JP2016079144A - 新規オキソカーボン系化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐光性に優れた、新規オキソカーボン系化合物の提供。
【解決手段】式3で表される、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に、直接ピロール環が結合している化合物。

(Aはピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環構造;XはH又は有機基;YはH、電子求引性基又は有機置換基;*は結合部位)
【選択図】なし

Description

本発明は、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格を有する新規のオキソカーボン系化合物に関するものである。
従来、スクアリリウム骨格やクロコニウム骨格を化合物中に有するオキソカーボン系化合物が提供されている。これらのオキソカーボン系化合物は、一般に、スクアリン酸やクロコン酸を原料とし、この原料の両端に複素環基を導入することで製造される(特許文献1〜5)。
スクアリリウム骨格やクロコニウム骨格に、ピロールが結合するものとして、例えば、特許文献6に開示される下記式で表される化合物がある(化合物1A)。
また特許文献7には、下記式で表される化合物等が記載されている(例1等)。
また特許文献8には、下記式で示す化合物等が開示されている。
更に、非特許文献1には、下記式で示す化合物等が開示されている。
また非特許文献2には、下記式で示す化合物等が開示されている。
非特許文献3には、下記式に示す化合物が開示されている。
更に、非特許文献4には、下記式に示す化合物が開示されている。
特開平1−230674号公報 特開2008−308602号公報 特開2011−208101号公報 特開2007−169315号公報 特開2008−1754号公報 特開2001−183522号公報 特表2005−520835号公報 特開2008−184606号公報
Raymond、外2名,"Squaraines based on 2−arylpyrroles",Tetrahedron,August 23(2004),60,pp 8913−8918 Luca、外14名,"Assessment of Water−Soluble π−Extended Squaraines as One− and Two−Photon Singlet Oxygen Photosensitizers:Design, Synthesis, and Characterization",JACS,January 19(2008),130,pp 1894−1902 Fabio、外8名,"A squaraine−phthalocyanine ensemble: towards molecular panchromatic sensitizers in solar cells",Chem. Commun.,April 20(2009),pp 4500−4502 Michael、外3名,"Redox−Switchable Squaraines with Extended Conjugation",Org. Lett.,July 19(2003),5(17),pp 2975−2978
しかし、特許文献6〜8及び非特許文献1〜4のいずれにおいても、スクアリリウム骨格に直接ピロール環を結合させた化合物では、ピロール環のα位に置換基を導入して分子設計を行っており、ピロール環のβ位に関する研究が十分になされていなかった。また従来の化合物では、耐光性が不十分な場合があった。
この様な状況下、本発明は、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に、直接ピロール環が結合している化合物において、前記ピロール環のβ位炭素に新たな置換基を導入することにより、新規のオキソカーボン系化合物を提供することを課題として掲げた。また耐光性を改善することを別の課題として掲げた。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ピロール環の2個のβ位炭素に、環状の置換基を導入することにより、従来知られていなかった新たなオキソカーボン系化合物を得ることが可能になること、そして該化合物は光が照射されても劣化し難いことを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明に係るオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム骨格を有する下記式(1)又はクロコニウム骨格を有する下記式(2)で表されることを特徴とする。
(式(1)及び(2)中、Ra1〜Ra4はそれぞれ独立して、下記式(3)で表される構造単位である。)
(式(3)中、
Aは、ピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環構造を示し、
Xは水素原子又は有機基であり、
Yは水素原子、電子求引性基又は有機置換基であり、
*は結合部位を表す。)
前記Aは、芳香族環、脂環式炭化水素環、芳香族環もしくは脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1個以上が、N、S及びOから選ばれる少なくとも1種以上の原子に置き換わった複素環、及びこれらの環が他の環と縮環している環であることが好ましい。また、前記Xは水素原子であり、前記Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基であることが、より好ましい態様である。
本発明によれば、耐光性に優れた新規のオキソカーボン系化合物が得られる。
耐光性試験前後で測定された処方1のピーク対比結果である。 耐光性試験前後で測定された処方2のピーク対比結果である。 耐光性試験前後で測定された処方3のピーク対比結果である。 耐光性試験前後で測定された処方4のピーク対比結果である。 耐光性試験前後で測定された処方5のピーク対比結果である。
<オキソカーボン系化合物>
本発明に係る新規のオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム骨格を有する下記式(1)又はクロコニウム骨格を有する下記式(2)で表されることを特徴とする。
(式(1)及び(2)中、Ra1〜Ra4はそれぞれ独立して、下記式(3)で表される構造単位である。)
(式(3)中、
Aは、ピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環構造を示し、
Xは水素原子又は有機基であり、
Yは水素原子、電子求引性基又は有機置換基であり、
*は結合部位を表す。)
本発明に係る新規のオキソカーボン系化合物は、スクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格を有しており、上記式(1)又は(2)で表される化合物には、それぞれ、これらの化合物と共役関係にある化合物が存在している場合がある。共役関係にある化合物としては、例えば、下記(1a)、(1b)、(2a)、(2b)、及び(2c)が挙げられる。以下、本願明細書においては、このような共役関係にある化合物が存在しているオキソカーボン系化合物であっても、式(1)で表される化合物(化合物(1)と称する場合がある)、式(2)で表される化合物(化合物(2)と称する場合がある)として説明するが、この化合物(1)には、下記式(1a)、(1b)で表される化合物が、化合物(2)には、下記式(2a)、(2b)、及び(2c)も含まれることとする。
まずスクアリリウム骨格又はクロコニウム骨格に結合し得る、式(3)で表される構造単位について説明する。式(3)で表される構造単位において、Aはピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環構造である。Aは、例えば、5〜7員環であることが好ましく、より好ましくは5員環又は6員環である。
なお以下において、Aを環として記載するときには、ピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子を含むものとする。
Aは、ピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に環を形成している限り特に限定されないが、芳香族環又は脂環式炭化水素環が好ましい。芳香族環としては、例えば、ベンゼン環等の炭素数6〜10の芳香族環が好ましい。また脂環式炭化水素環としては、例えば、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン等の炭素数3〜10のシクロアルカン;シクロペンテン、シクロペンタジエン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン(例えば、1,3−シクロヘキサジエン)、シクロヘプテン、シクロヘプタジエン、等の炭素数3〜10のシクロアルケン;等の単環、又はビシクロ[2.2.1]ペンタン、ビシクロ[2.2.1]ペンタ−2−エン、ビシクロ[2.2.2]オクタン、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン等の橋架けを有する環式アルカン、等が挙げられる。中でも、炭素数6〜7の芳香族環、炭素数5〜7のシクロアルカン、炭素数5〜7のシクロアルケン、橋架けを有する炭素数5〜9の環式アルカンが好ましい。また好ましくは、五員環(例えば、シクロペンテン(下記A−1)等)、六員環(例えば、シクロヘキサン(下記A−2)、シクロヘキセン(下記A−3)、シクロヘキサジエン(下記A−4)、ビシクロ[2.2.2]オクタン(下記A−5)、ビシクロ[2.2.2]オクタ−2−エン(下記A−6)、ビシクロ[2.1.2]ヘプタン(下記A−7)、ビシクロ[2.1.2]ヘプタ−2−エン(下記A−8)等)である。中でも、下記式(A−1)〜(A−8)から選ばれる構造式が好ましい。なお、下記式(A−1)〜(A−8)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手であり、2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。また前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。
環Aは、前述した芳香族環又は脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1個以上(ただし、ピロール環と共有される炭素原子を除く)が、N(窒素原子)、S(硫黄原子)及びO(酸素原子)から選ばれる少なくとも1種以上の原子に置き換わった複素環であってもよい。このような複素環としては、例えば、炭素数5〜7のシクロアルカン又は炭素数5〜7のシクロアルケンを構成する炭素原子の少なくとも1個以上が、N、S及びOから選ばれる少なくとも1種以上の原子で置換されている複素環が好ましく、より好ましくは、シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエンを構成する炭素原子の少なくとも1個以上が、N、S及びOから選ばれる少なくとも1種以上の原子で置換されている複素環が好ましい。A1環あたりのN、S、Oの数は、Aを構成する骨格に依存するものの、1個以上(特に1〜2個)であり、2個以上(特に2個)であってもよい。またA1環に含まれるN、S、Oが2個以上のとき、N、S、Oはそれぞれ同一種であっても、異なっていてもよい。このような複素環は、例えば、ピロール環のβ位の炭素原子と結合する原子がN、S又はOである複素環(例えば、下記(B−1)、(B−3)、(B−5)〜(B−17)等)、それ以外の炭素原子がN、S又はOである複素環が例示できる(例えば、下記(B−2)、(B−4)等)。中でも、下記式(B−1)〜(B−17)から選ばれる構造式が好ましい。なお、下記式(B−1)〜(B−17)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手であり、2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。また前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。
更に環Aは、他の環Bと縮環していてもよい。他の環Bが縮環することで、得られるオキソカーボン系化合物を長波長化できるため、化合物の色調に応じた分子設計を行い易くなる。前記環Bには、例えば、環Aの欄で詳述した芳香族環、脂環式炭化水素環、複素環を適宜選択することができ、中でも、炭素数6〜10の芳香族環、炭素数5〜10のシクロアルカン、炭素数5〜10のシクロアルケン、橋架けを有する炭素数5〜12の環式アルカン、及びこれらの環を構成する炭素原子の少なくとも1個以上が、N、S及びOから選ばれる少なくとも1種以上の原子に置き換わった複素環が好ましい。なおAの欄で環として記載されているものは、Bにおいては、Aに存在している任意の隣接する2個の炭素原子を含むものとして読み替える。また、結合手を用いて例示されている構造は、Bでは、該結合手がAに存在している任意の隣接する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとして読み替える。
環Bが縮環した環Aとしては、例えば、縮合多環炭化水素や(例えば、下記(C−1)、(C−2)、(C−5)、(C−6)、(C−8)、(C−9)等)、縮合ヘテロ多環化合物(例えば、下記(C−3)、(C−4)、(C−7)等)が挙げられ、中でも、下記式(C−1)〜(C−9)から選ばれる構造式が好ましい。なお、下記式(C−1)〜(C−9)において、*はピロール環のβ炭素原子との結合手であり、2個のβ炭素原子のいずれであってもよい。また前記結合手はピロール環のβ位に位置する2個の炭素原子と結合して環を形成するものとする。
前記環A及び/又は環Bの水素原子は、電子求引性基及び/又は有機置換基により置換されていてもよい。
前記電子求引性基としては、親電子置換反応で導入できる置換基であれば、特に限定されない。電気求引性基において、電子求引性の指標としては、ハメット則の置換基定数σ等が知られており、ハメット則の置換基定数σが正である官能基が電子求引性基として挙げられる。前記電子求引性基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、トリフルオロメチル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等が挙げられる。
前記アシル基としては、例えば、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、トリフルオロアセチル基等の置換又は無置換のアルカノイル基;ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等の置換又は無置換のアロイル基;が挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜15のアシル基が好ましく、炭素数2〜10のものがより好ましい。
前記アルキルオキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、及び、トリフルオロメチルオキシカルボニル基等の置換又は無置換のアルキルオキシカルボニル基が挙げられる。アルキルオキシカルボニル基中のアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。
前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェノキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基等の置換又は無置換のフェニルオキシカルボニル基;1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基等の置換又は無置換のナフチルオキシカルボニル基;等が挙げられる。
前記カルバモイル基としては、例えば、カルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N,N−ジブチルカルバモイル基、N−(2−ドデシルオキシエチル)カルバモイル基等の置換又は無置換のカルバモイル基が挙げられる。
前記アルキルスルフィニル基としては、例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メトキシメチルスルフィニル基の置換又は無置換のアルキルスルフィニル基等が挙げられる。アルキルスルフィニル基中のアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。
前記アリールスルフィニル基としては、例えば、フェニルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メトキシフェニルスルフィニル基、2−ブトキシフェニルスルフィニル基、2−フルオロフェニルスルフィニル基、3−メチルフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−メチルフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メトキシフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等の置換又は無置換のフェニルスルフィニル基;1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基等の置換又は無置換のナフチルスルフィニル基;等が挙げられる。
前記アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基中のアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。
前記アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、3−フルオロフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等の置換又は無置換のフェニルスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等の置換又は無置換のナフチルスルホニル基;等が挙げられる。
前記スルファモイル基としては、スルファモイル基(−SOONH2)中の水素原子が1つ置換されている一置換スルファモイル基であっても、2つ置換されている二置換スルファモイル基であってもよい。一置換スルファモイル基としては、例えば、スルファモイル基;N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基等のアルキル基で置換されたスルファモイル基;N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基等の置換又は無置換のアリール基で置換されたスルファモイル基;等が挙げられる。二置換スルファモイル基としては、例えば、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられる。
また前記環A及び/又は環Bの水素原子を置換し得る前記有機置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオオキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましく、より好ましくはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt−ブチル基であり、更に好ましくはプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基又はt−ブチル基であり、より好ましくはt−ブチル基である。このアルキル基は置換基を有していてもよい。前記アルキル基が有する置換基としては、ハロゲン、アルコキシ基が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ウンデシルオキシ基、ドデシルオキシ基、トリデシルオキシ基、テトラデシルオキシ基、ペンタデシルオキシ基、ヘキサデシルオキシ基、ヘプタデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、ノナデシルオキシ基、イコシルオキシ基、メトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜20のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。また、アルコキシ基中のアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。
前記チオアルコキシ基としては、例えば、メチルチオオキシ基、エチルチオオキシ基、プロピルチオオキシ基、ブチルチオオキシ基、ペンチルチオオキシ基、ヘキシルチオオキシ基、ヘプチルチオオキシ基、オクチルチオオキシ基、ノニルチオオキシ基、デシルチオオキシ基、ウンデシルチオオキシ基、ドデシルチオオキシ基、トリデシルチオオキシ基、テトラデシルチオオキシ基、ペンタデシルチオオキシ基、ヘキサデシルチオオキシ基、ヘプタデシルチオオキシ基、オクタデシルチオオキシ基、ノナデシルチオオキシ基、イコシルチオオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜20のチオアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜10のものがより好ましい。また、チオアルコキシ基中のアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。このアリール基は置換基を有していてもよい。アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、炭素数7〜18のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基等が挙げられる。このアラルキル基は置換基を有していてもよく、前記置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基が挙げられる。
前記アリールオキシ基としては、例えば、フェニルオキシ基、ビフェニルオキシ基、ナフチルオキシ基、アントリルオキシ基、フェナントリルオキシ基、ピレニルオキシ基、インデニルオキシ基、アズレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、ターフェニルオキシ基、クオーターフェニルオキシ基、ペンタレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、ビフェニレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、アセナフチレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基、フルオレニルオキシ基、フェナントリルオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜25のアリールオキシ基が好ましく、炭素数1〜15のものがより好ましい。
前記アリールチオオキシ基としては、例えば、フェニルチオオキシ基、ビフェニルチオオキシ基、ナフチルチオオキシ基、アントリルチオオキシ基、フェナントリルチオオキシ基、ピレニルチオオキシ基、インデニルチオオキシ基、アズレニルチオオキシ基、フルオレニルチオオキシ基、ターフェニルチオオキシ基、クオーターフェニルチオオキシ基、ペンタレニルチオオキシ基、ヘプタレニルチオオキシ基、ビフェニレニルチオオキシ基、インダセニルチオオキシ基、アセナフチレニルチオオキシ基、フェナレニルチオオキシ基、フルオレニルチオオキシ基、フェナントリルチオオキシ基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜25のアリールチオオキシ基が好ましく、炭素数1〜15のものがより好ましい。
前記有機置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基が好ましく、より好ましくはアルキル基であり、特にAがアセナフテン等の溶解性に劣る環の場合には、溶解性向上の観点から、特に、t−ブチル基又はイソブチル基等の嵩高い基が好ましい。
前記有機置換基の結合位置は特に限定されないが、例えば、環Bに結合していることが好ましい(例えば、式(C−1)〜(C−9)のとき、Rc2〜Rc5、Rc8〜Rc11、Rc13〜Rc40、Rc42〜Rc47、Rc50〜Rc57)。
なお、スクアリリウム骨格を有する化合物(1)におけるRa1、Ra2は、同一であっても異なっていてもよい。製造が容易なことから、Ra1、Ra2は、同一であることが好ましい。同様にクロコニウム骨格を有する化合物(2)において、Ra3、Ra4は同一であっても異なっていてもよく、同一であることがより好ましい態様である。
次に、式(3)におけるXについて説明する。Xは水素原子又は有機基であり、前記有機基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基又はアルコキシアルキル基等が例示できる。
前記アルキル基としては、例えば、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、オクチル基、メチルヘプチル基、ジメチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、3−エチルヘキシル基、トリメチルペンチル基、3−エチル−2−メチルペンチル基、2−エチル−3−メチルペンチル基、2,2,3,3−テトラメチルブチル基、ノニル基、メチルオクチル基、3,7−ジメチルオクチル基、ジメチルヘプチル基、3−エチルヘプチル基、4−エチルヘプチル基、トリメチルヘキシル基、3,3−ジエチルペンチル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、等の直鎖又は分岐のアルキル基が挙げられる。
前記アリール基としては、例えば、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ピレニル基、インデニル基、アズレニル基、フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、ペンタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、アセナフチレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、フェナントリル基等が挙げられる。これらの中でも、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、炭素数6〜15のものがより好ましい。このアリール基は置換基を有していてもよい。アリール基が有する置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基が挙げられる。
前記アラルキル基としては、炭素数7〜18のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基等が挙げられる。このアラルキル基は置換基を有していてもよく、前記置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基が挙げられる。
前記アルキルスルホニル基としては、例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メトキシメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基等が挙げられる。アルキルスルホニル基中のアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよい。
前記アリールスルホニル基としては、例えば、フェニルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メトキシフェニルスルホニル基、2−ブトキシフェニルスルホニル基、2−フルオロフェニルスルホニル基、3−メチルフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、3−フルオロフェニルスルホニル基、4−メチルフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メトキシフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等の置換又は無置換のフェニルスルホニル基;1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基等の置換又は無置換のナフチルスルホニル基;等が挙げられる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、下記式(5):
(式中、Z1、Z2はそれぞれ独立してアルキレン基であり、Z3はアルキル基であり、nは0〜4の整数を表す)が挙げられる。
1、Z2は、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、より好ましくは炭素数2〜5のアルキレン基である。好ましいアルキレン基を例示すると、例えば、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH2)CH2−、−CH(C25)CH2−、−C(CH22CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2−、−CH2CH2CH2CH2CH2CH2−、等が挙げられる。中でも−CH2−(メチレン基)、−CH2CH2−(エチレン基)、−CH(CH2)CH2−(プロピレン基)又は−CH2CH2CH2−(トリメチレン基)が好ましく、より好ましくは−CH2−(メチレン基)又は−CH2CH2−(エチレン基)である。
また、Z3は、炭素数が1〜20のアルキル基が好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基であり、好ましいアルキル基を例示すると、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基である。
nは0〜4の整数であるが、より好ましくは0〜2であり、更に好ましくは0又は1である。
このようなアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシエチル基、エトキシエチル基、メトキシエトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、エトキシエトキシエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、本発明においてXは、水素原子、アルキル基、アルコキシアルキル基が好ましく、より好ましくは水素原子である。
次に、式(3)におけるYについて説明する。Yは、水素原子、電子求引性基又は有機置換基であり、電子求引性基としては、例えば、前述したハロゲン、シアノ基、ニトロ基、チオシアネート基、トリフルオロメチル基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホ基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルファモイル基等を選択するとよい。有機置換基も同様に、例えば、前述したアルキル基、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオオキシ基等を選択するとよい。中でも、炭素数1〜4のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基が好ましく、より好ましくは、メチル基、エチル基、アルコキシ基で置換された炭素数6〜10のアリール基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、アルコキシ基で置換されたフェニル基であり、特に好ましくは、メチル基、エチル基、(o−,m−,p−)メトキシフェニル、又は(o−,m−,p−)エトキシフェニルである。
このようなオキソカーボン系化合物として、特に好ましい化合物を例示すると、スクアリリウム骨格を有する化合物では、例えば、
が例示でき、クロコニウム骨格を有する化合物としては、例えば、
等が例示できる。
本発明に係る新規のオキソカーボン系化合物の極大吸収波長(λmax)は、スクアリリウム系の色素で550〜1000nmであり、例えば、分子中の橋架けの環式アルカンを芳香族環に変換する等して該化合物を長波長化することにより、600〜800nmとすることも可能である。またクロコニウム系の色素の場合、色素の極大吸収波長(λmax)は700〜1200nmであり、更に分子中の橋架けの環式アルカンを芳香族環に変換する等して該化合物を長波長化することにより、800〜950nmとすることもできる。
更に、本発明に係る新規のオキソカーボン系化合物は、耐光性に優れる。本発明に係るオキソカーボン系化合物を含む塗膜をキセノンウェザーメーターにセットし、60℃雰囲気下で24時間の光照射する耐光性試験を行ったとき、耐光性試験前後で得られるピークトップから求められるピーク残存率は、30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは60%以上を達成できる。
<オキソカーボン系化合物の製造方法>
本発明に係るオキソカーボン系化合物は、下記式(4):
(式(4)中、A、X及びYは前記に同じ)で表されるピロール誘導体と、スクアリン酸又はクロコン酸を反応させることにより製造することができる。
スクアリン酸又はクロコン酸と、ピロール誘導体(4)との反応させる工程(以下、「工程1」と称する)において、ピロール誘導体(4)の使用量は、スクアリン酸又はクロコン酸に対し、0.8倍mol以上が好ましく、より好ましくは1.2倍mol以上であり、更に好ましくは1.5倍mol以上であり、5倍mol以下が好ましく、より好ましくは4倍mol以下であり、更に好ましくは3倍mol以下である。
また本反応は、溶媒存在下に実施することが好ましく、使用できる溶媒としては、例えば、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;THF、ジオキサン、シクロペンチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル類;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;等を挙げることができる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記溶媒の使用量(合計)は、スクアリン酸又はクロコン酸に対して、1倍重量以上が好ましく、より好ましくは10倍重量以上であり、更に好ましくは20倍重量以上であり、上限は例えば、100倍重量以下である。
反応温度は適宜設定するとよく、例えば0℃以上が好ましく、より好ましくは25℃以上であり、170℃以下が好ましく、より好ましくは140℃以下である。本反応は、反応生成水を除去するため、還流状態で行ってもよい。また反応時間も特に限定されず、例えば、0.1時間以上が好ましく、より好ましくは0.5時間以上であり、24時間以下が好ましく、より好ましくは12時間以下である。
工程1は、特に不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気下で行うことが推奨される。
上記反応により得られるオキソカーボン系化合物は、反応後、適宜精製するとよい。精製手段としては、例えば、濾過、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミナカラムクロマトグラフィー、再結晶、晶析、再沈殿等が挙げられる。
また、式(3)のA及び/又はBに、橋架けを有する環式アルカンが含まれる場合、工程1により、分子中に橋架けの環式アルカンを有するオキソカーボン系化合物を製造した後、得られたオキソカーボン系化合物に熱処理を施すことにより(以下、「工程2」と称する)、橋架けの環式アルカンを芳香族環に変換することができる。
この際の熱処理温度は、160℃以上が好ましく、より好ましくは210℃以上であり、280℃以下が好ましく、より好ましくは270℃以下である。また、熱処理時間は、0.2時間以上が好ましく、より好ましくは0.5時間以上であり、10時間以下が好ましく、より好ましくは6時間以下である。
工程2は、特に不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気下で行うことが推奨される。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、以下においては、特に断りのない限り、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を意味する。
なお、合成された化合物についての分析には、以下の装置を用いた。
紫外−可視吸収スペクトル;日立ハイテクノロジー社製 型式「U−2810」、日本分光社製 型式「v−570型」
赤外吸収スペクトル;堀場製作所製 型式「FT-720」
NMRスペクトル;日本電子社製 型式「JNM−AL400」、日本電子社製 型式「JNM−EX400」、バリアン・テクノロジーズ社製 型式「マーキュリー2000」
マススペクトル;日本電子社製、型式「JMS−MS 700型」
(MALDI−TOF)マススペクトル;アプライド・バイオシステムズ社製、型式「Voyager−DETM−PRO」
また本実施例で用いた化合物20は、Tetsuo、外9名、“Acenaphthylene−Fused Cyclo[8]pyrroles with Intense Near−IR−Region Absorption Bands”、Chemistry−A European Journal,August 26(2013),19(41))、pp 13970−13978に記載される第13971頁の化合物5の合成方法と同様の方法で製造した。
本実施例で用いた化合物4は、Yuya、外6名、“Synthesis of π−expanded O−chelated boron-dipyrromethene as an NIR dye”、Tetrahedron,May 6(2001),67(18)、pp 3187−3193に記載される第3188頁の化合物3bの合成方法と同様の方法で製造した。
本実施例で用いたピロール13は、Schultz、外1名、“Application of In Situ−Generated Rh−Bound Trimethylenemethane Variants to the Synthesis of 3,4−Fused Pyrroles”、J. Am. Chem. Soc.(2013),135,pp 4696−4699に記載される第4697頁の化合物13aの合成方法と同様の方法で製造した。
≪スクアリリウム系色素≫
実施例1 アセナフトピロールを有するスクアリリウム色素の合成
[Step1]
反応容器にアセナフトピロール20(413mg,1.1mmol)を加え、窒素置換した。dryTHFを30mL加え遮光し、LiAlH4(213mg,5.6mmol)を加えて一晩加熱還流した。室温に戻した後、飽和酒石酸Na水溶液でクエンチし、酢酸エチルで抽出後、水と飽和食塩水で洗浄した。Na2SO4で乾燥させ、減圧濃縮し、目的のアセナフトピロール2を得た(収量356mg,1.1mmol,収率quant.)。
Mol.Form.:(Exact Mass:317.2143,Mol.Wt.:317.4672)
Appearance:淡黄緑色固体
1H NMR (CDCl3,400MHz):δ=7.72 (brs,1H),7.60(d,J=1.2Hz,1H),7.52(m,2H),7.50(m,1H),6.85(d,J=2.3Hz,1H),2.54(s,3H),1.45(s, 9H),1.43(s, 9H)
[Step2]
反応容器にスクアリン酸1(62.4mg,0.547mmol)とアセナフトピロール2(0.356g,1.13mmol)を加えて窒素置換した。n−BuOH及びtolueneを1:1の割合で20mL加え、加熱還流した。1時間後に原料のアセナフトピロールが消えているのをTLCで確認した後、加熱をやめ室温に戻して減圧濃縮した。MeOHで洗浄し生成物と思われる暗緑色の固体を得、さらにCHCl3/MeOHで再結晶させることで化合物3を得た(収量0.2744g,0.383mmol,収率70%)。クロロホルム溶解時の回転異性体存在比は5:3であった。
Mol.Form.:(Exact Mass712.4029:,Mol.Wt.:712.9601)
Appearance:緑色粉末
1H NMR (CDCl3,400MHz):δ=10.19(brs,1H,minor),9.97(brs,1H,major),9.42(s,1H,major),9.24(s,1H,minor),7.80−7.78(m,2H),7.73−7.68(m,4H),2.76(s,3H,minor),2.64(s,3H,major),1.63-1.48(m,36H)
UV−vis (CHCl3) λmax,709nm
MS(MALDI−TOF MS):713.0355(M
実施例2 o−メトキシフェニルビシクロピロールを有するスクアリリウム色素の合成
反応容器にスクアリン酸1(29.5mg,0.26mmol)とo−メトキシフェニルビシクロピロール4(126.3mg,0.5mmol)を加えて窒素置換した。n−BuOH及びtolueneを1:1の割合で10mL加え、加熱還流した。30分後に原料のo−メトキシフェニルビシクロピロールが消えているのをTLCで確認した後、加熱をやめ室温に戻して減圧濃縮した。イソプロパノールで洗浄し、化合物5を得た(収量0.0925g,0.16mmol,収率62%)。
Mol.Form.:(Exact Mass:580.2362, Mol.Wt.:580.6722)
Appearance:緑色粉末
1H NMR (CDCl3,400MHz):δ=10.66(brs,1H),10.38(brs,1H),7.78(m,2H),7.36(m,2H),7.09(m,2H),7.04(m,2H),6.63(m,2H),6.53(m,2H),5.06(m,1H),4.92(m,1H),4.38(m,2H),4.07(s,3H),4.03(s,3H),1.79−1.56(m,8H)
UV−vis (CHCl3) λmax,639nm
MS(MALDI−TOF MS):581.8236(M),553.8042(M−28), 524.7811(M−56)
実施例3 o−メトキシフェニル−イソインドールを有するスクアリリウム色素の合成
反応容器に化合物5(15.6mg,0.027mmol)を加えて窒素置換した。230℃で1時間加熱し室温まで放冷して化合物6を得た(収量14mg,0.027mmol,収率quant)。クロロホルム溶解時の回転異性体存在比2:1であった。
Mol.Form.:(Exact Mass:524.1736,Mol.Wt.:524.5654)
Appearance:黒色粉末
1H NMR (CDCl3,400MHz):δ=12.38(brs,1H,major),12.12(brs,1H,minor),8.94(d,J=8.1Hz,1H,minor),8.80(d,J=8.1Hz,1H,major),8.14−8.06(m,4H),7.51−7.38(m,6H),7.20−7.10(m,4H),4.19(s,3H,major),4.10(s,3H,minor)
UV−vis (CHCl3) λmax,740nm
MS(MALDI−TOF MS):546.03(M+23)
実施例4 α−メチルビシクロピロールを有するスクアリリウム色素の合成
反応容器にスクアリン酸1(57.9mg,0.5mmol)とα−メチルビシクロピロール7(160mg,1.0mmol)を加えて窒素置換した。n−BuOH及びtolueneを1:1の割合で10mL加え、加熱還流した。30分後に原料のピロールが消えているのをTLCで確認した後、加熱をやめ室温に戻して減圧濃縮し、クロロホルム/ヘキサンで再結晶することで化合物8を得た(収量0.3133g,0.787mmol,収率78%)。
Mol.Form.:(Exact Mass:580.2362,Mol.Wt.:396.4810)
Appearance:色粉末
1H NMR (CDCl3,400MHz):δ=9.61(brs,1H),9.39 (brs,1H),6.56−6.46(m,4H),4.94(m,1H),4.80 (m,1H),3.90(s,2H),2.36(s,6H),1.65−1.26(m,8H)
UV−vis (CHCl3) λmax, 563nm
MS(MALDI−TOF):368.84(M−28)
MS(FAB):396(M), 340(M−56)
実施例5 α−メチルイソインドールを有するスクアリリウム色素の合成
反応容器に化合物8(12.0mg,0.03mmol)を加えて窒素置換した。230℃で1時間加熱し室温まで放冷して化合物9を得た(収量10mg,0.03mmol,収率quant.)。
Mol.Form.:(Exact Mass:340.1212,Mol.Wt.:340.3746)
Appearance:黒色粉末
UV−vis (CHCl3) λmax,650nm
実施例6
反応容器にスクアリン酸(56mg,0.493mmol)、ピロール13(295mg,0.985mol)を入れ、n−BuOH/toluene(1:1,10mL)を加えて、30分還流した。反応終了後、室温に戻し、減圧下で濃縮し、MeOHで洗浄することにより目的物14が得られた。クロロホルム溶解時の回転異性体存在比2:1であった。
yield:109mg(41%)
Mol.Form.:C343424(Exact Mass:534.25,Mol.Wt.:534.64)
Appearance:green powder
UV-vis(CHCl3):651nm
≪クロコニウム系色素≫
実施例7 o−メトキシフェニル−ビシクロピロールを有するクロコニウム色素の合成
反応容器にクロコン酸(101mg,0.402mmol)、o−メトキシフェニルビシクロピロール4(30.3mg,0.213mol)を入れ、n−BuOH/toluene(1:1,5mL)を加えて、2時間還流した。反応終了後、室温に戻し、減圧下で濃縮し、IPAで洗浄することにより化合物10を得た(収量105mg、収率81%)。クロロホルム溶解時の回転異性体存在比1:1であった。
Mol.Form.:C393225(Exact Mass:608.23,Mol.Wt.:608.68)
Appearance:brown−red powder
1H NMR:(CDCl,400MHz):δ=13.14(brs,1H),12.83(brs,1H),12.76(brs,1H),12.60(brs,1H),7.94−7.83(m,2H+2H),7.47−7.40(m,2H+2H),7.15−7.06(m,4H+4H),6.71−6.52(m,4H+4H),5.81(m,1H),5.72 (m,1H),5.65 (m,1H),4.47−4.41(m,2H+2H),4.17(s,3H),4.16(s,3H),4.14(s,3H),4.10(s,3H),1.69−1.56(m,8H+8H)
MS(MALDI−TOF): 579.49(M−28)
UV−vis(CHCl3) λmax,794nm
実施例8 o−メトキシフェニル−イソインドールを有するクロコニウム色素の合成
反応容器に化合物10(6.5mg,0.011mmol)を入れ、真空中、230℃で2時間加熱した。室温に戻し、目的物11を得た。
yield: trace (trace)
Mol.Form.: C393225 (Exact Mass:552.17,Mol.Wt.:552.58)
Appearance: block solid
UV−vis(CHCl3) λmax,866nm
実施例9 アセナフトピロールを有するクロコニウム色素の合成
反応容器にクロコン酸(243mg,1.71mmol)、アセナフトピロール2(1.09g,3.42mol)を入れ、n−BuOH/toluene(1:1,10mL)を加えて、1時間半還流した。反応終了後、室温に戻し、減圧下で濃縮し、IPAで洗浄することにより目的物12が得られた(収量1.15g、収率91%)。クロロホルム溶解時の回転異性体存在比10:7であった。
Mol.Form.: C515423 (Exact Mass:742.41,Mol.Wt.:742.99)
Appearance: brown−red powder
1H NMR:(CDCl,400MHz):δ(syn)=12.60(brs,2H,major),9.67(s,2H,major),7.82(s,2H,major),7.68(s,2H,major),7.43(s,2H,major),2.55(s,6H,major),1.62(s,18H,major),1.41(s,18H,major),δ(anti)=13.41(brs,1H,minor),11.76(brs,1H,minor),9.74(s,1H,minor),9.64(s,1H,minor),7.86(s,1H,minor),7.83(s,1H,minor),7.77(s,1H,minor),7.72(s,1H,minor),7.69(s,1H,minor),7.63(s,1H,minor),2.82(s,3H,minor),2.57(s,3H,minor),1.64(s,9H,minor),1.60(s,9H,minor),1.50(s,9H,minor),1.47(s,9H,minor)
MS (FAB): 742(M
UV−vis (CHCl3) λmax,854 nm
実施例10
反応容器にクロコン酸(182mg,1.28mmol)、ピロール13(582mg,2.56mol)を入れ、n−BuOH/toluene(1:1,10mL)を加えて、室温で2時間撹拌した。反応終了後、減圧下で濃縮し、MeOHで洗浄することにより目的物15が得られた。クロロホルム溶解時の回転異性体存在比1:1であった。
yield:408mg(57%)
Mol.Form.:C353225(Exact Mass:560.23,Mol.Wt.:560.64)
Appearance:brown−red powder
UV-vis(CHCl3):800nm
<耐光性試験>
下記処方1〜5で得た塗膜をキセノンウェザーメーター(スガ試験機株式会社製、X75SC)にセットし、耐光性試験を実施した。評価条件は60℃雰囲気下で24時間の光照射とした。
≪樹脂組成物の製造方法≫
製造例1(ポリイミドのジメチルアセトアミド溶液)
1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸(東京化成製、純度98%、mw=260.20)5部と無水酢酸(和光純薬製)44部とをフラスコに仕込み、攪拌しながら反応器内を窒素ガスで置換した。窒素ガス雰囲気下で溶剤の還流温度まで昇温し、10分間溶剤を還流させた。攪拌しながら室温まで冷却し、結晶を析出させた。析出した結晶を固液分離し、乾燥して目的物(1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物)の結晶を得た。温度計、撹拌器、窒素導入管、側管付き滴下ロート、ディーンスターク、冷却管を備えたフラスコに、窒素気流下、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(和光純薬製、mw=200.24)8.9部と、溶剤としてジメチルアセトアミド76部を仕込んで溶解させた後、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物(mw=224.17)10部を室温にて、固体のまま1時間かけて分割投入し、室温下2時間撹拌した。共沸脱水剤としてトルエンを26部添加して130℃で3時間反応を行い、ディーンスタークで還流して共沸する生成水を分離した。194℃に昇温しながらキシレンを留去した後、冷却しポリイミドのジメチルアセトアミド溶液を得た。
製造例2(アクリビュアのジオキサン溶液)
日本触媒製アクリビュア(登録商標:「RN」)10部をジオキサン90部と混合、撹拌して、アクリビュア(RN)のジオキサン溶液を得た。
≪塗膜の製造方法≫
処方1(化合物3を含む樹脂組成物)
製造例1で得たポリイミドのジメチルアセトアミド溶液をジメチルアセトアミドで希釈し、濃度を8%に調整した。この溶液12.31部と実施例1で得た化合物(3)0.015部を混合し、化合物を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、150℃で20分間焼成し、塗膜を得た。
処方2(化合物3を含む樹脂組成物)
製造例2で得たアクリビュアのジオキサン溶液9.85部と、実施例1で得た化合物(3)0.015部を混合し、化合物を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、150℃で20分間焼成し、塗膜を得た。
処方3(化合物9を含む樹脂組成物)
製造例2で得たアクリビュアのジオキサン溶液9.85部と、実施例8で得た化合物(12)0.015部を混合し、化合物を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、150℃で20分間焼成し、塗膜を得た。
処方4
製造例1で得たポリイミドのジメチルアセトアミド溶液をジメチルアセトアミドで希釈し、濃度を8%に調整した。この溶液12.31部と下記式で表されるスクアリリウム色素0.015部を混合し、該色素を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、150℃で20分間焼成し、塗膜を得た。
処方5
製造例1で得たポリイミドのジメチルアセトアミド溶液をジメチルアセトアミドで希釈し、濃度を8%に調整した。この溶液12.31部と下記式で表されるクロコニウム色素0.015部を混合し、色素を溶解した。この溶液をろ過して不溶分等を除いた後、ガラス基板上にスピンコートし、150℃で20分間焼成し、塗膜を得た。
耐光性試験の前後で得られるピークを測定し、それぞれの結果を図1〜図5に重ねて示す(添付チャートの実線は試験前のスペクトル、点線は試験後のスペクトルを示す)。耐光性試験の前後で得られるピークトップをそれぞれ求め、(試験前のピークトップの値−試験後のピークトップの値)を試験前のピークトップの値で除して、ピーク残存率とした。ピーク残存率の結果を以下に示す。
処方1(図1) 44%
処方2(図2) 72%
処方3(図3) 92%
処方4(図4) 2%
処方5(図5) 56%
処方1〜2、処方4の結果より、スクアリリウム骨格にピロール環が結合している化合物において、ピロール環の2個のβ位炭素に環状の置換基を導入した化合物は、そうでない化合物、すなわちメチン基を介してなる化合物に比べ、ピーク残存率が高く、耐光性に優れていることが分かった。同様に処方3と処方5の結果より、クロコニウム骨格を有する化合物においても、ピロール環の2個のβ位炭素に環状の置換基を導入した化合物は、耐光性に優れていることが分かった。
本発明に係る新規のオキソカーボン系化合物は、色調に優れているため、可視光及び近赤外線を吸収する色素として、可視光及び近赤外線を吸収・カットする機能を有する半導体受光素子用の光学フィルター;省エネルギー用に熱線を遮断する近赤外線吸収フィルムや近赤外線吸収板;セキュリティーインクや不可視バーコードインクとしての情報表示材料;可視光及び近赤外光を利用した太陽電池用材料;プラズマディスプレイパネル(PDP)やCCD用の特定波長吸収フィルター;レーザー溶着用の光熱変換材料;加圧や加熱による不具合の生じにくい光を利用した光定着法(フラッシュ定着法用の静電荷現像用トナー);等に用いることができる。

Claims (3)

  1. スクアリリウム骨格を有する下記式(1)又はクロコニウム骨格を有する下記式(2)で表されることを特徴とするオキソカーボン系化合物。
    (式(1)及び(2)中、Ra1〜Ra4はそれぞれ独立して、下記式(3)で表される構造単位である。)
    (式(3)中、
    Aは、ピロール環のβ位の2つの炭素原子が他の原子と共に形成する環構造を示し、
    Xは水素原子又は有機基であり、
    Yは水素原子、電子求引性基又は有機置換基であり、
    *は結合部位を表す。)
  2. 前記Aは、芳香族環、脂環式炭化水素環、芳香族環もしくは脂環式炭化水素環を構成する炭素原子の少なくとも1個以上が、N、S及びOから選ばれる少なくとも1種以上の原子に置き換わった複素環、及びこれらの環が他の環と縮環している環である請求項1に記載のオキソカーボン系化合物。
  3. 前記Xが水素原子であり、前記Yが置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基である請求項1又は2に記載のオキソカーボン系化合物。
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