JPH11188887A - 液体噴射記録ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体噴射記録ヘッドの製造方法

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JPH11188887A
JPH11188887A JP9367735A JP36773597A JPH11188887A JP H11188887 A JPH11188887 A JP H11188887A JP 9367735 A JP9367735 A JP 9367735A JP 36773597 A JP36773597 A JP 36773597A JP H11188887 A JPH11188887 A JP H11188887A
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liquid
laser light
laser
liquid flow
recording head
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JP9367735A
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English (en)
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Masaaki Furukawa
雅朗 古川
Masaki Inaba
正樹 稲葉
Akira Goto
顕 後藤
Masafumi Takimoto
雅文 瀧本
Toshinori Hasegawa
利則 長谷川
Yoshinori Ito
美紀 伊東
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザマスクを介してレーザ光を照射するこ
とにより液流路溝を加工する際に、液流路溝の外周部の
深さを中央部と同等になるように加工し、記録液の吐出
効率を向上させる液体噴射記録ヘッドの製造方法を提供
する。 【解決手段】 レーザマスク1を介するレーザ光の照射
により液流路溝を加工する際に、レーザマスク1に設け
られた液流路溝を加工すべく形成された開口パターン
を、レーザ光完全透過部3とレーザ光を50%透過する
レーザ光50%透過コーティング層4とで構成して、液
流路溝の外周部を加工するレーザ光のエネルギー密度
を、レーザ光50%透過コーティング層4によって減光
することにより、液流路溝の中央部を加工するレーザ光
のエネルギー密度より低くなるようにする。場所による
深さの差が生じることなく、液流路溝をレーザ加工する
ことができ、記録液吐出の抵抗を小さくして、吐出効率
を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体噴射記録装置
等に使用される液体噴射記録ヘッドにおいて、安定した
記録液の吐出が得られる液流路溝を加工する液体噴射記
録ヘッドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液体噴射記録装置に使用される液体噴射
記録ヘッドは、インク等の記録液を吐出する微細な吐出
口(オリフィス)、吐出口に連通した液流路およびこの
液流路に位置付けられた吐出エネルギー発生素子を複数
具備し、記録情報に対応した駆動信号を吐出エネルギー
発生素子に印加して、吐出エネルギー発生素子に対応す
る液流路内の記録液に吐出エネルギーを付与することに
よって、吐出口から記録液を液滴として吐出させて記録
を行なうように構成されており、熱エネルギーを利用し
て微小液滴を吐出させるもの、あるいは電気機械変換体
を利用したもの、またはこれらの複合体を利用して微小
液滴を吐出させるもの、さらに、一対の電極を設けてこ
れにより液滴を偏向させて吐出させるもの等が知られて
いる。これらの中でも、熱エネルギーを利用して記録液
を吐出させる液体噴射記録ヘッドは、記録用の液滴を吐
出して飛翔用液滴を形成するための記録液吐出口を高密
度に配列することができるために、高解像度の記録を行
なうことが可能であるほか、全体的にコンパクト化も容
易であるなどの利点があり、既に実用化されている。
【0003】この種の液体噴射記録ヘッドの構成の概略
を図7に基づいて説明すると、液体噴射記録ヘッドHを
構成する天板100は、記録液を溜めておく液室104
や複数の液流路溝103を形成する天板本体部と複数の
液流路溝103にそれぞれ連通する複数の吐出口(オリ
フィス)102を形成する吐出口プレート101、およ
び液室104に開口する液供給口105を有する筒状突
出部が樹脂材料で一体的に形成されている。また、素子
基板107には、Si基板上に複数個配列された吐出エ
ネルギー発生素子(例えば、電気熱変換体)106とこ
れに電力を供給するAl等の電気配線(図示しない)が
半導体製造技術により形成され、配線基板108は、素
子基板104の電気配線に対応してワイヤボンディング
等により接続される配線とこの配線の端部に位置し本体
装置からの電気信号を受けるパッドを有している。これ
らの天板100と素子基板107は、液流路溝103と
吐出エネルギー発生素子106をそれぞれ正確に対応す
るように位置決めして組み合わせ、ばねまたは接着剤等
により接合固定され、配線基板108とともにベースプ
レート110上に固定され、液体噴射記録ヘッドHを構
成している。
【0004】液体噴射記録ヘッドを構成する天板100
は、液室104や液流路溝103を形成する天板本体部
と吐出口102を形成する吐出口プレート101を、ポ
リサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリプロピレ
ン、ポリイミド等の樹脂材料で射出成形等によって一体
成形され、この樹脂成形された天板100に対して吐出
口102や液流路溝103が穴あけ加工や溝加工等によ
って加工形成されている。
【0005】ところで、印字精度として約600dpi
(dotts per inch)の高精度を達成するためには、約
5.4mmの範囲に128個の液流路溝および吐出口を
等間隔に配設しなければならず、この際の配設ピッチは
約42μmと微細な値となる。そこで、このような微小
な間隔の液流路溝や吐出口の形成には、レーザ加工装置
等の超精密加工装置が用いられ、所定の高精度で加工さ
れている。
【0006】射出成形等によって成形された樹脂製の天
板にレーザ光を照射して溝加工や穴あけ加工を施すため
のレーザ加工装置としては、エキシマレーザが適してお
り、この種のレーザ加工装置は、一般的に、図4に示す
ように、レーザ光Lを出力するレーザ発振器11、レー
ザ発振器11から照射されるレーザ光Lを均一に整形す
るビーム整形光学系12、レーザ光Lをマスク14に照
射するための照明光学系13、被加工物Wの加工形状に
対応した透過領域からなる開口パターン14bが形成さ
れたレーザマスク14、および該レーザマスク14を透
過した開口パターン像を被加工物Wの被加工面に投影す
る投影光学系15、さらに、被加工物Wである天板を保
持するための治具(図示しない)およびこの治具を移動
させるための移動ステージ16から構成され、そして、
これらの各部材を制御するための制御装置を備えてい
る。
【0007】液流路溝や吐出口を加工形成する天板は、
被加工物Wとしてその被加工面をレーザ光Lの光軸に垂
直な平面内に位置決めされて移動ステージ16に取り付
けられ、そして、レーザ発振器11から発振されるレー
ザ光Lをレーザマスク14を介して天板の被加工面に対
して照射することによって、液流路溝や吐出口を加工し
ている。
【0008】ところで、液流路溝を加工する際に使用す
るレーザマスク14において、レーザ光Lの透過あるい
は不透過を決める方法については、図5に図示するよう
に、レーザマスク14にレーザ光Lを吸収あるいは反射
させるコーティングを施した箇所すなわちレーザ光非透
過部14aはレーザ光Lを全く透過させず、コーティン
グを施していない開口パターン(レーザ光完全透過部)
14bはレーザL光を完全に透過させるようになってい
る。この開口パターン14bの形状は、所望の液流路溝
の平面形状と相似形であり、この開口パターン14bを
通過したレーザ光Lは投影光学系15で定められた倍率
にて被加工面に照射される。
【0009】また、液流路溝の深さを制御する方法は、
レーザ光Lを照射させるパルス数を管理することによっ
て行なっている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術においては、所望の液流路溝の形状と相似形を
したレーザマスクの開口パターンを通過したレーザ光の
照射により液流路溝を加工した際に、図6の(a)およ
び(b)に図示するように、液流路溝21の外周部21
aがレーザ光の反射作用により中央部21bよりも深く
加工されてしまい、このため、記録液を吐出させるため
の気泡が深く加工された外周部21aに溜まってしまう
ことがあり、記録液の吐出が不安定になるという未解決
の課題があった。
【0011】また、液流路溝の深く加工形成された外周
部は、その部分に気泡が溜まらなくても、記録液を吐出
する際の吐出抵抗を大きくしてしまい、記録液吐出効率
が悪くなるという未解決の課題があった。
【0012】そこで、本発明は、上記のような従来技術
の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、液
流路溝の外周部の深さを中央部と同等になるように加工
し、吐出効率を向上させることができる液体噴射記録ヘ
ッドの製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法は、複数の
吐出エネルギー発生素子が形成された素子基板上に、前
記吐出エネルギー発生素子にそれぞれ対応する複数の液
流路溝および吐出口をレーザ光の照射により加工した天
板を取り付け、液体噴射記録ヘッドを組み立てる液体噴
射記録ヘッドの製造方法において、レーザ光の照射によ
り天板に液流路溝を加工する際に照射するレーザ光のエ
ネルギー密度を部分的に変えることを特徴とする。
【0014】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
おいては、液流路溝の外周部を加工すべく照射されるレ
ーザ光のエネルギー密度を、前記液流路溝の中央部を加
工すべく照射されるレーザ光のエネルギー密度よりも低
くなるようにすることが好ましい。
【0015】そして、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、レーザマスクに設けられた液流路溝
を形成するパターンのレーザ光透過率を部分的に変える
ことによって、レーザ光のエネルギー密度を部分的に変
えるよう制御することができる。
【0016】さらに、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法においては、レーザマスクに設けられた液流路溝
を形成するパターンにおけるレーザ光透過率を変える領
域を、所定の液流路溝の深さhとレーザ照射によるテー
パ角θ、および所定の投影光学系の投影倍率nから、式
h× tanθ/nで計算される領域とすることが好まし
く、また、レーザ光透過率を変える領域におけるレーザ
光透過率は、10%〜100%の範囲で適宜変更するこ
とができる。
【0017】
【作用】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法によれ
ば、レーザマスクを介してレーザ光を照射することによ
り液流路溝を加工する際に、照射するレーザ光のエネル
ギー密度を部分的に変え、液流路溝の外周部分を加工す
べく照射されるレーザ光のエネルギー密度を液流路溝の
中央部分を加工すべく照射されるレーザ光のエネルギー
密度よりも低くなるようにして、液流路溝を加工する。
これによって、液流路溝は、その深さに場所によって差
が生じるようなことはなく、全体を同じ深さに加工する
ことができ、記録液吐出の抵抗を小さくして、吐出効率
を向上させことができる。
【0018】また、レーザマスクに液流路溝に対応して
形成された開口パターンを、レーザ光完全透過部とレー
ザ光の一部を透過するコーティング層とから構成して、
液流路溝の外周部分を加工すべく照射されるレーザ光の
エネルギー密度をレーザ光の一部を透過するコーティン
グ層によって減光させて、液流路溝の中央部分を加工す
べく照射されるレーザ光のエネルギー密度よりも低くな
るようにすることによって、従来のように液流路溝の外
周部がレーザ光の反射作用等によって深く加工されるこ
とがなくなり、液流路溝の場所による深さの差が生じる
ことがなく、全体を同じ深さに加工形成することができ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。
【0020】図1は、本発明の液体噴射記録ヘッドの製
造方法に基づいて液流路溝をレーザ加工する際に使用す
るレーザマスクの一部を示す模式図であり、図2は、図
1に図示するレーザマスクにおいてレーザ光を50%透
過する領域を拡大して示すレーザマスクの拡大模式図で
ある。
【0021】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に
基づいて液流路溝をレーザ加工する際に使用するレーザ
マスク1は、図1に図示するように、レーザ光を吸収あ
るいは反射させるコーティングを施してレーザ光を全く
透過しないコーティング層(レーザ光非透過部)2と、
コーティングを施しておらずレーザ光を完全に透過する
レーザ光完全透過部3と、レーザ光を50%透過するレ
ーザ光50%透過コーティング層4から構成する。
【0022】そして、レーザ光を透過する領域(レーザ
光完全透過部3およびレーザ光50%透過コーティング
層4)の形状は、所望の液流路溝の平面形状と相似形に
形成され、次に示す計算式で算出することができる。
【0023】なお、本実施例においては、液体噴射記録
ヘッドにおける所望の液流路溝の形状は、図3に図示す
るように、幅w=35μm、長さl=300μm、深さ
h=50μm、テーパ角θ=7°とし、使用するレーザ
加工装置の投影光学系の投影倍率n=1/5、投影光学
系の分解能は2μmとする。
【0024】レーザ光を透過する領域における液流路溝
の幅wに対応する部位の寸法A: A=w/n=35μm/(1/5)=175μm 同じく液流路溝の長さlに対応する部位の寸法B: B=l/n=300μm/(1/5)=1500μm そして、レーザ光を50%透過するコーティング層4の
領域の幅寸法C: C=h× tanθ/n=50μm× tan7°/(1/5)
=約30μm また、レーザ光50%透過コーティング層4は、図2に
図示するように、1辺2.5μmとする碁盤状に区分け
し、それぞれの桝目には、レーザ光非透過コーティング
を施したレーザ光非透過部4aとレーザ光完全透過部4
bとを交互に配設して形成する。
【0025】このとき、レーザ加工装置における投影光
学系の投影倍率は1/5であることから、1辺2.5μ
mの碁盤状のパターンが被加工物に投影された際の大き
さは、2.5μm/5=0.5μmとなり、投影光学系
の分解能2μmよりも小さいため結像することはない
が、レーザ光は50%に減光される。
【0026】以上のように構成されたレーザマスク1
を、図4に図示する通常のレーザ加工装置10に装着
し、被加工物Wとしての天板をその液流路溝加工面がレ
ーザ光Lの光軸に垂直な平面内に位置するように移動ス
テージ16に取り付ける。そして、レーザ発振器11か
らレーザ光Lを発振することにより、レーザ光Lはレー
ザマスク1を介して被加工物Wである天板に照射され
る。
【0027】液流路溝は、レーザマスク1のレーザ光完
全透過部3およびレーザ光50%透過コーティング層4
を透過したレーザ光Lによって加工される。そして、こ
のレーザマスク1を用いて液流路溝を加工する際の被加
工面に照射されるレーザ光Lのエネルギー密度の分布を
みると、液流路溝の外周部(図3において符号6aで示
す部分)を加工すべく照射されるレーザ光Lのエネルギ
ー密度は、レーザマスク1のレーザ光50%透過コーテ
ィング層4によってレーザ光Lが減光されるために、液
流路溝の中央部(図3において符号6bで示す部分)を
加工すべく照射されるレーザ光Lのエネルギー密度より
も低くなり、従来のように液流路溝の外周部がレーザ光
の反射作用等によって深く加工されることがなくなり、
場所による深さの差が生じることがなく、全体を同じ深
さとする液流路溝を加工形成することができる。
【0028】このように、レーザマスク1を用いたレー
ザ加工によって形成された天板5の液流路溝6を、図3
の(a)および(b)に示す。液流路溝6の外周部6a
と中央部6bの深さhに差は生じておらず、同等の深さ
に加工され、また、液流路溝6の各部の形状は、前述し
たとおりの所望の溝幅w=35μm、溝長さl=300
μm、深さh=50μmおよびテーパ角θ=7°が達成
され、深さhについては、レーザ光Lを照射するパルス
数を管理することによって、50μmとすることができ
る。なお、図3の(b)において、符号7は記録液を吐
出する吐出口である。
【0029】また、レーザマスクにおいて、レーザ光を
透過する割合すなわちレーザ光透過率は、図2におい
て、レーザ光非透過コーティングを施したレーザ光非透
過部4aの桝目とレーザ光を完全に透過するレーザ光完
全透過部4bの桝目の配列を適宜組み替えることによっ
て、任意の割合のレーザ光を透過するようにすることが
でき、レーザ光透過率としては、10%〜100%の範
囲に設定することが好ましい。
【0030】また、本発明は、特に液体噴射記録方式の
中で熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を
行なう、いわゆるインクジェット記録方式の記録ヘッ
ド、記録装置において、優れた効果をもたらすものであ
る。
【0031】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行なうものが好ましい。この記録方
式はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のい
ずれにも適用可能である。
【0032】この記録方式を簡単に説明すると、記録液
(インク)が保持されているシートや液流路に対応して
配置されている吐出エネルギー発生素子である電気熱変
換体に駆動回路より吐出信号を供給する、つまり、記録
情報に対応して記録液(インク)に核沸騰現象を越え、
膜沸騰現象を生じるような急速な温度上昇を与えるため
の少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、
熱エネルギーを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜
沸騰を生じさせる。このように記録液(インク)から電
気熱変換体に付与する駆動信号に一対一に対応した気泡
を形成できるため、特にオンデマンド型の記録法には有
効である。この気泡の成長、収縮により吐出口を介して
記録液(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を
形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適
切に気泡の成長収縮が行なわれるので、特に応答性に優
れた記録液(インク)の吐出が達成でき、より好まし
い。このパルス形状の駆動信号としては、米国特許第4
463359号明細書、同第4345262号明細書に
記載されているようなものが適している。なお、上記熱
作用面の温度上昇率に関する発明の米国特許第4313
124号明細書に記載されている条件を採用すると、さ
らに優れた記録を行なうことができる。
【0033】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路又は直角液流路)
の他に、米国特許第4558333号明細書、米国特許
第4459600号明細書に開示されているように、熱
作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つものにも
本発明は有効である。
【0034】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出口とする構成を開
示する特開昭59−123670号公報や熱エネルギー
の圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開
示する特開昭59−138461号公報に基づいた構成
を有するものにおいても本発明は有効である。
【0035】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録可能である被記録媒体の
最大幅に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッド
がある。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開
示されているような記録ヘッドを複数組み合わせること
によってフルライン構成にしたものや、一体的に形成さ
れた一個のフルライン記録ヘッドであってもよい。
【0036】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0037】また、記録ヘッドに対する回復手段や予備
的な補助手段を付加することは、記録装置を一層安定に
することができるので好ましいものである。これらを具
体的に挙げれば、記録ヘッドに対しての、キャッピング
手段、クリーニング手段、加圧または吸引手段、電気熱
変換体あるいはこれとは別の加熱素子、あるいはこれら
の組み合わせによる予備加熱手段、記録とは別の吐出を
行なう予備吐出モード手段を付加することも安定した記
録を行なうために有効である。
【0038】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個の組み合わせ
で構成したものかのいずれでもよいが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0039】以上の説明においては、インクを液体とし
て説明しているが、室温やそれ以下で固化するインクで
あって、室温で軟化もしくは液体となるもの、あるい
は、インクジェットにおいて一般的に行なわれている温
度調整の温度範囲である30℃以上70℃以下の温度範
囲で軟化もしくは液体となるものでもよい。すなわち、
使用記録信号付与時にインクが液状をなすものであれば
よい。加えて、積極的に熱エネルギーによる昇温をイン
クの固形状態から液体状態への態変化のエネルギーとし
て使用せしめることで防止するか、または、インクの蒸
発防止を目的として放置状態で固化するインクを用いる
かして、いずれにしても熱エネルギーの記録信号に応じ
た付与によってインクが液化してインク液状として吐出
するものや記録媒体に到達する時点ではすでに固化し始
めるもの等のような、熱エネルギーによって初めて液化
する性質のインクの使用も可能である。このような場合
インクは、特開昭54−56847号公報あるいは特開
昭60−71260号公報に記載されるような、多孔質
シート凹部または貫通孔に液状または固形物として保持
された状態で、電気熱変換体に対して対向するような形
態としてもよい。上述した各インクに対して最も有効な
ものは、上述した膜沸騰方式を実行するものである。
【0040】さらに加えて、インクジェット記録装置の
形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の画像出
力端末として用いられるものの他、リーダ等と組み合わ
せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシミ
リ装置の形態を採るものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
レーザ加工された液流路溝の外周部と中央部の深さが同
等になり、記録液吐出の抵抗を小さくすることができ、
吐出効率を向上させることができる。さらに、記録液を
吐出させるための気泡が液流路溝の外周部に溜まること
がないため、安定した記録液吐出が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に基づ
いて液流路溝をレーザ加工する際に使用するレーザマス
クの一部を示す模式図である。
【図2】図1に図示するレーザマスクにおいてレーザ光
を50%透過する領域を拡大して示すレーザマスクの拡
大模式図である。
【図3】本発明の液体噴射記録ヘッドの製造方法に基づ
いてレーザ加工された液流路溝を説明する図面であり、
同図(a)は液流路溝の幅方向の模式的な断面図であ
り、同図(b)は液流路溝の長さ方向の模式的な断面図
である。
【図4】液体噴射記録ヘッドの天板に液流路溝を加工す
る際に使用するレーザ加工装置の概略的な構成図であ
る。
【図5】液体噴射記録ヘッドの天板に液流路溝をレーザ
加工する際に使用する従来のレーザマスクの模式図であ
る。
【図6】図5に図示するレーザマスクを用いてレーザ加
工された液流路溝を説明する図であり、(a)および
(b)はそれぞれ液流路溝の幅方向および長さ方向の模
式的な断面図である。
【図7】液体噴射記録ヘッドの概略的な構成を示す斜視
図である。
【符号の説明】
1 レーザマスク 2 レーザ光非透過部 3 レーザ光完全透過部 4 レーザ光50%透過コーティング層 4a レーザ光非透過部 4b レーザ光完全透過部 5 天板 6 液流路溝 6a (液流路溝の)外周部 6b (液流路溝の)中央部 7 吐出口 10 レーザ加工装置 11 レーザ発振器 12 ビーム整形光学系 13 照明光学系 14 レーザマスク 14a レーザ光非透過部 14b 開口パターン(レーザ光完全透過部) 15 投影光学系 16 移動ステージ 20 天板 21 液流路溝 21a (液流路溝の)外周部 21b (液流路溝の)中央部 22 吐出口 100 天板 101 吐出口プレート 102 吐出口 103 液流路溝 104 液室 105 液供給口 106 吐出エネルギー発生素子 107 素子基板 108 配線基板 110 ベースプレート H 液体噴射記録ヘッド L レーザ光 W 被加工物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀧本 雅文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長谷川 利則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 伊東 美紀 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の吐出エネルギー発生素子が形成さ
    れた素子基板上に、前記吐出エネルギー発生素子にそれ
    ぞれ対応する複数の液流路溝および吐出口をレーザ光の
    照射により加工した天板を取り付け、液体噴射記録ヘッ
    ドを組み立てる液体噴射記録ヘッドの製造方法におい
    て、 レーザ光の照射により天板に液流路溝を加工する際に照
    射するレーザ光のエネルギー密度を部分的に変えること
    を特徴とする液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 液流路溝の外周部を加工すべく照射され
    るレーザ光のエネルギー密度を、前記液流路溝の中央部
    を加工すべく照射されるレーザ光のエネルギー密度より
    も低くなるようにしたことを特徴とする請求項1記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 レーザマスクに設けられた液流路溝を形
    成するパターンのレーザ光透過率を部分的に変えること
    によって、レーザ光のエネルギー密度を部分的に変える
    よう制御することを特徴とする請求項1または2記載の
    液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  4. 【請求項4】 レーザマスクに設けられた液流路溝を形
    成するパターンにおけるレーザ光透過率を変える領域
    は、所定の液流路溝の深さhとレーザ照射によるテーパ
    角θ、および所定の投影光学系の投影倍率nから、式h
    × tanθ/nで計算される領域であることを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘ
    ッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 レーザ光透過率を変える領域におけるレ
    ーザ光透過率は、10%〜100%の範囲で適宜変更可
    能であることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか
    1項記載の液体噴射記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 吐出エネルギー発生素子は熱エネルギー
    を発生する電気熱変換体であることを特徴とする請求項
    1ないし5のいずれか1項記載の液体噴射記録ヘッドの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015066580A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 日本電気株式会社 レーザー加工装置及びレーザー加工方法

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