JP2015168939A - 防振天井構造および防振吊り金物 - Google Patents

防振天井構造および防振吊り金物 Download PDF

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大輔 尾方
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Abstract

【課題】防振性能と耐震性能を併せ持つとともに、天井下地の水平方向への揺れを抑制できる防振天井構造および防振吊り金物を提供する。
【解決手段】防振吊り金物20は、有底筒状のハウジング21と、ハウジング21の上部に設けられた吊りボルト係止部材31と、ハウジング21の内部に収容された第一防振材41と、第一防振材41から天井下地3に至る貫通ボルト51と、を備えており、貫通ボルト51は、第一防振材41およびハウジング21の底板部22aを貫通しており、貫通ボルト51の上端部には第一防振材41の上面に係止される第一鍔部52が設けられ、貫通ボルト51のうちハウジング21から下方に突出した部分には、第二鍔部53が設けられており、第二鍔部53とハウジング21の底板部22aとの間に第二防振材43が介設されていることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、防振天井構造および防振吊り金物に関する。
天井構造としては、天井板を支持する鋼製天井下地を吊りボルトで吊り下げたものが知られている。吊りボルトは、上階床スラブなどの支持構造物から垂設されており、その下端部に天井下地が接続されている。
遮音性能が要求される天井構造では、吊りボルトの中間部に防振吊り金物を配設することで吊りボルトを介して伝達される振動を吸収する場合がある。
一方、耐震性能が求められる場合には、上部構造体から天井下地に至るブレースを設置するのが一般的である。
ところが、ブレースにより上部構造体と天井下地を緊結すると、防振吊り金物による防振性能が低下してしまう。
そのため、特許文献1には、防振吊り金物の剛性を高めることで防振性能を残しつつ耐震性能を確保する天井構造が開示されている。
特開2012−67545号公報
特許文献1の天井構造は、天井のふところが大きい場合には、十分な耐震性能を確保するためにブレースを設置する必要がある。一方、ブレースを設置すると、防振性能が低下してしまうため、防振性能と耐震性能とを両立させることは困難であった。
また、地震時などに水平力を受けた場合には、天井下地を支持する下部吊りボルトが傾倒し易い構造となっているため、天井下地および天井材の水平方向への揺れを抑制するのが困難であった。
本発明は、前記の問題点を解決することを目的とするものであり、防振性能と耐震性能を併せ持つとともに、天井下地の水平方向への揺れを抑制できる防振天井構造および防振吊り金物を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための請求項1に係る発明は、上部構造体に垂設された吊りボルトと、前記吊りボルトの下端部に取り付けられる防振吊り金物と、前記防振吊り金物を拘束する斜材とを備えた防振天井構造であって、前記防振吊り金物は、有底筒状のハウジングと、前記ハウジングの上部に設けられた吊りボルト係止部材と、前記ハウジングの内部に収容された第一防振材と、前記第一防振材から天井下地に至る貫通ボルトと、を備えており、前記貫通ボルトは、前記第一防振材および前記ハウジングの底板部を貫通しており、前記貫通ボルトの上端部には前記第一防振材の上面に係止される第一鍔部が設けられ、前記貫通ボルトのうち前記ハウジングから下方に突出した部分には、第二鍔部が設けられており、前記第二鍔部と前記ハウジングの底板部との間に第二防振材が介設されていることを特徴とする防振天井構造である。
かかる防振天井構造によれば、平常時においては、第一防振材が鉛直方向の振動を吸収するため、吊りボルトを介して振動が伝わることを防止することができるので防振性能を得られる。これによって、上部構造体と天井下地との間で振動が伝わらないので、遮音性も確保することができる。
また、防振吊り金物が斜材により拘束されているため、耐震性能を確保することができる。さらにハウジングの側部が筒状に形成されているので、ハウジングは閉断面となり抵抗力が高い。したがって、斜材からハウジングに面外方向への力が加わっても、変形を抑えることができる。
さらに、地震時などに水平力が加わり貫通ボルトが傾倒しようとした場合には、第一鍔部が第一防振材から上向きの反力を受けるとともに、第二鍔部が第二防振材から下向きの反力を受けるので、貫通ボルトの傾倒を抑えることができる。これによって、防振吊り金物と天井下地との水平方向へのずれを抑えることができるので、天井下地の水平方向への揺れを抑制できる。
請求項2に係る発明は、前記第一防振材の側面は、前記ハウジングの内面に接触していることを特徴とする。
このような構成によれば、第一防振材がハウジング内で水平方向にずれることがないので、地震時などにおいて水平力が加わった場合においても、天井下地の水平方向への揺れを抑制できる。
請求項3に係る発明は、前記ハウジングの外周部に、前記斜材を固定するためのブラケットが設けられていることを特徴とする。
このような構成によれば、斜材の固定作業が容易に行える。また、たとえばブラケットを90度ピッチで放射状に設ければ、平面視で一方向に延在する斜材のみだけでなく、平面視で一方向に直交する他の方向に延在する斜材を容易に固定することができる。
請求項4に係る発明は、上部構造体に垂設された吊りボルトの下端部と天井下地との間に介設される防振吊り金物であって、前記防振吊り金物は、有底筒状のハウジングと、前記ハウジングの上部に設けられた吊りボルト係止部材と、前記ハウジングの内部に収容された第一防振材と、前記第一防振材から天井下地に至る貫通ボルトと、を備えており、前記貫通ボルトは、前記第一防振材および前記ハウジングの底板部を貫通しており、前記貫通ボルトの上端部には前記第一防振材の上面に係止される第一鍔部が設けられ、前記貫通ボルトのうち前記ハウジングから下方に突出した部分には、第二鍔部が設けられており、前記第二鍔部と前記ハウジングの底板部との間に第二防振材が介設されていることを特徴とする。
かかる防振吊り金物によれば、請求項1に係る発明と同様に、平常時においては、第一防振材が鉛直方向の振動を吸収するため、吊りボルトを介して振動が伝わることを防止することができるので防振性能を得られる。これによって、上部構造体と天井下地との間で振動が伝わらないので、遮音性も確保することができる。さらにハウジングの外周面に斜材を接続すれば、耐震性能を確保することができる。また、ハウジングの側部が筒状に形成されているので、ハウジングは閉断面となり抵抗力が高い。したがって、斜材からハウジングに面外方向への力が加わっても、変形を抑えることができる。
さらには、地震時などに水平力が加わり貫通ボルトが傾倒しようとした場合には、第一鍔部が第一防振材から上向きの反力を受けるとともに、第二鍔部が第二防振材から下向きの反力を受けるので、貫通ボルトの傾倒を抑えることができる。これによって、防振吊り金物と天井下地との水平方向へのずれを抑えることができるので、天井下地の水平方向への揺れを抑制できる。
本発明によれば、耐震性能と防振性能とを確保することができるとともに、天井下地の水平方向への揺れを抑制することができる。
本発明の第一実施形態に係る防振天井構造を示した側面図である。 本発明の第一実施形態に係る防振吊り金物を示した斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る防振吊り金物を示した分解斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る防振吊り金物を示した図であって、(a)は図2のA−A線断面図、(b)は図2のB−B線断面図である。 防振吊り金物のハウジングにおける加工前の状態の金属製板材を示した展開図である。 野縁受けに対する防振吊り金物の揺れを防止する水平変位防止金物を示した分解斜視図である。 野縁受けに対する防振吊り金物の揺れを防止する水平変位防止金物の取付状態を示した斜視図である。 地震時の防振材と貫通ボルトとの状態を示した概略図である。 本発明の第二実施形態に係る防振吊り金物を示した斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る防振吊り金物を示した側面図である。 本発明の第二実施形態に係る防振吊り金物を示した図であって、(a)は図9のC−C線断面図、(b)は図9のD−D線断面図である。 本発明の第三実施形態に係る防振吊り金物を示した斜視図である。 防振吊り金物の貫通ボルトと野縁受けとの連結構造の変形例を示した斜視図である。 防振吊り金物の貫通ボルトと野縁受けとの連結構造の変形例を示した分解斜視図である。
<第一実施形態>
第一実施形態の防振天井構造1は、図1に示すように、上部構造体2に垂設された吊りボルト10により天井下地3を吊持するものである。 防振天井構造1は、吊りボルト10と、防振吊り金物20と、斜材15とを備えている。
上部構造体2は、天井スラブ(上階の床スラブ)、屋根スラブ、梁等である。本実施形態では、上部構造体2が鉄筋コンクリート部材からなる場合について説明するが、上部構造体2の材質は限定されない。また、上部構造体2が水平に形成されている場合について説明するが、上部構造体2は傾斜していてもよい。
吊りボルト10は、長尺ボルトからなる。吊りボルト10の下端部は、防振吊り金物20に接続されている。吊りボルト10は、天井下地3の上方で、図1の紙面左右方向および表裏方向に所定ピッチで複数設けられている。吊りボルト10の上端は、上部構造体2の下面に埋設されたナット部材(図示せず)に螺合されている。
防振吊り金物20は、吊りボルト10の下端部と、天井下地3との間に介設されるものであって、吊りボルト10と天井下地3との間で、騒音の原因となる揺れの伝達を防止するための部材である。
防振吊り金物20は、有底筒状のハウジング21と、ハウジング21の上部に設けられた吊りボルト係止部材31と、ハウジング21の内部に収容された第一防振材41(図4参照)と、第一防振材41から天井下地3に至る貫通ボルト51とを備えている。
図2乃至図4に示すように、ハウジング21は、底板部22aと筒部22bとブラケット22cとを備えてなる。底板部22aは、平面視正方形形状を呈している。底板部22aの中央部(対角線の交点部分)には、貫通孔23が形成されている。貫通孔23の内径は、貫通ボルト51の軸部の外径よりも大きく形成されている(図4の(a)参照)。
図2および図3に示すように、筒部22bは、四角筒状を呈している。筒部22bの4つの側壁の上端には、上方に突出する突出部24がそれぞれ形成されている。突出部24は、吊りボルト係止部材31の位置決めを行う役目を果たす。突出部24の下方に位置する側壁の上端部には、吊りボルト係止部材31を固定するためのビス孔25(図3参照)が形成されている。
ブラケット22cは、斜材15を連結するための部材であって、筒部22bから外方に向かって突出している。ブラケット22cは、筒部22bの4つの角部にそれぞれ設けられている。すなわち、4枚のブラケット22cが90度ピッチで放射状に設けられている。ブラケット22cには、斜材15を固定するためのボルトが貫通する貫通孔26が形成されている。
以下にハウジング21の形成方法の一例を説明する。ハウジング21は、金属製板材27(図5参照)を適宜折り曲げることにより有底角筒状に形成される。なお、本実施形態では、ハウジング21が金属製板材27を折り曲げることにより形成されている場合について説明するが、ハウジング21の形成方法を限定する趣旨ではない。
図5にハウジング21の素となる金属製板材27を示した展開図を示す。図5に示すように、金属製板材27は、底板部22aとなる底板構成部27aと、底板構成部27aの各辺から側方に向かって張り出す4つの側壁構成部27bとを備えている。4つの側壁構成部27bが合わさって筒部22bが構成される。
側壁構成部27bの幅方向両側縁部(折り曲げたときに隣り合う側壁構成部27bと接する部分)には、外側面に向かって45度で傾斜する傾斜面28がそれぞれ形成されている。さらに側壁構成部27bの幅方向両側縁部には、ブラケット22cとなるブラケット構成板片27cが形成されている。ブラケット構成板片27cの内側面は、傾斜面28の表面と面一になるように傾斜している。ブラケット22cは、隣り合う2枚のブラケット構成板片27c,27c同士を重ね合わせることで構成されている。
底板構成部27aには貫通孔23が形成され、側壁構成部27bには突出部24とビス孔25が形成されている。また、ブラケット構成板片27cには貫通孔26が形成されている。
このような形状の金属製板材27の側壁構成部27bを底板構成部27aに対して直角に折り曲げると、隣り合う側壁構成部27bの傾斜面28同士が隙間なく当接して、図3に示すように、有底筒状のハウジング21が形成される。これと同時に、隣り合うブラケット構成板片27cの内側面同士が隙間なく当接し、ブラケット22cが形成される。
図2および図3に示すように、吊りボルト係止部材31は、吊りボルト10の下端部に取り付けられるとともに(図4の(a)参照)、ハウジング21の上部に固定される。つまり、防振吊り金物20は、吊りボルト係止部材31を介して吊りボルト10に固定される。
吊りボルト係止部材31は、平面視で略正方形形状を呈しており、ハウジング21の上部開口部を覆う蓋状に形成されている。吊りボルト係止部材31の中央部には、貫通孔32が形成されている。貫通孔32の内径は、吊りボルト10の軸部の外径よりも大きく形成されている。図4の(a)に示すように、吊りボルト係止部材31の内側(下面)には、ナット33が溶接されている。吊りボルト10の下端部をナット33に螺合させることで、吊りボルト係止部材31が吊りボルト10に係止される。
図2および図3に示すように、吊りボルト係止部材31の上面の周縁部には、嵌合孔34が形成されている。嵌合孔34には、ハウジング21の筒部22bの各側壁の上端の突出部24が嵌合する。突出部24が嵌合孔34に嵌合することで、吊りボルト係止部材31がハウジング21の所定位置に位置決めされる。
吊りボルト係止部材31には、上面部の縁部から下方に垂下する垂下部35が形成されている。垂下部35は、上面部の各辺に設けられており、ハウジング21の筒部22bの上端部を外側から覆う。垂下部35には、ビス孔36が形成されており、筒部22bのビス孔25と重なる。外側からビス孔36,25にビスV(図2参照)を装着することで、吊りボルト係止部材31がハウジング21に固定される。
吊りボルト係止部材31も、ハウジング21と同様に金属製板材を適宜折り曲げることにより形成されている。具体的には、中央の平板部分から四つの各辺部に位置する垂下部を下方に折り曲げることで、吊りボルト係止部材31が形成されている。
第一防振材41は、図4に示すように、ハウジング21の内部に収容された合成樹脂製の部材であって、四角柱状に形成されている。第一防振材41の四周の側面は、ハウジング21の内周壁面に密着している(図4の(b)参照)。なお、ハウジング21の内面が平面状でない場合には、必ずしも内周壁面の全面に密着していなくてもよく、少なくとも四方向から防振材13の各側面の少なくとも一部がハウジング21の内面に接触していればよい。
第一防振材41の高さ寸法は、ハウジング21の筒部22bの高さ寸法より小さい。第一防振材41の上方には、空間が形成されている。当該空間には、ナット33、後記するワッシャ(第一鍔部52)、貫通ボルト51の頭部が収容される。第一防振材41の中央部には、上下に貫通する貫通孔42が形成されている。貫通孔42には、貫通ボルト51の軸部が貫通する。
図1に示すように、貫通ボルト51は、第一防振材41の上端から天井下地3に至るように配設されていて、天井下地3を保持している。貫通ボルト51の軸心は、吊りボルト10の軸心の延長線と一致している。
図4に示すように、貫通ボルト51は、ハウジング21の底板部22aの貫通孔23および第一防振材41の貫通孔42を貫通している。貫通ボルト51の頭部は軸部よりも拡径されていて、第一防振材41の上面に配設された第一鍔部52に係止されている。第一鍔部52は、円形プレートからなる。第一鍔部52の中央には、貫通孔が形成されている。貫通ボルト51の頭部は、貫通孔の開口縁部に係止されている。第一鍔部52の外形は、ハウジング21の内面に当接しないように形成されており、第一鍔部52の外周縁部とハウジング21の内面との間には隙間が存在している。なお、第一鍔部52の形状は、円形に限定されるものではなく、たとえば矩形あるいは多角形などの他の形状であってもよい。また、第一鍔部52は、貫通ボルト51と一体化していてもよい。さらに、貫通ボルト51の頭部が大きい場合には、その頭部と第一鍔部52が兼用される構成であってもよい。
貫通ボルト51のうちハウジング21の底板部22aから下方に突出した部分には、第二鍔部53が配設されている。第二鍔部53は、底板部22aと隙間をあけて配置されている。第二鍔部53は、正方形状プレートからなる。第二鍔部53の中央には貫通孔が形成されている。貫通孔には、貫通ボルト51の軸部が挿通されている。第二鍔部53の下部にはナット54が螺合されており、第二鍔部53は水平な状態(底板部22aと平行な状態)で下側から支持されている。第二鍔部53は、底板部22aの貫通孔23の内径よりも大きい径に形成されており、第二鍔部53の外周縁部は、貫通孔23よりも外側に位置している。なお、第二鍔部53は、ナット54にて下側から支持されている構成に限定されるものではない。たとえば、第二鍔部53は、貫通ボルトに溶接や接着などで固定して一体化していてもよい。また、第二鍔部53の外周縁部の形状は、正方形に限定されるものではなく、矩形や多角形でもよいし、円形(ワッシャ形状)であってもよいし、一部が貫通孔23よりも外側に突出した棒状であってもよい。また、通常時において、第二鍔部53は、第二防振材43と接していてもよいし、離れていてもよい。
第二鍔部53とハウジング21の底板部22aとの間には、第二防振材43が介設されている。第二防振材43は、合成樹脂製の部材である。第二防振材43は、第一防振材41と同等の平面視正方形形状を呈しており、第一防振材41より背の低い四角柱状に形成されている。第二防振材43の中央部には、上下に貫通する貫通孔44が形成されている。貫通孔44には、貫通ボルト51の軸部が貫通する。第二防振材43は、底板部22aと第二鍔部53によって第二防振材43が挟持されており、第二防振材43の上面は底板部22aの下面に当接するとともに、第二防振材43の下面は第二鍔部53の上面に当接している。なお、第二防振状43の形状は、四角柱状に限定されるものではなく、シート状であってもよいし、パイプ状であってもよい。また、前記第二防振材43は、第一防振材41と離れて配置されているが、第二防振材43の一部が上方に突出して、第一防振材41と接していてもよい。また、第二防振材43と第一防振材41とが一体となっていてもよい。
斜材15は、防振吊り金物20のブラケット22cから斜め上方に延出して上部構造体2や、他の吊りボルト(図示せず)の上端部などに至る形材であって、防振吊り金物20の水平方向の移動を拘束している。斜材15は、引張力および圧縮力に対して機能する。
斜材15は、たとえば、ウェブと一対のフランジとを備えた断面コ字状の鋼製形材(いわゆる軽溝形鋼)からなる。なお、斜材15を構成する形材は限定されるものではなく、例えば、断面C字状のチャンネル材やL型鋼等であってもよい。また、斜材15の材質も限定されるものではなく、例えばアルミニウム合金やステンレス鋼等であってもよい。
図1に示すように、天井下地3は、野縁3aと、野縁受け3bと、取付ハンガー55とを備えている。天井下地3は、天井板材4の上部に配置されて天井板材4を支持している。
野縁3aは、天井板材4を保持する棒状部材であって、天井板材4の上部に配置されている。野縁3aは、複数設けられており、所定間隔をあけて互いに平行に配設されている。野縁3aは、たとえば断面C字状のリップ溝形鋼にて構成されており、ウェブが下側になるように配置されている。野縁3aは、ウェブが天井板材4の上面に当接した状態で天井板材4の上面に連結されていて、天井板材4を支持している。
野縁受け3bは、野縁3aを保持する棒状部材であって、野縁3aの上部に配置されている。野縁受け3bは、野縁3aと直交する向きに配設されている。野縁受け3bは、複数設けられており、所定間隔をあけて互いに平行に配設されている。つまり、天井下地3は、野縁3aと野縁受け3bにより、格子状の下地材が形成されている。
野縁受け3bは、たとえば断面C字状のリップ溝形鋼にて構成されており、一対のフランジが上下に位置してウェブが立った状態で配置されている。野縁受け3bは、下側のフランジが野縁3aの上面のリップ部に当接した状態で、野縁3aと連結されている。野縁3aと野縁受け3bとは、公知の連結金具を介して連結されている。なお、野縁3aと野縁受け3bの固定方法は連結金具に限定されるものではなく、例えば、ビスなどにより直接固定してもよい。
取付ハンガー55は、野縁受け3bを支持するための部材であり、貫通ボルト51の下端に取付ハンガー55が固定されている。図6に示すように、本実施形態の取付ハンガー55は、側面視でC型形状を呈しており、上端の水平片55aが貫通ボルト51の下端部にナットN,Nを介して固定されている。一方、取付ハンガー55の垂直片55bと底板片55cと立上り片55dとが、野縁受け3bを下面と両側面から覆うことで、野縁受け3bを係止している。取付ハンガー55は、野縁受け3bの中心位置の上方に貫通ボルト51が位置するように構成されている。なお、取付ハンガー55の形状は、一例であって、他の形状であってもよい。
防振吊り金物20においては、4枚のブラケット22cのうち、同一平面上に設けられる一対のブラケット22c,22cが野縁受け3bに平行になるように、防振吊り金物20が配置される。
次に、防振吊り金物20と野縁受け3bとの連結部に取り付けられる水平変位防止金物60について説明する。図6および図7に示すように、水平変位防止金物60は、防振吊り金物20に対する野縁受け3bの揺れを防止する部材である。水平変位防止金物60は、防振吊り金物20の下部と取付ハンガー55と野縁受け3bの一部とを挟み込む一対の板状部材61,61からなる。
板状部材61は、断面V字状のカバー部62と、平面視でカバー部62の両端部に連続して繋がるフランジ部63,63とを備えてなる。カバー部62は、交差角度が直角のV字状を呈している。カバー部62は、防振吊り金物20のブラケット22cの下側位置から、野縁受け3bの下面近傍まで延在する高さ寸法で形成されている。カバー部62は、上カバー部62aと下カバー部62bとを備えている。フランジ部63は、上フランジ部62aと下フランジ部62bとを備えている。
上カバー部62aは、野縁受け3bの上面よりも上に位置する。上カバー部62aは、防振吊り金物20のハウジング21の筒部22aの側壁面に沿った形状となっており、一対の上カバー部62a,62aが、ハウジング21の外側面と僅かな隙間をあけて、筒部22aを囲繞する。
下カバー部62bは、野縁受け3bの上面よりも下に位置する。下カバー部62bは、野縁受け3bの側面部を外側から囲い、取付ハンガー55の下部を覆う。下カバー部62bの頂角部は、上カバー部62aの頂角部と同一面状になっている。
上フランジ部63aは、平面視で上カバー部62aの両端部に連続してそれぞれ繋がり、野縁受け3bの長手方向に沿って延在している。上フランジ部63aの表面(隣接する上フランジ部63aとの接触面)は、野縁受け3bの幅方向中間部を通過する中心線の上方に位置してする。隣接する上フランジ部63a,63a同士は、ボルト・ナットで互いに固定されている(図7参照)。
下フランジ部63bは、平面視で下カバー部62bの両端部に連続してそれぞれ繋がり、野縁受け3bの長手方向に沿って延在している。下フランジ部62aの表面は、野縁受け3bの側面と接触している。下フランジ部63bは、野縁受け3bの側面にボルト・ナットで固定されている(図7参照)。
下カバー部62bの両先端部には、野縁受け3bの側面部に沿って外側に延在する下フランジ部63bがそれぞれ一体形成されている。下フランジ部63bは、野縁受け3bの側面部に当接してボルト・ナットで野縁受け3bに固定される。
以上のような構成の防振天井構造1および防振吊り金物20によれば、平常時においては、騒音の原因となる振動を第一防振材41が吸収するため、上部構造体2および天井下地3との間で振動が伝わることを防止することができる。したがって、上階と下階の間で遮音性を確保することができる。特に、第一鍔部52の外周縁部とハウジング21の内面との間には隙間が存在しているので、貫通ボルト51とハウジング21との間で直接振動が伝わることはない。
また、防振吊り金物20が斜材15により拘束されているため、耐震性能を確保することができる。本実施形態では、第一防振材41の側面がハウジング21の内面に接触しているので、第一防振材41がハウジング21内で水平方向にずれることがないので、地震時などにおいて水平力が加わった場合においても、天井下地3の水平方向への揺れを抑制できる。
さらに、ハウジング21の側部が筒状に形成されているので、ハウジング21は閉断面となり抵抗力が高い。したがって、斜材15からハウジング21に面外方向への力が加わっても、変形を抑えることができる。このように、防振吊り金物20は、各方向への抵抗力が高いので、異方性を低減でき、水平抵抗力を高めることができる。
また、本実施形態では、ハウジング21の外周部に、ブラケット22cが90度ピッチで放射状に設けられているので、斜材15を複数の方向に容易に固定することができる。
さらには、地震時などにおいて防振吊り金物20に水平力が加わり貫通ボルト51が傾倒しようとした場合には、第一鍔部52が第一防振材41を上側から押さえつつ、第二鍔部53が第二防振材43を下側から押さえるので、貫通ボルト51の傾倒を防止することができる。具体的には、図8に示すように、貫通ボルト51が右回りに回転しようとした場合に、第一鍔部52の一端側(水平方向の右側)が第一防振材41の上面を下方に押さえると、第一防振材41に圧縮力が作用してその反力(図8中、上向きの矢印にて示す)が第一鍔部52にかかる。これと同時に、第二鍔部53の他端側(水平方向の左側)が第二防振材43の下面を上方に押さえると、第二防振材43に圧縮力が作用してその反力(図8中、下向きの矢印にて示す)が第二鍔部53にかかる。このように、第一鍔部52と第二鍔部53は、第一防振材41と第二防振材43を挟むように押さえることで、第一防振材41と第二防振材43の両方から反力を得られるので、貫通ボルト51の傾倒を効果的に抑制することができる。
また、このとき、第一防振材41は、第一鍔部52に押されて横方向に広がろうとするが、第一防振材41の側面がハウジング21の内面に接触しているため、変形を防止することができる。これによって、第一防振材41への反力を効果的に得ることができる。
さらに、本実施形態では、第二鍔部53の外周縁部は、ハウジング21の底板部22aに形成された貫通孔23よりも外側に位置しているので、貫通ボルト51が傾倒しようとして、第二鍔部53が第二防振材43を押圧して変形させたとしても、第二鍔部53が底板部22aを超えて上方まで回動することはない。したがって、貫通ボルト51は、底板部22aで確実に傾倒が止められる。このように貫通ボルト51の傾倒範囲を一定値以下に確実に規制することができるので、天井下地3の水平方向への揺れを大幅に抑制することができる。
また、本実施形態では、防振吊り金物20と野縁受け3bとの連結部に水平変位防止金物60を取り付けているので、天井下地3が防振吊り金物31に対して水平方向にずれるのを防止できる。これによって、天井の揺れを抑えることができ、天井板材4などが周囲の壁面に衝突するのを抑制できる。また、貫通ボルト51にせん断力が作用するのを抑制できる。
<第二実施形態>
第二実施形態においては、防振吊り金物の形状が第一実施形態と異なる。図9乃至図11に示すように、第二実施形態に係る防振吊り金物120は、外側の筒部を構成する外側部材121と、外側部材121の内側に配置される内側部材131と、内側部材131の内部に収容された第一防振材41と、第一防振材41から天井下地3に至る貫通ボルト51とを備えている。なお、第一防振材41、貫通ボルト51およびその周囲の部材で、第一実施形態と同等の部材については、同じ符号を付して説明を省略する。
外側部材121は、平面視正方形の四角筒状を呈しており、上下が開口している。外側部材121は、四方向に突出する4枚のブラケット122,122,・・を備えている。ブラケット122は、斜材(図示せず)を連結するための部材であって、外側部材121の各側面部に設けられている。ブラケット122は、外側部材121の各側面部の幅方向中間部において、各側面部に直交する方向に突出している。ブラケット122には、斜材を固定するためのボルトが貫通する貫通孔123が形成されている。
外側部材121は、4つの構成部材を組み合わせて形成されている。4つの構成部材は、曲げ加工された板状の部材からなり、平面視L字状を呈しており、隣り合う構成部材の端面同士を突き合わせることで、平面視正方形を呈するようになっている。
平面視L字の両端部には、ブラケット122を構成する板片が設けられている。板片は、側面部に対して直交して外側に突出しており、隣り合う板片同士を重ね合わせることでブラケット122が構成されている。
内側部材131は、側面視長方形の四角筒状を呈しており、水平方向に延在して配置されている。内側部材131は、底板部132aと、一対の側板部132b,132bと、一対の蓋板部132c,132cとを備えている。内側部材131は、1枚の板材を折り曲げて形成されており、板材の両端部の蓋板部132c,132cが重なっている。
底板部132aは、外側部材121の下端の開口部を塞いでおり、その中央部(対角線の交点部分)には、貫通ボルト51か貫通する貫通孔133が形成されている。貫通孔133の内径は、貫通ボルト51の軸部の外径よりも大きく形成されている。
底板部132aの上面は、外側部材121の下端と同じ高さに位置している。底板部132aの両端部(内側部材131の軸方向両端部)は、外側部材121の外側面よりも外側まで突出しており、突出した部分に外側部材121の下端が係止されている。
一対の側板部132b,132bは、互いに対向して平行に配置されている。側板部132b,132bの外側面は、外側部材121の内側面に密着している。
一対の蓋板部132c,132cには、吊りボルト10が貫通する貫通孔134がそれぞれ形成されている。蓋板部132c,132cは、貫通孔134が重なるように重合している。貫通孔134の内径は、吊りボルト10の軸部の外径よりも大きく形成されている。図11の(a)に示すように、貫通孔134の下部で蓋板部132cの内側には、ナット33が溶接されている。ナット33を吊りボルト10の下端部に螺合させることで、防振吊り金物120が吊りボルト10に係止される。
下側の蓋板部132cの下面は、外側部材121の上端と同じ高さに位置している。蓋板部132cの両端部(内側部材131の軸方向両端部)は、外側部材121の外側面よりも外側まで突出しており、突出した部分に外側部材121の上端が係止されている。つまり、底板部132aの両端部の突出部分と、蓋板部132cの両端部の突出部分とで、外側部材121が上下から係止されており、外側部材121と内側部材131の高さ位置が決定されている。
以上のような構成の外側部材121と、内側部材131の底板部132aと一対の側板部132b,132bとで、第一実施形態と同様の有底筒状のハウジングが構成されている。一方、内側部材131の蓋板部132cで、第一実施形態と同様の吊りボルト係止部材が構成されている
このような防振吊り金物120においても第一実施形態と同様に、4枚のブラケット122のうち、互いに同一平面状に設けられる一対のブラケット122,122が野縁受けに平行になるように、防振吊り金物120が配置される。
第二実施形態の防振吊り金物120およびこれを用いた天井構造においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第三実施形態>
第三実施形態においても、防振吊り金物の形状が第一実施形態と異なる。図12に示すように、第三実施形態に係る防振吊り金物220は、ハウジング221の筒部が円筒形状を呈している。ハウジング221の底板部(図示せず)は、円板形状を呈し、筒部の下端に一体成形されている。ハウジング221の上端部に固定される吊りボルト係止部材222は、円板形状を呈している。
このようなハウジング221の場合、斜材(図示せず)を連結するためのブラケット223は、ハウジング221の筒部に溶接されている。第三実施形態の防振吊り金物220によれば、溶接にてブラケット223を取り付けるため、ブラケット223の設置位置を自由に設定することができる。またハウジング221の内部に設けられる防振材(図示せず)と、ハウジング221の下部に設けられる第二防振材224およびは、中央に貫通孔が形成された円筒形状に形成されている。
なお、貫通ボルト51およびその周囲の部材で、第一実施形態と同等の部材は、同じ符号を付して説明を省略する。
第三実施形態の防振吊り金物220およびこれを用いた天井構造においても、第一実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。例えば、第一実施形態では、ブラケット22cは、隣り合う板材の側辺から突出した2枚の板片同士を重ね合わせることで構成されているが、これに限定されるものではない。隣り合う板材のうち一方の板材の側辺のみから突出する1枚の板片にて、ブラケットを構成したものであってもよい。
また、第一実施形態では、ハウジング21の筒部22bの上端の突出部24が、吊りボルト係止部材31の四周の各辺部近傍の嵌合孔34に嵌合することで、吊りボルト係止部材31がハウジング21の所定位置に位置決めされているが、このような位置決め機構を備えないものであってもよい。位置決め機構を備えない構成であっても、吊りボルト係止部材の垂下部に形成されたビス孔と、ハウジングの筒部のビス孔との位置を合わせ、外側から両ビス孔にビスを装着することで、吊りボルト係止部材とハウジングとの位置決めを行うことができる。
さらに、前記実施形態では、天井下地3が野縁3aと野縁受け3bからなる場合を例に挙げて説明したが、本発明に係る防振吊り金物20,120,220は、システム天井を支持する構造においても適用できるのは勿論である。
その他、防振吊り金物のハウジングおよびその内部の防振材の外周形状は、正方形、円形に限定されるものではなく、他の形状であってもよい。ハウジングおよび防振材の外周形状を正多角形とすれば、防振材の防振効果の異方性を低減できる。
また前記実施形態では、野縁受け3bは、取付ハンガー55によって貫通ボルト51に支持されているが、これに限定されるものではない。図13および図14に示す連結構造301としてもよい。
貫通ボルト51と天井下地310との連結構造301では、野縁受け312は、鋼製の角パイプにて構成されており、上板部313aと下板部313bと一対の側板部313c,313cを備えている。図14に示すように、上板部313aと下板部313bには、ボルト貫通孔314a,314bがそれぞれ形成されている。ボルト貫通孔314a,314bは、円形を呈し、貫通ボルト51の外径と同等の内径を備えている。ボルト貫通孔314a,314bは、ともに上板部313aおよび下板部313bの幅方向中間部を中心として形成されており、上下方向に同軸上に形成されている。野縁311は、前記実施形態と同様の構成である。
貫通ボルト51の下端部は、野縁受け312(角パイプ)の上板部313aのボルト貫通孔314a(図14参照)と、下板部313bのボルト貫通孔314bを上側から下方に向かって貫通している。貫通ボルト51の下端部は、下板部313bの下方に所定長さ突出している。
貫通ボルト51の下端部には、野縁受け312を上下から挟む一対の板状部材315a,315bが設けられている。板状部材315a,315bは、ともに同形状であって、平面視正方形形状を呈しており、それぞれの中央部に貫通孔316a,316b(図14参照)が形成されている。貫通孔316a,316bは、ともに円形を呈し、ボルト貫通孔314a,314bと同様に貫通ボルト51の外径と同等の内径を備えている。
上側の板状部材315aは、上板部313aの上方に位置する貫通ボルト51が挿通されており、上板部313aの上面に接している。板状部材315aの幅寸法は、野縁受け312の側板部313c,313c間の内法寸法より長い。本実施形態では、板状部材315aの幅寸法は、野縁受け312の幅寸法と同等である。上側の板状部材315aの幅方向両端部は、両側板部313c,313cの上方に位置しており、板状部材315aが、両側板部313c,313cの上方位置に架け渡された状態となっている。
下側の板状部材315bは、下板部313bの下方に位置する貫通ボルト51が挿通されており、下板部313bの下面に接している。板状部材315bの幅寸法は、野縁受け312の側板部313c,313c間の内法寸法より長い。本実施形態では、板状部材15bの幅寸法は、野縁受け312の幅寸法と同等である。下側の板状部材315bの幅方向両端部は、両側板部313c,313cの下方に位置しており、板状部材315bが、両側板部313c,313cの下方位置に下側から架け渡された状態となっている。
上側の板状部材315aの上側部分に位置する貫通ボルト51には、ナット317aが螺合されている。下側の板状部材315aの下側部分に位置する貫通ボルト51には、ナット317bが螺合されている。これらのナット317a,317bをそれぞれ締め付けることによって、上側の板状部材315abが上側から野縁受け312を押し付け、下側の板状部材315bが下側から野縁受け312を押し付ける。これによって、上下の板状部材315a,315bが上下から野縁受け312を挟持し、貫通ボルト51と野縁受け312が連結される。
なお、上下の板状部材315a,315bの幅寸法は、野縁受け312の幅寸法と同等であることに限定されるものではなく、野縁受け312の幅寸法より短くても、野縁受け312の側板部313c,313c間の内法寸法より長ければよい。また、板状部材の幅寸法は、野縁受け312の幅寸法より長くて、板状部材が野縁受け312の両側からはみ出してもよい。
以上のような連結構造301を採用した場合は、野縁311と野縁受け312は、以下の連結構造302によって固定するのが好ましい。連結構造302では、野縁311と野縁受け312は、連結金具330を介して接合されている。連結金具330は、野縁受け固定部331と野縁固定部332とを備えてなる。
野縁受け固定部331は、野縁受け312の上面(上板部313a)と両側面(側板部313c,313c)を覆っており、側面にビス止めされる。野縁受け固定部331は、金属製の板材を門型に屈曲して形成されており、門型の奥行き方向が野縁受け312の長手方向に沿って延在している。野縁受け固定部331は、野縁受け312を上方および両側方の三方から囲う。野縁受け固定部331は、上端に位置する水平板部331aと、水平板部331aの幅方向両端から垂下する垂下板部331b,331bとを備えている。垂下板部331bには、ビス孔333(図14参照)が形成されている。野縁受け312の側板部313cにもビス孔318(図14参照)が形成されており、外側からビス孔333,318にビスVを挿通することで、野縁受け312と連結金具330が固定される。
野縁固定部332は、野縁受け固定部331の両垂下板部331b,331bにそれぞれ連続して二か所に形成されている。野縁固定部332は、垂下板部331bの下端に繋がって、野縁311の長手方向に沿って外側(野縁受け固定部331から離れる方向)に延在している。野縁固定部332は、野縁受け固定部331と一体成形されている。
野縁固定部332は、野縁311の上面と両側面を覆っており、側面にビス止めされる。野縁固定部332は、金属製の板材を門型に屈曲して形成されており、門型の奥行き方向が野縁311の長手方向に沿って延在している。野縁固定部332は、野縁311を上方および両側方の三方から囲う。野縁固定部332は、上端に位置する水平板部332aと、水平板部332aの幅方向両端から垂下する垂下板部332b,332bとを備えている。野縁固定部332の水平板部332aは、野縁受け固定部331の垂下板部331bと繋がっている。垂下板部332bには、ビス孔334(図14参照)が形成されている。野縁311の側面にもビス孔319(図14参照)が形成されており、外側からビス孔334,319にビスVを挿通することで、野縁311と連結金具330が固定される。
以上のような構成によれば、前記実施形態の作用効果の他に以下のような作用効果が得られる。連結構造301によれば、貫通ボルト51が野縁受け312に対して上下方向に挿通されているので、天井下地310に対していずれの方向の水平力が作用したとしても、天井下地310が貫通ボルト51に対して水平方向にずれることはない。
また、水平方向の力が作用する連結下地部材である野縁受け312は、閉断面の角パイプにて構成されているので、断面剛性が高い。
さらに、地震時に貫通ボルト51が傾倒しようとして、上下の板状部材315a,315bが角パイプの上板部313aと下板部313bを押圧したとしても、板状部材315a,315bの幅方向両端部が、両側板部313c,313cの延長平面部分に位置しているので、両側板部313c,313cで押圧力に抵抗することができる。これによって、押圧力に対して高い抵抗力で対抗できるので、上板部313aまたは下板部313bの面外方向への変形を抑制できるとともに、貫通ボルト51の傾倒を防止できる。特に、貫通ボルト51の傾倒に対しては、防振吊り金物20自体の傾倒防止効果と合わさって、非常に効果が高い。
また、連結構造302において、野縁311と野縁受け312を前記構成の連結金具330を介して接合したことによって、野縁311と野縁受け312は、互いに剛接合されることとなる。これによって、野縁311が野縁受け312に対してずれるのを防止できるので、天井下地310は、全体が一体化した格子状となり、天井下地10の剛性を高めることができる。
1 防振天井構造
2 上部構造体
3 天井下地
10 吊りボルト
15 斜材
20 防振吊り金物
21 ハウジング
22a 底板部
22b 筒部
22c ブラケット
23 貫通孔
31 吊りボルト係止部材
32 貫通孔
41 防振材
43 第二防振材
51 貫通ボルト
52 第一鍔部
53 第二鍔部

Claims (4)

  1. 上部構造体に垂設された吊りボルトと、前記吊りボルトの下端部に取り付けられる防振吊り金物と、前記防振吊り金物を拘束する斜材とを備えた防振天井構造であって、
    前記防振吊り金物は、有底筒状のハウジングと、前記ハウジングの上部に設けられた吊りボルト係止部材と、前記ハウジングの内部に収容された第一防振材と、前記第一防振材から天井下地に至る貫通ボルトと、を備えており、
    前記貫通ボルトは、前記第一防振材および前記ハウジングの底板部を貫通しており、
    前記貫通ボルトの上端部には前記第一防振材の上面に係止される第一鍔部が設けられ、
    前記貫通ボルトのうち前記ハウジングから下方に突出した部分には、第二鍔部が設けられており、
    前記第二鍔部と前記ハウジングの底板部との間に第二防振材が介設されている
    ことを特徴とする防振天井構造。
  2. 前記第一防振材の側面は、前記ハウジングの内面に接触している
    ことを特徴とする請求項1に記載の防振天井構造。
  3. 前記ハウジングの外周部に、前記斜材を固定するためのブラケットが設けられている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の防振天井構造。
  4. 上部構造体に垂設された吊りボルトの下端部と天井下地との間に介設される防振吊り金物であって、
    前記防振吊り金物は、有底筒状のハウジングと、前記ハウジングの上部に設けられた吊りボルト係止部材と、前記ハウジングの内部に収容された第一防振材と、前記第一防振材から天井下地に至る貫通ボルトと、を備えており、
    前記貫通ボルトは、前記第一防振材および前記ハウジングの底板部を貫通しており、
    前記貫通ボルトの上端部には前記第一防振材の上面に係止される第一鍔部が設けられ、
    前記貫通ボルトのうち前記ハウジングから下方に突出した部分には、第二鍔部が設けられており、
    前記第二鍔部と前記ハウジングの底板部との間に第二防振材が介設されている
    ことを特徴とする防振吊り金物。
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