JP3086146B2 - インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法、レーザ加工装置ならびにインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッドおよびその製造方法、レーザ加工装置ならびにインクジェット記録装置

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JP3086146B2 JP07041865A JP4186595A JP3086146B2 JP 3086146 B2 JP3086146 B2 JP 3086146B2 JP 07041865 A JP07041865 A JP 07041865A JP 4186595 A JP4186595 A JP 4186595A JP 3086146 B2 JP3086146 B2 JP 3086146B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクジェット記録ヘ
ッドおよびその製造方法に関するもので、特に、レーザ
ーを用いた加工により微細な構造を有するインクジェッ
ト記録ヘッドを製造する方法に関する。
【0002】また、本発明は、ワークにレーザ光を照射
して溝等の加工を行うレーザ加工装置、そのレーザ加工
装置により溝が加工されたインクジェット記録ヘッドお
よびそのインクジェット記録ヘッドを備えたインクジェ
ット記録装置に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、径が例えば数10μmのオリフィ
スよりインク滴を吐出させて印字を行うインクジェット
記録ヘッドにおいて、高解像を得るための多ノズル化お
よびオリフィス径の縮小化が行われるに伴って、製造時
もしくはインク流入時に混入するゴミの影響が大きくな
り、それに対して対策を施すことが急務となってきた。
【0004】その種の対策としてこれまでに提案されて
いるものとしては、特開平5−208503号に記載さ
れているようなSi異方性エッチングでインク供給口と
フィルターを同時に成形する方法、特開平5−4348
に記載されているようなインク流路に3次元形状のフィ
ラーを用いてフィルター構造を設ける方法、さらに特開
平3−180355に記載されているようなインク流路
にステンレススチールメッシュフィルターを設ける方法
が知られている。
【0005】近年、レーザ発振器が加工装置の光源とし
て多用されている。特に、紫外領域のパルスレーザ発振
器は、ポリマーに対して現像なしでパターニングするア
ブレーションの際の光源として注目されている。アブレ
ーションを利用してポリマーを加工するレーザ加工装
置、あるいはレーザ加工システムとして、以下に示すも
のが提案されている。すなわち、かかる装置は、レーザ
光源部と、所定のパターンを有し、このパターンを介し
てレーザ光源部からのレーザ光をワーク側に透過させる
マスクを備えるマスク部と、レーザ光源部からのレーザ
光を投影する投影光学系と、ワーク位置を測定してワー
クを移動させる測定・移動系とを有する(特開平4−9
291号公報、特開平4−339585号公報参照)。
【0006】このようなレーザ加工装置は、主としてイ
ンクジェット記録ヘッドの吐出口の加工(特開平2−1
21842号公報、特開平2−187346号公報、特
開平3−101954号公報、特開平3−101960
号公報参照)や、インクジェット記録ヘッドのインク流
路の加工(特開平2−121845号公報、特開平1−
294047号公報参照)等、微細な加工に用いられて
いる。
【0007】なお、上記インクジェット記録ヘッドは、
インクジェット記録方式の中でも、特にバブルジェット
方式の記録ヘッドに採用されている。そして、上記バブ
ルジェット方式の記録装置の代表的な構成および原理
は、例えば米国特許第4723129号、同第4740
796号明細書等に開示されており、いわゆる、オンデ
マンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能で
ある。この方式は、例えばオンデマンド型をあげて説明
すると、液体(インク)が保持されているシートや液路
(インク流路)に対して電気熱変換体を配設し、この電
気熱変換体に駆動信号に応じた熱エネルギーを発生さ
せ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を起こし、結果的に
上記駆動信号に一対一で対応した気泡を液体(インク)
内に形成し、この気泡の成長、収縮で吐出口より液体
(インク)を液滴の形で吐出させるのである。ここで与
えられる駆動信号は、米国特許第4463359号、同
第4345262号明細書に開示されているようなパル
ス信号が望ましい。また、上記熱作用面の温度上昇率に
ついては米国特許第4313124号明細書に開示され
た条件が採用されるとよい。
【0008】上記インクジェット記録ヘッドの構成は、
上述した各明細書に記載されているような吐出口(オリ
フィス)、直線状または直角な液路(インク流路)、電
気熱変換体の組合せで成るが、この他にも、熱作用部が
屈曲する領域に配置されている、例えば米国特許第45
58333号、同第4459600号明細書に開示され
ている構成であってもよい。さらには、上記インクジェ
ット記録ヘッドの構成は複数の電気熱変換体に対して、
共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成、
例えば特開昭59−138461号公報に記載の構成、
あるいは熱エネルギーの圧力波を吸収する開孔を吐出部
に対応した構成、例えば特開昭59−138461号公
報に記載の構成であってもよい。なお、上述した明細書
に記載のインクジェット記録ヘッドは、複数の記録ヘッ
ドを組み合せて所定幅に対応できる長さを確保している
が、1つの記録ヘッドで所定幅(記録装置が記録できる
最大記録媒体の幅)に対応した長さに構成してもよい。
【0009】また、上記インクジェット記録ヘッドの構
成は、装置本体に装着されることで電気的な接続がで
き、またインクの供給をうける交換可能なチップタイプ
あるいは記録ヘッド自体に設けられるカートリッジタイ
プとしてもよい。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開平5−208503の記載では、フィルター部はホ
ウ素イオンの打ち込みによってエッチング液に対する耐
性を変化させてパターニングすることによって得られる
ものであり、ヘッド製造の工程数が非常に多くなる。ま
た、インク液室上部のインク供給口にフィルターを設け
るため、インク液室間などに工程で付着したゴミなどに
対する対策がなされていない。
【0011】また、特開平5−4348では樹脂にフィ
ラーを混入するため、フィルターの孔径を自由に設定す
ることが困難である。また、特開平3−180355に
おいても、ステンレススチールメッシュフィルターの埋
め込みによる工程数の増加は避けられない。
【0012】さらに、このようなインクジェット記録ヘ
ッドの部品などのワークに対して、微細な溝などをレー
ザ加工装置を用いて加工する場合、加工形状がレーザの
照射方向に対して壁面が立体的な形状であるときには、
1回の加工では壁面が立体的な溝を形成できず、2種類
以上のマスクを用いて多段階の加工を行なわなければな
らない。そのため加工に非常に時間がかかるという問題
点があった。さらに、2回目以降の加工に際しては、1
回目の加工位置に対して正確な位置合わせを行なう必要
があり、位置合わせのための画像処理やワーク移動系の
ステージなどに高い精度が要求されるため、装置自体も
大がかりなものとなってしまう。
【0013】一方、インクジェット記録ヘッドにおい
て、インクの吐出口側への供給力の制御や、インクの発
泡エネルギーが吐出口とは反対側へ逃げないようにして
インクの吐出特性を向上させるために、インク流路内に
インクの流通の抵抗となる突状部を形成したものもあ
る。このような突状部付きのインク流路を形成するため
に、従来のレーザ加工装置を用いて突状部付きの溝を加
工すると、上述した理由により生産性が損なわれてしま
う。
【0014】本発明は、上記問題点を鑑みてなされたも
のであり、多ノズル化やオリフィス径の縮小化に伴って
大きくなる製造時もしくはインク流入時などに混入する
ゴミの影響を低減する手段を有するインクジェット記録
ヘッドおよびその製造方法を提供することを主たる目的
とする。
【0015】また本発明は、レーザの照射方向に対して
立体的な形状を1回の加工で行なうことにより、ワーク
を効率的に加工できるレーザ加工装置を提供することを
目的とする。また、このようなレーザ加工装置で加工さ
れることにより、生産性が損なわれずに吐出特性が優れ
たインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、レーザ加工により、インクを吐出する吐
出口に連通するインクの通路を形成するための凹部を基
板に形成するとともに、該形成と一括して前記通路にフ
ィルターを形成する工程と、前記基板の前記凹部が形成
された側を別の基板に接合することによって前記通路を
形成する工程と、を含むことを特徴とするインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法を提供する。
【0017】さらに本発明は、インクを吐出する吐出口
に連通するインクの通路を有するインクジェット記録ヘ
ッドにおいて、前記インクの通路にフィルターを有し、
該インクの通路と該フィルターとが、レーザ加工により
一括形成されたものであることを特徴とするインクジェ
ット記録ヘッドを提供する。
【0018】さらに、上記目的を達成するため本発明の
レーザ加工装置は、レーザ光源と、ワークの加工形状に
対応した所定のパターンを有し、このパターンを介して
前記レーザ光源からのレーザ光を前記ワーク側に透過さ
せるマスクを備えるマスク部と、前記レーザ光の光束内
でかつ前記マスクの面と距離をおいた位置に前記マスク
部に取り付け可能に配された、前記レーザ光の少なくと
も一部を反射もしくは吸収する部材と、を有し、前記レ
ーザ光により、インクジェット記録ヘッドにおけるイン
クを吐出する吐出口に連通するインクの通路を形成する
ための凹部を前記マスクを用いて基板に形成するととも
に、該形成と一括して前記反射もしくは吸収する部材を
用いて前記通路にフィルターを形成することを特徴とす
る。
【0019】また、前記レーザ光源からのレーザ光を整
形するビーム整形光学系、前記マスクを照明する照明光
学系、あるいは前記マスクのパターンの像を前記ワーク
の加工面に所定の倍率で結像させる投影光学系のうち、
すくなくとも1つが設けられているものであってもよい
し、前記マスクが前記ワークに密着して配置されるもの
であってもよい。
【0020】さらに、前記レーザ光の少なくとも一部を
反射もしくは吸収する部材が、前記マスクに対して相対
的に位置調整可能に取り付けられているものとしたり、
前記マスクに対して固定して取り付けられているものと
することもできる。
【0021】そして、前記レーザ光の少なくとも一部を
反射もしくは吸収する部材は、前記レーザ光の透過率が
領域によって異なっているものでもよい。
【0022】また、前記レーザ光源は、パルス紫外線レ
ーザを発するものであってもよく、この場合には、前記
パルス紫外線レーザは、Xe−Clエキシマレーザ、K
r−Fエキシマレーザ、Ar−Fエキシマレーザ、YA
Gレーザの4次高調波、YAGレーザの基本波と2次高
調波とのミキシング波、窒素ガスレーザのいずれかを用
いることができる。
【0023】本発明のインクジェット記録ヘッドは、イ
ンクを吐出するために利用されるエネルギーを発生する
エネルギー発生素子が設けられた基板と、前記基板に接
合された板部材とを有し、前記板部材には前記基板と
接合されることでインクを吐出する吐出口に連通する通
を構成するための凹部と、該凹部に設けられ、フィル
ターとしての機能を有する突状部とが形成され、前記
に対応するパターンを有するマスクを備えるととも
に、前記突状部に対応して前記レーザ光の少なくとも一
部を反射もしくは吸収する部材が取り付けられた上記本
発明のレーザ加工装置によって、前記凹部と前記突状部
加工されたことを特徴とする。
【0024】また、前記板部材はポリマー樹脂で構成さ
れ、前記レーザ加工装置のレーザ光源としてパルス紫外
線レーザを発するものを用いたものであってもよい。
【0025】さらに、前記エネルギー発生素子は、イン
クを吐出するために利用される熱エネルギーを発生する
ための電気熱変換体であってもよく、この場合に、前記
電気熱変換体によって印加される熱エネルギーにより、
インクに生じる膜沸騰を利用して前記吐出口よりインク
を吐出させるものであってもよい。
【0026】そして本発明のインクジェット記録装置
は、上記本発明のインクジェット記録ヘッドを備え、記
録信号に基づいてインクを前記インクジェット記録ヘッ
ドの吐出口から吐出して記録を行なうものである。
【0027】上記のとおり構成された本発明のレーザ加
工装置では、レーザ光の光束内で、かつ、マスクの面と
距離をおいた位置に、レーザ光の少なくとも一部を反射
もしくは吸収する部材が取り付け可能となっているの
で、例えば溝加工を行なう場合、前記部材の位置に対応
する部位においてワークに照射されるレーザ光のパワー
が他の部位よりも弱くなり、レーザ光の照射方向に対し
て立体的な形状が1回の加工で行なえる。そして、1回
の加工で立体的な形状が加工できるので、2回目以降の
加工の際の位置合わせ手段も必要なくなり、装置構成が
簡略化される。
【0028】また、前記部材がマスクに対して相対的に
位置調整可能に取り付けられることで、マスクのパター
ンに対応するワークの加工部に対して、立体的な部位の
位置や高さが調整可能となり、前記部材がマスクに対し
て固定して取り付けられることで、ワークの加工形状が
一義的に定まる。さらに、前記部材が、レーザ光の透過
率が領域によって異なるものとすることで、より複雑な
形状の加工が可能となる。そして、レーザ光源が、パル
ス紫外線レーザを発するものとすることで、ポリマー樹
脂の加工がきれいに行なわれる。
【0029】本発明のインクジェット記録ヘッドおよび
インクジェット記録装置では、板部材に形成される溝
が、本発明のレーザ加工装置により加工されるので、1
回の加工で突状部付きの溝が形成される。突状部は、イ
ンクの吐出口側への供給力の制御や、インクの発泡エネ
ルギーが吐出口とは反対側へ逃げないようにしてインク
の吐出特性を向上させるために、インク流路内にインク
の流通の抵抗として作用する。その結果、突状部を設け
ない場合と比較して吐出特性が優れ、しかもその生産性
は損なわれない。
【0030】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0031】図1(A)は、本発明のインクジェット記
録ヘッドの1実施態様を示す概略図である。同図におい
て、71は液体吐出エネルギー発生素子、72は液体吐
出エネルギー発生素子を形成した第1基板、73は液体
吐出エネルギー発生素子71の配置部位に対応したイン
ク路を形成するための凹部、74は共通液室、75はイ
ンク路を形成するための凹部73と共通液室部74を有
する第2基板、76はインク路を形成するための凹部7
3に連通してインクを吐出するための吐出口、77は柱
状部材、78は柱状部材77からなるフィルター部であ
る。ここでは、インク路(流路)と共通液室とを含めて
「通路」と総称する。
【0032】この場合は、フィルター部をインク流路内
に設けているが、フィルター部は、ゴミによるインク不
吐出を防止する効果があれば共通液室およびインク流路
からなる領域のいずれの位置にどのような形態で設置さ
れていてもよく、例えば図3に示すように共通液室内の
インク流路が開口している面に平行に柱状部材を並べた
形態であっても、図5に示すように吐出口の直前に設け
られていてもよく、さらに図6に示すように柱状部材の
一端がインク流路壁面に接しておりその柱状部材に隣り
合う柱状部材は反対の流路壁面に接している形態のもの
であってもよい。また、フィルター部を設ける箇所は1
箇所に限らず、1本のインク流路内に複数箇所あるいは
インク流路内と共通液室内の両方に設けることなども可
能である。
【0033】以上のようなフィルター部78を有するイ
ンクジェット記録ヘッドの製造方法の1実施態様でレー
ザー加工による製造を図2の概略図を用いて説明する。
同図において、79は第2基板75となるべき樹脂基材
75aを加工するレーザー光、80はインク路を形成す
るための凹部73となるべき溝部73a(あるいは共通
液室の一部または全体となるべき共通凹部も含めて)と
柱状部材77を形成するためのマスク、81はレーザー
光を反射あるいは吸収することによってレーザー光を透
過しないコーティング層、82はマスク80を固定する
マスクホルダー、83はマスクホルダー82を支える板
部材A、84は樹脂基材75aを固定する樹脂ホルダ
ー、86は樹脂ホルダー84を支える板部材Bである。
【0034】第2基板の材料としては樹脂を用いるが、
好ましくはポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテル
サルフォンなどを用い、さらに加工性の点から好ましい
樹脂としてポリサルフォンを用いる。
【0035】レーザー光79としては、例えば波長24
8nmのエキシマレーザー光などを用いる。マスク80
はレーザー光を透過する材料、例えば石英やガラスを基
材としたものとする。
【0036】マスク80に形成されたインク流路および
共通液室のパターンの任意の位置に柱状部材となるべき
パターンがレーザー光を透過しない材料で形成されてい
る(図2ではインク流路パターン内に形成した例を示し
ている)。
【0037】共通液室の一部または全体、インク流路と
なるべき溝および柱状部材は別個に形成してもあるいは
同時に形成しても本発明の記録ヘッドに用いる第2基板
を形成することは可能であるが、上記のようにこれらを
同時に形成する場合の方がコスト面および操作の煩雑さ
回避の面で有利である。
【0038】このようにして製造した第2基板を第1基
板と接合して得られるインクジェット記録ヘッドは、柱
状部材からなるフィルター部を有することから、インク
内のゴミによるインク不吐出が低減され、良好な印字品
位を与える。
【0039】さらに本発明の方法ではフィルター部を任
意の位置に設けることができ、しかもフィルター隙間を
自由に設定できることから、ゴミ対策だけでなく、高周
波数印字におけるメニスカス後退量を抑制する効果もあ
る。そのため、吐出安定性が向上し、高速印字が可能と
なる。
【0040】
【実施例】
(実施例1)以下に、本発明を実施例に基づいて説明す
る。
【0041】図1(A)は、本発明のインクジェット記
録ヘッドの概略図である。同図において、71は液体吐
出エネルギー発生素子、72は液体吐出エネルギー発生
素子を形成した第1基板、73は液体吐出エネルギー発
生素子71の配置部位に対応したインク路を形成するた
めの凹部、74は共通液室、75はインク路を形成する
ための凹部73と共通液室部74を有する第2基板、7
6はインク路を形成するための凹部73に連通してイン
クを吐出するための吐出口、77は柱状部材、78は柱
状部材77を有してなるフィルター部である。
【0042】液体吐出エネルギー発生素子71として
は、熱エネルギー発生素子を用いた。第1基板72とし
ては、5インチシリコンウェハーから切り出された薄板
を用いた。第2基板75としては、成形、レーザー加工
の容易なポリサルフォン等の樹脂に対し、予め樹脂成型
段階で図1(B)に示された共通液室用の型74aを用
いて共通液室用凹部を形成したものを用いた。
【0043】以上のようなフィルター部78を有するイ
ンクジェット記録ヘッドの製造方法について図2の概略
図を用いて説明する。同図において、79は第2基板7
5を加工するレーザー光、80はインク路を形成するた
めの凹部73と柱状部材77を形成するためのマスク、
81はレーザー光を反射あるいは吸収するコーティング
層、82はマスク81を固定するマスクホルダー、83
はマスクホルダー82を支える板部材A、84は第2基
板75を固定する樹脂ホルダー、86は樹脂ホルダー8
4を支える板部材Bである。レーザー光79としては、
波長248nmのエキシマレーザー光を用いた。マスク
80はレーザー光を透過する石英もしくはガラスを基材
としており、コーティング層81は蒸着されたニッケル
等からなる。インク路を形成するための凹部73と柱状
部材77を形成するためのマスク構造は、マスク80を
予めその形状にラミネートしたものにコーティング層を
施し、その後未感光ラミネート層を除去することによっ
て得た。フィルター部78における隙間の大きさはマス
ク80の設計によって容易に変えることができる。
【0044】本実施例では、樹脂基材75aに、加工面
でのレーザーエネルギー密度1J/cm2/パルスでレ
ーザーを200パルス照射することにより、 a)形状が50μm×50μm×500μm(図1の
(A方向寸法)×(B方向寸法)×(C方向寸法)を表
わす)のインク流路溝76をピッチ70μmで256本
配列し、1本のインク流路溝76の中に形状5μm×5
0μm×10μmの柱状部材77を図1のAの方向に2
本、Cの方向に2列並べて形成し、隙間13μmのフィ
ルター部78を一挙に加工することができた。
【0045】b)また、形状10μm×50μm×長さ
10μmの柱状部材77を図1のA方向に2本並べて形
成して隙間10μmのフィルター部78を前記レーザー
照射条件下で一挙に加工することもできた。
【0046】c)同様に、図1のC方向に2列並べる構
造においても一括で加工することが可能であった。
【0047】本実施例は、複数の流路に連通する比較的
大きい共通液室を樹脂成型によって予め形成し、比較的
微細な流路をレーザー加工によってフィルターとともに
形成するものである。このように、本実施例に示した製
造例は、それぞれの加工方法の特徴を生かしたものとな
っており、好ましいものである。
【0048】このようなフィルター部78を設けること
により、印字に際してのゴミによる不吐出発生率が、上
記のa)〜c)のいずれのヘッドにおいても、フィルタ
ー部78を有しないヘッドより5%ほど減少した。
【0049】また、このフィルター部78を有するイン
クジェット記録ヘッドによって印字した結果、フィルタ
ー部78がないヘッドの場合には印字品位が低下する高
駆動周波数下においても、良好な印字品位を得ることが
できた。
【0050】(実施例2)次に、本発明の別の実施例を
示す。実施例1で述べたフィルター部を共通液室に設け
たインクジェット記録ヘッドの概略図を図3に示す。ま
たそのヘッドの製造の際に使用したマスク80の形状を
図4に示す。
【0051】形状が10μm×50μm×10μm(A
方向×B方向×C方向)の柱状部材77を、隙間が10
μmとなるように共通液室74に、図3に示したように
2列に並べた。柱状部材は、実施例1と同様、レーザー
加工で一括して加工することができ、製造されたインク
ジェット記録ヘッドの歩留りと印字品位はともに向上し
た。
【0052】(実施例3)次に、本発明の別の実施例を
示す。図5は、フィルター部を液体吐出エネルギー発生
素子とオリフィスとの間に設けたインクジェット記録ヘ
ッドの概略図である。インク流路溝76に、形状が5μ
m×50μm×5μm(A方向×B方向×C方向)の柱
状部材77をA方向に2本、1列に並べ、13μmの隙
間を有するフィルター部78をレーザー加工にて実施例
1と同条件で製造することができた。また、製造された
インクジェット記録ヘッドの歩留りと印字品位はともに
向上した。
【0053】(実施例4)次に、本発明の別の実施例を
示す。図6に示すように、インク流路溝76に、形状が
30μm×50μm×10μm(A方向×B方向×C方
向)でインク流路溝76の1側面に接する柱状部材77
を、交互に2列並べ、隙間20μmのフィルター部78
を有するインクジェット記録ヘッドを製造した。
【0054】レーザー加工は実施例2と同様の条件で行
うことができ、製造されたインクジェット記録ヘッドの
歩留りと印字品位は向上した。また、この場合のフィル
ター部78を作るマスク80は、実施例2で用いたもの
と同様の構造となるようにコーティング層81を蒸着さ
せることによっても作製できるが、Niなどの金属をエ
ッチング加工することによっても作製することができ
る。
【0055】(実施例5)図7は、本発明のレーザ加工
装置の第1実施例の概略構成図である。図7に示すよう
に、本実施例のレーザ加工装置は、レーザ光2を発する
レーザ光源としてのレーザ発振器1と、レーザ発振器1
からのレーザ光によりワークWの加工を行なう加工系が
設けられた装置フレーム6と、ワークWの加工に関する
情報処理および制御を行なう情報処理・制御系7とを有
する。
【0056】レーザ発振器1から発生されたレーザ光2
は、その一部がビームスプリッター3に反射され、この
反射光はパワーディテクター4によってモニターされ
る。一方、ビームスプリッター3を透過したレーザ光2
は、2つの45°全反射ミラー5で反射されて装置フレ
ーム6に入射される。ビームスプリッター3としては、
合成石英の平行平面板を用い、表面反射のみでレーザ光
2の一部を分離している。
【0057】装置フレーム6は、光学系8と、ワークW
の位置を観察および測定する観察・測定系9と、マスク
部10と、ワークWを移動させるためのワークステーシ
ョン11とを有する。光学系8は、装置フレーム6に入
射されるレーザ光2の光軸a上に配置されたビーム整形
光学系およびケラー照明光学系8aと、マスク部10の
像をワークWの加工面に結像させる投影光学系8bとを
有し、ビーム整形光学系およびケラー照明光学系8aと
投影光学系8bとの間にマスク部10が配置されてい
る。なお、投影光学系8bには、マスク部10の耐久性
を考慮し、縮小光学系を用いるとよい。本実施例では、
4分の1倍縮小の投影光学系8bを用いた。
【0058】上記光軸aに対するワークWの傾きを調整
するために、ワークステーション11は、適宜な調整手
段を備えるとよい。例えば、互いに直交する3軸と、2
つの軸回りの回転の5軸について自由度を持つステージ
の組合せでワークステーション11を構成してもよい。
回転調整のための中心をワークWの加工中心に合わせる
構成にすることで、調整手段の制御を簡素化することが
できる。
【0059】ワークステーション11上でのワークWの
位置決めのために、ワークWをワークステーション11
に取り付ける治具11aには、ワークステーション11
上に配置したワークWに突き当てる複数の基準ピンが設
けられているとよい。また、治具11a上に、上記突き
当て機構の他に、エアー吸引などによるクランプ機構を
設けて、これをオートハンドと一体化し、ワークステー
ション11へのワークWの自動供給を可能にするとよ
い。また、ワークWを複数個同時にワークステーション
11にセットすることで、とりおき時間を短縮するよう
にしてもよい。ただし、この場合には、調整手段の回転
方向の1軸については、これをワークWの中心に位置で
きないので、測定時とワークWの移動時とで、基準値の
変換を行なう必要がある。
【0060】観察・測定系9は、対物レンズを備えた鏡
筒9aと、鏡筒9aに組み込まれた落射照明光源9b
と、鏡筒9aに接続されたCCDカメラセンサ9cとか
らなる1対の観測器、および光軸a上に配置された2面
のミラー9dにより構成されている。各測定器およびミ
ラー9dは、投影光学系8bとワークステーション11
との間に配置されており、レーザ照射時にはミラー9d
は光軸aから外れ、測定時にのみ光軸a上に移動するよ
うにしている。本実施例では、ミラー9dの移動を、エ
アシリンダ機構により制御している。
【0061】情報処理・制御系7には、観察・測定系9
からのワークWの位置データ、およびパワーディテクタ
ー4からのビームパワーのデータは、情報処理・制御系
7にフィードバックされる。まず、観察・測定系9によ
る測定結果が、各測定器ごとに画像処理系7aにもたら
され、信号処理の結果を制御系7bに与える。制御系7
bでは上記測定結果に基づいてワークWの移動距離を算
出し、ワークステーション11におけるステージ移動を
移動手段7cで行なわせる。そして、観察・制御系9の
値が一定値になると移動手段7cによる位置調整を終了
し、ミラー9dを光軸aからずらし、レーザ発振器1に
対してレーザ光2の発光を行なわせる信号を一定時間あ
るいは一定パルス数、与える。また、パワーディテクタ
ー4からのビームパワー情報は、制御系7bにフィード
バックされ、インターフェース7dを介してレーザ発振
器1に与える出力の調整を行なう。
【0062】本発明のレーザ加工装置で使用するレーザ
発振器1としては、YAGレーザ発振器や、CO2レー
ザ発振器や、エキシマレーザ発振器や、N2レーザ発振
器等、高出力のものが適用できるが、本実施例では、ワ
ークWとしてポリマー樹脂の一種であるポリサルフォン
樹脂を用いており、以下に述べる理由により、エキシマ
レーザ発振器、その中でも特にKr−Fエキシマレーザ
発振器を用いている。
【0063】エキシマレーザは、紫外光を発振できるレ
ーザであり、高強度のエネルギーを出力でき、単色性に
優れ、指向性がよく、短パルス発振ができるだけでな
く、レンズで集光することによりエネルギー密度を大き
くできる利点がある。すなわち、エキシマレーザ発振器
は希ガスとハロゲンの混合気体を放電励起することで、
短パルス(15〜35ns)の紫外光を発振でき、Kr
−F、Xe−Cl、Ar−Fレーザ等がよく用いられ
る。これらの発振エネルギー数は100mJ/パルス、
パルスの繰返し周波数は30〜100Hzである。この
ように、高輝度の短パルス紫外光をポリマー樹脂の表面
に照射すると、照射部分が瞬間的にプラズマ発光と衝突
音を伴って分解、飛散する。いわゆる、”ABLATIVE PHO
TODECOMPOSITION (APD) ”過程を生じ、これによってポ
リマー樹脂の加工ができるのである。これは、他のレー
ザ、例えば赤外線であるCO2レーザによる孔明けの場
合と明らかな差を生じる。例えば、ポリイミド(PI)
フィルムにエキシマレーザ(Kr−Fレーザ)を用いて
レーザ光を照射すると、PIフィルムの光吸収波長がU
V領域にあるため、きれいな孔を明けることができる
が、UV領域にないYAGレーザでは孔のエッジが荒
れ、CO2レーザでは孔の周囲にクレータができるので
ある。
【0064】このように、紫外光を発振できるレーザは
ポリマー樹脂の加工性に優れているが、紫外光を発振で
きるレーザとして、エキシマレーザの他にも、YAGレ
ーザの4次高調波、YAGレーザの基本波と2次高調波
とのミキシング光、N2レーザが挙げられ、これらも本
発明では使用できる。
【0065】次に、ワークWについて説明する。本実施
例で加工されるワークWは、インクジェット記録装置に
用いられるインクジェット記録ヘッドを構成する部品の
1つ、具体的には、図8および図9に示したインクジェ
ット記録ヘッドの板部材としての天板19である。ここ
で、インクジェット記録ヘッドについて図8および図9
を用いて説明する。インクジェット記録ヘッドは、イン
クを吐出するために利用されるエネルギーを発生するエ
ネルギー発生素子がパターニングされているシリコン製
の基板20と、基板20に接合された天板19とで構成
されている。エネルギー発生素子としては、印加電圧が
供給されて熱エネルギーを発生させる電気熱変換体18
(発熱抵抗体など)を用いている。この電気熱変換体1
8は複数個、並列に配置され、電気熱変換体18に電力
を供給するアルミニウム等の配線とともに、成膜技術に
より基板20上に一体的に形成されている。一方、天板
19には、各電気熱変換体18に対応して形成され、そ
れぞれインク流路14を構成する溝19bと、各インク
流路14に供給されるインクを一時的に収納するインク
液室13を構成する凹部19aと、インクタンク(不図
示)からのインクをインク液室13に導入するためのイ
ンク供給口12と、各インク流路14に対応した複数の
吐出口16が形成されたオリフィスプレート17とが一
体的に設けられている。また、各溝19bの中間部の底
壁にはそれぞれ突状部15が形成され、インク流路14
の中間部においてインク流路14の断面が小さくなって
いる。この突状部15は、インク流路14内でのインク
の流通の際の抵抗として作用し、電気熱変換体18によ
るインク発泡のエネルギーがインク液室13側に逃げな
いようにすることにより、インクの吐出特性を向上させ
るためのものである。上記構成に基づき、電気熱変換体
18に電力を供給することによって電気熱変換体18に
熱エネルギーが発生し、電気熱変換体18上のインクに
膜沸騰が生じてインク流路14内に気泡が形成される。
そしてこの気泡の成長によって、吐出口16からインク
滴が吐出される。
【0066】上述した天板19(ワークW)の、突状部
15付きの溝19bが、本実施例のレーザ加工装置によ
り、図10に示すように基板20(図9参照)との接合
面側からレーザ光2を照射して加工される。また、吐出
口16も、本実施例のレーザ加工装置で加工される。な
お、吐出口16は、溝19bの加工前に加工してもよい
し、溝19bの加工後に加工してもよい。本実施例で
は、溝19bの加工後に、溝19b側からのKr−Fエ
キシマレーザ照射により吐出口16の加工を行なった。
また、ワークWは、耐インク性に優れるポリサルフォ
ン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイ
ド等を材料として射出成形により形成するとよい。本実
施例では、ポリサルフォンの射出成形によって形成し
た。また、溝19bの加工時に、レーザ光2がオリフィ
スプレート17に遮られるのを防ぐため、ワークWは光
軸aに対して少し傾けたほうがよい。本実施例では、ワ
ークWを光軸aに対して約5°傾けて溝19bの加工を
行なった。
【0067】次に、マスク部10について図11を参照
して説明する。図11は、図7に示したマスク部の斜視
図である。図11において、X方向、Y方向およびZ方
向に微小移動可能に装置フレーム6(図7参照)に設け
られた第2の可動機構21には板部材23が固定されて
いる。板部材23のレーザ光源側端部には、X方向、Y
方向およびZ方向に微小移動可能な第1の可動機構22
を介して、突状部15(図9参照)を形成するための、
レーザ光の少なくとも一部を反射もしくは吸収する部材
としての突状部形成用部材25を着脱自在に保持するホ
ルダー24が設けられている。また、板部材23のワー
クW(図7参照)側端部には、溝19b(図9参照)を
形成するためのマスク27を着脱自在に保持するマスク
ホルダー26が固定され、マスク27と突状部形成用部
材25とは、レーザ光2の光束内で、レーザ光2の光軸
方向に距離Lだけ離れて互いに平行に配置されている。
これにより、突状部形成用部材25はマスクに対して
X、Y、Z方向に位置調整可能で、マスク27はレーザ
光2の光軸方向に対してX、Y、Z方向に位置調整可能
となっている。第1の可動機構22や第2の可動機構2
1は、それぞれ3軸以上の可動ステージであることが好
ましい。また、第1の可動機構22は、マスクホルダー
26に取り付けられていてもよい。
【0068】マスク27は、溝19bのパターンが4倍
の大きさで形成されたものであり、マスク27を透過し
たレーザ光2が前述したように投影光学系8b(図7参
照)で4分の1に縮小されるので、ワークWには所望の
大きさのパターンが決像される。また、マスク27の材
料としては、大気の雰囲気においてエキシマレーザのレ
ーザ光2を照射されても影響のないように、ステンレ
ス、Ni、リン青銅、Al、不透明なセラミックス、反
射コーティングを施した石英板、Si等が用いられる。
本実施例では、リン青銅の板にエッチング等によってパ
ターンを形成したものを用いている。
【0069】一方、突状部形成用部材25は、突状部1
5(図9参照)に対応する部位に、レーザ光2を透過し
ない部材を設けたもので、本実施例では、リン青銅の枠
材に、レーザ光2を透過しない部材としてワイヤーボン
ディング用のφ50μmのAlワイヤーを貼り付けたも
のを用いた。なお、本実施例で用いた投影光学系ではマ
スク像が左右上下逆転して投影されるため、突状部形成
用部材25はこの点に留意して配置しなければならな
い。
【0070】以上の構成で、図9に示した天板19の溝
19bを形成した。図9に示した突状部15の高さh
は、図10に示したマスク27の面から突状部形成用部
材25までの距離Lを変えることで調整することができ
る。本実施例では、距離Lは20mmに設定した。ま
た、溝19bに対する突状部15の位置についても、図
10に示した第1の可動機構によりホルダー24をZ方
向に調整することで任意に変えることができる。本実施
例では、ワークWの加工面上でのレーザエネルギー密度
を1J/cm2・pulsで200puls照射するこ
とにより、高さ×幅×長さが50μm×50μm×50
0μm、本数が64本、ピッチが70μmで、しかも高
さが30μmの突状部15を有する溝19bを、1回の
加工で形成することができた。これにより、生産性を低
下させることなく、吐出特性に優れたインクジェット記
録ヘッドが得られる。
【0071】(実施例6)図12は、本発明のレーザ加
工装置の実施例6のマスク部の斜視図である。本実施例
では、マスク47をレーザ光源側に配し、突状部形成用
部材45を配した点が実施例5と異なっている。すなわ
ち、板部材43のレーザ光源側端部にマスク47が固定
され、ワーク側端部に第1の可動機構42を介して突状
部形成用部材45が設けられている。マスク部40のそ
の他の構成を含む、レーザ加工装置全体の構成は実施例
5のものと同様なので、その説明は省略する。
【0072】このようなマスク部40を用い、実施例5
で示したものと同様のワークに、第実施例5と同様の加
工条件で溝の加工を行なったところ、1回の加工で図1
0に示したものと同等のものが得られた。本実施例にお
いても、突状部15の高さは、マスク47の面から突状
部形成用部材45までの距離−Lを変化させることで調
整することができる。
【0073】(実施例7)上述した実施例5および6で
は、マスクと突状部形成用部材との相対的な位置関係を
調整可能に設けた例を示した。しかし、レーザ加工装置
で加工される溝に対する突状部の位置および高さが決定
されれば、同じ仕様のワークに対しては、マスクと突状
部形成用部材との相対的な位置調整は必要なくなる。
【0074】そこで本実施例では、図13に示すよう
に、板部材63に固定されたマスクホルダー66にはマ
スク67が着脱自在に保持され、このマスク67に2つ
のスペーサ68を一体的に設け、各スペーサ68の先端
に、レーザ光の少なくとも一部を反射もしくは吸収する
部材として、ワイヤーボンディング用のφ50μmのA
lワイヤー65をUV硬化型接着剤で固定している。各
スペーサ68の固定位置およびマスク67の面からAl
ワイヤー65までの距離Lは、図10に示した溝19b
に対する突状部15の位置および突状部15の高さに応
じて決められる。その他の構成については実施例5のも
のと同様であるので、その説明は省略する。 このよう
なマスク部60を用い実施例5で示したものと同様のワ
ークに、実施例5と同様の加工条件で溝の加工を行なっ
たところ、1回の加工で図10に示したものと同等のも
のが得られた。なお、Alワイヤー65は、図13に示
したようにマスク67に対してレーザ光源側に設けても
よいし、その逆にワーク側に設けてもよい。また、各ス
ペーサ68は、マスク67を保持するマスクホルダー6
6に取り付けてもよい。
【0075】以上説明したように、マスク67とAlワ
イヤー65との位置関係を固定することで、ワークの加
工形状が一義的に定まり、ワークに形成される突状部の
位置や高さを間違えることがなくなる。
【0076】(実施例8)図14は、本発明のレーザ加
工装置の実施例8のマスク部の斜視図である。本実施例
では、突状部形成用部材85が、実施例5のものと異な
っている。その他の構成については実施例5のものと同
様であるのでその説明は省略し、以下に、本実施例で用
いた突状部形成用部材85について説明する。
【0077】突状部形成用部材85は合成石英基板から
なるもので、その外周部(斜線で示した部位)には、波
長248nmの光の全反射膜85aがコーティングされ
ている。また、全反射膜85aで囲まれた領域の下部
(横線で示した部位)には、波長248nmの光を30
%透過する透過膜85bがコーティングされている。
【0078】このようなマスク部90を用いて、実施例
5と同様の加工条件で溝加工を行なったワークWを図1
5に示す。図15に示すように、レーザ光の照射によっ
て加工された溝99bの凹部99a側端部には突状部9
5が段状に形成され、溝99bの深さは、突状部95が
形成された部位においては浅くなっている。このような
溝99bが形成されたワークWを天板として、エネルギ
ー発生素子が設けられた基板に接合し、インクジェット
記録ヘッドを作製する。これにより、溝99bと基板と
でインク流路が形成され、凹部99aと基板とでインク
液室が形成される。インク液室には突状部95が形成さ
れており、これがインク流通の際の抵抗として作用する
ので、この突状部95により、インクの吐出口96側へ
の供給力が制御されるとともに、インクの発泡エネルギ
ーがインク液室側へ逃げるのが防止される。
【0079】本実施例では、深さ×幅が50μm×50
μm、突状部95の高さhが35μm、段部におけるテ
ーパの寸法lが10μmの溝99bが、1回の加工で形
成された。突状部95の高さhは、図14に示した透過
膜85bの透過率を変えることで調整でき、段部におけ
るテーパの寸法lは、図14に示したマスク87の面か
ら突状部形成用部材85までの距離Lを変化させること
で調整できる。また、本実施例では突状部95が1段の
場合について述べたが、突状部形成用部材85に、レー
ザ光の透過率が異なる複数種の透過膜をコーティングす
れば、複数段の突状部を形成することができる。
【0080】上述した各実施例では、投影光学系8b
(図7参照)を用いた例を示したが、投影光学系8bを
用いないでワークとマスクとを密着させて加工を行なう
コンタクト型の加工装置にも適用することができる。ま
た、上述した各実施例ではインクジェット記録ヘッドを
構成する部品の1つである天板の加工に用いた例を示し
たが、レーザ加工のみならず、半導体などの製造に用い
られる感光性樹脂の露光装置としても用いることができ
る。
【0081】次に、本発明のインクジェット記録装置の
1実施例について説明する。
【0082】図16において、所定の記録信号に基づい
てインクを吐出し、所望の画像を記録するインクジェッ
ト記録ヘッド101は、前述したインクジェット記録ヘ
ッドと同様の構成のものである。
【0083】インクジェット記録ヘッド101を搭載し
たキャリッジ102は、2本のガイド軸103、104
に矢印B方向に摺動自在に嵌合され、キャリッジモータ
105の出力軸に固着されたプーリ107と回転自在に
軸支されたプーリ106とにかけまわされたタイミング
ベルト108の一部位に結合されている。インクジェッ
ト記録ヘッド101は、キャリッジモータ105の駆動
力によりプーリ107が正転、逆転することによりタイ
ミングベルト108が正転、逆転し、矢印B方向に往復
移動する構成となっている。
【0084】被記録部材である記録紙109は、ペーパ
ーパン110によってガイドされ、ピンチローラで圧接
させられている図示しない紙送りローラによって搬送さ
れる。この搬送は、紙送りモータ116を駆動源として
行われる。搬送された記録紙109は、排紙ローラ11
3と拍車114とによりテンションを加えられていて、
弾性部材で形成される紙押え板112によってヒータ1
11に圧接させられているため、ヒータ111に密着さ
せられながら搬送される。インクジェット記録ヘッド1
01により噴射されたインクが付着した記録紙109
は、ヒータ111によって温められ、付着したインクは
その水分が蒸発して記録紙109に定着する。
【0085】回復ユニット115は、インクジェット記
録ヘッド101の吐出口16(図8参照)に付着した異
物や粘度の高くなったインクを除去することにより、吐
出特性を正規の状態に維持するためのものである。
【0086】前記回復ユニット115にはキャップ11
8aが設けられており、インクジェット記録ヘッド11
1の吐出口をキャッピングして、目詰まりの発生を防止
するためのものである。キャップ118aの内部にはイ
ンク吸収体118が配設されている。
【0087】また、前記回復ユニット115の記録領域
側には、インクジェット記録ヘッド101の吐出口が形
成された面と当接し、前記吐出口16が形成された面に
付着した異物やインク滴をクリーニングするためのクリ
ーニングブレード117が設けられている。
【0088】本発明のインクジェット記録ヘッド、レー
ザ加工装置およびインクジェット記録装置は、特にイン
クジェット記録方式の中でも熱エネルギーを利用して飛
翔的液滴を形成し、記録を行うインクジェット方式の記
録ヘッド、記録装置において、優れた効果をもたらすも
のである。
【0089】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式はいわゆるオンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路(インク流路)に対応し
て配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して
いて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも
一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体
に熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に
膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一対一で
対応した液体(インク)内の気泡を形成できるので有効
である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介し
て液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。
【0090】このパルス形状の駆動信号としては、米国
特許第4463359号明細書、同第4345262号
明細書に記載されているようなものが適している。な
お、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許
第4313124号明細書に記載されている条件を採用
すると、更に優れた記録を行なうことができる。
【0091】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路または直角液流路)の
他に、熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を
開示する米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書を用いた構成も本発明に含ま
れるものである。
【0092】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
としても本発明は有効である。
【0093】さらに、記録装置が記録できる最大記録媒
体の幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドとしては、上述した明細書に開示されているよう
な複数個の記録ヘッドの組み合わせによってその長さを
満たす構成や、一体的に形成された1個の記録ヘッドと
しての構成のいずれでもよい。
【0094】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的にインクタンクが設けら
れたカートリッジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも
本発明は有効である。
【0095】また、本発明の記録装置の構成として設け
られる、予備的な補助手段等を付加することは本発明の
効果を一層安定できるので好ましいものである。これら
を具体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての加圧あるい
は吸引手段、電気熱変換体あるいはこれとは別の加熱素
子あるいはこれらの組み合わせによる予備加熱手段、記
録とは別の吐出を行う予備吐出モードを行うことも安定
した記録を行うために有効である。
【0096】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによってで
もよいが、異なる色の複色カラー、または混色によるフ
ルカラーの少なくとも一つを備えた装置にも本発明は極
めて有効である。
【0097】以上説明した本発明実施例においては、イ
ンクを液体として説明しているが、室温やそれ以下で固
化するインクであって、室温で軟化するもの、もしくは
液体であるもの、あるいは上述のインクジェット方式で
はインク自体を30℃以上70℃以下の範囲内で温度調
整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあるように温
度制御するものが一般的であるから、使用記録信号付与
時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0098】加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温
をインクの固形状態から液体状態への状態変化のエネル
ギーとして使用せしめることで防止するか、またはイン
クの蒸発防止を目的として放置状態で固化するインクを
用いるかして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号
に応じた付与によってインクが液化し、液状インクとし
て吐出するものや、記録媒体に到達する時点では既に固
化し始めるもの等のような、熱エネルギーによって初め
て液化する性質のインクの使用も本発明には適用可能で
ある。このような場合インクは、特開昭54−5684
7号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記載
されるような、多孔質シート凹部または貫通孔に液状ま
たは固形物として保持された状態で、電気熱変換体に対
して対向するような形態としても良い。本発明において
は、上述した各インクに対して最も有効なものは、上述
した膜沸騰方式を実行するものである。
【0099】さらに加えて、本発明に係る記録装置の形
態としては、ワードプロセッサやコンピュータ等の情報
処理機器の画像出力端末として一体または別体に設けら
れるものの他、リーダと組み合せた複写装置、さらには
送受信機能を有するファクシミリ装置の形態を採るもの
であってもよい。
【0100】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
1回の加工でインク流路内部および/または共通液室内
部にフィルター部を設けることができる。また、このフ
ィルター部を設けることにより、インクジェット記録ヘ
ッド製造時におけるゴミ対策を施すことができ、歩留り
向上、ひいては加工費の低減を達成することができる。
さらに、フィルター部を任意の位置に設けることがで
き、しかもフィルター隙間を自由に設定できることか
ら、ゴミ対策だけでなく、高周波数印字におけるメニス
カス後退量を抑制する効果もある。そのため、吐出安定
性が向上し、高速印字が可能となる。
【0101】また、本発明のレーザ加工装置は、レーザ
光の光束内で、かつ、マスクの面と距離をおいた位置
に、レーザ光の少なくとも一部を反射もしくは吸収する
部材が取り付け可能となっているので、1回の加工で、
レーザ光の照射方向に対して立体的な形状を加工するこ
とができる。そして、1回の加工で立体的な形状が加工
できることにより、2回目以降の加工の際の位置合わせ
手段も必要なくなり、装置構成を簡略化することができ
る。その結果、ワークの加工コストを低減することがで
き、しかも、装置自体も安価なものとなる。
【0102】また、前記部材がマスクに対して相対的に
位置調整可能に取り付けられることで、ワークの加工部
に対する立体的な部位の位置や高さを調整することがで
き、前記部材がマスクに対して固定して取り付けられる
ことで、ワークの加工形状を一義的に定めることができ
る。さらに、前記部材が、レーザ光の透過率が領域によ
って異なるものとすることで、より複雑な形状でも加工
することができる。そして、レーザ光源が、パルス紫外
線レーザを発するものとすることで、ポリマー樹脂の加
工をきれいに行うことができる。
【0103】本発明のインクジェット記録ヘッドおよび
インクジェット記録装置は、板部材に形成される溝が、
本発明のレーザ加工装置により加工されるので、1回の
加工で突状部付きの溝を形成することができる。その結
果、突状部を設けない場合と比較して吐出特性が優れた
ものとなり、しかもその生産性は損なわれない。
【0104】また、板部材をポリマー樹脂で構成し、レ
ーザ加工装置のレーザ光源としてパルス紫外線レーザを
発するものを用いることで、溝の加工がきれいに行なわ
れ、結果としてインクの吐出を安定して行なうことがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の本発明のインクジェット記録ヘッド
に係わる図であり、(A)はヘッドの模式的斜視図であ
り、(B)はそのヘッドの共通液室用の型を示す模式的
斜視図である。
【図2】図1のヘッドの製造法を示す分解斜視図であ
る。
【図3】実施例2の本発明のインクジェット記録ヘッド
の模式的斜視図である。
【図4】実施例2で用いたマスク形状の模式図である。
【図5】実施例3の本発明のインクジェット記録ヘッド
の模式的斜視図である。
【図6】実施例4の本発明のインクジェット記録ヘッド
の模式的斜視図である。
【図7】実施例5のレーザ加工装置による加工を示す概
略構成図である。
【図8】本発明のレーザ加工装置で微細加工を行なった
インクジェット記録ヘッドの1例の斜視図である。
【図9】図8に示したインクジェット記録ヘッドの部分
断面図である。
【図10】図8および図9に示した天板となるワークの
部分断面図である。
【図11】図7に示したレーザ加工装置のマスク部の斜
視図である。
【図12】実施例6のレーザ加工装置によるマスク部の
加工を示す斜視図である。
【図13】実施例7のレーザ加工装置によるマスク部の
加工を示す斜視図である。
【図14】実施例8のレーザ加工装置によるマスク部の
加工を示す斜視図である。
【図15】図14に示したマスク部を用いたレーザ加工
装置で溝を加工したワークの部分断面図である。
【図16】本発明のインクジェット記録装置の1実施例
の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 レーザ光 3 ビームスプリッター 4 パワーディテクター 5 45°全反射ミラー 6 装置フレーム 7 情報処理・制御系 7a 画像処理系 7b 制御系 7c 移動手段 7d インターフェース 8 光学系 8a ビーム整形光学系およびケラー照明光学系 8b 投影光学系 9 観察・測定系 9a 鏡筒 9b 落射照明光源 9c CCDカメラセンサ 9d ミラー 10、40、60、90 マスク部 11 ワークステーション 11a 治具 12 インク供給口 13 インク液室 14 インク流路 15 突状部 16 吐出口 17 オリフィスプレート 18 電気熱変換体 19 天板 19a 凹部 19b 溝 20 基板 21 第2の可動機構 22、42 第1の可動機構 23、43、63 板部材 24 ホルダー 25、45、85 突状部形成用部材 26、66 マスクホルダー 27、47、67、87 マスク 65 Alワイヤー 68 スペーサ 71 液体吐出エネルギー発生素子 72 第1基板 73 インク路を形成するための凹部(溝) 73a 溝部 74 共通液室 75 第2基板 75a 樹脂基材 76 吐出口 77 柱状部材 78 フィルター部 79 レーザー光 80 マスク 81 コーティング層 82 マスクホルダー 83 板部材A 84 樹脂ホルダー 85a 全反射膜 85b 透過膜 86 板部材B 101 インクジェット記録ヘッド 102 キャリッジ 103、104 ガイド軸 105 キャリッジモータ 106、107 プーリ 108 タイミングベルト 109 記録紙 110 ペーパーパン 111 ヒータ 112 紙押え板 113 排紙ローラ 114 拍車 115 回復ユニット 116 紙送りモータ 117 クリーニングブレード 118 インク吸収体 118a キャップ W ワーク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 樫野 俊雄 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小野 敬之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小泉 寛 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 寺井 晴彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 林崎 公之 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 刈田 誠一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小俣 好一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 小山 修司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 石松 伸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 工藤 清光 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−254120(JP,A) 特開 平5−338186(JP,A) 特開 平3−221279(JP,A) 特開 平6−297167(JP,A) 特公 昭61−41678(JP,B2) 特公 昭62−54591(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/16 B41J 2/045 B23K 26/00

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ加工により、インクを吐出する吐
    出口に連通するインクの通路を形成するための凹部を基
    板に形成するとともに、該形成と一括して前記通路にフ
    ィルターを形成する工程と、 前記基板の前記凹部が形成された側を別の基板に接合す
    ることによって前記通路を形成する工程と、 含むことを特徴とするインクジェット記録ヘッドの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 前記通路が、前記吐出口に連通する流路
    と該流路の複数に連数する共通液室とを有する請求項1
    記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記フィルターが、前記流路内に設けら
    れた突状部である請求項2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記突状部が柱状である請求項3記載の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記フィルターが、前記共通液室内の前
    記流路への連通口の近傍に設けられた突状部である請求
    項2記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記突状部が柱状である請求項5記載の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記共通液室を成型によって形成し、前
    記流路をレーザ加工によって形成する請求項2記載の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記別の基板上の前記通路に対応する箇
    所に、前記吐出口からインクを吐出するために利用され
    るエネルギーを発生するエネルギー発生手段を設ける請
    求項1記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記エネルギー発生手段は、エネルギー
    として熱エネルギーを発生する電気熱変換体である請求
    項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 インクを吐出する吐出口に連通するイ
    ンクの通路を有するインクジェット記録ヘッドにおい
    て、 前記インクの通路にフィルターを有し、該インクの通路
    と該フィルターとが、レーザ加工により一括形成された
    ものであることを特徴とするインクジェット記録ヘッ
    ド。
  11. 【請求項11】 前記通路が、前記吐出口に連通する流
    路と該流路の複数に連通する共通液室とを有する請求項
    10記載のインクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記フィルターが、前記流路内に設け
    られた突状部である請求項11記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  13. 【請求項13】 前記突状部が柱状である請求項12記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  14. 【請求項14】 前記フィルターが、前記共通液室内の
    前記流路への連通口の近傍に設けられた突状部である請
    求項11記載のインクジェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記突状部が柱状である請求項14記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記通路に、前記吐出口からインクを
    吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネル
    ギー発生手段が設けられている請求項10記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記エネルギー発生手段は、エネルギ
    ーとして熱エネルギーを発生する電気熱変換体である請
    求項16記載のインクジェット記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 レーザ光源と、 ワークの加工形状に対応した所定のパターンを有し、こ
    のパターンを介して前記レーザ光源からのレーザ光を前
    記ワーク側に通過させるマスクを備えるマスク部と、前記レーザ光の光束内でかつ前記マスクの 面と距離をお
    いた位置に前記マスク部に取り付け可能に配された、
    記レーザ光の少なくとも一部を反射もしくは吸収する
    材と、 を有し、前記レーザ光により、インクジェット記録ヘッ
    ドにおけるインクを吐出する吐出口に連通するインクの
    通路を形成するための凹部を前記マスク部を用いて基板
    に形成するとともに、該形成と一括して前記反射もしく
    は吸収する部材を用いて前記通路にフィルターを形成す
    ことを特徴とするレーザ加工装置。
  19. 【請求項19】 前記レーザ光源からのレーザ光を整形
    するビーム整形光学系、前記マスクを照明する照明光学
    系、あるいは前記マスクのパターンの像を前記ワークの
    加工面に所定の倍率で結像させる投影光学系のうち、す
    くなくとも1つが設けられている請求項18記載のレー
    ザ加工装置。
  20. 【請求項20】 前記マスクが前記ワークに密着して配
    置される請求項18記載のレーザ加工装置。
  21. 【請求項21】 前記レーザ光の少なくとも一部を反射
    もしくは吸収する部材は、前記マスクに対して相対的に
    位置調整可能に取り付けられている請求項18記載のレ
    ーザ加工装置。
  22. 【請求項22】 前記レーザ光の少なくとも一部を反射
    もしくは吸収する部材は、前記マスクに対して固定して
    取り付けられている請求項18記載のレーザ加工装置。
  23. 【請求項23】 前記レーザ光の少なくとも一部を反射
    もしくは吸収する部材は、前記レーザ光の透過率が領域
    によって異なっている請求項18記載のレーザ加工装
    置。
  24. 【請求項24】 前記レーザ光源は、パルス紫外線レー
    ザを発するものである請求項18記載のレーザ加工装
    置。
  25. 【請求項25】 前記パルス紫外線レーザは、Xe−C
    lエキシマレーザ、Kr−Fエキシマレーザ、Ar−F
    エキシマレーザ、YAGレーザの4次高調波、YAGレ
    ーザの基本波と2次高調波とのミキシング波、窒素ガス
    レーザのいずれかである請求項24記載のレーザ加工装
    置。
  26. 【請求項26】 インクを吐出するために利用されるエ
    ネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられた基
    板と、 前記基板に接合された板部材とを有し、 前記板部材には、前記基板と接合されることでインクを
    吐出する吐出口に連通する通路を構成するための凹部
    と、該凹部に設けられ、前記フィルターとしての機能を
    有する突状部とが形成され、 前記凹部に対応するパターンを有するマスクを備えると
    ともに、前記突状部に対応して前記レーザ光の少なくと
    も一部を反射もしくは吸収する部材が取り付けられた請
    求項18記載のレーザ加工装置によって、前記凹部と前
    記突状部が加工されたことを特徴とするインクジェット
    記録ヘッド。
  27. 【請求項27】 前記板部材はポリマー樹脂で構成さ
    れ、前記レーザ加工装置のレーザ光源としてパルス紫外
    線レーザを発するものを用いた請求項26に記載のイン
    クジェット記録ヘッド。
  28. 【請求項28】 前記エネルギー発生素子は、インクを
    吐出するために利用される熱エネルギーを発生するため
    の電気熱変換体である請求項26記載のインクジェット
    記録ヘッド。
  29. 【請求項29】 前記電気熱変換体によって印加される
    熱エネルギーにより、インクに生じる膜沸騰を利用して
    前記吐出口よりインクを吐出させる請求項28記載のイ
    ンクジェット記録ヘッド。
  30. 【請求項30】 請求項10または26に記載のインク
    ジェット記録ヘッドを備え、記録信号に基づいてインク
    を前記インクジェット記録ヘッドの吐出口から吐出して
    記録を行なうインクジェット記録装置。
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