JPH1191115A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法および製造装置 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法および製造装置

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JPH1191115A
JPH1191115A JP9270521A JP27052197A JPH1191115A JP H1191115 A JPH1191115 A JP H1191115A JP 9270521 A JP9270521 A JP 9270521A JP 27052197 A JP27052197 A JP 27052197A JP H1191115 A JPH1191115 A JP H1191115A
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recording head
laser beam
discharge port
jet recording
liquid jet
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JP9270521A
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English (en)
Inventor
Akira Goto
顕 後藤
Toshinori Hasegawa
利則 長谷川
Yoshinori Ito
美紀 伊東
Masaaki Furukawa
雅朗 古川
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Masafumi Takimoto
雅文 瀧本
Shin Ishimatsu
伸 石松
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザビームの照射による吐出口の加工にお
いて、光学系を簡素化するとともにレーザビームの利用
効率を高め、スループットの向上を図ることができる液
体噴射記録ヘッドの製造方法および製造装置を提供す
る。 【解決手段】 固定部材8によって複数の光ファイバー
からなる光ファイバー束7のそれぞれの出射側の端面を
液体噴射記録ヘッドを構成する吐出口形成部材(ワー
ク)10の吐出口形成部位に対応させて配置して固定
し、レーザ発振器1から発振されたレーザビーム2を、
ビーム整形光学系6によって整形した後に、光ファイバ
ー束8に入射させ、光ファイバー束8のそれぞれの光フ
ァイバーの出射側の端面から出射したレーザビームを投
影光学系9を介して縮小投影して、ワークステーション
11に固定されたワーク10に照射させ、ワーク10に
対して全部のまたは複数の吐出口を一括して加工する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される液体噴射記録ヘッドの製造方法およびそ
の製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録ヘッドは、微細な記録液吐
出口(オリフィス)、液流路溝およびこの液流路溝に位
置付けられた吐出エネルギー発生素子を複数備え、吐出
エネルギー発生素子に記録情報に対応した駆動信号を印
加し、吐出エネルギー発生素子の位置する液流路溝内の
インク等の記録液に吐出エネルギーを付与することによ
って、記録液を微細な吐出口から飛翔液滴として吐出さ
せて記録を行なうように構成されている。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッドの構成として
は、インクを吐出させるための複数の吐出エネルギー発
生素子(例えば、電気熱変換素子)とそのリード電極を
パターニング等により形成した素子基板を有し、その素
子基板上に吐出口、液流路溝や共通液室を形成した樹脂
製の吐出口プレートを含む天板層を積層し、その上に液
供給口を備えた蓋体を重ねた形式のものや、インクを吐
出させるための複数の吐出エネルギー発生素子とそのリ
ード電極をパターニング等により形成した素子基板と、
吐出口プレートに形成された複数の吐出口とこの吐出口
にそれぞれ連通する複数の液流路溝、共通液室および液
供給口を有する天板とから構成され、素子基板の吐出エ
ネルギー発生素子と天板の液流路溝をそれぞれ対応する
ように位置決めした状態で、素子基板と天板とを接合し
て形成された形式のもの等が用いられている。
【0004】ところで、液体噴射記録ヘッドを構成する
天板層や天板の吐出口プレートにおける吐出口の加工
は、加工精度が良くかつ微細な加工が可能であるレーザ
加工が採用されており、近年、これらのレーザ加工に関
する種々の技術が開発されている。これらのレーザ加工
のうち、特に、エキシマレーザによる樹脂のアブレーシ
ョンを利用して液体噴射記録ヘッドの吐出口(オリフィ
ス)を加工形成する技術の開示が数多くなされており、
例えば、特開平1−108056号公報、特開平1−2
9404号公報、特開平2−187345号公報等に
は、レーザビームを用いた吐出口の加工方法が開示され
ており、また、特開平4−9291号公報や特開平4−
339585号公報には、吐出口の加工装置が開示され
ている。
【0005】しかしながら、上記のいずれの技術におい
ても、集光レンズを用いた加工、あるいはマスクを用い
てそのマスクパターンを投影する投影加工を行なってい
るのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におけ
るレーザビームを集光レンズによって集光して加工を行
なう技術においては、液体噴射記録ヘッドの吐出口を1
個ずつしか加工することができず、液体噴射記録ヘッド
のように1ヘッド内に64個あるいは128個のように
多数の吐出口がある場合には、各ヘッド毎の加工時間が
長く、スループットが低いという問題点があった。
【0007】一方、マスクを介してそのマスクパターン
を投影して加工を行なう技術においては、そのマスクに
よってレーザビームの数10%以上、場合によっては9
0%以上、を反射させるために、レーザ発振器から発振
されたレーザビームの利用効率が極端に悪く、そのため
に高出力のレーザ発振器が必要となっている。さらに、
マスクを均一な強度分布の光で照明するための光学系が
必要とされ、液体噴射記録ヘッドの64個あるいは12
8個の吐出口を一括加工する場合のマスクの照明域はか
なり大きくなり、それに見合った大きな照明光学系が必
要となるために、装置コストの面でもメンテナンス性の
面でも不利となる。加えて、高出力のレーザビームを光
学系に通す必要があるために、マスクや他の光学部品が
劣化し、その交換を頻繁に行なわなければならなかっ
た。
【0008】そこで、本発明は、上述の従来技術の有す
る未解決な課題に鑑みてなされたものであって、レーザ
ビームの照射による吐出口の加工において、光学系を簡
素化するとともにレーザビームの利用効率を高め、かつ
スループットの向上を図ることができる液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法および製造装置を提供することを目的と
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、吐出口
形成部材にレーザビームを照射して吐出口を形成する液
体噴射記録ヘッドの製造方法において、液体噴射記録ヘ
ッドの吐出口の一部または全部に対応して配列した光フ
ァイバー束から出射したレーザビームを縮小・投影する
ことにより吐出口を形成することを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、レーザビームは紫外線パルスレーザ
が適している。
【0011】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造装置は、吐出口形成部材にレーザビームを照射して吐
出口を形成する液体噴射記録ヘッドの製造装置におい
て、レーザ発振器と、該レーザ発振器から発振されたレ
ーザビームを整形する整形光学系と、該整形光学系によ
って整形されたレーザービームが入射する光ファイバー
束と、該光ファイバー束の出射側の端面を液体噴射記録
ヘッドの吐出口の一部または全部に対応させて配置し固
定する部材と、前記光ファイバー束の出射側の端面から
出射するレーザビームを縮小・投影する投影光学系と、
被加工部材である吐出口形成部材の位置を測定して縮小
・投影されたレーザビームの位置に吐出口形成部材を移
動させる光学手段による測定系および移動系とを具備し
ていることを特徴とする。
【0012】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造装置において、整形光学系は、アフォーカル系、フラ
イアイレンズおよび/またはフィールドレンズを用い
て、光ファイバー束に相応したビーム整形を行なうこと
が好ましい。
【0013】また、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造
装置において、投影光学系は、像側および物体側の両側
でテレセントリックであることが好ましい。
【0014】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造装置に
おいては、レーザ発振器は紫外線パルスレーザ発振器、
特にエキシマレーザ発振器が好適である。
【0015】
【作用】光ファイバー束の光ファイバーのそれぞれの出
射側の端面を吐出口形成部材の吐出口の一部あるいは全
部に対応させて配置して固定し、ビーム整形光学系によ
り整形されたレーザビームを光ファイバー束に入射さ
せ、光ファイバー束の出射側の端面から出たレーザビー
ムを投影光学系を介して縮小投影して、吐出口形成部材
の所定の部位を照射することにより、レーザビームはほ
とんど拡散することがなく、またマスクを用いないため
に、レーザビームの利用効率が大きく、多数の吐出口を
高精度にかつ一括して加工することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0017】図1は、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法に適用されるレーザ加工装置を概略的に示す構成
図である。
【0018】図1において、1はレーザ発振器であり、
レーザ発振器1から発振されたレーザビーム2は、一対
のレーザビーム反射ミラー3を介して、光学系の光軸4
に合致した状態で、レーザ加工機本体5に入射される。
レーザ加工機本体5には、ビーム整形光学系6、ビーム
整形光学系6を出たレーザビームが入射する光ファイバ
ー束7、光ファイバー束7の出射面をワーク10である
液体噴射記録ヘッドの吐出口の一部あるいは全部に対応
させて配置し固定する固定部材8、光ファイバー束7の
出射面をワーク10上に投影するための投影光学系9、
ワーク10の位置調整のためのワークステーション1
1、およびワーク10の位置を確認するための観察測定
系12が設置されている。そして、制御系として、観察
測定系12で観察されたワーク10の画像をモニターす
るモニター13、観察された画像に画像処理を施すため
の画像処理コンピュータ14、および画像処理コンピュ
ータ14に接続されかつワークステーション11とレー
ザ発振器1を制御するホストコンピュータ15を備えて
いる。
【0019】液体噴射記録ヘッドの吐出口を加工する吐
出口形成部材であるワーク10の位置は、観察測定系1
2で観察され、その画像データを画像処理コンピュータ
14にて処理して所定の位置とのずれ量を算出する。ホ
ストコンピュータ15は、画像処理コンピュータ14が
算出したずれ量からワークステーション11の移動量を
算出し、ワーク10が所定の位置にくるように、ワーク
ステーション11を移動させる。もちろん、ワークの取
り置き再現性が良く、いつも所定の位置にワークがくる
場合には、画像処理を行なう必要はない。
【0020】本発明においては、レーザ発振器1として
KrFエキシマレーザを用いたが、XeClエキシマレ
ーザ、N2 レーザ、Q−スイッチYAGレーザのミキシ
ング光あるいは4倍波などの尖とう値の高いパルス紫外
線レーザを用いることもできる。
【0021】光軸4上に配置されるビーム整形光学系6
は、強度分布を持つ矩形のレーザビームをファイバー束
の入射側の形状に合うように、しかも均一な強度分布に
なるように、ビームの形状を整形する光学系であって、
図2の(a)および(b)に示すように、シリンドリカ
ルレンズを用いたアフォーカル系6a、7個のレンズよ
りなるフライアイレンズ(ハエノメレンズ)6b、フィ
ールドレンズ6cから構成する。
【0022】光ファイバー束7は、石英ガラス製の光フ
ァイバー7a、7b…をビーム入射側で最密充填でなる
べく円形に近い形に並べる。そして、光ファイバー束7
の出射側は、図3に詳細に示すように、固定部材8によ
って、各光ファイバー7a、7b…の出射面を液体噴射
記録ヘッドの吐出口の一部あるいは全部に対応させて配
置し固定される。固定部材8は、複数のV字型の溝8
a、8b…を±0.5°の平行度でかつ例えば0.28
2±0.008mmの等間隔に加工したものであって、
V字型の溝8a、8b…に光ファイバー7a、7b…の
各光出射側を1本ずつ固定部材8の端面に一致するよう
に配置し固定する。これにより、光ファイバー7a、7
b…のそれぞれの出射面は、液体噴射記録ヘッドの吐出
口の一部あるいは全部に対応して配置される。
【0023】投影光学系9は、図4に示すように、物体
側と像側の両テレセントリックになっている。同図
(a)において、9aは投影光学系9の前群レンズであ
り、9bは絞り、9cは後群レンズである。前群レンズ
9aの前側焦点の位置に光ファイバー7a、7b…の光
出射端を配置し、前群レンズ9aの後側焦点の位置に絞
り9bを配置し、そして、後群レンズ9cの後側焦点の
位置にワーク10を配置することにより、両側テレセン
トリックな投影系を構成する。本発明においては、投影
倍率1/4の投影光学系を作り、吐出口の加工に用い
た。なお、図4の(b)には、光ファイバー束7の光出
射端17(A−A面)の概略図を示し、図4の(c)に
は、投影光学系9によって投影された像18、すなわち
ワーク10の吐出口形成面(B−B面)の入射側の概略
図を示した。
【0024】図5は、本実施例で用いたワーク10とし
ての吐出口形成部材20に吐出口を加工する態様を図示
する概略図である。
【0025】ワーク10としての吐出口形成部材20
は、液流路溝21、吐出口が形成される吐出口プレート
22、全ての液流路溝21にインク等の記録液を供給す
るための共通液室(図示しない)および共通液室に外部
の記録液タンクから記録液を導入するための液供給口
(図示しない)を一体的に射出成形等により作製され、
吐出口(23)を加工した後に、記録液を吐出するため
の吐出エネルギー発生素子をパターニングしてあるシリ
コン基板と接合することにより、液体噴射記録ヘッドを
構成するものである。
【0026】吐出口形成部材の成形材料には、耐インク
性が優れ、KrFエキシマレーザによる加工性が良いポ
リサルフォンを用いた。なお、成形材料としては、ポリ
サルフォンのほか、ポリエーテルサルフォン、ポリエチ
ルエーテルケトン等の紫外域の光を強く吸収する他のポ
リマーを用いることもできる。また、本実施例では、成
形された樹脂部材の吐出口プレート22に含フッ素ポリ
マーによって撥水処理を施して、吐出口形成部材(ワー
ク)20を作製した。
【0027】本実施例においては、液流路溝21が0.
0705mmの間隔で約100本並列された吐出口形成
部材20を用い、また、吐出口の液吐出側で吐出口面積
1000μm2 を得るために、レーザ加工装置の光ファ
イバー7a、7b…には、太さが0.6mmの石英ガラ
ス製の光ファイバーを用いた。そして、吐出口形成部材
20は、レーザ加工装置において、投影光学系9を通過
してきたレーザビーム19(図5)を各液流路溝21側
から照射するように、そして、レーザビーム19が液流
路溝21にけられないように、レーザビーム19に対し
て10°傾けて位置付ける。約100本の液流路溝21
が形成されている吐出口形成部材20に対して約70個
の吐出口23を一括加工によって形成した。
【0028】KrFエキシマレーザによる吐出口加工に
おいては、通常、ワーク上で約1J/cm2 ・pulsのエ
ネルギーが必要であるけれども、本実施例で用いたレー
ザ加工装置では、レーザ発振器1からの出射ビーム2の
出力は0.3J/pulsの約1/10の出力で達成で
きた。これは従来のマスクを用いた投影加工方法の約1
0倍のエネルギー利用効率であり、本発明の有効性が確
認された。
【0029】さらに、本実施例では、以上のように吐出
口加工した吐出口形成部材20を用いて液体噴射記録ヘ
ッドを作製し、実際に印字記録を行なった。すなわち、
吐出口形成部材20はレーザ加工によって生じる副生成
物の除去工程を経た後、記録液を吐出するための吐出エ
ネルギー発生素子をパターニングしてあるシリコン素子
基板と精密に接合し、シリコーン系樹脂によって封止を
行なう。その後、記録液タンクと結合させ、さらに検査
工程を経て、液体噴射記録ヘッドとして完成した。この
ようにして作製された液体噴射記録ヘッドをプリンター
に搭載して、実際の印字記録を行なったところ、その印
字品位において、従来のマスクを介して加工して得た液
体噴射記録ヘッドとまったく遜色のないことが確認され
た。
【0030】次に、本発明の第2の実施例について説明
する。
【0031】本実施例では、先の第1の実施例で用いた
図1に図示するレーザ加工装置を用い、360dpiで
128ノズルの液体噴射記録ヘッドの吐出口加工を行な
った。所望の吐出口面積は先の実施例と同じであり、ま
た、吐出口プレートの厚さもほぼ同じであって、先の実
施例で用いた光ファイバーと同じ太さのものを用いた。
ただし、ノズルが128本と多いために、光ファイバー
の本数も約140本必要となる。したがって、図1に図
示するレーザ加工装置において、固定部材8を光ファイ
バーの出射面を吐出口プレートの吐出口の全部に対応さ
せて配置し固定することが可能な固定部材8に変更する
とともに、光ファイバー束7の直径は最密充填させても
先の実施例の場合よりも約2倍となるために、これに合
わせて光学系を設計製作する必要がある。
【0032】本実施例においても、レーザ発振器1から
の出射ビーム2の出力は0.3J/pulsの約1/5
の出力で達成できた。これは従来のマスクを用いた投影
加工方法の約5倍のエネルギー利用効率であり、本発明
の有効性が確認された。
【0033】次に、本発明の第3の実施例について説明
する。
【0034】本実施例では、先の実施例で用いた図1に
図示するレーザ加工装置を用い、360dpiで164
ノズルの液体噴射記録ヘッドの吐出口加工を行なった。
所望の吐出口面積は、本実施例では、300μm2 であ
るため、先の実施例で用いた光ファイバーと同じ太さの
ものを用いることはできず、このため、太さが0.33
mmの石英ガラス製の光ファイバーを用いた。この場合
には、先の第1の実施例で用いた光学系をそのまま利用
することができる。
【0035】本実施例においては、レーザ発振器1から
の出射ビーム2の出力は0.3J/pulsの約1/1
0の出力で達成できた。これは従来のマスクを用いた投
影加工方法の約10倍のエネルギー利用効率であり、本
発明の有効性が確認された。
【0036】以上のように、本発明においては、複数の
光ファイバーからなる光ファイバー束は、加工すべき吐
出口の全部に対応する数の光ファイバーを用い、一度の
レーザ照射による加工で一括して全ての吐出口を加工形
成することもできるし、また吐出口の一部を一括して加
工する数の光ファイバーを用いて、複数回のレーザ照射
によって全部の吐出口を加工することもできる。
【0037】さらに、マスクを用いないためにレーザビ
ームの利用効率が大きく、大出力のレーザ発振器を必要
とせず、レーザ発振器を低出力で安価なものを用いるこ
とができ、さらに、光学系を簡素化、小口径化すること
ができるために、装置コストの低減を図ることができ
る。
【0038】また、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0039】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0040】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0041】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0042】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0043】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0044】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0045】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0046】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0047】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0048】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
マスクを用いないためにレーザビームの利用効率が大き
く、必ずしも大出力のレーザ発振器を必要としない。ま
た、光学系を簡素化、小口径化することができるため
に、装置コストの低減を図ることができ、またメンテナ
ンス性も向上するために装置稼働率の向上も図ることが
できる。さらに、マスクを用いないにもかかわらず、多
数の吐出口を一括で加工できるため、スループットの向
上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に適用
されるレーザ加工装置を概略的に示す構成図である。
【図2】図1に図示するレーザ加工装置におけるビーム
整形光学系の一例を示す拡大図である。
【図3】図1に図示するレーザ加工装置における光ファ
イバーの光出射側を等間隔でしかも同じ方向に固定する
固定部材の模式的な拡大斜視図である。
【図4】(a)は、図1に図示するレーザ加工装置にお
ける投影光学系の一例を示す拡大図であり、(b)は、
光ファイバーの光出射端(A−A面)の概略図であり、
図4の(c)は、投影光学系によって投影された像、す
なわち吐出口の入射側(B−B面)の概略図である。
【図5】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に基づ
いて吐出口形成部材に吐出口を加工する態様を図示する
概略図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器 2 レーザビーム 3 レーザビーム反射ミラー 5 レーザ加工機本体 6 ビーム整形光学系 6a アフォーカル系 6b フライアイレンズ 6c フィールドレンズ 7 光ファイバー束 7a、7b 光ファイバー 8 固定部材 8a、8b (V字型)溝 9 投影光学系 9a 前群レンズ 9b 絞り 9c 後群レンズ 10 ワーク 11 ワークステーション 12 観察測定系 14 画像処理コンピュータ 15 ホストコンピュータ 19 レーザビーム 20 吐出口形成部材(天板) 21 液流路溝 22 吐出口プレート 23 吐出口
フロントページの続き (72)発明者 古川 雅朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 稲葉 正樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 瀧本 雅文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 石松 伸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口形成部材にレーザビームを照射し
    て吐出口を形成する液体噴射記録ヘッドの製造方法にお
    いて、液体噴射記録ヘッドの吐出口の一部または全部に
    対応して配列した光ファイバー束から出射したレーザビ
    ームを縮小・投影することにより吐出口を形成すること
    を特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 レーザビームは紫外線パルスレーザであ
    ることを特徴とする請求項1記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 吐出口形成部材にレーザビームを照射し
    て吐出口を形成する液体噴射記録ヘッドの製造装置にお
    いて、レーザ発振器と、該レーザ発振器から発振された
    レーザビームを整形する整形光学系と、該整形光学系に
    よって整形されたレーザービームが入射する光ファイバ
    ー束と、該光ファイバー束の出射側の端面を液体噴射記
    録ヘッドの吐出口の一部または全部に対応させて配置し
    固定する部材と、前記光ファイバー束の出射側の端面か
    ら出射するレーザビームを縮小・投影する投影光学系
    と、被加工部材である吐出口形成部材の位置を測定して
    縮小・投影されたレーザビームの位置に吐出口形成部材
    を移動させる光学手段による測定系および移動系とを具
    備していることを特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造
    装置。
  4. 【請求項4】 整形光学系は、アフォーカル系、フライ
    アイレンズおよび/またはフィールドレンズを用いて、
    光ファイバー束に相応したビーム整形を行なうようにし
    たことを特徴とする請求項3記載の液体噴射記録ヘッド
    の製造装置。
  5. 【請求項5】 投影光学系は像側および物体側の両側で
    テレセントリックであることを特徴とする請求項3また
    は4記載の液体噴射記録ヘッドの製造装置。
  6. 【請求項6】 レーザ発振器は紫外線パルスレーザ発振
    器であることを特徴とする請求項3ないし5のいずれか
    1項記載の液体噴射記録ヘッドの製造装置。
  7. 【請求項7】 レーザ発振器はエキシマレーザ発振器で
    あることを特徴とする請求項6記載の液体噴射記録ヘッ
    ドの製造装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4828067B2 (ja) * 1999-12-09 2011-11-30 シルバーブルック リサーチ ピーティワイ リミテッド 4色モジュラープリントヘッドの製造方法
CN103586580A (zh) * 2013-11-15 2014-02-19 王晓峰 用于P型GaN激活的激光退火装置及激光退火方法

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