水溶液とした。油相は、アクリロニトリルを約50重量%、アジポニトリルを30重量%、プロピオニトリルを0.5重量%、1,3,5−トリシアノヘキサンを0.5重量%、エチルブチルアンモニウム塩を1重量%含む水溶液とした。物質を供給するための供給路16に水素ガスを供給し、回転電極体1を毎分1000回の回転速度で回転させながら、電流密度を20A/dm、電解槽の温度を55℃で保持した。アクリロニトリルの電解二量化によるアジポニトリルの生成反応おける電流効率は98%であった。
[参考例1]電気化学反応セルおよび電池21を用いなかった以外は、実施例1を繰り返した。回転電極2において検出された限界拡散電流は5〜20mAcm−2であり、実施例1に比べて低下した。
[参考例2]電気化学反応セルおよび電池21を用いなかった以外は、実施例3を繰り返した。回転電極2において検出された限界拡散電流は7〜23mAcm−2であり、実施例1に比べて低下した。
[参考例3]水素ガスを供給しなかった以外は、実施例7を繰り返した。アクリロニトリルの電解二量化によるアジポニトリルの生成反応おける電流効率は90%であり、実施例7に比べて低下した。
本発明の回転電極体は、電気分解、電気化学合成等の物質の生成を反応性良く行うためのものであり、さらに電極における反応解析、反応分析等の測定装置においても好適に利用される。
本発明の回転電極体を含む反応系全体の装置を示し、a図は、側面断面図で、b図は、a図のA−Aにおける断面図。 本発明の回転電極体の側面断面の概略図。 本発明の回転電極体の他の例を示す側面断面の概略図。 本発明の回転電極体の他の例を示す側面断面の概略図。 本発明の回転電極体の他の例を示す側面断面の概略図。 本発明の回転電極体の他の例を示す側面断面の概略図。
符号の説明
1:回転電極体、 2:回転電極、 3:物質貯蔵管、 4:支持体、
5:電極通過物質、 6:シャフト、 7:配線、 8:スリップリング、
9:リング状電極、 10:容器、 11:電解液、
12:電極表面、 13:電極裏面、 14:上蓋、 M:モータ。
15;電解質、 16:供給路。
21:電源または電池、 22:対極、 23:絶縁パッキン。

Claims (7)

  1. 電解液との界面で電気化学反応が行われる電極を有する回転電極体において、
    該電極の表面における反応物質の一部が、該電極の内部を通して、該電極の表面に導かれるように構成されており、かつ、該電極が回転している回転電極と、
    内部に電極通過物質を生成する電気化学反応セルを含み、該電極に該電極通過物質を供給するための物質貯蔵管と
    を有することを特徴とする、回転電極体。
  2. 前記物質貯蔵管が、前記電極通過物質を前記回転電極に供給する供給路であることを特徴とする、請求項1記載の回転電極体。
  3. 前記物質貯蔵管に貯蔵される物質が、気体であることを特徴とする、請求項1記載の回転電極体。
  4. 前記回転電極が、円盤形状であり、該円盤の中心を軸として回転するように構成されていることを特徴とする、請求項1記載の回転電極体。
  5. 前記回転電極体において、リング形状の電極が前記回転電極と同軸円状に等距離に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の回転電極体。
  6. 前記回転電極体が、電極反応における電気エネルギを供給する電池を内蔵することを特徴とする、請求項1記載の回転電極体。
  7. 前記回転電極体が、前記回転電極における電極反応を利用する反応解析、反応分析の測定装置であることを特徴とする、請求項1記載の回転電極体。
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