JP2003251478A - レーザ加工方法 - Google Patents

レーザ加工方法

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JP2003251478A JP2002059132A JP2002059132A JP2003251478A JP 2003251478 A JP2003251478 A JP 2003251478A JP 2002059132 A JP2002059132 A JP 2002059132A JP 2002059132 A JP2002059132 A JP 2002059132A JP 2003251478 A JP2003251478 A JP 2003251478A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】部品交換を行うことなく、レーザ光の照射状態
を変えることで、加工部位に合わせて柔軟な処理を行え
るレーザ加工方法を提供する。 【解決手段】レーザ光源1に印加する電圧或いは電流を
増減させることで、レーザ光の強度を変更し、ヘッド1
20の前面120bの加工には、強度Cを適用し、上面
120aの加工には、強度Aを適用することで、所望の
除去幅を得ることができる。尚、これの代わりに或いは
これに加えて、fθレンズ4の光軸方向移動により、デ
フォーカス量を調整することで、加工幅の微調整や、加
工深さの調整などを行うこともできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザ加工方法に関
し、特にインクジェットプリンタ用ヘッドを製造する場
合に好適なレーザ加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インク滴を媒体に吐出して、字や画像を
形成できるインクジェットプリンタが知られている。か
かるインク滴は、圧電効果を利用してヘッドより所定の
タイミングで媒体に吐出される。ところで、インクジェ
ットプリンタを用いて画像等を形成する場合、媒体上に
吐出されたインク滴の組み合わせにより複雑な色表現や
エッジ表現などを行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、高画質な画
像を形成するには、ヘッドに形成されるインク滴の吐出
口を小さく、且つ微小な間隔で配置しなくてはならな
い。しかるに、そのような小さい構造に対して、配線ケ
ーブルや流路規制板(インクが不要な場所に入らないよ
う規制する板)等を取り付けるため、ヘッドの加工を慎
重に行う必要がある。ここで、従来技術においては、ヘ
ッドを駆動する電流を伝導させるために、ヘッドの表面
に導電性膜(例えば金属膜)を付着させた後、その表面
にレーザ光を照射して、不要な金属膜を除去し電極とし
て形成することが行われている。このようなレーザ光を
用いることで、細い幅で金属膜の除去が行え、極小なヘ
ッドの加工を精密に行うことができる。
【0004】しかるに、ヘッドに対して配線ケーブルと
してのフレキシブルプリント基板を接合する場合、導通
部(金属膜被覆部)と非導通部部(金属膜除去部)とを
幅1:1で形成すると、汎用のフレキシブルプリント基
板の接合時に、非接触状態(Open)もしくは隣接配
線部との接触状態(Short)が起こりにくく、歩留
まりを上げられるため、よりコストを下げることができ
る。又、流路規制板を取り付ける場合、十分な接着面積
を確保するために、その表面はより平滑にする必要があ
る。しかるに、レーザ光の照射径を小さなものとした場
合、幅広い範囲で金属膜を削除するには、レーザ光を何
度も往復走査しなければならず、加工効率が悪い。又、
流路規制板を取り付けるに当たっては、平滑面をなるべ
く確保すべく、金属膜を除去する幅を狭くしたいが、レ
ーザ光の照射径を小さくするには、マスクパターン、或
いはビームエキスパンダーや対物レンズなど光学素子を
置換し、且つそれらに合わせた光軸調整等が必要になる
ため、手間がかかるという問題があった。
【0005】本発明は、かかる従来技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、部品交換を行うことなく、レー
ザ光の照射状態を変えることで、加工部位に合わせて柔
軟な処理を行えるレーザ加工方法を提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の本発明にかかるレ
ーザ加工方法は、レーザ光源からのレーザ光を用いて加
工を行うレーザ加工方法において、被加工物に前記レー
ザ光源からのレーザ光を照射する際に、前記レーザ光の
強度を増減させることで、前記被加工物へのレーザ光の
照射状態を変更するので、加工部位に合わせて柔軟な処
理を行うことができる。
【0007】本発明を、図面を参照して具体的に説明す
る。図1は、レーザ光の強度分布の例を示す図である。
図1において縦軸は、レーザ光の強度(光軸を中心に略
ガウス分布になる)を示し、横軸はレーザ光の径を示し
ている。被加工物の一部を除去する加工として、レーザ
光を用いた加工方法が知られている。これは、レーザ光
のエネルギを利用して、照射部の素材を気化させて除去
する加工であり、本発明に適用できる。ここで、被加工
物である例えばメッキや蒸着により導電性膜(例えばN
i,Cu、Al等の金属膜)を形成したヘッドに、レー
ザ光を照射させた場合、レーザ光の強度が高ければ、金
属膜の深部まで除去することが可能であり、レーザ光の
照射径が大きければ、かかるレーザ光の一回の走査で、
広い幅にわたって金属膜を除去することができる。レー
ザ光の強度は、レーザ光源に入力される電圧等を変更す
ることで任意に変えることができる。図1では、4段階
に電圧を変えて得られたレーザ光の強度A〜Dを示して
いる。
【0008】図1において、例えば金属膜の除去にLv
という強度が必要とすると、強度Dでは加工できない
が、強度Cでは径W1で金属膜を除去でき、更に、強度
Aでは、径W1より大きい径W2で金属膜を除去でき
る。すなわち、金属膜を除去する幅を狭くしたい場合、
レーザ光を強度Cで走査することで、幅W1の金属膜除
去領域を形成でき、金属膜を除去する幅を広くしたい場
合、レーザ光を強度Aで走査することで、幅W2の金属
膜除去領域を形成できることとなる。かかる場合、光学
素子の交換や焦点調整等は不要であり、効率よい加工を
行うことができる。
【0009】すなわち、前記被加工物の加工とは、前記
被加工物の表面を削除することであり、前記レーザ光の
照射状態が変更されることにより、前記被加工物の表面
の除去幅及び除去深さの少なくとも一方が変更されると
好ましい。
【0010】更に、前記レーザ光を、前記被加工物に対
して走査することで、前記被加工物の表面を所定の長さ
にわたって削除すると好ましい。
【0011】又、前記被加工物は表面に導電性膜(例え
ば金属膜)が付着されており、前記レーザ光の照射によ
り、前記導電性膜を除去すると好ましい。
【0012】更に、前記被加工物は、インクジェットプ
リンタ用のヘッドであると好ましい。
【0013】第2の本発明のレーザ加工方法は、レーザ
光源からのレーザ光を用いて加工を行うレーザ加工方法
において、被加工物に前記レーザ光源からのレーザ光を
照射する際に、前記レーザ光の焦点位置を調整すること
で、前記被加工物へのレーザ光の照射状態を変更するの
で、加工部位に合わせて柔軟な処理を行うことができ
る。
【0014】本発明を、図面を参照して具体的に説明す
る。図2は、レーザ光のデフォーカス量と加工幅(a)
及び加工深さ(b)との関係を示す図である。図2にお
いて縦軸は、加工幅(a)及び加工深さ(b)であり、
横軸はレーザ光の出力を示している。図2より、被加工
物である、例えばメッキや蒸着により導電性膜(例えば
金属膜)を付着させたヘッドに、レーザ光を照射させた
場合、レーザ光のデフォーカス量が大きければ、付着さ
せた導電性膜を浅く広く除去することが可能であり、反
対に、レーザ光のデフォーカス量が小さいか合焦位置に
あれば、付着された導電性膜を狭く深く除去することが
できることがわかる。かかる場合、レーザ光の出力調整
や光学素子の交換は不要であり、焦点調整等のみで足り
るので、効率よい加工を行うことができる。尚、一般的
には、図2に示す通り、レーザ出力を増大(レーザ光の
強度を増大)させると、加工幅・加工深さも増大する。
【0015】すなわち、前記被加工物の加工とは、前記
被加工物の表面を削除することであり、前記レーザ光の
照射状態が変更されることにより、前記被加工物の表面
の除去幅及び除去深さの少なくとも一方が変更されると
好ましい。
【0016】更に、前記レーザ光を、前記被加工物に対
して走査することで、前記被加工物の表面を所定の長さ
にわたって削除すると好ましい。
【0017】又、前記被加工物は表面に導電性膜が付着
されており、前記レーザ光の照射により、前記導電性膜
を除去すると好ましい。
【0018】更に、前記被加工物は、インクジェットプ
リンタ用のヘッドであると好ましい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本実施の形
態にかかるレーザ加工方法を説明する前に、インクジェ
ットプリンタ用のヘッドの製造工程についてその概要を
説明する。図6は、インクジェットプリントヘッドの製
造工程のフローを示す図であり、図7は、インクジェッ
トプリントヘッドの製造工程概略図である。
【0020】[チャネルプレート作製(図7(a))]
分極処理した、厚さ0.9mmのPZTの板材101
と、厚さ0.155mmのPZTの板材102を、分極
方向を所定の方向に合わせて14〜20Kg/cm=の
荷重と90〜100℃の温度を掛けて、30〜40分接
着することにより、接着剤層が約2μmになるようにし
て、接着剤層を含む厚さ1.057mmのチャネルプレ
ート103を作製する。
【0021】このチャネルプレート103を作製するス
テップS101は、接着面にゴミ等が付着しないよう、
クリーンルームで作業し、また、接着ムラや気泡等が残
留しないよう細心の注意を払うことが重要である。
【0022】2枚のPZTの板材101、102を接着
するのは、剪断モードインクジェットプリントヘッドの
チャネルの側壁を2枚のPZTで形成することにより、
電圧を印加した際、側壁の変形を大きくするためであ
る。
【0023】[チャネルプレート溝加工(図7
(b))]ステップS102で、チャネルプレート10
3を研削して、インクチャネルとなる溝104を形成す
る。
【0024】この実施形態の場合、128個のノズルを
形成するために、ほば溝幅に等しいブレードBにより、
チャネルプレート103の厚さ0.155mmの板材1
02の側より、深さ0.31mm、溝幅0、07mm、
壁幅0.071mm、ピッチ0.141mmで合計26
3個の溝を、櫛歯状に加工する。
【0025】この実施形態の場合は、インクチャネルの
両側に空気チャネルを設けるので、257個の溝が必要
となり、その両側に各々4mmの保持部を備え、その保
持部に前記257個の溝に続けて予備の溝をそれそれぞ
れ3個設けているので合計263個の溝となる。
【0026】なお、両側のそれぞれ3個の溝は、ノズル
板を接着する時、過剰の接着剤がノズル域に入り込まな
いように設けた、グルーガードである。
【0027】[カバープレート作製工程(図7
(c))]ステップS103で、溝加工されたチャネル
プレート103と幅、長さが同寸法のPZTからなる板
材をカバープレート110として準備する。チャネルプ
レート製作に用いた厚板を共用して、脱分極して用い
る。
【0028】[チャネルプレートとカバープレート接着
(図7(d))]ステップS104で、溝加工されたチ
ャネルプレート103にカバープレート110を接着す
る。それぞれ同寸法であるため、位置がずれないように
治具等を使用して接着する。接着剤を加熱接着後に約2
μmになるように均一に塗布し、14〜20Kg/cm
、90〜100℃の温度で約30〜40分程度、加熱
接着する。
【0029】[ブロック加工(図7(e))]ステップ
S105で、接着されたチャネルプレート103とカバ
ープレート110をダイシング加工により、幅2mm、
長さ44.166mmの短冊状に数個に切断(170)
してヘッドチップ120にする。
【0030】[触媒吸着(図7(f))]ステップS1
06で、ヘッドチップ120に触媒を吸着させる。
【0031】[レーザ除去無電解メッキ(図7
(g))]ステップS107で施すこのレーザ除去無電
解メッキは、処理槽190のメッキ液中にチャネルプレ
ート103のブロック106を浸漬して行なわれ、触媒
の一部にレーザ光Dを照射して除去しながら、レーザ光
Dで除去されなかった触媒にメッキ処理して所望のメッ
キ膜を形成して所望の膜厚の電極を形成するものであ
る。無電解ニッケルメッキにより、所定膜厚のメッキが
析出したら、処理槽190から取り出し、水洗、乾燥さ
せる。
【0032】このレーザ除去無電解メッキ工程では、レ
ーザ光Dで除去した発散物がブロック106の表面に付
かなくなり、精密接着の工程に有利になる表面が得ら
れ、加工面の平滑性が向上する。また、ブロック106
への冷却効果が大きく、加工時におけるブロック106
への蓄熱の影響が軽減し、ブロック106の熱による特
性劣化(キュリー点を越えることによるデボーリング)
を軽減でき、特性劣化を防止することができる。
【0033】このようにして、メッキ薄膜に、レーザ光
Dを照射してパターンを形成する。この工程では、チャ
ネル(幅70μm、高さ310μm、長さ2mmの筒状
の穴)263個の全ての内壁に均一にメッキを付けるこ
とが極めて重要である。電極形成に不要なカバープレー
ト部分及びノズルプレート接着部等にはレジストを塗布
しメッキが付かないようにしても良い。なお、メッキの
材質は電気抵抗が少なくPZTに対して剥離強度の高い
物であれば、これに限定するものではない。
【0034】この実施の形態では、ヘッドチップ120
に設けられた複数のチャネル(筒状の穴)にメッキする
ので、この場合はチャネルの内壁にのみメッキ処理する
ことは難しいので、後述するように、導電性膜除去によ
る電極形成のほうが好ましい。レーザ光による導電性膜
除去が終了すると、再度メッキ処理を行うことで電極形
成を完成する。
【0035】[ノズルプレート接着(図7(i))]ス
テップS108で、ヘッドチップ120の端面を研磨し
て、ノズルプレート130を接着する。ノズルプレート
130は、シート状の薄板にインク吐出のための開孔1
30aを複数個設けた、ステンレス材やポリイミド樹脂
等で形成されている。ノズルプレート130の開孔径
(ノズル径)や厚み、幅や長さ等の形状諸元は、インク
ジェット装置の仕様で異なるが、この実施形態では、厚
さ約125μmのポリイミド樹脂シートに開口径約φ1
8μmで128個の開孔(ノズル)30aをエキシマレ
ーザで加工し、ノズルプレート表面は、飛散したインク
滴が、ノズル開孔130aに影響を与えないよう搬水処
理する。
【0036】ノズルプレート130の所定の箇所あるい
はヘッドチップ120の所定の箇所に接着剤を塗布し、
ヘッドチップ120と接着後、加熱器内に挿入し、接着
剤の種類や、被接着物等により変化するが、この実施の
形態では、例えば約80℃の温度で約40分程度の加熱
を行い、更に、約100℃、20分加熱を行うことで、
接着強度を高める。
【0037】なお、ノズルプレート130が平行平面を
保持するように、且つ接着剤がインクチャネル内を埋め
ることがないように注意すると共にインクを注入した時
に漏れがないように、それぞれのインクチャネルが確実
に、個々に独立した空間を形成するように接着しなけれ
ばならない。ノズル開孔130aが接着剤で塞がれるこ
とがないように、接着剤の量や接着層の厚みを管理する
ことが重要である、なお、ヘッドチップ120にプラズ
マ処理を行い、接着層の濡れ性を促進しておくと、接着
が容易に且つ確実に行える。ノズルプレート130のみ
ならず、絞り板の接着もあるので、ヘッドチップ120
をプラズマ処理することが望ましい。
【0038】[絞り板の接着(図7(j))]ステップ
S109で、ノズルプレート130を接着したヘッドチ
ップ120の他端に、絞り板(流路規制板)140を接
着して、ヘッドブロック150を作製する。
【0039】なお、絞り板140は、開孔(ノズル)1
40aを有するチャネルの両側の空気チャネルにインク
が流入しないようにする機能と、インク吐出のためのチ
ャネル内の圧力変動を所定の圧力に維持できるようにす
るための機能を有する。
【0040】この実施形態では、ノズルプレート130
と同材質の125μm厚のボリイミド樹脂シートに、幅
110μm長さ350μmの長方形状の孔140aをピ
ッチ282μmで128個設けている。勿論、これらの
形状諸元は、ノズルプレート130と同様、インクジェ
ット装置の仕様等に基づくもので、これに限定されない
ことは言うまでもない。
【0041】[液室接着]ステップS110で、ヘッド
チップ120にノズルプレート130と絞り板140と
を接着すると、ヘッドブロック150が完成する。この
へッドブロック150に、インクが供給できるように液
室部材(不図示)を接着剤で固着する。
【0042】[基体接着]さらに、ステップS111
で、ヘッドブロック150と液室部材とを接着したへッ
ドユニットを、基体(不図示)に接着することにより液
室が構成され、ヘッドユニットにインクが注入できる状
態となる。ヘッドユニットの接着に際しては、基体に対
してヘッドユニットのヘッドブロック150が位置ズレ
や傾斜に注意すると共に基体に接着される液室部材周囲
からのインク漏れが生じないように注意する必要があ
る。この工程では、組み込みの作業性を考慮して常温硬
化タイプの接着剤を用いる。
【0043】なお、この実施の形態では、ヘッドブロッ
ク150を固定する基体と一体的に液室を構成したが、
これによらず、インクジェットヘッドの仕様や設計上の
構成によっては液室を単独に構成しても良く、液室の形
状や大きさ等の諸元は、インクジェットヘッドの仕様等
に基づき設定され、特にインクがインクカートリッジや
インク袋から円滑に流入し、ヘッドブロック150のチ
ャネルに円滑に侵入するようにする形状が重要で、ま
た、インク内のゴミや気泡等を除去するためのフイルタ
ー等を組込んだり、別にフィルターを組込んだフィルタ
ー室を設け液室に連接することも可能である。
【0044】この実施の形態のように、ヘッドチップ1
20を小型化すると、材料費の軽減に加え、インクジェ
ットヘッドの重量や容積が少なくてすむのでコスト的に
も従来に比べ安価で、ヘッドユニット構成のための自由
度が増し、更に慣性力も軽減できる機械的な利点の他
に、インクを吐出するためのPZTの剪断変形を低電圧
で行えると共に、周波数が高速化できるので、印字速度
を速くできる利点がある。
【0045】[駆動制御基板接合]ステップS112
で、インクが注入できるまでに完成したヘッドユニット
に、インクを吐出させる為に電圧を印加する駆動制御基
板(不図示)を結合する。
【0046】この実施の形態では、ヘッドチップ120
のチャネルプレート103の裏面に形成された接続電極
に、異方性導電性フィルム(ACF:Anisotro
pic Conductive Film)を用いるこ
とができ、約170℃で約20秒程、約14Kg程度の
荷重を均一にかけて加熱押圧することで、駆動制御基板
に接続されたフレキシブルプリント回路(FPC)と電
気的に結合する。
【0047】[基板固定]ステップS113で、へッド
ユニットと駆動制御基板とを基体に取り付け、インクジ
ェットプリントヘッドを完成させる。
【0048】[カプラー接着]ステップS114で、こ
のインクジェットプリントヘッドの基体にカプラー(不
図示)を接着し、別に設けたインク注入装置からカプラ
ーを介して液室部材にインクを注入し、駆動制御基板に
設けたコネクタに電源を接続すると共に、インク吐出さ
せるための制御を行うことによりインクジェットプリン
トヘッドのノズルからインクが吐出できることになる。
【0049】以下、ステップS107の加工工程におい
て行われる、金属膜の除去を行うためのレーザ加工方法
及びレーザ加工装置について詳細に説明する。図3は、
本実施の形態にかかる加工装置の要部斜視図である。図
3において、レーザ光源1から照射されたレーザ光D
は、第1ガルバノミラー2において反射され、更に第2
ガルバノミラー3において反射され、fθレンズ4を介
して、被加工物であるヘッド120に照射されるように
なっている。尚、第1ガルバノミラー2は、第1駆動部
6により回転駆動され、ヘッド120の表面をレーザ光
Dを走査するのに用いられ、第2ガルバノミラー3は、
第2駆動部7により回転駆動され、例えば隣の走査線上
にのるようレーザ光Dの照射位置を変えるために用いら
れる。
【0050】Niメッキ等の金属膜を除去するレーザと
しては、短波長(例えば1064nm或いは532n
m)のレーザが好ましく、固体レーザではNd:YAG
レーザ、或いはNd:YVO4レーザが好ましい。又、
それらの第2高調波(532nm),第3高調波(35
5nm)、第4高調波(266nm)を用いることが好
ましい。
【0051】図4は、加工された状態でのヘッドチップ
(ヘッドともいう)120の一部斜視図である。ヘッド
120は、電流を供給することで、断面が「く」字状に
変形しその間に存在するインク(不図示)を押し出す一
対の駆動部(図7のPZT101,102)を内部に有
し、その端部は表面に露出している。以下に述べるよう
に、それへの配線をヘッド120の表面に形成する。上
述した工程で、ヘッド120の上面120aと、前面1
20b全体にメッキ(Niが好ましいが、それに限られ
ない)により金蔵膜Mが被覆されているものとする。
【0052】かかる状態で、金属膜Mは駆動部の端部ま
で接触しており、金属膜Mを介して外部電源と導通させ
ることができるが、このままでは、一対の駆動部の電位
が等しくなってしまい、駆動部を動作させることができ
ない。そこで、図4でハッチングで示すように、付着さ
れた金属膜の一部をレーザ光Dで除去することで、それ
ぞれの駆動部まで独立して延在する金属膜Mを残すよう
にする。
【0053】かかる場合、ヘッド120の前面120b
には、上述した流路規制板(図7の絞り板140)を適
切に接着する必要があるから、その平面度を維持すべ
く、金属膜の除去部は幅W1で除去されることが必要で
ある。一方、ヘッド120の上面120aは、不図示の
フレキシブルプリント基板を接合されるため、金属膜被
覆部と金属膜除去部とが幅(W2)1:1になるよう
に、金属膜の除去を行う必要がある。すなわち、W1<
W2の関係となる。
【0054】上述したように、例えばレーザ光源1に印
加する電圧或いは電流を増減させることで、レーザ光D
の強度を変更し、例えば図1に従い、前面120aの加
工には、強度Cを適用し、上面120aの加工には、強
度Aを適用することで、所望の除去幅を得ることができ
る。尚、これの代わりに或いはこれに加えて、fθレン
ズ4の光軸方向移動により、デフォーカス量を調整する
ことで、加工幅の微調整や、加工深さの調整などを行う
こともできる。
【0055】図5は、第2の実施の形態にかかる加工装
置の要部斜視図である。図5において、レーザ光源11
から照射されたレーザ光は、ミラー12において反射さ
れ、集光レンズ13を介して、被加工物であるヘッド1
20に照射されるようになっている。ヘッド120は、
XYステージ16上に載置されており、光軸とヘッドと
の相対位置を2次元的に変更できるようになっている。
【0056】本実施の形態においても、例えばレーザ光
源11に印加する電圧或いは電流を増減させることで、
レーザ光Dの強度を変更し、図4に示すように、前面1
20bの加工には、強度Cを適用し、上面120aの加
工には、強度Aを適用することで、所望の除去幅を得る
ことができる。尚、これの代わりに或いはこれに加え
て、集光レンズ13の光軸方向移動により、デフォーカ
ス量を調整することで、加工幅の微調整や、加工深さの
調整などを行うこともできる。集光レンズ13を固定状
態としても、XYステージをZステージに載置等すれ
ば、それによりヘッド120は、集光レンズ13との相
対位置が変更されるため、デフォーカス量が変わること
から、上述の効果を得ることができる。尚、ステージを
用いた第2の実施の形態は、ガルバノミラーを用いた第
1の実施の形態に比べて、加工精度(位置決め精度の向
上による)を高めることができるという長所があり、一
方、第1の実施の形態は、第2の実施の形態に比べて、
加工速度が速いという長所がある。従って、これら長所
を考慮し、最適な形態を選択すればよい。
【0057】以上、本発明を実施の形態を参照して説明
してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈さ
れるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることは
もちろんである。
【0058】
【発明の効果】以上述べた本発明によれば、部品交換を
行うことなく、レーザ光の照射状態を変えることで、加
工部位に合わせて柔軟な処理を行えるレーザ加工方法を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】レーザ光の強度分布の例を示す図である。
【図2】レーザ光のデフォーカス量と加工幅(a)及び
加工深さ(b)との関係を示す図である。
【図3】第1の実施の形態にかかる加工装置の要部斜視
図である。図5におい
【図4】加工された状態でのヘッド120の一部斜視図
である。
【図5】第2の実施の形態にかかる加工装置の要部斜視
図である。
【図6】インクジェットプリントヘッドの製造工程のフ
ローを示す図である。
【図7】インクジェットプリントヘッドの製造工程概略
図である。
【符号の説明】
1,11 レーザ光源 2 第1ガルバノミラー 3 第2ガルバノミラー 4 fθレンズ 120 ヘッド(ヘッドチップ) 12 ミラー 13 集光レンズ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B23K 101:36 B41J 3/04 103H

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光源からのレーザ光を用いて加工
    を行うレーザ加工方法において、 被加工物に前記レーザ光源からのレーザ光を照射する際
    に、前記レーザ光の強度を増減させることで、前記被加
    工物へのレーザ光の照射状態を変更することを特徴とす
    るレーザ加工方法。
  2. 【請求項2】 前記被加工物の加工とは、前記被加工物
    の表面を削除することであり、前記レーザ光の照射状態
    が変更されることにより、前記被加工物の表面の除去幅
    及び除去深さの少なくとも一方が変更されることを特徴
    とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. 【請求項3】 前記レーザ光を、前記被加工物に対して
    走査することで、前記被加工物の表面を所定の長さにわ
    たって削除することを特徴とする請求項2に記載のレー
    ザ加工方法。
  4. 【請求項4】 前記被加工物は表面に導電性膜が付着さ
    れており、前記レーザ光の照射により、前記導電性膜を
    除去することを特徴とする請求項2又は3に記載のレー
    ザ加工方法。
  5. 【請求項5】 前記被加工物は、インクジェットプリン
    タ用のヘッドであることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載のレーザ加工方法。
  6. 【請求項6】 レーザ光源からのレーザ光を用いて加工
    を行うレーザ加工方法において、 被加工物に前記レーザ光源からのレーザ光を照射する際
    に、前記レーザ光の焦点位置を調整することで、前記被
    加工物へのレーザ光の照射状態を変更することを特徴と
    するレーザ加工方法。
  7. 【請求項7】 前記被加工物の加工とは、前記被加工物
    の表面を削除することであり、前記レーザ光の照射状態
    が変更されることにより、前記被加工物の表面の除去幅
    及び除去深さの少なくとも一方が変更されることを特徴
    とする請求項6に記載のレーザ加工方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザ光を、前記被加工物に対して
    走査することで、前記被加工物の表面を所定の長さにわ
    たって削除することを特徴とする請求項7に記載のレー
    ザ加工方法。
  9. 【請求項9】 前記被加工物は表面に導電性膜が付着さ
    れており、前記レーザ光の照射により、前記導電性膜を
    除去することを特徴とする請求項7又は8に記載のレー
    ザ加工方法。
  10. 【請求項10】 前記被加工物は、インクジェットプリ
    ンタ用のヘッドであることを特徴とする請求項6乃至9
    のいずれかに記載のレーザ加工方法。
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