JP4371731B2 - 次亜ハロゲン酸塩発生装置および発生方法 - Google Patents

次亜ハロゲン酸塩発生装置および発生方法 Download PDF

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Description

本発明は、ハロゲン化物イオンを含む溶液を電気分解して次亜ハロゲン酸塩を発生させつつ、該次亜ハロゲン酸塩の濃度管理も行うことができるようにした次亜ハロゲン酸塩発生装置および発生方法に関する。また本発明は、かかる次亜ハロゲン酸塩発生装置を用いた分析装置に関する。
例えば、分析装置等において、次亜ハロゲン酸塩を含む溶液を定量のための標準液として使用する場合等には、該溶液中の次亜ハロゲン酸塩の濃度が正確に把握されることが必要である。
下記特許文献1には、食塩水を電気分解して次亜塩素酸水を生成する方法および装置が記載されている。また、この方法で次亜塩素酸水が生成する量は、電気分解で消費する電流と時間とによって決まるものであり、電流値の積算値が一定であれば、定量の次亜塩素酸水を生成できることが記載されている。
特開平11−174042号公報(第3欄18〜22行)
一方、下記特許文献2には、電気分解槽中で塩水溶液を電気分解して次亜塩素酸ナトリウム溶液を生成する際、生成水中の有効塩素濃度を安定させるために、電気分解槽内の次亜塩素酸ナトリウム溶液中の有効塩素濃度を測定する塩素濃度計を外部装置として設け、該塩素濃度計で測定される有効塩素濃度が設定値に保たれるように電気分解電流値を制御する方法および装置が記載されている。
特開2002−1341号公報
試料液中の遊離塩素濃度を測定する手法としては、o−トリジン比色法(OT法)、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法(DPD法)、よう素滴定法等の手分析法の他に、試料液中の遊離塩素を電解還元させ、このときの検知極と対極との間に流れる酸化還元電流を検出し、これにより遊離塩素濃度を測定する方法も知られている。
しかしながら、前記特許文献1に記載されているような電気分解時の電流積算値に基づく方法では、次亜塩素酸塩の発生量を理論的に推定することはできるものの、発生した次亜塩素酸は非常に不安定で分解し易いので、この方法で実際の次亜塩素酸濃度を正確に把握することは難しい。
一方、前記特許文献2に記載されているように、電気分解槽とは別に塩素濃度計を外部装置として設けた場合には、装置全体が大掛かりになってしまいコスト的にも不利である。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、簡単な装置構成で、次亜ハロゲン酸塩の濃度管理を行いつつ、次亜ハロゲン酸塩を発生させることができる次亜ハロゲン酸塩発生装置および発生方法を提供することを課題とする。
また本発明はかかる次亜ハロゲン酸塩発生装置を用いた分析装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の次亜ハロゲン酸塩発生装置は、ハロゲン化物イオンを含む溶液を収容する反応槽と、前記反応槽内の前記溶液中に浸漬される一対の電極と、前記一対の電極のうち少なくとも電解系においてカソードとなる電極に接する前記溶液を該電極表面に対して相対的に流動させる液流発生手段と、前記一対の電極間に電圧を印加する電源と、前記液流発生手段を動作させた状態で前記一対の電極間に流れる酸化還元電流値を測定する電流測定部と、前記電流測定部で測定された電流値と予め設定された設定電流値とを比較する電流比較部と、前記電源から前記一対の電極間に印加される電圧のオン・オフおよび/または該電圧の大きさを制御する電圧制御部を備え、前記電圧制御部が、前記電流測定部で酸化還元電流値を測定する際には、前記一対の電極間に印加される電圧を0.5〜2.4Vの範囲内の測定時電圧に制御し、前記電流測定部で酸化還元電流値を測定した後には、前記電流比較部における前記比較の結果に応じて、前記電源から前記一対の電極間に印加される電圧のオン・オフおよび/または該電圧の大きさを制御するように構成されていることを特徴とする。
前記一対の電極は白金電極であることが好ましい。
前記一対の電極間に流れる電流値を測定するタイミングに合わせて、前記一対の電極間に印加される電圧の大きさを変化させる電圧切り替え部を設けることが好ましい。
本発明の次亜ハロゲン酸塩発生方法は、ハロゲン化物イオンを含む溶液中に浸漬された一対の電極に電圧を印加することにより次亜ハロゲン酸塩を発生させる方法であって、前記一対の電極のうち少なくとも電解系においてカソードとなる電極に接する前記溶液を該電極表面に対して相対的に流動させつつ、前記一対の電極間に0.5〜2.4Vの範囲内の測定時電圧を印加して前記一対の電極間に流れる酸化還元電流値を測定する電流測定工程を有し、前記電流測定工程後は、測定された電流値と予め設定された設定電流値とを比較した結果に応じて前記一対の電極間に印加する電圧のオン・オフおよび/または該電圧の大きさを変化させることを特徴とする。
前記一対の電極は白金電極であることが好ましい。
前記電流値測定工程とは別に、前記測定時電圧よりも、高い電圧を前記一対の電極間に印加する工程を設けることが好ましい。
また本発明は、本発明の次亜ハロゲン酸塩発生装置と、該次亜ハロゲン酸塩発生装置で発生する次亜ハロゲン酸塩を試薬として用いる分析手段を備える分析装置を提供する。
本発明によれば、反応槽内に設けられた一対の電極に電圧を印加することにより、ハロゲン化物イオンを含む溶液を電気分解して次亜ハロゲン酸塩を発生させることができるとともに、該一対の電極間に流れる酸化還元電流の測定値に基づいて該次亜ハロゲン酸塩の濃度を所定値に制御することができる。
このようにして得られた次亜ハロゲン酸塩を含む溶液は、該溶液中における次亜ハロゲン酸塩の濃度が所定値に制御されているので、分析装置において、濃度既知の試薬として使用することができる。
以下、本発明にかかる実施形態について説明する。
図1は本発明の次亜ハロゲン酸塩発生装置の一実施形態を示す概略構成図である。図中符号1は反応槽である。
反応槽1内には、該反応槽1内にハロゲン化物イオンを含む溶液が収容される。また一対の電極2a、2bが、反応槽1内の溶液に浸漬するように設けられている。反応槽1内には液流発生手段として撹拌装置7が設けられている。
反応槽1の外部には、一対の電極2a、2b間に電圧を印加するための電源3、および該電極2a、2b間に流れる電流値を測定するための電流測定部4が設けられている。電流測定部4は電流比較部5と電気的に接続されている。
電源3には、該電源3から電極2a、2b間に印加される電圧のオン・オフを制御する電圧制御部3aが内蔵されており、該電圧制御部3aは前記電流比較部5と電気的に接続されている。また電源3には、該電源3から電極2a、2b間に印加される電圧の大きさを変化させる電圧切り替え部3bが内蔵されており、該電圧切り替え部3bにはタイマー6が電気的に接続されている。
一対の電極2a、2bは、ハロゲン化物イオンを含む溶液と反応しない不活性なものであればよい。一対の電極のうち、アノードとなる電極2aの好適な例としては、金電極、金を主成分とする合金電極、白金電極、ガラス状炭素電極等が挙げられる。また定期的な交換が必要であるが、ステンレス電極やチタン電極も使用できる。
一方、カソードとなる電極2bの例としては、銀/塩化銀電極、白金電極等が挙げられる。また定期的な交換が必要であるが、ステンレス電極やチタン電極も使用できる。
特に好ましいのは、両電極2a、2bともに白金電極を用いる組み合わせである。
電源3は直流電源、交流電源のいずれも使用可能であるが、直流の方が、電流の制御及び測定が容易である点で好ましい。
撹拌装置7は、反応槽1内の溶液を、少なくともカソードとなる電極2bに接する溶液を該電極表面に対して相対的に流動させることができるものであればよく、例えばスターラー、ポンプ等、適宜の撹拌装置を用いることができる。
ハロゲン物イオンとしては塩化物イオンが好ましいが、臭化物イオン、よう化物イオンであってもよい。ハロゲン化物イオンを含む溶液は、ハロゲン化物イオンを含む電解質を水に溶解させて調製することができる。該電解質としては、ナトリウム塩、カリウム塩が好ましい。
反応槽1内に収容されたハロゲン化物イオンを含む溶液におけるハロゲン化物イオンの濃度は特に制限されないが、該濃度が低すぎると電気分解の効率が悪くなる。飽和溶液でもよい。
ハロゲン化物イオンを含む溶液は、予め調製したものを反応槽1内に供給してもよく、反応槽1内において、ハロゲン化物イオンを含む電解質を水に溶解させてもよい。またハロゲン化物イオンを含む電解質を、錠剤など徐々に溶解する形態で反応槽1内に存在させ、反応槽1内の溶液が常に飽和溶液となるように構成することもできる。
電流測定部4は、既存の電流計等を用いて構成することができる。電流測定部4は、所定時間毎に電極2a、2b間に流れる電流値を測定するように構成される。該電流測定部4で電極2a、2b間に流れる電流値を測定した結果は、信号として電流比較部5に出力される。
電流比較部5は、例えば既知の演算装置を用いて構成することができる。電流比較部5には、予め設定した設定電流値を入力しておき、電流測定部4から送られた電流値の測定結果と、設定電流値とを比較演算する。その結果、電流値の測定結果が設定電流値を超える場合は、電源をオフにするように電圧制御部3aに信号を出力し、電流値の測定結果が設定電流値を下回る場合は、電源をオンにするように電圧制御部3aに信号を出力するように構成されている。
電圧切り替え部3bは、電流測定部4において電流値の測定が行われるタイミングに合わせて一対の電極2a、2b間に印加される電圧を所定電圧の測定時電圧に切り替えるように構成されている。
本実施形態では、電圧切り替え部3bは、一対の電極2a、2b間に印加される電圧を、所定の測定時電圧と所定の電解時電圧とに切り替えることができるように構成されている。電圧の切り替えはタイマー6えで設定された時間毎に行われ、タイマー6からの信号により電源3の電圧が切り替わるようになっている。
電流測定部4において電流値の測定が行われる際の電圧、すなわち測定時電圧は、測定された電流値と次亜ハロゲン酸塩濃度との相関関係が得られる範囲に設定される。後述の試験例1に示されるように、一対の電極2a、2b間に印加される電圧が高すぎても低すぎても、かかる相関関係が得られない。具体的には、測定時電圧を0.5〜2.4Vの範囲内に設定することが好ましく、より好ましい範囲は1.8〜2.0Vである。
また、電流値の測定を行わないときに一対の電極2a、2b間に印加される電圧、すなわち電解時電圧は、電気分解により次亜ハロゲン酸塩が発生する範囲であれば特に制限されないが、高くすることにより電気分解の効率を向上させることができる。電解時電圧は好ましくは2.5V以上であり、より好ましい範囲は2.8〜3.1V程度である。
次に、図1に示す構成の次亜ハロゲン酸塩発生装置を用いて次亜ハロゲン酸塩を発生させる方法の実施形態について説明する。
まず、反応槽1内に、ハロゲン化物イオンを含む溶液を入れる。そして一対の電極2a、2bを該溶液中に浸漬させ、撹拌装置7で反応槽1内に液流を発生させる。
続いて、一対の電極2a、2bに所定の電解時電圧を印加すると、電気分解が開始され、次亜ハロゲン酸塩が発生する。
例えば、電解により次亜塩素酸塩が発生する場合の反応式は次のように表すことができる。
アノード: 2Cl → Cl+2e
カソード: 2Na+2HO → 2NaOH+H
溶液中: Cl+2NaOH → NaClO+NaCl+H
本明細書における次亜塩素酸塩(次亜ハロゲン酸塩)の濃度とは、反応槽1内の溶液中におけるNaClOの濃度である。
電解時電圧を印加して電気分解を開始した後、予め設定された電解時間が経過すると、電圧切り替え部3bがタイマー6からの信号を受け、これによって電源3から電極2a、2bに印加される電圧が電解時電圧から測定時電圧へ切り替えられる。
測定時電圧へ切り替えられてから予め設定された待ち時間が経過すると、電流測定部4が電極2a、2b間に流れる電流値を測定する。
そして、この電流値の測定に要する時間として予め設定された測定時間が経過すると、電圧切り替え部3bは再びタイマー6からの信号を受け、電極2a、2bに印加される電圧が測定時電圧から電解時電圧へ切り替えられる。そして、また所定の電解時間が経過すると、同様の一連の操作が繰り返される。
電極2a、2bに印加される電圧が電解時電圧から測定時電圧へ切り替えられてから電流値が測定されるまでの待ち時間は、特に制限されないが、電気分解の効率を向上させる点では短い方が好ましい。例えば10秒程度に設定される。
また、該待ち時間と前記測定時間の合計、すなわち電極2a、2bに印加される電圧が電解時電圧から測定時電圧へ切り替えられてから再び電解時電圧に戻るまでの時間は、特に制限されないが、電気分解の効率を向上させる点では短い方が好ましい。例えば1分以内、具体例としては20秒程度に設定される。
また、電極2a、2bに印加される電圧が電解時電圧に保たれる時間、すなわち電解時間は、短いほど、次亜ハロゲン酸塩の濃度制御が頻繁に行われることになる。電解時間は、例えば5分程度に設定される。
電流比較部5には、予め設定した所望の設定電流値を入力しておく。この設定電流値は、得ようとする次亜ハロゲン酸塩の濃度と測定時電圧等の測定条件に応じて決められる。例えば後述の試験例1の図3に示されるように、例えば次亜塩素酸塩の濃度が180mg/Lの溶液にあっては、印加電圧が2Vのときに、一対の電極2a、2b(白金製)間に流れる電流値は約9.3mA程度となる。
したがって、次亜塩素酸塩の濃度を180mg/L程度に保持しようとするとき、測定時電圧を2Vに設定した場合は、設定電流値を9.3mA程度に設定することが好ましい。
また設定電流値にヒステリシスを持たせることがより好ましい。例えば電流比較部5において、電流測定部4から送られた電流値の測定結果が9.5mAを超えると、電源をオフにするように電圧制御部3aに信号を出力し、電流値の測定結果が9.0mAを下回ると、電源をオンにするように電圧制御部3aに信号を出力するように設定することが好ましい。このように電源のオン・オフが制御されることにより、電源のオン・オフの切り替え頻度が過剰となることなく、次亜ハロゲン酸塩の濃度は180mg/L前後に安定して保たれる。
ここで、待ち時間および測定時間においても、一対の電極2a、2b間には測定時電圧が印加されているので、電気分解が生じて次亜ハロゲン酸塩が引き続き発生している。しかし、測定時電圧は、電流値と次亜ハロゲン酸塩濃度との相関関係を得るために比較的小さい値に設定されるので、待ち時間および測定時間が短く設定されていれば、これらの時間中における次亜ハロゲン酸塩の濃度増加が濃度管理に与える影響は、無視できる程度に小さくなる。
例えば、後述の試験例1において次亜塩素酸塩の濃度を180mg/L程度に保持しようとするとき、測定時電圧(2V)が印加されている状態で10秒間での次亜塩素酸塩の濃度増加を計算すると0.15mg/L以下である。これは設定濃度である180mg/Lに対して0.1%以下と非常に小さい。
本実施形態によれば、ハロゲン化物イオンを含む溶液を電気分解して次亜ハロゲン酸塩を発生させつつ、定期的に次亜ハロゲン酸塩の濃度管理を行なって所定濃度に保つことができる。しかも、電気分解するために使用する一対の電極2a、2bを、溶液中の次亜ハロゲン酸塩濃度を検出するための検知極および対極として用いるので、装置構成が簡単である。したがって電気分解のための装置の他に濃度測定のための装置を設ける必要がなく、装置のコンパクト化、および低コスト化を達成することができる。
また、従来は電流値の積算値を求め、これにより次亜塩素酸塩の発生量を推定していたが、本実施形態によれば、溶液中の現実の次亜ハロゲン酸塩濃度をほぼ遅延なく把握することができるので、濃度管理を精度良く行なうことができる。
ここで、本実施形態において電流測定部4で測定される電流値は、溶液中の被還元物質である 次亜ハロゲン酸塩(例えば次亜塩素酸ナトリウム、NaClO)が一定の厚さの拡散層と呼ばれる層の中において、濃度勾配による自然拡散によってのみ検知極(カソード)表面に運ばれ、その表面で還元されるときに流れる酸化還元電流(拡散電流)である。
次亜ハロゲン酸塩濃度に応じた酸化還元電流(拡散電流)を精度良く得るためには、拡散層が常に新しくなるようにすることが必要である。
そして、本実施形態の装置では、カソードとなる電極2bに接する溶液を該電極表面に対して相対的に流動させる液流発生手段(撹拌装置7)を備えているので、拡散層が常に一定に保たれ、溶液中の次亜ハロゲン酸塩はその濃度に応じて検知極(カソード)に供給される。
なお、本実施形態では液流発生手段として撹拌装置7を設けたが、これに代えて、電極を回転又は振動させる駆動手段を設けてもよい。かかる駆動手段は少なくとも電解系においてカソードとなる方の電極に設ければよいが、両方の電極に設けることが好ましい。また、かかる駆動手段と撹拌装置7を併用することもできる。反応槽1内における溶液の均一性の点からは、撹拌装置7を設けることがより好ましい。
ここで、回転させて使用する電極を回転電極、振動させて使用する電極を振動電極と称するが、これらは、反応槽1内における溶液の通常の流速よりはるかに大きい線速度で回転、振動する。このため、溶液の流速と無関係に安定な拡散層を形成することができ、溶液の流速の変動による電流測定値への影響が生じ難い。
回転電極では、回転する電極からリード線を切断せずに引き出すために、水銀接点を使用する方式、回転方向を交互に切り替えてリード線のねじれを防ぐ方式等があるが、実公平7−4566号公報に示すように、電極の支持体を回転させずにすりこぎ状に動かすことによって検知極を円運動させる方式が好ましい。振動電極については、外部のバイブレータで電極を振動させる方式(実公昭62−41240号公報参照)のものや、内蔵した電磁石を利用して振動させる方式(実公平6−765号公報)等種々の方式のものが知られており、いずれの方式のものを採用してもよい。
なおまた、本実施形態では、電流比較部5における比較演算の結果に応じて、電源3のオン・オフを制御するように構成したが、電源3のオン・オフに代えて、電源3から一対の電極2a、2b間に印加する電圧の大きさを変化させることによっても、次亜ハロゲン酸塩の発生量を制御することができる。この場合、電圧制御部3aは、一対の電極2a、2b間に印加する電圧の大きさを変化させることができるように構成される。
また、このように電圧を変化させるように構成される電圧制御部3aは、電圧切り替え部3bを兼ねることもできる。
また電流比較部5における比較演算の結果に応じた、電源3のオン・オフの制御と電圧変化の両方を併用することもできる。
また本発明において、電解時電圧が測定時電圧よりも高いことが、電気分解の効率向上のためには好ましいが、必ずしも、一対の電極2a、2b間に印加する電圧を、電解時電圧と測定時電圧の2段階に切り替える必要はない。すなわち、測定時電圧を維持しても電気分解によって次亜ハロゲン酸塩を発生させることは可能であり、定期的に電流測定部で電流値を測定することによって次亜ハロゲン酸塩の濃度管理もできる。この場合は電圧切り替え部3bを設けない構成とすることができる。
また本実施形態では、一対の電極2a、2b間に印加する電圧を、電解時電圧と測定時電圧の2段階で切り替えるようにしたが、これを3段階以上に切り替えることも可能である。
図2は本発明にかかる分析装置の一実施形態を示した概略構成図である。本実施形態の分析装置は、次亜ハロゲン酸塩発生装置10、および分析手段11を備えている。次亜ハロゲン酸塩発生装置10は、例えば図1に示す構成を有する。そして、次亜ハロゲン酸塩発生装置10において、ハロゲン化物イオンを含む溶液を電気分解して得られる次亜ハロゲン酸塩を含む溶液が、試薬として分析手段11に供給されるようになっている。
分析手段11としては、次亜ハロゲン酸塩の濃度が既知の溶液を試薬として使用するものであればよく、特に限定されない。具体例としては、アンモニア性窒素測定装置、残留塩素計等が挙げられる。
本実施形態の分析装置によれば、次亜ハロゲン酸塩発生装置10において生成される次亜ハロゲン酸塩を含む溶液は、次亜ハロゲン酸塩の濃度が所定濃度に維持されるので、濃度既知の次亜ハロゲン酸塩含有試薬として、分析手段11に安定して供給することができる。また、次亜ハロゲン酸塩発生装置10は外部に濃度計を備えておらず、コンパクトであるので、分析装置の省スペース化、低コスト化も達成することができる。
(試験例1)
飽和食塩水(液温25℃)に一対の白金電極を浸漬させ、電圧を印加して電気分解させる際に、電圧値や印加時間等の電解条件を変えることによって、次亜塩素酸塩濃度が異なる5種類の溶液を調製した。
得られた5種類の溶液A〜Eについて、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法(DPD法)により遊離塩素濃度を測定したところ、それぞれ溶液A:24mg/L、溶液B:78mg/L、溶液C:140mg/L、溶液D:180mg/L、溶液E:0mg/Lであった。このDPD法により測定される遊離塩素濃度は、本明細書における次亜塩素酸塩濃度に相当する。
これらの溶液A〜Eそれぞれについて、一対の白金電極を浸漬させた状態で電圧を印加するとともに、段階的に電圧を高くしながら該一対の電極間に流れる電流値を測定した。その結果を図3に示す。
この図の結果より、印加電圧が0.5〜2.4Vの範囲内において、一対の電極間に流れる電流値と次亜ハロゲン酸塩濃度(遊離塩素濃度)との間に相関関係が得られることが認められた。
(実施例1)
図1に示す構成を有する次亜ハロゲン酸塩発生装置を用い、塩化ナトリウム水溶液を電気分解して次亜塩素酸ナトリウムを発生させた。電源3としては直流電源を用いた。
ただし、本装置において電流測定部4で測定される電流値と次亜塩素酸ナトリウム濃度との関係を試験するために、電流比較部5の結果に応じて電源3をオン・オフさせることは行わず、電源3の制御は、電圧切り替え部3bによる電解時電圧と測定時電圧との切り替えのみとした。
反応槽1の容積は100ml、塩化ナトリウム水溶液の濃度は5質量%、電極2a、2bはいずれも白金電極を用いた。
電解時電圧は3.0V、測定時電圧は2.0V、電解時間5分間、待ち時間10秒、測定時間50秒とした。電解時間中における平均電流値は30mAであった。
所定の電解時間と待ち時間が経過した後に電流測定部4で測定された電流値を記録した。その結果を図4に実線で示す。この図において、横軸は電解時間の積算値であり、右縦軸が電流測定部4で測定された電流値である。
(比較例1)
上記実施例1と同条件で塩化ナトリウム水溶液に電圧を印加して次亜塩素酸ナトリウムを発生させた。実施例1において、電流測定部4で電流値を測定するのと同じタイミングで溶液をサンプリングし、ジエチル−p−フェニレンジアミン比色法(DPD法)により遊離塩素濃度を測定した。その結果を図4に破線で示す。この図において、横軸は電解時間の積算値であり、左縦軸がDPD法で測定された遊離塩素濃度である。
実施例1および比較例1の結果より、電流測定部4で測定された電流値とそのときの次亜ハロゲン酸塩濃度(遊離塩素濃度)とは良く対応しており、電流測定部4で測定された電流値によって次亜ハロゲン酸塩濃度を精度良く管理できることが認められた。
本発明にかかる次亜ハロゲン酸塩発生装置を示す概略構成図である。 本発明にかかる分析装置を示す概略構成図である。 試験例における、印加電圧と電流値と次亜ハロゲン酸塩濃度との関係を示すグラフである。 実施例および比較例における、次亜ハロゲン酸塩濃度の測定結果を示すグラフである。
符号の説明
1 反応槽
2a 電極(アノード)
2b 電極(カソード)
3 電源
3a 電圧制御部
3b 電圧切り替え部
4 電流測定部
5 電流比較部
6 タイマー
7 撹拌装置(液流発生手段)
10 次亜ハロゲン酸塩発生装置
11 分析手段

Claims (7)

  1. ハロゲン化物イオンを含む溶液を収容する反応槽と、
    前記反応槽内の前記溶液中に浸漬される一対の電極と、
    前記一対の電極のうち少なくとも電解系においてカソードとなる電極に接する前記溶液を該電極表面に対して相対的に流動させる液流発生手段と、
    前記一対の電極間に電圧を印加する電源と、
    前記液流発生手段を動作させた状態で前記一対の電極間に流れる酸化還元電流値を測定する電流測定部と、
    前記電流測定部で測定された電流値と予め設定された設定電流値とを比較する電流比較部と、
    前記電源から前記一対の電極間に印加される電圧のオン・オフおよび/または該電圧の大きさを制御する電圧制御部を備え、
    前記電圧制御部が、前記電流測定部で酸化還元電流値を測定する際には、前記一対の電極間に印加される電圧を0.5〜2.4Vの範囲内の測定時電圧に制御し、前記電流測定部で酸化還元電流値を測定した後には、前記電流比較部における前記比較の結果に応じて、前記電源から前記一対の電極間に印加される電圧のオン・オフおよび/または該電圧の大きさを制御するように構成されていることを特徴とする次亜ハロゲン酸塩発生装置。
  2. 前記一対の電極が白金電極である請求項1記載の次亜ハロゲン酸塩発生装置。
  3. 前記一対の電極間に流れる電流値を測定するタイミングに合わせて、前記一対の電極間に印加される電圧の大きさを変化させる電圧切り替え部を備える請求項1または2に記載の次亜ハロゲン酸塩発生装置。
  4. ハロゲン化物イオンを含む溶液中に浸漬された一対の電極に電圧を印加することにより次亜ハロゲン酸塩を発生させる方法であって、
    前記一対の電極のうち少なくとも電解系においてカソードとなる電極に接する前記溶液を該電極表面に対して相対的に流動させつつ、前記一対の電極間に0.5〜2.4Vの範囲内の測定時電圧を印加して前記一対の電極間に流れる酸化還元電流値を測定する電流測定工程を有し、
    前記電流測定工程後は、測定された電流値と予め設定された設定電流値とを比較した結果に応じて前記一対の電極間に印加する電圧のオン・オフおよび/または該電圧の大きさを変化させることを特徴とする次亜ハロゲン酸塩発生方法。
  5. 前記一対の電極が白金電極である請求項4記載の次亜ハロゲン酸塩発生方法。
  6. 前記電流値測定工程とは別に、前記測定時電圧よりも、高い電圧を前記一対の電極間に印加する工程を有する請求項4または5に記載の次亜ハロゲン酸塩発生方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の次亜ハロゲン酸塩発生装置と、該次亜ハロゲン酸塩発生装置で発生する次亜ハロゲン酸塩を試薬として用いる分析手段を備える分析装置。
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