JPH10235871A - インクジェットヘッドのインク吐出口形成方法 - Google Patents

インクジェットヘッドのインク吐出口形成方法

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JPH10235871A
JPH10235871A JP9042695A JP4269597A JPH10235871A JP H10235871 A JPH10235871 A JP H10235871A JP 9042695 A JP9042695 A JP 9042695A JP 4269597 A JP4269597 A JP 4269597A JP H10235871 A JPH10235871 A JP H10235871A
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JP
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mask plate
plate
mask
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ink
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JP9042695A
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Masashi Shimozato
正志 下里
Isao Suzuki
伊左雄 鈴木
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TEC CORP
Original Assignee
TEC CORP
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク吐出口を高い精度で形成することであ
る。 【解決手段】 ヘッド本体6の端面開口部に高分子材料
からなるノズル板16を接着し、前記ノズル板16の表
面に多数の円形開口21を有する金属板からなるマスク
板22を接着して少なくとも2方向以上の入射角でレー
ザ光を照射して前記マスク板22に設けられた円形開口
21部分の接着剤17,20と前記ノズル板16の高分
子膜を除去し、前記マスク板22を取り外すことにより
インクジェットヘッドのインク吐出口21を形成する方
法において、前記マスク板22の接着を耐熱性接着剤を
もって接着するようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多数のインク吐出
口を備えたインクジェットヘッドに係るものであり、特
に、ヘッド本体に高分子材料からなるノズル板を接着し
た後にレーザ光照射によりノズル板に多数のインク吐出
口を形成するようにしたインクジェットヘッドのインク
吐出口形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧電部材を用いたオンデマンド方
式のインクジェットプリンタにおいて採用されているイ
ンクジェットヘッド1の構造を図12に示す。すなわ
ち、このインクジェットヘッド1は、少なくとも一方が
圧電部材よりなる下層基板2及び上層基板3とからなる
積層された基板4と天板5を接着又は接合により一体化
してヘッド本体6を形成した後、このヘッド本体6の端
面開口部にノズル板7を接着した構造になっている。さ
らに、詳しく説明すると、基板4には、上層基板3の上
面から下層基板2の内部まで到達するとともに前面が開
口し後部が閉鎖した多数の溝8が形成されており、さら
に、これらの溝8の後部から基板4の上面後端まで延長
して前記溝8内に形成された電極9aに接続された配線
パターン9bが形成されている。この時、基板4に形成
された溝8は、それらの溝8の両側に形成された側壁1
0と天板5とで一つ一つが遮断されてインク流路を兼ね
たインク室11とされ、さらに、これらのインク室11
のすべてに連通するインク供給口として作用する共通イ
ンク供給路12が前記天板5の下面に形成されている。
また、前記ノズル板7には、前記インク室11毎に開口
するインク吐出口13が形成されている。
【0003】しかして、一般に、ノズル板7に形成され
るインク吐出口13の孔径は、約30μmであり、ノズ
ル板7としては、板厚50μm程度の金属板が使用され
る。このようなノズル板7の製造は、通常、電鋳法と呼
ばれるメッキ法が用いられる。このメッキ法により製造
されたノズル板7には、多数のインク吐出口13が形成
されており、ヘッド本体6に接着固定される。この接着
固定時に、ヘッド本体6の溝8とノズル板7のインク吐
出口13との位置を精密に位置決めする必要がある。
【0004】別の手段としては、インク吐出口13が予
め形成されていないノズル板7をヘッド本体6に接着
し、その後に、ノズル板7にレーザ光で孔明をしてイン
ク吐出口13を形成することが行なわれている。この場
合、ノズル板7の材料としては、主に高分子材料が使用
され、レーザ光としては精密なアブレーション加工が可
能なエキシマレーザが使用される。そして、図13に示
すように、インク吐出口13の形状は、インクの良好な
吐出のために、レーザが照射される入射方向に対して逆
テーパであることが必須要件とされている。このような
逆テーパのインク吐出口13を形成する方法としては、
反射対物レンズによる方法や、金属ステンシルマスクを
ポリイミドプレートに密着し、被加工物をビームに対し
て傾かせて孔明する方法(特公平6−24874号公報
参照)がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ヘッド本体にノズル板
を接着固定してからインク吐出口をレーザ光により形成
するようにした方法において、形成したインク吐出口が
接着剤により塞がってしまうと云う問題がある。前述の
反射対物レンズによる方法は、インク吐出口を1つずつ
しか形成することができないため、数百個のインク吐出
口を形成するには、時間がかかると云う問題点を有して
いる。また、後者の被加工物をビームに対して傾かせて
孔明する方法は、一括して多数のインク吐出口を形成す
ることができると云う利点を有する。しかしながら、孔
明に当たっては、ノズル板15の表面にマスク板14を
密着させているものであるが、この密着距離精度を確保
することが必須の要件であり、実際には、レーザ照射時
に金属によるマスク板14が加熱され、変形することに
より、数μmの間隙がマスク板14とノズル板15との
間に生じ、これにより、孔形状が楕円になったり、精度
が悪化すると云う問題点がある。すなわち、マスク板1
4とノズル板15との間に隙間が生じた場合のインク吐
出口13の孔径に影響する状態を図14に示す。ここ
で、一点鎖線で示したものが、マスク板14とノズル板
15とが密着してAなる所望の孔径のインク吐出口13
が形成される状態を示しており、実線で示したものが、
マスク板14とノズル板15との間に隙間sの浮き上が
りが生じてインク吐出口13の孔径がBになってしまっ
た状態を示しているものである。具体的には、入射角を
20度とした時のマスク板14とノズル板15との間の
距離と孔径の増加分との関係は、図15に示す状態であ
り、例えば、マスク板14とノズル板15との間の距離
が3μm変化するだけで2μmの孔径変化が生じる。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
高分子材料からなるノズル板をインクが供給される溝が
形成されたヘッド本体の端面開口部に接着するノズル板
接着工程と、前記ノズル板の表面に多数の円形開口を有
する金属板からなるマスク板を接着するマスク接着工程
と、前記マスク板の上方の少なくとも2方向以上の入射
角でレーザ光を照射して前記マスク板に設けられた円形
開口部分の接着剤と前記ノズル板の高分子膜を除去する
孔明工程と、前記マスク板を取り外すマスク板取外工程
とよりなるインクジェットヘッドのインク吐出口形成方
法において、前記マスク板の接着を耐熱性接着剤をもっ
て接着するようにしたものである。
【0007】請求項2記載の発明は、高分子材料からな
るノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッド
本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前記
ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板からな
るマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク板
の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を照
射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着剤
と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前記
マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるインク
ジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前記
マスク板の接着を熱硬化型樹脂系接着剤をもって接着す
るようにしたものである。
【0008】請求項3記載の発明は、請求項2記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体の熱膨張係数と略等しい熱膨張係数の材料に
よりマスク板を形成したものである。
【0009】請求項4記載の発明は、高分子材料からな
るノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッド
本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前記
ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板からな
るマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク板
の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を照
射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着剤
と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前記
マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるインク
ジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前記
マスク板の接着を常温硬化型接着剤をもって接着するよ
うにしたものである。
【0010】請求項5記載の発明は、高分子材料からな
るノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッド
本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前記
ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板からな
るマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク板
の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を照
射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着剤
と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前記
マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるインク
ジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前記
マスク板を溶剤にて溶解可能な接着剤で接着し、前記ノ
ズル板を溶剤にて溶解しない接着剤で接着したものであ
る。
【0011】請求項6記載の発明は、請求項1、2、4
又は5記載のインクジェットヘッドのインク吐出口形成
方法において、マスク板取外工程でマスク板を取り外し
た後にノズル板の表面に残されたマスク板固定用の接着
剤を溶剤により除去する溶剤除去工程を前記マスク板取
外工程の後に加入したものである。
【0012】請求項7記載の発明は、請求項6記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧力を加える圧力
印加手段を備え、ノズル板に形成されたインク吐出口か
ら気体を噴出させてマスク板固定用の接着剤を除去する
ようにしたものである。
【0013】請求項8記載の発明は、請求項6記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧力を加える圧力
印加手段を備え、ノズル板に形成されたインク吐出口か
らマスク板固定用の接着剤を溶解する溶剤を噴出させて
前記マスク板固定用の接着剤を除去するようにしたもの
である。
【0014】請求項9記載の発明は、請求項8記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧力を加える圧力
印加手段を備え、ノズル板に形成されたインク吐出口か
らマスク板固定用の接着剤を溶解する溶剤を噴出させて
前記マスク板固定用の接着剤を除去し、その後に、前記
圧力印加手段により印加される圧力媒体を気体に切り換
えるようにしたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の実施の第一の形態を図1
乃至図10に基づいて説明する。図11乃至図14で説
明した部分と同一部分は同一符号を用い説明も省略す
る。まず、溝8が形成されたヘッド本体6の端面開口部
に、高分子材料、すなわち、ポリイミドやポリサルフォ
ンよりなる所定厚さのノズル板16を接着剤17により
接着する。この接着は、図2に示すように、PETフィ
ルム18の一面に2液性エポキシ樹脂等よりなる前記接
着剤17を6〜7μmの厚さにスクリーン印刷等により
塗布し、ヘッド本体6の端面開口部に接着剤17側を接
触させてローラ等の加圧具19で押圧して転写する。ヘ
ッド本体6に転写された接着剤17の厚さは、3〜3.
5 μmとなる。このように転写された接着剤17の上
にノズル板16を接合させ、接着剤17が十分に硬化す
るまで均一な圧力をかける治具にセットして接着固定す
るものである。ついで、図3に示すように、ノズル板1
6の表面をアセトン等で洗浄してその表面を乾かしてか
らシアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)等のマス
ク接着剤20を滴下して多数の円形開口21が形成され
た金属ステンシルマスクによるマスク板22が接着され
る。この場合にも、接着剤20が十分に硬化するまで均
一な圧力をかける治具にセットしておく。
【0016】このようにしてノズル板16が接着固定さ
れたヘッド本体6を図4に示すレーザ装置23により図
5に示すように3ステップで逆テーパを持ったインク吐
出口24が形成される。前記レーザ装置23は、Xテー
ブル25上に直線移動できるように取り付けられた可動
台26が設けられ、この可動台26に円弧運動するゴニ
オステージ27が設けられ、このゴニオステージ27に
前記インク吐出口24の位置が回転中心となるように前
記ヘッド本体6が取り付けられている。ついで、レーザ
発振器28が設けられ、このレーザ発振器28から発生
したレーザ光29は、反射鏡30、入射レンズ31、カ
ライドスコープ32、結像レンズ33を経て前記ノズル
板16に照射されている。ついで、このレーザ装置23
によるインク吐出口24の形成は、図5に示すように、
1回目として右上から左下に向けてレーザ光29を照射
して斜めの孔を形成し、2回目として左上から右下に向
けてレーザ光29を照射して1回目の孔と合成し、3回
目として垂直方向にレーザ光を照射して中心部分を加工
する。このようにして形成されたインク吐出口24は、
上面が円形であり、下面が一方向に長い長孔となってい
るものである。
【0017】このようにしてレーザ光29の照射によ
り、高分子材料よりなるノズル板16と接着剤17、マ
スク接着剤20がアブレレーション(除去)される。レ
ーザ光29の照射範囲は、マスク板22の円形開口21
より大きい範囲にわたるものであるが、ノズル板16に
対しては、マスク板22の円形開口21により照射範囲
が規制される。具体的には、ゴニオステージ27でヘッ
ド本体6を傾けた状態でXテーブル25をX方向に移動
させてレーザ光29の照射を一回行ない、ついで、2回
目としてゴニオステージ27を逆方向に回動させてから
Xテーブル25を移動させ、さらに、3回目としてゴニ
オステージ27を水平にしてXテーブル25を移動させ
ることにより、逆テーパ状のインク吐出口24が形成さ
れる。実際には、ノズル板16上に存在する接着剤1
7、マスク接着剤20の存在により、通常は、さらに数
回のレーザ光29の走査が必要である。
【0018】さらに、図6〜図8に基づいてマスク板2
2の具体的な形状を説明する。このマスク板22は、電
鋳法等により製作され、その円形開口21は、下方が細
径になるテーパ孔により形成されている。このテーパの
度合いは、形成しようとするインク吐出口24のテーパ
の状態に一致しており、インク吐出口24に加工に要す
るレーザ光29の照射がマスク板22により遮断されな
いようにするためである。そして、レーザ光29の照射
領域は、100〜200℃に加熱されるが、接着剤17
としては、熱硬化型樹脂系接着剤のような耐熱性接着剤
が用いられているため、ノズル板16に対するマスク板
22の浮き上がりが発生することはない。そのため、イ
ンク吐出口24の加工精度はきわめて高い(請求項1、
2)。
【0019】このようにインク吐出口24を形成した後
に、マスク板22は、図9に示すように、全体をアセト
ン溶液34の中に浸漬して剥離される。この剥離時に、
ノズル板16の表面にはマスク接着剤20の一部が残留
するが、図10に示すように、このまま超音波洗浄を行
なう(請求項6)。この場合、アセトン溶液34は、マ
スク接着剤20を溶解し、ノズル板16を接着している
接着剤17を溶解しないものである(請求項5)。この
溶剤としては、エタノール等も利用できる。さらに、図
11に示すように、圧力印加手段35として空気圧発生
装置や溶剤供給装置を用い、この圧力印加手段35をヘ
ッド本体6のインク供給口として作用している共通イン
ク供給路12から図10に示すアセトン溶液34による
マスク接着剤20の溶解時に窒素ガスを供給し、これに
より、ノズル板16に形成されたインク吐出口24から
窒素ガスを噴出させながらマスク接着剤20の除去を行
なうことにより、インク吐出口24の目詰まりが発生す
ることがない(請求項7)。また、窒素ガスに変えてア
セトン溶液34等の溶剤を噴出させることも有効である
(請求項8)。さらに、アセトン溶液34等の溶剤を噴
出させた後に、空気若しくは窒素ガスのような気体を噴
出させることにより、より一層の目詰まり防止を図るこ
とが出来る(請求項9)。このようにインク吐出口24
に残留接着剤が残らないようにすることは、各インク吐
出口24からのインク吐出方向が乱れることを防止する
ものであり、製品品質に与える影響は大きい。
【0020】次に、本発明の実施の第二の形態を説明す
る(請求項3)。本実施の形態は、マスク板22をヘッ
ド本体6と熱膨張係数がほぼ等しい材質とし、マスク接
着剤20として加熱硬化型接着剤を用いたものである。
ヘッド本体6の熱膨張係数が主として圧電部材(PZ
T)により決まるものであるとすれば、マスク板22と
してアンバー、42アロイ、コバールといった低熱膨張
係数の合金を用いることが好適である。マスク接着剤2
0としては、エポキシ系の熱硬化型接着剤が使用され
る。これにより、接着時に加熱しても、マスク板22と
ヘッド本体6との熱膨張係数がほぼ等しいことから、円
形開口21の位置ずれが発生することがない。レーザ光
29の照射により加熱された場合にも同様である。
【0021】さらに、本発明の実施の第三の形態を説明
する(請求項4)。本実施の形態は、マスク板22をヘ
ッド本体6に接着するマスク接着剤20として、常温硬
化型接着剤を用いたものである。この常温硬化型接着剤
としては、瞬間接着剤、エポキシ系の2液性常温硬化型
接着剤等が使用できる。
【0022】
【発明の効果】請求項1記載の発明は、高分子材料から
なるノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッ
ド本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前
記ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板から
なるマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク
板の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を
照射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着
剤と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前
記マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるイン
クジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前
記マスク板の接着を耐熱性接着剤をもって接着するよう
にしたので、レーザ光によるインク吐出口の加工時にマ
スクがノズル板から浮き上がることがなく、これによ
り、きわめて高い加工精度でインク吐出口を形成するこ
とができると云う効果を有する。
【0023】請求項2記載の発明は、高分子材料からな
るノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッド
本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前記
ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板からな
るマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク板
の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を照
射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着剤
と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前記
マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるインク
ジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前記
マスク板の接着を熱硬化型樹脂系接着剤をもって接着す
るようにしたので、レーザ光によるインク吐出口の加工
時にマスクがノズル板から浮き上がることがなく、これ
により、きわめて高い加工精度でインク吐出口を形成す
ることができると云う効果を有する。
【0024】請求項3記載の発明は、請求項2記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体の熱膨張係数と略等しい熱膨張係数の材料に
よりマスク板を形成したので、マスク板の接着時又はレ
ーザ光照射時に熱的歪みが発生することがなく、これに
より、インク吐出口の位置精度を高めることができると
云う効果を有する。
【0025】請求項4記載の発明は、高分子材料からな
るノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッド
本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前記
ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板からな
るマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク板
の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を照
射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着剤
と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前記
マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるインク
ジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前記
マスク板の接着を常温硬化型接着剤をもって接着するよ
うにしたので、マスク板を接着した状態でのヘッド本体
の歪みの発生を防止することができ、これにより、高い
精度でインク吐出口を形成することができると云う効果
を有する。
【0026】請求項5記載の発明は、高分子材料からな
るノズル板をインクが供給される溝が形成されたヘッド
本体の端面開口部に接着するノズル板接着工程と、前記
ノズル板の表面に多数の円形開口を有する金属板からな
るマスク板を接着するマスク接着工程と、前記マスク板
の上方の少なくとも2方向以上の入射角でレーザ光を照
射して前記マスク板に設けられた円形開口部分の接着剤
と前記ノズル板の高分子膜を除去する孔明工程と、前記
マスク板を取り外すマスク板取外工程とよりなるインク
ジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、前記
マスク板を溶剤にて溶解可能な接着剤で接着し、前記ノ
ズル板を溶剤にて溶解しない接着剤で接着したので、マ
スク板を剥離した後のマスク接着剤の除去を容易に行な
うことができると云う効果を有する請求項6記載の発明
は、請求項1、2、4又は5記載のインクジェットヘッ
ドのインク吐出口形成方法において、マスク板取外工程
でマスク板を取り外した後にノズル板の表面に残された
マスク板固定用の接着剤を溶剤により除去する溶剤除去
工程を前記マスク板取外工程の後に加入したので、イン
クの吐出方向が安定したインクジェットヘッドを得るこ
とができると云う効果を有する。
【0027】請求項7記載の発明は、請求項6記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧力を加える圧力
印加手段を備え、ノズル板に形成されたインク吐出口か
ら気体を噴出させてマスク板固定用の接着剤を除去する
ようにしたので、インク吐出口に接着剤が残ることがな
く、これにより、インクの吐出方向が安定したインクジ
ェットヘッドを得ることができると云う効果を有する。
【0028】請求項8記載の発明は、請求項6記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧力を加える圧力
印加手段を備え、ノズル板に形成されたインク吐出口か
らマスク板固定用の接着剤を溶解する溶剤を噴出させて
前記マスク板固定用の接着剤を除去するようにしたの
で、インク吐出口に接着剤が残ることがなく、これによ
り、インクの吐出方向が安定したインクジェットヘッド
を得ることができると云う効果を有する。
【0029】請求項9記載の発明は、請求項8記載のイ
ンクジェットヘッドのインク吐出口形成方法において、
ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧力を加える圧力
印加手段を備え、ノズル板に形成されたインク吐出口か
らマスク板固定用の接着剤を溶解する溶剤を噴出させて
前記マスク板固定用の接着剤を除去し、その後に、前記
圧力印加手段により印加される圧力媒体を気体に切り換
えるようにしたので、インク吐出口に接着剤が残ること
がなく、これにより、インクの吐出方向が安定したイン
クジェットヘッドを得ることができると云う効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一の形態を示すもので、イン
ク吐出口を形成するための全ての工程を示す工程図であ
る。
【図2】ヘッド本体にノズル板を接着する工程を示す工
程図である。
【図3】ノズル板が接着されたヘッド本体にマスク板を
接着する工程を示す工程図である。
【図4】レーザ装置の全体を示す斜視図である。
【図5】インク吐出口の加工ステップを示す縦断側面図
である。
【図6】インク吐出口を形成する前の状態を示す縦断側
面図である。
【図7】インク吐出口を形成した状態を示す縦断側面図
である。
【図8】多数のインク吐出口の配列状態を示すヘッド本
体の縦断正面図である。
【図9】マスク板を剥離するためにアセトン溶液に浸漬
した状態の縦断側面図である。
【図10】マスク板が剥離された後のマスク接着剤を除
去している状態の縦断側面図である。
【図11】マスク板が剥離された後のマスク接着剤を除
去している状態の他の例を示す縦断側面図である。
【図12】インクジェットヘッドの一例を示す一部を切
り欠いた斜視図である。
【図13】インク吐出口の断面形状を示すもので、図8
のA−A線断面に相当する部分断面図である。
【図14】ノズル板からマスク板が浮き上がった時の弊
害を示すための部分断面図である。
【図15】ノズル板からマスク板が浮き上がった時の浮
き上がり量と孔径との相対関係を示すグラフである。
【符号の説明】
6 ヘッド本体 8 溝 16 ノズル板 17 接着剤 20 接着剤 21 円形開口 22 マスク板

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子材料からなるノズル板をインクが
    供給される溝が形成されたヘッド本体の端面開口部に接
    着するノズル板接着工程と、前記ノズル板の表面に多数
    の円形開口を有する金属板からなるマスク板を接着する
    マスク接着工程と、前記マスク板の上方の少なくとも2
    方向以上の入射角でレーザ光を照射して前記マスク板に
    設けられた円形開口部分の接着剤と前記ノズル板の高分
    子膜を除去する孔明工程と、前記マスク板を取り外すマ
    スク板取外工程とよりなるインクジェットヘッドのイン
    ク吐出口形成方法において、前記マスク板の接着を耐熱
    性接着剤をもって接着するようにしたことを特徴とする
    インクジェットヘッドのインク吐出口形成方法。
  2. 【請求項2】 高分子材料からなるノズル板をインクが
    供給される溝が形成されたヘッド本体の端面開口部に接
    着するノズル板接着工程と、前記ノズル板の表面に多数
    の円形開口を有する金属板からなるマスク板を接着する
    マスク接着工程と、前記マスク板の上方の少なくとも2
    方向以上の入射角でレーザ光を照射して前記マスク板に
    設けられた円形開口部分の接着剤と前記ノズル板の高分
    子膜を除去する孔明工程と、前記マスク板を取り外すマ
    スク板取外工程とよりなるインクジェットヘッドのイン
    ク吐出口形成方法において、前記マスク板の接着を熱硬
    化型樹脂系接着剤をもって接着するようにしたことを特
    徴とするインクジェットヘッドのインク吐出口形成方
    法。
  3. 【請求項3】 ヘッド本体の熱膨張係数と略等しい熱膨
    張係数の材料によりマスク板を形成したことを特徴とす
    る請求項2記載のインクジェットヘッドのインク吐出口
    形成方法。
  4. 【請求項4】 高分子材料からなるノズル板をインクが
    供給される溝が形成されたヘッド本体の端面開口部に接
    着するノズル板接着工程と、前記ノズル板の表面に多数
    の円形開口を有する金属板からなるマスク板を接着する
    マスク接着工程と、前記マスク板の上方の少なくとも2
    方向以上の入射角でレーザ光を照射して前記マスク板に
    設けられた円形開口部分の接着剤と前記ノズル板の高分
    子膜を除去する孔明工程と、前記マスク板を取り外すマ
    スク板取外工程とよりなるインクジェットヘッドのイン
    ク吐出口形成方法において、前記マスク板の接着を常温
    硬化型接着剤をもって接着するようにしたことを特徴と
    するインクジェットヘッドのインク吐出口形成方法。
  5. 【請求項5】 高分子材料からなるノズル板をインクが
    供給される溝が形成されたヘッド本体の端面開口部に接
    着するノズル板接着工程と、前記ノズル板の表面に多数
    の円形開口を有する金属板からなるマスク板を接着する
    マスク接着工程と、前記マスク板の上方の少なくとも2
    方向以上の入射角でレーザ光を照射して前記マスク板に
    設けられた円形開口部分の接着剤と前記ノズル板の高分
    子膜を除去する孔明工程と、前記マスク板を取り外すマ
    スク板取外工程とよりなるインクジェットヘッドのイン
    ク吐出口形成方法において、溶剤にて溶解可能な接着剤
    で前記マスク板を接着し、溶剤にて溶解しない接着剤で
    前記ノズル板を接着したことを特徴とするインクジェッ
    トヘッドのインク吐出口形成方法。
  6. 【請求項6】 マスク板取外工程でマスク板を取り外し
    た後にノズル板の表面に残されたマスク板固定用の接着
    剤を溶剤により除去する溶剤除去工程を前記マスク板取
    外工程の後に加入したことを特徴とする請求項1、2、
    4又は5記載のインクジェットヘッドのインク吐出口形
    成方法。
  7. 【請求項7】 ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧
    力を加える圧力印加手段を備え、ノズル板に形成された
    インク吐出口から気体を噴出させてマスク板固定用の接
    着剤を除去するようにしたことを特徴とする請求項6記
    載のインクジェットヘッドのインク吐出口形成方法。
  8. 【請求項8】 ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧
    力を加える圧力印加手段を備え、ノズル板に形成された
    インク吐出口からマスク板固定用の接着剤を溶解する溶
    剤を噴出させて前記マスク板固定用の接着剤を除去する
    ようにしたことを特徴とする請求項6記載のインクジェ
    ットヘッドのインク吐出口形成方法。
  9. 【請求項9】 ヘッド本体のインク供給口より溝内に圧
    力を加える圧力印加手段を備え、ノズル板に形成された
    インク吐出口からマスク板固定用の接着剤を溶解する溶
    剤を噴出させて前記マスク板固定用の接着剤を除去し、
    その後に、前記圧力印加手段により印加される圧力媒体
    を気体に切り換えるようにしたことを特徴とする請求項
    8記載のインクジェットヘッドのインク吐出口形成方
    法。
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