JP3207683B2 - フォトマスクおよびこれを用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

フォトマスクおよびこれを用いたインクジェット記録ヘッドの製造方法

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JP3207683B2
JP3207683B2 JP21248394A JP21248394A JP3207683B2 JP 3207683 B2 JP3207683 B2 JP 3207683B2 JP 21248394 A JP21248394 A JP 21248394A JP 21248394 A JP21248394 A JP 21248394A JP 3207683 B2 JP3207683 B2 JP 3207683B2
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばインクジェット
記録ヘッドの吐出口の形成に好適に用いられる加工用レ
ーザマスクおよびこれを用いたインクジェット記録ヘッ
ドの製造方法に関する
【0002】ここで、記録とは、布、糸、紙、シート材
等のインク付与を受けるインク支持体全てへのインク付
与等(プリント)を含むもので、記録装置は、各種情報
装置全てあるいはその出力器としてのプリンタを含むも
ので、本発明はこれらへの用途が可能なものである。
【0003】
【従来の技術】従来より、加工用レーザマスクとして
は、例えばNi,SUS等の耐熱性の金属板からなるも
の、または石英板上にCr蒸着したものに対し、エッチ
ング加工または機械加工を施して作製したフォトマスク
が用いられている。
【0004】このようなフォトマスクを用いて行う近年
のレーザ加工においては、より一層の高速化加工の高精
度化が求められている。すなわち、高速化するための要
因の一つにはレーザの高出力化があり、高精度化に対し
ては、フォトマスクの高精度化が必要となってくる。
【0005】高出力のレーザをフォトマスクに照射する
とフォトマスク温度が上昇し、上述のような金属マスク
においてはフォトマスクが熱膨張し、フォトマスクに寸
法変化が生じる。
【0006】このため、従来のフォトマスクは、高出力
レーザを用いたレーザ加工に利用した場合に、寸法安定
性の点で信頼性に欠けるという不都合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点を解決し、寸法安定性に優れ、信頼性の高い長寿命
のフォトマスクを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、フォトマスクであって、加
工パターン形状を有する銅板と、該銅板上に形成され
た、照射光を反射するためのAl膜とを含むことを特徴
とする。
【0009】
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載のフ
ォトマスクにおいて、前記Al膜は、照射光である紫外
光を反射するためのものであってもよい。
【0011】請求項記載の発明は、インクジェット記
録ヘッドの製造方法であって、 インクを吐出するため
に利用される吐出エネルギーを発生する吐出エネルギー
発生素子を形成した基板と、該基板と接合することによ
り前記吐出エネルギー発生素子の配設部位に対応してイ
ンク液路を形成するための凹部を有する天板と、前記イ
ンク液路に連通してインクを吐出するための吐出口が形
成された吐出口形成部材と、を具えたインクジェット記
録ヘッドの製造方法において、前記天板と前記吐出口形
成部材とを一体とした後、前記凹部側からエキシマレー
ザ光を照射して前記吐出口を形成する際に、請求項1ま
たは2に記載のフォトマスクを用いることを特徴とす
る。
【0012】ここで請求項記載の発明は、請求項
載のインクジェット記録ヘッドの製造方法において、前
記天板と前記吐出口形成部材は一体に成形されてもよ
い。
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明のフォトマスクにおいては、加工パター
ン形状を有する銅板上に照射光を反射するためのAl膜
を設けたことにより、加工時に高出力のレーザ光の照射
により発生する高熱の影響を回避できるので、銅板に設
けられた加工パターン形状の寸法安定性を維持すること
ができる。従って、この高精度のフォトマスクを用いた
レーザ加工により、インクジェット記録ヘッドの吐出口
を高精度に形成することができる。さらに、インク吐出
口を高精度に形成したインクジェット記録ヘッドによれ
ば、インク液滴の量及び吐出速度を安定して得られるか
ら、吐出液滴の着弾位置精度や記録濃度等の吐出性能が
向上し品位の高い記録画像を得ることができる。
【0018】
【実施例】以下、図面を参照して本発明のフォトマスク
の実施例を説明する。
【0019】図1(a)は、本発明のフォトマスクの一
実施例を示す概略断面図であり、同(b)は、(a)の
概略平面図である。
【0020】図1(a)および(b)において、1はフ
ォトマスクである。このフォトマスク1は(a)に示す
ように金属板としての矩形の銅板2と、この銅板2の片
面上にスパッタリングにより形成された金属膜としての
Al膜3とから概略構成されている。銅板2には、その
長手方向の中央部分に一直線上に直径90μの穴4がピ
ッチ210μで約250個エッチングにより形成されて
いる。このため、Al膜3は銅板2の片面のうち、上記
穴4を除いた部分に厚さ約0.2〜0.4μで形成され
ている。
【0021】ここで、金属膜としてAl膜を用いた理由
を表1を参照しながら説明する。表1にはAlの他にS
US304、Niの波長248nmの照射光に対する反
射率の測定値(全反射を100としたときの値)、Cu
を含めた測定対象金属(Al、SUS304、Ni)熱
膨張係数および熱伝導度についてのデータが示されてい
る。この表1から明らかなように、金属板として熱伝導
度の良好な金属である銅板を用い、その銅板の表面にK
rFレーザ(波長248nm)の波長に対する反射率の
高いAl膜を形成することにより、高出力のレーザ照射
にも耐え得る高精度のフォトマスクを作成することがで
きる。また、Alは熱膨張係数についてはSUS30
4、Niよりも大きく、反射率についてはSUS30
4、Niよりも大きいこともわかる。すなわち、レーザ
光を照射しても反射率が大きいために高熱にならない金
属材料であれば、大きな熱膨張は起こらないといえる。
【0022】
【表1】
【0023】このような構成のフォトマスク1を用いて
樹脂フィルム面に微細穴開け加工する場合には、縮小率
1/3の光学系を使用しても、KrFレーザにて、フォ
トマスク面で100mJ/cm2 以上のエネルギーが必
要となる。
【0024】図2は、従来のフォトマスク(SUS,N
i)と本実施例のフォトマスク1の使用時におけるレー
ザ照射時間とマスク温度の変化を示すグラフである。マ
スク厚tは200μであり、照射条件はKrFレーザ
(248nm)を使用し、出力250mJ/cm2 、2
00PPSで照射し、照射面積は2mm×20mmとし
た。
【0025】結果、250個の穴について同時穴開け加
工を施した場合、従来のフォトマスク(Ni)の上昇は
15℃、本発明マスクの温度上昇は2℃であった。各フ
ォトマスクの全長は52500μ(250個×210
μ)、従来マスク(Ni)では、熱膨張係数が13.3
×10-6/℃であるため、膨張量は13.3×10-6×
52500μ×15℃=10.47μとなり、他方、本
実施例のフォトマスク(Cu板上にAl膜)では、Al
が熱膨張係数が大きいが、反射率が大きくマスクの温度
上昇が小さいため、膨張量は16.8×10−6×52
500μ×2℃=1.76μとなる。本実施例のフォト
マスクは、熱膨張の少ない、高精度フォトマスクであ
る。
【0026】次に、上記フォトマスクを製造段階で使用
して製造された本発明のインクジェット記録ヘッドの実
施例を説明する。
【0027】図3は、本発明のインクジェット記録ヘッ
ドの一実施例を示す概略斜視図である。本実施例に係る
インクジェット記録ヘッドはインクタンクを一体化し、
かつ、後述するインクジェット記録装置に着脱自在に装
着可能である。このインクジェット記録ヘッドは、イン
ク液路および共通液室を構成するための凹部(以下、
溝)、さらにはオリフィスプレート10を一体に形成し
た天板(後に詳述)と、吐出エネルギーを発生するため
の電気熱変換体(以下、吐出ヒータ)、およびこの吐出
ヒータに電気信号を供給するためのAl配線とが成膜技
術によってSi基板上に形成された基板(以下、ヒータ
ボード)とを接合することによって構成される記録ヘッ
ド本体(図示略)を備える。
【0028】図中600は記録ヘッド本体に隣接して配
設されるサブインクタンクであり、このサブインクタン
ク600および上記本体は蓋300および800によっ
て支持される。さらに、1000はカートリッジ本体、
1100はカートリッジ本体1000の蓋部材である。
カートリッジ本体1000の内部にはインクタンクが内
蔵され、サブインクタンク600に適宜インクを供給す
る。
【0029】図4は、天板と一体に形成されたオリフィ
スプレートにインク液路側からエキシマレーザ光を照射
してオリフィス加工を行う様子を示した模式図である。
先の図に示した要素と同様の要素には同一の符号を付
し、その部分の説明を省略する。図4において5はKr
Fエキシマレーザ光を発振するレーザ発振装置であり、
6はレーザ発振装置5から発振される波長248nm、
パルス幅約15ナノ秒のパルスレーザビームであり、7
はレーザビーム6を集光するための合成石英レンズであ
る。前述のフォトマスク1は、天板8と一体に形成され
たオリフィスプレート10に所定のオリフィスを形成す
るために、レーザビーム6に対して遮光可能な投影マス
クとして用いられる。このフォトマスク1は、KrFエ
キシマレーザ光(波長248nm)に対する反射率の高
いAl膜3により加工形状パターンを有する銅板2を保
護しているために、マスク自体の高熱化が防止され、所
定のパターンの寸法安定性に優れており、これを用いる
ことにより所定のピッチおよび大きさのオリフィスを高
精度に形成することができる。
【0030】図5(a)および(b)は、本発明のイン
クジェット記録ヘッドの一実施例に係るヒータボード9
の構成を示すもので、(a)は平面図であり、(b)は
(a)の部分拡大図である。
【0031】図5において101はヒータボード本体で
あり、103は吐出ヒータ部であり、104はワイヤボ
ンディングにより外部と電気接続するための端子であ
る。また、102は温度センサであり、吐出ヒータ部1
03等と同じ成膜プロセスにより吐出ヒータ部103に
形成されている。吐出ヒータ部103は吐出ヒータ15
と配線106とから概略構成されている。108はヘッ
ドを加熱するための保温ヒータである。
【0032】温度センサ102は、他の部分と同様に、
半導体と同様の成膜プロセスによって形成されているた
め、極めて高精度であり、他の部分の構成材料であうア
ルミニウム、チタン、タンタル、五酸化タンタル、ニオ
ブ等、温度に応じて導電率が変化する材料で形成でき
る。例えば、これらのうち、チタンは電気熱変換素子を
構成する発熱抵抗層と電極との接着性を高めるために両
者間に配置可能な材料、タンタルは発熱抵抗層上の保護
層の耐キャビテーション性を高めるためにその上部に配
置可能な材料である。また、プロセスのばらつきを小と
するために線幅を太くし、配線抵抗等の影響を少なくす
るために蛇行形状として高抵抗化を図っている。
【0033】また、同様に保温ヒータ108は、吐出ヒ
ータ15の発熱抵抗層と同一材料(例えば、HfB2)
を用いて形成できるが、ヒータボードを構成する他の材
料、例えばアルミニウム、チタン、タンタル等を用いて
形成してもよい。
【0034】図6は本実施例における天板8の構成例を
示す概略斜視図である。この例の天板8は、インク液路
溝14と、これに対応してオリフィスプレート10に形
成したインク吐出口(オリフィス)11とを所望の個数
(図においては簡略のために2個のみ示す)有し、オリ
フィスプレート10を一体に設けた構成となっている。
天板8は耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリエー
テルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリプロ
ピレンなどの樹脂を用い、オリフィスプレート10と共
に金型内で一体に同時成型されている。
【0035】次に、このようなインク液路溝14および
オリフィス11の形成方法を説明する。
【0036】インク液路溝については、それと逆パター
ンの微細溝を切削等の手法により形成した型により樹脂
を成型し、これによって天板8に液路溝14を形成する
ことができる。
【0037】また、オリフィスの形成については、金型
内ではオリフィス11を有さない状態で成形し、オリフ
ィスを形成すべき位置にオリフィスプレート10のイン
ク液路側(図6の右上側)から図4に示すレーザ発振装
置5によりエキシマレーザ光を照射し、樹脂を除去・蒸
発せしめてオリフィス11を形成する。
【0038】オリフィス形成の詳細を図7に示す。図7
は、オリフィスプレート10の所定の位置に照射される
エキシマレーザ光の入射角度を示す模式図である。エキ
シマレーザ光6はオリフィスプレート10に対してイン
ク液路14側から前述のフォトマスク1を介して照射さ
れる。また、エキシマレーザ光6は、光軸13に関して
片側θ1=2度で吸光され、オリフィスプレート10に
対する鉛直方向から光軸13をθ2=10度傾けて照射
される。
【0039】このように、インク液路側からレーザ光を
照射することにより、テーパー形状を有するオリフィス
の断面積はインク吐出方向に向かって縮小した形状とな
る。ここで、本実施例に用いられるエキシマレーザ光に
ついて説明する。
【0040】このエキシマレーザは紫外光を発振可能な
レーザであり、高強度であり単色性がよく、指向性があ
り、短パルス発振でき、レンズで集光することによりエ
ネルギー密度を非常に大きくできるなどの利点を有して
いる。
【0041】エキシマレーザ発振器は希ガスとハロゲン
の混合気体を放電励起することにより、短パルス(15
〜35ナノ秒)の紫外光を発振できう装置であり、Kr
Fレーザ,XeClレーザ,ArFレーザがよく用いら
れる。これらの発振エネルギーは数100mJ/パル
ス、パルス繰り返し周波数は30〜1000Hzであ
る。
【0042】このエキシマレーザ光のような高輝度の短
パルス紫外光をポリマー樹脂表面に照射すると、照射部
分が瞬間的にプラズマ発光と衝撃音を伴って分解・飛散
するAblative Photodecomposi
tion(APD)過程が生じ、この過程によってポリ
マー樹脂の加工が可能となる。
【0043】このようにエキシマレーザによる加工精度
と他のレーザによるそれとを比較した場合、例えばポリ
イミド(PI)フィルムにエキシマレーザとしてのレー
ザ光と、他のYAGレーザ光およびCO2レーザ光を照
射すると、PIの光を吸収する波長がUV領域であるた
め、KrFレーザによってきれいな穴が開くが、UV領
域にないYAGレーザ光では穴が開くもののエッジ面が
荒れ、赤外線であるCO2レーザ光では穴の周囲にクレ
ータを生じてしまう。
【0044】
【0045】図8は、上述のヒータボード9と天板8と
を接合して構成した本発明のインクジェット記録ヘッド
のヘッド本体の概略斜視図である。図8に示すように、
吐出ヒータ15等を有するヒータボード9を、すでにフ
ォトマスク1を用いたレーザ加工によりオリフィスを形
成してなるオリフィスプレート10に突き当てて接合
し、記録ヘッド本体を得る。
【0046】図9および図10は、本発明のインクジェ
ット記録ヘッドにおける天板8の他の構成例を示すもの
で、図9は概略斜視図であり、図10は図9のX−X面
での概略断面図である。この例の天板8はオリフィスプ
レート10と一体に成形されている。オリフィス11は
オリフィスプレート10の傾斜面に対して鉛直方向に開
けられており、インク液路溝14とは45度(=θ2)
をなしている。このように、レーザ光をインク液路側か
ら照射してオリフィス11を形成する場合には、天板等
の形状に応じて適宜、その照射角度を変える必要があ
る。
【0047】なお、上述したオリフィスの形成方法にお
いては、オリフィスプレートと天板とを一体としたもの
を用い、ヒータボードと接合する前にオリフィス形成を
行っていたが、その接合後にオリフィス形成を行っても
よいことは勿論である。
【0048】以上説明したインクジェット記録ヘッド本
体は、図3に示したカートリッジ形態で得ることがで
き、さらにこれを図11に示すインクジェット記録装置
に適用することができる。
【0049】図11において80は図3に示したカート
リッジであり、このカートリッジ80は押さえ部材81
によりキャリッジ15の上に固定されており、これらは
シャフト21に沿って長手方向(主走査方向)に往復動
可能となっている。また、キャリッジ15に対する位置
決めは、例えば蓋に設けた穴と、キャリッジ15側に設
けたダボ等により行うことができる。さらに、電気的接
続は配線基板に設けた接続パッドに、キャリッジ15上
のコネクタを結合させればよい。
【0050】記録ヘッドにより吐出されたインクは、記
録ヘッドと微小間隔においてプラテン19に記録面を規
制された被記録媒体18に到達し、被記録媒体18上に
画像を形成する。
【0051】記録ヘッドには、ケーブル16およびこれ
に結合する端子を介して適宜のデータ供給源より画像デ
ータに応じた吐出信号が供給される。カートリッジ80
は、用いるインク色等に応じて1ないし複数個(図では
2個のみ示す)を設けることができる。
【0052】また、図11において、17はキャリッジ
15をシャフト21に沿って走査させるためのキャリッ
ジモータであり、22はモータ17の駆動力をキャリッ
ジ15に伝達するワイヤである。また、20はプラテン
ローラ19に結合して被記録媒体18を搬送させるため
のフィードモータである。
【0053】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0054】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0055】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0056】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0057】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0058】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0059】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0060】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0061】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のフォトマ
スクにおいては、加工パターン形状を有する銅板上に照
射光を反射するためのAl膜を設けたことにより、加工
時に高出力のレーザ光の照射により発生する高熱の影響
を回避できるので、銅板に設けられた加工パターン形状
の寸法安定性を維持することができる。従って、この高
精度のフォトマスクを用いたレーザ加工により、インク
ジェット記録ヘッドの吐出口を高精度に形成することが
できる。さらに、インク吐出口を高精度に形成したイン
クジェット記録ヘッドによれば、インク液滴の量及び吐
出速度を安定して得られるから、吐出液滴の着弾位置精
度や記録濃度等の吐出性能が向上し品位の高い記録画像
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフォトマスクの一実施例を示すもの
で、(a)は断面図であり、(b)は平面図である。
【図2】従来のフォトマスクと図1に示したフォトマス
クの使用時におけるレーザ照射時間とマスク温度の変化
を示すグラフである。
【図3】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
を示す概略斜視図である。
【図4】天板と一体に形成されたオリフィスプレートに
インク液路側からエキシマレーザ光を照射してオリフィ
ス加工を行う様子を示した模式図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
に係るヒータボードの構成を示すもので、(a)は平面
図であり、(b)は(a)の部分拡大図である。
【図6】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施例
に係る天板の構成例を示す概略斜視図である。
【図7】オリフィスプレートの所定の位置に照射される
エキシマレーザ光の入射角度を示す模式図である。
【図8】ヒータボードと天板とを接合して構成した本発
明のインクジェット記録ヘッドのヘッド本体の概略斜視
図である。
【図9】本発明のインクジェット記録ヘッドにおける天
板の他の構成例を示す概略斜視図である。
【図10】図9のX−X面での概略断面図である。
【図11】本発明のインクジェット記録ヘッドの一実施
例を搭載できるインクジェット記録装置の一例を示す概
略斜視図である。
【符号の説明】
1 フォトマスク 2 銅板(金属板) 3 Al膜(金属膜) 4 穴(加工パターン形状) 5 エキシマレーザ発振装置 6 エキシマレーザ光 7 集光レンズ 8 天板 9 ヒータボード 10 オリフィスプレート

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工パターン形状を有する銅板と、該銅
    板上に形成された、照射光を反射するためのAl膜とを
    含むことを特徴とするフォトマスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のフォトマスクにおいて、
    前記Al膜は、照射光である紫外光を反射するためのも
    のであることを特徴とするフォトマスク。
  3. 【請求項3】 インクを吐出するために利用される吐出
    エネルギーを発生する吐出エネルギー発生素子を形成し
    た基板と、該基板と接合することにより前記吐出エネル
    ギー発生素子の配設部位に対応してインク液路を形成す
    るための凹部を有する天板と、前記インク液路に連通し
    てインクを吐出するための吐出口が形成された吐出口形
    成部材と、を具えたインクジェット記録ヘッドの製造方
    法において、前記天板と前記吐出口形成部材とを一体と
    した後、前記凹部側からエキシマレーザ光を照射して前
    記吐出口を形成する際に、請求項1または2に記載のフ
    ォトマスクを用いることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のインクジェット記録ヘッ
    ドの製造方法において、前記天板と前記吐出口形成部材
    は一体に成形されることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッドの製造方法。
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