JP2011021413A - ホールダウン金物 - Google Patents

Abstract

【課題】 アンカーボルトの施工誤差を吸収し、使用勝手の良好なホールダウン金物を提供する。
【解決手段】 柱ｐ側に止着する主体金具１と、基礎コンクリートに突設して該基礎コンクリート上に載置した土台ｍを通じて突出させたアンカーボルトｂに外嵌して前記アンカーボルトｂに螺合したナットｎで、締付ける補助金具２のそれぞれに、接続部片１ｂ，２ｂを突設する。そして、該接続部片１ｂ，２ｂを構成材とする組付け孔１ｃ，２ｃに挿通させた調整リング３を介して前記主体金具１と補助金具２を互いに接続する。
【選択図】 図１

Description

本発明は、木造建物の柱と基礎（コンクリート）とを、土台を介して締結するために用いるホールダウン金物に関するものである。

柱の金物主体をねじ釘その他の止着杆で固着し、締結金物主体より水平方向に突設した緊締受部片に、基部を基礎の埋設したアンカーボルトを、前記基礎上に載置した土台を通じて挿通させ、該緊締受部片より突出するアンカーボルトの先端にナットを螺合するようにした構造のホールダウン金物は具体例を挙げるまでもなく公知である。

この公知構造のものは、柱に取付けたホールダウン金物と基礎側のアンカーボルトとが、誤作業なく、設計通りに施工されていれば問題ないが、アンカーボルトが所定位置より外れた位置に施工されていると、緊締受部片にアンカーボルトを通す組合わせ作業ができない場合がある。

このような事態に対処するために、アンカーボルトとホールダウン金物との間に仲介ボルトを介在させ、該仲介ボルトの下部に一対のパイプ並設構造の調節金物を組付け、該調節金物の偏心による位置変化を利用して、アンカーボルトの施工誤差を吸収するようにした構造のものがある（例えば、特許文献１）。

特開２００３−１２９５６７号公報

前記従来例は、調節金物の互いに並設した一方のパイプにアンカーボルトを、他方のパイプに仲介ボルトをそれぞれ貫通させる（組付ける）構成を採るので、アンカーボルトと仲介ボルトの位置関係に少しでも誤差がある（パイプの位置との関係）と、仲介ボルト側を当該位置関係に沿うように、屈曲加工を施す必要があり、調節金物としての本来の機能を果たせない場合がある。

本発明は斯様な従来例の欠点を除去し、アンカーボルトの施工誤差をできるだけ吸収することのできるホールダウン金物を提供することを目的として創案したものである。

ねじ釘などの止着杆で柱側に止着する主体金具と、基礎コンクリートに突設したアンカーボルトに外嵌してナットによって締付ける、筒状の補助金具を、それぞれに設けた組付け孔に緩く挿通させた調整リングで互いに接続した構成とするのである。

本発明によれば、調整リングによって主体金具および補助金具が接続（連結）されているので、主体金具に対して補助金具を上下方向および左右方向に自在に変位させることができ、従って、アンカーボルトの施工誤差があってもこれを吸収して柱の基礎に対する接合を確実に、しかも、強固に行うことができる。

使用状態を示す側面図。 図１の一部欠截拡大図。 図２の平面図。

図面は、Ａは本発明に係るホールダウン金物で、ホールダウン金物Ａは、主体金具１と補助金具２を調整リング３を介して接続して構成し、主体金具１は、適所に少なくも複数個の取付孔４を形成した縦長帯状の主体板１ａと、該主体板１ａの下端部表面中央に突設した、両端面を主体板１ａに熔接した、半円リング状の金属片で成る接続部片１ｂとで構成し、主体板１ａと接続部片１ｂとの間には横方向開口の組付け孔１ｃを設けたものである。

前記補助金具２は、主体筒２ａと、該主体筒２ａの周側に突設した、両端面を主体筒２ａに熔接した、半円リング状の金属片で成る接続部片２ｂとで構成し、主体筒２ａと接続部片２ｂとの間に横方向開口の組付け孔２ｃを設けたものである。

前記調整リング３は、長円状リング体で成り、前記主体金具１と補助金具２の前記組付け孔１ｃ，２ｃに挿通させ、該組付け孔１ｃ，２ｃを構成する接続部片１ｂ，２ｂ間にわたして主体金具１と補助金具２を接続部片１ｂ，２ｂにおいて接続（連結）してホールダウン金物Ａを構成する。

なお、組付け孔１ｃ，２ｃの接続部片１ｂ，２ｂ側の縁部１ｃ´，２ｃ´と、調整リング３の内周縁３´を、実施例（図示）のように角のない曲縁状に構成すると、主体板１ａに対して調整リング３乃至補助金具２を縦方向や横方向に自在に変位させることができ、少なくもアンカーボルト位置に合わせる位置決め操作を円滑に行うことができる。また、組付け孔１ｃ，２ｃは、主体板１ａ又は主体筒２ａと接続部片１ｂ，２ｂとで構成するが、接続部片１ｂ，２ｂを板状体にして窓孔を開設して構成するようにしたものでも良い。

因みに、接続部片１ｂ，２ｂ及び調整リング３の内周寸法次第で、補助金具２の上下方向および左右方向の変位幅並びに調整リング３の傾斜角度（可動範囲）を制限した設計ができ、その結果、アンカーボルトの施工誤差が生じても、従来のホールダウン金物同様の働き（応力伝達）を確実に発揮する金物とすることができる。

実施例のホールダウン金物Ａを得るには、主体金具１の主体板１ａと接続部片１ｂ、補助金具２の主体筒２ａと接続部片２ｂおよび調整リング３のそれぞれを製作しておき、主体板１ａに、調整リング３を組合わせた接続部片１ｂを熔接して調整リング３を組付けた主体金具１と成し、該主体金具１に組付けた調整リング３を組合わせた接続部片２ｂを主体筒２ａに熔接して製品と成すのである。ホールダウン金物Ａの製作工程は、この例に限る必要はない。

そして、木造建物の柱ｐの側面の適所に取付孔４を利用して主体金具１を主体板１ａにおいて止着し、該主体板１ａに対して調整リング３乃至補助金具２を変位させて（動かして）、基礎コンクリートｃに突設した該基礎コンクリート上に載置した土台ｍを通じて突出させたアンカーボルトｂに、補助金具２の主体筒２ａを外嵌して組合わせ、主体筒２ａより突出するアンカーボルトｂの先端に締付けたナットｎを螺合締付けることにより柱ｐはアンカーボルトｂに組付けられる。

なお、ホールダウン金物Ａの柱ｐ等との組付け順は自由に選択すれば良い。

１ 主体金具
１ｂ 接続部片
１ｃ 組付け孔
２ 補助金具
２ｂ 接続部片
２ｃ 組付け孔
３ 調整リング
ｂ アンカーボルト
ｍ 土台
ｐ 柱

Claims (1)

1. ねじ釘などの止着杆で柱側に止着する主体金具と、基礎コンクリートに突設したアンカーボルトに外嵌してナットによって締付ける、筒状の補助金具を、それぞれに設けた組付け孔に緩く挿通させた調整リングで互いに接続したホールダウン金物。

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