JPH11237045A - セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法 - Google Patents

セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法

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JPH11237045A
JPH11237045A JP3826398A JP3826398A JPH11237045A JP H11237045 A JPH11237045 A JP H11237045A JP 3826398 A JP3826398 A JP 3826398A JP 3826398 A JP3826398 A JP 3826398A JP H11237045 A JPH11237045 A JP H11237045A
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ceramic
glow plug
resistance
ceramics
wire
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JP3826398A
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Arihito Tanaka
有仁 田中
Chihiro Sakurai
千尋 桜井
Kan Chiyou
艱 趙
Toshitsugu Miura
俊嗣 三浦
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Jidosha Kiki Co Ltd
Original Assignee
Jidosha Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 W線の亀裂発生に起因する抵抗上昇を抑制
し、セラミックスの耐酸化性等の特性を維持し、また、
高電圧でも使用可能な寿命の長いセラミックスヒーター
又はセラミックスグロープラグを提供する。 【解決手段】 セラミックスの中に埋設された抵抗発熱
体がタングステン材であるセラミックスヒーター又はセ
ラミックスグロープラグにおいて、上記タングステン材
に、純度が99.99%以上で、かつ、粒成長抑制のた
めのカリウム、アルミニウム、ケイ素等の微量元素が意
図的に添加されていない純タングステン材を用いた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種加熱機器や燃
焼機器の点火用グロープラグ及びディーゼルエンジンの
始動補助用グロープラグ等に使用される高温用セラミッ
クスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれら
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のセラミックスヒーターは、窒化ケ
イ素セラミックス(Si3 4 )中にタングステン線
(以下、W線と略す)を埋設したのち、ホットプレスで
一体化焼成することによって製造されている。しかし、
W線をセラミックスの成形体内に埋設し、1700℃を
越える高温でホットプレスを行うと、W線の表面に亀裂
が発生して抵抗増加を招く。さらに、その後の通電発熱
の反復により、上記亀裂の進行に起因した抵抗増加や断
線が発生し、製品寿命が短くなるおそれがあった。ま
た、W線の線径が小さなものほどこの亀裂が発生しやす
いため、使用可能な線径範囲が限定され、抵抗発熱体で
あるW線の設計自由度が低く、広範な電圧要求や形状制
約に応じることが困難であった。
【0003】従来、上記セラミックスヒーターの亀裂発
生を抑制するには、(a) 焼結助剤を最適化し、ホットプ
レスを1700℃より低い温度で行う方法、及び(b) 抵
抗発熱体として、W線の代わりにRe−W線などの延性
の優れた合金材料を使用する方法の2通りが考えられ
る。しかし、以下に述べる理由により、両者とも採用す
ることが困難であった。方法(a) は、耐酸化性が良好
で、耐熱衝撃性の良い性質を有する希土類系焼結助剤の
使用が最近主流になりつつあり、その焼結可能温度は、
一般に1800℃以上の高温であるため、ホットプレス
温度を1700℃以下にするのは困難であった。即ち、
W線の亀裂発生とセラミックスの耐酸化性等の特性を両
立させることはできず、表面からの連続気孔を通じてW
線の酸化が進行し、断線する不具合が生じたり、例えば
飽和温度1300℃で10万km保証というセラミック
スグロープラグは製造できなかった。また、方法(b) に
よると、窒化ケイ素とレニウム(Re)が活発な反応を
して低融点のRe珪化物を生成するため、ホットプレス
温度を高くできなかった。さらに、このRe−W合金
は、抵抗温度係数がタングステン(W)に比べて小さ
く、ブレーキコイルと組み合わせて使用する2コイル型
の自己制御型セラミックスグローブラグなどにおいては
使用に適するが、1コイル型の自己飽和型セラミックス
グロープラグで使用する場合、飽和温度と急速発熱の両
立が困難であった。
【0004】上記抵抗発熱体の亀裂に対する他の対策方
法としては、金属W線の表面に無機化合物をコーティン
グする技術が、特開昭61−179084号や特開平7
−135068号公報等で提案されている。しかし、コ
ーティング層は、極めて脆く脱落しやすいため、W線の
ハンドリングやセラミックス粉体への包埋、及びプレス
成形の過程において剥離しやすかった。この方法は、わ
ずか一カ所でもコーティング層の剥離が生じると、その
部分に亀裂が発生し、製品機能上致命的な障害となるた
め、工程管理が困難であり、製造コストも高くなり、実
用化が困難であった。以上の理由により、抵抗発熱体と
して、金属W線の代わりに無機導電性セラミックスを発
熱素子としたセラミックスグロープラグ又はセラミック
スヒーターが提案されている。
【0005】しかし、一般に、無機導電性セラミックス
は、窒化ケイ素セラミックスに比べて線膨張係数が高い
ため、実用化に当たっては、両者の線膨張係数を合致さ
せるための複雑なプロセスが必要である。即ち、構造体
セラミックス側へ線膨張係数向上用材料を添加する工程
や、窒化ケイ素セラミックス内の無機導電性材料の分散
状態を抑制する工程が必要であり、このため、歩留まり
や構造体セラミックスの耐酸化性が低下するという問題
が発生した。また、無機導電性セラミックスを抵抗発熱
体として成形する場合、射出成形やスクリーン印刷など
のプロセスが必要となり、コスト的に不利であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本願の発明者らは、鋭
意研究の結果、金属W線の亀裂の原因は、再結晶に起因
することを見い出した。即ち、ドープされた金属W線
は、1700℃〜2000℃でのホットプレス温度にお
いて一次再結晶が起こり、直径数μm〜5μmの等軸形
状の結晶粒となる。この状態では、W線は極めて脆くな
り、ホットプレス時の応力又は周囲の窒化ケイ素セラミ
ックスとの線膨張係数差に起因した熱応力が発生してそ
の粒界に亀裂が生じる。また、再結晶はW線の表面から
内部へと順次発生し、上記亀裂の長さは、金属W線の一
次再結晶深さに大きく依存する。この一次再結晶深さ
は、W線の線径に依存せずほぼ一定であるため、細い線
径ほどこの亀裂により抵抗が増大する。
【0007】以上に鑑み、金属W線の亀裂発生を抑止
し、より高温でのホットプレスを可能とするための研究
を行った結果、W線の結晶粒子に二次再結晶による粒成
長を起こさせると亀裂が発生せず、抵抗増加も生じない
ことを見いだした。つまり、ホットプレスによる焼結温
度付近に二次再結晶温度があり、純度が99.99%よ
り大きく、粒成長のためのカリウム(K)、アルミニウ
ム(Al)、ケイ素(Si)等の微量元素が意図的に添
加されていない純W材、いわゆるノンドープW材を用い
ることによって、亀裂の発生と進行を防ぐことができ
た。
【0008】本発明は、上記知見に基づいて、W線の亀
裂発生に起因する抵抗上昇を抑制し、セラミックスの耐
酸化性等の特性を維持し、また、高電圧でも使用可能な
寿命の長いセラミックスヒーター又はセラミックスグロ
ープラグを提供することを目的とする。具体的には、1
コイル型の自己飽和型セラミックスグロープラグにおい
て、1300℃以上の飽和温度と急速発熱の条件を両立
でき、かつ、1300℃高温アフターグローを可能とす
るセラミックスグロープラグを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、セラミ
ックスの中に埋設された抵抗発熱体がタングステン材で
あるセラミックスヒーター又はセラミックスグロープラ
グにおいて、上記タングステン材を、純度が99.99
%以上で、かつ、粒成長抑制のためのカリウム(K)、
アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)等の微量元素が
意図的に添加されていない純タングステン(W)材にし
たことにある。純タングステン材とは、純度が99.9
9%以上で、粒成長抑制のためのK、Al、Si等の微
量元素が意図的に添加されていない、いわゆるノンドー
プ材であるタングステン(W)材をいう。本発明の態様
の一つは、上記抵抗発熱体である純タングステン材の結
晶を、10μm以上の粒径を有する再結晶組織にしたセ
ラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグにあ
る。本発明の別の態様は、上記セラミックスが、モリブ
デンケイ化物を5〜25体積%含有しているセラミック
スヒーター又はセラミックスグロープラグにある。本発
明の更に別の態様は、純度が99.99%以上で、粒成
長のためのカリウム、アルミニウム、ケイ素等の微量元
素が意図的に添加されていない純タングステン材をセラ
ミックスの中に埋設し、1700℃〜2000℃の温度
でホットプレス焼成を行うセラミックスヒーター又はセ
ラミックスグロープラグの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。図1は、本発明に係るセラミックスグロ
ープラグの内部を示す概略図である。このセラミックス
グロープラグ1の外周はターミナルキャップ2で覆われ
ており、ターミナルキャップ2の内部に筒状のパイプ3
が嵌入され、さらにその内側に棒状に形成されたセラミ
ックス4が配設されている。このセラミックス4の内部
には、抵抗発熱体である金属W線のコイル5と、該コイ
ル5に接続された導電体であるリード部分6が埋設され
ている。(1) セラミックス及び焼結助剤 本発明の製造方法に用いるセラミックスはファインセラ
ミックスが好ましく、セラミックスヒーター又はセラミ
ックスグロープラグに適用するには、焼結助剤を含んだ
窒化ケイ素又は炭化ケイ素セラミックスが好ましい。こ
のうち、耐熱衝撃性と耐酸化性の点から、窒化ケイ素セ
ラミックス(Si3 4 )が特に好ましい。焼結助剤は
焼成後に粒界に残ってガラス相や結晶相を作るが、これ
らのガラス相及び結晶相の種類によって、耐酸化性や強
度、高温強度等の特性がほぼ決まる。セラミックスヒー
ター又はセラミックスグロープラグには、高温特性に優
れるイットリア−アルミナ系、イットリア系、イッテル
ビア系等の焼結助剤が好ましく、高温耐酸化性及び耐熱
衝撃性の面からは、特に希土類元素のみの焼結助剤が好
ましい。また、Wのケイ化抑制添加物として、周期律表
の IIIa 、IVa 、Va族の窒化物を添加してもよい。モ
リブデンケイ化物は、MoSi2 に代表されるように、
その線膨張係数が8.25×10-6/℃であり、窒化ケ
イ素の3.40×10-6/℃及びWの4.60×10-6
/℃よりも大きい値となっている。モリブデンケイ化物
の連続パスが形成されない範囲(25体積%以下)で添
加することにより、セラミックスの線膨張係数をWの値
に近づけることが可能となり、両者の間に発生する熱応
力を緩和することが可能である。それにより、セラミッ
クスヒーター又はセラミックスグロープラグの寿命や信
頼性が向上する。具体的には実施例で述べるが、線径が
細いほどその添加効果は大きく、即ち例えば、24V仕
様のセラミックスグロープラグの寿命や信頼性が向上す
る。また、強度、耐酸化性等の兼ね合いから、モリブデ
ンケイ化物の添加量を5〜25体積%の範囲で選択する
のが適切である。
【0011】(2) 抵抗発熱体 セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグの
抵抗発熱体は1400℃以上の高温となるため、金属の
うちで最も融点が高く、蒸気圧が低いWを用いる。この
Wは、再結晶温度が1300℃程度となる、純度が9
9.99%以上の純Wを使用する。以下、この純Wを用
いる理由について説明する。電球等に使用するWフィラ
メントに純Wを用いると、点灯中にフィラメントが垂下
するサグと呼ばれる現象が発生し、電球の明るさの低下
や短寿命の原因となる。そこで、K、Al、Si等のド
ープ材を添加することによって、長大でインターロック
した二次再結晶組織を形成し、これによってノンサグ性
を示すドープWを使用するのが一般的である。しかし、
セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグに
Wフィラメントを使用する場合、上記サグ性は問題とな
らず、亀裂の発生の方が重要な問題となる。ドープWの
場合、特に1700℃〜2000℃のホットプレス温度
領域では直径数μm〜10μmの等軸形状の結晶粒とな
る一次再結晶が起こるだけである。従って、ホットプレ
スを行う際にW線にかかる応力、又はW線の降温時にお
けるセラミックスとの熱膨張係数差に起因する応力によ
って粒界に発生した亀裂が、上記結晶粒の組織形状にお
いて伝播しやすくなり、容易に亀裂が進行して抵抗増加
を招く。一方、純Wの場合、1700℃〜2000℃の
ホットプレス温度領域において、粒径が10μm以上の
粗大粒が生成し、また、粒界に不純物がほとんど存在し
ないので粒界が強固になっていると考えられる。このた
め、ホットプレス時にW線にかかる応力、又はW線の降
温時におけるセラミックスとの熱膨張係数差に起因する
応力によっても、W線に亀裂が生じないと考えられる。
これにより、焼成に伴うW線の抵抗増加を抑制すること
ができ、セラミックスヒーター又はセラミックスグロー
プラグが繰り返しの熱履歴を受けても抵抗発熱体である
W線の断線はなくなる。したがって、本発明に用いる抵
抗発熱体は、純W材であることが必要である。
【0012】(3) セラミックスヒーター及びグロープラ
グの製造方法 まず、いわゆるノンドープ材である純W線をセラミック
ス成形体中に埋設する。この埋設方法としては、一般的
な射出成形法、一軸プレス法、鋳込み成型法、ゲルキャ
スティング法等がある。これらのうちで、顆粒粉体を半
分入れ、その上にWフィラメントを載置し、さらにその
上に粉体をかぶせて成形する一軸プレス法が、歩留ま
り、成形性及び自動化等の面から最も好ましい。次い
で、上記セラミックスの成形体を脱脂した後、黒鉛型に
並べ、1700℃〜2000℃でホットプレス焼成を行
う。1700℃より低い温度でホットプレスをすると、
セラミックスの焼結が十分に進行しなかったり、セラミ
ックス成形体中に埋設した純W線が二次再結晶を十分に
起こさない場合がある。また、セラミックスが窒化ケイ
素の場合、焼結体内にα相が残存し強度等の特性が悪く
なることもある。一方、2000℃より高い温度でホッ
トプレスをすると、純W線のケイ化が進行しすぎて抵抗
が増大してしまう。このため、ホットプレス温度は17
00℃〜2000℃で実施することが好ましい。さらに
好ましくは、Si3 4 の場合は1700〜1800
℃、SiCの場合は1900〜2000℃の温度範囲で
ある。その後、上記セラミックス焼結体を任意形状に研
削加工して、セラミックスヒーター先端部又はセラミッ
クスグロープラグ先端部とする。これらをパイプやハウ
ジングに取り付けて、セラミックスヒーター又はセラミ
ックスグロープラグを作製する。
【0013】
【実施例】〔実施例1〕試料の作成 まず、窒化ケイ素91wt%、イットリア5wt%、ア
ルミナ4wt%、成形助剤及び窒化ケイ素製ボールを窒
化ケイ素製ポットに入れ、イソプロピルアルコールを混
練媒体として24時間混合粉砕した。その後、混合によ
り作製されたスラリーをスプレードライヤーを用いて乾
燥し、粒径が約100μmの顆粒(粉体)を作製した。
次いで、純度が99.99%、線径が0.05,0.1
0,0.15,0.20mmである純W材であるWコイ
ルを用意し、このコイルが中心に位置するように上記粉
体を一軸プレスで成形体に形成した。こののち、それぞ
れの成形体を1700,1800,1900,2050
℃の各温度にてホットプレスを行い、グロープラグ先端
部の形状に研削した。但し、2050℃におけるホット
プレスのみ、窒素ガスにて加圧をしながらホットプレス
を行った。また、比較例として、純度が99.95%、
線径がそれぞれ0.05,0.10,0.15,0.2
0mmであるドープされたWコイルを用いて、上記内容
と同様な手法でグロープラグを作製した。また、上記原
料に、MoSi2 を2.5体積%,15体積%,50体
積%添加し、同様に顆粒を作製した。純度が99.99
%、線径が0.05mm,0.10mm,0.15m
m,0.20mmである純W材であるWコイルを用意
し、このコイルが中心に位置するように上記粉体を一軸
プレスで成形体にした。その後、1800℃でホットプ
レスを行い、グロープラグ先端部の形状に研削した。抵抗値及び抵抗増加率の検証 成形体に埋め込む前のWコイルの抵抗値を1とし、グロ
ープラグ先端部の形状に研削した後の抵抗増加の割合を
評価した。その後、ハウジング等をアッセンブリーして
セラミックスグロープラグを作製し、該プラグの表面の
飽和温度が1300℃となるように電圧を調整した。該
プラグの電源をONして30秒間加熱したのち、空冷を
30秒間行うという加熱冷却サイクル試験を5万回行っ
た。この試験は、実車条件の約10万kmを保証するも
のである。その後、グロープラグ先端部だけを取り出
し、グロープラグ先端部形状に研削した後の抵抗を1と
したときの抵抗増加の割合を評価した。この結果を表1
〜表4に示す。また、同様に、上記MoSi2 を2.5
体積%,15体積%,50体積%添加した系について
も、サイクル試験を行った後、先端部だけを取り出し、
グロープラグ先端部形状に研削後の抵抗を1としたとき
の抵抗増加の割合を評価した。ただし、50体積%添加
した場合には、セラミックス自体に導電性をもつため、
グロープラグには適さないものとなった。上記抵抗増加
率(50体積%を除く)の結果を表5に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】以上より、純W線の方がドープW線よりも
各線径において抵抗増加率が小さく、また、純W線はホ
ットプレス温度が上昇しても抵抗上昇がほとんどない。
さらに、ホットプレス温度を2050℃にした純W線の
金属組織を観察した結果、純W線の断面積の70%以上
がWSi2 とW3 Si5 に変化していたので、W線の割
れの影響よりも、この組織変化により抵抗が上昇したも
のと考えられる。なお、MoSi2 を添加した場合、線
径の大きい方は添加していない場合と比較して抵抗増加
率にあまり変化はないが、線径の小さい方は差が顕著で
ある。
【0020】〔実施例2〕試料の作成 焼結助剤をイットリアとし、上記の製造方法と同様にし
て、ホットプレス焼成温度1900℃で、それぞれ線径
がφ0.05mmの純W線とドープW線のセラミックス
グロープラグを作製した。抵抗値及び抵抗増加率の検証 ドープW線の抵抗値は3kΩ以上となり測定不可能であ
り、セラミックスグロープラグとして使用はできなかっ
たが、純W線の抵抗値は約0.6Ωであった。グロープ
ラグの特性を測定したところ、11Vでの800℃到達
時間が3.2秒、14Vでの飽和温度は1308℃であ
った。また、このグロープラグを14Vにて実施例1と
同様の加熱冷却サイクル試験を5万回行ったが、セラミ
ックス部分の破損及び断線等による発熱不良は起こらな
かった。
【0021】〔実施例3〕線径がφ0.05mmの純W
線のコイルを用いてセラミックスグロープラグを作製し
た。24Vでセラミックスヒーター部の先端から3mm
部分で1315℃となった。また、24Vにて実施例1
と同様の加熱冷却サイクル試験を5万回行ったが、セラ
ミックス部分の破損及び断線等による発熱不良は起こら
なかった。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、抵抗発熱体である純W
線に亀裂が発生しないので、抵抗増加を抑制することが
でき、従来製造不可能であった高電圧仕様にも耐えられ
るようになった。また、高温耐酸化性の優れたセラミッ
クスヒーターの製造が可能になった。即ち、例えば24
V電圧仕様で、急速昇温及びアフターグロー温度130
0℃、10万km保証というセラミックスグロープラグ
が製造可能となった。さらに、耐酸化性が優れ、高温で
使用可能な希土類焼結助剤が使用可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックスグロープラグの内部
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 セラミックスグロープラグ 2 ターミナルキャップ 3 パイプ 4 セラミックス 5 コイル 6 リード部分
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月11日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】以上に鑑み、金属W線の亀裂発生を抑止
し、より高温でのホットプレスを可能とするための研究
を行った結果、W線の結晶粒子に二次再結晶による粒成
長を起こさせると亀裂が発生せず、抵抗増加も生じない
ことを見いだした。つまり、ホットプレスによる焼結温
度付近に二次再結晶温度があり、純度が99.99%よ
り大きく、粒成長抑制のためのカリウム(K)、アルミ
ニウム(Al)、ケイ素(Si)等の微量元素が意図的
に添加されていない純W材、いわゆるノンドープW材を
用いることによって、亀裂の発生と進行を防ぐことがで
きた。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、セラミ
ックスの中に埋設された抵抗発熱体がタングステン材で
あるセラミックスヒーター又はセラミックスグロープラ
グにおいて、上記タングステン材を、純度が99.99
%以上で、かつ、粒成長抑制のためのカリウム(K)、
アルミニウム(Al)、ケイ素(Si)等の微量元素が
意図的に添加されていない純タングステン(W)材にし
たことにある。純タングステン材とは、純度が99.9
9%以上で、粒成長抑制のためのK、Al、Si等の微
量元素が意図的に添加されていない、いわゆるノンドー
プ材であるタングステン(W)材をいう。本発明の態様
の一つは、上記抵抗発熱体である純タングステン材の結
晶を、10μm以上の粒径を有する再結晶組織にしたセ
ラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグにあ
る。本発明の別の態様は、上記セラミックスが、モリブ
デンケイ化物を5〜25体積%含有しているセラミック
スヒーター又はセラミックスグロープラグにある。本発
明の更に別の態様は、純度が99.99%以上で、粒成
抑制のためのカリウム、アルミニウム、ケイ素等の微
量元素が意図的に添加されていない純タングステン材を
セラミックスの中に埋設し、1700℃〜2000℃の
温度でホットプレス焼成を行うセラミックスヒーター又
はセラミックスグロープラグの製造方法である。
フロントページの続き (72)発明者 三浦 俊嗣 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスの中に埋設された抵抗発熱
    体がタングステン材であるセラミックスヒーター又はセ
    ラミックスグロープラグにおいて、上記タングステン材
    が、純度が99.99%以上で、かつ、粒成長のための
    カリウム、アルミニウム、ケイ素等の微量元素が意図的
    に添加されていない純タングステン材であることを特徴
    とするセラミックスヒーター又はセラミックスグロープ
    ラグ。
  2. 【請求項2】 上記抵抗発熱体であるタングステン材の
    結晶が10μm以上の粒径を有する再結晶組織であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載のセラミックスヒーター
    又はセラミックスグロープラグ。
  3. 【請求項3】 上記セラミックスが、モリブデンケイ化
    物を5〜25体積%含有していることを特徴とする請求
    項1に記載のセラミックスヒーター又はセラミックスグ
    ロープラグ。
  4. 【請求項4】 純度が99.99%以上で、粒成長のた
    めのカリウム、アルミニウム、ケイ素等の微量元素が意
    図的に添加されていない純タングステン材をセラミック
    スの中に埋設し、1700℃〜2000℃の温度でホッ
    トプレス焼成を行うことを特徴とするセラミックスヒー
    ター又はセラミックスグロープラグの製造方法。
JP3826398A 1998-02-20 1998-02-20 セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法 Pending JPH11237045A (ja)

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