JP2000158659A - 液体噴射記録ヘッド、その製造方法および製造装置、ヘッドカートリッジならびに液体噴射記録装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッド、その製造方法および製造装置、ヘッドカートリッジならびに液体噴射記録装置

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JP2000158659A
JP2000158659A JP10366082A JP36608298A JP2000158659A JP 2000158659 A JP2000158659 A JP 2000158659A JP 10366082 A JP10366082 A JP 10366082A JP 36608298 A JP36608298 A JP 36608298A JP 2000158659 A JP2000158659 A JP 2000158659A
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JP10366082A
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English (en)
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Toshinori Hasegawa
利則 長谷川
Shin Ishimatsu
伸 石松
Akira Goto
顕 後藤
Yoshinori Ito
美紀 伊東
Masaaki Furukawa
雅朗 古川
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Akio Saito
昭男 斎藤
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Original Assignee
Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ光の照射により穴や溝を加工する際
に、それらの加工寸法の大きさを保ちながらかつ加工時
間を長くすることなく、穴や溝の加工寸法および加工ピ
ッチの狂いや吐出口となる穴の周囲のバリの発生を防止
することができる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供
する。 【解決手段】 天板ブランクに吐出口や液流路溝をレー
ザ光の照射によりアブレーション加工する際に、レーザ
光の発振電圧またはレーザ光の発振周波数の調整によ
り、あるいはレーザ光を減光することにより、また加工
対象を光軸上に移動させることにより、レーザ光の単位
時間当たりのエネルギー密度を連続的にまたは段階的に
変更して加工を行なうようになし、高エネルギー密度の
レーザ光の照射に基づく熱による樹脂の膨脹や収縮に起
因する穴や溝の加工寸法や加工ピッチの狂いを防止し、
また、吐出口となる穴の周囲のバリの発生を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光の照射に
よる溝加工や穴あけ加工等によって例えば樹脂製の天板
に液流路や吐出口を作製した液体噴射記録ヘッド、その
製造方法および製造装置、ヘッドカートリッジならびに
液体噴射記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インク等の記録液を微細な吐出口(オリ
フィス)から飛翔液滴として吐出させて記録紙等の被記
録媒体に記録あるいは印刷を行なう液体噴射記録ヘッド
は、複数の電気熱変換素子とそのリード電極を有する基
板(ヒーターボード)上に液流路(ノズル)や共通液室
を形成する樹脂製のノズル層(液流路形成層)を積層し
た上で、記録液の供給管を備えたガラス製の天板を重ね
たものが一般的であったが、最近では、ガラス製の天板
を省略し、液流路および共通液室に加えて記録液の供給
管等を一体的に設けて樹脂製の天板を射出成形等によっ
て一体成型し、次いで吐出口を加工形成した後に、この
天板を弾性部材によって基板に押圧して一体化した液体
噴射記録ヘッドが開発されている。このような液体噴射
記録ヘッドは、組立て部品点数が大幅に低減され、かつ
組立て工程もきわめて簡略化されるために、液体噴射記
録装置の低コスト化に大きく貢献するものとして期待さ
れている。
【0003】このように形成された樹脂製天板を用いた
液体噴射記録ヘッドの基本的な一態様を図6に模式的に
部分破断斜視図として示す。図6において、樹脂製天板
の一部を破断して示す液体噴射記録ヘッドEoは、液体
を吐出するために利用されるエネルギーとして熱エネル
ギーを発生するエネルギー発生素子としての複数の電気
熱変換素子101aを有する基板101と、各電気熱変
換素子101a上に位置する液流路102fとこれに連
通する共通液室102cを備えた樹脂製天板102を有
し、樹脂製天板102には、各液流路102fに連通す
る吐出口(オリフィス)102gを有する吐出口プレー
ト部102bと、共通液室102cに開口する液供給口
102eを有する筒状突出部102dが一体的に設けら
れている。
【0004】このように液流路102fおよび共通液室
102cに加えて吐出口プレート部102bと筒状突出
部102dを有する樹脂製天板102を射出成形等によ
って一体的に形成し、次いで吐出口102gを加工形成
した後、各液流路102fが基板101の電気熱変換素
子101a上にそれぞれ位置するように樹脂製天板10
2を位置決めしたうえで、図示しない弾性部材によって
天板102を基板101に押圧し、これと一体的に結合
させている。基板101は、各電気熱変換素子101a
に電気信号を発生する駆動回路を搭載した配線基板10
3とともにベースプレート104上にビス止め等の公知
の方法で固着される。
【0005】また、液流路102fを設ける前の本体部
分102aと吐出口102gを設ける前の吐出口プレー
ト102b等からなるブランク(粗成形品)を射出成形
によって一体成形したうえで、エキシマレーザ光を用い
て樹脂製天板102の本体部分102aに液流路102
fを溝加工し、そして同様にエキシマレーザ光を用いて
吐出口プレート102bに吐出口102gを穴あけ加工
することによって、樹脂製天板102を作製する方法も
開発されている。
【0006】このように、射出成形とレーザ加工とを組
み合わせることによって、樹脂製天板を安価に製造する
ことができるため、液体噴射記録ヘッドの低コスト化を
一層促進できる。なお、射出成形によって得られるブラ
ンクにレーザ光を照射して溝加工や穴あけ加工を施すた
めのレーザ加工装置は、エキシマレーザ光が適してお
り、一般的に、レーザ光源としてのレーザ発振器と、液
体噴射記録ヘッドの液流路や吐出口の加工形成用の開口
パターンを有するマスクと、レーザ光によってマスクの
開口パターンをブランクに投影する光学系を備えてい
る。
【0007】このような手法を用いて液体噴射記録ヘッ
ドの液流路となる溝や吐出口となる穴の加工形成を行な
う場合に、加工形状のよい溝や穴を得るため、大きな吐
出口を得るため、そして溝や穴の加工時間を短くするた
めに、単位時間当たりエネルギー密度の高いレーザ光を
照射して加工する必要がある。一般に、照射するレーザ
光の単位時間当たりのエネルギー密度が高いほど、レー
ザ光による加工のテーパ角は小さくなり、そのため精度
は向上し、加工形状のよい溝や穴を得ることができる。
特に、吐出口となる穴を加工する場合、単位時間当たり
高いエネルギー密度のレーザ光を照射することで、加工
のテーパー角は小さくなり、その結果大きな貫通吐出口
を得ることができる。
【0008】また、レーザ光の単位時間当たりのエネル
ギー密度が高いほどレーザ光による加工速度が上がるた
め、短時間で溝や穴の加工を終了させることができるな
ど、単位時間当たり高いエネルギー密度のレーザ光で加
工するメリットは多い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術のような単位時間当たり高いエネルギー密度のレ
ーザ光を用いて液体の流路となる溝や液体吐出口となる
穴の加工形成を行なう場合、あるしきい値を越えた単位
時間当たり高いエネルギー密度のレーザ光を樹脂に照射
すると、瞬時にエネルギーが集中するため樹脂の変形を
誘発し、加工した溝や穴の加工寸法あるいはそれらのピ
ッチが狂ったり、貫通した吐出口の周囲にバリが発生し
たりする。
【0010】図7は従来のレーザ加工の様子を説明する
ための模式的断面図であり、図7において、200は被
加工材、203はスルーホール、204はレーザ光を示
す。被加工材200にレーザアブレーション加工を行な
っていくと、スルーホール203が貫通する直前には被
加工材の表面にシート状の蓋201が設けられたように
なる。そして、この状態からさらにレーザ光204を照
射することにより、この蓋201がさらに加工されてス
ルーホール203が貫通する。ここで、レーザ光204
の加工がスルーホール203内で等速に行なわれれば、
蓋201は加工方向にまっすぐ飛び出すが、スルーホー
ル203内の加工速度にばらつきがあった場合には、加
工速度が遅い側の部分が図示のように蝶番部202にな
り扉が開くように蓋201が動く。そして、蓋201が
動いたときの衝撃で蝶番部202がちぎれ、この部分に
バリが生じる。
【0011】このように貫通した吐出口の周囲にバリが
発生すると、液体の吐出方向を不安定にしたり、不要な
液滴を発生させるなど、液体の吐出に悪影響を与える原
因となる。さらに、穴の加工ピッチが狂うと、液流路と
なる溝のピッチとずれることとなり、所望する大きさの
吐出口を得ることができなくなる。また、溝の加工寸法
やピッチが狂うと、天板を電気熱変換素子を有する基板
(ヒーターボード)に押圧し一体的に結合させる際に、
溝と電気熱変換素子の位置ずれが発生する。この位置ず
れは、液体を発泡させ飛翔させるための熱エネルギーか
ら運動エネルギーへの変換効率が低下する原因となる。
これらの不都合が発生した液体噴射記録ヘッドは、製品
として機能上問題となる。
【0012】また、照射するレーザ光の単位時間当たり
のエネルギー密度を低くして加工すれば、上記のような
不都合は発生しなくなるが、加工のテーパ角が大きくな
るために、深い溝を加工することが難しくなり、そし
て、大きな吐出口を得ることができなくなり、さらに加
工するための時間がかかるために製造に要する加工コス
トの上昇を招くなど問題がある。
【0013】そのため現状では、液体噴射記録ヘッドの
製造時にバリが発生しないように照射するレーザ光の単
位時間当たりのエネルギー密度を厳密に管理することが
必要となっている。また、溝や穴の形状および吐出口周
囲のバリの発生の有無の検査を記録ヘッド製造工程に組
み入れることが必要不可欠となり、液体噴射記録ヘッド
製造の作業能率が著しく低下するという課題があった。
【0014】そこで、本発明は、上記の従来技術の有す
る未解決の課題に鑑みてなされたものであって、レーザ
光の照射により吐出口となる穴や液流路となる溝を加工
する際に、穴や溝を所望の大きさを保ちながらかつ加工
時間を長くすることなく、穴や溝の加工寸法および加工
ピッチの狂いや吐出口周囲のバリの発生を防止すること
ができる液体噴射記録ヘッドの製造方法および製造装
置、ならびに該製造方法によって製造され良好な印字特
性を有する液体噴射記録ヘッド、さらには該液体噴射記
録ヘッドをもつヘッドカートリッジおよび液体噴射記録
装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、レーザ
光を加工対象に照射し、液体を吐出する吐出口となる穴
を加工する液体噴射記録ヘッドの製造方法であって、前
記加工対象に照射されるレーザ光の単位時間当たりのエ
ネルギー密度を変更して加工することを特徴とする。
【0016】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、加工対象に照射されるレーザ光の単位時間当
たりのエネルギー密度を連続的にあるいは段階的に変更
して加工することが好ましい。
【0017】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
方法においては、加工対象に照射されるレーザ光の単位
時間当たりのエネルギー密度の変更は、レーザ光の発振
電圧の調整により、あるいは、レーザ光の発振周波数の
調整により、また、レーザ光の発振電圧と発振周波数を
同時に調整することにより、行なうことができる。
【0018】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、加工対象に照射するレーザ光の単位
時間当たりのエネルギー密度の変更は、光学系のマスク
あるいはマスク以外の部品により減光することにより行
なうことも可能であり、また、加工対象の移動により行
なうことも可能である。
【0019】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、レーザ光を前記吐出口の内側から外側に向け
て照射することが好ましく、また、加工対象に照射され
るレーザ光により、前記吐出口に連通する液流路となる
溝も加工形成することが好ましい。
【0020】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、加工対象に照射されるレーザ光はパ
ルスレーザ光であることが好ましく、また、吐出口の加
工に際しては、吐出口の加工が完了する直前の数パルス
分のレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度をその
前に比べて小さくすることが好ましい。
【0021】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造装置
は、レーザ光の光源と、レーザ光によって液体を吐出す
る吐出口となる穴が加工される加工対象を保持するため
の保持手段と、前記光源と前記保持手段との間のレーザ
光の経路に配置されるマスクを含む光学系とを有し、前
記加工対象に照射されるレーザ光の単位時間当たりのエ
ネルギー密度を変更して加工することを特徴とする。
【0022】また、本発明の液体噴射記録ヘッドは、請
求項1ないし13のいずれか1項に記載の液体噴射記録
ヘッドの製造方法によって液体を吐出する吐出口となる
穴が加工された液体噴射記録ヘッドであって、前記吐出
口の周囲にバリがほとんどないことを特徴とし、そし
て、液体を吐出するために利用される熱エネルギーを発
生する電気熱変換素子が設けられていることが好まし
い。
【0023】また、本発明のヘッドカートリッジは、請
求項15または16記載の液体噴射記録ヘッドと、該液
体噴射記録ヘッドに供給される液体を貯溜するための貯
溜部とを一体化して有することを特徴とする。
【0024】そして、本発明の液体噴射記録装置は、請
求項15または16記載の液体噴射記録ヘッドおよび該
液体噴射記録ヘッドを搭載するための搭載手段を有する
ことを特徴とする。
【0025】
【作用】レーザ光を加工対象に照射し、液体を吐出する
吐出口となる穴または液流路となる溝を加工する液体噴
射記録ヘッドの製造方法において、加工対象にレーザ光
を照射しアブレーション加工する際に、該加工対象に照
射されるレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を
分割変更して加工するようにし、吐出口の大きさあるい
は液流路溝の深さを所望の形状に保ちながらかつ加工時
間を長くすることなく、樹脂の変形による穴や溝の加工
寸法や加工ピッチの狂いを防止し、また、レーザ光が貫
通した吐出口の周囲におけるバリの発生を防止する。
【0026】加工対象にレーザ光を照射しアブレーショ
ン加工する際に、該加工対象に照射するレーザ光の単位
時間当たりのエネルギー密度を連続的に変化させて加工
するようにして、エネルギー密度の変化に連動して加工
形状も連続的に変化させることができ、単位時間当たり
のエネルギー密度の急激な変化に伴なって避けられない
加工形状の変化がなくなり、加工した溝や穴の加工寸法
や加工ピッチの狂いを防止することができ、また、レー
ザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を多段階的に変
更させてレーザ加工することによって、樹脂の変形によ
る溝や穴の加工寸法や加工ピッチの狂いを防止し、ま
た、単位時間当たり高いエネルギー密度のレーザ光を照
射して加工した後に、加工が完了する直前の数パルスを
単位時間当たり低いエネルギー密度のレーザ光により加
工を行なうことによって、吐出口周囲にバリが発生する
ことを防ぐことができる。
【0027】そして、加工対象に照射するレーザ光の単
位時間当たりのエネルギー密度の変更は、レーザ光の発
振電圧の調整により、あるいはレーザ光の発振周波数の
調整により、またレーザ光の発振電圧と発振周波数を同
時に調整することにより行なうことができ、さらに、マ
スクあるいはマスク以外の部品により減光することによ
り、また、加工対象の移動により、行なうことができ
る。
【0028】レーザ光の単位時間当たりのエネルギー密
度を変更して加工し製造された液体噴射記録ヘッドにお
いては、加工した溝や穴の加工寸法や加工ピッチが狂っ
たりまた貫通した吐出口の周囲にバリが発生するような
ことがなく、所望の深さの液流路溝や所望の大きさの吐
出口が精度よく加工されており、そして、液流路や吐出
口と電気熱変換素子の位置ずれが生じることがないた
め、良好な印字特性を示す。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0030】図1は、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法の一実施例を適用して製造される液体噴射記録ヘ
ッドを説明するものであり、液体噴射記録ヘッドの共通
液室2cとなる凹所と記録液受け口2eと液流路形成面
2dからなる天板本体2aおよび吐出口2gを形成する
吐出口プレート2bを有する樹脂製の粗成形品である
(天板)ブランク2o(図1の(a)参照)を公知の射
出成形等によって一体成形し、この天板ブランク2oの
液流路形成面2dに対してレーザ光の照射による溝加工
によって液流路2fを形成し、さらに吐出口プレート2
bに対してレーザ光の照射による穴加工によって液流路
2fに連通する吐出口2gを形成して、液流路層である
樹脂製天板2を作製する(図1の(b)参照)。このよ
うにして得られた樹脂製天板2を、表面1aに吐出エネ
ルギー発生素子としての電気熱変換素子1bを複数有す
る基板1(図1の(c)参照)に位置合わせして接合す
る。
【0031】このような溝加工および穴加工に用いるレ
ーザ加工装置は、図2に示すように、コヒーレントなレ
ーザ光Lを発生する光源となるレーザ発振器10と、レ
ーザ発振器10から照射されるレーザ光Lの発振電圧や
発振周波数を変更させるコントローラ11、溝加工用お
よび/または穴加工用の開口パターンを有するマスク1
2と、このマスク12を移動させる移動駆動装置13
と、この移動駆動装置13を制御するコントローラ14
と、前記マスク12の開口パターンを被加工物W(天板
ブランク2o)に投影するための投影光学系15と、レ
ーザ光Lの光軸のまわりに投影光学系15を回転させる
回転駆動装置16と、この回転駆動装置16を制御する
コントローラ17を備えている。被加工物W(天板ブラ
ンク2o)は、コントローラ19によって制御される移
動ステージ18によってレーザ光Lの光軸(X軸)に垂
直な平面(YZ平面)内で位置決めされる。
【0032】マスク12として、液流路を形成するため
の溝加工用の開口パターンを有するもの、吐出口を形成
するための穴加工用の開口パターンを有するもの、ある
いは液流路を形成するための溝加工用と吐出口を形成す
るための穴加工用の両方の開口パターンを有するもの等
を用いることができる。
【0033】マスク12の移動駆動装置13は、ステッ
ピングモータあるいはサーボモータ等のモータを用いた
駆動機構を有しており、コントローラ14により、マス
ク12を、レーザ光Lの光軸方向(X軸)に、溝加工用
および/または穴加工用の開口パターン配列方向(Y
軸)に、また、レーザ光Lの光軸を中心とする回転方向
に任意の方向へミクロン単位の精度で移動させることが
できるように構成されている。また、マスク12の移動
については、ある一定速度での連続移動あるいはある間
欠をおいての移動を必要に応じて選択することができ
る。
【0034】また、コンピュータ等を用いることで、レ
ーザ発振器10および各移動駆動装置13、16、18
を制御するためのコントローラ11、14、17、19
を一つにまとめて制御してもよい。
【0035】上記のレーザ加工装置において、溝加工用
または穴加工用のマスク12を通過したレーザ光Lは、
被加工物Wである天板ブランク2o(以下、単にブラン
クという。)を瞬時にアブレーション加工する。このと
き、所望する加工寸法および加工ピッチの溝や穴を得る
ために、そして吐出口となる穴を大きくするために、さ
らに加工時間を短くするために、単位時間当たり高いエ
ネルギー密度のレーザ光を照射する必要がある。例え
ば、穴を加工する際に、単位時間当たり1J/cm2
レーザ光エネルギー密度で、レーザ発振周波数を200
Hzとして加工した場合、数秒間のレーザ光の照射で大
きな面積を有した穴の加工が完了する。
【0036】このように、ブランク2oにレーザ光を照
射して溝や穴を加工するとき、ブランク2oには瞬時に
単位時間当たりエネルギー密度の高いレーザ光が照射さ
れるため、熱による膨脹、収縮等に起因して、樹脂の変
形が起こり、加工した溝や穴の加工寸法および加工ピッ
チが狂ったり、また、貫通した穴の周囲にバリが発生す
る。このように樹脂の変形やバリ等が発生した加工形状
は、製品として機能上問題となる。
【0037】そこで、本発明は、レーザ光の照射による
溝や穴の加工中に、照射するレーザ光の単位時間当たり
のエネルギー密度を変更させながら加工することを特徴
とするものである。例えば、液流路となる溝や液吐出口
となる穴の加工が完了する直前まで、単位時間当たり高
いエネルギー密度(例えば、エネルギー密度で1J/c
2 )のレーザ光で加工し、溝や穴の加工が完了する直
前に、樹脂の変形が起こらずかつバリが発生しない程度
のエネルギー密度(例えば、エネルギー密度で500m
J/cm2 )にレーザ光の単位時間当たりのエネルギー
密度を低下させて加工する。このように加工中に照射す
るレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を変更し
て加工することで、溝の深さや吐出口の大きさを所望の
形状に保ちながら、かつ加工時間を長くすることなく、
そして、樹脂の変形による溝や穴の加工寸法や加工ピッ
チが狂ったり、また、レーザ光が貫通した穴の周囲にバ
リが発生するという従来の技術的課題を解決することが
できる。
【0038】そして、照射するレーザ光の単位時間当た
りのエネルギー密度の変更形態としては、単位時間当た
りのエネルギー密度を連続的に変化させる形態、および
単位時間当たりのエネルギー密度を段階的に変化させる
形態がある。
【0039】ブランク2oにレーザ光Lの照射により液
流路となる溝または吐出口となる穴を加工している途中
で、レーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を連続
的に変化させることにより、溝や穴の加工形状も、単位
時間当たりのエネルギー密度の変化と連動して変化する
こととなり、その結果、単位時間当たりのエネルギー密
度の急激な変化に伴なって避けられない加工形状の変化
がなくなり、加工した溝や穴の加工寸法や加工ピッチが
狂ったり、また、レーザ光が貫通した穴の周囲にバリが
発生するという従来の課題が解決できる。
【0040】そして、ブランク2oにレーザ光Lにより
溝や穴を加工している途中で照射するレーザ光の単位時
間当たりのエネルギー密度を段階的に変化させる形態に
おいては、例えば、先ず、単位時間当たり高いエネルギ
ー密度のレーザ光を照射して加工を行ない、その後、照
射するレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を段
階的に低くなるように変化させて加工を行なうことによ
って、樹脂の変形を防止することができ、あるいは、バ
リの発生を防止することができる。なお、樹脂の変形を
防止するためには、レーザ光の単位時間当たりのエネル
ギー密度を段階的に変化させる回数を多くすることが望
ましく、また、穴の周囲に生じるバリの発生を防止する
場合には、穴貫通直前に単位時間当たりのエネルギー密
度を微調整するように、エネルギー密度を段階的に変化
させる回数は少ない方が望ましい。
【0041】吐出口となる穴を加工する場合において、
レーザ光を残り数パルス照射すると穴の加工が完了する
状態まで単位時間当たり高いエネルギー密度のレーザ光
を照射して加工を行ない、その後、加工が完了する直前
の数パルスを単位時間当たり低いエネルギー密度のレー
ザ光により加工を行なう。すなわち、例えば、800パ
ルスのレーザ光を照射して吐出口となる穴を加工すると
き、先ず、795パルスは単位時間当たり1〜2J/c
2 の高いエネルギー密度のレーザ光で加工を行ない、
その後に、残りの5パルスを単位時間当たり500mJ
/cm2 程度の低いエネルギー密度のレーザ光で加工す
る。これにより、貫通した穴の周囲にバリが発生するこ
とを防止することができる。
【0042】レーザ光の単位時間当たりのエネルギー密
度を変更させる手段としては、図示しないエネルギー可
変装置を用いて行なうことができ、そして、単位時間当
たりのエネルギー密度を段階的に分割する方法として
は、単位時間当たりのエネルギー密度を変更する時期
(タイミング)を予めパルス数で設定しておき、照射し
たレーザ光のパルス数を積算して、積算されたパルス数
が設定パルスに達したときに、単位時間当たりのエネル
ギー密度を変更することにより行なうことができる。ま
た、図示しないエネルギー可変装置中にタイマー機構を
導入して、照射時間が予め指定した時間に達したときに
規定パルスのレーザ光が照射されたとして、照射するレ
ーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を変更させ、
次に規定のパルス数を照射するようにして、パルス数を
時間で管理して照射するように制御することもできる。
【0043】このような手法によって、数百から数千パ
ルスものレーザ光を照射して液流路となる溝や吐出口と
なる穴を形成する加工において、レーザ光の単位時間当
たりのエネルギー密度を多段階に調整変更することによ
り、樹脂の変形を抑え、溝や穴の加工寸法や加工ピッチ
の狂いをなくすることができる。また、レーザ光を照射
して液流路となる溝や吐出口となる穴を加工する場合
に、単位時間当たりエネルギー密度の高いレーザ光を照
射して加工し、そして加工完了直前の数パルスをレーザ
光の単位時間当たりのエネルギー密度を低くして加工す
ることにより、溝や穴の加工形状は、全てのパルス数を
単位時間当たりのエネルギー密度の高いレーザ光で加工
したものと同等となり、しかも、溝や穴の周囲にバリが
発生することを防止することができる。
【0044】そして、照射するレーザ光の単位時間当た
りのエネルギー密度を変化させる方法としては、レーザ
発振器の印加電圧の調整による方法、レーザ発振器の周
波数の調整による方法、レーザ発振器の印加電圧および
発振周波数の同時調整による方法、マスクや減光フィル
ター等の部材によりレーザ光を減光する方法、あるい
は、加工対象であるブランクを移動させる方法などがあ
り、以下、それぞれの方法についてさらに説明する。
【0045】レーザ発振器のレーザガスに印加する電圧
を調整することによって、照射するレーザ光の単位時間
当たりのエネルギー密度を変化させることができ、レー
ザ光Lの照射による液流路となる溝あるいは吐出口とな
る穴の加工中に、レーザ発振器の印加電圧の調整によ
り、ブランク2oに照射されるレーザ光Lの単位時間当
たりのエネルギー密度を調整する。
【0046】レーザ発振器の印加電圧の調整は、レーザ
発振器10のコントローラ11によりレーザ発振器10
を制御して、単位時間当たり所望の照射エネルギー密度
となるようにレーザ発振器の発振電圧を調整することに
より行なうことができる。このエネルギー密度の変更形
態としては、コントローラ11によって、レーザ発振器
の印加電圧を連続的にあるいは段階的に調整することに
より、前述したように、単位時間当たりのエネルギー密
度を連続的にあるいは段階的に変更させることができ
る。
【0047】単位時間当たりのエネルギー密度の調整
は、溝や穴の加工において、レーザ発振器の印加電圧を
多段階に調整することにより、樹脂の変形を抑えること
ができ、また、穴等の加工において、穴の加工が完了す
る直前まで、単位時間当たり高いエネルギー密度のレー
ザ光を照射して加工を行ない、加工が完了する直前の数
パルスを単位時間当たり低いエネルギー密度のレーザ光
により加工を行なうように印加電圧を調整することによ
り、穴の周囲にバリが発生することを防ぐことができ
る。
【0048】さらに、レーザ光の発振周波数を変えるこ
とによって、照射するレーザ光の単位時間当たりのエネ
ルギー密度を変化させることができ、レーザ光Lの照射
による液流路となる溝あるいは吐出口となる穴の加工中
に、レーザ光の発振周波数を変えることにより、照射さ
れるレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を変化
させることができる。
【0049】発振周波数は、通常Hzで表され、ブラン
クに照射される1秒間当たりのレーザ光のパルス数を意
味している。すなわち、高い周波数で加工を行なえば、
単位時間中にブランクに照射されるレーザ光のパルス数
が多くなり、単位時間当たりに照射されるレーザ光のエ
ネルギー密度は高くなり、逆に、低い周波数で加工する
と、単位時間当たりに照射されるレーザ光のエネルギー
密度は低くなる。
【0050】レーザ発振器の周波数調整は、レーザ発振
器10のコントローラ11によりレーザ発振器10を制
御して、単位時間当たり所望のエネルギー密度となるよ
うにレーザ発振器の発振周波数を調整する。エネルギー
密度の変更形態としては、コントローラ11によって、
レーザ発振器の発振周波数を連続的にあるいは段階的に
調整することにより、前述したように、単位時間当たり
のエネルギー密度を連続的にあるいは段階的に変更させ
ることができる。
【0051】このように、液流路となる溝あるいは吐出
口となる穴の加工において、連続的にあるいは多段階的
にレーザ光の発振周波数を変化させて、単位時間当たり
に照射されるレーザ光のエネルギー密度を連続的にある
いは多段階的に変化させることによって、樹脂の変形を
抑えて、溝や穴の加工寸法や加工ピッチの狂いを防止
し、また、吐出口となる穴等の加工において、穴の加工
が完了する直前まで高い周波数で単位時間当たりより高
いエネルギー密度で加工を行ない、加工が完了する直前
の数パルスを、発振周波数を低くして単位時間当たり低
いエネルギー密度のレーザ光により加工を行なうように
して、バリの発生を防止することができる。
【0052】また、レーザ光の照射による液流路となる
溝や吐出口となる穴の加工中に、レーザ光の発振電圧と
発振周波数を同時に変えることによっても、ブランク2
oに照射されるレーザ光Lの単位時間当たりのエネルギ
ー密度を変化させることができる。
【0053】レーザ光の発振電圧および発振周波数の調
整は、コントローラ11によりレーザ発振器10を制御
して、単位時間当たり所望の照射エネルギー密度となる
ようにレーザ光の発振電圧および発振周波を同時に調整
する。それぞれのパラメーターの変化はコントローラ1
1によって行ない、前述したように連続的にあるいは段
階的にレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度の変
更を行なう。
【0054】この単位時間当たりのエネルギー密度の調
整は、溝や穴を加工する際に、連続的にまたは多段階的
に単位時間当たりのエネルギー密度を変化させることに
より、樹脂の変形を抑えて、加工した溝や穴の加工寸法
や加工ピッチの狂いを防止し、また、穴を加工する際
に、加工が完了する直前まで単位時間当たり高いエネル
ギー密度のレーザ光を照射して加工を行ない、加工が完
了する直前の数パルスを単位時間当たり低いエネルギー
密度のレーザ光により加工を行なうようにして、穴周囲
のバリの発生を防止することができる。
【0055】また、光学系におけるマスクやマスク以外
の部品によりレーザ光を減光することによって、照射す
るレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を変化さ
せることができ、レーザ光Lの照射による液流路となる
溝あるいは吐出口となる穴の加工中に、マスクやマスク
以外の部品によってレーザ光を減光することにより、ブ
ランク2oに照射されるレーザ光Lの単位時間当たりの
エネルギー密度を変化させる。
【0056】レーザ光を減光する手段として、例えば、
レーザ光の光軸上に減光フィルター等を挿入する機構を
設置し、単位時間当たり高いエネルギー密度のレーザ光
で加工するときは光軸上から減光フィルターをはずして
おき、そして、単位時間当たりのエネルギー密度を低下
させて加工するときに、瞬間的に前記機構を作動させ
て、光軸上に減光フィルターを挿入し、照射するレーザ
光の単位時間当たりのエネルギー密度を減ずるように構
成する。減光フィルターを光軸上に挿入する機構として
は、エアシリンダー等の機械的駆動手段、あるいはパル
ス駆動モータやサーボ駆動モータ等の電気的な駆動ステ
ージを用いることができ、また、前記機構の制御方法と
しては、コントローラにより減光フィルター挿入機構の
制御を行なうことができる。そして、レーザ光の単位時
間当たりのエネルギー密度を変更する時期(タイミン
グ)、すなわち、減光フィルターの挿入時期は、予め所
定のパルス数を設定しておき、照射したパルス数を積算
して、積算パルス数が所定の設定パルスに達したと同時
に減光フィルター挿入機構を作動させるように制御し
て、照射されるレーザ光の単位時間当たりのエネルギー
密度を低下させることができる。また、コントローラの
中にタイマー機構を導入しておき、照射時間が予め指定
した時間に達したときに規定パルスのレーザ光が照射さ
れたとして、照射するレーザ光の単位時間当たりのエネ
ルギー密度を低下させるように減光フィルター挿入機構
を作動させるようにして、パルス数を時間で管理して照
射するように制御することもできる。
【0057】また、減光フィルター以外の部品であって
も、レーザ光の光量を減ずることができ、レーザ光を減
光させたときに光学系全体の特性に悪影響を及ぼさない
構成であればよい。さらに、減光する手段を光軸中に複
数設けて、前述したように、照射するレーザ光の単位時
間当たりのエネルギー密度を段階的に変化させるように
してもよい。
【0058】この単位時間当たりのエネルギー密度の調
整は、溝や穴を加工する際に、多段階的に単位時間当た
りのエネルギー密度を調整して、樹脂の変形を抑えて、
加工した溝や穴の加工寸法や加工ピッチの狂いを防止
し、また、穴を加工する際には、加工が完了する直前ま
で単位時間当たり高いエネルギー密度のレーザ光を照射
して加工を行ない、加工が完了する直前の数パルスを単
位時間当たり低いエネルギー密度のレーザ光により加工
を行なうようにして、バリの発生を阻止する。
【0059】さらに、レーザ光Lの照射による液流路と
なる溝あるいは吐出口となる穴の加工中に、加工対象で
あるブランク2oを移動させることによって、ブランク
2oに照射されるレーザ光の単位時間当たりのエネルギ
ー密度を変化させることができる。
【0060】加工対象であるブランクは、通常、レーザ
光学系の焦点の位置に位置決めされて、レーザ光の照射
を受けて加工がなされている。この時、レーザ光学系の
焦点位置は、レーザ光のエネルギーが最も集中するた
め、単位時間当たりのエネルギー密度が高い状態にあ
る。そのため、ブランクをレーザ光の光軸上で焦点の位
置から前後にずらすと、レーザ光の集中から外れるため
にブランクに照射されるレーザ光の単位時間当たりに照
射されるエネルギー密度は低くなる。
【0061】ブランクを移動させる機構としては、パル
スモータやサーボモータ等の駆動手段を備えた電気駆動
の移動ステージ18を用いて、光軸上でブランクを平行
に移動させる。単位時間当たり高いエネルギー密度のレ
ーザ光を照射して加工を行なうときは、ブランクを光軸
上の光学系の焦点位置に位置させて加工し、そして、レ
ーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を低下させて
加工する場合に、ステージ駆動機構を作動させて、ブラ
ンクを光軸上で移動させて、照射されるレーザ光の単位
時間当たりのエネルギー密度を低下させる。
【0062】ブランク位置の変化により照射される単位
時間当たりのエネルギー密度を変化させる変更形態とし
ては、ステージ駆動機構によりブランクを連続的にある
いは断続的に移動させることにより、前述したように連
続的にあるいは段階的にエネルギー密度を変化させるこ
とができる。
【0063】また、前記ステージ駆動機構の制御は、コ
ントローラ19により行なうことができ、照射したパル
ス数を積算して、その積算パルス数が設定パルスに達し
たと同時にレーザ光のエネルギー密度を低下させるよう
にブランクの位置を変更させる。あるいは、コントロー
ラ19の中にタイマー機構を導入して、照射時間が指定
した時間に達した時に規定パルスのレーザ光が照射され
たとして、照射するレーザ光の単位時間当たりのエネル
ギー密度を低下させるようにブランクの位置を移動さ
せ、パルス数を時間で管理して照射するように制御する
こともできる。
【0064】このエネルギー密度の調整は、溝や穴を加
工する際に、ブランクをレーザ光の光軸上で連続的にあ
るいは段階的に移動させて、単位時間当たりのエネルギ
ー密度を連続的にあるいは多段階的に調整して、樹脂の
変形を抑えて、加工した溝や穴の加工寸法や加工ピッチ
の狂いを防止し、また、穴等を加工する際には、加工が
完了する直前まで単位時間当たり高いエネルギー密度の
レーザ光で加工を行ない、加工が完了する直前の数パル
スを樹脂の変形やバリの発生が起こらないような単位時
間当たり低いエネルギー密度のレーザ光により加工を行
なう。
【0065】以上のように、レーザ発振器の印加電圧の
調整による方法、レーザ発振器の周波数の調整による方
法、レーザ発振器の印加電圧および発振周波数の同時調
整による方法、マスクや減光フィルター等の部材により
レーザ光を減光する方法、あるいは、加工対象であるブ
ランクを移動させる方法などによって、ブランクに照射
するレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を調整
し、単位時間当たりのエネルギー密度を連続的にまたは
段階的に変更して加工することにより、エネルギー密度
の急激な変化に伴なって避けられない加工形状の変化が
なくなり、加工した溝や穴の加工寸法や加工ピッチの狂
いを防止し、また、貫通した穴の周囲にバリが発生する
ことを防止することができ、所望の深さの溝(液流路
溝)や所望の大きさの穴(吐出口)を精度よく加工する
ことができる。さらに、本発明の製造方法によれば、液
流路や吐出口を短時間で加工できるため、加工コストを
低減することができる。
【0066】また、天板ブランクに対するレーザ光の照
射による液流路となる溝や吐出口となる穴の加工中に、
照射するレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を
分割し変化させて加工した液体噴射記録ヘッドは、加工
した溝や穴の加工寸法や加工ピッチが狂ったり、また貫
通した吐出口の周囲にバリが発生するようなことがな
く、吐出口を大きく加工でき、かつ低コストで製造する
ことができ、そして、液流路や吐出口と電気熱変換素子
の位置ずれを生じさせることがない。このように製造さ
れた液体噴射記録ヘッドは良好な印字特性を示す。
【0067】次に、本発明の他の実施例について図3を
参照して説明する。
【0068】図3は、本実施例の液体噴射記録ヘッドの
製造方法を適用して製造される液体噴射記録ヘッドを説
明する図であり、(a)は液体噴射記録ヘッドにおける
液流路および吐出口が形成された樹脂製天板の模式的斜
視図であり、(b)はレーザ光で吐出口を加工形成する
様子を示す樹脂製天板の側断面図であり、(c)は樹脂
製天板を基板に接合した状態を示す液体噴射記録ヘッド
の斜視図である。
【0069】本実施例における天板22は、液流路溝2
2fとこれに対応して吐出口プレート22bに形成され
た吐出口(オリフィス)22gとを所望の個数(図にお
いては簡略のために2個)有し、吐出口プレート22b
を一体に設けた構成としてある。そして、本実施例にお
ける天板22は、耐インク性に優れたポリサルフォンを
用い、吐出口プレート22bとともに金型内で一体に同
時成型してある。天板22の材料としては、ポリサルフ
ォンのほか、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレン
オキサイド、ポリプロピレンなどの樹脂を用いてもよ
い。
【0070】次に、液流路溝22fや吐出口(オリフィ
ス)22gの形成方法を説明する。液流路溝について
は、液流路溝と逆パターンの微細溝を切削等の手法によ
り形成した型により樹脂を成型し、これによって天板2
2に液流路溝22fを形成することができる。
【0071】吐出口の形成については、金型内では吐出
口を有さない状態で成型した天板22を、図2に関連し
て説明したレーザ加工装置に投入し、吐出口を形成すべ
き位置に吐出口プレート22bの液流路溝22f側から
エキシマレーザ光Lを照射し、樹脂を除去・蒸発せしめ
て、吐出口22gを加工形成する。この吐出口の加工形
成は、図3の(b)に図示するように行なわれる。レー
ザ発振器から出射されるエキシマレーザ光Lは、マスク
を含む光学系を介して、吐出口プレート22bに対して
液流路溝22f側から照射される。また、エキシマレー
ザ光Lは、その光軸Loに関して片側θ1 =2°で収光
され、吐出口プレート22bの鉛直方向から光軸Loを
θ2 =10°傾けて照射される。このように、液流路溝
22f側からエキシマレーザ光Lを照射することによ
り、加工形成される吐出口の断面積は、吐出方向に向か
って縮小するテーパ形状となる。
【0072】ここで、本実施例に用いられるエキシマレ
ーザ光について説明する。このエキシマレーザは、紫外
光を発振可能なレーザであり、高強度で、単色性が良
く、指向性があり、短パルス発振でき、レンズで集光す
ることでエネルギー密度を非常に大きくできるなどの利
点を有するものである。エキシマレーザ発振器は、希ガ
スとハロゲンの混合気体を放電励起することで、短パル
ス(15〜35ns)の紫外光を発振できる装置であ
り、Kr−F、Xe−Cl、Ar−Fレーザがよく用い
られる。このエキシマレーザ光のような高輝度の短パル
ス紫外光をポリマー樹脂表面に照射すると、照射部分が
瞬間的にプラズマ発光と衝撃音を伴なって分解し飛散す
るAblative Photodecomposition(APD)過程が生
じ、この過程によってポリマー樹脂の加工が可能とな
る。
【0073】本実施例においては、吐出口となる穴の加
工が完了する直前まで、エネルギー密度が1J/cm
2 、パルス幅が20nsecのパルスレーザ光245パ
ルスにより49μmの厚み分の加工を行ない、次いで、
エネルギー密度が500mJ/cm2 、パルス幅が20
nsecのパルスレーザ光10パルスにより1μmの厚
み分の加工を行なった。この結果、周囲にバリのない綺
麗な真円状の吐出口(径:20μm、厚み:50μm)
を300個一括して形成することができた。
【0074】以上のように形成された天板22を、図3
の(c)に示すように、エネルギー発生素子としての電
気熱変換素子(吐出ヒータ)21b等を有する基板(ヒ
ータボード)21に接合して液体噴射記録ヘッドを構成
する。すなわち、液体噴射記録ヘッドは、液流路溝22
fおよび共通液室22cを構成するための凹部を有し、
吐出口22gが加工された吐出口プレート(オリフィス
プレート)22bを一体に形成した天板22と、吐出口
22gからインク等の液体を吐出するために利用される
エネルギーを発生する電気熱変換素子(吐出ヒータ)2
1bおよびこれに電気信号を供給するためのAl配線と
が成膜技術によってSi基板上に形成された基板(ヒー
タボード)21とを、基板21を吐出口プレート(オリ
フィスプレート)22bに突き当てるように接合するこ
とによって構成される。
【0075】図4は、本発明の液体噴射記録ヘッドを備
えたヘッドカートリッジを示す斜視図である。このヘッ
ドカートリッジ50は、液体噴射記録ヘッドとインクタ
ンクとを一体としたディスポーザブルなものである。図
中、52は吐出口51を有する記録ヘッド本体に隣接し
て配設されるサブインクタンクであり、このサブインク
タンク52および記録ヘッド本体は蓋55および56に
よって支持される。さらに、57はカートリッジ本体、
58はカートリッジ本体57の蓋部材である。カートリ
ッジ本体内部にはインクタンクが内蔵され、サブインク
タンク52に適宜インクを供給する。
【0076】図5において、50は図4に示されたヘッ
ドカートリッジである。このヘッドカートリッジ50
は、押え部材62によりキャリッジ61の上に固定され
ており、これらはシャフト63に沿って長手方向に往復
動可能となっている。また、キャリッジ61に対する位
置決めは、例えば、蓋55に設けた穴と、キャリッジ6
1側に設けたダボ等により行なうことができる。さら
に、電気的接続は、配線基板に設けた接続パッドにキャ
リッジ61上のコネクタを結合させて行なう。
【0077】液体噴射記録ヘッドの吐出口51から吐出
されたインクは、記録ヘッドと微小間隔をおいてプラテ
ン68に記録面を規制された記録媒体67に到達し、記
録媒体67上に画像を形成する。液体噴射記録ヘッド
は、ケーブル64およびこれに結合する端子を介して適
宜のデータ供給源より画像データに応じた吐出信号が供
給される。ヘッドカートリッジ50は、用いるインク色
等に応じて、1ないし複数個(図では2個)を設けるこ
とができる。
【0078】なお、図5において、65はキャリッジ6
1をシャフト63に沿って走査させるためのキャリッジ
モータ、66はキャリッジモータ65の駆動力をキャリ
ッジ61に伝達するワイヤである。また、69はプラテ
ン68に結合して記録媒体67を搬送させるためのフィ
ードモータである。
【0079】本発明は、特に液体噴射記録方式の中で熱
エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行な
う、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッド、記
録装置において、優れた効果をもたらすものである。
【0080】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0081】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0082】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0083】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0084】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0085】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0086】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0087】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0088】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0089】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0090】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザ光の照射による穴加工や溝加工によって樹脂製天
板等に吐出口や液流路を加工形成する際に、レーザ光の
単位時間当たりのエネルギー密度を連続的にあるいは段
階的に変更して加工することにより、エネルギー密度の
急激な変化に伴なって避けられない加工形状の変化がな
くなり、加工した穴や溝の加工寸法や加工ピッチが狂っ
たりまた貫通した吐出口の周囲にバリが発生するような
ことがなく、所望の大きさの吐出口や所望の深さの液流
路溝を精度よく加工することができ、さらに、吐出口や
液流路を短時間で加工できるため、生産性を向上させる
とともに加工コストを低減することができる。
【0091】そして、レーザ光の照射によって樹脂製天
板等に吐出口または液流路を加工形成する際に、レーザ
光の単位時間当たりのエネルギー密度を変更して加工し
製造された液体噴射記録ヘッドは、加工した穴や溝の加
工寸法や加工ピッチが狂ったりまた貫通した吐出口の周
囲にバリが発生するようなことがなく、所望の大きさの
吐出口や所望の深さの液流路溝が精度よく加工されてお
り、そして、吐出口や液流路と電気熱変換素子の位置ず
れが生じることがないため、良好な印字特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の一実
施例を適用して製造される液体噴射記録ヘッドを説明す
る図であり、(a)は液体噴射記録ヘッドにおける樹脂
成形された天板ブランクの斜視図であり、(b)は同じ
く液流路および吐出口が加工形成された樹脂製天板の斜
視図であり、(c)は液体噴射記録ヘッドにおいて樹脂
製天板に接合される基板の斜視図である。
【図2】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に適用
するレーザ加工装置の概略的な構成図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法の他の
実施例を適用して製造される液体噴射記録ヘッドを説明
する図であり、(a)は液体噴射記録ヘッドにおける液
流路および吐出口が形成された樹脂製天板の模式的斜視
図であり、(b)はレーザ光で吐出口を加工形成する様
子を示す樹脂製天板の側断面図であり、(c)は樹脂製
天板を基板に接合した状態を示す液体噴射記録ヘッドの
斜視図である。
【図4】本発明の液体噴射記録ヘッドを備えたヘッドカ
ートリッジを示す模式的斜視図である。
【図5】本発明の液体噴射記録ヘッドが搭載された液体
噴射記録装置の要部を示す模式的斜視図である。
【図6】液体噴射記録ヘッドの基本的な一態様を樹脂製
天板の一部を破断して示す模式的斜視図である。
【図7】従来のレーザ加工の様子を説明するための模式
的断面図である。
【符号の説明】
1、21 基板 1b、21b 電気熱変換素子 2、22 (樹脂製)天板 2a、 本体部分 2b、22b 吐出口プレート 2c、22c 共通液室 2f、22f 液流路(溝) 2g、22g 吐出口 2o (天板)ブランク 10 レーザ発振器 11 コントローラ 12 マスク 13 マスク移動駆動装置 14 コントローラ 15 投影光学系 16 回転駆動装置 17 コントローラ 18 移動ステージ 19 コントローラ L (エキシマ)レーザ光 Lo (レーザ光)光軸 W 被加工物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 後藤 顕 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊東 美紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 古川 雅朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 稲葉 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 斎藤 昭男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF24 AF93 AG02 AG12 AG46 AP02 AP13 AP23 AP77 BA03 BA13 4E068 AF00 CA01 CA03 CA04 CB01 CD10 DA00 5F072 AA06 HH05 SS06 YY06

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を加工対象に照射し、液体を吐
    出する吐出口となる穴を加工する液体噴射記録ヘッドの
    製造方法であって、前記加工対象に照射されるレーザ光
    の単位時間当たりのエネルギー密度を変更して加工する
    ことを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度を連続的に変更して加工する
    ことを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度を段階的に変更して加工する
    ことを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの
    製造方法。
  4. 【請求項4】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度の変更を、レーザ光の発振電
    圧の調整により行なうことを特徴とする請求項1記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度の変更を、レーザ光の発振周
    波数の調整により行なうことを特徴とする請求項1記載
    の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度の変更を、レーザ光の発振電
    圧と発振周波数との双方の調整により行なうことを特徴
    とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度の変更を、マスクにより減光
    することにより行なうことを特徴とする請求項1記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  8. 【請求項8】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度の変更を、マスク以外の部品
    により減光することにより行なうことを特徴とする請求
    項1記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度の変更を、該加工対象の移動
    により行なうことを特徴とする請求項1記載の液体噴射
    記録ヘッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記吐出口の内側から外側に向けてレ
    ーザ光を照射することを特徴とする請求項1ないし9の
    いずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 加工対象に照射されるレーザ光によ
    り、前記吐出口に連通する液流路となる溝も加工形成す
    ることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項
    に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 加工対象に照射されるレーザ光はパル
    スレーザ光であることを特徴とする請求項1ないし11
    のいずれか1項に記載の液体噴射記録ヘッドの製造方
    法。
  13. 【請求項13】 吐出口の加工が完了する直前の数パル
    ス分のレーザ光の単位時間当たりのエネルギー密度を、
    その前に比べて小さくすることを特徴とする請求項12
    記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  14. 【請求項14】 レーザ光の光源と、レーザ光によって
    液体を吐出する吐出口となる穴が加工される加工対象を
    保持するための保持手段と、前記光源と前記保持手段と
    の間のレーザ光の経路に配置されるマスクを含む光学系
    とを有し、前記加工対象に照射されるレーザ光の単位時
    間当たりのエネルギー密度を変更して加工することを特
    徴とする液体噴射記録ヘッドの製造装置。
  15. 【請求項15】 請求項1ないし13のいずれか1項に
    記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法によって液体を吐
    出する吐出口となる穴が加工された液体噴射記録ヘッド
    であって、前記吐出口の周囲にバリがほとんどないこと
    を特徴とする液体噴射記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 液体を吐出するために利用される熱エ
    ネルギーを発生する電気熱変換素子が設けられているこ
    とを特徴とする請求項15記載の液体噴射記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 請求項15または16記載の液体噴射
    記録ヘッドと、該液体噴射記録ヘッドに供給される液体
    を貯溜するための貯溜部とを一体化して有することを特
    徴とするヘッドカートリッジ。
  18. 【請求項18】 前記貯溜部には液体が貯溜されている
    ことを特徴とする請求項17記載のヘッドカートリッ
    ジ。
  19. 【請求項19】 請求項15または16記載の液体噴射
    記録ヘッドおよび該液体噴射記録ヘッドを搭載するため
    の搭載手段を有することを特徴とする液体噴射記録装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011011203A (ja) * 2009-06-05 2011-01-20 Panasonic Corp ディスプレイパネルへの塗布方法および装置、ディスプレイパネルの製造方法および装置

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