JP5536929B2 - グロープラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関の始動を補助するグロープラグを製造する方法に関する。
グロープラグの構造として、棒状の発熱素子が挿入される金属製の外筒を、炭素鋼にメッキを施した主体金具に突合せ溶接することによって、外筒を介してセラミック発熱素子を主体金具に固定する構造が知られている。主体金具と外筒とを突合せ溶接する際に、両部材を溶融させる溶接部(溶接ビード)に主体金具のメッキ材料が介在すると、メッキ材料が溶接時に気化して溶接部に気孔(ポア)が形成されてしまい、溶接部における接合強度の低下、耐食性の低下、外観の悪化などの溶接不良を招くことになる。従来、メッキ材料に起因する溶接不良を防止する対策の一つとして、突合せ溶接に先立って、主体金具の突合せ面に形成されたメッキ層を研磨によって剥離する研磨剥離が実施されていた(特許文献1)。
特開2008−8607号公報
しかしながら、メッキ層の研磨剥離では、過剰な研磨や研磨の偏りによってメッキ層のみならず炭素鋼の基材までもが研磨され、主体金具に欠肉が発生してしまう場合があった。主体金具の欠肉は、主体金具に固定される発熱素子の位置ズレの要因となり、グロープラグ製品の歩留率を悪化させる。
本発明は、上記した課題を踏まえ、グロープラグにおける突合せ溶接された二つの金属部材の溶接不良を抑制することができるグロープラグの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1] 適用例1のグロープラグの製造方法は、第1および第2金属部材を備えるグロープラグを製造するグロープラグの製造方法であって、前記第1金属部材をメッキするメッキ工程と、焦点を通過させ拡散させたレーザ光を、前記メッキされた第1金属部材における筒状部の環状端面に照射することによって、前記環状端面に形成されたメッキ層を剥離する剥離工程と、前記メッキ層が剥離された第1金属部材の環状端面に、前記第2金属部材を突合せ溶接する溶接工程とを備え、前記剥離工程は、前記メッキされた第1金属部材における前記環状端面への前記レーザ光の照射によって発生する炎色反応の色に基づいて、前記レーザ光の照射を制御する工程を含み、前記制御する工程は、前記メッキ層に前記レーザ光を照射させ、前記レーザ光の照射による炎色が前記メッキ層を示す色の場合、前記メッキ層が残留していると判断して、照射を継続し、前記レーザ光の照射による炎色が前記メッキ層を示す色から前記第1金属部材を示す色になった場合、前記メッキ層が剥離されたと判断して、照射を終了する工程を含むことを特徴とする。適用例1のグロープラグの製造方法によれば、第1金属部材の環状端面に照射されるレーザ光のエネルギ密度は、焦点から離れるに従って低下するため、環状端面では溶接温度よりも融点が低いメッキ材料を蒸発させながら、環状端面よりも焦点から離れたメッキ層の損傷を抑制することができる。そのため、第1金属部材における基材の欠肉および過剰なメッキ層の剥離を回避しながら、環状端面からメッキ層を剥離することができる。したがって、グロープラグにおける突合せ溶接された第1および第2金属部材の溶接不良を抑制することができる。また、炎色反応の色はメッキ材料の有無に応じて変化することから、メッキ層の剥離を過不足なく実施することができる。
[適用例2] 適用例1のグロープラグの製造方法は、更に、前記メッキ工程に先立って、前記第1金属部材における前記筒状部の外周側面と前記環状端面との間に面取り部を形成する面取り工程を備え、前記剥離工程は、前記メッキされた第1金属部材における前記環状端面と共に前記面取り部に前記レーザ光を照射することによって、前記環状端面に形成されたメッキ層に加え、前記面取り部に形成されたメッキ層を剥離する工程であると良い。適用例2のグロープラグの製造方法によれば、剥離工程でメッキ層が剥離される面取り部によって、メッキ層を残すべき外周側面を環状端面から離すことができるため、突合せ溶接時に外周側面のメッキ層が溶接部に取り込まれることを抑制することができる。
[適用例3] 適用例2のグロープラグの製造方法において、前記溶接工程は、前記メッキ層が剥離された第1金属部材の環状端面に、無メッキである前記第2金属部材における突合せ面を突合せ溶接する工程であり、前記面取り工程は、前記メッキ工程に先立って、前記第1金属部材に前記面取り部を、前記第2金属部材における前記突合せ面に設けられた面取り部よりも大きな面取り幅で形成する工程であると良い。適用例3のグロープラグの製造方法によれば、面取り部によって外周側面を環状端面から一層離すことができるため、突合せ溶接時に外周側面のメッキ層が溶接部に取り込まれることを一層抑制することができる。
[適用例4] 適用例2または適用例3のグロープラグの製造方法において、前記面取り工程は、前記メッキ工程に先立って、前記第1金属部材に前記面取り部を、前記環状端面側よりも前記外周測面側が大きな面取り幅で形成する工程であると良い。適用例4のグロープラグの製造方法によれば、メッキ層を残すべき外周側面を環状端面から離して、突合せ溶接時に外周側面のメッキ層が溶接部に取り込まれることを抑制しながら、溶接部として溶融させる肉厚を第1金属部材に確保することができる。
[適用例5] 適用例1ないし適用例4のいずれかのグロープラグの製造方法において、前記剥離工程は、前記メッキされた第1金属部材における前記環状端面に前記レーザ光を照射することによって、前記環状端面における内周側に形成されたメッキ層を残して、前記環状端面に形成されたメッキ層を剥離する工程であると良い。適用例5のグロープラグの製造方法によれば、環状端面における内周側は突合せ溶接時に溶接部に取り込まれないことから、溶接部に悪影響を与えることなく、剥離工程に要する工数を低減することができる。
[適用例] 適用例1ないし適用例のいずれかのグロープラグの製造方法において、前記第1金属部材は、当該グロープラグを内燃機関に取り付けるための雄ネジ部が外周面に形成された主体金具であり、前記第2金属部材は、発熱素子が内部に挿入され該発熱素子を前記主体金具に固定する外筒であると良い。適用例のグロープラグの製造方法によれば、主体金具と外筒とを突合せ溶接した溶接部の溶接不良を抑制することができる。
[適用例] 適用例1ないし適用例のいずれかのグロープラグの製造方法において、前記第1金属部材は、炭素鋼で形成された部材であり、前記第2金属部材は、ステンレス鋼で形成された部材であり、前記メッキ工程は、前記第1金属部材を、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、スズ(Sn)等の低融点メッキ材料のうち少なくとも一つを含むメッキ材料でメッキする工程であると良い。適用例のグロープラグの製造方法によれば、炭素鋼を基材として炭素鋼と比較して融点の低い各種の低融点メッキ材料でメッキされた第1金属部材を、ステンレス鋼で形成された第2金属部材に突合せ溶接した溶接部の溶接不良を抑制することができる。
本発明の形態は、グロープラグの製造方法に限るものではなく、例えば、グロープラグ、グロープラグを構成する各種部品、ブロープラグを備える内燃機関、グロープラグの製造装置などの種々の形態に適用することも可能である。また、本発明は、前述の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。
内燃機関に取り付けられたグロープラグの部分断面を示す説明図である。 グロープラグの製造工程を示すフローチャートである。 突合せ溶接工程の詳細を示す説明図である。 主体金具および外筒を相互に突き合わせる部分を拡大して示す説明図である。 剥離工程において主体金具の環状端面からメッキ層を剥離する様子を示す説明図である。 剥離工程においてレーザ光を環状端面に対して相対的に移動させる軌跡の一例を示す説明図である。
以上説明した本発明の構成および作用を一層明らかにするために、以下本発明を適用したグロープラグについて説明する。
A.実施例:
A1.グロープラグの構成:
図1は、内燃機関5に取り付けられたグロープラグ10の部分断面を示す説明図である。グロープラグ10は、ディーゼルエンジンを始めとする内燃機関5に取り付けられ、内燃機関5の始動時における点火を補助する熱源として機能する。グロープラグ10は、給電端子100と、中軸200と、絶縁部材300と、O(オー)リング400と、主体金具500と、通電リング600と、外筒700と、セラミック発熱素子800とを備える。これらグロープラグ10を構成する部材は、グロープラグ10の中心軸SCに略沿って組み付けられている。なお、本明細書では、グロープラグ10におけるセラミック発熱素子800側を「先端側」と呼び、給電端子100側を「後端側」と呼ぶ。
グロープラグ10は、セラミック発熱素子800が挿入される金属製の外筒700を、炭素鋼にメッキを施した主体金具500に突合せ溶接することによって、外筒700を介してセラミック発熱素子800を主体金具500に固定する構造を有する。外筒700に突き合わせられる主体金具500の突合せ面に形成されたメッキ層は、外筒700との突合せ溶接に先立って、レーザ光によって剥離される。グロープラグの製造工程についての詳細は後述する。
グロープラグ10の主体金具500は、筒状に形成された炭素鋼にメッキが施された第1金属部材であり、中軸200を内包すると共に、一方の端部である先端側で外筒700を介してセラミック発熱素子800を保持し、他方の端部である後端側で絶縁部材300を介して中軸200を保持する。本実施例では、主体金具500の基材は、日本工業規格(JIS)に規定された「S40C」相当の機械構造用炭素鋼(SC材)であるが、これに限るものではなく、グロープラグの使用環境に耐え得る組成の炭素鋼であれば良い。
主体金具500は、軸孔510と、工具係合部520と、第1筒状部530と、雄ネジ部540と、段部550と、第2筒状部560とを備える。本実施例では、主体金具500には、後端側から順に、工具係合部520、第1筒状部530、段部550、第2筒状部560が形成され、雄ネジ部540は、第1筒状部530に形成されている。なお、本実施例では、工具係合部520は、雄ネジ部540よりも後端側に形成されているが、他の実施形態において、雄ネジ部540よりも先端側に形成されても良い。
主体金具500の軸孔510は、中心軸SCに略沿って形成した貫通孔であり、中軸200よりも大きな径を有している。軸孔510に中軸200が位置決めされた状態で、軸孔510と中軸200との間には、両者を電気的に絶縁する空隙が形成される。主体金具500の工具係合部520は、内燃機関5へのグロープラグ10の取り付けおよび取り外しに用いられる工具(図示しない)に嵌り合う。主体金具500の第1筒状部530は、外周に雄ネジ部540が形成された部位である。主体金具500の雄ネジ部540は、第1筒状部530の先端側から後端側に向けて形成され、内燃機関5に形成された雌ネジに嵌り合う。主体金具500の段部550は、第1筒状部530と第2筒状部560との間を相互に連接する。主体金具500の第2筒状部560は、第1筒状部530よりも小さな外径で形成された部位であり、その先端側には、外筒700を介してセラミック発熱素子800が固定される。
グロープラグ10の外筒700は、筒状に形成された第2金属部材であり、主体金具500の第2筒状部560の先端側に突合せ溶接され、セラミック発熱素子800を主体金具500に固定する。本実施例では、外筒700の材料は、JISに規定された「SUS430」相当のステンレス鋼であるが、これに限るものではなく、グロープラグの使用環境に耐え得る組成のステンレス鋼であれば良い。本実施例では、外筒700は、メッキが施されていない無メッキの状態である。
外筒700は、軸孔710と、第3筒状部730と、段部750と、第4筒状部760とを備える。外筒700には、後端側から順に、第3筒状部730、段部750、第4筒状部760が形成されている。外筒700の軸孔710は、中心軸SCに略沿って形成した貫通孔であり、セラミック発熱素子800に嵌り合う径を有する。外筒700の第3筒状部730は、主体金具500の第2筒状部560と略同じ大きさの外径で形成された部位である。外筒700の段部750は、第3筒状部730と第4筒状部760との間を相互に連接する。外筒700の第4筒状部760は、第3筒状部730の外径よりも小さな外径で形成された部位である。
グロープラグ10のセラミック発熱素子800は、絶縁性セラミックスで形成されたセラミック基体810と、通電によって発熱する発熱体820とを備え、発熱体820をセラミック基体810に埋設した発熱素子である。本実施例では、セラミック発熱素子800は、円柱状に形成された発熱素子である。本実施例では、セラミック発熱素子800の発熱体820は、導電性セラミック製の抵抗体であるが、他の実施形態において、金属製の発熱コイルであっても良い。本実施例では、発熱体820は、セラミック基体810の内部において、先端側を頂点にして折り曲げられた略U字状の発熱部と、発熱部の端部にそれぞれ接続される一対のリード部を有する。一方のリード部は、通電リング600に電気的に接続され、他方のリード部は、外筒700に電気的に接続されている。
グロープラグ10の給電端子100は、導電材料で形成された部材であり、セラミック発熱素子800に電気的に接続され、グロープラグ10の外部からセラミック発熱素子800に対する給電を受け付ける。
グロープラグ10の中軸200は、導電材料で形成された円柱体であり、主体金具500の軸孔510に挿入された状態で中心軸SC上に組み付けられ、給電端子100とセラミック発熱素子800との間を電気的に接続する。本実施例では、セラミック発熱素子800に対する外部からの給電は給電端子100を介して行われるが、他の実施形態において、給電端子100と中軸200とを一体的に形成し、外部からの給電を直接中軸に行っても良い。
グロープラグ10の絶縁部材300は、絶縁材料で形成された円筒体であり、中軸200を主体金具500の内側に位置決めすることによって、中軸200と主体金具500との間を電気的に絶縁する空隙を形成する。本実施例では、絶縁部材300は、中軸200を位置決めすると共に、給電端子100と主体金具500との間に介在することによって両者を電気的に絶縁する。
グロープラグ10のOリング400は、絶縁弾性材料で形成された環状体であり、中軸200,絶縁部材300および主体金具500の各々に密着することによって主体金具500の内部を密閉する。
グロープラグ10の通電リング600は、導電材料で形成された円筒体であり、主体金具500の軸孔510の内部で、中軸200とセラミック発熱素子800との間に組み付けられ、中軸200とセラミック発熱素子800との間を電気的に接続する。
A2.グロープラグの製造工程:
図2は、グロープラグ10の製造工程(ステップS10)を示すフローチャートである。グロープラグ10の製造工程(ステップS10)では、まず、部材準備工程(ステップS100)において、グロープラグ10を構成する主体金具500、外筒700などの各種部材を準備する。その後、突合せ溶接工程(ステップS200)において、主体金具500に外筒700を突合せ溶接する。その後、残りの部材を主体金具500に組み付けると(ステップS300)、グロープラグ10が完成する。
図3は、突合せ溶接工程(ステップS200)の詳細を示す説明図である。突合せ溶接工程(ステップS200)では、まず、部材準備工程(ステップS100)で準備された主体金具500および外筒700を相互に突き合わせる(ステップS210)。本実施例では、主体金具500と外筒700との突合せ工程(ステップS210)に先立って、外筒700の軸孔710には、セラミック発熱素子800が挿入されており、そのセラミック発熱素子800には、通電リング600を介して中軸200が接続されている。
図3に示すように、主体金具500は、外周側面562と、環状端面564とを備え、外筒700は、外周側面762と、環状端面734とを備える。主体金具500の外周側面562は、第2筒状部560における環状の端面であり、主体金具500の環状端面564は、第2筒状部560における環状の端面である。外筒700の外周側面762は、第3筒状部730における外周の側面であり、外筒700の環状端面734は、第3筒状部730における環状の端面である。主体金具500の環状端面564、および外筒700の環状端面734の各々は、主体金具500および外筒700を相互に突き合わせた際に向かい合う突合せ面である。
図4は、主体金具500および外筒700を相互に突き合わせる部分を拡大して示す説明図である。図4に示すように、主体金具500における外周側面562と環状端面564との間には、外周側面562と環状端面564との繋ぎ目を切削した面取り部566が形成され、外筒700における外周側面762と環状端面734との間には、外周側面762と環状端面734との繋ぎ目を削り取った面取り部736が形成されている。主体金具500における面取り部566の形成についての詳細は後述する。
図4に示すように、主体金具500の表面にはメッキ層505が形成されているが、主体金具500と外筒700との突合せ工程(ステップS210)に先立って、主体金具500の環状端面564からメッキ層505が剥離されている。本実施例では、環状端面564に加え、面取り部566からもメッキ層505が剥離されている。主体金具500におけるメッキ層505の剥離についての詳細は後述する。
図3の説明に戻り、主体金具500と外筒700との突合せ工程(ステップS210)の後、主体金具500と外筒700との境界における外周側を溶接する(ステップS250:図中に溶接部位を矢印で示す)。本実施例では、溶接工程(ステップS250)における溶接手法は、レーザ溶接であるが、他の実施形態において、電子ビーム溶接やアーク溶接など他の溶接手法であっても良い。本実施例では、溶接工程(ステップS250)におけるレーザ溶接に用いるレーザ光は、YAGレーザであるが、他の実施形態において、炭酸ガスレーザを始めとする他のレーザ光であっても良い。
溶接工程(ステップS250)が完了すると、主体金具500と外筒700との境界の外周側には、主体金具500および外筒700が溶融した溶接ビードによって溶接部Pwが形成され、主体金具500と外筒700とは一体となる(ステップS290)。
図2の説明に戻り、部材準備工程(ステップS100)は、主体金具500を準備する工程として、主体金具500に面取り部566を形成する面取り工程(ステップS112)と、主体金具500にメッキを施すメッキ工程(ステップS114)と、主体金具500の環状端面564からメッキ層505を剥離する剥離工程(ステップS116)とを含む。
部材準備工程(ステップS100)の面取り工程(ステップS112)では、メッキ工程(ステップS114)に先立って、主体金具500の環状端面564における外周側面562との繋ぎ目を切削して面取り部566を形成する。
図4に示すように、本実施例では、主体金具500の面取り部566における外周側面562側の面取り幅CL1は、外筒700の面取り部736における外周側面732側の面取り幅CL2よりも大きく、主体金具500の面取り部566における環状端面564側の面取り幅CH1は、外筒700の面取り部736における環状端面734側の面取り幅CH2よりも大きい。本実施例のように、主体金具500の面取り部566は、外筒700の面取り部736よりも大きな面取り幅であることが好ましいが、他の実施形態において、外筒700の面取り部736と同じ面取り幅であっても良いし、外筒700の面取り部736よりも小さな面取り幅であっても良い。
図4に示すように、本実施例では、主体金具500の面取り部566は、環状端面564側の面取り幅CH1よりも外周側面562側の面取り幅CL1が大きい。本実施例のように、主体金具500の面取り部566は、環状端面564側の面取り幅CH1よりも外周側面562側の面取り幅CL1が大きいことが好ましいが、他の実施形態において、面取り幅CH1と面取り幅CL1とが同じ大きさであっても良いし、面取り幅CH1よりも面取り幅CL1が小さくても良い。
図2の説明に戻り、部材準備工程(ステップS100)のメッキ工程(ステップS114)では、面取り工程(ステップS112)の後、面取り部566が形成された主体金具500にメッキを施して、外周側面562、環状端面564、面取り部566を含む主体金具500の表面にメッキ層505を形成する。本実施例では、主体金具500のメッキ材料は、亜鉛(Zn)およびニッケル(Ni)を含む亜鉛ニッケル合金であるが、これに限るものではなく、グロープラグの使用環境に耐え得る組成のメッキ材料であれば良い。例えば、主体金具500のメッキ材料は、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、スズ(Sn)の少なくとも一つを含む主体金具500よりも融点の低いメッキ材料を利用することができ、これら種々のメッキ材料で形成されるメッキ層にクロメート層を更に形成しても良い。
部材準備工程(ステップS100)の剥離工程(ステップS116)では、メッキ工程(ステップS114)の後、レーザ光を用いて主体金具500の環状端面564からメッキ層505を剥離する。本実施例では、剥離工程(ステップS116)において、環状端面564に加え、面取り部566からもメッキ層505を剥離する。
図5は、剥離工程(ステップS116)において主体金具500の環状端面564からメッキ層505を剥離する様子を示す説明図である。図5に示すように、剥離工程(ステップS116)では、メッキ工程(ステップS114)でメッキされた主体金具500における環状端面564に、レーザ照射装置90から焦点FSを通過させ拡散させたレーザ光Lofを照射することによって、環状端面564に形成されたメッキ層505を剥離する。レーザ照射装置90から放出され焦点FSに収束するレーザ光Lifは、焦点FSに近づくに従ってエネルギ密度が高くなり、焦点FSを通過して拡散するレーザ光Lofは、焦点FSから離れるに従ってエネルギ密度が低くなる。
本実施例では、図5に示すように、環状端面564へのレーザ光Lofの照射中に、レーザ光Lofの一部を面取り部566に照射することによって、面取り部566に形成されたメッキ層505を剥離する。面取り部566は環状端面564よりも焦点FSから離れているため、レーザ光Lofのエネルギ密度は、環状端面564よりも面取り部566の方が低くなる。そのため、レーザ光Lofの強度は、面取り部566においてもメッキ層505を剥離可能な程度に調整される。
本実施例では、図4に示すように、剥離工程(ステップS116)では、環状端面564における外周側に形成されたメッキ層505を剥離して、環状端面564における内周側に形成されたメッキ層505を残すが、他の実施形態において、環状端面564の全域に形成されたメッキ層505を剥離しても良い。
図6は、剥離工程(ステップS116)においてレーザ光Lofを環状端面564に対して相対的に移動させる軌跡の一例を示す説明図である。本実施例では、剥離工程(ステップS116)において、環状端面564の外周に沿ってレーザ光Lofを開始点Pstから一周させて円軌跡Tc1を描いた後、この円軌跡Tc1の内側でレーザ光Lofを終了点Pedまで一周させて円軌跡Tc2を描く。これによって、環状端面564の外周側を円軌跡Tc1および円軌跡Tc2で重ね合わせてレーザ光Lofを照射することができるため、環状端面564の外周側におけるメッキ層505の残留を抑制することができる。本実施例では、環状端面564の外周に沿ったレーザ光Lofの照射の回数は、円軌跡Tc1および円軌跡Tc2による2回であるが、他の実施形態において、1回であっても良いし、3回以上であっても良い。
A3.効果:
以上説明した実施例のグロープラグ10によれば、主体金具500の環状端面564に照射されるレーザ光Lofのエネルギ密度は、焦点FSから離れるに従って低下するため、環状端面564では溶接温度よりも融点が低いメッキ材料を蒸発させながら、環状端面564よりも焦点FSから離れた外周側面562におけるメッキ層505の損傷を抑制することができる。そのため、主体金具500における基材の欠肉および過剰なメッキ層505の剥離を回避しながら、環状端面564からメッキ層505を剥離することができる。したがって、グロープラグ10における突合せ溶接された主体金具500と外筒700との溶接不良を抑制することができる。
また、剥離工程(ステップS116)でメッキ層505が剥離される面取り部566によって、メッキ層505を残すべき外周側面562を環状端面564から離すことができるため、突合せ溶接時(ステップS200)に外周側面562のメッキ層505が溶接部Pwに取り込まれることを抑制することができる。
また、面取り工程(ステップS112)において、主体金具500の面取り部566を、外筒700の面取り部736よりも大きな面取り幅で形成することから、面取り部566によって外周側面562を環状端面564から一層離すことができるため、突合せ溶接時(ステップS200)に外周側面562のメッキ層505が溶接部Pwに取り込まれることを一層抑制することができる。
また、面取り工程(ステップS112)において、主体金具500の面取り部566を、環状端面564側の面取り幅CH1よりも外周側面562側の面取り幅CL1が大きな面取り幅で形成することから、メッキ層505を残すべき外周側面562を環状端面564から離して、突合せ溶接時(ステップS200)に外周側面562のメッキ層505が溶接部Pwに取り込まれることを抑制しながら、溶接部Pwとして溶融させる肉厚を主体金具500に確保することができる。
また、環状端面564における内周側は突合せ溶接時(ステップS200)に溶接部Pwに取り込まれないことから、剥離工程(ステップS116)において、環状端面564における内周側に形成されたメッキ層505を残すことによって、溶接部Pwに悪影響を与えることなく、剥離工程(ステップS200)に要する工数を低減することができる。
B.その他の変形例:
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において様々な形態で実施し得ることは勿論である。例えば、温度センサや圧力センサなどの各種センサを組み込んだグロープラグに本発明を適用しても良い。
また、本実施例では、主体金具500と外筒700とを突合せ溶接する構造について説明したが、グロープラグ10における他の金属部材同士を突合せ溶接する構造に適用しても良い。
また、本実施例では、外筒700は、無メッキの金属部材であるが、他の実施形態において、外筒700がメッキされた金属部材である場合、主体金具500に対する剥離工程(ステップS116)と同様に、メッキされた外筒700からメッキを剥離しても良い。
また、剥離工程(ステップS116)において、環状端面564へのレーザ光Lofの照射によって発生する炎色反応の色に基づいてレーザ光Lofの照射を制御しても良い。具体的には、「S40C」相当の炭素鋼で形成された基材に亜鉛ニッケル合金をメッキした主体金具500では、レーザ光Lofの照射による炎色が「緑」の場合、メッキ層505が残留していると判断して、その照射部位での照射を継続し、レーザ光Lofの照射による炎色が「緑」から「赤」になった場合、メッキ層505が剥離されたと判断して、その照射部位での照射を終了する。ここでは、炎色反応の一例として「緑」から「赤」への変化を示したが、炎色反応の色は、主体金具500における基材およびメッキの材料に応じて異なる色になることから、主体金具500の材質に応じてメッキ層505の剥離状態を適宜判断することができる。
5…内燃機関
10…グロープラグ
90…レーザ照射装置
100…給電端子
200…中軸
300…絶縁部材
400…Oリング
500…主体金具
505…メッキ層
510…軸孔
520…工具係合部
530…第1筒状部
540…雄ネジ部
550…段部
560…第2筒状部
562…外周側面
564…環状端面
566…面取り部
600…通電リング
700…外筒
710…軸孔
730…第3筒状部
732…外周側面
734…環状端面
736…面取り部
750…段部
760…第4筒状部
762…外周側面
800…セラミック発熱素子
810…セラミック基体
820…発熱体
SC…中心軸
Pw…溶接部
CH1,CH2,CL1,CL2…面取り幅
Ped…終了点
Pst…開始点
Tc1…円軌跡
Tc2…円軌跡
FS…焦点
Lif…レーザ光
Lof…レーザ光

Claims (7)

  1. 第1および第2金属部材を備えるグロープラグを製造するグロープラグの製造方法であって、
    前記第1金属部材をメッキするメッキ工程と、
    焦点を通過させ拡散させたレーザ光を、前記メッキされた第1金属部材における筒状部の環状端面に照射することによって、前記環状端面に形成されたメッキ層を剥離する剥離工程と、
    前記メッキ層が剥離された第1金属部材の環状端面に、前記第2金属部材を突合せ溶接する溶接工程と
    を備え、
    前記剥離工程は、前記メッキされた第1金属部材における前記環状端面への前記レーザ光の照射によって発生する炎色反応の色に基づいて、前記レーザ光の照射を制御する工程を含み、
    前記制御する工程は、前記メッキ層に前記レーザ光を照射させ、前記レーザ光の照射による炎色が前記メッキ層を示す色の場合、前記メッキ層が残留していると判断して、照射を継続し、前記レーザ光の照射による炎色が前記メッキ層を示す色から前記第1金属部材を示す色になった場合、前記メッキ層が剥離されたと判断して、照射を終了する工程を含む、
    グロープラグの製造方法。
  2. 請求項1に記載のグロープラグの製造方法であって、更に、
    前記メッキ工程に先立って、前記第1金属部材における前記筒状部の外周側面と前記環状端面との間に面取り部を形成する面取り工程を備え、
    前記剥離工程は、前記メッキされた第1金属部材における前記環状端面と共に前記面取り部に前記レーザ光を照射することによって、前記環状端面に形成されたメッキ層に加え、前記面取り部に形成されたメッキ層を剥離する工程である、グロープラグの製造方法。
  3. 請求項2に記載のグロープラグの製造方法であって、
    前記溶接工程は、前記メッキ層が剥離された第1金属部材の環状端面に、無メッキである前記第2金属部材における突合せ面を突合せ溶接する工程であり、
    前記面取り工程は、前記メッキ工程に先立って、前記第1金属部材に前記面取り部を、前記第2金属部材における前記突合せ面に設けられた面取り部よりも大きな面取り幅で形成する工程である、グロープラグの製造方法。
  4. 前記面取り工程は、前記メッキ工程に先立って、前記第1金属部材に前記面取り部を、前記環状端面側よりも前記外周測面側が大きな面取り幅で形成する工程である請求項2または請求項3に記載のグロープラグの製造方法。
  5. 前記剥離工程は、前記メッキされた第1金属部材における前記環状端面に前記レーザ光を照射することによって、前記環状端面における内周側に形成されたメッキ層を残して、前記環状端面に形成されたメッキ層を剥離する工程である請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載のグロープラグの製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載のグロープラグの製造方法であって、
    前記第1金属部材は、当該グロープラグを内燃機関に取り付けるための雄ネジ部が外周面に形成された主体金具であり、
    前記第2金属部材は、発熱素子が内部に挿入され該発熱素子を前記主体金具に固定する外筒である、グロープラグの製造方法。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載のグロープラグの製造方法であって、
    前記第1金属部材は、炭素鋼で形成された部材であり、
    前記第2金属部材は、ステンレス鋼で形成された部材であり、
    前記メッキ工程は、前記第1金属部材を、亜鉛(Zn)、銅(Cu)、スズ(Sn)の少なくとも一つを含むメッキ材料でメッキする工程である、グロープラグの製造方法。
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