JP6796957B2 - グロープラグ - Google Patents

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Description

本発明は、グロープラグに関する。
グロープラグは、一般に、軸線方向の先端部に、発熱体であるヒータを備えている。このようなヒータの一種として、シースヒータが知られている。シースヒータは、先端部が閉塞した円筒状のシースチューブと、シースチューブ内に配置されて通電により発熱する発熱コイルと、を備える。このようなシースヒータでは、発熱コイルの先端部が、シースチューブの先端部に溶接されている。
発熱コイルとして、例えば、Fe−Cr−Al系合金により構成されたコイルを用いる構成が知られている。グロープラグにおいて、ヒータによる加熱時には、発熱コイルの温度は1000℃以上になる。このとき、局所的に発熱コイル温度が上昇しすぎると、発熱コイルが溶けて断線する可能性がある。そのため、より融点が高い金属を用いて発熱コイルを形成することにより、発熱コイルの溶融に起因するコイル断線を抑えて、グロープラグの耐久性の向上が図られている。具体的には、高融点金属であるタングステン(W)やモリブデン(Mo)を主成分とする発熱コイルを備えるグロープラグが提案されている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
特開2015−099008号公報 特開2015−078784号公報 国際公開第2011/162074号 特開平11−237045号公報
しかしながら、発熱コイルをタングステン(W)やモリブデン(Mo)によって構成する場合には、ヒータの昇温時に、発熱コイルとシースチューブの接合部において、シースチューブを構成するニッケル(Ni)や鉄(Fe)等の金属が発熱コイル中に拡散する。発熱コイルにおいて、このように、シースチューブの構成金属が拡散した箇所では、発熱コイルを構成する金属の融点が低下して断線が起きやすくなり、発熱コイルの耐熱性が低下し得る。上記拡散が進行した場合には、例えば、3000℃程度の融点を示す発熱コイルにおいて、局所的に融点が1500℃未満にまで低下する可能性がある。さらに、上記したシースチューブの構成金属の発熱コイルへの拡散は、発熱コイルを構成する金属の結晶粒界において主として進行するため、上記拡散によって、発熱コイルでは粒界脆化が引き起こされる。その結果、粒界脆化が進行した箇所では、応力が発生した場合に発熱コイルの断線が生じ易くなり、ヒータおよびグロープラグの耐久性がさらに低下し得る。
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態によれば、軸線方向に延びて先端が閉じられている筒状のシースチューブと、先端部が前記シースチューブの先端部に接合された状態で前記シースチューブ内に収納されている発熱コイルと、前記シースチューブ内において前記発熱コイルの周囲に充填されている絶縁体と、を備えるヒータを有するグロープラグが提供される。このグロープラグにおいて、前記発熱コイルは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくともいずれか一方を主成分として含むと共に、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、トリウム(Th)、およびセリウム(Ce)から選択される少なくとも1種の元素である添加元素をさらに含み;前記シースチューブは、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有し;前記シースチューブの先端部には、前記発熱コイルの先端部の外表面に接する溶融部であって、少なくとも前記シースチューブにおける該溶融部以外の部位と同じ構成材料を含む溶融部が形成されており;前記発熱コイルの先端部において、該発熱コイルを構成する線材の横断面を見たときに、少なくとも前記発熱コイルの外表面から前記線材の直径の4分の1の長さまでの範囲である表層部において、前記主成分の結晶粒界に前記添加元素が存在する。
この形態のグロープラグによれば、発熱コイルの先端部では、少なくとも発熱コイルの外表面から、発熱コイルの線材の直径の4分の1の長さまでの範囲である表層部において、発熱コイルを構成する主成分の結晶粒界に添加元素が存在する。そのため、ヒータが昇温する際に、溶融部に含有されるニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属が、発熱コイルを構成する主成分の結晶粒界に沿って、溶融部から発熱コイルへと拡散することを抑えることができる。その結果、シースチューブの構成金属の発熱コイルへの拡散に起因する、ヒータおよびグロープラグの耐久性の低下を抑えることができる。また、発熱コイルにおける粒界脆化の進行を抑え、ヒータおよびグロープラグの耐久性の低下を抑えることができる。なお、少なくとも表層部において、発熱コイルを構成する主成分の結晶粒界に添加元素が存在すればよく、発熱コイル全体において主成分の結晶粒界に添加元素が存在していてもよい。
第1の形態では、前記発熱コイルにおける前記添加元素の含有量が、5ppm以上200ppm以下であり、前記シースチューブは、軸線方向に延びる筒状の伸長部と、前記伸長部の先端部において前記伸長部に接合されて、前記シースチューブの先端部を閉塞する蓋部とを備え、前記蓋部は、前記シースチューブ内に突出する突出部を有し、前記発熱コイルは、該発熱コイルの先端部が前記突出部に巻き付いた状態で、前記突出部に接合されている。この形態によれば、発熱コイルにおける添加元素の含有量が5ppm以上であることにより、少なくとも表層部において、発熱コイルを構成する主成分の結晶粒界において容易に添加元素を存在させることができる。また、前記発熱コイルにおける前記添加元素の含有量が200ppm以下であることにより、発熱コイルに含まれる添加元素と、発熱コイルの周囲に充填された絶縁体との反応を抑えて、発熱コイルと絶縁体とが過度に密着することを抑えることができ、そのため、発熱コイルと絶縁体との間の熱膨張係数差に起因する発熱コイルの損傷を抑制することができる。
第2の形態では、前記シースチューブは、軸線方向に延びる筒状の伸長部と、前記伸長部の先端部において前記伸長部に接合されて、前記シースチューブの先端部を閉塞する蓋部とを備え、前記蓋部は、前記シースチューブ内に突出する突出部を有し、前記発熱コイルは、該発熱コイルの先端部が前記突出部に巻き付いた状態で、前記突出部に接合されている。この形態によれば、発熱コイルにおいて、シースチューブの蓋体に設けられた突出部に形成された溶融部からの金属拡散を抑えることができる。
(2)上記形態のグロープラグにおいて、前記添加元素は、前記結晶粒界において、酸化物として存在することとしてもよい。この形態のグロープラグによれば、添加元素は、金属として存在する場合よりも酸化物として存在する場合の方が安定であるため、溶融部から発熱コイルへの金属拡散を抑制する効果の安定性を高めることができる。
(3)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱コイルにおける前記添加元素の含有量が、5ppm以上であることとしてもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱コイルにおける添加元素の含有量が5ppm以上であることにより、少なくとも表層部において、発熱コイルを構成する主成分の結晶粒界において容易に添加元素を存在させることができる。
(4)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱コイルにおける前記添加元素の含有量が、200ppm以下であることとしてもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱コイルに含まれる添加元素と、発熱コイルの周囲に充填された絶縁体との反応を抑えて、発熱コイルと絶縁体とが過度に密着することを抑えることができる。そのため、発熱コイルと絶縁体との間の熱膨張係数差に起因する発熱コイルの損傷を抑制することができる。
(5)上記形態のグロープラグにおいて、前記発熱コイルは、該発熱コイルの先端部が、前記溶融部内に埋め込まれた状態で前記シースチューブに接合されていることとしてもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱コイルにおける溶融部内に埋め込まれた部位において、溶融部から発熱コイルへの金属拡散を抑えることができる。
(6)上記形態のグロープラグにおいて;前記シースチューブは、軸線方向に延びる伸長部と、前記伸長部の先端部において前記伸長部に接合されて、前記シースチューブの先端部を閉塞する蓋部とを備え;前記蓋部は、前記シースチューブ内に突出する突出部を有し;前記発熱コイルは、該発熱コイルの先端部が前記突出部に巻き付けられた状態で、前記突出部に接合されていることとしてもよい。この形態のグロープラグによれば、発熱コイルにおいて、シースチューブの蓋体に設けられた突出部に形成された溶融部からの金属拡散を抑えることができる。
本発明は、上記以外の種々の形態で実現可能であり、例えば、グロープラグの製造方法、グロープラグ用ヒータ、およびグロープラグ用ヒータの製造方法などの形態で実現することが可能である。
グロープラグの概略構成を表わす説明図である。 シースヒータ構成を示す説明図である。 シースヒータの先端部分の構造を拡大して示す断面模式図である。 グロープラグの製造方法を示すフローチャートである。 溶接工程を示す説明図である。 シースヒータの先端部分の構造を拡大して示す断面模式図である。 シースヒータの先端部分の構造を拡大して示す説明図である。 シースヒータの先端部分の構造を拡大して示す説明図である。 各サンプルについての評価結果をまとめて示す説明図である。 各サンプルについての評価結果をまとめて示す説明図である。
A.第1実施形態:
(A−1)グロープラグの全体構成:
図1は、本発明の第1の実施形態としてのグロープラグ10を示す説明図である。本実施形態のグロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関の始動時等における点火を補助する熱源として機能する。図1に示すように、グロープラグ10は、主な構成要素として、通電によって発熱するシースヒータ800と、主体金具500と、中軸200と、を備える。図1では、グロープラグ10の軸線Oから紙面右側に外観構成を図示し、軸線Oから紙面左側に断面構成を図示した。なお、本明細書では、グロープラグ10の軸線Oに沿う軸線方向ODについて、シースヒータ800側を「先端側」と呼び、中軸200側を「後端側」と呼ぶ。
主体金具500は、例えば炭素鋼等の金属材料を筒状に成形した部材である。主体金具500は、先端側の端部においてシースヒータ800を保持する。主体金具500は、後端側の端部において絶縁部材410とOリング460とを介して中軸200を保持する。絶縁部材410は、絶縁部材410の後端に接するリング300が中軸200に加締められることで、軸線Oに沿った位置が固定される。この絶縁部材410によって、主体金具500と中軸200との間が電気的に絶縁される。主体金具500は、絶縁部材410からシースヒータ800に至る中軸200の部位を内包する。主体金具500は、工具係合部520と、雄ねじ部540とを備え、内部に軸孔510が形成されている。
軸孔510は、軸線Oに沿って形成された貫通孔であり、中軸200よりも大きな径を有する。軸孔510に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。軸孔510の先端側には、シースヒータ800が圧入されて接合されている。雄ねじ部540は、内燃機関(図示しない)に形成された雌ねじに螺合され取り付けられる。工具係合部520は、グロープラグ10の取り付けと取り外しとに用いられる工具(図示しない)に係合する。
中軸200は、導電材料を円柱状(棒状)に成形した部材である。中軸200は、主体金具500の軸孔510に挿入された状態で軸線Oに沿って組み付けられる。中軸200の先端部である中軸先端部210は、シースヒータ800の内部に挿入される。中軸200の後端には、雄ねじ部290が設けられている。雄ねじ部290は、主体金具500から後端側に突出しており、係合部材100が嵌り合う。
(A−2)シースヒータの構成:
図2は、シースヒータ800の詳細な構成を示す説明図である。シースヒータ800は、シースチューブ810と、発熱体としての発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁体870とを備える。図2では、発熱コイル820、制御コイル830、および中軸200以外の構成部材については、断面の様子を示している。
シースチューブ810は、軸線方向ODに延び、先端が閉塞した筒状部材である。シースチューブ810の内部には、発熱コイル820と、制御コイル830と、絶縁体870とが収納されている。シースチューブ810は、側面部814と、シース管先端部813と、シース管後端部819とを有する。側面部814は、軸線方向ODに延びると共に、横断面(軸線Oに垂直な断面)の外径が軸線方向ODにわたって一定に形成された部分である。シース管先端部813は、側面部814の先端側において、次第に縮径して外側に向けて丸く形成された部分である。シース管後端部819は、シースチューブ810の後端側において開口した端部である。シース管後端部819からシースチューブ810の内部に中軸先端部210が挿入されている。シースチューブ810は、パッキン600と絶縁体870とによって、中軸200から電気的に絶縁される。パッキン600は、中軸200とシースチューブ810との間に挟まれた絶縁性部材である。シースチューブ810は、主体金具500と外表面で接することにより、主体金具500と電気的に接続されている。
シースチューブ810は、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有している。より具体的には、シースチューブ810は、ニッケル(Ni)または鉄(Fe)を主成分とする金属材料によって構成することができる。例えば、インコネル601(「インコネル」は登録商標))やAlloy602などのニッケル基合金や、SUS310Sなどのステンレス鋼により、シースチューブ810を構成することができる。
発熱コイル820は、導電性材料で形成された螺旋状のコイルである。発熱コイル820は、シースチューブ810の内側に軸線方向ODに沿って配置され、通電によって発熱する。発熱コイル820は、先端側の端部であるコイル先端部822と、螺旋状に巻回された螺旋部823と、後端側の端部である発熱コイル後端部829と、を備える。コイル先端部822がシースチューブ810に溶接されることにより、発熱コイル820はシースチューブ810と電気的に接続される。
発熱コイル820は、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくとも一方を主成分として含有する。なお、「タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくとも一方を主成分として含有する」とは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくとも一方の含有率(質量%)が、50質量%以上であることをいう。このような構成とすれば、発熱コイル820の構成金属の融点を高め、発熱コイル820の耐久性を高めることができると共に、高温時における発熱コイル820の抵抗を抑え、流れる電流量を確保することができる。なお、発熱コイル820の主成分は、タングステン(W)であることが好ましい。また、発熱コイル820における上記主成分の含有率は、80質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、99質量%以上であることがさらに好ましい。上記のように、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくとも一方を主成分とすることで、発熱コイル820の融点を高めることができる。
発熱コイル820は、上記主成分に加えて、さらに、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、トリウム(Th)、およびセリウム(Ce)から選択される少なくとも1種の元素である添加元素を含む。本実施形態では、少なくともコイル先端部822における少なくとも外表面を含む表層部において、上記主成分の結晶粒界に、上記添加元素が存在している。コイル先端部822に存在する添加元素については、後にさらに詳しく説明する。
制御コイル830は、発熱コイル820の後端側に配置され、発熱コイル820を形成する材料よりも電気比抵抗の温度係数が大きい導電材料で形成されている。具体的には、制御コイル830は、例えば、ニッケル(Ni)−クロム(Cr)合金等のニッケル基合金や、鉄(Fe)−クロム(Cr)−アルミニウム(Al)合金により形成することができる。このような材料により形成される制御コイル830は、発熱コイル820に供給される電力を制御する。制御コイル830は、先端側の端部である制御コイル先端部831と、後端側の端部である制御コイル後端部839とを有する。制御コイル先端部831は、発熱コイル820の発熱コイル後端部829に溶接されることによって、発熱コイル820と電気的に接続される。制御コイル後端部839は、中軸200の中軸先端部210に接合されることによって中軸200と電気的に接続される。
絶縁体870は、電気絶縁性を有する材料の粉末により形成されている。絶縁体870を構成する絶縁性粉末としては、例えば、酸化マグネシウム(MgO)の粉末が用いられる。絶縁体870は、シースチューブ810の内側に充填され、シースチューブ810と、発熱コイル820と、制御コイル830と、中軸200との各隙間を電気的に絶縁する。
(A−3)シースヒータの先端部の構成:
図3は、シースヒータ800の先端部分の構造を拡大して示す断面模式図である。図3の断面は、軸線Oを通る位置でシースヒータ800を切断した断面であり、発熱コイル820の螺旋部823およびコイル先端部822と、シースチューブ810と、絶縁体870と、が示されている。なお、本実施形態では、シースヒータ800の中心軸は、グロープラグ10の軸線Oに一致している。
本実施形態では、コイル先端部822は、軸線O上において軸線Oに沿って延びる直線状に形成されている。また、本実施形態では、シース管先端部813には、溶融部816が形成されている。溶融部816は、コイル先端部822の外表面に接すると共に、シースチューブ810における溶融部816以外の部位と同じ組成を有している。具体的には、溶融部816は、発熱コイル820をシースチューブ810に溶接する際に、シースチューブ810の先端部分が一旦溶融することにより組織変化した部位である。本実施形態では、上記溶接の際には、より融点が高い発熱コイル820は実質的に溶融することなく、シースチューブ810となる管状部材のみが溶融している。そのため、コイル先端部822は、図3に示すように、溶融部816に取り囲まれつつ埋め込まれている。
本実施形態では、既述したように、少なくともコイル先端部822における少なくとも外表面を含む表層部825(具体的には、溶融部816と接する外表面を含む表層部)において、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界に、添加元素が存在している。添加元素は,既述したように、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、トリウム(Th)、およびセリウム(Ce)から選択される少なくとも1種の元素である。このように、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界に添加元素を存在させることにより、シースチューブ810を構成する金属が、溶融部816から、結晶粒界を経由して発熱コイル820内に拡散することを抑制している。ここで、シースチューブ810の構成元素は、コイル先端部822において、結晶粒の内部を通過するよりも、結晶粒界を介してより早く拡散する。そのため、このような結晶粒界に添加元素を存在させることにより、シースチューブ810を構成する金属が発熱コイル820内に拡散することを抑制することができる。
発熱コイル820を構成する線材の横断面とは、発熱コイル820を構成する線材が延びる方向に垂直な断面をいう。本実施形態では、発熱コイル820を構成する線材の横断面は略円形であり、軸線方向ODに沿って延びるコイル先端部822の横断面は、略一定である。本実施形態では、この横断面の直径を直径Dとして、横端面の外周から横断面の中心に向かって距離R(ただし、R=1/4D)の範囲を表層部825としている。このように、コイル先端部822の線材の横断面を見たときに、表層部825において、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界に添加元素が存在している。なお、発熱コイル820を構成する線材の横断面が円形でない場合には、横断面の直径Dは、上記横断面の重心を通過して端点が横断面の外周上にある線分のうち、最も長い線分の長さをいう。
上記のように、表層部825における主成分の結晶粒界に添加元素を存在させるために、発熱コイル820における添加元素の含有量は、5ppm以上であることが望ましい。このようにすれば、少なくとも発熱コイル820のコイル先端部822の表層部825において、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界において容易に添加元素を存在させることができる。このように、結晶粒界に添加元素を存在させることによって発熱コイル820への金属拡散を抑える効果を高める観点からは、発熱コイル820における添加元素の含有量は、10ppm以上とすることが望ましく、30ppm以上とすることがより望ましく、50ppm以上とすることがさらに望ましい。
また、発熱コイル820における添加元素の含有量は、200ppm以下であることが望ましい。本実施形態のグロープラグ10では、既述したように、発熱コイル820とシースチューブ810との間の空間に、絶縁体870として、例えば酸化マグネシウム(MgO)の粉末が充填されている。このようなグロープラグ10において発熱コイル820が添加元素を含有する場合には、シースチューブ810内において添加元素とMgOとが反応し得る。このように添加元素とMgOとが反応すると、発熱コイル820と絶縁体870との間の密着性が高まる。そのため、発熱コイル820における添加元素の含有量が、例えば200ppmを超えると、添加元素の含有量が過剰であることにより、発熱コイル820と絶縁体870とが過度に密着し得る。ここで、発熱コイル820を構成するタングステン(W)やモリブデン(Mo)は、MgOに比べて熱膨張係数が小さい。そのため、添加元素とMgOとが反応して、発熱コイル820と絶縁体870との間の密着性が高まった箇所では、シースヒータ800の加熱時には、熱膨張係数差に起因して大きな応力が発生し得る。このような大きな応力が発生する箇所では、発熱コイル820の断線が生じ易くなる。そのため、添加元素とMgOとの反応に起因する発熱コイル820の断線、およびその結果としてのグロープラグ10の耐久性の低下を抑える効果を高める観点からは、発熱コイル820における添加元素の含有量は、180ppm以下とすることが望ましく、150ppm以下とすることがより望ましく、120ppm以下とすることがさらに望ましい。
なお、発熱コイル820に上述の添加元素を含有させるためには、発熱コイル820を作製する際に、発熱コイル820の材料に予め添加元素を添加して混合しておけばよい。なお、上記した添加元素の含有量とは、複数種類の添加元素を用いる場合には、複数種類の添加元素の合計の含有量を指す。
発熱コイル820の表層部825において、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界に添加元素が存在するか否かを特定するためには、コイル先端部822の横断面に対して鏡面研磨を施した後にサーマルエッチングを施して、得られた表面を走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope、STEM)で観察して、析出物が存在するか否かを確認すればよい。そして、STEMで得られた画像における上記結晶粒界の周辺において、添加元素の濃度をエネルギ分散形X線分光器(Energy Dispersive X-ray Spectrometer、EDS)で測定することにより、存在する添加元素の種類を特定すればよい。なお、STEMにより観察する際の倍率は、5000倍以上にすればよい。
また、グロープラグ10が備える発熱コイル820における添加元素の含有量は、以下のようにして定量することができる。すなわち、シースヒータ800内から発熱コイル820を取り出し、絶縁体870を機械的に除去した後に、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により測定すればよい。なお、溶融部816内に存在するコイル先端部822における添加元素の含有量を測定する場合には、測定に先立って、機械的な方法により、あるいは酸を用いて、線材の表面からシースチューブ810の成分を除去すればよい。
発熱コイル820の表層部825における結晶粒界に存在する添加元素は、還元された金属状態で存在してもよく、酸化物の状態で存在してもよい。通常は、グロープラグ10の製造工程において高温に晒されることにより、大部分の添加元素が酸化物の状態で存在することになる。このように酸化物の状態で粒界に存在する場合には、添加元素は、金属として存在する場合よりも酸化物として存在する場合の方が安定であるため、溶融部から発熱コイルへの金属拡散を抑制する効果の安定性を高めることができる。すなわち、添加元素が還元された金属状態で存在する場合には、グロープラグ10の使用時に高温に晒されることにより、金属の析出物が粒成長する。これにより、結晶粒界に分散して存在していた添加元素が凝集するようになり、結晶粒界において添加元素によって金属拡散を堰き止める箇所が減少して、金属拡散を抑える効果が次第に低下する。添加元素の少なくとも一部が、金属よりも安定な(凝集し難い)酸化物として存在することにより、金属拡散を抑える効果を、より長期にわたって安定化することができる。
なお、添加元素が酸化物として存在するか否かは、既述したEDSによる測定で確認することができる。すなわち、既述した結晶粒界の周辺における添加元素と酸素原子の濃度を測定することにより確認することができる。
(A−4)グロープラグの製造方法:
図4は、グロープラグ10の製造方法を示すフローチャートである。グロープラグ10の製造では、まず、発熱コイル820、制御コイル830、および中軸200を溶接する(工程T100)。具体的には発熱コイル820と制御コイル830とを溶接し、さらに、制御コイル後端部839と、中軸先端部210と、を溶接する。次に、コイル先端部822と、シースチューブ810の先端部と、を溶接する(工程T110)。工程T110において、コイル先端部822とシースチューブ810の先端部とを溶接する工程を、「溶接工程」とも呼ぶ。
図5は、工程T110の溶接工程を示す説明図である。図5では、シースチューブ810および発熱コイル820の先端部の様子を表わしており、シースチューブ810については断面の様子を表わしている。この溶接工程では、まず、シースチューブ810を形成するための部材として、軸線方向OD方向に延びる筒状部材である伸長部810pを用意する。伸長部810pは、開口815を有する先端部813pを備え、この開口815に向かって次第に縮径する形状に成形されている。そして、用意された伸長部810pの先端部813p内(開口815内)に、コイル先端部822を挿入して配置する(図5(A))。次に、先端部813pの外側から、例えばアーク溶接によって先端部813pを溶融して凝固させることにより開口815を閉塞させつつ、コイル先端部822とシース管先端部813とを溶接する(図5(B))。こうすることにより、コイル先端部822が溶融部816に取り囲まれて埋め込まれる。このとき、発熱コイル820が溶融しない条件で溶接する場合には、発熱コイル820の成分を実質的に含有しない溶融部816が形成される。
工程T110の溶接工程が完了すると、次に、シースチューブ810の内に絶縁体870を充填する(工程T120)。絶縁体870が、発熱コイル820と、制御コイル830と、中軸200とを内包することによってシースチューブ810内に形成された空隙に充填されて、シースヒータ800の組み立てが完了する。
シースヒータ800が組み立てられると、シースヒータ800に対し、スウェージング加工を施す(工程T130)。スウェージング加工とは、シースヒータ800に対して打撃力を加えてシースヒータ800を縮径させ、シースチューブ810内に充填した絶縁体870を緻密化させる加工である。スウェージングに伴ってシースヒータ800に打撃力が加えられると、打撃力がシースヒータ800内部に伝えられることにより、絶縁体870が緻密化される。
シースヒータ800にスウェージング加工が施されると、シースヒータ800と主体金具500とが組み付けられて、グロープラグ10が組み立てられ(工程T140)、グロープラグ10が完成する。具体的には、中軸200が一体化されたシースヒータ800を主体金具500の軸孔510に圧入して固定すると共に、主体金具500の後端部分において、Oリング460や絶縁部材410を中軸200に嵌め込み、係合部材100を主体金具500の後端に設けられた中軸200の雄ねじ部290に締め付ける。また、工程T140では、グロープラグ10に対してエージング処理が施される。具体的には、組み立てられたグロープラグ10に通電することによって、シースヒータ800を発熱させて、シースヒータ800の外表面に酸化膜を形成させる。
以上のように構成された本実施形態のグロープラグ10によれば、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくともいずれか一方を主成分として含む発熱コイル820において、少なくともコイル先端部822の表層部825では、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界に添加元素が存在する。そのため、シースヒータ800が昇温する際に、溶融部816に含有されるニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属が、発熱コイル820を構成する主成分の結晶粒界に沿って、溶融部816から発熱コイル820へと拡散することを抑制できる。その結果、シースチューブ810の構成金属が発熱コイル820へと拡散することに起因する、発熱コイル820の融点の低下を抑制できる。したがって、グロープラグ10の使用時における発熱コイル820の溶融および断線を抑制し、グロープラグ10の耐久性を向上させることができる。また、表層部825において主成分の結晶粒界に添加元素が存在することにより、発熱コイル820における粒界脆化の進行を抑え、シースヒータ800およびグロープラグ10の耐久性の低下を抑えることができる。
なお、シースヒータ800の加熱時には、特に発熱コイル820の先端部(例えば、シースヒータ800の最先端部から軸線方向ODの後端側に2mm程度の箇所)が最高温度部となる。本実施形態によれば、このような最高温度部において、シースチューブ810を構成するNiあるいはFeの拡散を大きく抑制することができるため、発熱コイル820の断線を顕著に抑えることができる。
B.第2実施形態:
図6は、第2実施形態におけるシースヒータ800aの先端部分の構造を、図3と同様に拡大して示す断面模式図である。第2実施形態のシースヒータ800aは、第1実施形態のシースヒータ800に代えてグロープラグ10に組み込んで用いられる。第2実施形態において、第1実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、発熱コイル820aの先端部であるコイル先端部822aが、溶融部816内に埋め込まれた状態でシースチューブ810に接合されている。ただし、第2実施例では、コイル先端部822aは、軸線Oに沿って延びる直線状に形成されているのではなく、発熱コイル820a全体が、第1実施形態の螺旋部823のように螺旋状に巻回された形状となっている。このようなシースヒータ800aを作製する際には、伸長部810pと発熱コイル820aとを溶接する際に、図5(A)および図5(B)に示すように、伸長部810pの先端の開口815内に、螺旋状のコイル先端部822aを挿入すればよい。そして、先端部813pの外側から、例えばアーク溶接によって先端部813pを溶融して凝固させることにより開口815を閉塞させつつ、コイル先端部822aとシース管先端部813とを溶接すればよい。
このような構成としても、少なくとも溶融部816内に埋め込まれたコイル先端部822aの表層部825において、発熱コイル820aの主成分の結晶粒界に添加元素が存在することにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
C.第3実施形態:
図7は、第3実施形態におけるシースヒータ800bの先端部分の構造を拡大して示す説明図である。第3実施形態のシースヒータ800bは、第1実施形態のシースヒータ800に代えてグロープラグ10に組み込んで用いられる。第3実施形態において、第1実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。図7では、シースチューブ810bおよび絶縁体870については断面の様子を表わしている。
シースヒータ800bを構成するシースチューブ810bは、伸長部811と蓋部812bとを備える。伸長部811は、軸線方向ODに延びてシースチューブ810bの側面全体を構成する円筒状部材である。蓋部812bは、伸長部811の先端において、自身の外表面がシースチューブ810bの外側に露出するように配置されて、シースチューブ810bの先端部を閉塞させる。蓋部812bには、コイル先端部822が溶接により接合されている。具体的には、蓋部812bとコイル先端部822とは、溶融部816を介して接続されている。また、本実施形態では、伸長部811と蓋部812bとの間も溶接により接合されており、伸長部811と蓋部812bとの間には接合部817が形成されている。本実施形態では、蓋部812bとして、厚みが一定である円盤状の部材を用いており、接合部817は、シースチューブ810bを厚み方向に貫通する円環状に形成されている。
上記溶融部816は、蓋部812bが溶融した接合部であり、接合部817は、蓋部812bと伸長部811とのうちの少なくとも一方が溶融した接合部である。ここで、伸長部811は、第1実施例のシースチューブ810と同様の材料により形成することができる。また、伸長部811と蓋部812bとは、同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。ただし、蓋部812bは、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有している。そのため、溶融部816もまた、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有する。
このようなシースヒータ800aを作製する際には、図4の工程T110において、まず、コイル先端部822と蓋部812bとを溶接して溶融部816を形成する。このとき、蓋部812bは、コイル先端部822を挿入して溶接するための貫通孔あるいは凹部を中央部に有することとすればよい。上記溶接工程では、コイル先端部822は実質的に溶融することなく、蓋部812bが溶融することによって溶融部816が形成される。そして、先端に蓋部812bを溶接した発熱コイル820を伸長部811内に配置して、伸長部811の先端に蓋部812bを溶接し、接合部817を形成すればよい。
このような構成としても、少なくとも溶融部816内に埋め込まれたコイル先端部822の表層部825において、発熱コイル820の主成分の結晶粒界に添加元素が存在することにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、蓋部812bは、円盤状以外の種々の形状とすることが可能である。また、蓋部812bと伸長部811とを接合する接合部817は、シースチューブ810bを厚み方向に貫通する円環状以外の形状としてもよい。例えば、溶融部816と接合部817とは、少なくとも一部が重なっていてもよい。
D.第4実施形態:
図8は、第4実施形態におけるシースヒータ800cの先端部分の構造を拡大して示す説明図である。第4実施形態のシースヒータ800cは、第1実施形態のシースヒータ800に代えてグロープラグ10に組み込んで用いられる。第4実施形態において、第1〜第3実施形態と共通する部分には同じ参照番号を付して、詳しい説明を省略する。図8では、発熱コイル820a以外については、断面の様子を表わしている。
シースヒータ800cを構成するシースチューブ810cは、伸長部811と蓋部812cとを備える。蓋部812cは、より細く形成された閉塞部840と、より太く形成された突出部842とを備える段付きの円柱状、すなわち鋲状に形成されている。閉塞部840は、自身の先端面を外部に露出しつつ、シースチューブ810cの先端部を閉塞させる。突出部842は、閉塞部840からシースチューブ810c内に突出する様に形成されて、溶接により発熱コイル820aのコイル先端部822aと接合されている。具体的には、突出部842とコイル先端部822aとは、溶融部816を介して接続されている。また、本実施形態では、伸長部811と閉塞部840との間も溶接により接合されており、伸長部811と閉塞部840との間には接合部817が形成されている。接合部817は、シースチューブ810cを厚み方向に貫通する円環状に形成されている。
上記溶融部816は、蓋部812c(突出部842)が溶融した接合部であり、接合部817は、蓋部812c(閉塞部840)と伸長部811とのうちの少なくとも一方が溶融した接合部である。ここで、伸長部811は、第1実施例のシースチューブ810と同様の材料により形成することができる。また、伸長部811と蓋部812cとは、同じ組成であってもよく、異なる組成であってもよい。ただし、蓋部812cは、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有している。そのため、溶融部816もまた、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有する。
本実施形態では、コイル先端部822aは、シースチューブ810cに形成された溶融部816内に埋め込まれるのではなく、突出部842の外周に巻き付けられている。そして、突出部842では、発熱コイル820aのコイル先端部822aと接する外表面を含む領域に、溶融部816が形成されている。突出部842の溶融部816と接するコイル先端部822aでは、第1実施形態と同様に、少なくとも表層部825において、発熱コイル820aの主成分の結晶粒界に添加元素が存在する。
このようなシースヒータ800aを作製する際には、図4の工程T110において、まず、コイル先端部822aを蓋部812cの突出部842に巻き付けて溶接して、溶融部816を形成する。上記溶接工程では、コイル先端部822aは実質的に溶融することなく、突出部842が溶融することによって溶融部816が形成される。そして、先端に蓋部812cを溶接した発熱コイル820aを伸長部811内に配置して、伸長部811の先端に蓋部812cの閉塞部840を溶接し、接合部817を形成すればよい。
このような構成としても、少なくとも突出部842に形成された溶融部816と接するコイル先端部822aの表層部825において、発熱コイル820aの主成分の結晶粒界に添加元素が存在することにより、第1実施形態と同様の効果が得られる。
なお、蓋部812cと伸長部811とを接合する接合部817は、シースチューブ810cを厚み方向に貫通する円環状以外の形状としてもよい。例えば、閉塞部840において、シースチューブ810cの外部に露出する部分全体が接合部817となっていてもよい。あるいは、接合部817は、突出部842の少なくとも一部に広がって形成されていてもよい。
E.変形例:
・変形例1:
上記各実施形態では、溶融部816は、シースチューブ810,810b、810cのみが溶融することにより形成されており、発熱コイルの構成材料を実質的に含まないが、異なる構成としてもよい。例えば、溶融部816における発熱コイルの表面近傍領域(コイル先端部との境界を含む領域)に、発熱コイルの構成材料を含む混合層が形成されていてもよい。すなわち、溶融部816は、シースチューブにおける溶融部816以外の部位と同じ構成材料を含んでいれば、さらに発熱コイルの構成材料を含んでいても良い。この場合においても、コイル先端部の横断面において、少なくとも上記境界からの距離が、コイル先端部を構成する線材の直径の4分の1の長さまでの範囲において、発熱コイルの主成分の結晶粒界に添加元素が存在すればよい。
・変形例2:
上記各実施形態では、シースヒータ800,800a〜800cは、発熱コイル820,820aおよび制御コイル830を備えることとしたが、異なる構成としてもよい。例えば、発熱コイルの後端部が中軸先端部210に接続された、単一のコイルを備える構成としてもよい。あるいは、直列に接続された3個以上のコイルを備えることとしてもよい。この場合においても、最も先端部に配置されてシースチューブに溶接される発熱コイルにおいて、少なくともコイル先端部の表層部825の結晶粒界に添加元素が存在すればよい。
・変形例3:
上記した第3および第4実施形態では、伸長部811と蓋部812b,812cとは、接合部817を介して溶接により接合しているが、異なる構成としてもよい。例えば、加締め等の方法により、両者を接合してもよい。
サンプルとして、発熱コイル820に添加する添加元素の種類、および発熱コイル820における添加元素の含有量が異なる種々のグロープラグを作製し、結晶粒界における析出物の有無、およびグロープラグの耐久性を評価した結果を、以下に説明する。
図9および図10は、各サンプルにおける上記添加元素の種類および添加元素の含有量と、評価結果とをまとめて示す説明図である。各サンプルを製造する際には、まず、線径が0.2mmのタングステン(W)製の線材であって、タングステンの他に種々の添加元素を種々の含有量にて含有する線材によって形成される発熱コイル820を用意して、シースヒータ800を作製し、グロープラグ10を組み立てた。このとき、発熱コイル820の組成が異なる各々のサンプルについて、同一の製造条件で複数の発熱コイル820を作製し、グロープラグ10を組み立てた。そして、各々のサンプルについて、同一条件で作製した発熱コイル820の一部については、グロープラグ10を組み立てた後に、発熱コイル820に含まれる添加元素の含有量を調べた。また、各々のサンプルにおいて、同一条件で作製した発熱コイル820の他の一部については、グロープラグ10を組み立てた後に、少なくとも発熱コイルのコイル先端部の表層部において、結晶粒界に添加元素が存在するか否かを調べた。また、各々のサンプルについて、同一条件で作製した発熱コイル820のさらに他の一部については、グロープラグ10を組み立てた後に、グロープラグ10を通電耐久試験に供した。
なお、図9および図10に示すサンプル1〜29のうち、図9に示すサンプル1〜23は、添加元素として1種類の元素のみを含有する。これに対して、図10に示すサンプル24〜29は、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、トリウム(Th)、およびセリウム(Ce)から選択される複数の元素を、添加元素として含有する。具体的には、サンプル24〜29の各々では、2種の添加元素を等量ずつ加えて発熱コイル820を作製した。
作製したシースヒータおよびグロープラグの態様は、第1実施形態(図2等)と同じであり、発熱コイル820の先端部を直接シースチューブに溶接した。各サンプルの発熱コイル820における添加元素の種類および添加元素の含有量は、図9および図10に示すとおりであり、他の条件(各部材の形状や、発熱コイル以外の部材の構成材料)は、全てのサンプルで同じである。
<添加元素の含有量の測定>
各サンプルのグロープラグ10を分解してシースヒータから発熱コイル820を取り出し、絶縁体870を機械的に除去した後に、ICP発光分光分析法(高周波誘導結合プラズマ発光分光分析法)により、発熱コイル820における添加元素の含有量を測定した。なお、このようにして測定した添加元素の含有量は、発熱コイル820を製造する際に原料(タングステン)に加えた添加元素の量とほぼ一致した。
<結晶粒界における添加元素の確認>
各サンプルの発熱コイル820の表層部825において、発熱コイル820を構成する主成分(タングステン)の結晶粒界に添加元素が存在するか否かを判断するために、コイル先端部822の横断面に対して鏡面研磨を施した後にサーマルエッチングを施し、得られた表面を走査透過型電子顕微鏡(Scanning Transmission Electron Microscope、STEM)で観察して、結晶粒界に析出物が存在するか否かを確認した。そして、観察された析出物が、添加元素によって構成されることは、STEMで得られた画像における上記結晶粒界上について、添加元素の濃度をエネルギ分散形X線分光器(Energy Dispersive X-ray Spectrometer、EDS)で測定することにより、確認した。STEMにより観察する際の倍率は、5000倍とした。図9では、上記主成分の結晶粒界における添加元素の存在が確認できた場合には、「析出物」の欄に「有り」と記載している。また、上記主成分の結晶粒界における添加元素の存在が確認できなかった場合には、「析出物」の欄に「無し」と記載している。なお、上記主成分の結晶粒界における添加元素の存在が確認できたサンプルについては、上記EDSの結果より、結晶粒界に存在する添加元素の少なくとも一部が酸化物として存在することを確認した。
<通電耐久試験の条件>
各サンプルのグロープラグ10を用いて通電試験を行ない、耐久性を評価した。具体的には、次の手順1〜3を1サイクルとする処理を各サンプルに対して繰り返し実施して、各サンプルの発熱コイル820が断線するサイクル数(断線サイクル数)を確認した。
(手順1)シースヒータにおいて、シースヒータの外側表面における最先端部から軸線方向ODに沿って2mmの位置が1200℃になるように、各サンプルのグロープラグに通電。
(手順2)シースヒータにおける上記位置の温度が1200℃になった後、グロープラグ10に対する通電を継続することによって、シースヒータにおける上記位置の温度が1200℃となる状態を10分間維持。
(手順3)シースヒータにおける上記位置の温度が1200℃となる状態を10分間維持した後、グロープラグに対する通電を遮断し、送風(風速10mm/sの空気)によってシースヒータを2分間冷却。
<断線箇所の判定>
各サンプルのグロープラグにおいて、上記した通電耐久試験により発熱コイル820が断線した後には、その断線箇所を確認した。断線箇所の確認は、X線CT装置を用いて行なった。具体的には、1000倍に拡大したX線CT像において、発熱コイル820における断線箇所を特定した。断線箇所は、発熱コイル820において表面にシースチューブ810の成分が存在する領域の最後端の位置を基準として測定した。発熱コイル820の表面にシースチューブ810の成分が存在する領域の最後端の位置(以後、「チューブ成分最後端箇所」とも呼ぶ)とは、発熱コイル820の表面において溶融部816と接触する領域のうち、軸線方向ODに対して最も後端側の位置をいう。
図9では、断線箇所が、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mm以内の位置であれば、「断線部先端」の欄に「×」と記載している。また、断線箇所が、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mmを超える位置であれば、「断線部先端」の欄に「○」と記載している。断線箇所が、チューブ成分最後端箇所から軸線方向OD後端側10mm以内である場合(「断線部先端」の評価が「×」の場合)には、発熱コイル820の断線の原因が、シースチューブ810の構成金属が発熱コイル820内に拡散して発熱コイル820の融点が部分的に低下したことが原因と考えられる。断線箇所が、チューブ成分最後端箇所から軸線方向OD後端側10mmを超える場合(「断線部先端」の評価が「○」の場合)には、発熱コイル820の断線の原因は、シースチューブ810の構成金属が発熱コイル820内に拡散して発熱コイル820の融点が部分的に低下したことが原因ではないと考えられる。
<シースチューブ貫通の有無>
各サンプルについて、上記したX線CT装置を用いた観察の際に、さらに、シースチューブ810の側面部814において貫通孔が生じているか否かを確認した。図9では、シースチューブ810の側面部814に貫通孔が生じていれば、「チューブ貫通」の欄に「+」と記載しており、貫通孔が生じていなければ「−」と記載している。
グロープラグ10において繰り返し通電を行なうと、次第にシースチューブ810において酸化が進行し、やがて貫通孔が生じ得る。シースチューブ810に貫通孔が生じると、この貫通孔を介してシースヒータ内に酸素が流入する。シースヒータ内に酸素が流入すると、発熱コイル820を構成するタングステン(W)が酸化されて、発熱コイル820の融点が部分的に低下する。そのため、シースチューブ810に貫通孔が生じている場合には、発熱コイル820の断線の原因は、上記貫通孔から流入した酸素によるタングステンの酸化であると考えられる。
図9に示すように、添加元素の含有量が5ppm未満、具体的には2ppmおよび4ppmであるサンプル1および2では、発熱コイル820の表層部825におけるタングステンの結晶粒界において、添加元素の存在が確認できなかった。このようなサンプル1および2では、発熱コイル820の断線箇所は、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mm以内の位置であった。したがって、サンプル1および2は、発熱コイル820の表層部825におけるタングステンの結晶粒界において、添加元素の存在が確認できないため、シースチューブ810の構成金属が発熱コイル820内に拡散することを抑制できず、チューブ成分最後端箇所に近い箇所で発熱コイル820の断線が生じたと考えられる。また、サンプル1および2は、いずれも、断線サイクルは1万サイクル未満であった。以上の結果より、図9では、サンプル1および2について、「判定」を「×」とした。
図9に示すように、添加元素の含有量が5ppm以上、200ppm以下であるサンプル3〜20では、発熱コイル820の表層部825におけるタングステンの結晶粒界において、添加元素の存在が確認できた。また、サンプル3〜20では、発熱コイル820の断線箇所は、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mmを超える位置であった。そして、サンプル3〜20では、シースチューブ810において貫通孔が認められた。したがって、サンプル3〜20における発熱コイル820の断線の原因は、シースチューブ810の構成金属の発熱コイル820への拡散ではなく、上記貫通孔から流入した酸素による発熱コイル820(タングステン)の酸化であると考えられる。また、サンプル3〜20は、いずれも、断線サイクルは1万サイクルを超えていた。以上の結果より、図9では、サンプル3〜20について、「判定」を「◎」とした。
図9に示すように、添加元素の含有量が200ppmを超えるサンプル21〜23では、発熱コイル820の表層部825におけるタングステンの結晶粒界において、添加元素の存在が確認できた。また、サンプル21〜23では、発熱コイル820の断線箇所は、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mmを超える位置であった。そして、サンプル21〜23では、シースチューブ810において貫通孔が認められなかった。
上記のように、断線位置が、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mmを超える位置であることから、サンプル21〜23における発熱コイル820の断線の原因は、シースチューブ810の構成金属の発熱コイル820への拡散ではないと考えられる。そして、シースチューブ810において貫通孔が認められなかったことから、サンプル21〜23における発熱コイル820の断線の原因は、上記貫通孔から流入した酸素による発熱コイル820の酸化ではないと考えられる。ただし、サンプル21〜23においては、発熱コイル820における添加元素の含有量が多いことにより、添加元素と絶縁体870(MgO)とが反応して過度に密着性してしまい、このとき発熱コイル820と絶縁体870との間の熱膨張係数差に起因して発生した応力により、発熱コイル820が断線したと考えられる。
上記のように、サンプル21〜23では、シースチューブ810の構成金属の拡散に起因する断線を抑えるという本願発明の効果を得ることはできた。ただし、添加金属が、絶縁体870の構成材料として選択したMgOと反応することにより、添加元素の含有量が200ppm以下の場合に比べて断線サイクルが短縮する傾向が見られた(具体的には、断線サイクルは1万サイクルを下回った)。以上の結果より、図9では、サンプル21〜23について、「判定」を「○」とした。
図10に示すように、2種の添加元素を組み合わせて含有するサンプルのうち、添加元素の含有量の合計が5ppm以上、200ppm以下であるサンプル24〜28では、発熱コイル820の表層部825におけるタングステンの結晶粒界において、添加元素の存在が確認できた。また、発熱コイル820の断線箇所は、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mmを超える位置であった。そして、シースチューブ810において貫通孔が認められた。したがって、サンプル24〜28における発熱コイル820の断線の原因は、サンプル3〜20と同様に、シースチューブ810の構成金属の発熱コイル820への拡散ではなく、上記貫通孔から流入した酸素による発熱コイル820(タングステン)の酸化であると考えられる。これらサンプル24〜28は、いずれも、断線サイクルは1万サイクルを超えていた。以上の結果より、図10では、サンプル24〜28について、「判定」を「◎」とした。
図10に示すように、2種の添加元素を組み合わせて含有するサンプルのうち、添加元素の含有量が200ppmを超えるサンプル29では、発熱コイル820の表層部825におけるタングステンの結晶粒界において、添加元素の存在が確認できた。また、発熱コイル820の断線箇所は、チューブ成分最後端箇所から軸線方向ODの後端側10mmを超える位置であった。そして、シースチューブ810において貫通孔が認められなかった。したがって、サンプル29における発熱コイル820の断線の原因は、サンプル21〜23と同様に、添加元素と絶縁体870(MgO)とが反応して過度に密着性したことであると考えられる。このサンプル29は、シースチューブ810の構成金属の拡散に起因する断線を抑えるという本願発明の効果を得ることはできたが、添加元素と絶縁体870(MgO)とが反応することにより断線サイクルが1万サイクルを下回ったため、「判定」を「○」とした。
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
10…グロープラグ
100…係合部材
200…中軸
210…中軸先端部
290…雄ねじ部
300…リング
410…絶縁部材
460…Oリング
500…主体金具
510…軸孔
520…工具係合部
540…雄ねじ部
600…パッキン
800,800a,800b,800c…シースヒータ
810,810b,810c…シースチューブ
810p…伸長部
811…伸長部
812b,812c…蓋部
813…シース管先端部
813p…先端部
814…側面部
815…開口
816…溶融部
817…接合部
819…シース管後端部
820,820a…発熱コイル
822,822a…コイル先端部
823…螺旋部
825…表層部 829…発熱コイル後端部
830…制御コイル
831…制御コイル先端部
839…制御コイル後端部
840…閉塞部
842…突出部
870…絶縁体

Claims (3)

  1. 軸線方向に延びて先端が閉じられている筒状のシースチューブと、先端部が前記シースチューブの先端部に接合された状態で前記シースチューブ内に収納されている発熱コイルと、前記シースチューブ内において前記発熱コイルの周囲に充填されている絶縁体と、を備えるヒータを有するグロープラグであって、
    前記発熱コイルは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくともいずれか一方を主成分として含むと共に、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、トリウム(Th)、およびセリウム(Ce)から選択される少なくとも1種の元素である添加元素をさらに含み、
    前記シースチューブは、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有し、
    前記シースチューブの先端部には、前記発熱コイルの先端部の外表面に接する溶融部であって、少なくとも前記シースチューブにおける該溶融部以外の部位と同じ構成材料を含む溶融部が形成されており、
    前記発熱コイルの先端部において、該発熱コイルを構成する線材の横断面を見たときに、少なくとも前記発熱コイルの外表面から前記線材の直径の4分の1の長さまでの範囲である表層部において、前記主成分の結晶粒界に前記添加元素が存在し、
    前記発熱コイルにおける前記添加元素の含有量が、5ppm以上200ppm以下であり、
    前記シースチューブは、軸線方向に延びる筒状の伸長部と、前記伸長部の先端部において前記伸長部に接合されて、前記シースチューブの先端部を閉塞する蓋部とを備え、
    前記蓋部は、前記シースチューブ内に突出する突出部を有し、
    前記発熱コイルは、該発熱コイルの先端部が前記突出部に巻き付いた状態で、前記突出部に接合されていることを特徴とする
    グロープラグ。
  2. 請求項1に記載のグロープラグであって、
    前記添加元素は、前記結晶粒界において、酸化物として存在することを特徴とする
    グロープラグ。
  3. 軸線方向に延びて先端が閉じられている筒状のシースチューブと、先端部が前記シースチューブの先端部に接合された状態で前記シースチューブ内に収納されている発熱コイルと、前記シースチューブ内において前記発熱コイルの周囲に充填されている絶縁体と、を備えるヒータを有するグロープラグであって、
    前記発熱コイルは、タングステン(W)とモリブデン(Mo)から選択される少なくともいずれか一方を主成分として含むと共に、カリウム(K)、アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)、ランタン(La)、トリウム(Th)、およびセリウム(Ce)から選択される少なくとも1種の元素である添加元素をさらに含み、
    前記シースチューブは、ニッケル(Ni)および鉄(Fe)から選択される少なくとも1種の金属を含有し、
    前記シースチューブの先端部には、前記発熱コイルの先端部の外表面に接する溶融部であって、少なくとも前記シースチューブにおける該溶融部以外の部位と同じ構成材料を含む溶融部が形成されており、
    前記発熱コイルの先端部において、該発熱コイルを構成する線材の横断面を見たときに、少なくとも前記発熱コイルの外表面から前記線材の直径の4分の1の長さまでの範囲である表層部において、前記主成分の結晶粒界に前記添加元素が存在し、
    前記シースチューブは、軸線方向に延びる筒状の伸長部と、前記伸長部の先端部において前記伸長部に接合されて、前記シースチューブの先端部を閉塞する蓋部とを備え、
    前記蓋部は、前記シースチューブ内に突出する突出部を有し、
    前記発熱コイルは、該発熱コイルの先端部が前記突出部に巻き付いた状態で、前記突出部に接合されていることを特徴とする
    グロープラグ。
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