JP2016075051A - 天井構造 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、天井板を、単に支持部材等で躯体に固定すれば、防振機能が損なわれてしまう。また、支持部材を経由して、いわゆる微振動が躯体と天井板間で伝達される。
躯体から天井板に伝達される振動を縦振動と横振動に分けて抑制する技術には、例えば特許文献1がある。
このため、特許文献1は、天井板と建物側壁の間に防振ゴムを設置して、天井板と建物側壁が衝突したときの振動を吸収させている。
更に、傾き制限手段により、フレームと天井板との相対的横移動で生じる連結手段の傾斜が制限される。即ち、フレームと天井板の間に相対的横移動が生じたとき、相対的横移動量に応じて連結手段が傾斜する。この連結手段の傾斜角度が傾き制限手段で制限されることにより、フレームと天井板との相対的横移動が制限される。
即ち、1個の連結手段で、1軸方向のフレームと天井板との相対的横移動を制限することができる。
これにより、複数の連結手段を、軸部材同士を結ぶ直線を直交2方向に一致させ、隣り合う連結手段の側板の面方向が互いに直交する方向(軸部材を中心に互いに90度回転させた方向)とすることにより、隣接する一方の連結手段の軸部材の上部が、側板の方向と交差する方向へ傾斜しても、他方の連結手段の軸部材の上部を、側板の方向へ傾斜させることができる。
この結果、直交2方向のいずれの方向であっても、天井板とフレームの相対的横移動を制限することができる。
これにより、フレームの縦部材の寸法を調整することで、フレームの横部材と天井板との距離を調整することができる。横部材と天井板との距離を小さくすることで、フレームと天井板との相対的横移動量を小さくすることができる。また、フレームを利用して、空調用ダクト等を支持することができる。
図1〜図7を用いて本発明の第1実施形態に係る天井構造について説明する。
図1の正面図に示すように、天井構造を構成する天井10は、音楽ホールやシネマコンプレックス等に用いられる音響性能を向上させた天井である。天井10は、建物躯体14の天井部14Sの下面に固定されたフレーム12を有している。
縦部材16、横部材18及びブレース20はいずれも鋼材で形成されている。フレーム12は立体的に構築され、地震時に建物躯体14と一体挙動する剛性を備えている。
天井板22は、石膏ボードや木製板等の一般的な材料で形成されている。天井板22は、音響性能を確保するのに必要な板厚を備え、表面にはグラスウール62が貼り付けられ、吸音性能を高め遮音性能を確保している。
フレーム12の横部材18と天井板22の間には、天井板22を上から支持する防振ハンガ(連結手段)24が設けられている。防振ハンガ24は、所定の間隔で複数設けられている。防振ハンガ24は、上部が横部材18の下面に固定され、下部が天井板22の野縁受け46に固定されている。
筐体32の内部は中空とされ、内部には、縦方向の振動を減衰させるゴム体(弾性部材)28が配置されている。
筐体32の下板25Dには、図示しない貫通孔が設けられている。貫通孔には、ゴム体28の下部が挿通され、貫通孔より外形が大きく成形されたゴム体28の上部が、貫通孔の位置で係止されている。
これにより、天井板22からフレーム12への振動、並びにフレーム12から天井板22へ伝達される振動(いわゆる微振動)の伝達が減衰される。
なお、吊りボルト34の上部と側壁26Rとの当接には、吊りボルト34の上部に取付けられたゴム体28やナット36の外表面と、側壁26Rとの当接も含まれる。
吊りボルト34の傾きが制限されることで、天井板22とフレーム12の、相対的横移動が制限される。
図5(A)には、4個の防振ハンガ24(防振ハンガ24A、24B、24C、24D)をX軸方向、及びY軸方向へ2個ずつ配置する場合を示す。X軸方向へ防振ハンガ24Aと24Bを、所定距離あけて隣接させ、更に、Y軸方向へ所定距離ずらせた位置において、X軸方向へ防振ハンガ24Cと24Dを所定距離あけて隣接させている。
更に、Y軸方向に隣接する防振ハンガ24Aと24C、及び防振ハンガ24Bと24Dの側板26R、26Lを、隣り合う連結手段の側板の面方向が互いに直交する方向(吊りボルト34を中心に互いに90度回転させた方向)に配置する。
図5(B)に示すように、フレーム12の横部材18と天井板22のX軸方向への相対的横移動量ΔLは、横部材18と天井板22の距離H1、及び吊りボルト34の鉛直軸との傾斜角度θに比例する。
即ち、横部材18と天井板22の距離H1を小さくすれば、相対的横移動量ΔLを小さくすることができる。又は、傾斜角度θを小さくすれば、相対的横移動量ΔLを小さくすることができる。
天井板22の隅部と、建物側壁30との距離L(L>ΔL)の隙間部には、外力を受けて容易に変形するグラスウール60が充填されている。また、距離Lの隙間部の室内側には、隙間部を塞ぐ保護カバー58が取付けられている。保護カバー58の天井板22側の端部と天井板22との間には、摺動部材61が設けられている。摺動部材61は、地震時等における、保護カバー58と天井板22とのスライドを許容している。
図6に記載した、距離Lの隙間部を通過する矢印Sは、室内側からの音の漏れを模式的に示している。本構成とすることにより効果的に音の漏れを抑制でき、音響性能を低下させずに、防振機能を維持することができる。
これにより、地震等でフレーム12と天井板22が相対的横移動しても、相対的横移動量に応じて防振ハンガ24の吊りボルト34が傾斜する。この吊りボルト34の傾斜が、側板26R、26Lで抑制される。この結果、フレーム12と天井板22とのそれ以上の相対的横移動が制限され、天井板22と建物側壁30との衝突を回避することができる。
図7(A)の正面図、(B)の平面図に示すように、フレーム12は、縦部材16、横部材18及びブレース20で構成され、上述したように高い剛性を備えている。この結果、ブレース20の数を減らしても、フレーム12に要求される必要な剛性を確保することができる。例えば、1構面(X軸方向又はY軸方向に縦部材16を連続させた1つの配列)につき、1〜2箇所にまで減らすことができる。
図8を用いて、本発明の第2実施形態に係る天井構造について説明する。
第2実施形態に係る天井構造を構成する天井50は、天井板22を吊るす防振ハンガ52の筐体54に設けられた、側板56を1枚とした点において、2枚の側板26R、26Lを備えた第1実施形態と相違する。相違点を中心に説明する。
また、防振ハンガ52は、筐体54の3方向が開放されているので、作業性を向上させることができる。防振ハンガ52は、筐体54に設けられた側板56が1枚であることのみが第1実施形態で説明した筐体32と相違するので、防振ハンガ52の詳細な説明は省略する。
図9には、8個の防振ハンガ52(52A、52B、52C、52D、52E、52F、52G、52H)をX軸方向へ4列、Y軸方向へ2列に配置する場合を示す。
これにより、一方の防振ハンガ52の軸部材の上部が、側板56の方向と反対方向へ傾斜しても、隣接する他方の防振ハンガ52においては、吊りボルト34の上部が側板56の方向へ傾斜する。この結果、隣接する防振ハンガ52に沿った、方向の、天井板22とフレーム12の相対的横移動を制限することができる。
このように、複数の防振ハンガ52を直交2方向へ適切に配置することにより、直交2方向の相対的横移動を抑制することができる。
他の構成は、第1実施形態と同じであり説明は省略する。
12 フレーム
14 建物躯体
16 縦部材(フレーム)
18 横部材(フレーム)
20 ブレース(斜め部材、フレーム)
22 天井板
24、52 防振ハンガ(連結手段)
26、56側版(傾き制限手段)
28 ゴム体(弾性部材、連結手段)
30 側壁
32 、54 筐体(受け部材、連結手段、傾き制限手段)
34 吊りボルト(軸部材、連結手段)
36 ナット
38 吊り金具(連結手段)
Claims (4)
- 建物躯体の天井部の下面に固定され、前記建物躯体と一体挙動するフレームと、
弾性部材を介して前記フレームと天井板を連結する連結手段と、
前記フレーム又は前記天井板の少なくとも一方に設けられ、前記連結手段の傾きを制限する傾き制限手段と、
を有する天井構造。 - 前記連結手段は、
前記フレームに固定された受け部材と、
前記受け部材に支持され、貫通孔が形成されたゴム体と、
前記貫通孔及び前記受け部材を貫通し、上部が前記ゴム体に支持される軸部材と、
前記天井板に設けられ、前記軸部材の下部が固定される固定部材と、
を備え、
前記傾き制限手段は、
前記受け部材に設けられ、前記軸部材が傾いたときに当接して前記軸部材の傾きを抑制する側板である請求項1に記載の天井構造。 - 前記側板は、前記軸部材を挟んで対向配置されており、
隣り合う前記連結手段の前記側板の面方向は互いに直交している
請求項2に記載の天井構造。 - 前記フレームは、
上端部が前記建物躯体に固定された縦部材と、
前記縦部材の下端部に接合され、前記天井板と連結される横部材と、
前記縦部材と前記横部材の間に斜めに渡された斜め部材と、
を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の天井構造。
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