JP2016075468A - グロープラグ - Google Patents

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Abstract

【課題】グロープラグの耐久性および急速昇温性を向上させる。
【解決手段】グロープラグ(10)は、筒状のシースチューブ(810)と、シースチューブ内に収納された発熱コイル(820)と、を備える。シースチューブは、筒状部(851)と、筒状部の先端を塞ぎ、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)を実質的に含有しない蓋部(850)とを備える。蓋部と発熱コイルの先端とは、蓋部の金属材料と発熱コイルの金属材料とのうちの少なくとも一方を含む第1の接合部(852)を介して接合されている。発熱コイルは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)とから選択される金属の少なくとも一方を含有する金属材料によって形成されている。発熱コイルと第1の接合部との境界と、蓋部の最先端部と、の間の軸線方向の距離が2.0mm以下であり、第1の接合部が、蓋部の外表面から離間している。
【選択図】図3

Description

本発明は、グロープラグに関するものである。
グロープラグは、一般に、軸線方向の先端部に発熱体を備えており、このような発熱体の一種として、シースヒータが知られている。シースヒータは、先端部が閉塞した円筒状のシースチューブと、シースチューブ内に配置されて通電により発熱する発熱コイルと、を備える。このようなシースヒータでは、発熱コイルの先端部が、シースチューブの内表面の先端部に溶接されている(例えば、特許文献1参照)。
シースヒータが備える発熱コイルは、例えば、鉄(Fe)とクロム(Cr)とアルミニウム(Al)とを含有するFe−Cr−Al系合金によって構成される。また、近年、グロープラグの使用温度の高温化と急速昇温性の向上の要求を受けて、より耐熱温度(融点)が高い金属、例えばタングステン(W)やモリブデン(Mo)を含有する金属により形成される発熱コイルが提案されている(例えば、特許文献2および3参照)。
ただし、上記したタングステン(W)および(Mo)は、非常に酸化されやすい性質を有している。タングステン(W)やモリブデン(Mo)を用いて発熱コイルを構成すると、発熱コイルをシースチューブの先端部に溶接する際に、これらの金属がシースチューブ内に拡散し得る。その結果、シースチューブの外表面に、非常に酸化されやすい性質を有するタングステン(W)やモリブデン(Mo)が存在することになるため、シースチューブの耐酸化性および耐久性が低下する可能性がある。そこで、例えば、タングステン(W)および(Mo)の含有量を抑えた金属片を発熱コイルの先端部に予め溶接して、この金属片を介して発熱コイルをシースチューブに溶接することにより、シースチューブ内への上記金属の拡散を抑制する構成が提案されている(例えば、特許文献2および3参照)。
特開2001−330249号公報 特開2012−057820号公報 国際公開第2011/162074号パンフレット
しかしながら、金属片を介して発熱コイルとシースチューブとを溶接する場合であっても、溶接時に、発熱コイルと金属片とが溶融し、また、金属片とシースチューブとが溶融することにより、シースチューブの外表面にタングステン(W)やモリブデン(Mo)が存在するようになる可能性がある。そのため、発熱コイルがタングステン(W)やモリブデン(Mo)を含有する場合であっても、タングステン(W)やモリブデン(Mo)がシースチューブの外表面に存在することを防ぎ、シースヒータの耐久性の低下を抑えることが望まれていた。併せて、グロープラグにおいては、急速昇温性のさらなる向上が望まれていた。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びて先端が閉じられた筒状のシースチューブと、該シースチューブ内に収納されて通電により発熱する発熱コイルと、を備えるグロープラグが提供される。このグロープラグにおいて、前記シースチューブは、前記軸線方向に延びて第1の金属材料によって形成される筒状部と、前記筒状部の先端を塞ぎ、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)を実質的に含有しない第2の金属材料によって形成される蓋部とを備え;前記発熱コイルは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)とから選択される第3の金属の少なくとも一方を含有する金属材料によって形成されており;前記蓋部と前記発熱コイルの先端とは、前記第2の金属材料と前記第3の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料を含む第1の接合部を介して接合されており;前記発熱コイルと前記第1の接合部との境界と、前記蓋部の最先端部と、の間の前記軸線方向の距離が2.0mm以下であり;前記第1の接合部が、前記蓋部の外表面から離間している。
この形態のグロープラグによれば、タングステン(W)とモリブデン(Mo)とから選択される金属の少なくとも一方を含有する金属材料によって形成される発熱コイルを用いる際に、グロープラグにおける耐久性の向上および急速昇温性の向上を両立させる効果が得られる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱コイルと前記第1の接合部との境界と、前記蓋部の最先端部と、の間の前記軸線方向の距離が1.0mm未満であることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、グロープラグの急速昇温性をさらに向上させることができる。
(3)上記形態のグロープラグは、前記第1の接合部と、前記蓋部の最先端部との間の前記軸線方向の距離が、0.4mm以上であることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、グロープラグの耐久性をさらに向上させることができる。
(4)上記実施形態のグロープラグにおいて、前記蓋部と前記筒状部とは、前記第1の金属材料と前記第2の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料を含む第2の接合部を介して接合されており;前記第1の接合部と前記第2の接合部とが離間していることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、第1の接合部が、発熱コイルの構成材料であるタングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)を含有する場合であっても、これらの金属が第2の接合部を介してシースチューブの表面に存在することを抑えることができる。
(5)上記形態のグロープラグにおいて、前記第2の接合部は、円環状であることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、蓋部の中ほどに形成した第1の接合部と第2の接合部とを、容易に離間させることができる。
(6)上記形態のグロープラグは、前記シースチューブの内表面における前記第2の接合部が形成される箇所において、凹部が形成されていることとしてもよい。
この形態のグロープラグによれば、シースチューブにおいて第2の接合部が形成されている部位における局所的な発熱量の低下を抑え、グロープラグの性能を向上させることができる。
(7)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱コイルは、タングステン(W)を10〜37質量%含有するタングステン合金によって形成されることとしてもよい。
このような構成とすれば、発熱コイルの耐久性および加工性をさらに高めることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、グロープラグの製造方法、グロープラグ用シースヒータ、およびシースヒータの製造方法などの形態で実現することが可能である。
グロープラグの概略構成を表わす説明図である。 シースヒータの構成を示す説明図である。 シースヒータの先端部の構造を拡大して示す断面模式図である。 グロープラグの製造方法を示す工程図である。 筒状部に蓋部を溶接する様子を示す断面模式図である。 シースヒータの先端部の構造を拡大して示す断面模式図である。 シースヒータの先端部の構造を拡大して示す断面模式図である。 グロープラグにおける先端肉厚等の条件と評価結果とをまとめて示す説明図である。
A.グロープラグの全体構成:
図1は、本発明の第1の実施形態としてのグロープラグ10を示す説明図である。本実施形態のグロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関の始動時等における点火を補助する熱源として機能する。図1に示すように、グロープラグ10は、主な構成要素として、通電によって発熱するシースヒータ800と、主体金具500と、中軸200と、を備える。図1では、グロープラグ10の軸線Oから紙面右側に外観構成を図示し、軸線Oから紙面左側に断面構成を図示した。なお、本明細書では、グロープラグ10において軸線Oに沿ってシースヒータ800側を「先端側」と呼び、中軸200側を「後端側」と呼ぶ。
主体金具500は、例えば炭素鋼等の金属材料を筒状に成形した部材である。主体金具500は、先端側の端部においてシースヒータ800を保持する。主体金具500は、後端側の端部において絶縁部材410とOリング460とを介して中軸200を保持する。絶縁部材410は、絶縁部材410の後端に接するリング300が中軸200に加締められることで、軸線O方向の位置が固定される。この絶縁部材410によって、主体金具500と中軸200との間が電気的に絶縁される。主体金具500は、絶縁部材410からシースヒータ800に至る中軸200の部位を内包する。主体金具500は、工具係合部520と、雄ねじ部540とを備え、内部に軸孔510が形成されている。
軸孔510は、軸線Oに沿って形成された貫通孔であり、中軸200よりも大きな径を有する。軸孔510に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。軸孔510の先端側には、シースヒータ800が圧入されて接合されている。雄ねじ部540は、内燃機関(図示しない)に形成された雌ねじに嵌り合う。工具係合部520は、グロープラグ10の取り付けと取り外しとに用いられる工具(図示しない)に係合する。
中軸200は、導電材料を円柱状に成形した部材である。中軸200は、主体金具500の軸孔510に挿入された状態で軸線Oに沿って組み付けられる。後述するように、中軸200は、軸線O方向の先端側に配置される先端側中軸200aと、軸線O方向の後端側に配置される後端側中軸200bと、を溶接して得られる。本実施形態では、先端側中軸200aは、後端側中軸200bよりも、横断面(軸線Oに垂直な断面)における外径が小さく形成されている。先端側中軸200aの先端部である中軸先端部210は、シースヒータ800の内部に挿入される。後端側中軸200bの後端に設けられた接続部290は、主体金具500から突出しており、係合部材100が嵌り合う。
B.シースヒータの構成:
図2は、シースヒータ800の詳細な構成を示す説明図である。シースヒータ800は、シースチューブ810と、発熱体としての発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とを備える。図2では、発熱コイル820、制御コイル830、および中軸200以外の構成部材については、断面の様子を示している。
シースチューブ810は、軸線O方向に延び、先端が閉塞した筒状部材である。シースチューブ810の内部には、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁粉末840とが収納されている。シースチューブ810は、シース管最先端部811とシース管後端部819とを備える。シース管最先端部811は、軸線O上に位置し、シースチューブ810の先端側において、次第に縮径して外側に向けて丸く形成された部分の端部である。シース管後端部819は、シースチューブ810の後端側において開口した端部である。シース管後端部819からシースチューブ810の内部に中軸200の先端側が挿入されている。シースチューブ810は、パッキン600と絶縁粉末840とによって、中軸200から電気的に絶縁される。パッキン600は、中軸200とシースチューブ810との間に挟まれた絶縁部材である。シースチューブ810は、主体金具500と外表面で接することにより、主体金具500と電気的に接続されている。シースチューブ810は、横断面(軸線Oに垂直な断面)における外径が軸線O方向にわたって一定であるストレート部860と、ストレート部860よりも先端側に、ストレート部860に連続して次第に縮径するように形成されて、シース管最先端部811を含む縮径部865と、を備える。
シースチューブ810は、ニッケル(Ni)および/または鉄(Fe)を含有する金属材料により構成することができ、より具体的には、ニッケル(Ni)または鉄(Fe)を主成分(含有割合が最も多い成分)とする金属材料によって構成することができる。例えば、インコネル601(「インコネル」は登録商標))やAlloy602などのニッケル基合金や、SUS310Sなどのステンレス鋼により、シースチューブ810を構成することができる。本実施形態のシースチューブ810は、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)を実質的に含有しない。ここで、実質的に含有しないとは、不可避的な不純物としての存在を許容することを意味する。なお、シースチューブ810は、円筒状の筒状部と、シースチューブ810の先端部に配置される蓋部とを接合することにより構成される。これら筒状部と蓋部との接合の態様、および、これらと発熱コイル820との溶接の態様については、後に詳しく説明する。筒状部を形成する金属材料が、「課題を解決するための手段」における「第1の金属材料」に相当し、蓋部を形成する金属材料が、「課題を解決するための手段」における「第2の金属材料」に相当する。筒状部および蓋部を構成する金属材料、すなわち、第1の金属材料および第2の金属材料は、同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。
発熱コイル820は、導電性材料で形成された螺旋状のコイルである。発熱コイル820は、シースチューブ810の内側に軸線O方向に沿って配置され、通電によって発熱する。発熱コイル820は、先端側の端部である発熱コイル先端部821と、後端側の端部である発熱コイル後端部829とを備える。発熱コイル820の先端部分がシースチューブ810に溶接されることにより、発熱コイル820はシースチューブ810と電気的に接続される。
発熱コイル820は、タングステン(W)とモリブデン(Mo)とから選択される金属の少なくとも一方を含有する金属材料によって形成されている。このような構成とすれば、発熱コイル820の構成金属の融点を高め、発熱コイル820の耐久性を高めることが可能になる。例えば、タングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)の純金属(不可避的な不純物を含有していてもよい)により発熱コイル820を構成することができる。あるいは、タングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)と他の金属との合金により発熱コイル820を構成してもよい。上記合金において、タングステン(W)またはモリブデン(Mo)は、主成分(含有割合が最も多い成分)であってもよく、また、より含有割合が高い他の金属を含有していてもよい。例えば、タングステン(W)を10〜37質量%含有するタングステン合金とすることができ、この場合には、タングステン(W)以外の成分をニッケル(Ni)とすることが望ましい。このようなタングステン(W)を含有する合金では、タングステン(W)の含有割合が少ないと、上記ニッケル(Ni)等の他の構成金属に起因する温度特性が表われ、高温時には抵抗が大きくなって、発熱コイル820に電流が流れ難くなる。そのため、このような望ましくない温度特性を抑えてグロープラグ10の性能を高めるために、タングステン(W)の含有割合は10質量%以上とすることが望ましい。また、タングステン(W)の含有割合が多いと、合金の加工性が低下する傾向にあるため、合金の加工性の低下を抑えるためには、タングステン(W)の含有割合を37質量%以下にすることが望ましい。なお、発熱コイル820を形成する金属材料が、「課題を解決するための手段」における「第3の金属材料」に相当する。
制御コイル830は、発熱コイル820の後端側に配置され、発熱コイル820を形成する材料よりも電気比抵抗の温度係数が大きい導電材料(例えば、ニッケル基合金)で形成された螺旋状のコイルである。制御コイル830は、発熱コイル820に供給される電力を制御する。制御コイル830は、先端側の端部である制御コイル先端部831と、後端側の端部である制御コイル後端部839とを備える。制御コイル先端部831は、発熱コイル820の発熱コイル後端部829に溶接されることによって、発熱コイル820と電気的に接続される。制御コイル後端部839は、中軸200の中軸先端部210に接合されることによって中軸200と電気的に接続される。
絶縁粉末840は、電気絶縁性を有する粉末である。絶縁粉末840としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)の粉末が用いられる。絶縁粉末840は、シースチューブ810の内側に充填され、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、中軸200との各隙間を電気的に絶縁する。
C.シースヒータの先端部の構成:
図3は、シースヒータ800の先端部の構造を拡大して示す断面模式図である。図3は、シースヒータ800の中心軸CA(後述する筒状部851の中心軸)を含む断面の様子を示す。本実施形態では、シースヒータ800の中心軸CAは、グロープラグ10の軸線Oに一致している(図2参照)。
シースヒータ800を構成するシースチューブ810は、既述したように、筒状部851と蓋部850とを備える。筒状部851は、シースチューブ810の側面全体を構成する円筒状部材である。蓋部850は、筒状部851の先端において、自身の外表面がシースチューブ810の外側に露出するように配置されて、シースチューブ810の先端部を閉塞させる。蓋部850には、発熱コイル820の先端部が溶接により接合されている。すなわち、蓋部850と発熱コイル820の先端部とは、第1の接合部852を介して接続されている。また、本実施形態では、筒状部851と蓋部850との間も溶接により接合されており、筒状部851と蓋部850との間には第2の接合部854が形成されている。本実施形態では、蓋部850として、厚みが一定である円盤状の部材を用いており、第2の接合部854は、シースチューブ810を厚み方向に貫通する円環状(ドーナツ状)に形成されている。
上記第1の接合部852は、蓋部850と発熱コイル820とのうちの少なくとも一方が溶融した接合部であり、第2の接合部854は、蓋部850と筒状部851とのうちの少なくとも一方が溶融した接合部である。すなわち、第1の接合部852は、蓋部850を形成する第2の金属材料と発熱コイル820を形成する第3の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料を含み、さらには、第1の接合部852は、第2の金属材料と第3の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料のみを含むことが好ましい。また、第2の接合部854は、蓋部850を形成する第2の金属材料と筒状部851を形成する第1の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料を含み、さらには、第2の接合部854は、第2の金属材料と第1の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料のみを含むことが好ましい。
各々の接合部が形成される際に、溶接される2つの部材のうちのいずれの部材がどの程度溶融するのかについては、上記2つの部材の各々を構成する構成材料の融点と、溶接時の温度および時間による。例えば、既述したように、蓋部850はNiを含有する金属により形成することができるが、その場合の第1の接合部852は、Niを含有していてもよく、含有していなくてもよい。なお、接合される双方の部材が溶接時に溶融する場合には、第1の接合部852は、第2の金属材料と第3の金属材料とが混合した状態となり、第2の接合部854は、第1の金属材料と第2の金属材料とが混合した状態となる。
本実施形態では、発熱コイル820と蓋部850の最先端部(シース管最先端部811であり、以下、蓋部850の最先端部811とも呼ぶ)との間の軸線方向の距離、具体的には、発熱コイル820と第1の接合部852との境界(発熱コイル820の最先端)と、蓋部850の最先端部811と、の間の軸線方向の最短距離を、2.0mm以下に形成している。図3では、発熱コイル820と第1の接合部852との境界と、蓋部850の最先端部811と、の間の軸線方向の距離を、距離Xとして示している。
また、本実施形態では、第1の接合部852は、蓋部850の外表面(シースチューブ810の外表面)から離間するように形成されている。図3では、第1の接合部852と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の最短距離を、距離Yとして示している。さらに、本実施形態では、第1の接合部852と第2の接合部854とが離間している。
シースチューブ810における第1の接合部852と第2の接合部854の範囲の特定方法、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Xの測定方法、および、第1の接合部852と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Yの測定方法を、以下に説明する。第1の接合部852と蓋部850および発熱コイル820との間、および、第2の接合部854と蓋部850および筒状部851との間は、境界により区画されている。
第1の接合部852および第2の接合部854の範囲を特定する際には、まず、シースヒータ800を樹脂中に埋没させた後に、シースヒータ800における中心軸CAを含む面を露出させる。中心軸CAを含む面を露出させるには、シースヒータ800の厚み(軸線方向に垂直な方向の高さ)の半分の位置まで、シースヒータ800を削り、鏡面研磨すればよい。その後、中心軸CAを含む面を露出させたシースヒータ800を飽和シュウ酸水溶液に浸して電界エッチングを行なうことにより、露出面における第1の接合部852および第2の接合部854の範囲(境界)を、明確に特定可能になる。そして、露出面を200倍に拡大して観察することにより、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離X、および、第1の接合部852と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の最短距離である距離Yを、測定する。
D.グロープラグの製造方法:
図4は、本実施形態のグロープラグ10の製造方法を示す工程図である。グロープラグ10を製造する際には、まず、筒状部851、蓋部850、発熱コイル820、制御コイル830、先端側中軸20a、および後端側中軸200bを用意する(ステップS100)。筒状部は、例えば、板材を筒状に丸めてアーク溶接したり、板材を深絞りすることにより円筒形部材を作製し、得られた円筒形部材の先端側に絞り加工を施すことにより得られる。蓋部850は、筒状部851先端に設けた開口部に対応する大きさを有する円盤状部材である。
ステップS100の後、発熱コイル820と制御コイル830とを溶接する(ステップS110)。この溶接は、例えばアーク溶接により行なえばよい。その後、制御コイル830と先端側中軸200aとを接合する(ステップS120)。この接合は、例えば抵抗溶接により行なえばよい。
ステップS120の後、蓋部850と発熱コイル820の先端とを溶接する(ステップS130)。蓋部850と発熱コイル820の先端とを溶接する方法は、既述した第1の接合部852と蓋部850の最先端部811との間の距離Yを実現可能であればよいが、上記距離Yを示す第1の接合部852を安定して形成可能になるという観点から、レーザ溶接が望ましい。溶接の際に、例えば、レーザ出力およびレーザ照射時間から選択される条件を調節することにより、第1の接合部852の形状や大きさを制御することができる。
その後、蓋部850を溶接した発熱コイル820を筒状部851内に配置し(ステップS140)、筒状部851の先端の開口部に蓋部850を溶接して、発熱コイル820および制御コイル830が内部に配置されたシースチューブ810を形成する(ステップS150)。
図5は、ステップS150において筒状部851に蓋部850を溶接する様子を示す断面模式図である。 筒状部851に蓋部850を溶接する方法は、特に制限はないが、第1の接合部852から離間した所望形状の第2の接合部854を安定して形成するためには、レーザ溶接が望ましい。レーザ溶接のためには、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ、半導体レーザ、ファイバーレーザ等、レーザ光を照射可能な種々の装置を採用可能である。用いるレーザは、パルス発振(PW)であってもよく、連続発振(CW)であってもよい。溶接の際に、例えば、レーザ出力およびレーザ照射時間から選択される条件を調節することにより、第2の接合部854の形状および大きさを制御することができる。
図4に戻り、ステップS150の後、シースチューブ810の内側に絶縁粉末840を充填する。その後、シースチューブ810の後端部において、シースチューブ810と中軸200との間に、例えばゴムにより形成されるパッキン600(図2参照)を配置し、シースチューブ810の後端部を加締めることにより、シースヒータ800の組み立てを完了する(ステップS160)。
シースヒータ800の組み立て後、シースヒータ800に対してスウェージング加工を施し(ステップS170)、シースヒータ800を完成する。スウェージング加工とは、シースヒータ800に対して径方向内側に向かう打撃力を加えてシースヒータ800を縮径させ、シースチューブ810内に充填した絶縁粉末840を緻密化させる加工である。図2に示したストレート部860は、スウェージング加工による打撃力(スウェージングダイスからの打撃力)を直接受けた部位であり、縮径部865は、スウェージング加工による打撃力を直接受けなかった部位である。例えば、蓋部850における中心軸CA上の部位は、縮径部865に含まれ、スウェージング加工時に打撃力を直接受けなかった部位であるため、完成したシースヒータ800が備える蓋部850における中心軸CA上の部位の厚みは、シースチューブ810を形成するために用いた溶接前の蓋部850における対応箇所の厚みとほぼ同程度になる。なお、スウェージング加工によって、シースヒータ800の外径(軸線方向に垂直な横断面における外周の直径)は、例えば、3.5〜4.5mmとすることができる。また、スウェージング加工によって、シースチューブ810におけるストレート部860の厚みは、例えば、0.3〜0.6mmとすることができる。
スウェージング加工後、シースヒータ800と一体化している先端側中軸200aの後端に、後端側中軸200bの先端を溶接して(ステップS180)、中軸200を形成する。そして、シースヒータ800と、主体金具500と、中軸200とを含む部材を組み付けて(ステップS190)、グロープラグ10を完成する。具体的には、中軸200の接合されたシースヒータ800を主体金具500の軸孔510に圧入して固定すると共に、主体金具500の後端部分において、Oリング460、絶縁部材410、およびリング300を中軸200に嵌め込む。そして、リング300を中軸200に加締めると共に、係合部材100を中軸200の後端部の接続部290に締め付ける。また、ステップS190では、グロープラグ10に対してエージング処理が施される。具体的には、組み立てられたグロープラグ10に通電することによって、シースヒータ800を発熱させて、シースヒータ800の外表面に酸化膜を形成させる。
以上のように構成された本実施形態のグロープラグ10によれば、タングステン(W)とモリブデン(Mo)とから選択される金属の少なくとも一方を含有する金属材料によって形成される発熱コイル820を用いる際に、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離X2.0mm以下にすると共に、第1の接合部852を蓋部850の外表面から離間させている。これにより、グロープラグ10における耐久性の向上および急速昇温性の向上を両立させる効果が得られる。
具体的には、グロープラグ10の急速昇温性は、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Xを小さくすることにより、向上させることができる。グロープラグ10の急速昇温性とは、シースチューブ810の先端部の昇温速度に係る性能であり、発熱コイル820の最先端が蓋部850の最先端部811(シース管最先端部811)に近い程、シースヒータ800の先端において、発熱の主体である発熱コイル820以外の部位の熱容量を抑えることができるためである。グロープラグ10の急速昇温性を高める観点から、上記距離Xは、1.0mm未満とすることがさらに望ましい。なお、上記距離Xは、シースチューブ810の強度、シースチューブ810の長期的な耐久性、および、第1の接合部852と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の最短距離である既述した距離Yを確保するために、例えば、0.4mm以上とすることが望ましく、0.5mm以上とすることがさらに望ましい。
なお、本実施形態では、蓋部850を厚みが一定である円盤状部材によって形成したが、異なる構成としてもよい。例えば、蓋部850において、中心軸CAと交わる部位を含む領域が、他の領域よりも厚い(蓋部850を構成する両面の少なくとも一方が凸形状である)こととしてもよい。あるいは、蓋部850において、中心軸CAと交わる部位を含む領域が、他の領域よりも薄い(蓋部850を構成する両面の少なくとも一方が凹形状である)こととしてもよい。このような構成としても、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Xを上記範囲とすることにより、実施形態と同様の効果が得られる。
また、本実施形態では、発熱コイル820と蓋部850とは、シースヒータ800の中心軸CA上で溶接されることとしたが、異なる構成としてもよい。中心軸CA上とは異なる位置で発熱コイル820と蓋部850とが溶接される場合であっても、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Xを上記範囲とすることにより、実施形態と同様の効果が得られる。
また、具体的には、グロープラグ10の耐久性は、第1の接合部852を蓋部850の外表面から離間させることにより、向上させることができる。第1の接合部852が、発熱コイル820の構成材料であるタングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)を含有する場合であっても、シースチューブ810の表面にタングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)が存在することを抑えられるためである。すなわち、シースチューブ810の表面でタングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)が酸素と反応してシースチューブ810が劣化することが抑えられるため、シースチューブ810の耐久性を向上させることができる。
また、このような本実施形態のグロープラグ10では、発熱コイル820と蓋部850とを溶接する際に、発熱コイル820が溶融して第1の接合部852が発熱コイル820の構成材料を含有することになっても差し支えないため、発熱コイル820の構成材料の選択の自由度が向上する。
なお、発熱コイルの構成材料であるタングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)がシースチューブの外表面に存在しないようにする方法としては、例えば、シースチューブの先端部の肉厚をより厚くする方法が挙げられる。シースチューブの先端部の肉厚をより厚くすることにより、発熱コイルをシースチューブに溶接しても、発熱コイルの構成材料がシースチューブの外表面に拡散することを抑制できる。この場合には、発熱コイルの構成材料の融点を、シースチューブの構成材料の融点よりも十分に高くして、発熱コイルの構成材料がシースチューブとの間の接合部に混入することを抑制することが望ましい。このようにシースチューブ810の先端部の肉厚を厚くすると、グロープラグ10の急速昇温性が損なわれてしまうが、従来は、発熱コイルの構成材料の拡散の抑制と急速昇温性とを両立するためのシースチューブの先端部の肉厚の適正化を含む構成については、十分に検討されていなかった。本実施形態では、シースチューブ810の先端部の肉厚を薄く(発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Xを2.0mm以下に)すると共に、第1の接合部852を蓋部850の外表面から離間させることにより、グロープラグ10における耐久性の向上および急速昇温性の向上の両立を可能にしている。
ここで、グロープラグ10においては、シースヒータ800の外表面が酸素を含有する気体に晒されることにより、シースチューブ810の表面が酸化され、酸化された部位の脱落(剥離)が少しずつ進行する。例えば、シースチューブ810において、ニッケル(Ni)や鉄(Fe)よりも酸化されやすい性質を有するクロム(Cr)を構成材料として含有させる場合には、シースチューブ810の表面にクロム(Cr)の酸化物を含む被膜が形成されて、シースチューブ810の内部が保護されるため、シースチューブ810の耐酸化性が向上する。しかしながら、このような場合であっても、グロープラグ10の使用を繰り返すことにより、シースチューブ810の表面において酸化物被膜の脱落(剥離)が少しずつ進行する。酸化物被膜が脱落すると、脱落した箇所において再び酸化物被膜が形成されるが、このような酸化物被膜の脱落と酸化物被膜の再生の動作が繰り返されることにより、グロープラグ10を長期にわたって使用すると、シースチューブ810が少しずつ薄くなる(劣化する)。そのため、第1の接合部852が蓋部850の外表面から離間するようにシースチューブ810を作製しても、やがて、第1の接合部852が外部に晒されるようになる可能性がある。したがって、シースチューブ810の劣化に起因して第1の接合部852が外表面に晒されることを抑え、グロープラグ10の耐久性を向上させるために、上記した距離Yは、0.3mm以上であることが望ましく、0.4mm以上であることがより望ましい。
また、本実施形態では、第1の接合部852と第2の接合部854とが離間している。そのため、第1の接合部852が、発熱コイル820の構成材料、具体的にはタングステン(W)および/またはモリブデン(Mo)を含有する場合であっても、これらの金属がさらに第2の接合部854に含有されて、その結果、これらの金属がシースチューブ810の表面に存在するようになることを抑制できる。このとき、蓋部850の外周において蓋部850と筒状部851とを溶接し、円環状(ドーナツ状)の第2の接合部854を形成しているため、蓋部850の中ほどに形成した第1の接合部852と第2の接合部854とを、容易に離間させることができる。
E.変形例:
・変形例1(シースチューブの形状の変形):
図6は、本実施形態の変形例としてのシースヒータの先端部の構造を拡大して示す断面模式図である。図6は、図3と同様に、シースヒータ800の中心軸CA(筒状部851の中心軸)を含む断面の様子を示す。図6において、既述した実施形態と共通する部位には同じ参照番号を付して詳しい説明を省略する。
図6のシースヒータでは、シースチューブ810の内表面における第2の接合部854が形成される箇所において、円環状に窪んだ凹部856が形成されている。すなわち、シースチューブ810の内表面において、径方向内側および/または外側よりも窪んだ形状である凹部856が設けられている。筒状部851と蓋部850とを溶接して形成した第2の接合部854においては、溶接に起因して、残留熱応力や、金属の結晶格子の歪みが生じている。そのため、シースチューブ810における第2の接合部854が形成されている部位は、溶融していない他の部位に比べて、一般に熱伝導率が悪くなり、発熱が小さくなる可能性がある。本変形例では、第2の接合部854に凹部856を設けて、第2の接合部854が設けられた箇所においてシースチューブ810の肉厚を局所的に薄くしているため、第2の接合部854における発熱量の低下を抑えることができる。そのため、シースヒータ800の先端部の温度低下を抑え、グロープラグ10の性能を高めることができる。
なお、凹部856は、シースチューブ810の内表面における第2の接合部854が形成される箇所全体ではなく、一部に設けられていてもよい。シースチューブ810の内表面における第2の接合部854が形成される箇所の少なくとも一部において凹部856が設けられていれば、少なくとも凹部856が形成される箇所においては、シースヒータ800の温度低下を抑えることができる。
シースチューブ810の内表面に凹部856を形成するには、例えば、蓋部850の外周部、あるいは、筒状部851の先端に設けた開口部の周縁部に、溶接後に凹部856を形成するための切り欠き部や段差部を設けておけばよい。また、筒状部851の先端部と蓋部850とを溶接する際の溶接条件(例えば、レーザ溶接の際のレーザ出力およびレーザ照射時間から選択される条件)を制御することによって、溶接後のシースチューブ810において、筒状部851先端の絞り加工を施した部位の湾曲形状を残して(図5参照)、凹部856を形成することとしてもよい。
図7は、他の例におけるシースヒータの先端部の構造を拡大して示す断面模式図である。図7は、筒状部851先端の開口部に蓋部850を嵌め込む際に、筒状部851の内表面と蓋部850の内表面との間に形成される段差を利用して、凹部856を形成した様子を表わす。蓋部850と筒状部851との溶接に先立って、筒状部851先端の開口部に蓋部850を嵌め込む際には、図5に示すように、一般に、筒状部851の内表面と蓋部850の内表面との間には段差が形成される。特に、筒状部851に比べて肉厚な蓋部850を用いる場合には、筒状部851の先端部と蓋部850とを溶接する際の上記溶接条件を制御することによって、上記段差を利用して、凹部856を容易に形成することができる。
なお、第2の接合部854において局所的にシースチューブ810の肉厚を薄くするための凹部は、シースチューブ810の内表面に代えて、あるいはシースチューブ810の内表面に加えて、シースチューブ810の外表面に形成してもよい。ただし、シースチューブ810の外表面に凹部を設けると、シースチューブ810の外表面の表面積が増加して、既述した酸化被膜の形成と脱落によるシースチューブ810の劣化が促進されるため、シースチューブ810の内表面のみに上記凹部を設けることが望ましい。
・変形例2(筒状部と蓋部の接合の変形):
上記実施形態では、筒状部851と蓋部850とは、第2の接合部854を介して溶接により接合しているが、例えば、加締め等、異なる方法により両者を接合してもよい。発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Xが2.0mm以下であり、第1の接合部852が、蓋部850の外表面から離間していれば、グロープラグにおける耐久性の向上および急速昇温性の向上を両立させるという実施形態と同様の効果が得られる。
・変形例3(製造工程の変形):
上記実施形態では、図4に示した製造工程によりグロープラグ10を製造したが、異なる構成としてもよい。例えば、シースヒータ800を作製する際に、発熱コイル820と制御コイル830との溶接(ステップS110)および制御コイル830と先端側中軸200aとの接合(ステップS120)に先立って、蓋部850と発熱コイル820との溶接の工程(ステップS130)を先に行なってもよい。また、さらに、蓋部850を溶接した発熱コイル820の筒状部851内への配置の工程(ステップS140)、および、筒状部851と蓋部850との溶接の工程(ステップS150)を、先に行なってもよい。
・変形例4(シースヒータの変形):
上記実施形態では、シースヒータ800の筒状部851は円柱状としたが、円柱状以外の筒状形状であってもよい。シースヒータ800において、軸線方向に垂直な断面の形状が円形以外であっても、発熱コイル820と第1の接合部852との境界と、蓋部850の最先端部811と、の間の軸線方向の最短距離を2.0mm以下とし、蓋部850の外表面から離間するように第1の接合部852を設けることにより、実施形態と同様の効果が得られる。なお、軸線方向に垂直な断面の形状が円形以外の形状のシースヒータ800を用いる場合には、筒状部851の中心軸CAとは、グロープラグ10の軸線方向に垂直な断面の重心を繋いだ直線をいう。
また、上記実施形態では、シースヒータ800は、発熱コイル820と制御コイル830とを備えている。これに対して、シースヒータには制御コイル830を設けず、通電により発熱するコイルとして単一の発熱コイル820のみを設けてもよい。
また、上記実施形態では、中軸200は、先端側中軸200aと後端側中軸200bとを溶接して形成することとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、3以上の部材を軸線O方向に接続して中軸200を形成してもよい。あるいは、ステップS100において、最終的に中軸200として用いる形状の単一の部材を用意することとしてもよい。
また、上記実施形態のシースヒータは、グロープラグ以外の用途、例えば、暖房器具や調理器具などに用いても良い。
・変形例5(グロープラグの変形):
上記実施形態のグロープラグは、補助熱源としての機能のみを有しているが、さらに燃焼圧センサ機能を有していても良い。この場合には、シースヒータを軸線O方向に移動可能な構造とし、シースヒータの変位を検出可能なセンサをグロープラグに具備させることで、燃焼圧センサ機能を実現することができる。
また、上記各実施形態のグロープラグは、内燃機関の始動時等における着火を補助する熱源として用いる他、例えば、ディーゼル微粒子捕集フィルター(DPF)の再活性バーナーシステムにおいて用いることもできる。
サンプルとして、発熱コイル820の材質、発熱コイル820の最先端と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離X(以下、先端肉厚Xと呼ぶ)、および、第1の接合部852と蓋部850の最先端部811との間の軸線方向の距離Y(蓋部の最先端部から第1の接合部までの距離Y)が異なる種々のグロープラグを作製し、急速昇温性能(I判定)および通電耐久性(II判定)を評価した結果を以下に説明する。
図8は、各サンプルにおける上記先端肉厚X、および、蓋部の最先端部から第1の接合部までの距離Y(以下、単に距離Yとも呼ぶ)の値と、評価結果とをまとめて示す説明図である。各サンプルを製造する際には、まず、発熱コイル820の材質、溶接に用いる蓋部850の厚み(先端肉厚X)、および溶接時の投入エネルギ等の製造条件が種々異なる多数のシースヒータを作製した。その後、作製したシースヒータについて、既述した方法により、先端肉厚Xおよび距離Yを測定すると共に、第1の接合部852と第2の接合部854とが離間しているか否かを判定した。そして、上記多数のシースヒータの中から、図8に示す「先端肉厚X」および「蓋部の最先端部から第1の接合部までの距離Y」に係る各条件を満たすと共に、第1の接合部852と第2の接合部854とが離間しているシースヒータを、サンプル1〜18のシースヒータとして選択した。選択した各々のシースヒータと同じ製造条件(各構成部材の厚み、溶接条件、およびスウェージング条件を含む)で新たに作製したシースヒータを備えるグロープラグを、図8に示す各サンプルのグロープラグとして、I判定およびII判定の評価を行なった。
図8において、サンプル1〜8、およびサンプル13〜17では、発熱コイル820の材質はNi−W合金(タングステン(W)の含有割合が33質量%)とした。サンプル9〜12、およびサンプル18では、発熱コイル820の材質は純モリブデン(Mo)とした。なお、サンプル1〜18では、シースチューブ(筒状部851および蓋部850)は、インコネル601(「インコネル」は登録商標))によって形成した。
また、サンプル1および2の先端肉厚Xは、0.7mmであり、サンプル3、4、9、10、13の先端肉厚Xは1.0mmであり、サンプル5、6、14の先端肉厚Xは1.5mmであり、サンプル7、8、11、12、15の先端肉厚Xは2.0mmであり、サンプル16〜18の先端肉厚Xは2.3mmとした。
また、サンプル1、4、6、8、10、12、16の距離Yは0.4mmであり、サンプル2、3、5、7、9、11の距離Yは0.3mmであり、サンプル13〜15およびサンプル17、18の距離Yは0mmとした。距離Yが0mmとは、第1の接合部852がシースチューブ810の外表面に達していることをいう。ここでは、シースチューブ810の外表面からは、第1の接合部852の露出が観察し難いものの、既述した断面の観察により、第1の接合部852がシースチューブ810の外表面に達していると認められるものをサンプル13〜15および17、18として選択し、I判定およびII判定の評価を行なうための各サンプルのシースヒータを製造するための条件を設定した。
<急速昇温性能(I判定)>
各グロープラグに電圧を印加して、シースヒータ800の先端部の温度が900℃に達するまでに要する時間を測定した。上記先端部の温度が900℃に達するまでに要する時間が短いほど、急速昇温性能が優れていると判断できる。各グロープラグに電圧を印加する動作は、11Vで2秒、その後、4.4Vで60秒とした。各サンプルごとに、同じ条件で作製したグロープラグを5本ずつ用いた(n=5)。シースヒータ800の先端部の温度は、単色放射温度計を用い、測定時の放射率ε=1.0、測定スポット径2mmにて、シースヒータ800の最先端部811から軸線方向後端側に2mmの位置を測定位置として測定した。
上記のようにシースヒータ800の先端部の温度を測定し、5本のグロープラグの全てにおいて、シースヒータ800の先端部の温度が1.8秒以内に900℃に達したサンプルについては、図8のI判定において「◎」を記載している。また、5本のグロープラグの全てにおいて、シースヒータ800の先端部の温度が2.0秒以内に900℃に達したサンプルについては、図8のI判定において「○」を記載している。これら以外のサンプルについては、図8のI判定において「×」を記載している。
<通電耐久性(II判定)>
各グロープラグに電圧を印加する動作を繰り返し行ない、通電耐久性を評価した。各グロープラグに電圧を印加する動作は、各グロープラグのシースヒータ800の先端部(最先端部811から軸線方向後端側に2mmの位置)の温度が2秒で1000℃になる電圧にて2秒印加し、その後、シースヒータ800の上記先端部の温度が1050℃で維持される電圧にて180秒印加し、その後、空冷を100秒行なう動作を1サイクルとして、このサイクルを繰り返し行なった。
シースヒータ800の先端部の電圧が2秒で1000℃に達する印加電圧、および、シースヒータ800の先端部の温度を1050℃で維持するための印加電圧は、以下のように決定した。すなわち、各サンプルのグロープラグを用いて上記した通電サイクルを繰り返し行なう際に、最初の2サイクルまでの間に、電圧を変更しながら電圧を印加して、シースヒータ800の先端部の電圧が2秒で1000℃に達する印加電圧、および、シースヒータ800の先端部の温度を1050℃で維持するための印加電圧を決定した。以後のサイクルでは、上記決定した電圧を印加した。なお、上記のように印加電圧に係る条件を決定する際には、シースヒータ800の先端部の温度は、急速昇温性の判定と同様にして、単色放射温度計を用いて測定した。
通電耐久性は、サンプルごとに、同じ条件で作製したグロープラグを5本ずつ用いて(n=5)、上記したサイクルで電圧印加を繰り返し、発熱コイル820が断線するまでのサイクル数によって評価した。すなわち、発熱コイル820を構成するタングステン(W)あるいはモリブデン(Mo)がシースチューブ810の表面に存在するようになると、シースチューブ810の酸化および劣化が進行し、やがてシースチューブ810に穴が開く。シースチューブ810に穴が開くと、シースチューブ810内に酸素が入り込むことにより、タングステン(W)やモリブデン(Mo)を含有する発熱コイル820が酸化されて、やがて発熱コイル820が断線する。この断線までのサイクル数によって、通電耐久性を評価している。発熱コイルの断線は、発熱コイルの抵抗値が無限大になることにより判断できるが、ここでは、グロープラグに流れる電流をサイクルごとに測定して、測定した電流値が予め設定した基準値を下回った時に、発熱コイル820が断線したと判断した。
上記のように、各サンプルについて電圧印加のサイクルを繰り返し、5本のグロープラグの全てにおいて、断線までのサイクル数が12000サイクルを超える場合には、図8のII判定において「◎」を記載している。また、5本のグロープラグの全てにおいて、断線までのサイクル数が10000サイクルを超える場合には、図8のII判定において「○」を記載している。これら以外のサンプルについては、図8のII判定において「×」を記載している。また、図8では、I判定とII判定の両方の評価が「◎」の場合に、総合判定を「◎」とした。また、少なくとも一方の評価が「×」の場合に、総合判定を「×」とした。そして、これら以外のサンプルについては、総合判定を「○」とした。
図8に示すように、先端肉厚Xを2.0mm以下とすることで、良好な急速昇温性能が得られ、先端肉厚Xを1.0mm未満とすることで、さらに良好な急速昇温性能が得られることが確認できた。また、距離Yを0.3mm以上とすることで、良好な通電耐久性が得られ、距離Yを0.4mm以上とすることで、さらに良好な通電耐久性が得られることが確認できた。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
100…係合部材
200…中軸
200a…先端側中軸
200b…後端側中軸
210…中軸先端部
290…接続部
300…リング
410…絶縁部材
460…Oリング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ねじ部
600…パッキン
800…シースヒータ
810…シースチューブ
811…シース管最先端部
819…シース管後端部
820…発熱コイル
821…発熱コイル先端部
829…発熱コイル後端部
830…制御コイル
831…制御コイル先端部
839…制御コイル後端部
840…絶縁粉末
850…蓋部
851…筒状部
852…第1の接合部
854…第2の接合部
856…凹部
860…ストレート部
865…縮径部

Claims (7)

  1. 軸線方向に延びて先端が閉じられた筒状のシースチューブと、該シースチューブ内に収納されて通電により発熱する発熱コイルと、を備えるグロープラグであって、
    前記シースチューブは、前記軸線方向に延びて第1の金属材料によって形成される筒状部と、前記筒状部の先端を塞ぎ、タングステン(W)およびモリブデン(Mo)を実質的に含有しない第2の金属材料によって形成される蓋部とを備え、
    前記発熱コイルは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)とから選択される金属の少なくとも一方を含有する第3の金属材料によって形成されており、
    前記蓋部と前記発熱コイルの先端とは、前記第2の金属材料と前記第3の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料を含む第1の接合部を介して接合されており、
    前記発熱コイルと前記第1の接合部との境界と、前記蓋部の最先端部と、の間の前記軸線方向の距離が2.0mm以下であり、
    前記第1の接合部が、前記蓋部の外表面から離間していることを特徴とする
    グロープラグ。
  2. 請求項1に記載のグロープラグであって、
    前記発熱コイルと前記第1の接合部との境界と、前記蓋部の最先端部と、の間の前記軸線方向の距離が1.0mm未満であることを特徴とする
    グロープラグ。
  3. 請求項1または2に記載のグロープラグであって、
    前記第1の接合部と、前記蓋部の最先端部との間の前記軸線方向の距離が、0.4mm以上であることを特徴とする
    グロープラグ。
  4. 請求項1から3のうちのいずれか1項に記載のグロープラグであって、
    前記蓋部と前記筒状部とは、前記第1の金属材料と前記第2の金属材料とのうちの少なくとも一方の金属材料を含む第2の接合部を介して接合されており、
    前記第1の接合部と前記第2の接合部とが離間していることを特徴とする
    グロープラグ。
  5. 請求項4に記載のグロープラグであって、
    前記第2の接合部は、円環状であることを特徴とする
    グロープラグ。
  6. 請求項4または5に記載のグロープラグであって、
    前記シースチューブの内表面における前記第2の接合部が形成される箇所において、凹部が形成されていることを特徴とする
    グロープラグ。
  7. 請求項1から6うちのいずれか1項に記載のグロープラグであって、
    前記発熱コイルは、タングステン(W)を10〜37質量%含有するタングステン合金によって形成されることを特徴とする
    グロープラグ。
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