JP2013148114A - 吊り下げ装置および吊り天井の耐震構造 - Google Patents

吊り下げ装置および吊り天井の耐震構造 Download PDF

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Shigemitsu Takai
茂光 高井
Shinichi Iizuka
信一 飯塚
Motoi Kanekawa
基 金川
Morimasa Watakabe
守正 渡壁
Shinsuke Inai
慎介 稲井
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Abstract

【課題】 簡単な構成で、安価で提供でき、かつ被吊り部材へ入力される振動エネルギーを十分に低減させることができる吊り下げ装置を提供する。
【解決手段】 この吊り下げ装置は、軸部40と軸部40の径に比較して拡張した拡張部41とを有する棒状部材と、軸部40が挿入可能な穴が形成された端面部43と、端面部43に連続し、対向する少なくとも1組の内側面44a、44bを有する側面部44とを備える枠状部材と、端面部43と側面部44と拡張部41との間に介在し、軸部40が挿着される挿着孔と、少なくとも1組の内側面44a、44bに隣接する少なくとも1組の隣接面とを有し、振動を受けて端面部43が離間し再び接触する際の衝撃を吸収するとともに、該隣接面が該内側面44a、44bに対して摩擦抵抗を与える緩衝材45とを含む。
【選択図】 図4

Description

本発明は、地震時における被吊り部材の振動を低減させるための吊り下げ装置およびその吊り下げ装置を用いて耐震性能を向上させた吊り天井の耐震構造に関する。
住宅や建築物の天井裏には、冷暖房設備、照明設備、ダクト配管等の各種設備が設置される。また、天井裏には、断熱材、遮音材や吸音材等も取り付けられる。これらの設備や材料を設置し、取り付けるためのスペースを確保するべく、吊り天井構造が採用されている。
吊り天井の構造は、天井裏の屋根面やスラブ等の上部構造体に吊りボルトを下方へ垂れ下がるように一定間隔で離間して複数配設し、複数の吊りボルトの下端に取り付けたハンガーにより、一定間隔で平行に配列するように複数の野縁受けを支持する。野縁受けは、野縁を留めるための部材である。
野縁受けには、クリップと呼ばれる連結部材を用いて、野縁受けに対して垂直で、かつ各々が一定間隔で平行に配列するように複数の野縁が取り付けられる。このようにして、複数の野縁および複数の野縁受けにより、格子状の骨組みを形成する。この骨組みの表面に、石膏ボード等の天井板を取り付け、天井を覆うことにより、この吊り天井構造が構築される。
吊り天井は、複数の吊り下げ装置によって吊り下げられているのみであるため、水平方向に揺れ動き、野縁や野縁受けの端部が建物の壁面に衝突する。この壁面への衝突による衝撃で、天井の端部から壊れ始め、ハンガーやクリップに負荷がかかって変形し、衝撃が大きい場合にはハンガーやクリップが外れ、野縁や野縁受けが落下してしまう場合がある。この場合に、その下に人がいれば大事故につながり兼ねない。
このため、従来から吊り天井の耐震構造が研究され、様々な耐震構造が提案され、現実に実施されている。例えば、野縁や野縁受けの落下の原因となるハンガーやクリップの変形や外れを低減させるべく、ハンガーやクリップの増強を行ったり、適所に補強材であるブレースを配設して天井面の揺れを抑制することが行われている。また、必要に応じて、天井周辺部に層間変位を考慮したクリアランスを設けている。
しかしながら、ハンガーやクリップの増強には限界がある。ブレースは、水平方向に加えて上下方向にも耐震効果があるが、耐力には限界があり、一定以上の力が加わるとねじれを生じ、または連結部材であるハンガーやクリップに変形が生じ、外れて、天井の崩壊や落下につながる。
そこで、クリアランスに伸縮可能な変形吸収部材を介装したり、野縁等により形成された天井部材とコンクリート部との間に水平方向の振動を吸収する制振ダンパーを設置した制振構造が提案されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
また、変形吸収部材や制振ダンパーを別途設けるのではなく、吊り下げ装置自体を吊り下げ型振動低減装置とすることも提案されている(例えば、特許文献6〜8参照)。この吊り下げ型振動低減装置は、天井スラブ等の上部構造体の下方に、配管、ダクト等の被吊り部材を吊り支持するものである。
具体的には、特許文献6、7に記載の装置は、被吊り部材に作用する振動を低減するように所定のハンガー等の吊り下げ防振装置で吊り支持して振動系を構成する防振構造とされている。これらの装置は、図1に示すように、上部構造体1に、上板と下板と側板とからなる枠体2が吊り部材3により連結され、また、被吊り部材4が枠体2に弾性体5を介して吊り部材6により連結されたものとされている。
吊り部材3は、その一端が上部構造体1に連結され、他端が枠体2の上板にナット7等を用いて連結される。弾性体5は、枠体2の下板の上側内面に配置され、吊り部材6は、弾性体5に設けられた挿通孔を通してその一端がナット8等を用いて連結され、他端が被吊り部材4と連結される。
このような装置では、弾性体5を、空気バネ、コイルスプリング、防振ゴム、ゴムパッドのいずれの材料を用いるかによって防振効果が異なり、空気バネやコイルスプリングは高い防振効果を発揮することができる反面、高価であり、防振ゴムやゴムパッドは安価である反面、防振効果が低いという問題がある。
そこで、安価な材料でも十分な防振効果を発揮することができる装置として、特許文献8に記載の装置が提案されている。この装置は、図2に示すように、上部構造体10および図示しない被吊り部材の質量より小さい質量体11と、その質量体11の上部および下部にそれぞれ設けた防振材12、13と、各防振材12、13を介して質量体11に一端を連結された上下の連結材14、15と、質量体11に設けた動吸振器16とからなり、上側の連結材14の他端が上部構造体10へ連結され、下側の連結材15の他端が被吊り部材へ連結されるものである。
この装置は、動吸振器16を質量体11に設置するので、被吊り部材の振動源の作用点位置に一切左右されることなく、防振による理論上の曲線以上の振動低減効果を効率良く発揮することができ、また、上部構造体10等より小さい質量体11を用いるので、マス比を大きくとることができ、より軽い質量の動吸振器16で高い振動低減効果を得ることができるため、経済性に優れるという特徴を有している。
特開2005−240538号公報 特開2005−350950号公報 特開2007−291761号公報 特開2008−138464号公報 特開2008−274546号公報 特開平6−58371号公報 特開平8−144423号公報 特開2007−162910号公報
大地震時には、吊り天井が取り付けられる屋根面やスラブにおいて、上下方向に重力加速度を大きく上回る応答加速度が生じることが知られている。天井落下被害を受けた体育館のシミュレーション解析では、重力加速度の4〜5倍の応答加速度が生じたとの結果も報告されており、こういった上下方向の大きな揺れに対する耐震技術が求められている。
上記特許文献1〜5に記載の制振構造は、水平方向の揺れを減衰させるためのものであり、上下方向の揺れを減衰させるものではない。その一方、上記特許文献6〜8に記載の装置は、上下方向の揺れを減衰させることができる。
上記特許文献6、7に記載の装置は、弾性体のぐらつきや浮き上がりを防止するために弾性体が枠体の下板に接着されるが、被吊り部材が連結される吊り部材は、弾性体に設けられた挿入孔に単に挿入されているだけであるため、スライド可能である。このため、上下方向の揺れが大きいと、吊り部材が弾性体内をスライドして上方へ大きく急速に移動し、吊り部材の先端にあるボルト頭やナット等が浮き上がって枠体の上板に衝突し、または被吊り部材自体が枠体に衝突し、被吊り部材に大きな衝撃を与える場合がある。なお、弾性体が枠板の下板に接着されていない場合には、その弾性体を伴って吊り部材が容易に移動することができるため、小さな揺れでも、枠体への衝突が発生する可能性がある。これでは、被吊り部材の損傷や落下を防止することはできず、耐震用の装置として用いることはできない。
これに対し、上記特許文献8に記載の装置は、構造物の振動エネルギーを2つの防振材により減衰させるとともに、補助となる振動系として動吸振器を付加することにより、その振動エネルギーを吸収し、吊り部材の上下方向への移動を制限するので、被吊り部材に対して大きな衝撃を与えることを防止できるものと考えられる。
しかしながら、この装置を吊り天井に用いる場合、天井の四隅を吊り下げるために、少なくとも4つの装置が必要で、各装置につき、2つの防振材と動吸振器が必要であるため、コストがかかるという問題がある。また、上下方向への振動エネルギーについては十分に吸収することができるものと考えられるが、水平方向への振動エネルギーについては十分ではない。
したがって、簡単な構成で、安価で提供することができ、かつ被吊り部材へ入力される上下方向および水平方向の振動エネルギーを十分に低減させて、被吊り部材が地震に対して破損しないようにすることができる耐震用の吊り下げ装置の提供が望まれていた。
本発明は、上記課題を解決するために、軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する棒状部材と、軸部が挿通可能な穴が形成された端面部と、端面部に連続し、対向する少なくとも1組の内側面を有する側面部とを備える枠状部材と、端面部と側面部と拡張部との間に介在し、軸部が挿着される挿着孔と、少なくとも1組の内側面に隣接する少なくとも1組の隣接面とを有し、振動を受けて端面部が離間し再び接触する際の衝撃を吸収するとともに、該隣接面が該内側面に対して摩擦抵抗を与える緩衝材とを含む、吊り下げ装置が提供される。
緩衝材の隣接面は、上下方向の振動に対して上下方向に移動する際に内側面に対して摩擦抵抗を与え、水平方向の振動に対して水平方向に移動する際に内側面に対して摩擦抵抗を与える。このため、上下方向の振動のみならず、水平方向の振動に対しても十分にそのエネルギーを減衰させることができる。
棒状部材は、上部構造体に連結することができ、枠状部材は、側面部に連続し、被吊り部材を掛止させるための断面が略U字形の掛止部をさらに備えることができる。具体的には、棒状部材は、吊りボルトであり、被吊り部材は、吊り天井を構成する野縁受けであり、枠状部材は、上記の端面部と側面部と掛止部とを備えるハンガーとすることができる。
また、吊り下げ装置は、上記の棒状部材、枠状部材、緩衝材に加えて、被吊り部材に連結される軸部と拡張部とを有する第2棒状部材をさらに含むことができる。この場合、棒状部材は、上部構造体に連結することができ、枠状部材は、棒状部材の軸部が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部と、第2棒状部材の軸部が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部とを備え、側面部が、上側端面部と下側端面部とに連続しているものとすることができる。このとき、棒状部材および第2棒状部材は、吊りボルトとすることができ、被吊り部材は、吊り天井を構成する野縁受けとすることができる。
少なくとも1組の内側面もしくは少なくとも1組の隣接面またはそれらの両方に、複数の突起もしくは溝または凹凸を有することにより、緩衝材の隣接面が内側面に対して摩擦抵抗を与えることもできる。また、複数の吊り下げ装置により被吊り部材を吊り下げる場合、側面部が1組の内側面を有し、緩衝材が1組の内側面に隣接する1組の隣接面を有する複数の吊り下げ装置を使用し、複数の吊り下げ装置のいくつかが、水平方向の振動に対し、隣接面が内側面に対して一定方向に摩擦抵抗を与えるように配設され、残りが、該一定方向に垂直な方向に摩擦抵抗を与えるように配設されることが望ましい。水平方向におけるいずれの方向の振動に対しても、摩擦抵抗を与えて振動を低減させることを可能にするためである。
本発明では、この吊り下げ装置を吊り天井に適用することができ、この吊り下げ装置を適用した吊り天井の耐震構造も提供することができる。この吊り天井の耐震構造は、複数の一方向に長くされた天井板を支持するための支持部材を互いに連結して格子状に組み立て、組み立てた格子状物を、吊り下げ装置を使用して上部構造体に連結することにより構築される吊り天井であって、吊り下げ装置が、軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する棒状部材と、軸部が挿通可能な穴が形成された端面部と、端面部に連続し、対向する少なくとも1組の内側面を有する側面部とを備える枠状部材と、端面部と側面部と拡張部との間に介在し、軸部が挿着される挿着孔と、少なくとも1組の内側面に隣接する少なくとも1組の隣接面とを有し、振動を受けて端面部が離間し再び接触する際の衝撃を吸収するとともに、該隣接面が該内側面に対して摩擦抵抗を与える緩衝材とを含むことを特徴とするものである。
また、吊り下げ装置は、上記のもののほか、上記の棒状部材と、支持部材に連結され、軸部と拡張部とを有する第2棒状部材と、その棒状部材の軸部が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部と、第2棒状部材の軸部が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部と、上側端面部と下側端面部とに連続する枠状部材と、上記の緩衝材とを含むものとすることもできる。
この場合、棒状部材が支持部材に連結され、第2棒状部材が上部構造体に連結されるものであってもよい。
また、格子状物は、上部構造体に連続する四方の側壁すべてに当接するように組み立てられ、水平方向の振動を抑止することがより好ましい。
さらに、吊り天井の耐震構造は、側面部が1組の内側面を有し、緩衝材が1組の内側面に隣接する1組の隣接面を有する複数の吊り下げ装置を使用するものであって、複数の吊り下げ装置のいくつかが、水平方向の振動に対し、隣接面が内側面に対して一定方向に摩擦抵抗を与えるように配設され、残りが、該一定方向に垂直な方向に摩擦抵抗を与えるように配設されることも可能である。
本発明の吊り下げ装置および吊り天井の耐震構造を提供することにより、地震の際、上下方向への大きな振動が発生しても、吊り天井等の被吊り部材自体が浮き上がり、地震力を受け流すことを可能にし、ハンガーやクリップの変形や外れ等により、被吊り部材が破損しないようにすることができる。
また、浮き上がる際も、ゆっくり浮き上がるので、棒状部材の先端が、対向して配置されている第2棒状部材等に衝突することはなく、水平方向へもゆっくり動くので、棒状部材が枠状部材に大きく衝突することもないので、被吊り部材の破損を防止しつつ、被吊り部材へ入力される振動エネルギーも十分に低減させることができる。このため、ブレース等の補強部材が不要となる。
さらに、格子状物を、上部構造体に連続する四方の側壁すべてに当接するように組み立てることで、水平方向の振動に対し、その側壁に密着させて力を伝達させるため、水平方向の振動を効果的に抑止することができる。
従来の吊り下げ型防振装置の構成を示した図。 従来の吊り下げ型振動低減装置の構成を示した図。 本発明の吊り天井の構成例を示した図。 吊り天井に用いられる吊り下げ装置の一例を示した図。 図4に示す吊り下げ装置の地震時の上下方向への揺れに対する動作状況を示した図。 図4に示す吊り下げ装置の地震時の水平方向への揺れに対する動作状況を示した図。 棒状部材および緩衝材の構成例を示した図。 棒状部材および緩衝材の別の構成例を示した図。 複数の吊り下げ装置を使用する場合の配置例を示した図。 吊り天井に用いられる吊り下げ装置の別の例を示した図。 図10に示す吊り下げ装置の地震時の上下方向への揺れに対する動作状況を示した図。 図10に示す吊り下げ装置の地震時の水平方向への揺れに対する動作状況を示した図。
図3は、本発明の吊り天井の構成例を示した図である。図1に示した実施形態は、1つの構成例であるので、本発明は、この実施形態に限定されるものでない。
吊り天井は、上述したように、野縁30および野縁受け31と呼ばれる一方向に長くされた天井板32を支持するための支持部材を、互いに連結して格子状に組み立て、組み立てた格子状物を、吊り下げ装置33を使用して上部構造体34に連結することにより構築される。なお、この格子状物の表面は、繊維板、合板、石膏ボード等の天井板が取り付けられ、天井が覆われる。天井板は、くぎ、ねじ、接着剤等を用いて、格子状物の表面に取り付けることができる。
野縁30は、天井板32を取り付けるための支持部材で、一般に約30〜45cmの間隔で配置される。野縁30としては、所定長さの木製の角材のほか、アルミニウム製や軽量鉄骨製で、例えば断面が略コの字形のものを用いることができる。なお、野縁30として、断面が略コの字形のものを用いる場合、クリップ35といった連結部材と係合する係合爪30aを備えることができる。この係合爪30aは、両側から中央へ向けて、野縁30の長さ方向に対して垂直に突出しており、また、その長さ方向へ連続して延びている。
野縁受け31は、野縁30を支持するための支持部材で、一般に約90cmの間隔で配置される。野縁受け31も、野縁30と同様、所定長さの木製の角材を用いることができ、アルミニウム製や軽量鉄骨製で断面がコの字形のものを用いることができる。この野縁受け31は、野縁30の上側に配置され、吊り下げ装置33によって上部構造体34に吊り下げられる。
図3では、野縁受け31は、吊り下げ装置33が備える断面が略U字形のハンガー33aによって吊り下げられる。また、このハンガー33aは、吊り下げ装置33が備える棒状部材である吊りボルト33bによって上部構造体34に吊り下げられる。本発明では、このハンガー33aと吊りボルト33bとの間に、ハンガー33aの裏面に略立方体の破線で示された緩衝材36が介在し、この緩衝材36が、吊りボルト33bからハンガー33aへの地震時の振動エネルギーの入力を低減させている。
吊りボルト33bは、ハンガー33aの端面部33cに設けられた穴を通して、上部構造体34に設けられたインサート金物37に螺合することにより連結される。吊りボルト33bは、その穴より大きい拡張されたボルト頭を備えるため、ハンガー33aを支持することができる。緩衝材36とボルト頭との間には、緩衝材36が損傷しないように、ワッシャーが設けられる。
クリップ35は、野縁受け31の上部に隣接する係合片35aと、野縁30の両側にある係合爪30aに引っ掛けるための掛止部35bとを備えている。クリップ35は、掛止部35bにより掛止された下側の野縁30と、上側の係合片35aとによって野縁受け31を挟み込むようにして、野縁30と野縁受け31とを連結する。なお、クリップ35は、上部の間隔が徐々に狭くなるように形成されていて、野縁受け31を動かないように挟み込み、しっかり固定することができるようになっている。
上部構造体34は、吊り天井が取り付けられる屋根面やスラブ等を有する。吊り天井が取り付けられる屋根面やスラブ等は、材木の平板である場合、くぎやねじ等を使用して、インサート金物37が取り付けられ、コンクリートである場合、インサート金物37は埋設される。インサート金物37は、例えば、吊りボルト33bの雄ねじと螺合可能な雌ねじを有するものとされる。
図4は、本発明の吊り下げ装置の構成例を示した図である。この吊り下げ装置は、軸部40とその軸部40の径に比較して拡張した拡張部41とを有する棒状部材を含む。このような棒状部材として、吊りボルト42を挙げることができる。単に、棒状の部材の周囲をねじ切りしたものや、両端のみをねじ切りしたものを用い、一端にナットを螺合して、棒状部材として利用することも可能である。なお、この棒状部材としては、地震によって所定の力が作用しても破損しない一定の強度を有するものであればいかなる材料であってもよいが、例えば、鋼製で、防錆処理したものを用いることができる。
また、吊り下げ装置は、棒状部材の軸部40が挿入可能な図示しない穴が形成された端面部43と、その端面部43に連続し、対向する少なくとも1組の内側面44a、44bを有する側面部44とを備える枠状部材と、端面部43と側面部44と拡張部41との間に介在する緩衝材45とを含んで構成される。
図4では、枠状部材としてハンガー46が採用されている。このため、上記の端面部43および側面部44のほか、野縁受け31を掛止するための断面が略U字形の掛止部47を備えている。この枠状部材も、棒状部材と同様に、鋼製で、防錆処理したものを採用することができる。
端面部43に設けられる穴は、棒状部材である吊りボルト42の軸部40が通る径とされる。なお、この径があまりにも大きいと、緩衝材45が変形してこの穴から抜けてしまうおそれがあり、軸部の径と同程度である場合、軸部が鉛直方向に対して傾斜することができず、水平方向の揺れを吸収することを妨げるので、これらの問題を生じない適当な径とされる。
一般のハンガーは、1つの内側面のみを有する側面部を備えるものであるが、このハンガー46は、対向する1組の内側面44a、44bを有する側面部44を備えるものである。なお、側面部44は、1組の内側面に限られるものではなく、2組の内側面を有するものであってもよい。
緩衝材45は、上部構造体に与えられた振動エネルギーが棒状部材へ伝播するが、棒状部材から枠状部材へ入力される振動エネルギーを低減させる役割を果たす。例えば、上部構造体が地震により上方へ押し上げられると、棒状部材も押し上げられることになるが、この緩衝材45の厚さが薄くなるように変形して、枠状部材、ひいてはその枠状部材に連結される野縁受け、野縁、天井板の上方への移動を低減させる。
また、上部構造体が下方へ押し下げられると、棒状部材も押し下げられ、緩衝材45の厚さが元に戻るように変形するが、それ以上に押し下げられると、それまで接触していた緩衝材45と端面部43とが離間し、図5に示すような状態となる。
緩衝材45と端面部43とが離間すると、その後は、棒状部材から枠状部材へ上下方向の振動エネルギーが入力されることはなくなる。再び上方へ押し上げられると、緩衝材45と端面部43とが接触することになるが、緩衝材45が上記のように変形して衝撃を吸収するので、上下方向の振動が低減される。
緩衝材45を用いるだけの構成では、上記のようにして、上下方向の振動を低減することができるが、大地震で、急激かつ大きく押し下げられた場合のように、急激に緩衝材45と端面部43が離間すると、その勢いで、下方にある野縁受け等に衝突可能性がある。すると、棒状部材が折れ曲がったり、その衝撃で、ハンガー46が変形したり、クリップが変形したりして、野縁受けや野縁が外れたりするおそれがある。
そこで、本発明では、枠状部材に、対向する少なくとも1組の内側面44a、44bを有する側面部44を設け、緩衝材45に、少なくとも1組の内側面に隣接する少なくとも1組の隣接面を設けて、その隣接面が、内側面に対して摩擦抵抗を与えるものとしている。
このため、急激に押し上げられても、すぐに変形することはなく、急激に押し下げられても、すぐに緩衝材45と端面部43が離間することがないので、枠状部材へ上下方向の振動エネルギーが入力されることになるが、急激な上下動はなくなり、その変位も小さく抑えることができるため、上記の衝突を防止し、確実な振動低減を実現することができる。
また、水平方向の振動がない場合は、図6(a)に示すような状態であるが、図6(b)の矢線に示すように向かって左側へ上部構造体が移動すると、上部構造体に棒状部材を介して連結される緩衝材45の隣接面は、側面部44の内側面に接触して摩擦抵抗を与えつつ、側面部44からはみ出るように上部構造体と同じ方向へ移動する。図6(c)の矢線に示すようにその反対方向へ移動する場合も同様である。このため、水平方向へもゆっくり動くことになり、枠状部材の穴に挿通された棒状部材が枠状部材に衝突し、棒状部材の側面に設けられたねじ山がつぶれたり、その衝撃で被吊り部材が破損することを防止することができる。また、緩衝材45は変形して水平2方向をピン支持できる効果を有することから、枠状部材を傾斜させ、枠状部材に連結される被吊り部材を元の位置に保持しようとするので、被吊り部材の振動を低減させることができる。
緩衝材45としては、上記のように側面部44の内側面に接触して摩擦抵抗を与えるとともに、変形してピン支持できる効果を付与することができる材料であればいかなる材料でも用いることができる。例えば、天然ゴム、アクリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、ブタジエンゴム、ポリイソブチレン等の合成ゴム、シリコーンを主原料としたゲル状材料、発泡ポリウレタン等の発泡プラスチックを用いることができる。
また、緩衝材45は、棒状部材の軸部40が挿着される挿着孔を有するが、その挿着孔の径は、緩衝材45が変形可能であることから、棒状部材の径とほぼ同じであるか、やや小さい径であることが望ましい。その軸部の外周に緩衝材45が密着するように挿着させるためである。なお、必要に応じて、接着剤を用い、軸部40と緩衝材45とを接着することも可能である。このように挿着することで、枠状部材の浮き上がりに伴い緩衝材45を浮き上がらせることができ、かつ、その浮き上がりの際に適切に摩擦抵抗を与えることができる。挿着孔の内面は、何も設けられていないものであってもよいし、ねじ溝等が形成されたものであってもよい。
棒状部材および緩衝材45としては、例えば、図7および図8に示すものを採用することができる。図7は、緩衝材45の挿着孔の内面にねじ溝が形成されていて、棒状部材の軸部40の外周全体がそのねじ溝に螺合するようにねじ切りされている。その棒状部材には拡張部41としてナットが取り付けられている。図8も同様に、緩衝材45にねじ溝が形成されていて、棒状部材の軸部40の外周全体がそのねじ溝に螺合するようにねじ切りされているが、拡張部41が、ナットではなく、緩衝材45を挟み込むための挟持部を備える構造とされている。この挟持部は、緩衝材45にくい込むように挟み込んでおり、簡単に緩衝材45が外れないようにされている。なお、図8(a)は、平面図であり、図8(b)は、切断線A−Aで切断した断面図である。これらはあくまで例であるので、これらの例に限定されるものでないことは言うまでもない。
側面部44の内側面44a、44bもしくは緩衝材45の隣接面またはその両方が、摩擦抵抗を与えるために、その表面に小さな突起を有するもの、小さい溝や穴を有するもの、凹凸を有するものであってもよい。
本発明の吊り下げ装置は、被吊り部材を吊り下げるために、複数使用して吊り下げることができる。その際、吊り下げ装置は、1組の内側面44a、44bを有する側面部44をもつ枠状部材と、1組の隣接面を有する緩衝材45とを用いる構成とし、図9に示すような配置とすることが好ましい。図9は、矩形で示された被吊り部材60上に複数の吊り下げ装置が連結されているが、その吊り下げ装置が、上部構造体側から見た、側面部44と緩衝材45のみで表した図となっている。
図9では、矢線に示す緩衝材45の移動可能な方向が、紙面に向かって上から左右方向、上下方向、左右方向、上下方向となるように、各吊り下げ装置が配設されている。このように、複数の吊り下げ装置のいくつかを、一定方向に摩擦抵抗を与えるように配設し、残りを、該一定方向に垂直な方向に摩擦抵抗を与えるように配設することで、水平方向における360°いずれの方向の振動に対しても適切に摩擦抵抗を与えてその振動を低減させることができる。
被吊り部材が、野縁受けと野縁から構成される格子状物である場合、ハンガー46が野縁受けに取り付けられるため、図9に示すように複数の吊り下げ装置を配設することができない。すなわち、野縁受けは、平行に配置されるため、一定方向に摩擦抵抗を与える装置と、それに垂直な方向に摩擦抵抗を与える装置を同時に配設することができないからである。したがって、水平方向の360°全ての方向に対して摩擦抵抗を与えて水平方向の振動を低減させることができない。しかしながら、その格子状物を、上部構造体34に連続する四方の側壁すべてに当接するように組み立てることにより、水平方向への振動をそれらの側壁によって抑止することができる。以上のようにして、上下方向および水平方向の振動を低減することにより、ブレース等の補強部材を用いなくても十分に耐震性能を向上させることができる。
図10は、本発明の吊り下げ装置の別の構成例を示した図である。図10に示す吊り下げ装置は、棒状部材52、枠状部材55、緩衝材56に加えて、被吊り部材に連結される軸部57と拡張部58とを有する第2棒状部材59をさらに含むものとされている。
棒状部材52は、上記と同様の吊りボルト等とされ、緩衝材56も、同様の材料を用い、枠状部材55の端面部と側面部54と拡張部51との間に介在し、棒状部材52の軸部50が挿着される図示しない挿着孔と、少なくとも1組の内側面54a、54bに隣接する少なくとも1組の隣接面とを有し、振動を受けて端面部が離間し再び接触する際の衝撃を吸収するとともに、その隣接面が内側面54a、54bに対して一定の摩擦抵抗を与えるものとされている。
図4に示す実施形態では、ハンガー46を枠状部材として用いているが、この図10に示す実施形態では、棒状部材52と第2棒状部材59との間に、別途、枠状部材55を設けた構成とされている。このため、枠状部材55は、棒状部材52の軸部50が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部53aと、第2棒状部材59の軸部57が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部53bとを備え、その側面部54が、上側端面部53aと下側端面部53bとに連続しているものとされている。
この実施形態においても、側面部54は、対向する1組の内側面54a、54bのみを備えるものに限らず、2組の内側面を備えるものであってもよい。このため、枠状部材55は、中空のボックスであってもよい。
地震が発生した場合、緩衝材56は、上部構造体に与えられた振動エネルギーが棒状部材52へ伝播し、棒状部材52から枠状部材55へと伝播する。この振動エネルギーは、枠状部材55から第2棒状部材59へと入力されるが、緩衝材56によって低減される。具体的には、上部構造体が地震により上方へ押し上げられると、棒状部材52および枠状部材55も押し上げられることになるが、緩衝材56の厚さが薄くなるように変形して、第2棒状部材59に連結される野縁受け、野縁、天井板の上方への移動を低減させる。
また、上部構造体が下方へ押し下げられると、棒状部材52および枠状部材55も押し下げられ、緩衝材56の厚さが元に戻るように変形するが、それ以上に押し下げられると、それまで接触していた緩衝材56と下側端面部53bとが離間して、緩衝材56が浮き上がり、図11に示すような状態となる。
緩衝材56と下側端面部53bとが離間すると、その後は、枠状部材55から第2棒状部材59へ上下方向の振動エネルギーが入力されることはなくなる。その後、再び上方へ押し上げられると、緩衝材56と下面端面部53bとが接触することになるが、緩衝材56が上記のように変形して衝撃を吸収するので、振動が低減される。
緩衝材56を用いるだけの構成では、上記と同様、上下方向の振動を低減することができるが、大地震で、急激かつ大きく押し下げられた場合のように、急激に緩衝材56と下側端面部53bが離間すると、その勢いで、上方の棒状部材52の先端に衝突する可能性がある。すると、衝突する力によっては、棒状部材52や第2棒状部材59が折れ曲がったり、ハンガーが変形したり、クリップが変形したりして、野縁受けや野縁が外れたりするおそれがある。
そこで、枠状部材55に、対向する少なくとも1組の内側面54a、54bを有する側面部54が設けられ、緩衝材56には、少なくとも1組の内側面54a、54bに隣接する少なくとも1組の隣接面が設けられ、その隣接面が、内側面54a、54bに対して一定の摩擦抵抗を与えるものとしている。
このようにすることで、急激に押し上げられても、すぐに変形することはなく、急激に押し下げられても、すぐに緩衝材56と下側端面部53bが離間することがないため、枠状部材55へ上下方向の振動エネルギーが入力されることになるが、急激な上下動はなくなり、その変位も小さく抑えることができるため、上記の衝突を防止し、確実な振動低減を実現することができる。
また、水平方向の振動がない場合は、図12(a)に示すような状態であるが、図12(b)の矢線に示すように向かって左側へ上部構造体が移動すると、上部構造体に棒状部材を介して連結される緩衝材56の隣接面は、側面部54の内側面に接触して摩擦抵抗を与えつつ、側面部54からはみ出るように上部構造体と同じ方向へ移動する。図12(c)の矢線に示すようにその反対方向へ移動する場合も同様である。このため、水平方向へもゆっくり動くことになり、枠状部材55の穴に挿通された棒状部材が枠状部材55に衝突し、棒状部材の側面に設けられたねじ山がつぶれたり、その衝撃で被吊り部材が破損することを防止することができる。また、緩衝材56は変形して水平2方向をピン支持できる効果を有することから、枠状部材55を傾斜させ、枠状部材55に連結される被吊り部材を元の位置に保持しようとするので、被吊り部材の振動を低減させることができる。
この実施形態の吊り下げ装置も、図9に示すような配置で設置することができるが、被吊り部材が、野縁受けと野縁から構成される格子状物である場合は、その格子状物を、上部構造体34に連続する四方の側壁すべてに当接するように組み立てることにより、水平方向への振動をそれらの側壁によって抑止することができる。この実施形態でも、以上のようにして上下方向および水平方向の振動を低減することにより、ブレース等の補強部材を用いなくても十分に耐震性能を向上させることができる。
ここでは、棒状部材52を、上部構造体に連結し、第2棒状部材59を、被吊り部材に連結する構成を例示し、説明してきたが、棒状部材52を、被吊り部材に連結し、第2棒状部材59を、被吊り部材に連結する構成としてもよいものである。
したがって、上述したような吊り下げ装置および吊り天井の耐震構造を提供することにより、地震の際、上下方向への大きな振動が発生しても、吊り天井等の被吊り部材自体が浮き上がり、地震力を受け流すことを可能にし、ハンガーやクリップの変形や外れ等により、被吊り部材が破損しないようにすることができる。
また、浮き上がる際も、ゆっくり浮き上がるので、棒状部材の先端が、対向して配置されている第2棒状部材等に衝突することはなく、水平方向へもゆっくり動くので、棒状部材が枠状部材に大きく衝突することもないので、被吊り部材の破損を防止しつつ、被吊り部材へ入力される振動エネルギーも十分に低減させることができる。このため、ブレース等の補強部材が不要となる。
さらに、格子状物を、上部構造体に連続する四方の側壁すべてに当接するように組み立てることで、水平方向の振動に対し、その側壁に密着させて力を伝達させるため、水平方向の振動を効果的に抑止することができる。地震の際、上下方向への大きな振動が発生しても、天井全体が浮き上がり、地震力を受け流すことを可能にし、格子状物を組み立てる際に用いられるハンガーやクリップ等の変形や外れをなくすことができ、その結果、天井の崩壊や脱落を防止することができる。
これまで本発明の吊り下げ装置および吊り天井の耐震構造について図面に示した実施形態を参照しながら詳細に説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態や、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。したがって、本発明の吊り下げ装置は、被吊り部材として、吊り天井を構成する格子状物、より具体的には、野縁受けのほか、冷暖房設備、照明装置、ダクト配管等であってもよいものである。また、上部構造体は、水平面をもつものに限らず、傾斜した屋根面であってもよいものである。
1…上部構造体、2…枠体、3…吊り部材、4…被吊り部材、5…弾性体、6…吊り部材、7、8…ナット、10…上部構造体、11…質量体、12、13…防振材、14、15…連結材、16…動吸振器、30…野縁、30a…係合爪、31…野縁受け、32…天井板、33…吊り下げ装置、33a…ハンガー、33b…吊りボルト、33c…端面部、34…上部構造体、35…クリップ、35a…係合片、35b…掛止部、36…緩衝材、37…インサート金物、40…軸部、41…拡張部、42…吊りボルト、43…端面部、44…側面部、44a、44b…内側面、45…緩衝材、46…ハンガー、47…掛止部、50…軸部、51…拡張部、52…棒状部材、53a…上側端面部、53b…下側端面部、54…側面部、54a、54b…内側面、55…枠状部材、56…緩衝材、57…軸部、58…拡張部、59…第2棒状部材、60…被吊り部材

Claims (14)

  1. 耐震用の吊り下げ装置であって、
    軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する棒状部材と、
    前記軸部が挿入可能な穴が形成された端面部と、前記端面部に連続し、対向する少なくとも1組の内側面を有する側面部とを備える枠状部材と、
    前記端面部と前記側面部と前記拡張部との間に介在し、前記軸部が挿着される挿着孔と、前記少なくとも1組の内側面に隣接する少なくとも1組の隣接面とを有し、振動を受けて前記端面部が離間し再び接触する際の衝撃を吸収するとともに、該隣接面が該内側面に対して摩擦抵抗を与える緩衝材とを含む、吊り下げ装置。
  2. 前記緩衝材の前記隣接面は、上下方向および水平方向のいずれの方向の振動に対しても、上下方向および水平方向への移動の際に前記内側面に対して摩擦抵抗を与える、請求項1に記載の吊り下げ装置。
  3. 前記棒状部材は、上部構造体に連結され、前記枠状部材は、前記側面部に連続し、被吊り部材を掛止させるための断面がU字形の掛止部をさらに備える、請求項1または2に記載の吊り下げ装置。
  4. 被吊り部材に連結される軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する第2棒状部材をさらに含み、前記棒状部材が、上部構造体に連結され、前記枠状部材が、前記棒状部材の前記軸部が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部と、前記第2棒状部材の前記軸部が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部とを備え、前記側面部が、前記上側端面部と前記下側端面部とに連続している、請求項1または2に記載の吊り下げ装置。
  5. 上部構造体に連結される軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する第2棒状部材をさらに含み、前記棒状部材が、被吊り部材に連結され、前記枠状部材が、前記棒状部材の前記軸部が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部と、前記第2棒状部材の前記軸部が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部とを備え、前記側面部が、前記上側端面部と前記下側端面部とに連続している、請求項1または2に記載の吊り下げ装置。
  6. 前記内側面もしくは前記隣接面またはその両方に、突起もしくは溝または凹凸を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の吊り下げ装置。
  7. 複数の前記吊り下げ装置を用いて被吊り部材を吊り下げる場合、前記吊り下げ装置は、前記側面部が1組の内側面を有し、前記緩衝材が1組の隣接面を有するものを用い、前記複数の吊り下げ装置のいくつかが、水平方向の振動に対し、前記隣接面が前記内側面に対して一定方向に摩擦抵抗を与えるように配設され、残りの前記吊り下げ装置が、該一定方向に垂直な方向に摩擦抵抗を与えるように配設されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の吊り下げ装置。
  8. 吊り天井の耐震構造であって、
    前記吊り天井が、複数の一方向に長くされた天井板を支持するための支持部材を互いに連結して格子状に組み立て、組み立てた格子状物を、吊り下げ装置を使用して上部構造体に連結することにより構築されるものであり、
    前記吊り下げ装置が、
    軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する棒状部材と、
    前記軸部が挿入可能な穴が形成された端面部と、前記端面部に連続し、対向する少なくとも1組の内側面を有する側面部とを備える枠状部材と、
    前記端面部と前記側面部と前記拡張部との間に介在し、前記軸部が挿着される挿着孔と、前記少なくとも1組の内側面に隣接する少なくとも1組の隣接面とを有し、振動を受けて前記端面部が離間し再び接触する際の衝撃を吸収するとともに、該隣接面が該内側面に対して摩擦抵抗を与える緩衝材とを含む、吊り天井の耐震構造。
  9. 前記緩衝材の前記隣接面は、上下方向および水平方向のいずれの方向の振動に対しても、上下方向および水平方向への移動の際に前記内側面に対して摩擦抵抗を与える、請求項8に記載の吊り天井の耐震構造。
  10. 前記棒状部材は、上部構造体に連結され、前記枠状部材は、前記側面部に連続し、被吊り部材を掛止させるための断面がU字形の掛止部をさらに備える、請求項8または9に記載の吊り天井の耐震構造。
  11. 前記吊り下げ装置は、被吊り部材に連結される軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する第2棒状部材をさらに含み、前記棒状部材が、前記上部構造体に連結され、前記枠状部材が、前記棒状部材の前記軸部が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部と、前記第2棒状部材の前記軸部が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部とを備え、前記側面部が、前記上側端面部と前記下側端面部とに連続している、請求項8または9に記載の吊り天井の耐震構造。
  12. 前記上部構造体に連結される軸部と該軸部の径に比較して拡張した拡張部とを有する第2棒状部材をさらに含み、前記棒状部材が、被吊り部材に連結され、前記枠状部材が、前記棒状部材の軸部が挿通可能な第1穴が形成された上側端面部と、前記第2棒状部材の軸部が挿通可能な第2穴が形成された下側端面部とを備え、前記側面部が、前記上側端面部と前記下側端面部とに連続している、請求項8または9に記載の吊り天井の耐震構造。
  13. 前記内側面もしくは前記隣接面またはその両方に、突起もしくは溝または凹凸を有する、請求項8〜12のいずれか1項に記載の吊り天井の耐震構造。
  14. 前記格子状物は、前記上部構造体に連続する四方の側壁すべてに当接するように組み立てられ、水平方向の振動を抑止することを特徴とする、請求項8〜13のいずれか1項に記載の吊り天井の耐震構造。
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