JP2016073374A - カーペットの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(1)ポリアミドを含む繊維を染色する工程と、前記の染色された繊維をタフトしカーペット生地を得る工程と、前期カーペット生地を多価フェノール化合物の水溶液で処理する工程を有することを特徴とするカーペットの製造方法。
(2)ポリアミドを含む繊維をタフトしカーペット生地を得る工程と、前記カーペット生地を染色する工程と、前期の染色されたカーペット生地を多価フェノール化合物の水溶液で処理する工程を有することを特徴とするカーペットの製造方法。
である。
【選択図】なし
Description
すなわち、
(1)ポリアミドを含む繊維をタフトしカーペット生地を得る工程と、前記カーペット生地を染色する工程と、染色された前記カーペット生地を多価フェノール化合物の水溶液で処理する工程を有することを特徴とするカーペットの製造方法、
(2)ポリアミドを含む繊維を染色する工程と、染色された前記ポリアミドを含む繊維をタフトしカーペット生地を得る工程と、前期カーペット生地を多価フェノール化合物の水溶液で処理する工程を有することを特徴とするカーペットの製造方法、
(3)前記多価フェノール化合物の水溶液の濃度がカーペット生地全体に対して4〜15%owfであることを特徴とする(1)または(2)のカーペットの製造方法。
試料(捲縮糸または樹脂)1gを50mLのフェノール/エタノール混合溶液(フェノール/エタノール=80/20)に、30℃で振とう溶解させて溶液とし、この溶液を0.02Nの塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸量を求めた。また、上記フェノール/エタノール混合溶媒(上記と同量)のみを0.02N塩酸で中和滴定し要した0.02N塩酸の量を求める。そしてその差から試料1tonあたりのアミノ末端基量を求めた。
1m/周の検尺機にて0.05cN/dtexの張力を掛けながら10回転させて得た、全長10mのかせの重量を測定し、1000倍することで総繊度を求めた。そして総繊度をフィラメント数で除することで単繊維繊度を求めた。
室温25℃、相対湿度65%の雰囲気中に24時間放置されていたパッケージから解舒した捲縮糸を、無荷重状態で、30分間沸騰水で浸漬処理した後、室温25℃、相対湿度65%で24時間乾燥し、これを沸騰水処理後の捲縮伸長率を測定する試料とした。この試料に、室温25℃、相対湿度65%の雰囲気下において、2mg/dtexの初荷重をかけ、30秒経過した後に試料長50cm(L1)にマーキングをした。次いで初荷重を除去した後、同試料に100mg/dtexの定荷重をかけて30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定する。そして下記式により、沸騰水処理後の伸長率(%)を求めた。
沸騰水処理後の捲縮伸長率(%)=[(L2−L1)/L1]×100。
BCFを包埋材で固定して切片を切り出し、脱包埋後、光学顕微鏡で500倍に拡大して写真撮影した。また同じく500倍でスケールも撮影した。該画像をデジタル化した後、三谷商事(株)の画像解析ソフト「WinROOF、ver5.0」を用い、単繊維の横断面の外接円の直径D1と、単繊維の横断面の内接円の直径D2を計測した。そして次式により単繊維の異形度を求めた。そしてBCFを構成する全ての単繊維の異形度を算出した後、大きいものから10個を選択して平均化し、少数第2位を四捨五入した値を異形度とした。
なお外接円とは、単繊維の横断面の輪郭と少なくとも2点で接し、単繊維の横断面を包含する円の内で直径が最小のものと定義する。また内接円とは、単繊維の横断面の輪郭と少なくとも2点で接し、単繊維の横断面に包含される円の内で直径が最大のものと定義する。
JISL1013(2010)に従い、浅野機器(株)製の検撚機を用いて、つかみ間隔を50cmとして8.82mN×表示dtexの初荷重の下で試料を取り付け、撚り数を測定し、2倍して1mあたりの撚り数を求めた。
タフト前の基布を50cm角に切り出して基布重量を測定する。続いて、タフト後のカーペットを50cm角に切り出してカーペット重量を測定する。カーペット重量から基布重量を差し引き、当該試料におけるパイル糸の重量を得る。パイル糸の重量を単位面積(1m2)あたりに換算したものをパイル糸の目付とした。
pH=12に調整した水酸化ナトリウム溶液を、浴比1:30となるように準備し、「無リンダッシュ」(ライオンハイジーン(株)製)を5g/L添加した洗浄液に試料を投入し、多色ポット染色試験機(テクサム技研社製(UR・MINI−COLOR)にて、2℃/分で90℃まで昇温し、90℃に達してから360分間処理する。冷却後、洗濯機によって20分間のすすぎを行い、脱水したうえで、100℃で30分間乾燥するまでを1サイクルとして、5サイクル繰り返し処理する。
「G.アルカリ洗浄処理」の方法でアルカリ洗浄処理を施した試料のアミノ末端基濃度を前述の「A.アミノ末端基量」の方法で測定した。
カーペットを直径120mmの円形状に切り出し、中央に6mmの穴を空けて試験片とした。該試験片を、ASTM D 1175(1994)に規定されるテーバー摩耗試験機(Rotary Abraster)に表糸を上に向けて取り付け、H#18摩耗綸、圧縮荷重1kgf(9.8N)、試料ホルダ回転速度70rpm、摩耗回数1000回の摩耗試験を行った前後の試料重量を測定した。これらの測定値と下記の式を用いて摩耗減量率を算出した。
摩耗減量率(%)=(W0−W1)×100/(W2×A1)
W0:測定前の円形カーペットの重量(g)
W1:測定後の円形カーペットの重量(g)
W2:カーペットの目付(g/m2)
A1:摩耗輪が接触する部分の全面積(m2)。
「G.アルカリ洗浄処理」の方法でアルカリ洗浄処理を施したカーペットの試料の摩耗減量率を前述の「I.摩耗減量率」の方法で測定した。
試料カーペットのうえに直径4cmのシリンダーを置き、その中に汚染液として“ニッキ水”(ハタ鉱泉製)を0.50ml/cm2(6.28ml)となるように滴下し、薬さじで均等になじませたのちに、70℃×1hrで乾燥する。24hr放置したのちに流水で軽く洗浄し、試験片を70℃×1hrで乾燥し、汚れの状態を観察し、次の4段階で評価した。
a.汚染なし
b.僅かに汚染が認められる
c.汚れが認められる
d.著しい汚染。
「G.アルカリ洗浄処理」の方法でアルカリ洗浄処理を施したカーペットの試料の防汚性を前述の「K.防汚性」の方法で測定した。
多価フェノール化合物の水溶液による処理の前後のカーペット生地を、ミノルタ社製色彩色差計(CR−310)を用いてL*値を測定し、次の式を用いて処理前後の色変化の程度を求めた。
色変化度=|La−Lb|/La ×100
ここで、
La:多価フェノール化合物の水溶液による処理前のL*値、
Lb:多価フェノール化合物の水溶液による処理後のL*値であり、
色変化度の数値が大きいものほど、色変化が大きいことを表す。
完成したカーペットのL*値を、ミノルタ社製色彩色差計(CR−310)を用いて測定した。
L*値の数値が小さいほど、優れた染色性を有することを表す。
ピペットで0.1mlの水滴をカーペットの表面に滴下し30秒間放置したのちに、日本製紙クレシア社製ペーパータオル(キムタオル)を被せて軽く押さえて水分を拭き取り、ぺーパータオルに転写した水分の跡の最大幅を記録した。ここでは、上記の水分の跡の最大幅の値が小さいほど、カーペットの表面の吸水性は高いといえる。カーペットの表面の吸水性が高いと、汚染水がカーペットの表面の局所に留まり乾燥してカーペットの表面にこびりつくのを抑制することができ、また、汚染水がカーペットの表面に水玉状となって留まり、そこに触れる衣服等に移行するのを抑制することができる。
(紡糸・延伸・捲縮加工)
硫酸相対粘度2.8、融点225℃でアミノ末端基濃度が59mol/tonのポリアミド6チップを一軸押出混練機に投入し混練温度250℃で溶融および混練し、紡糸機に供給した。
上記BCFに下撚りとしてS撚りを190回/mかけ、2本を引きそろえ、上撚りとしてZ撚りを190回/mかけ、スペルバ社製スチームセット機を用いて120℃で熱セットを施し撚りセット糸を得た。
前記撚りセット糸をチーズ染色機を用いて酸性染料を用いて染色した。染料(Irgalan Blue、Irgalan Bordeau、および、Irgalan Yellow)、均染剤ならびにpH調整剤を下記のとおり投入し浴比1:40となるように水を加えて染色液を得た。上記の染色液と前記撚りセット糸をチーズ染色機に投入し、1℃/分で90℃まで昇温し、続いて30分間染色処理を施す。その後、60℃まで上記試料を含む染色液を冷却し、さらに、試料を60℃の水で70分間洗浄を行い、脱水および乾燥させ染め糸を得た。
Irgalan Bordeau 0.1%owf
Irgalan Yellow 0.1%owf
均染剤:ニューボーンTS−400 1%owf
pH調整剤:酢酸 3%owf
(タフティング)
前記染色糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
前期カーペット生地を、常圧型ウインス染色機を用いて、多価フェノール化合物として合成タンニンである“ナイロンフィックス501”(センカ株式会社製)を8%owf、浴比1:30となるように調液し、90℃×30分間処理を行ったのち、連続乾燥機内で135℃×20分間乾燥した。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
(タフティング)
実施例1で得た撚りセット糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
得られたカーペット生地を、常圧型ウインス染色機にて酸性染料で染色した。染料(Irgalan Blue、Irgalan Bordeau、および、Irgalan Yellow)、均染剤ならびにpH調整剤を下記のとおり投入し浴比1:40となるように水を加えて染色液を得た。上記の染色液と前記カーペット生地を常圧型ウインス染色機に投入し、1℃/分で90℃まで昇温し、続いて30分間染色処理を施す。その後、60℃まで上記試料を含む染色液を冷却し、さらに、試料を60℃の水で70分間洗浄を行った。
染料:Irgalan Blue 0.1%owf
Irgalan Bordeau 0.1%owf
Irgalan Yellow 0.1%owf
均染剤:ニューボーンTS−400 1%owf
pH調整剤:酢酸 3%owf。
前記の染色加工後、同浴で多価フェノール化合物として合成タンニンである“ナイロンフィックス501”(センカ株式会社製)を表1および表2に示す濃度、浴比となるように調液し、表1および表2の条件で処理を行った。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
[比較例1]
(染色)
実施例1で得た撚りセット糸を、実施例1と同じ条件でチーズ染色機を用いて染色した。
染色処理ののち、チーズ染色機に、多価フェノール化合物として合成タンニンである“ナイロンフィックス501”(センカ株式会社製)を5%owf、浴比1:30となるように調液した多価フェノール化合物の水溶液を投入し、80℃×20分間処理を行った。
前記染色糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
(多価フェノール化合物の水溶液による処理)
実施例1で得た撚りセット糸を、チーズ染色機を用いて多価フェノール化合物として合成タンニンである“ナイロンフィックス501”(センカ株式会社製)を5%owf、浴比1:30となるように調液した多価フェノール化合物の水溶液を投入し、80℃×20分間処理を行った。
続いて、実施例1と同じ条件でチーズ染色機を用いて染色したが染色性が悪く所定の色味が出なかった。
前記染色糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
(タフティング)
実施例1で得た撚りセット糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
実施例2で得たカーペット生地を、常圧型ウインス染色機を用いて、多価フェノール化合物として合成タンニンである“ナイロンフィックス501”(センカ株式会社製)を5%owf、浴比1:30となるように調液し、80℃×20分間処理を行った。
そのまま、常圧型ウインス染色機にて実施例2の染色と同じ条件で染色し、連続乾燥機内で135℃×20分間乾燥した。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
(多価フェノール化合物の水溶液による処理)
実施例1で得た撚りセット糸を、チーズ染色機を用いて多価フェノール化合物として合成タンニンである“ナイロンフィックス501”(センカ株式会社製)を5%owf、浴比1:30となるように調液した多価フェノール化合物の水溶液を投入し、80℃×20分間処理を行った。
前記多価フェノール化合物で処理した撚りセット糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
得られたカーペット生地を、常圧型ウインス染色機を用いて実施例2と同じ条件で染色し、連続乾燥機内で135℃×20分間乾燥した。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
(タフティング)
実施例1で得た撚りセット糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
得られたカーペット生地を、常圧型ウインス染色機を用いて実施例2と同じ条件で染色し、連続乾燥機内で135℃×20分間乾燥した。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
(タフティング)
実施例1で得た撚りセット糸を基布であるポリエチレンテレフタレートからなるスパンボンド不織布に、1/8ゲージ、ステッチ8.5個/2.54cmでタフトし、パイル目付800g/m2のレベルカットのカーペット生地を得た。
得られたカーペット生地を、常圧型ウインス染色機を用いて実施例2と同じ条件で染色し、連続乾燥機内で135℃×20分間乾燥した。
カーペット表面に、フッ素系撥水剤(旭硝子製AsahiGuard E−Series AG−E082)を20g/Lスプレー塗布し、連続乾燥機内で135℃×20分間乾燥した。
カーペットの裏面にSBRラテックスを500g/m2塗布して目止めを施したうえにSBRラテックスをシート状に押出し圧着して裏材とした。
Claims (3)
- ポリアミドを含む繊維をタフトしカーペット生地を得る工程と、前記カーペット生地を染色する工程と、染色された前記カーペット生地を多価フェノール化合物の水溶液で処理する工程を有することを特徴とするカーペットの製造方法。
- ポリアミドを含む繊維を染色する工程と、染色された前記ポリアミドを含む繊維をタフトしカーペット生地を得る工程と、前期カーペット生地を多価フェノール化合物の水溶液で処理する工程を有することを特徴とするカーペットの製造方法。
- 前記多価フェノール化合物の水溶液の濃度がカーペット生地全体に対して4〜15%owfであることを特徴とする請求項1または2に記載のカーペットの製造方法。
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