JP2007039716A - レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機 - Google Patents

レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機 Download PDF

Info

Publication number
JP2007039716A
JP2007039716A JP2005222778A JP2005222778A JP2007039716A JP 2007039716 A JP2007039716 A JP 2007039716A JP 2005222778 A JP2005222778 A JP 2005222778A JP 2005222778 A JP2005222778 A JP 2005222778A JP 2007039716 A JP2007039716 A JP 2007039716A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
laser
plating layer
laser beam
steel sheet
steel plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2005222778A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuhiro Nada
和弘 名田
Toshitaka Kodama
敏孝 児玉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KINOSHITA SEIKAN KK
Caterpillar Japan Ltd
Nippei Toyama Corp
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Original Assignee
KINOSHITA SEIKAN KK
Nippei Toyama Corp
Caterpillar Mitsubishi Ltd
Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KINOSHITA SEIKAN KK, Nippei Toyama Corp, Caterpillar Mitsubishi Ltd, Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd filed Critical KINOSHITA SEIKAN KK
Priority to JP2005222778A priority Critical patent/JP2007039716A/ja
Publication of JP2007039716A publication Critical patent/JP2007039716A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Laser Beam Processing (AREA)
  • ing And Chemical Polishing (AREA)

Abstract

【課題】 レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機に関し、簡素な構成でメッキ鋼板の加工工程における生産性及び施工品質をともに向上させる。
【解決手段】 レーザー光を出射するレーザー発振器6,レーザー発振器6から出射された該レーザー光を反射するミラー15,ミラー15で反射された該レーザー光を集光するレンズ7,及びレンズ7によって集光されるレーザー光の焦点位置Aを制御する焦点移動装置8を有するレーザー加工機10と、レーザー加工機10による加工対象物としてのメッキ鋼板1とを用意し、焦点移動装置8によりレーザー発振器6から出射された該レーザー光の焦点位置Aをメッキ鋼板1の表面から該レーザー光の照射方向へずらして照射することでレーザー光の出力強度を調整して、メッキ層2を溶融させる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、メッキ鋼板のメッキ層を部分的に剥離するのに適用して好適なレーザー光によるメッキ層剥離方法と、その対象として好適な加工メッキ鋼板及び作業機械の防錆燃料タンクと、それらを製造するのに用いて好適なレーザー加工機に関する。
従来より、エンジンの動力で作動する機械には、エンジンへ供給される燃料を貯留する燃料タンクが搭載されている。燃料タンク内には、燃料のみが給油されるようになっているが、外気温の変動等によって内部結露が発生すると燃料タンク内に水がたまり、錆を発生させるおそれがある。このため、燃料タンクには、酸化しにくい材質のものが用いられており、近年では溶融亜鉛メッキ等で表面加工を施した鋼板を使って燃料タンクが製造されている。
例えば、特許文献1には、燃料タンクの底面部分を溶融亜鉛−アルミニウム−マグネシウム−シリコン合金メッキ鋼板を用いて形成したものが記載されている。つまり、燃料タンクを構成する鋼板の底面に耐食性に優れた表面加工を施すことによって、貯まり水による錆の発生を防止している。
なお、燃料タンクの製造時には、鋼板面を箱状に組み立てた状態で各辺同士を溶接して接合するとともにドレンボスやサクションボス等、配管用の部材を燃料タンクへ接続するための環状部材を鋼板面に溶接して固定するようになっているが、この場合、溶接時の裏焼け(溶接した鋼板の裏側部分のメッキ層が溶接熱の影響で剥離,昇華すること)によってコンタミが発生するほか、ブローホールが生じるおそれがある。
このような課題に対して、特許文献1に記載の技術では、アルゴン−二酸化炭素インナートガスを使用したマグ溶接によって燃料タンクの組み立てを行うことで、解決を試みている。つまり、マグ溶接により溶接時のメッキ層内部からの亜鉛の昇華を抑制して、発生するコンタミ量を低減させるとともにブローホールの発生を抑制している。
特開2004−82919号公報
ところで、燃料タンクの溶接部のうち、箱状の各辺の溶接については隅肉溶接となるため、溶接後に鋼板内部に残留する拘束応力が比較的小さく、燃料タンクの製品品質に与える影響も殆ど無視できる程度である。しかし、円周溶接を行うドレンボスやサクションボス等の環状部材の場合、環状に溶接されたその内部側には応力の逃げ場がないため、残留する拘束応力が大きく、溶接部周辺に微細なクラックを発生しやすい。特に、メッキ鋼板を用いた場合には、図7に示すように、溶接時の熱によってメッキ成分が鋼板層に溶け出し、鋼板層の表面を侵食するように食い込むおそれがあり、鋼板層において微細なクラックを誘発しやすく、製品品質上好ましくない。つまり、一般的な溶接時には、アーク熱によりメッキ成分及び鋼板がその融点を大きく超えた温度(3000°C程度)となるため、メッキ成分が鋼板層を形成する鉄粒子の内部に入り込んだような状態となる。
このような課題に対し、従来の技術では、ドレンボスやサクションボスを取り付ける燃料タンクの外面の一部分をグラインダ処理してメッキ層を剥離させ、鋼板層に対して直接ドレンボス,サクションボスを溶接固定することで対応している。つまり、拘束応力の大きい溶接部分に関しては、メッキ層を取り除いた後に溶接を行っている。
しかし、上記のような従来の方法では、メッキ鋼板を用いない場合の燃料タンク組み立て工程と比較すると、グラインダ処理工程の分だけ工数が増加し、生産性がやや低下することになる。特に、ドレンボスやサクションボスといった円周溶接は、燃料タンクの溶接工程のうちのごく一部分であり、グラインダ処理を行うべき面積も僅かであるため、現状では作業員がグラインダ装置を使って手作業でメッキ層を剥離させる工程が組まれており、良好な生産効率が得られない。また、手作業であるが故に品質維持が困難であるという課題もある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、簡素な構成でメッキ鋼板の加工工程における生産性及び施工品質をともに向上させることができるようにした、レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項1)は、レーザー光を出射するレーザー発振器,該レーザー発振器から出射された該レーザー光を反射するミラー,該ミラーで反射された該レーザー光を集光するレンズ,及び該レンズによって集光される該レーザー光の焦点位置を制御する焦点移動装置を有するレーザー加工機と、該レーザー加工機による加工対象物として鋼板表面にメッキ加工を施したメッキ鋼板と、を用意し、該焦点移動装置により、該レーザー発振器から出射された該レーザー光の該焦点位置を該鋼板表面よりも該レンズ方向へずらして照射することで、該鋼板表面上における単位面積あたりの該レーザー光の出力強度を調整して、該鋼板表面のメッキ層を溶融させることを特徴としている。
また、加工ヘッドと該加工ヘッドへアシストガスを供給するアシストガス供給装置と該加工ヘッドの先端に設けられたノズルとを有する該レーザー加工機を用意し、該焦点移動装置により該レーザー光の出力強度を調整して、該鋼板表面のメッキ層を溶融させた後に、該ノズルから該加工対象物の表面へ該アシストガスを噴射して、溶融された該メッキ層を剥離させることが好ましい(請求項2)。
また、該ノズルから該加工対象物の表面へ噴射する該アシストガスとして、窒素ガスを用いることが好ましい(請求項3)。
また、該レーザー発振器から出射される該レーザー光のパルス及びデューティー比の少なくとも何れか一方を制御して、該レーザー光の単位時間あたりの出力強度を調整することが好ましい(請求項4)。
なお、上述の該レーザー光の出力調整に関し、該メッキ鋼板の表面温度が該メッキ層の溶融温度よりも大きく且つ該鋼板の溶融温度よりも小さくなるように、該レーザー光の出力、すなわち、単位時間あたりの出力又は単位面積あたりの出力を制御することが好ましい。
また、該メッキ鋼板として、作業機械の燃料タンクを構成するボトムシートを用意し、該レーザー加工機により該ボトムシートの外形を切断する工程内において、該レーザー加工機を用いて該ボトムシート表面に円周溶接されるボス部周辺のメッキ層を剥離させることが好ましい(請求項5)。
また、該レーザー加工機により該ボトムシートの外形を切断する工程の後に、該レーザー加工機により該ボトムシート表面に円周溶接されるボス部周辺のメッキ層を剥離させる工程を実施することが好ましい(請求項6)。
また、該レーザー加工機により、該ボス部周辺のメッキ層を剥離させる工程内において、該ボトムシートに取り付けられる部材の仮付け位置のけがきを行うことが好ましい(請求項7)。
また、本発明の加工メッキ鋼板(請求項8)は、レーザー光を出射するレーザー発振器,該レーザー発振器から出射された該レーザー光を反射するミラー,該ミラーで反射された該レーザー光を集光するレンズ,及び該レンズによって集光される該レーザー光の焦点位置を制御する焦点移動装置を有するレーザー加工機による加工対象物としてのメッキ鋼板であって、主に鋼からなる鋼板層と、メッキ処理により該鋼板層の表面に形成されたメッキ層と、該焦点移動装置を用いて、該レーザー発振器から出射された該レーザー光の該焦点位置が該メッキ鋼板の表面よりも該レンズ方向へずらして照射され、該メッキ鋼板の表面のメッキ層が部分的に溶融されて剥離された剥離部とを備えたことを特徴としている。
また、本発明の作業機械の防錆燃料タンク(請求項9)は、主に鋼からなる鋼板層とメッキ処理により該鋼板層の表面に形成されたメッキ層とを有するメッキ鋼板を用いて製造されるとともに、その製造過程においてレーザー加工機により該メッキ鋼板が切断加工されてなる作業機械の防錆燃料タンクであって、該レーザー加工機から出射されるレーザー光により該メッキ鋼板の表面へ与えられるエネルギーを該切断加工時よりも減少させる加工操作によって、該メッキ層を部分的に剥離された剥離面と、該剥離面において該鋼板層に対して当接し固着される固設部材とを備えたことを特徴としている。
また、本発明の作業機械の防錆燃料タンク(請求項10)は、主に鋼からなる鋼板層とメッキ処理により該鋼板層の表面に形成されたメッキ層とを有するメッキ鋼板を用いて製造される作業機械の防錆燃料タンクであって、請求項1記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法を用いて該メッキ層を部分的に剥離された剥離面と、該剥離面において該鋼板層に対して当接し固着される固設部材とを備えたことを特徴としている。
また、本発明のレーザー加工機(請求項11)は、レーザー光を出射するレーザー発振器と、該レーザー発振器から出射された該レーザー光を反射するミラーと、該ミラーで反射された該レーザー光を集光するレンズと、該レンズによって集光される該レーザー光の焦点位置を制御する焦点移動装置と、を備えたレーザー加工機であって、該焦点移動装置は、該レーザー発振器から出射された該レーザー光の該焦点位置を、加工対象物としてのメッキ鋼板の表面よりも該レンズ方向へずらして照射することで、該メッキ鋼板の表面のメッキ層を溶融することを特徴としている。
本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項1)によれば、レーザー光の焦点をぼかすことで加工対象物表面に対するレーザーの照射面積を大きくすることができ、単位面積あたりに加工対象物表面へ与えられるエネルギーを小さくできる。与えられたエネルギーは加工対象物表面上で熱に変換されるが、メッキ層の下地である鋼板層はメッキ層と比較して融点が高いため溶けずに残り、メッキ層だけを溶かすことができる。したがって、溶融したメッキ層を取り除くことで簡単にメッキ層だけを剥離させることができる。このように、従来の溶接・切断用のレーザー加工機を用いているにもかかわらず、加工対象物を切断することなく、表層のみの加熱により、メッキ層を剥離させることが可能となる。
また、デフォーカスを大きくすることでレーザー光の照射範囲が大きくなるため、一度に加工できる面積が大きくなり、作業能率を高めることができる。
また、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項2)によれば、メッキ層だけが溶けた状態でアシストガスを吹き付けることによって、簡単に溶融したメッキ層だけを剥離させることができる。ノズル付きの一般的な溶接・切断用のレーザー加工機を用いて、メッキ層を容易に剥離させることが可能となる。
また、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項3)によれば、加工対象物表面における酸化皮膜の発生を防止しながらメッキ層を剥離させることができる。
また、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項4)によれば、レーザー光の出力強度調整により単位時間に与えられるエネルギー量を制御でき、鋼板を溶融することなくメッキ層のみを溶融して剥離させることが容易となる。
また、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項5)によれば、レーザー加工機の加工プログラム設定により、メッキ鋼板の切断作業及びメッキ層の剥離作業をまとめて連続的に実施でき、加工工程を短縮できる。
また、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項6)によれば、切断した外形を基準として、メッキ層を剥離する位置を正確に定めることができる。
また、本発明のレーザー光によるメッキ層剥離方法(請求項7)によれば、レーザー加工機の加工プログラム設定により、メッキ層の剥離作業とけがき作業とを同工程でまとめて連続的に実施でき、より加工工程を短縮できる。
また、本発明の加工メッキ鋼板(請求項8)によれば、円周溶接を行う部位に、表層のメッキ層が剥離された部位(剥離部)を利用することができ、溶接熱によるメッキ層の鋼板層への侵食を防止でき、鋼板層における微細なクラックの発生を防止できる。また、手作業ではなくレーザー加工機を用いてメッキ層が溶融,剥離されるため、生産効率を向上させることができ、また、施工品質の維持が容易である。
また、本発明の作業機械の防錆燃料タンク(請求項9,10)によれば、剥離面はエネルギーの低いレーザー光の照射によってメッキ層が剥離された部位であるため、その下層の鋼板層に何ら影響を与えることなくメッキ成分のみを取り除くことができる。これにより、固設部材の固着時におけるメッキ成分の混入を防止でき、固着強度を向上させることができる。また、レーザー加工機を用いて製造されるため、生産効率を向上させることができ、また、施工品質の維持が容易である。
また、本発明のレーザー加工機(請求項11)によれば、従来のレーザー加工機を利用して、メッキ鋼板のメッキ層のみを容易に取り除くことができる。
以下、図面により、本発明の実施形態について説明する。
図1〜図5は、本発明の一実施形態としての作業機械の防錆燃料タンクを示すものであり、図1は本タンクを下方から見上げた斜視図、図2は本タンクの分解図、図3は本タンクの組立前におけるボトムシートの斜視図、図4は本タンクの加工に用いるレーザー加工機の模式的断面図、図5は本タンクの組立工程を示すフローチャート、図6は本タンクの剥離面の断面を示す模式図である。
[構成・燃料タンク]
本防錆燃料タンクは、エンジンの動力で作動する作業機械に搭載されて、内部に燃料を貯留するための燃料タンクである。図1に示すように、この防錆燃料タンク14(以下、単に燃料タンクと呼ぶ)は、ボトムシート1と上面シート13とから構成され、これらを組み合わせた箱体として形成される。ボトムシート1及び上面シート13は各々、図2に示すように、鋼板から略矩形に切り出されたプレートをコの字型に折り曲げた形状となっており、互いに噛み合うように縁端を当接させ合った状態で溶接固定される。これにより、上面シート13は燃料タンク14の側面二面及び上面を形成し、ボトムシート1は燃料タンク14の残りの側面二面及び下面を形成する。
上面シート13は、酸洗鋼板(酸洗処理した後、オイルを塗布した鋼板)で形成され、一方、ボトムシート1は、亜鉛メッキ鋼板(例えば、特開2004−82919号公報で示される鋼板等)で形成される。亜鉛メッキ鋼板とは、一般的な鋼板の表層に亜鉛系メッキ処理が施されたものである。なお、本実施形態では、鋼板層3の両表面に亜鉛−マグネシウム−アルミニウム系のメッキ層2が形成されており、鋼板層3の厚みはおよそ5mm程度、メッキ層2の厚みはおよそ5ミクロン程度である。
また、ボトムシート1にはドレンボス4a,サクションボス4b及びサポート部材5aが取り付けられる。ドレンボス4aとは、燃料タンク14の底面に接続されるドレン管の接続口を補強するためのボス部材である。なお、このドレン管は、燃料タンク14内の水抜きや燃料の排出のための管である。同様に、サクションボス4bとは、燃料タンク14の底面に接続されるサクションパイプの接続口を補強するためのボス部材である。燃料タンク14内に貯留された燃料は、このサクションパイプを通って燃料ポンプに吸い上げられ、エンジンへ供給される。また、サポート部材5aとは、燃料タンク14を作業機械に対して固定するための補助金物である。
次に、燃料タンク14組立前におけるボトムシート1の展開図を図3に示す。なおここでは、鋼板層3及びメッキ層2の積層状態を示すべく、ボトムシート1が厚み方向へ大きくデフォルメされている。ボトムシート1には、メッキ層2を部分的に剥離された剥離面4(剥離部)が形成されるとともに、サポート部材5aの仮付位置を示すけがき線5が彫り込まれている。
剥離面4は、ボトムシート1に穿孔されて燃料(や貯まり水)の排出口をなす穴の周囲に、ドレンボス4a及びサクションボス4bの外径よりもやや大きい円筒状の凹みとしてそれぞれ形成されている。この剥離面4の窪んだ深さは、およそ5ミクロン程度、すなわち、メッキ層2の厚みと略同じ寸法となっている。剥離面4は、後述する方法によってメッキ層2の亜鉛メッキを円形に剥離した部位である。
また、けがき線5は、メッキ層2の表層の一部を削り取ったような溝として形成されており、その深さは剥離面ほど深くはなく、ここでは2〜5ミクロン程度となっている。
[構成・レーザー加工機]
次に、剥離面4を形成するためのレーザー加工機10について説明する。
図4に示すように、このレーザー加工機10は、レーザー発振器6,ミラー15,加工ヘッド12,焦点移動装置8,及びアシストガス供給装置9を備えて構成される。
レーザー発振器6は、パルスレーザーを出射する装置である。レーザー発振器6から出射されたレーザー光11は、ミラー15で反射されて加工ヘッド12の一端へ導かれるようになっている。
レーザー光11が導かれる一端の反対側の他端(すなわち、加工ヘッド12の先端)には、レーザー光11及び後述するアシストガスの吹き出し口としてノズル16が形成される。また、加工ヘッド12の内部にはレンズ7が設けられる。レンズ7は、ミラー15で反射されて加工ヘッド12内へ導入されたレーザー光11を集光するための凸レンズである。
レンズ7によって集光されたレーザー光11は、ノズル16から加工対象物の表面へ出射されて加工対象物に熱エネルギーを与えるように作用する。例えば、加工対象物が金属の場合には、レーザー光11によって金属表面を溶融させることができるようになっている。
アシストガス供給装置9は、加工ヘッド12へアシストガスを供給する装置である。供給されたアシストガスは、図4に示すように、加工ヘッド12におけるレンズ7よりも先端側の気流通路9aを流通して、ノズル16の先端部16aから加工対象物の表面に対して噴射されるようになっている。
なお、アシストガスとは、レーザー光11の出射によって熱せられた加工対象物から飛散する溶融物を吹き飛ばすための気体であり、例えば、本レーザー加工機10を用いて金属等を切断する場合には、アシストガス供給装置9から酸素や窒素ガスが供給されるとともに、ノズル16の先端部16aから高速で吹き付けられ、溶融した金属を吹き飛ばすことで切断できるようになっている。また、溶接を行う場合には、アシストガス供給装置9からヘリウムやアルゴン等の不活性ガスや窒素ガスが供給されるとともに、ノズル16の先端部16aから緩やかに吹き付けられて、加工対象物の表面を溶かしながら接合できるようになっている。
図4に示すように、レンズ7に対し略直進してきたレーザー光11は、レンズ7を通過する際に所定の屈折率で屈折し、その先で焦点Aに向かって集光される。なお、焦点Aの位置、すなわち、加工対象物であるボトムシート1の表面から焦点Aまでの距離dは、焦点移動装置8によってレンズ7の位置が調節されて、任意に設定できるようになっている。本実施形態ではこの距離dをデフォーカス(焦点のぼけ量)と呼び、デフォーカスの大きさを任意に設定できるようになっている。また、焦点移動装置8とは、レンズ7の位置を図4中上下方向へ移動させるモータである。
デフォーカスが0の場合、加工対象物の表面でレーザー光11が焦点を結ぶため、レーザー光11の出力強度に応じて加工対象物の表面温度が著しく上昇することになる。つまり、加工対象物表面において、単位面積あたりに与えられるエネルギーが大きくなってその表面が熱せられ、例えば、金属が加工対象物である場合、表面温度が融点を超えると溶融する。
また、デフォーカスが大きくなるに連れて、加工対象物表面における単位面積あたりに与えられるエネルギーが小さくなり、レーザー光11の出力強度に対する表面温度の上昇が抑えられる。つまり、デフォーカス量が増加するほど、レーザー光11の焦点位置Aが加工対象物の表面からレンズ7方向へずれて離隔することになり、例えば図4に示すように、加工対象物表面におけるレーザー光11の照射面積が大きくなる。したがって、レーザー光11によって与えられるエネルギーが広範囲に分散して表面温度の上昇が抑制されるのである。
本レーザー加工機10では、亜鉛メッキ鋼板を加工対象物として用いる場合に、デフォーカスを所定の大きさに設定することで鋼板表面を熱して、メッキ層2の融点以上、且つ、鋼板層3の融点未満に制御できるようになっている。具体的には、鋼板層3(すなわち、鉄)の融点が略1500°Cであるのに対し、メッキ層2の融点は略600°C前後であるため、表面温度が略600°C以上、且つ、略1500°C未満となるように、レーザー光11の出力を制御するようになっている。
また、本レーザー加工機10では、メッキ層2の溶融制御にかかるレーザー光11の照射条件として、以下の表1に示すような三通りの制御態様が予め設定されている。
Figure 2007039716
表1において、パルスとはパルスレーザーの出力周波数、デューティー比とは1パルスあたりのオン・オフ比率、加工速度とは加工対象物上におけるレーザー光11の照射位置の移動速度(加工対象物を移動させることでレーザー光11の照射位置を動かす場合には、レーザー光11の照射位置に対する加工対象物の相対速度)である。
レーザー光11によって加工対象物表面へ与えられるエネルギー量について、例えば、レーザー光11の出力強度を変えずに単位面積あたりのエネルギー量を調節する場合には、デフォーカスを変更すればよく、また、レーザー光11の出力強度自体を変更したい場合には、パルス,デューティー比及び加工速度を変更して、単位時間あたりの出力強度を変更すればよい。
なお、表1に記載された制御態様1〜3は、ともに出力,パルス,デューティー比,加工速度,及びアシストガスの種類が同一であり、表1に示すように、デフォーカスの大きさのみが異なっている。
メッキ層2は亜鉛及び他成分(例えば、マグネシウムやアルミニウム等)を含む合金であり、成分構成の含有率によって融点が変化するが、一般的な亜鉛メッキ鋼板におけるメッキ層2の融点は、おおよそ600°C前後である。以下の表2に、メッキ鋼板に含有される主な金属のおおよその融点及び沸点を示す。
Figure 2007039716
[作用・メッキ層の剥離工程]
上述のレーザー加工機10を用いて、図5に示す手順により、ボトムシート1の剥離面4が形成される。なお、このフローチャートは、ボトムシート1の加工工程のみを示す。
まず、レーザー加工機10の加工対象物として、鋼板表面に亜鉛メッキ加工を施した亜鉛メッキ鋼板が用意される。ステップA10の工程では、レーザー加工機10の焦点移動装置8において、デフォーカスが0に設定されるとともに、アシストガス供給装置9からは高圧の窒素ガスがアシストガスとして供給される。デフォーカスが0となっているため、レーザー光11によって鋼板表面へ与えられるエネルギーが大きくなり、温度が1500°Cを超えて、メッキ層2及び鋼板層3がともに溶融する。また、溶融したメッキ層2及び鋼板層3は、ノズル16の先端部16aから高速で吹き付けられる窒素ガスによって吹き飛ばされる。
これにより、ボトムシート1の外形が亜鉛メッキ鋼板から図3に示すような略矩形形状に切断される。なおこのとき、アシストガスとして窒素ガスが用いられるため、切断面における酸化皮膜の形成が抑制される。
続くステップA20では、レーザー加工機10の焦点移動装置8において、前述の表1に示すような制御態様のいずれかが選択されて、デフォーカスが前ステップよりも大きく設定される。また、ノズル16の先端部16aからは、引き続き窒素ガスがアシストガスとして高速で吹き付けられる。デフォーカスの設定により、このステップではレーザー光11の焦点が大きくぼけることになる。つまり、ボトムシート1の表面におけるレーザー光の照射面積が大きくなり、レーザー光11によってボトムシート1表面へ与えられるエネルギーが小さくなる。
ここで、本レーザー加工機10における表1に記載された制御態様では、ボトムシート1の表面温度がメッキ層2の融点以上、且つ、鋼板層3の融点未満となるように、レーザー光11の出力が設定されているため、メッキ層2は溶融するものの、鋼板層3は溶融しないことになる。このため、ノズル16の先端部16aから吹き付けられる窒素ガスによって、メッキ層2のみが吹き飛ばされ、鋼板層3を侵食することなく、鋼板層3はそのまま残存する。このように、本ステップA20では、メッキ鋼板の表面からメッキ層2のみが部分的に剥離する。なお、このステップでは、ボトムシート1がレーザーの照射位置に対して適宜動かされて、ドレンボス4a及びサクションボス4bに対応する位置に、各ボスの外形よりもやや大きい円筒状の凹みとして剥離面4が形成される。
つまりこのステップA20において、図6に示すように、剥離されたメッキ層2の厚み分の窪みとして、ボトムシート1の剥離面4が形成されることになる。また、剥離面4の底面には、残存した鋼板層3が露出する。
さらに続くステップA30では、レーザー加工機10の焦点移動装置8において再びデフォーカスが0に設定されるとともに、レーザー光11の出力強度自体が弱められる。また、アシストガス供給装置9から高圧の窒素ガスがアシストガスとして供給され、ノズル16の先端部16aから高速で吹き付けられる。このステップでは、ボトムシート1の表面におけるレーザー光11の照射面積は小さくなるが、レーザー光11の出力強度も小さくなるため、ボトムシート1表面の温度上昇が抑えられる。このため、レーザー光11を照射された部分のメッキ層2全てが溶融するまでには至らず、ごく狭い範囲の表層部分のみが溶融することになる。したがって、ノズル16の先端部16aから吹き付けられる窒素ガスにより、メッキ層2の表層(2〜5ミクロン程度)が吹き飛ばされて、細線状に削り取ったような溝(けがき溝)が形成される。
つまり、このステップA30において、削り取られた深さの溝として、ボトムシート1のけがき線5が形成され、加工工程が完了する。なお、このステップにおいても、ボトムシート1がレーザーの照射位置に対して適宜動かされて、サポート部材5aの取り付け位置に対応する位置にけがき線5が描かれる。
[作用・ボトムシートの形成]
上記のような工程を経て、ボトムシート1が鋼板から切り出されるとともに、メッキ層2が部分的に剥離されて剥離面4及びけがき線5が形成される。
一方、別工程で用意されたドレンボス4a,サクションボス4bが、ボトムシート1の剥離面4の底面に当接した状態で円周溶接により固着される。剥離面4の底面には鋼板層3が露出しており、剥離面4の外径はドレンボス4a及びサクションボス4bの外径よりもやや大きい円筒状の凹みとしてそれぞれ形成されているため、これらのボス4a,4bの周囲を溶接する際に、溶接部位にメッキ層2が含まれないことになる。これにより、溶接時の熱によってメッキ層2のメッキ成分が鋼板層3側へ溶け出すことがなく、溶接部位における微細なクラックの発生が防止される。
また、従来の燃料タンク14の製造工程では、ドレンボス4aやサクションボス4bを取り付けるために、グラインダ処理によってメッキ層2を剥離させる必要があったが、本加工工程では、レーザー加工機10を用いたボトムシート1の切断工程に引き続き、自動的にメッキ層2が剥離されて剥離面4が形成される工程へ進むため、加工工程が短縮されるとともに、生産効率が向上する。
[効果]
このように、本実施形態にかかるメッキ層剥離方法によれば、レーザー加工機10のデフォーカスを大きくすることによって、単位時間,単位面積あたりにメッキ鋼板表面に与えられるエネルギーを小さくできる。また、下地となる鋼板層3はメッキ層2よりも融点が高いため、メッキ層2だけを溶かすことができる。
また、デフォーカスを大きくすることによって、レーザー光11の出力強度に対する照射面積を大きくすることができる。つまり、レーザー光11の照射面における単位面積あたりの温度上昇量を一定とした場合、レーザー光11の出力強度自体を制御する方法と比較して、一度に温度上昇させることのできる面積が大きくなるため、作業能率を高めることができる。
また、例えばレーザー加工機10の機械的な制約によってデフォーカスをあまり大きくできないような場合であっても、レーザー光11のパルス及びデューティー比を制御することにより、レーザー光11から与えられるエネルギー量を容易にコントロールできる。
逆に、レーザー発振器6の機械的な制約によってレーザー光11の出力強度をあまり小さくできないような場合であっても、デフォーカスを制御することにより、レーザー光11から与えられるエネルギー量を容易にコントロールできる。このように、作業内容や作業環境に応じて、最適な制御方法を選択することができる。
さらに、窒素ガスの噴射によって、溶かされたメッキ層2を吹き飛ばして剥離させることができる。このように、ノズル付きの一般的な溶接・切断用のレーザー加工機10を用いて、メッキ鋼板のメッキ層2を剥離させることが可能となる。また、メッキ層2の剥離工程において、アシストガスとして窒素ガスが用いられるため、酸化皮膜の形成を抑えながら剥離面4を形成できるという利点もある。
また、図5に示すフローチャートにおいて、外形切断,剥離面4形成,及びけがき線5形成の各作業がまとめて連続的に実施されるようになっているため、加工工程の時間短縮を図ることができる。なお、ステップA10においてボトムシート1の外形を切断した後に、ステップA20,及びステップA30のフローが実施されるようになっているため、外形を基準として剥離面4,けがき線5の位置を設定することもできる。つまり、外形切断に係る施工誤差を吸収しうる工程順序となっており、施工品質をより高めることができる。
また、本実施形態にかかるメッキ鋼板を用いた燃料タンク14によれば、円周溶接を行うドレンボス4a,サクションボス4bの取り付け部として、表層のメッキ層2が剥離された剥離面4を利用することができ、溶接熱によるメッキ層2の鋼板層3への侵食を防止でき、鋼板層3における微細なクラックの発生を防止できる。これにより、円周溶接部の施工品質を向上させることができる。
また、本実施形態にかかるレーザー加工機10によれば、従来の溶接・切断用のレーザー加工機を用いた新たな制御方法を用いて、メッキ鋼板のメッキ層2のみを容易に取り除くことができる。また、レーザー加工機10を使って、メッキ鋼板の切断工程からけがき工程へ至る一連の作業をまとめてこなすことができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、レーザー加工機10がノズル16を備えた構成となっているが、これは必須の構成要素ではない。つまり、レーザー光11の照射によって溶融したメッキ層2を取り除くことができればよく、例えば、アシストガスを噴射する専用のノズルを別途設けて、溶融したメッキ層2を剥離面4の外部へ流し出すような構成としてもよいし、又は、溶融したメッキ層2を吸引する装置を備えてもよい。
また、上述の実施形態では、アシストガス供給装置9から供給されるアシストガスとして窒素ガスが用いられているが、前述の酸素やヘリウム,アルゴン等を用いてもよい。また、ノズル16から噴出されるガスの流速については、メッキ層2の溶融状態に応じて、高速に吹き付けたり、低速で緩やかに吹き付けたりしてもよい。
また、上述の実施形態では、レーザー光11のパルス及びデューティー比を制御することによって、レーザー光11から与えられるエネルギー量をコントロールしているが、レーザー光11の出力制御方法はこれに限定されず、前記表1の加工条件以外の方法であってもよい。
なお、上述の実施形態では、作業機械の燃料タンクの材料としてのメッキ鋼板の加工工程におけるメッキ層の剥離方法が示されているが、メッキ層の剥離方法自体は、燃料タンクだけでなく、メッキ鋼板を用いたあらゆる部品の加工工程に適用可能である。
また、この方法の適用対象としてのメッキ鋼板とは、鋼板の表層に亜鉛系メッキ処理が施されたもの一般を含み、例えば、亜鉛−マグネシウム−アルミニウム系のメッキ層が形成された鋼板だけでなく、亜鉛のみのメッキ鋼板や、その他の金属合金メッキ鋼板等も含まれる。鋼板層3の融点に対してメッキ層2の融点が低いものであれば、本発明にかかるメッキ層剥離方法を利用することが可能である。
本発明の一実施形態としての作業機械の防錆燃料タンクを下方から見上げた斜視図である。 図1のタンクの分解斜視図である。 図1のタンクの組立前におけるボトムシートの斜視図である。 図1のタンクの加工に用いるレーザー加工機の模式的断面図である。 図1のタンクの組立工程を示すフローチャートである。 図1のタンクの剥離面の断面を示す模式図である。 メッキ鋼板溶接時における、メッキ層の鋼板層への侵食状態を説明する模式図である。
符号の説明
1 ボトムシート
2 メッキ層
3 鋼板層
4 剥離面(剥離部)
4a ドレンボス
4b サクションボス
5 けがき線
5a サポート部材
6 レーザー発振器
7 レンズ
8 焦点移動装置
9 アシストガス供給装置
9a 気流通路
10 レーザー加工機
11 レーザー光
12 加工ヘッド
13 上面シート
14 燃料タンク
15 ミラー
16 ノズル
16a 先端部
A 焦点

Claims (11)

  1. レーザー光を出射するレーザー発振器,該レーザー発振器から出射された該レーザー光を反射するミラー,該ミラーで反射された該レーザー光を集光するレンズ,及び該レンズによって集光される該レーザー光の焦点位置を制御する焦点移動装置を有するレーザー加工機と、該レーザー加工機による加工対象物として鋼板表面にメッキ加工を施したメッキ鋼板と、を用意し、
    該焦点移動装置により、該レーザー発振器から出射された該レーザー光の該焦点位置を該鋼板表面よりも該レンズ方向へずらして照射することで、該鋼板表面上における単位面積あたりの該レーザー光の出力強度を調整して、該鋼板表面のメッキ層を溶融させる
    ことを特徴とする、レーザー光によるメッキ層剥離方法。
  2. 加工ヘッドと該加工ヘッドへアシストガスを供給するアシストガス供給装置と該加工ヘッドの先端に設けられたノズルとを有する該レーザー加工機を用意し、
    該焦点移動装置により該レーザー光の出力強度を調整して、該鋼板表面のメッキ層を溶融させた後に、
    該ノズルから該加工対象物の表面へ該アシストガスを噴射して、溶融された該メッキ層を剥離させる
    ことを特徴とする、請求項1記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法。
  3. 該ノズルから該加工対象物の表面へ噴射する該アシストガスとして、窒素ガスを用いる
    ことを特徴とする、請求項2記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法。
  4. 該レーザー発振器から出射される該レーザー光のパルス及びデューティー比の少なくとも何れか一方を制御して、該レーザー光の単位時間あたりの出力強度を調整する
    ことを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法。
  5. 該メッキ鋼板として、作業機械の燃料タンクを構成するボトムシートを用意し、
    該レーザー加工機により該ボトムシートの外形を切断する工程内において、該レーザー加工機を用いて該ボトムシート表面に円周溶接されるボス部周辺のメッキ層を剥離させる
    ことを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法。
  6. 該レーザー加工機により該ボトムシートの外形を切断する工程の後に、該レーザー加工機により該ボトムシート表面に円周溶接されるボス部周辺のメッキ層を剥離させる工程を実施する
    ことを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法。
  7. 該レーザー加工機により、該ボス部周辺のメッキ層を剥離させる工程内において、該ボトムシートに取り付けられる部材の仮付け位置のけがきを行う
    ことを特徴とする、請求項1〜6の何れか1項に記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法。
  8. レーザー光を出射するレーザー発振器,該レーザー発振器から出射された該レーザー光を反射するミラー,該ミラーで反射された該レーザー光を集光するレンズ,及び該レンズによって集光される該レーザー光の焦点位置を制御する焦点移動装置を有するレーザー加工機による加工対象物としてのメッキ鋼板であって、
    主に鋼からなる鋼板層と、
    メッキ処理により該鋼板層の表面に形成されたメッキ層と、
    該焦点移動装置を用いて、該レーザー発振器から出射された該レーザー光の該焦点位置が該メッキ鋼板の表面よりも該レンズ方向へずらして照射され、該メッキ鋼板の表面のメッキ層が部分的に溶融されて剥離された剥離部と
    を備えたことを特徴とする、加工メッキ鋼板。
  9. 主に鋼からなる鋼板層とメッキ処理により該鋼板層の表面に形成されたメッキ層とを有するメッキ鋼板を用いて製造されるとともに、その製造過程においてレーザー加工機により該メッキ鋼板が切断加工されてなる作業機械の防錆燃料タンクであって、
    該レーザー加工機から出射されるレーザー光により該メッキ鋼板の表面へ与えられるエネルギーを該切断加工時よりも減少させる加工操作によって、該メッキ層を部分的に剥離された剥離面と、
    該剥離面において該鋼板層に対して当接し固着される固設部材と
    を備えたことを特徴とする、作業機械の防錆燃料タンク。
  10. 主に鋼からなる鋼板層とメッキ処理により該鋼板層の表面に形成されたメッキ層とを有するメッキ鋼板を用いて製造される作業機械の防錆燃料タンクであって、
    請求項1記載のレーザー光によるメッキ層剥離方法を用いて該メッキ層を部分的に剥離された剥離面と、
    該剥離面において該鋼板層に対して当接し固着される固設部材と
    を備えたことを特徴とする、作業機械の防錆燃料タンク。
  11. レーザー光を出射するレーザー発振器と、該レーザー発振器から出射された該レーザー光を反射するミラーと、該ミラーで反射された該レーザー光を集光するレンズと、該レンズによって集光される該レーザー光の焦点位置を制御する焦点移動装置と、を備えたレーザー加工機であって、
    該焦点移動装置は、該レーザー発振器から出射された該レーザー光の該焦点位置を、加工対象物としてのメッキ鋼板の表面よりも該レンズ方向へずらして照射することで、該メッキ鋼板の表面のメッキ層を溶融する
    ことを特徴とする、レーザー加工機。
JP2005222778A 2005-08-01 2005-08-01 レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機 Pending JP2007039716A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005222778A JP2007039716A (ja) 2005-08-01 2005-08-01 レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005222778A JP2007039716A (ja) 2005-08-01 2005-08-01 レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2007039716A true JP2007039716A (ja) 2007-02-15

Family

ID=37797983

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005222778A Pending JP2007039716A (ja) 2005-08-01 2005-08-01 レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2007039716A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010201479A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd レーザ光加工装置及びレーザ光加工方法
JP2011027303A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
JP2012182448A (ja) * 2007-06-29 2012-09-20 Tap Development Ltd Liability Co 基板上の堆積層を硬化させるシステム及び方法
CN103042308A (zh) * 2011-10-13 2013-04-17 现代自动车株式会社 用于焊接的激光装置
JP2013140016A (ja) * 2013-04-22 2013-07-18 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
JP2014226723A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 株式会社是永商会 鋼管杭の製造方法
JP2014237141A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 日新製鋼株式会社 Zn系めっき鋼板のレーザー切断方法
JP2015085541A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 凸版印刷株式会社 グラビア印刷用シリンダのメッキ層の除去装置及び除去方法
JP2015094494A (ja) * 2013-11-11 2015-05-18 日本特殊陶業株式会社 グロープラグの製造方法
JP2017154148A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 ファナック株式会社 反射光を抑制しつつレーザ加工を開始できるレーザ加工装置
JP2018515751A (ja) * 2015-03-26 2018-06-14 デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー ドライブシャフトへのバランスウェイトのレーザ溶接
WO2022244649A1 (ja) * 2021-05-20 2022-11-24 株式会社アマダ レーザ加工機及びレーザ加工方法

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH097560A (ja) * 1995-06-16 1997-01-10 Furukawa Battery Co Ltd:The 密閉電池の封口溶接方法
JPH10225770A (ja) * 1997-02-14 1998-08-25 Sangyo Souzou Kenkyusho 溶接装置
JPH10249571A (ja) * 1997-03-07 1998-09-22 Fuji Xerox Co Ltd レーザー加工方法、レーザー加工装置、およびインクジェットヘッドの製造方法
JP2003251478A (ja) * 2002-03-05 2003-09-09 Konica Corp レーザ加工方法
JP2004082919A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 燃料タンク
JP2004226903A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Dainippon Printing Co Ltd 有機膜のレーザー加工方法
JP2005193268A (ja) * 2004-01-06 2005-07-21 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械におけるシートサポート用部材のマーキング方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH097560A (ja) * 1995-06-16 1997-01-10 Furukawa Battery Co Ltd:The 密閉電池の封口溶接方法
JPH10225770A (ja) * 1997-02-14 1998-08-25 Sangyo Souzou Kenkyusho 溶接装置
JPH10249571A (ja) * 1997-03-07 1998-09-22 Fuji Xerox Co Ltd レーザー加工方法、レーザー加工装置、およびインクジェットヘッドの製造方法
JP2003251478A (ja) * 2002-03-05 2003-09-09 Konica Corp レーザ加工方法
JP2004082919A (ja) * 2002-08-28 2004-03-18 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 燃料タンク
JP2004226903A (ja) * 2003-01-27 2004-08-12 Dainippon Printing Co Ltd 有機膜のレーザー加工方法
JP2005193268A (ja) * 2004-01-06 2005-07-21 Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd 建設機械におけるシートサポート用部材のマーキング方法

Cited By (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012182448A (ja) * 2007-06-29 2012-09-20 Tap Development Ltd Liability Co 基板上の堆積層を硬化させるシステム及び方法
JP2010201479A (ja) * 2009-03-05 2010-09-16 Mitsuboshi Diamond Industrial Co Ltd レーザ光加工装置及びレーザ光加工方法
JP2011027303A (ja) * 2009-07-23 2011-02-10 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
US9168610B2 (en) 2011-10-13 2015-10-27 Hyundai Motor Company Laser apparatus for welding
CN103042308A (zh) * 2011-10-13 2013-04-17 现代自动车株式会社 用于焊接的激光装置
US9592571B2 (en) 2011-10-13 2017-03-14 Hyundai Motor Company Laser apparatus for welding
JP2013140016A (ja) * 2013-04-22 2013-07-18 Ngk Spark Plug Co Ltd グロープラグの製造方法
JP2014226723A (ja) * 2013-05-27 2014-12-08 株式会社是永商会 鋼管杭の製造方法
JP2014237141A (ja) * 2013-06-06 2014-12-18 日新製鋼株式会社 Zn系めっき鋼板のレーザー切断方法
JP2015085541A (ja) * 2013-10-28 2015-05-07 凸版印刷株式会社 グラビア印刷用シリンダのメッキ層の除去装置及び除去方法
JP2015094494A (ja) * 2013-11-11 2015-05-18 日本特殊陶業株式会社 グロープラグの製造方法
JP2018515751A (ja) * 2015-03-26 2018-06-14 デーナ、オータモウティヴ、システィムズ、グループ、エルエルシー ドライブシャフトへのバランスウェイトのレーザ溶接
JP2017154148A (ja) * 2016-02-29 2017-09-07 ファナック株式会社 反射光を抑制しつつレーザ加工を開始できるレーザ加工装置
US10722975B2 (en) 2016-02-29 2020-07-28 Fanuc Corporation Laser processing device capable of starting laser processing while reducing reflected laser beam
WO2022244649A1 (ja) * 2021-05-20 2022-11-24 株式会社アマダ レーザ加工機及びレーザ加工方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2007039716A (ja) レーザー光によるメッキ層剥離方法、加工メッキ鋼板、作業機械の防錆燃料タンク及びレーザー加工機
CN109526213B (zh) 热切割加工产品和表面处理的钢板
JP3159593B2 (ja) レーザ加工方法及びその装置
US9289855B2 (en) Sheet metal piece having weld notch and method of forming the same
JP5276699B2 (ja) ピアシングを行うレーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP6480342B2 (ja) シート金属ピースに溶接ノッチを形成する方法
WO2017203862A1 (ja) レーザ溶接装置、およびレーザ溶接方法
US20180009060A1 (en) Laser welding of overlapping metal workpieces assisted by varying laser beam parameters
KR102534335B1 (ko) 기울어진 레이저 빔에 의한 코팅의 제거와 함께 프리 코팅된 금속 시트의 제조 방법 및 해당 금속 시트
JP2008126315A (ja) 改良された溶込みを伴うレーザ溶接方法
JP2014531324A (ja) 溶接前に塗膜付き材料をレーザクリーニングする装置及び方法
RU2547987C1 (ru) Способ лазерной сварки
JP4812172B2 (ja) レーザによるr面取り加工方法および同方法の実施に適したレーザ加工ヘッド
JP2007075878A (ja) レーザ加工方法
Ghany et al. Using a Nd: YAG laser and six axes robot to cut zinc-coated steel
JP5127495B2 (ja) レーザ加工方法及びレーザ加工機
WO2017200001A1 (ja) めっき鋼板のレーザ切断加工方法及びレーザ切断加工装置
JP2010214402A (ja) 金属板のレーザ溶接方法およびレーザ溶接装置
JP2006117994A (ja) 溶射前処理方法およびエンジンのシリンダブロック
Ostendorf et al. Laser material processing
Yang et al. SemiCuttingAssisted Laser Welding of ZincCoated Steels in a Zero Root Opening, LapJoint Configuration
JP5387644B2 (ja) レーザ加工方法
WO2024014292A1 (ja) ハイブリッド溶接方法
JPH09108872A (ja) メッキ鋼板のパルスレーザ溶接方法
Sutton Multi-Factor Monitoring During Laser and Hybrid Laser-arc Keyhole Welding of Steel Butt Joints

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070921

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20101021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20101026

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110308