JP2016078623A - ターンシグナルスイッチ装置 - Google Patents

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謙 小坂
麗 並木
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麗 並木
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Abstract

【課題】安定したキャンセル動作を行うことができるターンシグナルスイッチ装置を提供する。
【解決手段】ハウジングと、ハウジングに回動可能に保持された保持体30と、左折指示回動位置と右折指示回動位置とに回動可能な操作レバー20と、節度を付与する節度機構40と、操作レバー20を中立位置に復帰させるためのキャンセルレバー51と、キャンセルレバー51を回動させるための軸部52と、軸部52を案内するガイド部と、キャンセルレバー51を付勢する弾性部材56とを備えたターンシグナルスイッチ装置1において、軸部52は、キャンセルレバー51の回動時の軸心に沿って、キャンセルレバー51の中央部から両側にそれぞれ突出する1対の突出部であり、ガイド部は、1対の突出部をそれぞれ案内する1対のガイド溝53a又は長孔であり、弾性部材56は、キャンセルレバー51の中央部を付勢する。
【選択図】図3

Description

本発明は、ターンシグナルスイッチ装置に関し、特に、操作レバーを左折指示回動位置又は右折指示回動位置から中立位置に復帰させるキャンセル機構を備えたターンシグナルスイッチ装置に関する。
ターンシグナルスイッチ装置は、車両の左折又は右折の方向指示を行うためのスイッチ装置であって、ステアリングコラム付近に回動可能に保持された操作レバーを備えている。そして、操作レバーを中立位置から左折指示回動位置側又は右折指示回動位置側に回動させる方向指示操作によって、左折又は右折の指示ランプを点滅させることができるようになっている。
そして、このようなターンシグナルスイッチ装置としては、ハンドルを指示方向に回転させた後に逆方向に回転させるキャンセル操作を行った時に、操作レバーを左折指示回動位置又は右折指示回動位置から中立位置に自動的に復帰させるキャンセル機構や、操作レバーの回動に対応した節度を付与する節度機構等を備えたものが普及している。
キャンセル機構を備えた従来のターンシグナルスイッチ装置に関する技術としては、特許文献1等が開示されている。以下、従来のターンシグナルスイッチ装置の構成について、図8を用いて説明する。図8は、従来のターンシグナルスイッチ装置の構成を示す説明図であり、特許文献1に係る従来のターンシグナルスイッチ装置200の構成を示している。図8(a)は、ターンシグナルスイッチ装置200の外観を示し、図8(b)は、ターンシグナルスイッチ装置200の内部構造を示している。
図8に示すように、特許文献1に係る従来のターンシグナルスイッチ装置200は、操作レバー201と、ハウジング202と、保持体203と、キャンセルレバー204と、弾性部材214とを備えている。ハウジング202は、保持体203を回動自在(可能)に保持している。保持体203は操作レバー201の基部を保持している。そして、操作レバー201は、保持体203と共に中立位置から左折指示回動位置側と右折指示回動位置側とに回動自在となっている。
キャンセルレバー204は、保持体203を挟んで操作レバー201の反対側に配置され、ハウジング202に進退動及び回動自在に保持されている。また、キャンセルレバー204は、自動車(車両)のステアリングシャフトと共に回転するキャンセルカム部材206のキャンセル突起206aと衝当する突出部250と、保持体203の回動方向に沿って保持体203を押圧する第1腕部251及び第2腕部252と、保持体203の係合面部242と係脱する係合突起253と、キャンセルレバー204が回動する際の回動軸となる突部254とを有している。突部254は、キャンセルレバー204の回動時の軸心に沿って、キャンセルレバー204の一方の側に形成されている。
弾性部材214は、図示しない保持機構によってハウジング202に保持され、突出部250がキャンセル突起206aと衝当可能となるように、キャンセルレバー204をステアリングシャフト側に付勢している。また、ハウジング202の突部254と対応した位置には、キャンセルレバー204の進退動方向に沿って延びる案内長孔235が形成され、キャンセルレバー204が進退動及び回動可能となるように、突部254を案内している。
ターンシグナルスイッチ装置200では、キャンセル操作時に、突出部250とキャンセル突起206aとの衝当によって、キャンセルレバー204が進退動しながら回動する。そして、キャンセルレバー204のこのような動作に伴って、キャンセルレバー204の第1腕部251又は第2腕部252が保持体203を押圧して回動させ、保持体203の回動に伴って、操作レバー201が左折指示回動位置又は右折指示回動位置から中立位置に自動復帰するようになっている。また、操作レバー201が中立位置にある時には、係合面部242と係合突起253とが係合することによってキャンセルレバー204が保持体203側に移動し、突出部250とキャンセル突起206aとが衝当しないようになっている。
尚、図8には示されていないが、ターンシグナルスイッチ装置200は、操作レバー201の回動に対応した節度を付与する節度機構を備えている。節度機構は、通常、保持体203側に保持された駆動体や、駆動体を付勢する弾性部材や、駆動体と対向配置されたカム部材等を有して構成され、キャンセルレバー204と同様に、保持体203を挟んで操作レバー201の反対側に配置される。
特開2012−195103号公報
従来のターンシグナルスイッチ装置200では、キャンセルレバー204の突部254と突部254を案内する案内長孔235とは、それぞれ1つずつ形成されていた。そのため、キャンセルレバー204を進退動又は回動させる時にキャンセルレバー204に加えられた力がキャンセルレバー204の一方の側(突部254と案内長孔235とが形成された側)に集中し、キャンセル操作時のキャンセルレバー204の進退動や回動が不安定になり易く、動作不良を引き起こす可能性が有った。
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたもので、その目的は、安定したキャンセル操作を行うことができるターンシグナルスイッチ装置を提供することにある。
この課題を解決するために、請求項1に記載のターンシグナルスイッチ装置は、ハウジングと、前記ハウジングに回動可能に保持された保持体と、前記保持体に基部が保持され、中立位置から少なくとも左折指示回動位置と右折指示回動位置とに回動可能な操作レバーと、前記操作レバーの回動に対応した節度を付与する節度機構と、前記操作レバーを前記中立位置に復帰させるためのキャンセルレバーと、前記キャンセルレバーを回動させるための軸部と、前記キャンセルレバーが進退動及び回動可能となるように、前記軸部を案内するガイド部と、前記キャンセルレバーを進退動方向に沿って付勢する弾性部材とを備え、前記キャンセルレバーの回動によって、前記操作レバーを前記左折指示回動位置又は前記右折指示回動位置から前記中立位置に復帰させるターンシグナルスイッチ装置において、前記軸部は、前記キャンセルレバーの回動時の軸心に沿って、前記キャンセルレバーの中央部から両側にそれぞれ突出する1対の突出部であり、前記ガイド部は、前記1対の突出部をそれぞれ案内する1対の溝又は長孔であり、前記弾性部材は、前記キャンセルレバーの中央部を付勢することを特徴とする。
この構成のターンシグナルスイッチ装置では、軸部がキャンセルレバーの中央部から両側にそれぞれ突出する1対の突出部であり、ガイド部が1対の突出部をそれぞれ案内するので、キャンセル動作時にキャンセルレバーに加わる力を、キャンセルレバーの両側の軸部に分散させて力の偏りを抑制することができ、キャンセルレバーが回動する時のキャンセルレバーの姿勢を安定させることができる。しかも、弾性部材は、キャンセルレバーの中央部を付勢するので、キャンセルレバーをバランス良く付勢することができ、キャンセルレバーが進退動する時のキャンセルレバーの姿勢を安定させることができる。その結果、安定したキャンセル動作を行うことができるようになる。
請求項2に記載のターンシグナルスイッチ装置は、前記節度機構は、前記保持体と共に回動する第1磁性体と、前記第1磁性体と対向可能に保持された第2磁性体と、前記第1磁性体と前記第2磁性体とのうちの少なくとも一方を磁化する磁石とを有し、前記保持体の回動に伴って生じる前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の磁気吸引力の変化によって節度を付与することを特徴とする。
この構成のターンシグナルスイッチ装置では、駆動体や弾性部材やカム部材等によって節度を付与するのではなく、第1磁性体と第2磁性体との間の磁気吸引力の変化によって節度を付与するので、駆動体や弾性部材やカム部材等を配置するためのスペースが不要となる。その結果、軸部やガイド部を配置するスペースを確保し易くなり、ターンシグナルスイッチ装置の形成が容易になる。
請求項3に記載のターンシグナルスイッチ装置は、前記軸部は、円柱状の突出部であり、前記ガイド部は、前記キャンセルレバーの進退動方向に沿って延びる溝であることを特徴とする。
この構成のターンシグナルスイッチ装置では、軸部が円柱状の突出部なので、キャンセルレバーを円滑に回動させることができる。しかもガイド部は、キャンセルレバーの進退動方向に沿って延びる溝なので、軸部をガイド部である溝に挿入することによって、キャンセルレバーを回動可能な状態で円滑に進退動させることができる。その結果、キャンセル動作を更に安定させることができる。
請求項4に記載のターンシグナルスイッチ装置は、前記弾性部材は、前記キャンセルレバーの進退動方向に沿って移動可能な押圧部材を介して前記キャンセルレバーを付勢し、前記押圧部材には、前記キャンセルレバーを押圧する押圧平面が形成され、前記キャンセルレバーの中央部には、前記押圧平面に押圧される被押圧平面が形成されていることを特徴とする。
この構成のターンシグナルスイッチ装置では、押圧部材の押圧平面がキャンセルレバーの被押圧平面を押圧するので、キャンセルレバーが進退動する際のキャンセルレバーの姿勢を安定させ易い。その結果、キャンセル動作を更に安定させることができる。
本発明によれば、安定したキャンセル操作を行うことができるターンシグナルスイッチ装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る操作レバーと保持体と節度機構とキャンセル機構とを示す斜視図である。 本発明の実施形態に係る節度機構の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るキャンセル機構の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係るキャンセル機構の内部構造を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の動作を示す説明図である。 従来のターンシグナルスイッチ装置の構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図1ないし図7を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の斜視図である。図2は、本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の分解斜視図である。図3は、本発明の実施形態に係る操作レバーと保持体と節度機構とキャンセル機構とを示す斜視図である。図4は、本発明の実施形態に係る節度機構の分解斜視図である。図4は、保持体30の前側の節度機構40の分解斜視図となっている。図5は、本発明の実施形態に係るキャンセル機構の分解斜視図である。
図6は、本発明の実施形態に係るキャンセル機構の内部構造を示す説明図である。図6(a)は、ターンシグナルスイッチ装置1の正面図である。図6(b)は、図6(a)に示す状態からハウジング10の前端部の板状部材11を省略した状態を示している。図6(c)は、図6(b)に示す状態から前側の節度機構40と前側のガイド部材53とを更に省略した状態を示している。図6(d)は、図6(c)に示す状態から前側の第1規制部材54と第2規制部材57とを更に省略した状態を示している。
図7は、本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の動作を示す説明図である。図7は、ハウジング10の前端部の板状部材11と前側の節度機構40と前側のガイド部材53と前側の第1規制部材54と第2規制部材57とを更に省略した状態でターンシグナルスイッチ装置1を前から見た場合の、ターンシグナルスイッチ装置1の動作を示している。図7(a)は、操作レバー20が中立位置にある状態のターンシグナルスイッチ装置1を示している。図7(b)は、操作レバー20が中立位置から左折指示回動位置側に回動した時のターンシグナルスイッチ装置1を示している。図7(c)は、操作レバー20が左折指示回動位置から中立位置に復帰する途中のターンシグナルスイッチ装置1を示している。図7(d)は、操作レバー20が中立位置に復帰した状態のターンシグナルスイッチ装置1を示している。
尚、各図における方向は、X1を左、X2を右、Y1を前、Y2を後、Z1を上、Z2を下として説明を進める。また、各図における回動の方向は、前から見て時計方向の回動を時計方向の回動とし、前から見て反時計方向の回動を反時計方向の回動として説明を進める。
まず、本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置の構成について、図1ないし図6を用いて説明する。本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置1は、車両の左折又は右折の方向指示を行うためのスイッチ装置である。
本発明の実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置1は、図1ないし図3に示すように、ハウジング10と、操作レバー20と、保持体30と、2つの節度機構40と、キャンセル機構50とを備えている。
ハウジング10は、図1及び図2に示すように、略直方体の箱状の部材であり、左端部、右端部、前端部、後端部、上端部、及び下端部となる略長方形の6つの板状部材11を組み合わせて形成される。6つの板状部材11で囲まれた空間には、保持体30と、節度機構40と、キャンセル機構50とが収容される。ハウジング10の左端部には第1開口部10aが形成され、ハウジング10の右端部には第2開口部10bが形成されている。
操作レバー20は、操作者からの方向指示操作を受け付けるための部材である。操作レバー20は、図1及び図2に示すように、基部20aと先端部20bとを有している。操作レバー20の基部20aは、保持体30の左端部側に保持されている。操作レバー20の先端部20bは、ハウジング10の第1開口部10aから左側に露出している。また、操作レバー20の先端部20bには、図示しない操作ノブ等が取り付けられ、操作者からの方向指示操作を受け付けている。そして、操作レバー20は、方向指示操作に伴って中立位置から左折指示回動位置側又は右折指示回動位置側に回動するようになっている。
本実施形態では、方向指示操作は、保持体30の中心部付近を通り前後方向に延びる仮想線L1(図3参照)を軸心として、操作レバー20を時計方向又は反時計方向に回動させる操作である。以下、操作レバー20の先端部20bが真っ直ぐ左を向いた時の位置を中立位置とし、操作レバー20が中立位置から仮想線L1を軸心として、反時計方向に所定の角度だけ回動した位置を左折指示回動位置とし、操作レバー20が中立位置から仮想線L1を軸心として、時計方向に所定の角度だけ回動した位置を右折指示回動位置として説明を進める。
保持体30は、操作レバー20を回動可能に保持するための部材である。前述したように、保持体30の左端部側には操作レバー20の基部20aが保持されている。そして、保持体30は、仮想線L1を軸心として回動可能となるようにハウジング10に保持されている。
節度機構40は、操作レバー20の回動に対応した節度を付与するための機構である。2つの節度機構40は、図2に示すように、保持体30の前側と後側とにそれぞれ配設されている。そして、節度機構40は、図4に示すように、2つの第1磁性体41と、第2磁性体42と、磁石43と、軸部材44と、連結部材45とを有して構成される。
第1磁性体41は、図4に示すように、仮想線L1を軸として前後方向に延びる円柱状の磁性体である。磁石43は、図4に示すように、第1磁性体41と軸を共有する円柱状の磁石である。2つの第1磁性体41は、磁石43を前後に挟むように磁石43の前側と後側とに取り付けられ、接着等の方法で磁石43に固定されている。そして、2つの第1磁性体41は、磁石43によって互いに異なる磁極となるように磁化されている。第2磁性体42は、図4に示すように、第1磁性体41と軸を共有する円筒状の磁性体である。第2磁性体42の内周側の空間には、2つの第1磁性体41と磁石43とが収容されている。
軸部材44は、図4に示すように、仮想線L1を軸として前後方向に延びる円柱状の部材である。軸部材44の所定の位置には、第1磁性体41と係合するための切欠部44aが形成されている。2つの第1磁性体41は、軸部材44に保持されると共に、軸部材44と係合している。連結部材45は、図3に示すように、保持体30と第2磁性体42とを連結している。また、連結部材45は、図示しないベアリング等の部材によって、軸部材44に回動可能に保持されている。そして、軸部材44がねじ止め等の方法によってハウジング10の所定の位置に固定されることによって、2つの第1磁性体41がハウジング10側に固定され、保持体30と第2磁性体42とが軸部材44を回動軸として連動して回動するようになっている。
第1磁性体41の外周面には、図4に示すように、第2磁性体42の内周面と対向する第1突起41aが形成され、第2磁性体42の内周面には、図4に示すように、第1突起41aと対向する第2突起42aが形成されている。第1突起41aと第2突起42aとが近接した場合には、第1突起41aと第2突起42aとを介して、磁石43と2つの第1磁性体41と第2磁性体42との間で磁路が形成され、第1磁性体41と第2磁性体42との間で磁気吸引力が発生するようになっている。そして、第2磁性体42が回動した時には、第1突起41aと第2突起42aとの相対位置が変化し、それに伴って第1磁性体41と第2磁性体42との間の磁気吸引力も変化する。本実施形態では、第2磁性体42の回動に伴うこのような磁気吸引力の変化によって、操作レバー20の回動に対応した節度を付与している。
尚、操作レバー20の回動に対応した節度を付与するとは、操作レバー20が回動して中立位置や左折指示回動位置や右折指示回動位置の近くに来た時に、第1磁性体41と第2磁性体42との間の磁気吸引力によって、操作レバー20をそれぞれの位置に引き込んで保持したり、操作レバー20の回動に対応してクリック感触と呼ばれる操作感触を発生させたりすることを意味する。
キャンセル機構50は、操作レバー20を中立位置に復帰させるための機構である。キャンセル機構50は、図2に示すように、保持体30の右側、すなわち、保持体30を挟んで操作レバー20と反対側に配設されている。そして、キャンセル機構50は、図5に示すように、キャンセルレバー51と、2つの軸部52と、2つのガイド部材53と、2つの第1規制部材54と、押圧部材55と、弾性部材56と、第2規制部材57とを有して構成される。
キャンセルレバー51は、方向指示操作の後のキャンセル操作を受け付ける部材である。本実施形態では、キャンセル操作は、操作者が方向指示操作に従って図示しない車両のハンドルを反時計方向(左折指示方向)又は時計方向(右折指示方向)に回転させた後に逆方向に回転させる操作であり、操作者がキャンセル操作を行った時には、ハンドルと連動して図示しないキャンセルカム部材が回転するようになっている。
キャンセルレバー51は、図5に示すように、基部51aと、レバー部51bと、2つの駆動部51cとを有している。レバー部51bは、基部51aから右側に延出する部分であり、ハウジング10の第2開口部10bから右側に露出可能に配置されている。駆動部51cは、基部51aから左側に延出する部分である。2つの駆動部51cは、基部51aの前側と後側とにそれぞれ形成されている。前側の駆動部51cは、基部51aの前端部から左側に延出し、後側の駆動部51cは、基部51aの後端部から左側に延出している。また、基部51aの前後方向における中央部分(以下、キャンセルレバー51の中央部と略称)には、レバー部51bの延出方向(左右方向)と直交する方向に広がる被押圧平面51dが形成されている。
軸部52は、図5に示すように、キャンセルレバー51の中央部付近から前後方向に延びる仮想線L2(図5参照)を軸とする円柱状の突出部であり、キャンセルレバー51と一体的に形成されている。2つの軸部52は、基部51aの前側と後側とにそれぞれ形成されている。前側の軸部52は、基部51aの前端部から前方に突出し、後側の軸部52は、基部51aの後端部から後方に突出している。そして、これら2つの軸部52が、キャンセルレバー51が回動する際の回動軸となっている。
ガイド部材53は、図5に示すように、軸部52の延長方向(前後方向)と直交する方向に広がる板状部材である。2つのガイド部材53は、前側の軸部52に対応する位置と後側の軸部52に対応する位置とにそれぞれ配置され、ハウジング10側に固定されている。ガイド部材53の軸部52と対応する位置には、それぞれ左右方向に延びるガイド溝53aが形成されている。そして、前側のガイド部材53のガイド溝53aには前側の軸部52が挿入され、後側のガイド部材53のガイド溝53aには後側の軸部52が挿入されている。そして、ガイド溝53aは、キャンセルレバー51が左右方向に進退動可能となり、軸部52を回動軸として回動可能となるように、それぞれの軸部52を案内している。
尚、本実施形態では、軸部52がキャンセルレバー51の中央部から前後方向にそれぞれ突出する1対の突出部であり、ガイド部材53のガイド溝53aが1対の軸部52をそれぞれ案内するので、キャンセル動作時にキャンセルレバー51に加わる力を、キャンセルレバー51の前後の軸部52に分散させて力の偏りを抑制することができる。
第1規制部材54は、図5に示すように、軸部52の延長方向(前後方向)と直交する方向に広がる板状部材である。2つの第1規制部材54は、キャンセルレバー51と前側のガイド部材53とに挟まれる位置と、キャンセルレバー51と後側のガイド部材53とに挟まれる位置とにそれぞれ配置されている。図示しないが、第1規制部材54は、保持体30の右端部側に固定されて保持体30と共に回動するようになっている。
また、第1規制部材54には、左方向に凸となるように湾曲した規制用カム部54aが形成されている。規制用カム部54aは、軸部52の右方向への移動を規制することでキャンセルレバー51の右方向への移動を規制している。尚、規制用カム部54aによるキャンセルレバー51の規制位置は、操作レバー20及び保持体30の回動に伴って変化し、操作レバー20が中立位置にある時にはキャンセルレバー51が左側に位置し、操作レバー20が左折指示回動位置又は右指示回動位置にある時にはキャンセルレバー51が右側に移動可能となる。
また、第1規制部材54には、キャンセルレバー51の駆動部51cを上下に挟むようにキャンセルレバー51側に突出する突出部である駆動用凸部54bが形成されている。駆動用凸部54bは、キャンセルレバー51が回動する際に、駆動部51cによって上方又は下方に押圧されるようになっている。そして、駆動部51cによって上方に押圧された時には、保持体30が操作レバー20と共に反時計方向に回動し、駆動部51cによって下方に押圧された時には、保持体30が操作レバー20と共に時計方向に回動する。
押圧部材55は、キャンセルレバー51を押圧するための部材である。押圧部材55は、図5に示すように、キャンセルレバー51の被押圧平面51dの左側に配置されている。押圧部材55の被押圧平面51dと対向する位置には、被押圧平面51dと当接可能な押圧平面55aが形成されている。そして、押圧部材55がキャンセルレバー51を押圧する際には、押圧部材55の押圧平面55aが、キャンセルレバー51の被押圧平面51dと当接してキャンセルレバー51を右方向に押圧するようになっている。
弾性部材56は、図5に示すように、左右方向に延びるコイルばねである。弾性部材56は、第2規制部材57と押圧部材55との間に介在し、自身の反発力を利用して、押圧部材55を介してキャンセルレバー51を右方向に付勢している。第2規制部材57は、図5に示すように、上下方向に延びる板状部材であり、弾性部材56の左側に配置されている。第2規制部材57の押圧部材55及び弾性部材56と対応する位置には、押圧部材55を左右方向に移動可能に支持すると共に、弾性部材56を伸縮可能に支持する規制用凸部57aが形成されている。図示しないが、第2規制部材57は、ねじ止め等の方法によって、ハウジング10の所定の位置に固定されている。
尚、本実施形態では、キャンセルレバー51の被押圧平面51dはキャンセルレバー51の中央部に形成されているので、押圧部材55の押圧平面55aはキャンセルレバー51の中央部を押圧することになる。そして、弾性部材56は押圧部材55を介してキャンセルレバー51の中央部を付勢することになり、キャンセルレバー51をバランス良く付勢することができる。
また、図示しないが、ターンシグナルスイッチ装置1は、保持体30の回動方向と回動量を検出するための回動検出手段を更に備えている。そして、回動検出手段の検出結果に基づいて、車両が左折又は右折の指示ランプを点滅させるようになっている。ターンシグナルスイッチ装置1は、このような構成となっている。
次に、本実施形態に係るターンシグナルスイッチ装置1の動作について、図7を用いて説明する。ターンシグナルスイッチ装置1に対する方向指示操作は、前述したように、操作レバー20を中立位置から左折指示回動位置側又は右折指示回動位置側に回動させる操作である。本実施形態では、ターンシグナルスイッチ装置1の動作の例として、操作レバー20を中立位置から左折指示回動位置側に回動させ、その後、キャンセル操作によって操作レバー20を中立位置に復帰させる場合の動作について説明する。
まず、操作者の方向指示操作が無い場合、図7(a)に示すように、操作レバー20は中立位置にある。そして、操作レバー20は、節度機構40によって、所定の大きさ以上の力が加わらない限り中立位置からずれないように保持されている。以下、ターンシグナルスイッチ装置1のこの状態を初期状態と略称する。
尚、初期状態では、第1規制部材54の規制用カム部54aによって軸部52の右方向への移動が規制され、キャンセルレバー51のレバー部51bはハウジング10の内部に収容されている。そのため、この状態では、前述したキャンセルカム部材がハンドルと連動して回転しても、キャンセルレバー51のレバー部51bと衝当しない。また、図示ないが、初期状態では、キャンセルレバー51の被押圧平面51dと押圧部材55の押圧平面55aとが当接しており、それによって、キャンセルレバー51のレバー部51bが右方向を向くように、キャンセルレバー51の回動位置が規制されている。
次に、操作者が左折の方向指示操作を行った時には、図7(b)に示すように、方向指示操作に対応して、操作レバー20が左折指示回動位置側(反時計方向)に回動し、操作レバー20の回動と連動して保持体30と節度機構40の第2磁性体42とが反時計方向に回動する。そして、操作レバー20の回動に対応して、図示しない回動検出手段が保持体30の回動方向と回動量を検出し、車両が左折に対応した指示ランプを点滅させる。また、節度機構40が操作レバー20の回動に対応した節度を付与する。そして、操作レバー20は、節度機構40によって、所定の大きさ以上の力が加わらない限り左折指示回動位置からずれないように保持される。
尚、操作レバー20の回動に伴って、キャンセル機構50の第1規制部材54も保持体30と共に回動し、第1規制部材54の回動に伴って軸部52の規制位置がずれ、キャンセルレバー51と共に右方向に移動可能となる。そして、キャンセルレバー51が弾性部材56に付勢されて軸部52がガイド溝53aに沿って右方向に移動し、それと共にキャンセルレバー51も右方向に移動してレバー部51bがハウジング10の右端部側の第2開口部10bから右側に露出する。その結果、キャンセルレバー51のレバー部51bがキャンセルカム部材と衝当するようになる。
次に、操作者が車両のハンドルを左折指示方向(反時計方向)に回転させた後に逆方向(時計方向)に回転させるキャンセル操作を行った時には、キャンセルレバー51のレバー部51bがキャンセルカム部材と衝当する。そして、図7(c)に示すように、キャンセルレバー51のレバー部51bが上方に押圧され、それと対応して、キャンセルレバー51が軸部52を回動軸として反時計方向に回動する。そして、キャンセルレバー51の駆動部51cが第1規制部材54の駆動用凸部54bを下方に押圧し、それと対応して、保持体30が操作レバー20と共に時計方向に回動する。
次に、図7(d)に示すように、節度機構40が付与する節度によって、操作レバー20が中立位置に復帰するまで、保持体30が操作レバー20と共に時計方向に更に回動する。また、保持体30の回動に合わせて第1規制部材54も時計方向に回動し、第1規制部材54の回動に伴って軸部52の規制位置が左にずれる。そして、軸部52がガイド溝53aに沿って左方向に移動し、それと共にキャンセルレバー51も左方向に移動して、レバー部51bが再びハウジング10の内部に収容される。尚、その際に、キャンセルレバー51の被押圧平面51dと押圧部材55の押圧平面55aとが当接して、キャンセルレバー51の回動位置が初期状態に戻される。
操作レバー20を中立位置から右折指示回動位置側に回動させた時のターンシグナルスイッチ装置1の動作については図示しないが、操作レバー20を中立位置から左折指示回動位置側に回動させた時と同様に、方向指示操作に対応して操作レバー20が回動し、操作レバー20の回動と連動して保持体30と節度機構40の第2磁性体42とが回動する。そして、操作レバー20の回動に対応して、車両が右折に対応した指示ランプを点滅させる。また、節度機構40が操作レバー20の回動に対応した節度を付与する。
操作者が車両のハンドルを右折指示方向(時計方向)に回転させた後に逆方向(反時計方向)に回転させるキャンセル操作を行った時のキャンセル動作についても図示しないが、キャンセルカム部材によってキャンセルレバー51のレバー部51bが下方に押圧され、それと対応してキャンセルレバー51が時計方向に回動する。そして、キャンセルレバー51の駆動部51cが第1規制部材54の駆動用凸部54bを上方に押圧し、それと対応して保持体30が操作レバー20と共に反時計方向に回動する。そして、節度機構40が付与する節度によって、保持体30が操作レバー20と共に反時計方向に更に回動し、操作レバー20が中立位置に自動的に復帰する。
次に、本実施形態の効果について説明する。本実施形態のターンシグナルスイッチ装置1では、軸部52がキャンセルレバー51の中央部から前後方向(両側)にそれぞれ突出する1対の突出部であり、ガイド部材53のガイド溝53a(ガイド部)が1対の軸部52(突出部)をそれぞれ案内するので、キャンセル動作時にキャンセルレバー51に加わる力を、キャンセルレバー51の前後の軸部52に分散させて力の偏りを抑制することができ、キャンセルレバー51が回動する時のキャンセルレバー51の姿勢を安定させることができる。しかも、弾性部材56は、キャンセルレバー51の中央部を付勢するので、キャンセルレバー51をバランス良く付勢することができ、キャンセルレバー51が左右方向に進退動する時のキャンセルレバー51の姿勢を安定させることができる。その結果、安定したキャンセル動作を行うことができるようになる。
本実施形態のターンシグナルスイッチ装置1では、駆動体や弾性部材やカム部材等によって節度を付与するのではなく、第1磁性体41と第2磁性体42との間の磁気吸引力の変化によって節度を付与するので、駆動体や弾性部材やカム部材等を配置するためのスペースが不要となる。その結果、軸部52や、ガイド部材53を配置するスペースを確保し易くなり、ターンシグナルスイッチ装置1の形成が容易になる。
本実施形態のターンシグナルスイッチ装置1では、軸部52が円柱状の突出部なので、キャンセルレバー51を円滑に回動させることができる。しかもガイド溝53aは、キャンセルレバー51の進退動方向(左右方向)に沿って延びているので、軸部52をガイド溝53aに挿入することによって、キャンセルレバー51を回動可能な状態で円滑に進退動させることができる。その結果、キャンセル動作を更に安定させることができる。
本実施形態のターンシグナルスイッチ装置1では、押圧部材55の押圧平面55aがキャンセルレバー51の被押圧平面51dを押圧するので、キャンセルレバー51が進退動する際のキャンセルレバー51の姿勢を安定させ易い。その結果、キャンセル動作を更に安定させることができる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更することができる。
例えば、本発明の実施形態において、搭載する車両の規格に合わせて、ターンシグナルスイッチ装置1の取り付け位置や操作レバー20の回動方向を適宜変更しても構わない。
また、本発明の実施形態において、所定の機能を実現できるのであれば、ハウジング10や操作レバー20や節度機構40やキャンセル機構50の材質や形状を適宜変更しても構わない。また、十分な節度を付与できるのであれば、節度機構40の数は1つでも構わない。
また、本発明の実施形態において、ガイド部材53には、ガイド溝53aではなく、左右方向に延びる長孔が形成され、長孔が軸部52を進退動及び回動可能に案内していても構わない。
1 ターンシグナルスイッチ装置
10 ハウジング
10a 第1開口部
10b 第2開口部
11 板状部材
20 操作レバー
20a 基部
20b 先端部
30 保持体
40 節度機構
41 第1磁性体
41a 第1突起
42 第2磁性体
42a 第2突起
43 磁石
44 軸部材
45 連結部材
50 キャンセル機構
51 キャンセルレバー
51a 基部
51b レバー部
51c 駆動部
51d 被押圧平面
52 軸部
53 ガイド部材
53a ガイド溝
54 第1規制部材
54a 規制用カム部
54b 駆動用凸部
55 押圧部材
55a 押圧平面
56 弾性部材
57 第2規制部材
57a 規制用凸部

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    前記ハウジングに回動可能に保持された保持体と、
    前記保持体に基部が保持され、中立位置から少なくとも左折指示回動位置と右折指示回動位置とに回動可能な操作レバーと、
    前記操作レバーの回動に対応した節度を付与する節度機構と、
    前記操作レバーを前記中立位置に復帰させるためのキャンセルレバーと、
    前記キャンセルレバーを回動させるための軸部と、
    前記キャンセルレバーが進退動及び回動可能となるように、前記軸部を案内するガイド部と、
    前記キャンセルレバーを進退動方向に沿って付勢する弾性部材とを備え、
    前記キャンセルレバーの回動によって、前記操作レバーを前記左折指示回動位置又は前記右折指示回動位置から前記中立位置に復帰させるターンシグナルスイッチ装置において、
    前記軸部は、前記キャンセルレバーの回動時の軸心に沿って、前記キャンセルレバーの中央部から両側にそれぞれ突出する1対の突出部であり、
    前記ガイド部は、前記1対の突出部をそれぞれ案内する1対の溝又は長孔であり、
    前記弾性部材は、前記キャンセルレバーの中央部を付勢することを特徴とするターンシグナルスイッチ装置。
  2. 前記節度機構は、
    前記保持体と共に回動する第1磁性体と、
    前記第1磁性体と対向可能に保持された第2磁性体と、
    前記第1磁性体と前記第2磁性体とのうちの少なくとも一方を磁化する磁石とを有し、
    前記保持体の回動に伴って生じる前記第1磁性体と前記第2磁性体との間の磁気吸引力の変化によって節度を付与することを特徴とする請求項1に記載のターンシグナルスイッチ装置。
  3. 前記軸部は、円柱状の突出部であり、
    前記ガイド部は、前記キャンセルレバーの進退動方向に沿って延びる溝であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のターンシグナルスイッチ装置
  4. 前記弾性部材は、前記キャンセルレバーの進退動方向に沿って移動可能な押圧部材を介して前記キャンセルレバーを付勢し、
    前記押圧部材には、前記キャンセルレバーを押圧する押圧平面が形成され、
    前記キャンセルレバーの中央部には、前記押圧平面に押圧される被押圧平面が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のターンシグナルスイッチ装置。

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