JPH11233239A - セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法 - Google Patents

セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法

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JPH11233239A
JPH11233239A JP3826298A JP3826298A JPH11233239A JP H11233239 A JPH11233239 A JP H11233239A JP 3826298 A JP3826298 A JP 3826298A JP 3826298 A JP3826298 A JP 3826298A JP H11233239 A JPH11233239 A JP H11233239A
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JP3826298A
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Arihito Tanaka
有仁 田中
Chihiro Sakurai
千尋 桜井
Toshitsugu Miura
俊嗣 三浦
Takashi Aota
隆 青田
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Jidosha Kiki Co Ltd
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Jidosha Kiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストが安価で、より高温でのホットプレス
においても、抵抗発熱体の亀裂発生を抑止できるセラミ
ックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれ
らの製造方法を提供する。 【解決手段】 抵抗発熱体である高融点金属の発熱線8
に予め1900℃〜3000℃での熱処理を施すことに
よって、その結晶粒1を長手方向に延びた形状に形成し
たのち、該発熱線8を、モリブデン珪化物を5〜25体
積%含有したセラミックス粉体と一体化焼結するセラミ
ックスヒーター又はセラミックスグロープラグの製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ンの副燃焼室や燃焼室内を予熱するセラミックスヒータ
ー又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のセラミックスヒーターは、窒化ケ
イ素(Si3 4 )セラミックス中に抵抗発熱体である
タングステン線(以下、W線と略す)を包埋し、ホット
プレスで一体化焼成することによって製造している。し
かし、1700℃を越える高温でホットプレスを行う
と、包埋されたW線の表面に亀裂が生じることがある。
この亀裂が発生したセラミックスヒーターは、初期的な
抵抗増加を招き、さらにその後の通電発熱の反復によ
り、亀裂成長に起因した抵抗増加や断線が発生し、製品
機能上問題になるおそれがあった。また、W線の線径が
小さなものほど上記亀裂が発生しやすいため、使用可能
な線径範囲が限定され、W線発熱体の設計自由度が低
く、広範な電圧要求や形状制約に応じることが困難であ
った。
【0003】上記セラミックスヒーターにおけるW線の
亀裂発生を抑制するには、以下の2通りの方法がある。 (a) 添加する焼結助剤を最適化し、ホットプレス温度を
1700℃以下の低い温度とする方法。 (b) 抵抗発熱体として、W線の代わりにRe−W線など
の延性の優れた合金を使用する方法。 方法(a) は、希土類系焼結助剤の使用が最近主流になり
つつあり、その焼結可能温度は一般に1800℃以上の
高温であるため、ホットプレス温度を1700℃以下に
することは困難である。また、方法(b) によると、窒化
ケイ素セラミックスとレニウム(Re)が活発な反応を
生じ、低融点のRe珪化物を生成するため、ホットプレ
ス温度を高くできないという制約があった。さらに、こ
のRe−W合金は、抵抗温度係数が一般にW(タングス
テン)に比べて小さく、ブレーキコイルと組み合わせて
使用する2コイル型の自己制御型セラミックスグロープ
ラグなどにおいては使用に適するが、1コイル型の自己
飽和型セラミックスグロープラグで使用する場合、飽和
温度と急速発熱の両立が困難であった。
【0004】上記抵抗発熱体の亀裂に対する他の対策方
法としては、金属W線の表面に無機化合物をコーティン
グする技術が、特開昭61−179084号や特開平7
−135068号で提案されている。しかし、コーティ
ング層は極めて脆く脱落しやすいため、W線のハンドリ
ングやセラミックス粉体への包埋及びプレス成形の過程
において剥離しやすかった。この方法は、わずか一カ所
でもコーティング層の剥離が生じると、その部分で亀裂
が発生し、製品機能上致命的な障害となるため、工程管
理が困難であり、製造コストも高くなり、実用化が困難
であった。
【0005】以上の理由により、抵抗発熱体として金属
W線を使用する代わりに、無機導電性セラミックスを発
熱素子としたセラミックスグロープラグ又はセラミック
ス材料が、例えば、特開平4−257615号及び特開
平1−317170号公報に提案されている。特開平4
−257615号公報に記載されたグロープラグは、先
端側に導電性サイアロン等の導電性セラミックス材によ
る第1の発熱体を埋設したものであり、特開平1−31
7170号公報に記載されたセラミックス材料は、Mo
3 Si3 Cを導電性セラッミックス材料として採用した
ものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、無機導
電性セラミックスを用いたセラミックスグロープラグに
よると、一般に、無機導電性セラミックスは窒化ケイ素
セラミックスに比べて線膨張係数が高いため、実用化に
当たって、両者の線膨張係数を合致させるために複雑な
プロセスが必要であった。即ち、構造体セラミックス側
への線膨張係数向上用材料の添加や無機導電性材料の窒
化ケイ素セラミックスへの分散状態の制御などの工程が
必要であった。また、歩留まりの低下、構造体セラミッ
クスへの添加成分の引き起こす副作用等の問題があっ
た。さらに、無機導電性セラミックスを抵抗発熱体とし
て成形する場合、射出成形やスクリーン印刷などの複雑
なプロセスが必要となり、コスト的に不利であった。
【0007】本願の発明者らは、鋭意研究の結果、上記
金属W線の亀裂発生メカニズムは、1650℃〜190
0℃で発生する一次再結晶に起因した脆化に支配された
亀裂であることを見い出した。即ち、ホットプレス時に
上記温度にさらされた金属W線は極めて脆い状態とな
り、その後の冷却過程で、周囲の窒化ケイ素セラミック
スとの線膨張係数との差に起因した熱応力によって亀裂
が発生することがわかった。また、再結晶は表面から内
部へと順次発生するので、この亀裂の長さは金属W線の
一次再結晶深さに大きく依存し、該一次再結晶深さは線
径に依存せずほぼ一定であるため、細い線径ほどこの亀
裂の影響を大きく受けることが判明した。本発明は、上
記知見に基づいて、コストが安価で、より高温でのホッ
トプレスにおいても、金属W線の亀裂発生を抑止できる
セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及
びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、セラミ
ックスの中に埋設された抵抗発熱体が高融点金属の発熱
線であるセラミックスヒーター又はセラミックスグロー
プラグにおいて、上記発熱線の線径がφ0.4mm以下
であり、該発熱線の結晶粒の形状が、長手方向粒径
(L)/径方向粒径(T)=Rとしたときに、Rが1.
5〜100の異方性を有し、かつ径方向粒径(T)が5
μm以上であるセラミックスヒーター又はセラミックス
グロープラグにある。上記抵抗発熱体としては、タング
ステン(W)、モリブデン(Mo)等を主体とする高融
点金属が好ましい。また、上記元素以外にも、ニオブ
(Nb),ハフニウム(Hf),イリジウム(Ir)等
を用いることができる。なお、発熱線の線径の下限値は
φ0.01mmであり、結晶粒の径方向粒径(T)の上
限値は60μmである。本発明の実施態様の一つは、上
記セラミックスにモリブデン珪化物を5〜25体積%含
有させたセラミックスヒーター又はセラミックスグロー
プラグである。さらに、本発明の別の要旨は、抵抗発熱
体である高融点金属の発熱線を予め1900℃〜300
0℃での熱処理を施したのち、この発熱線をセラミック
スと一体化焼結するセラミックスヒーター又はセラミッ
クスグロープラグの製造方法にある。本発明の別の態様
は、上記発熱線をコイリングしてコイルに形成したの
ち、1900℃〜3000℃での熱処理を施し、次い
で、該発熱線をセラミックスと一体化焼結する方法であ
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を詳
細に説明する。図1は、本発明に係るセラミックスヒー
ターの製造工程を示すフローチャートである。まず、抵
抗発熱体となる金属W線を伸線し、コイリングしてコイ
ル形状に成形する。次いで、このコイルに1900〜3
000℃の熱処理を施したのち、セラミックス粉体中へ
包埋し、該セラミックス粉体をプレス成形する。そし
て、脱脂をしたのち、1650〜1900℃でホットプ
レスを実施する。上記熱処理により、図2に示すよう
に、金属W線の結晶粒1の形状は長手方向に延びた異方
性を有するものになる。この異方性組織は、金属W線に
添加されたドープ材の効果によるものであり、この結晶
粒1の形状変化により、亀裂2の進行が妨げられ、抵抗
増加を抑制する。これに対し、熱処理を施さない場合
は、図3に示すように、ホットプレス時の1650℃〜
1900℃への昇温により直径数μm〜10μmの等軸
形状の結晶形状となるが、この結晶粒1の形状では、粒
界3に発生した亀裂2が該粒界3を伝わって伝播しやす
い状態にあり、容易に亀裂2を進行させるものと推定さ
れる。また、一度1900℃〜3000℃で熱処理して
長手方向に延びた結晶粒1の異方性組織は、その後の1
650℃〜1900℃のホットプレスではいっさい変化
せずに、亀裂2の進行を抑制するものと考えられる。
【0010】上記熱処理は、金属W線の素線の段階で施
すと、その後のコイリング工程での応力に線材が耐えき
れず抵抗発熱体としての形状を得る上で制約を生じる。
一方、ホットプレス後では、すでに亀裂が発生してお
り、効果を有さないばかりでなく、周辺のセラミックス
の耐熱性限界を越えて熱処理が不可能である。よって、
コイリング工程とホットプレス工程との間で、上記熱処
理を実施することが好ましい。熱処理温度は、これを1
900℃未満にすると、二次再結晶に伴う延性回復は十
分ではなく、亀裂の進行を抑制するという効果を望めな
い。また、3000℃を越える温度での熱処理は実用上
は通電加熱による方法しかないが、通電中に断線するこ
とが多くあったり、ホットプレス後に抵抗増加を来すた
め不適である。よって、熱処理温度は、1900〜30
00℃が好ましい。さらに、熱処理時間としては、0.
5分〜60分が好ましい。この熱処理時間が0.5分未
満の場合、再結晶が不十分で、目的とする結晶形状が得
られないという不具合が生じ、60分を超えると、線材
の脆化が促進されてしまうという不具合が発生するから
である。なお、本発明に係るセラミックスグロープラグ
の内部の概略図を図4に示す。このセラミックスグロー
プラグ4の外周はターミナルキャップ5で覆われてお
り、ターミナルキャップ5の内部に筒状のパイプ6が嵌
入され、さらにその内側に棒状に形成されたセラミック
ス7が配設されている。このセラミックス7の内部に
は、抵抗発熱体である金属W線のコイル8と、該コイル
8に接続された導電体であるリード部分9が埋設されて
いる。
【0011】
【実施例】〔実施例1〕セラミックスとして窒化ケイ素
セラミックス(Si3 4 )を、抵抗発熱体として線径
がφ0.20mmの金属W線を、焼結助剤としてY2
3 を用いた。この金属W線に1500〜3300℃の範
囲で熱処理を施したのち、窒化ケイ素セラミックス中に
包埋し、ホットプレスを1900℃で実施した。このの
ち、上記金属W線の抵抗増加率、結晶粒径を測定し、金
属W線の熱処理温度ごとにまとめて表1に示す。ここ
で、結晶粒径のうち、長手方向の粒径をL、径方向の粒
径をT、L/TをRとした。この表1から、金属W線の
熱処理温度のうち、熱処理温度1900〜3000℃の
範囲は、径方向粒径(T)≧5μm、かつ、R=1.5
〜100の条件を満たすことがわかる。
【0012】
【表1】
【0013】〔実施例2〕次いで、セラミックスとして
窒化ケイ素セラミックス(Si3 4 )を、抵抗発熱体
として線径がφ0.20mmの金属W線を、焼結助剤と
してY2 3 を用いた。この金属W線に1500〜22
00℃の範囲で熱処理を施したのち、窒化ケイ素セラミ
ックス中に包埋し、ホットプレスを1900℃で実施し
た。上記金属W線の抵抗増加率、結晶粒径を測定し、金
属W線の熱処理温度ごとにまとめて表2に示す。この表
2から、金属W線の熱処理温度のうち、1800〜22
00℃の範囲は、径方向粒径(T)≧5μm、かつ、R
=1.5〜100の条件を満たすことがわかる。
【0014】
【表2】
【0015】〔実施例3〕各種線径の金属W線に熱処理
を施したときと施さなかったときの金属W線の抵抗増加
率、及びそれらの加熱冷却サイクルの反復後の抵抗増加
率を測定した。ここで、セラミックスとして窒化ケイ素
セラミックス(Si3 4 )を、抵抗発熱体として線径
がφ0.05〜φ0.20mmの金属W線を、焼結助剤
としてY23 とAl2 3 を用いた。この金属W線に
2200℃で熱処理を施したのち、窒化ケイ素セラミッ
クス中に包埋し、1700〜1900℃でホットプレス
を実施した。次いで、上記金属W線の抵抗増加率を測定
し、W線の線径とホットプレス温度ごとに分けてまとめ
て表3〜表6に示す。つまり、表3は金属W線に220
0℃の熱処理を施した場合の抵抗増加率を示し、これに
対して表4は、金属W線に熱処理を施さない場合の抵抗
増加率を示す。また、表5は金属W線に2200℃の熱
処理を施し、10000回の加熱冷却サイクルを反復し
た場合の抵抗増加率を示し、これに対して表6は、金属
W線に熱処理を施さずに、10000回の加熱冷却サイ
クルを反復した場合の抵抗増加率を示す。
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【表6】
【0020】表3では、金属W線に2200℃の熱処理
を施すことにより、各線径による抵抗増加率の差異があ
まりなくなり、φ0.10mm以下でも特に問題ない
が、表4では、線径がφ0.10mm以下になると抵抗
増加率が大きくなり、特にホットプレス温度が1900
℃では、抵抗増加率が無限大、即ち断線に至った。ま
た、表5では、金属W線に2200℃の熱処理を施すこ
とにより、10000回の加熱冷却サイクル反復後の抵
抗増加率は、各線径による抵抗増加率の差異があまりな
くなり、φ0.10mm以下でも特に問題ないが、表6
では、線径がφ0.10mm以下になると全てのホット
プレス温度において、抵抗増加率が無限大、即ち断線に
至った。よって、金属W線に2200℃の熱処理を施す
ことで、線径がφ0.1mm以下の金属W線では抵抗増
加が大きく、加熱冷却反復により断線が容易に生じてし
まうという従来の不具合が完全に解消した。また、本発
明により、φ0.05mmの線径を有する金属W線でも
包埋可能になり、従来製造不可能であった高電圧仕様に
も耐えられる製品が製造可能になった。
【0021】〔実施例4〕さらに、耐酸化性が優れ、高
温で使用可能なことが知られる希土類焼結助剤(例え
ば、イットリア,イッテルビア,バナジア)との組み合
わせで試験した結果を表7に示す。
【0022】
【表7】
【0023】この表7は、セラミックスとして窒化ケイ
素(Si3 4 )セラミックスを、抵抗発熱体として金
属W線を、セラミックスの焼結助剤としてY2 3 を用
い、上記金属W線に2200℃の熱処理を施し、セラミ
ックス粉体に包埋したのち、1700〜1900℃の温
度でホットプレスを実施したものについて、10000
回の加熱冷却サイクルを反復したときの金属W線の抵抗
増加率及び、セラミックスの酸化層の厚さの測定値を示
したものである。従来は、1900℃でのホットプレス
ができなかったために、この焼結助剤を用いた場合、相
対密度が十分にあがらずに本来の耐酸化性が発揮でき
ず、表面からの連続気孔を通じてW線の酸化が進行して
断線するということがあったが、本発明により、190
0℃でのホットプレスが可能になり、高温耐酸化性の優
れたセラミックスヒーターの製造が可能になった。
【0024】〔実施例5〕表8には、窒化ケイ素(Si
3 4 )セラミックスにMo珪化物(MoSi2)を添
加し、さらに細い線径の金属W線をヒーターとしたとき
の抵抗増加率を比較例として示す。
【0025】
【表8】
【0026】Mo珪化物は、MoSi2 に代表されるよ
うに、その線膨張係数が8.25×10-6/℃であり、
窒化ケイ素(Si3 4 )の3.40×10-6/℃とW
の4.6×10-6/℃よりも大きい値となっている。M
o珪化物の連続パスが形成されない範囲(25体積%以
下)で添加することにより、セラミックスの線膨張係数
を金属W線の値に近づけることが可能になり、両者の間
に発生する熱応力を緩和することが可能である。これら
の添加による抵抗増加率抑制の効果が表8に表れてい
る。全体的に、MoSi2 の添加量が増大するほど抵抗
増加率が低下することがわかる。しかし、強度、耐酸化
性などの総合的性能とのかねあいから、MoSi2 の添
加量を5〜25体積%の範囲で選択するのが適切であ
る。なお、表8には、2200℃の熱処理を施していな
い、線径がφ0.05mmの金属W線の抵抗増加率も示
しているが、あらゆるMoSi2 の添加量に対して、抵
抗増加率は無限大であり、全く効果を有さなかった。こ
れはMo珪化物の添加が、熱処理と複合することにより
初めて有効性を表すことを示している。
【0027】
【発明の効果】上述したように、本発明によれば、セラ
ミックスの中に埋設された抵抗発熱体が高融点金属の発
熱線であるセラミックスヒーター又はセラミックスグロ
ープラグにおいて、上記発熱線の線径がφ0.4mm以
下であり、該発熱線の結晶粒の形状が、長手方向粒径
(L)/径方向粒径(T)=Rとしたときに、Rが1.
5〜100であり、かつ径方向粒径(T)が5μm以上
であるので、上記発熱線に発生した亀裂の進行が妨げら
れ、抵抗増加を抑制するという効果を奏する。また、本
発明の一態様によれば、上記セラミックスにモリブデン
珪化物が5〜25体積%含有されており、発熱線の結晶
粒の形状が、Rが1.5〜100、かつ径方向粒径
(T)が5μm以上であるという条件と複合されると、
抵抗増加を抑制するという効果を奏する。さらに、本発
明の別の態様によれば、抵抗発熱体である高融点金属の
発熱線に予め1900℃〜3000℃での熱処理を施
し、この発熱線をセラミックスと一体化焼結するので、
上記発熱線の結晶粒の形状が長手方向に延びたものとな
り、発熱線に亀裂が発生しても、その進行が阻止されて
抵抗増加を抑制することができる。そして、本発明の更
に別の態様によれば、上記発熱線をコイリングしてコイ
ルに形成したので、コイリング成形性を損なうことな
く、発熱線の亀裂の進行が阻止されて抵抗増加を抑制す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るセラミックスヒーターの製造工程
を示すフローチャートである。
【図2】熱処理を施した抵抗発熱体の組織を示す、倍率
が1000倍の模式図である。
【図3】熱処理を施さない抵抗発熱体の組織を示す、倍
率が1000倍の模式図である。
【図4】本発明に係るセラミックスグロープラグの内部
を示す概略図である。
【符号の説明】
1 結晶粒 2 亀裂 3 結晶粒界 4 セラミックスグロープラグ 5 ターミナルキャップ 6 パイプ 7 セラミックス 8 コイル 9 リード部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青田 隆 埼玉県東松山市神明町2丁目11番6号 自 動車機器株式会社松山工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックスの中に埋設された抵抗発熱
    体が高融点金属の発熱線であるセラミックスヒーター又
    はセラミックスグロープラグにおいて、上記発熱線の線
    径がφ0.4mm以下であるとともに、該発熱線の結晶
    粒の形状が、長手方向粒径(L)/径方向粒径(T)=
    Rとしたときに、Rが1.5〜100であり、かつ径方
    向粒径(T)が5μm以上であることを特徴とするセラ
    ミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ。
  2. 【請求項2】 上記セラミックスにモリブデン珪化物が
    5〜25体積%含有されていることを特徴とする請求項
    1に記載のセラミックスヒーター又はセラミックスグロ
    ープラグ。
  3. 【請求項3】 抵抗発熱体である高融点金属の発熱線に
    1900℃〜3000℃での熱処理を施したのち、この
    発熱線をセラミックスと一体化焼結することを特徴とす
    るセラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 上記発熱線をコイリングしてコイルに形
    成したのち、熱処理を施したことを特徴とする請求項3
    に記載のセラミックスヒーター又はセラミックスグロー
    プラグの製造方法。
JP3826298A 1998-02-20 1998-02-20 セラミックスヒーター又はセラミックスグロープラグ及びそれらの製造方法 Pending JPH11233239A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7155522B2 (en) 2001-02-02 2006-12-26 Panasonic Communications Co., Ltd. Image information transmitting system, scanner apparatus and user terminal apparatus, and method for registering user terminal information to scanner apparatus
US7763829B2 (en) 2003-12-19 2010-07-27 Bosch Corporation Ceramic heater-type glow plug
JP2018031497A (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 日本特殊陶業株式会社 グロープラグ

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US7155522B2 (en) 2001-02-02 2006-12-26 Panasonic Communications Co., Ltd. Image information transmitting system, scanner apparatus and user terminal apparatus, and method for registering user terminal information to scanner apparatus
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