JP2018071023A - 原着捲縮糸およびカーペット - Google Patents
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Abstract
【課題】たとえばタフテッドカーペット等に用いられる際に、良好な風合いを有しつつ、かつ、優れた嵩高性(ボリューム感)を備える原着捲縮糸及び該原着捲縮糸を用いたカーペットを提供する。更には、該原着糸を製造する工程にて、異形断面成形性を保持しつつ、製造工程での機器の摩耗や汚れの付着を軽減し、且つ充分な製糸性が得られる手法を提供する。【解決手段】潜在捲縮伸長率が5〜35%で、且つ、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0重量%であり、更には、糸における油分の付着量が0.3〜1.5重量%である、ポリアミド原着捲縮糸。【選択図】なし
Description
本発明は、ポリアミド原着捲縮糸とそれを用いたカーペットに関するものである。
古くからポリアミド捲縮糸を使用したパイル糸が知られ、十分な耐久性としなやかな風合いを発現することから、主にタフテッドカーペット用に多用されている。一方、内部に顔料及び染料を含有した原着糸は、染色糸が抱える紫外線、熱酸化、加水分解、などによる退色といった耐候堅牢性の問題に対して有効であることや、染色工程を要しないことによる省エネ及び排水低減といった環境負荷低減に寄与するため、近年、ポリアミド捲縮糸への活用が進んでいる。
また、市場では高い意匠性や高機能化、良好な風合いや高い嵩高性といった特性が好まれる傾向にあり、捲縮糸に求められる機能は多くなっている。更には、近年のカーペットの生産速度向上に伴い、糸切れやガイド等での引っかかりといった工程通過性の改善は急務となっている。
このような要求に対して、たとえば特許文献1〜4には、各種のカーペット用のポリアミド原着糸が提案されている。詳細には、特許文献1には油剤の残存による汚れの除去、低減のための処理方法が提案されている。特許文献2には銅化合物の添加による高耐候性化(顔料の退色抑制)の方法が提案されている。特許文献3には、ポリマーにN66(ポリヘキサメチレンアジパミド)を用いた高耐候性化の内容が提案されている。特許文献4には、混練設備の見直しによる長手方向の色ムラを抑えた原着捲縮糸が提案されている。
また、特許文献5には、アウター衣料用途の仮撚り加工の原着捲縮糸が提案されている。糸中のモノマー量を特定量未満に制御することで、良好な操業性と仮撚り加工に十分な強伸度が得られると示されている。
このように様々な技術が提案がなされているが、その糸中に顔料や染料を含む原着糸の位置付けと課題は次のとおりである。
一つ目は、原着糸ではない従来の染色用白糸と対比して剛性が高い点である。添加する顔料のうち、特に無機顔料は繊維中でフィラーのように振る舞うため剛性が高くなり、カーペットパイルでの手触り(風合い)が悪化する傾向がある。
また、その剛直さゆえに、繊維化工程、及び撚糸や混繊といった二次加工工程、更にカーペット作製時のタフティイング工程のいずれでもガイド摩耗が顕著である。加えて、柔軟性が低いために、工程内の抵抗となる箇所では容易に引っかかりを引き起こす。
そこで、たとえば手触り(風合い)を改善する手法としては、単繊維の繊度を下げることが挙げられるが、捲縮加工時における単繊維同士の接触が増え、拘束されやすく、その結果、嵩高性(捲縮性)が不足しやすい。また、扁平や多葉型の特殊異形断面にすることでの改善も可能であるが、異形断面ゆえに、延伸応力の偏在による延伸性の低下や、ガイドでの擦過の増加がおき、糸切れや毛羽発生といった製糸性、品位の悪化につながる傾向がある。
他方、工程での摩耗や引っかかりを軽減する手法としては、製糸時の滑り性や耐熱性付与の目的で糸に付着させる油剤の量を増やすものが一般的である。しかしながら、同製糸工程や後加工工程のローラーやガイドへの汚れの付着が増え、且つ、製品加工後も、油剤自体の変性等により異色欠点になることが確認されている。
二つ目は、顔料の添加による溶融時の流動性の変化である。ポリアミド捲縮糸は、高い嵩高性を得るために、モーメントの高いY型などの異形断面の原糸を用いることが多い。また、乱反射により汚れを目立ちにくくするために、田型断面も好んで採用される。これらの異形断面の形成には、原料の管理された粘性(流動性)と、安定的な溶融、紡出、冷却工程、口金スリットの形が大きく影響する。顔料の種類によってポリマー中での分散性などが異なり一様ではないものの、おおよそ、顔料添加により粘性は高まる方向であり、従来の原着以外の染め用ポリマーで用いる口金スリット形状では、目標とする断面が得られないケースが発生する。
また、高い意匠性が好まれる昨今、原着糸のカラーバリエーションは膨らみ、その色数毎に顔料の種類や量は調整され、これは色数毎に溶融時の流動性が異なるものとなる可能性を示唆している。つまり、異形断面成形性(意図した異形断面形状どおりに成形できる性質)が低下する。
また、異形断面成形性の低下、特に顔料添加により粘性が高まる点については、色品種毎に、溶融温度や吐出スクリュー等の条件や口金スリットを見直すことによって改善出来る可能性は高まるが、前述のように、求められるカラーバリエーションが増加する一方である中、生産の煩雑さによる生産性の低下や、口金費用の悪化といったコストデメリットがある。
しかし、これら特許文献のいずれにも、前述したカーペット用ポリアミド原着糸の課題については、記載が無いか、前述した従来の一般的な手法による内容の対応であり、それぞれの手法のデメリットへの対応は検討されていない。
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものであり、タフテッドカーペット等に用いられるポリアミド原着捲縮糸の製造に際して、異形断面成形性を保持しつつ、良好な風合いと優れた嵩高性(捲縮性)を有し、工程での機器の摩耗を軽減し、且つ、工程設備への汚れの付着を抑え、十分な製糸性が得られるポリアミド原着捲縮糸を提供することを目的とする。
本発明者らは、ポリアミド原着捲縮糸のポリマー組成、捲縮特性、油剤付着量を特定のものとすることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明に到達した。すなわち、上記課題を解決する本発明のポリアミド原着捲縮糸には、以下の構成が主に含まれる。
(1)潜在捲縮伸長率が5〜35%で、且つ、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0重量%であり、更には、糸における油分の付着量が0.3〜1.5重量%である、ポリアミド原着捲縮糸。
このような構成によれば、ポリアミド原着捲縮糸において、溶融吐出時の異形断面成形性が保持され、且つ、優れた嵩高性(捲縮性)が発現しやすい。また、生産工程では、機器の摩耗が軽減され、且つ、工程設備への汚れの付着が抑えられ、十分な製糸性が得られる。
(2)前記ナイロン原着捲縮糸の単繊維繊度が、2〜35dtexである、(1)記載のポリアミド原着捲縮糸。
このような構成によれば、良好な手触り(風合い)のポリアミド原着捲縮糸が得られやすい。
(3)前記ポリアミド原着捲縮糸は、ポリカプロアミドである、(1)または(2)記載のポリアミド原着捲縮糸。
このような構成によれば、柔軟で風合いの良いポリアミド原着捲縮糸が得られやすい。また、ポリアミド原着捲縮糸の生産においてリサイクル性が高いため、環境への寄与も大きく、また、ポリヘキサメチレンアジパミドに比較して生産時の熱エネルギーが少なくて済み、エネルギーコストに優れる。
(4)(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド原着捲縮糸を用いたカーペット。
上記したポリアミド原着捲縮糸が用いられているため、カーペットは、手触り(風合い)および嵩高性(捲縮性)が優れる。
本発明によれば、たとえばタフテッドカーペット等に用いられるポリアミド原着捲縮糸の製造に際して、異形断面成形性を保持しつつ、良好な風合いと優れた嵩高性(捲縮性)を有し、工程での機器の摩耗を軽減し、且つ、工程設備への汚れの付着を抑え、十分な製糸性が得られるポリアミド原着捲縮糸および該ナイロン原着捲縮糸を用いたカーペットを提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
[ポリアミド原着捲縮糸]
本発明のポリアミド原着捲縮糸(以下、単に原着捲縮糸ともいう)は、原料にポリアミドポリマーを用いて溶融紡糸前または/及び溶融紡糸中に、着色剤である顔料または/及び染料を添加し、含有させた後、捲縮加工を施して得られたもので、得られた加工糸は捲縮を有している。本発明の原着捲縮糸は、潜在捲縮伸長率が5〜35%であり、且つ、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0%であり、更には、糸における油分の付着量が0.3〜1.5重量%であることを特徴とする。そのため、まずは原着捲縮糸の概要と、潜在捲縮率(伸長率後)、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合、糸における油分の付着量、のそれぞれについて説明し、その他の特性については後述する。
本発明のポリアミド原着捲縮糸(以下、単に原着捲縮糸ともいう)は、原料にポリアミドポリマーを用いて溶融紡糸前または/及び溶融紡糸中に、着色剤である顔料または/及び染料を添加し、含有させた後、捲縮加工を施して得られたもので、得られた加工糸は捲縮を有している。本発明の原着捲縮糸は、潜在捲縮伸長率が5〜35%であり、且つ、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0%であり、更には、糸における油分の付着量が0.3〜1.5重量%であることを特徴とする。そのため、まずは原着捲縮糸の概要と、潜在捲縮率(伸長率後)、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合、糸における油分の付着量、のそれぞれについて説明し、その他の特性については後述する。
(ポリアミド原着捲縮糸の原料)
原着捲縮糸のポリマー原料は、耐久性、耐摩耗性および染色時の発色性が良好であり、低価格である点から、熱可塑性ポリマーであるポリアミドを用いるが、上記捲縮率および熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合、ならびに油分付着量を満たし得る限りにおいて、ポリアミドの種類は限定されない。一例を挙げると、ポリカプロアミド(N6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(N66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(N610)、ポリペンタメチレンアジパミド(N56)等が例示される。これらの中でも、原着捲縮糸の原料は、ポリカプロアミド(N6)であることが好ましい。製糸性や最終製品の品質を改善するために、共重合成分を含むコポリマーであってもよい。また、その他のアミド結合を有するポリマーやその共重合体が併用されてもよい。なお、プレコンシューマーまたはポストコンシューマーのリサイクル原料をその一部や全体に使用することも可能である。
原着捲縮糸のポリマー原料は、耐久性、耐摩耗性および染色時の発色性が良好であり、低価格である点から、熱可塑性ポリマーであるポリアミドを用いるが、上記捲縮率および熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合、ならびに油分付着量を満たし得る限りにおいて、ポリアミドの種類は限定されない。一例を挙げると、ポリカプロアミド(N6)、ポリヘキサメチレンアジパミド(N66)、ポリヘキサメチレンセバカミド(N610)、ポリペンタメチレンアジパミド(N56)等が例示される。これらの中でも、原着捲縮糸の原料は、ポリカプロアミド(N6)であることが好ましい。製糸性や最終製品の品質を改善するために、共重合成分を含むコポリマーであってもよい。また、その他のアミド結合を有するポリマーやその共重合体が併用されてもよい。なお、プレコンシューマーまたはポストコンシューマーのリサイクル原料をその一部や全体に使用することも可能である。
また、熱可塑性ポリマーには、酸化チタン等の艶消し剤、耐候剤、酸化防止剤、抗菌剤、殺菌剤、吸湿剤、防臭剤、消臭剤、芳香剤、光沢導入剤、蓄光物質、蛍光物質等が適宜配合されてもよい。ポリマーへの配合の方法は、予め添加し練り込んだペレットを原料に使用しても良いし、溶融前にペレット原料に添加する、または溶融中のポリマーに添加する、など適宜調整してよい。
(ポリアミド原着捲縮糸の着色剤)
本発明のポリアミド原着捲縮糸における着色剤としては特に限定されず、従来公知の着色剤を使用できるが、無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。具体的には、鉛、クロムおよびカドミウムを除く酸化物系無機顔料、フェロシアン化物無機顔料、珪酸塩無機顔料、炭酸塩無機顔料、燐酸塩無機顔料、カ−ボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉およびチタン粉末被覆雲母等の無機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、イソイントセリノン系有機顔料等の有機顔料、および複素環系染料、ヘリノン系染料、ペリレン系染料およびチオインジオ系染料等から選ばれた2種以上を組み合わせたものである。例えば、無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−鉄系ブラック等の酸化物、紺青のようなフェロシアン化物、群青のような珪酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、マンガンバイオレットのような燐酸塩、カーボンブラック、アルミニウム粉やブロンズ粉、およびチタン粉末被覆雲母等が用いられる。環境に対する配慮等から、鉛、クロムおよびカドミウム等の重金属を含む無機顔料は用いないことが好ましい。有機顔料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーンおよび臭素化銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、ペリレンスカーレット、ペリレンレァ、ペリレンマルーン等のペリレン系、イソインドリノン系等が用いられる。また、染料としては、アンスラキノン系、複素環系、ヘリノン系、ペリレン系、およびチオインジオ系が用いられる。また、着色剤は、上記無機顔料、有機顔料および染料から選ばれた2種以上を組み合わせて用いても良い。
本発明のポリアミド原着捲縮糸における着色剤としては特に限定されず、従来公知の着色剤を使用できるが、無機顔料、有機顔料、染料等が挙げられる。具体的には、鉛、クロムおよびカドミウムを除く酸化物系無機顔料、フェロシアン化物無機顔料、珪酸塩無機顔料、炭酸塩無機顔料、燐酸塩無機顔料、カ−ボンブラック、アルミニウム粉、ブロンズ粉およびチタン粉末被覆雲母等の無機顔料、フタロシアニン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、イソイントセリノン系有機顔料等の有機顔料、および複素環系染料、ヘリノン系染料、ペリレン系染料およびチオインジオ系染料等から選ばれた2種以上を組み合わせたものである。例えば、無機顔料としては、酸化チタン、亜鉛華、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−鉄系ブラック等の酸化物、紺青のようなフェロシアン化物、群青のような珪酸塩、炭酸カルシウムのような炭酸塩、マンガンバイオレットのような燐酸塩、カーボンブラック、アルミニウム粉やブロンズ粉、およびチタン粉末被覆雲母等が用いられる。環境に対する配慮等から、鉛、クロムおよびカドミウム等の重金属を含む無機顔料は用いないことが好ましい。有機顔料としては、銅フタロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーンおよび臭素化銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系、ペリレンスカーレット、ペリレンレァ、ペリレンマルーン等のペリレン系、イソインドリノン系等が用いられる。また、染料としては、アンスラキノン系、複素環系、ヘリノン系、ペリレン系、およびチオインジオ系が用いられる。また、着色剤は、上記無機顔料、有機顔料および染料から選ばれた2種以上を組み合わせて用いても良い。
(ポリアミド原着捲縮糸の製造方法)
本発明の原着捲縮糸の製造方法は、特に限定されない。一例を挙げると、溶融紡糸、冷却、給油、延伸および捲縮加工処理、交絡処理からなる工程によって製造され得る。
本発明の原着捲縮糸の製造方法は、特に限定されない。一例を挙げると、溶融紡糸、冷却、給油、延伸および捲縮加工処理、交絡処理からなる工程によって製造され得る。
<溶融紡糸の一例>
溶融紡糸において使用される溶融紡糸装置は、エクストルーダー型紡糸機、プレッシャーメルター型紡糸機等が例示される。これらの中でも、得られる製品の均一性、製糸収率等が優れる点から、エクストルーダー型紡糸機が好適に使用される。なお、溶融段階において艶消し剤や着色剤、その他機能剤を添加する場合、機能材は、高濃度となるよう添加されたマスターチップを準備し、マスターチップとベースチップとをブレンドしてから、紡糸機に投入されてもよく、それぞれのチップを紡糸機の直上で計量しながら投入されてもよい。機能剤は、粉体または液体の状態で直接紡糸機に投入されてもよい。溶融紡糸の際、得られる糸が所望の総繊度、単繊維繊度および断面形状等を満足するように、原料(たとえば熱可塑性ポリマー)の粘度、紡糸温度、口金孔の形状、吐出量、冷却等の紡糸条件が適切に設定される。
溶融紡糸において使用される溶融紡糸装置は、エクストルーダー型紡糸機、プレッシャーメルター型紡糸機等が例示される。これらの中でも、得られる製品の均一性、製糸収率等が優れる点から、エクストルーダー型紡糸機が好適に使用される。なお、溶融段階において艶消し剤や着色剤、その他機能剤を添加する場合、機能材は、高濃度となるよう添加されたマスターチップを準備し、マスターチップとベースチップとをブレンドしてから、紡糸機に投入されてもよく、それぞれのチップを紡糸機の直上で計量しながら投入されてもよい。機能剤は、粉体または液体の状態で直接紡糸機に投入されてもよい。溶融紡糸の際、得られる糸が所望の総繊度、単繊維繊度および断面形状等を満足するように、原料(たとえば熱可塑性ポリマー)の粘度、紡糸温度、口金孔の形状、吐出量、冷却等の紡糸条件が適切に設定される。
なお、マスターチップの添加率は、ベースチップとマスターチップの添加量全体に対して、1〜20重量%であれば、紡糸機内におけるポリマー中での着色剤の分散性の低下を抑え、且つ、紡糸口金からポリマーを吐出し繊維化した原着糸の長手方向の色斑の発生を防止出来る。更には、該範囲であれば、ベースチップの調整したポリマー特性を大きく損なわないため、特段の調整を不要として捲縮糸を製造出来る。
一方、紡糸時の溶融、吐出の際、熱による重合、分解反応、並びに、吐出の際の圧力開放により、ポリマー中に存在する熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)が昇華、揮発し、結晶物として口金面に付着することがある。これら熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)は、堆積して吐出孔からの正常な吐出を妨害すると共に、口金面で更に熱が加えられることで熱変性し、何らかのタイミングで落下したり、正常吐出ポリマーに取り込まれることで糸切れの原因となり得る。
したがって、これらの対策を施すことが好ましい。これらの対策のために従来から、口金面に対して付着防止としてのシリコン化合物の塗布や、付着物の変性防止としての口金面周辺への水蒸気シールや窒素シールを行う場合があるが、本発明ではこれらに限定されない。本発明での熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の範囲であれば、これらの対策にて対応可能である。
<冷却、給油の一例>
溶融紡糸された糸(糸条)は、冷風によって適宜冷却固化され、次いで給油ガイドや給油ローラーに糸条を接触させることで油剤が付与された後、引取ローラーに周回されて引き取られる。引き取り速度は、たとえば300〜1500m/分であればよい。
溶融紡糸された糸(糸条)は、冷風によって適宜冷却固化され、次いで給油ガイドや給油ローラーに糸条を接触させることで油剤が付与された後、引取ローラーに周回されて引き取られる。引き取り速度は、たとえば300〜1500m/分であればよい。
<延伸の一例>
得られた糸には、適宜延伸、熱固定が施されてもよい。延伸方法は特に限定されない。一例を挙げると、延伸の際、1段または2段、さらにはそれ以上の多段熱延伸法が採用されてもよい。また、延伸点を固定する等の目的で、スチーム処理装置等が併用されてもよい。延伸倍率は特に限定されない。ある程度の配向と結晶化を行い得る点から、延伸倍率は2〜4倍であることが好ましい。延伸温度は原料ポリマーの種類によるが、たとえばポリカプロアミドであれば160〜200℃であればよい。原料ポリマーの種類により、適切な延伸温度を選択すればよい。
得られた糸には、適宜延伸、熱固定が施されてもよい。延伸方法は特に限定されない。一例を挙げると、延伸の際、1段または2段、さらにはそれ以上の多段熱延伸法が採用されてもよい。また、延伸点を固定する等の目的で、スチーム処理装置等が併用されてもよい。延伸倍率は特に限定されない。ある程度の配向と結晶化を行い得る点から、延伸倍率は2〜4倍であることが好ましい。延伸温度は原料ポリマーの種類によるが、たとえばポリカプロアミドであれば160〜200℃であればよい。原料ポリマーの種類により、適切な延伸温度を選択すればよい。
<捲縮の一例>
捲縮加工処理は、加熱流体方式のテクスチャード加工によって行われることが好ましい。加熱流体方式のテクスチャード加工によれば、他の方法と比べて、糸の物理的な座屈(屈曲)だけではなく、分子構造の熱固定が行われ得る。その結果、耐久性が高く、たとえばカーペットの用途に適した原着捲縮糸が得られやすい。また、流体を用いることにより、機械捲縮を行う場合と比べて細かな(サイズの小さい)捲縮の掛かった捲縮糸が得られ、意匠性が優れる。使用し得る捲縮加工装置としては、ジェットノズルタイプ、ジェットスタッファタイプ、ギヤ方式を採用したタイプ等が例示される。これらの中でも、高い捲縮を容易に付与し得る点から、捲縮加工装置は、ジェットノズル方式またはジェットスタッファー方式を採用した装置であることが好ましい。
捲縮加工処理は、加熱流体方式のテクスチャード加工によって行われることが好ましい。加熱流体方式のテクスチャード加工によれば、他の方法と比べて、糸の物理的な座屈(屈曲)だけではなく、分子構造の熱固定が行われ得る。その結果、耐久性が高く、たとえばカーペットの用途に適した原着捲縮糸が得られやすい。また、流体を用いることにより、機械捲縮を行う場合と比べて細かな(サイズの小さい)捲縮の掛かった捲縮糸が得られ、意匠性が優れる。使用し得る捲縮加工装置としては、ジェットノズルタイプ、ジェットスタッファタイプ、ギヤ方式を採用したタイプ等が例示される。これらの中でも、高い捲縮を容易に付与し得る点から、捲縮加工装置は、ジェットノズル方式またはジェットスタッファー方式を採用した装置であることが好ましい。
捲縮加工において、捲縮加工装置の捲縮ノズルに導入される糸の速度は、通常500〜3500m/min程度である。糸の速度がこの範囲内である場合、原着捲縮糸は、効率的に生産され、かつ、ノズル通過後の捲縮の固定が容易であり、安定に走行し得る。
糸条に付与される加熱流体の温度(すなわち捲縮加工温度)は、これも原料ポリマーの種類によるが、たとえばポリカプロアミドであれば190℃以上であることが好ましく、210℃以上であることがより好ましい。また、加熱流体の温度は、250℃以下であることが好ましく、240℃以下であることがより好ましい。加熱流体の温度が190℃以上である場合、熱処理が充分となり、充分に捲縮が付与され得る。また、加熱流体の温度が250℃以下である場合、熱処理によりポリマーの融着や劣化が起こりにくく、得られる原着捲縮糸は、各種物性(引張強度、伸度、捲縮伸長率)や耐摩耗性が優れる。なお、捲縮処理において、上記加工温度のほか、加熱流体の流量、速度、加工滞留時間等を適宜変更されてもよい。これにより、得られる原着捲縮糸の捲縮性が、任意に調整され得る。
また、捲縮加工において、捲縮を固定するために、捲縮加工のスタッフィング時に冷却媒体により冷却する方法や、外気吸引部を円周に備えたロータリーフィルターを組み合わせる方法が採用されてもよい。捲縮加工において、延伸された糸は、巻き取られずに連続して捲縮が付与されてもよく、未延伸糸または延伸糸の段階で一旦巻き取り、その後、巻き取りを解除して、捲縮工程が行われてもよい。
<交絡処理の一例>
捲縮加工された原着捲縮糸は、適度にストレッチが行われることにより捲縮が一部潜在化された後、ワインダーなどの巻き取り装置を用いてチーズ、ボビン、コーンなどに巻き取られる。なお、捲縮糸は、後続の工程を円滑に実施し得るように、巻き取り前に交絡処理が行われてもよい。交絡処理により、原着捲縮糸は、集束性が付与され得る。交絡処理が行われる場合の交絡数は、特に限定されない。
捲縮加工された原着捲縮糸は、適度にストレッチが行われることにより捲縮が一部潜在化された後、ワインダーなどの巻き取り装置を用いてチーズ、ボビン、コーンなどに巻き取られる。なお、捲縮糸は、後続の工程を円滑に実施し得るように、巻き取り前に交絡処理が行われてもよい。交絡処理により、原着捲縮糸は、集束性が付与され得る。交絡処理が行われる場合の交絡数は、特に限定されない。
一例を挙げると、交絡数は、0個/mを超え、好ましくは5個/m以上である。また、交絡数は、好ましくは15個/m以下であり、より好ましくは12個/m以下である。交絡数が0個/mを超え、15個/m以下である場合、原着捲縮糸は、各種特性が損なわれずに、後続する工程が円滑に実施され得る。なお、交絡ノズルへの原着捲縮糸の供給時には、走行張力を通常は0.2g/dtex以下、特に0.1g/dtex以下の張力とすることが好ましい。交絡処理を行う際の空気圧力は、糸の繊度や張力を考慮して、所定の交絡数になるように適宜設定されればよい。一例を挙げると、空気圧力は、交絡の結節点が硬くなり過ぎないように、0.2〜0.9MPaの範囲に調整されることが好ましい。
(ポリアミド原着捲縮糸の特性)
[潜在捲縮伸長率]
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、沸騰水処理後の捲縮伸長率(潜在捲縮伸長率ともいう)が5%以上であることが必須であり、10%以上であることが好ましい。また、潜在捲縮伸長率は、35%以下であることが必須であり、30%以下であることが好ましい。潜在捲縮伸長率が5〜35%である場合、捲縮の発現が充分であり、当該ポリアミド原着捲縮糸用いて得られるカーペットのボリューム感が優れ、風合いがより向上し得る。また、得られるカーペットは、耐摩耗性が優れる。一方、潜在捲縮伸長率が5%未満である場合、ボリューム感が不足し、底つき感が発生するため、十分なカーペット製品にならない。また、潜在捲縮伸長率が35%を超える捲縮糸は、カーペットに供される程度の総繊度の原着捲縮糸の製造において、一般的な加工速度での捲縮加工処理では実質達成不可能な値である。
[潜在捲縮伸長率]
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、沸騰水処理後の捲縮伸長率(潜在捲縮伸長率ともいう)が5%以上であることが必須であり、10%以上であることが好ましい。また、潜在捲縮伸長率は、35%以下であることが必須であり、30%以下であることが好ましい。潜在捲縮伸長率が5〜35%である場合、捲縮の発現が充分であり、当該ポリアミド原着捲縮糸用いて得られるカーペットのボリューム感が優れ、風合いがより向上し得る。また、得られるカーペットは、耐摩耗性が優れる。一方、潜在捲縮伸長率が5%未満である場合、ボリューム感が不足し、底つき感が発生するため、十分なカーペット製品にならない。また、潜在捲縮伸長率が35%を超える捲縮糸は、カーペットに供される程度の総繊度の原着捲縮糸の製造において、一般的な加工速度での捲縮加工処理では実質達成不可能な値である。
潜在捲縮伸長率は、たとえば捲縮加工において熱処理を行うことによって調整し得る。潜在捲縮伸長率が5〜35%に調整されるために必要な熱処理は、一般に過酷な条件でなくても実施可能である。そのため、上記潜在捲縮伸長率は容易に所望の範囲に制御できる。なお、本発明において、潜在捲縮伸長率は、たとえばタフト時およびバッキング時の熱処理の際に、または撚糸セット加工の蒸気処理にて、更には原着糸を染め用白糸と混繊して使用するケースでは、染色工程での熱処理にて発現する捲縮特性の指標であり、以下の条件に基づいて算出し得る。
<潜在捲縮伸長率の測定方法>
まず、捲縮糸を室温20℃、湿度65%の室内において20時間以上放置した後、検尺器を用いてかせ状態の捲縮糸を準備する。得られた、かせ状態の捲縮糸(糸条)を、室温20℃、湿度65%の室内において3時間放置する。次いで糸条を沸騰水中に20分間浸す(沸騰水処理)。沸騰水処理した、かせ状態の糸条を、室温20℃、湿度65%の室内に12時間以上放置して乾燥させ、試料糸とする。試料糸に0.0176mN/dtexの初荷重をかけ、30秒経過した後の試料長50cm(L1)にマーキングする。次いで同じ試料糸に0.882mN/dtexの定荷重をかけ、30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定する。下記式、
R1(%)={(L2−L1)/L1}×100
に基づいて、沸騰水処理後の捲縮伸長率R1(%)を算出する。
まず、捲縮糸を室温20℃、湿度65%の室内において20時間以上放置した後、検尺器を用いてかせ状態の捲縮糸を準備する。得られた、かせ状態の捲縮糸(糸条)を、室温20℃、湿度65%の室内において3時間放置する。次いで糸条を沸騰水中に20分間浸す(沸騰水処理)。沸騰水処理した、かせ状態の糸条を、室温20℃、湿度65%の室内に12時間以上放置して乾燥させ、試料糸とする。試料糸に0.0176mN/dtexの初荷重をかけ、30秒経過した後の試料長50cm(L1)にマーキングする。次いで同じ試料糸に0.882mN/dtexの定荷重をかけ、30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定する。下記式、
R1(%)={(L2−L1)/L1}×100
に基づいて、沸騰水処理後の捲縮伸長率R1(%)を算出する。
[糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合]
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5重量%以上であることが必須であり、0.7重量%以上であることが好ましい。また、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合は、5.0重量%以下であることが必須であり、3.0重量%以下であることが好ましい。
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5重量%以上であることが必須であり、0.7重量%以上であることが好ましい。また、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合は、5.0重量%以下であることが必須であり、3.0重量%以下であることが好ましい。
熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0重量%である場合、溶融紡糸時の異形断面成形性を保持しつつ、単糸細繊度化することなく繊維に柔軟性が付与されるため、良好な手触り(風合い)と優れた嵩高性(捲縮性)を得ることが可能となり、工程での機器の摩耗を抑制し、工程通過時の屈曲部や擦過での糸切れや毛羽発生といった製糸性、品位の悪化を回避することができる。更には、油剤の付着量を減少させることが出来るため、工程での汚れ付着を軽減し、且つ、製品での汚れ欠点の発生を抑制することにつながる。
一方、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5重量%未満である場合、溶融時の粘性が高くなりすぎ、異形断面成形性が低下するため、採用できない。また、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が5.0重量%を超える場合、溶融紡糸の吐出時の昇華物発生量が多くなりすぎ、従来の一般的な昇華物対応では十分ではなくなる。そのため、昇華物の口金面への堆積が増え、口金孔からの正常な吐出を妨害することによる異形断面成形性の低下や、堆積物の剥離、脱落による糸切れの発生など工程通過性を悪化させるため、5.0重量%を超える条件は採用されない。
なお、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の大部分は、モノマー及び低重合物(P=2〜5)と考えられる。
原着捲縮糸の熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合を0.5〜5.0重量%に調整するために必要な操作は、以下に示すとおり一般に過酷な条件でなくても実施可能である。
本発明において、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合は、たとえば原料チップを製造する際の、液相重合での反応平衡により発生し、熱水などによる抽出工程で溶出、拡散して減少したり、また固相重合で反応が進み減少したりすることが起こる。また、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合は、溶融紡糸時を含む原着捲縮糸の生産工程において変化する量であり、重合反応や劣化状態の指標として捉えることができる。熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合は、熱水への溶解性があることから、以下の条件に基づいて測定し得る。
<熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合の測定方法>
まず、試料として原着捲縮糸を粉砕器にて破砕し細粉化したものを、35メッシュを通過し、100メッシュに留まるものを分取する。得られた試料を60±2℃の真空乾燥機で恒量に達するまで6時間乾燥し、定量を秤量する(乾燥試料重量W1)。次いで、秤量済みの試料を100℃の沸騰水により、浴比200以上で4時間抽出操作を行う。抽出後に試料を回収して脱水し、105±5℃の真空乾燥機で恒量に達するまで乾燥し、秤量する(抽出後試料W2)。下記式、
MO(重量%)={(W1−W2)/W1}×100
に基づいて、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合を算出する。
まず、試料として原着捲縮糸を粉砕器にて破砕し細粉化したものを、35メッシュを通過し、100メッシュに留まるものを分取する。得られた試料を60±2℃の真空乾燥機で恒量に達するまで6時間乾燥し、定量を秤量する(乾燥試料重量W1)。次いで、秤量済みの試料を100℃の沸騰水により、浴比200以上で4時間抽出操作を行う。抽出後に試料を回収して脱水し、105±5℃の真空乾燥機で恒量に達するまで乾燥し、秤量する(抽出後試料W2)。下記式、
MO(重量%)={(W1−W2)/W1}×100
に基づいて、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合を算出する。
[糸における油分の付着量]
本発明のポリアミド原着捲縮糸には、糸に付着される油分量が、0.3重量%以上であることが必須であり、0.5重量%以上であることが好ましい。また、油分量は、1.5重量%以下であることが必須であり、1.2重量%以下であることが好ましい。
本発明のポリアミド原着捲縮糸には、糸に付着される油分量が、0.3重量%以上であることが必須であり、0.5重量%以上であることが好ましい。また、油分量は、1.5重量%以下であることが必須であり、1.2重量%以下であることが好ましい。
油分の付着量が0.3〜1.5重量%である場合、紡糸時の繊維の摩擦性を低減し、マルチフィラメントの集束性を高め、且つ、加熱ローラーへの接触時の耐熱性を向上させることが可能となるため、糸切れや毛羽発生といった製糸性を向上させることが出来る。さらには、カーペット製品化への工程における十分な製糸性が得られる。
一方、油分量が0.3重量%未満である場合、工程中での走糸と設備間での摩擦性が高まり、引っかかりの発生や緊張状態の継続により、糸切れを誘発するため、採用されない。また、油分量が1.5重量%を超える場合、過剰な油分や熱分解した変性油分によるローラーやガイドへの油分付着汚れが顕著になるため、採用されない。油分の付着量は、以下の条件に基づいて測定し得る。
<糸への油分の付着量の測定方法>
秤量した試料10gを120mlのメタノールに投入して25℃で10分間攪拌した。試料を取り出し、再度120mlのメタノールに投入して25℃で10分間攪拌する洗浄作業を2度繰り返した後、試料を真空乾燥して重量を測定した。得られたデータから下記式、
油剤成分付着量(重量%)=((洗浄前重量(g)/洗浄後重量(g))−1)×100
で油剤成分付着量を測定した。なお、2回の試行の平均値を用いた。
秤量した試料10gを120mlのメタノールに投入して25℃で10分間攪拌した。試料を取り出し、再度120mlのメタノールに投入して25℃で10分間攪拌する洗浄作業を2度繰り返した後、試料を真空乾燥して重量を測定した。得られたデータから下記式、
油剤成分付着量(重量%)=((洗浄前重量(g)/洗浄後重量(g))−1)×100
で油剤成分付着量を測定した。なお、2回の試行の平均値を用いた。
[その他の好適な特性]
次に、原着捲縮糸の特性のうち、本発明のポリアミド原着捲縮糸が好適に充足する特性について説明する。
次に、原着捲縮糸の特性のうち、本発明のポリアミド原着捲縮糸が好適に充足する特性について説明する。
[原着捲縮糸の単繊維繊度]
本発明のポリアミド原着捲縮糸の単繊維繊度は、2dtex以上であることが好ましく、10dtex以上であることがより好ましい。また、原着捲縮糸の単繊維繊度は、35dtex以下であることが好ましく、30dtex以下であることがより好ましい。
本発明のポリアミド原着捲縮糸の単繊維繊度は、2dtex以上であることが好ましく、10dtex以上であることがより好ましい。また、原着捲縮糸の単繊維繊度は、35dtex以下であることが好ましく、30dtex以下であることがより好ましい。
単繊維繊度が上記範囲内である場合、良好な手触り(風合い)や優れた嵩高性(捲縮性)を有するだけでなく、歩行やキャスターによる摩耗に耐え得る耐摩耗性、耐久性も向上し得る。また、得られる原着捲縮糸は、適度な剛性とソフト感を併せ持つ。
なお、単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で除することにより算出し得る。フィラメント数は、JIS L1013(1999) 8.4の方法に基づいて算出し得る。総繊度は以降に説明する。
[原着捲縮糸の総繊度]
本発明のポリアミド原着捲縮糸の総繊度は、500dtex以上であることが好ましく、700dtex以上であることがより好ましい。また、原着捲縮糸の総繊度は、3000dtex以下であることが好ましく、2500dtex以下であることがより好ましい。総繊度が500dtex以上である場合、得られる原着捲縮糸を用いてカーペットを作製する場合において、充分なボリューム感および優れた風合いが得られ得る。また、総繊度が3000dtex以下である場合、製造コストが抑えられる。さらに、得られる混繊糸を用いてカーペットを作製する場合において、タフト工程における通気性を良好に維持し得る。なお、総繊度は、JIS L1013(1999) 8.3.1 B法に基づいて算出し得る。
本発明のポリアミド原着捲縮糸の総繊度は、500dtex以上であることが好ましく、700dtex以上であることがより好ましい。また、原着捲縮糸の総繊度は、3000dtex以下であることが好ましく、2500dtex以下であることがより好ましい。総繊度が500dtex以上である場合、得られる原着捲縮糸を用いてカーペットを作製する場合において、充分なボリューム感および優れた風合いが得られ得る。また、総繊度が3000dtex以下である場合、製造コストが抑えられる。さらに、得られる混繊糸を用いてカーペットを作製する場合において、タフト工程における通気性を良好に維持し得る。なお、総繊度は、JIS L1013(1999) 8.3.1 B法に基づいて算出し得る。
[原着捲縮糸の断面形状]
本発明のポリアミド原着捲縮糸において、単繊維(以下、原糸ともいう)の断面は、前述した特性に調整可能であることを前提としていずれの形状でも構わない。一例を挙げると、丸断面や、Y型、Y型中空、三角、四角、多葉、扁平等の異形断面である。
本発明のポリアミド原着捲縮糸において、単繊維(以下、原糸ともいう)の断面は、前述した特性に調整可能であることを前提としていずれの形状でも構わない。一例を挙げると、丸断面や、Y型、Y型中空、三角、四角、多葉、扁平等の異形断面である。
これらの中でも、原糸の断面が田型である場合、防汚性や耐摩耗性も両立し得る。なお、「田型断面」とは、断面形状が漢字の「田」に類似する形状をいう。すなわち、田型断面は、略矩形状または周状の枠と、該枠体の内部を4つの領域に区分けするよう交差する隔壁とからなる断面形状である。本発明においては、原糸が複数の中空部を有する場合、それらの中空部の合計の中空率が5〜25%であることが好ましい。ここで言う中空率とは、中空部を含む繊維の断面積Sと、中空部の面積sの比率((s/S)×100)で表される。
また、捲縮糸は、原糸にY型断面等が採用される場合、丸断面が採用される場合と比べて、捲縮率が高められやすい。そのため、本発明においてY型断面等を有する原糸を用いた原着捲縮糸とすることにより、たとえば得られるカーペットは、ボリューム感が向上し得る。
[原着捲縮糸の表面加工]
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、各種機能性を追加するために、それぞれの単繊維、あるいはいずれかの単繊維の表面に各種加工が施されてもよい。一例を挙げると、表面積を増やして吸水性を向上させるために、凹凸が形成されてもよい。凹凸の形成方法は特に限定されない。凹凸は、熱可塑性ポリマーを溶融押し出しする際に使用する口金の形状を調整することによって形成されてもよく、溶融押し出しによって得られたフィラメントに後処理(たとえばアルカリ減量処理)を施すことによって形成されてもよい。ほかにも、摩擦特性を低減させるために、他のポリマーやオイルによるコーティングが施されてもよい。コーティングの方法は特に限定されない。コーティングは、熱可塑性ポリマーを溶融押し出しする際に使用する口金の形状を調整し、熱可塑性ポリマーとコーティング用のポリマーとを複合紡糸してもよく、溶融押し出しによって得られたフィラメントに後処理(たとえばポリマーの塗布処理)を施すことによって形成されてもよい。凹凸の数および高さ、コーティングの種類(ポリマー種)および程度は、得られる捲縮糸の光沢性が著しく損なわれない程度であればよく、適宜調整され得る。
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、各種機能性を追加するために、それぞれの単繊維、あるいはいずれかの単繊維の表面に各種加工が施されてもよい。一例を挙げると、表面積を増やして吸水性を向上させるために、凹凸が形成されてもよい。凹凸の形成方法は特に限定されない。凹凸は、熱可塑性ポリマーを溶融押し出しする際に使用する口金の形状を調整することによって形成されてもよく、溶融押し出しによって得られたフィラメントに後処理(たとえばアルカリ減量処理)を施すことによって形成されてもよい。ほかにも、摩擦特性を低減させるために、他のポリマーやオイルによるコーティングが施されてもよい。コーティングの方法は特に限定されない。コーティングは、熱可塑性ポリマーを溶融押し出しする際に使用する口金の形状を調整し、熱可塑性ポリマーとコーティング用のポリマーとを複合紡糸してもよく、溶融押し出しによって得られたフィラメントに後処理(たとえばポリマーの塗布処理)を施すことによって形成されてもよい。凹凸の数および高さ、コーティングの種類(ポリマー種)および程度は、得られる捲縮糸の光沢性が著しく損なわれない程度であればよく、適宜調整され得る。
また、本発明のポリアミド原着捲縮糸は、良好な手触り(風合い)や優れた嵩高性が要求される種々の製品に用いられ得る。このような製品としては、各種カーペット、インテリア製品、ファッション製品が例示される。なかでも、カーペットに好適に用いられる。
[カーペット]
本発明のカーペットは、本発明のポリアミド原着捲縮糸を複数本束ねた混繊糸を用いたカーペットとすることが好ましい態様である。本発明のカーペットの製造方法は特に限定されない。カーペットは、たとえば上記した混繊糸をフェースヤーンとし、従来公知のタフティングマシンを用いることにより製造され得る。
本発明のカーペットは、本発明のポリアミド原着捲縮糸を複数本束ねた混繊糸を用いたカーペットとすることが好ましい態様である。本発明のカーペットの製造方法は特に限定されない。カーペットは、たとえば上記した混繊糸をフェースヤーンとし、従来公知のタフティングマシンを用いることにより製造され得る。
本発明のカーペットの製造条件は特に限定されない。一例を挙げると、カーペットは、目付を500〜1500g/m2、パイル高さを3.0〜8.0mmの範囲に設定し得る。この場合、タフティングが容易であり、得られるカーペットは、嵩高性(ボリューム感および風合い)が優れる。カーペットは、加工前の捲縮糸の状態か、またはカーペットに加工された状態において、染料を溶解した液中に浸漬して染色し得る。また、カーペットは、静電気を抑制するために導電性繊維が混繊されてもよく、防汚性を高めるために防汚剤が塗布されてもよい。
得られるカーペットの種類は特に限定されない。カーペットは、ロール型カーペット、タイルカーペット、自動車用ラインマットおよびオプションマット、家庭用ラグ、玄関マット等が例示される。また、パイルの形態は特に限定されない。パイルの形態は、ループパイル、カットパイルいずれでもよい。また、カーペットは、タフテッドカーペットだけでなく、織物、編み物、または、刺繍が施された敷物等であってもよい。
以上、本発明のカーペットは、本発明のポリアミド原着捲縮糸が用いられている。そのため、カーペットは、手触り(風合い)と嵩高性(捲縮性)が優れる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されない。なお、以下の実施例において、それぞれの特性値は、以下の方法により算出した。
[特性値の算出方法]
<硫酸相対粘度(ηr)>
硫酸相対粘度は、ポリマーチップを試料として、試料0.25gを98%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、以下の式、
ηr=試料溶液の流下秒数/硫酸のみの流下秒数
から算出した。
<硫酸相対粘度(ηr)>
硫酸相対粘度は、ポリマーチップを試料として、試料0.25gを98%硫酸25mlに溶解し、オストワルド粘度計を用いて25℃で測定し、以下の式、
ηr=試料溶液の流下秒数/硫酸のみの流下秒数
から算出した。
<アミノ末端基量>
アミノ末端基量は、ポリマーチップを試料として、試料0.2gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶液(83.5:16.5、体積比)25ccに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定することにより算出した。
アミノ末端基量は、ポリマーチップを試料として、試料0.2gを精秤し、フェノール・エタノール混合溶液(83.5:16.5、体積比)25ccに溶解後、0.02N塩酸水溶液を用いて滴定することにより算出した。
<総繊度>
総繊度は、JIS L1013(1999) 8.3.1 正量繊度 b)B法に従って、0.882mN/dtexの初荷重を掛けてサンプリングした試料の、絶乾にした際の質量を測定し、JIS L 0105 3.1に規定する公定水分率を掛けた値とした(ポリアミドは4.5%、ポリプロピレンは0%をそれぞれ公定水分率とした)。
総繊度は、JIS L1013(1999) 8.3.1 正量繊度 b)B法に従って、0.882mN/dtexの初荷重を掛けてサンプリングした試料の、絶乾にした際の質量を測定し、JIS L 0105 3.1に規定する公定水分率を掛けた値とした(ポリアミドは4.5%、ポリプロピレンは0%をそれぞれ公定水分率とした)。
<単繊維繊度>
単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で除することにより算出した。
単繊維繊度は、総繊度をフィラメント数で除することにより算出した。
<フィラメント数>
フィラメント数は、JIS L1013(1999) 8.4の方法に基づいて算出した。
フィラメント数は、JIS L1013(1999) 8.4の方法に基づいて算出した。
<潜在捲縮伸長率>
まず、それぞれの原着捲縮糸を室温20℃、湿度65%の室内において20時間以上放置した後、検尺器を用いてかせ状態の捲縮糸を準備した。得られたかせ状態の原着捲縮糸(糸条)を、室温20℃、湿度65%の室内において3時間放置した。次いで糸条を沸騰水中に20分間浸した(沸騰水処理)。沸騰水処理したかせ状態の糸条を、室温20℃、湿度65%の室内に12時間放置して乾燥させ、試料糸とした。試料糸に0.0176mN/dtexの初荷重をかけ、30秒経過した後の試料長50cm(L1)にマーキングした。次いで同じ試料糸に0.882mN/dtexの定荷重をかけ、30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定した。下記式、
捲縮伸長率={(L2−L1)/L1}×100
に基づいて、沸騰水処理後の捲縮伸長率(%)を算出した。
まず、それぞれの原着捲縮糸を室温20℃、湿度65%の室内において20時間以上放置した後、検尺器を用いてかせ状態の捲縮糸を準備した。得られたかせ状態の原着捲縮糸(糸条)を、室温20℃、湿度65%の室内において3時間放置した。次いで糸条を沸騰水中に20分間浸した(沸騰水処理)。沸騰水処理したかせ状態の糸条を、室温20℃、湿度65%の室内に12時間放置して乾燥させ、試料糸とした。試料糸に0.0176mN/dtexの初荷重をかけ、30秒経過した後の試料長50cm(L1)にマーキングした。次いで同じ試料糸に0.882mN/dtexの定荷重をかけ、30秒経過後に伸びた試料長(L2)を測定した。下記式、
捲縮伸長率={(L2−L1)/L1}×100
に基づいて、沸騰水処理後の捲縮伸長率(%)を算出した。
<中空率>
原着捲縮糸の糸端をレーヨンステープルで包み、厚さ0.5mmのステンレス製プレパラートに設けた穴(穴径1.0mm)に通し、安全カミソリでプレパラートの両面に沿って平行にカットしたものを断面観察用の試料とした。この試料をKEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VHX−500」を用いて500倍で観察し、面積計測機能により中空部を含む繊維の断面積Sと中空部の面積sを測定し、次式、
中空率=(s/S)×100(%)
により求めた。10サンプルの平均値から求めた。
原着捲縮糸の糸端をレーヨンステープルで包み、厚さ0.5mmのステンレス製プレパラートに設けた穴(穴径1.0mm)に通し、安全カミソリでプレパラートの両面に沿って平行にカットしたものを断面観察用の試料とした。この試料をKEYENCE社製デジタルマイクロスコープ「VHX−500」を用いて500倍で観察し、面積計測機能により中空部を含む繊維の断面積Sと中空部の面積sを測定し、次式、
中空率=(s/S)×100(%)
により求めた。10サンプルの平均値から求めた。
[ポリアミド原着捲縮糸の製造]
(実施例1)
ステンレス製オートクレーブ(重合反応装置)に、12.5%水入りε−カプロラクタム、および適量の粘度調整剤(酢酸)、耐候剤、更には水に分散させてスラリー化した酸化チタンを所望量追加し、均一な溶液にした。重合反応装置内を窒素シールした後、反応装置の内圧が0.98MPaになるまで1時間で昇温させ、この圧力を維持したまま、250℃で所望の時間重合反応を行った。その後オートクレーブ内の圧力を抜き、窒素気流中下でさらに所望の時間重合した後、ポリマーをストランド状に押し出し、冷却/カッティングしてペレットを得た。
(実施例1)
ステンレス製オートクレーブ(重合反応装置)に、12.5%水入りε−カプロラクタム、および適量の粘度調整剤(酢酸)、耐候剤、更には水に分散させてスラリー化した酸化チタンを所望量追加し、均一な溶液にした。重合反応装置内を窒素シールした後、反応装置の内圧が0.98MPaになるまで1時間で昇温させ、この圧力を維持したまま、250℃で所望の時間重合反応を行った。その後オートクレーブ内の圧力を抜き、窒素気流中下でさらに所望の時間重合した後、ポリマーをストランド状に押し出し、冷却/カッティングしてペレットを得た。
次いで、ペレット量に対して20倍量の熱水を備えた常圧容器に同ペレットを移し、水温98℃にて所望の時間滞留させ、未反応のモノマー、またはオリゴマー成分を抽出した後、脱水処理した。
さらに、タンブラー型の回転式真空乾燥機にて、170℃、5torr以下の状態で、所定の時間、固相重合を行い、80℃まで冷却して密閉容器に取り出し、融点225℃でアミノ末端基量5.4×10−5mol/gを有するポリカプロアミドチップ(硫酸相対粘度:2.80、酸化チタン含有量:0.15重量%)を得た。
これをベースチップとして、同チップにカーボンブラック(黒色顔料)を20重量%含有したチップをマスターチップとして準備し、マスターチップの割合が5重量%になるよう密閉型自動計量混合装置(ミコスーパー)にてベースチップとマスターチップを計量混合した後、エクストルーダー型紡糸機で溶融し、紡糸温度270℃で、田型断面糸紡糸用の口金を用いて紡糸した。紡糸された糸条はユニフロー型チムニーによって冷却・固化された後、給油ロールによって油剤が付与された後に延伸され、一旦巻き取られることなくタスランタイプのジェットスタッファー捲縮ノズルで230℃、0.9MPaの過熱蒸気により捲縮を付与した。その後、ロータリーフィルターにて冷却固定し、交絡ノズルによって交絡を付与し、総繊度1300dtex、フィラメント数54本の原着捲縮糸1を得た。得られた原着捲縮糸1を構成する単繊維の断面形状は、中空率12%の田型であった。
なお、断面形状(すなわち中空率)は、口金の形状を適宜選択すると共に、エクストルーダーに投入されるポリカプロアミドチップの硫酸相対粘度を調整することにより調整した。硫酸相対粘度は、液相重合時間または固相重合時間を調整することによって調整した。糸中の熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合は、ベースチップの作製工程である抽出処理の時間を調整することによって調整した。また、潜在捲縮伸長率は、捲縮ノズルでの加熱温度を制御することにより調整した。
得られた原着捲縮糸のマルチフィラメント2本を引き揃え、インターレース(交絡混繊)ノズルを用いて、ストレッチ張力2.0mN/dtex、走糸速度500m/min、0.3MPaの圧力空気の条件で交絡混繊し、トータルで2600dtexとなる交絡混繊糸(パイル糸)を得た。
この交絡混繊糸(パイル糸)を使用し、1/10ゲージ、目付け650g/m2、パイル高さ3.5mmとなるようにPET不織布にタフトして、裏面にバッキング剤を付着固化させ、熱セット処理を加えてタフテッドカーペットを作製した。
(実施例2)
捲縮加工時の熱処理条件を調整して潜在捲縮伸長率を32%に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
捲縮加工時の熱処理条件を調整して潜在捲縮伸長率を32%に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
(実施例3、実施例4、比較例1、比較例3)
ベースチップの作製工程である抽出処理の時間、および固相重合時間を調整して、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合を表1に記載のとおりに変更させた以外は実施例1と同様の条件で製造した。
ベースチップの作製工程である抽出処理の時間、および固相重合時間を調整して、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合を表1に記載のとおりに変更させた以外は実施例1と同様の条件で製造した。
(実施例5、実施例6)
油分の付着量を調整した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
油分の付着量を調整した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
(実施例7)
口金を変更してフィラメント数を186に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。その結果、潜在捲縮伸長率は12%であった。
口金を変更してフィラメント数を186に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。その結果、潜在捲縮伸長率は12%であった。
(実施例8)
捲縮加工時の熱処理条件を調整して潜在捲縮伸長率を5%に変更した以外は、実施例7と同様の条件で製造した。
捲縮加工時の熱処理条件を調整して潜在捲縮伸長率を5%に変更した以外は、実施例7と同様の条件で製造した。
(実施例9)
ベースチップを、融点265℃でアミノ末端基量4.5×10−5mol/gを有するナイロン66チップ(硫酸相対粘度:2.80)に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
ベースチップを、融点265℃でアミノ末端基量4.5×10−5mol/gを有するナイロン66チップ(硫酸相対粘度:2.80)に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
(実施例10)
口金を変更してフィラメント数を500に変更し、且つ、吐出量を変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。その結果、潜在捲縮伸長率は5%であった。
口金を変更してフィラメント数を500に変更し、且つ、吐出量を変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。その結果、潜在捲縮伸長率は5%であった。
(実施例11)
吐出量を調整して単繊維繊度を変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。その結果、潜在捲縮伸長率は28%であった。
吐出量を調整して単繊維繊度を変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。その結果、潜在捲縮伸長率は28%であった。
(比較例2)
油分の付着量を3重量%に調整した以外は、比較例1と同様の条件で製造した。
油分の付着量を3重量%に調整した以外は、比較例1と同様の条件で製造した。
(比較例4)
油分を付着させなかった以外は、実施例1と同様に製造した。
油分を付着させなかった以外は、実施例1と同様に製造した。
(比較例5)
捲縮加工時の熱処理条件を調整して潜在捲縮伸長率を3%に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
捲縮加工時の熱処理条件を調整して潜在捲縮伸長率を3%に変更した以外は、実施例1と同様の条件で製造した。
実施例1〜11、比較例1〜5で得られた原着捲縮糸の特性を表1及び2に示す。
実施例1〜4、比較例1〜7の原糸製造工程ならびに2次加工(交絡混繊)、カーペット作製(タフト加工)の際の工程特性については、以下のとおり評価した。
<異形断面成形性>
異形断面成形性は、以下の判定基準に基づいて評価を行った。具体的には、中空率の確認方法と同様に断面の観察を行い、目的とした異形断面が不成立である単繊維の割合((不成立繊維の本数/フィラメント数)×100)を確認した。ワレやカケなどにより目的とした異形断面が得られていない場合を不成立とするが、異形断面として、田型、Y型中空、Y型ならびに三角形を例にとり、不成立と判断する断面状態の例を図1に示す。これら不成立と判断される断面以外の単繊維については、正常品であり、目的とする異形断面であると判断した。
・判定基準
○:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の5%未満
△〜○:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の5〜7%
△:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の8〜10%
×〜△:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の11〜13%
×:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の13%を超える。
異形断面成形性は、以下の判定基準に基づいて評価を行った。具体的には、中空率の確認方法と同様に断面の観察を行い、目的とした異形断面が不成立である単繊維の割合((不成立繊維の本数/フィラメント数)×100)を確認した。ワレやカケなどにより目的とした異形断面が得られていない場合を不成立とするが、異形断面として、田型、Y型中空、Y型ならびに三角形を例にとり、不成立と判断する断面状態の例を図1に示す。これら不成立と判断される断面以外の単繊維については、正常品であり、目的とする異形断面であると判断した。
・判定基準
○:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の5%未満
△〜○:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の5〜7%
△:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の8〜10%
×〜△:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の11〜13%
×:不成立の断面を有する単繊維の割合が全体の単繊維の13%を超える。
図1について、各番号の断面図を説明する。
<<例1 田型>>
1:正常品と判断する形状の断面(目的の断面)
2:不成立と判断する、1つ以上の中空が外部とつながっている形状(ワレ、カケ、ヒラキ、と呼称)の断面
3:不成立と判断する、1つ以上の辺に突起が見られる形状(ツノ、と呼称)の断面
4:不成立と判断する、2つ以上の中空が内部でつながっている形状(ツヅキ、と呼称)の断面
<<例2 Y型中空>>
5:正常品と判断する形状の断面(目的の断面)
6:不成立と判断する、1つ以上の中空が外部とつながっている形状(ヒラキ、と呼称)の断面
7:不成立と判断する、正常品に対して中空の数が異なる形状(中空不良、と呼称)の断面
<<例3 Y型、三角>>
8:正常品と判断する形状の断面(目的の断面)
9:不成立と判断する、各葉部の大きさが異なる形状、具体的には、中心から各葉部の頂点の距離において、最長となる葉部での長さをL、最短となる葉部での長さをL’とした場合に、(L/L’)>1.5である形状(カケ、ツブレ、と呼称)の断面。
<<例1 田型>>
1:正常品と判断する形状の断面(目的の断面)
2:不成立と判断する、1つ以上の中空が外部とつながっている形状(ワレ、カケ、ヒラキ、と呼称)の断面
3:不成立と判断する、1つ以上の辺に突起が見られる形状(ツノ、と呼称)の断面
4:不成立と判断する、2つ以上の中空が内部でつながっている形状(ツヅキ、と呼称)の断面
<<例2 Y型中空>>
5:正常品と判断する形状の断面(目的の断面)
6:不成立と判断する、1つ以上の中空が外部とつながっている形状(ヒラキ、と呼称)の断面
7:不成立と判断する、正常品に対して中空の数が異なる形状(中空不良、と呼称)の断面
<<例3 Y型、三角>>
8:正常品と判断する形状の断面(目的の断面)
9:不成立と判断する、各葉部の大きさが異なる形状、具体的には、中心から各葉部の頂点の距離において、最長となる葉部での長さをL、最短となる葉部での長さをL’とした場合に、(L/L’)>1.5である形状(カケ、ツブレ、と呼称)の断面。
<工程通過性(糸切れ)>
工程通過性は、以下の判定基準に基づいて評価を行った。本工程通過性は、原糸の剛性や摩擦に影響を受け、剛性が強すぎる、摩擦が高すぎる(油分量が低すぎる)際に、屈曲部や擦過部などで糸切れとなり易い点を示している。具体的な確認手法として、原糸製造工程、2次加工(交絡混繊)工程、カーペット作製(タフト加工)工程といった3つの工程にて発生する糸切れを足し合わせ、工程数の3で割った平均値を指標とした。
・判定基準
○:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5回未満
△〜○:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5〜1.4回
△:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、1.5〜2.4回
×〜△:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、2.5〜3.5回
×:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、3.5回を超える。
工程通過性は、以下の判定基準に基づいて評価を行った。本工程通過性は、原糸の剛性や摩擦に影響を受け、剛性が強すぎる、摩擦が高すぎる(油分量が低すぎる)際に、屈曲部や擦過部などで糸切れとなり易い点を示している。具体的な確認手法として、原糸製造工程、2次加工(交絡混繊)工程、カーペット作製(タフト加工)工程といった3つの工程にて発生する糸切れを足し合わせ、工程数の3で割った平均値を指標とした。
・判定基準
○:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5回未満
△〜○:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5〜1.4回
△:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、1.5〜2.4回
×〜△:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、2.5〜3.5回
×:糸切れの回数が1tの原糸生産または消費にあたり、3.5回を超える。
<ローラー・ガイドの汚れ性>
ローラー・ガイドの汚れ性は、以下の判定基準に基づいて評価を行った。本汚れ性は、原糸に付着する油分量や熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合に影響を受け、油分量が高すぎる、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が多すぎる際に、熱処理部などで熱変性物がローラーやガイド類に付着して汚れとなることを示している。具体的な確認手法として、原糸製造工程、2次加工(交絡混繊)工程、カーペット作製(タフト加工)工程といった3つの工程にて、汚れ付着によって発生する清掃回数を足し合わせ、工程数の3で割った平均値を指標とした。
・判定基準
○:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5回未満
△〜○:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5〜0.9回
△:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、1.0〜1.4回
×〜△:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、1.5〜2.0回
×:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、2.0回を超える。
ローラー・ガイドの汚れ性は、以下の判定基準に基づいて評価を行った。本汚れ性は、原糸に付着する油分量や熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合に影響を受け、油分量が高すぎる、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が多すぎる際に、熱処理部などで熱変性物がローラーやガイド類に付着して汚れとなることを示している。具体的な確認手法として、原糸製造工程、2次加工(交絡混繊)工程、カーペット作製(タフト加工)工程といった3つの工程にて、汚れ付着によって発生する清掃回数を足し合わせ、工程数の3で割った平均値を指標とした。
・判定基準
○:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5回未満
△〜○:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、0.5〜0.9回
△:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、1.0〜1.4回
×〜△:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、1.5〜2.0回
×:汚れによる清掃の回数が1tの原糸生産または消費にあたり、2.0回を超える。
<手触り(風合い)>
手触り(風合い)は、以下の判定基準に基づいて官能評価を行った。具体的には、15人の評価者により、カーペットの触感を確認させた。判定後、最も判定数の多かった結果を、それぞれの手触り(風合い)とした。なお、たとえば、○と△の2つが最も判定数の多く且つ判定数が同じである場合には△〜○と判定し、○と△と×の3つで判定数が同じであった場合には○と判定した。
・判定基準
○:風合いが非常に柔らかかいと感じた
△:風合いがやや硬いと感じた
×:風合いが硬いと感じた。
手触り(風合い)は、以下の判定基準に基づいて官能評価を行った。具体的には、15人の評価者により、カーペットの触感を確認させた。判定後、最も判定数の多かった結果を、それぞれの手触り(風合い)とした。なお、たとえば、○と△の2つが最も判定数の多く且つ判定数が同じである場合には△〜○と判定し、○と△と×の3つで判定数が同じであった場合には○と判定した。
・判定基準
○:風合いが非常に柔らかかいと感じた
△:風合いがやや硬いと感じた
×:風合いが硬いと感じた。
<嵩高性>
嵩高性は、以下の判定基準に基づいて官能評価を行った。具体的には、15人の評価者により、カーペットの触感を確認させた。判定後、最も判定数の多かった結果を、それぞれの嵩高性とした。なお、たとえば、○と△の2つが最も判定数の多く且つ判定数が同じである場合には△〜○と判定し、○と△と×の3つで判定数が同じであった場合には○と判定した。
・判定基準
○:ボリューム感が非常にあると感じた
△:ボリューム感がやや不足していると感じた
×:ボリューム感が乏しいと感じた。
嵩高性は、以下の判定基準に基づいて官能評価を行った。具体的には、15人の評価者により、カーペットの触感を確認させた。判定後、最も判定数の多かった結果を、それぞれの嵩高性とした。なお、たとえば、○と△の2つが最も判定数の多く且つ判定数が同じである場合には△〜○と判定し、○と△と×の3つで判定数が同じであった場合には○と判定した。
・判定基準
○:ボリューム感が非常にあると感じた
△:ボリューム感がやや不足していると感じた
×:ボリューム感が乏しいと感じた。
表1に示されるように、潜在捲縮伸長率が5〜35%で、且つ、糸中に含まれる熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0%であり、更には、糸における油分の付着量が0.3〜1.5重量%であった実施例1〜11のポリアミド原着捲縮糸は、その製造工程での断面成型性が良好で、且つ、製糸性、およびローラー・ガイドへの汚れも少なく充分な工程通過性が得られており、且つ、該原着捲縮糸にて得られるカーペットの特性のうち、手触り(風合い)、嵩高性(ボリューム感)がいずれも優れていた。
なお、実施例1に対して潜在捲縮伸長率の高い実施例2は、嵩高性に優れるものの、捲縮性を高めるために熱処理を強化したために、糸の劣化が起こり、糸切れがやや悪化した。
また、実施例1に対して熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が若干低い実施例3は、溶融時の粘性が高まることにより、断面成型性が若干低下した。また、原糸の剛性が強まったため、屈曲部での柔軟性に欠け、緊張による糸切れ性が僅かに悪化した。更には、原糸の剛性の変化により、カーペットの手触りがややごわごわとした感触に悪化した。
一方、実施例1に対して熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が若干多い実施例4は、口金面への昇華物の析出が増え、断面成形性がやや低下し、ローラー・ガイドへの汚れの付着量も僅かに増えた。
さらに、実施例1に対して、油分量が若干低い実施例5では、原糸の摩擦性が高くなり、引っかかりなどによる糸切れが発生した。毛羽(切れた単糸)も発生し、ローラー・ガイド類への堆積が見られた。カーペットとして見た場合、毛羽混入により風合いがやや低下した。
また、実施例1に対して、油分量が若干高い実施例6では、充分な工程通過性を維持し、手触り(風合い)、嵩高性(ボリューム感)に優れた製品が得られるものの、やや過剰な油分により、ローラー・ガイドへの汚れが若干増える状況となった。
また、実施例1に対して単繊維繊度の小さい実施例7、実施例8は、捲縮糸の潜在捲縮伸長率が低下し、カーペットの嵩高性がやや低下した。
ポリアミド種をN66に変更した実施例9は、結晶構造の違いによる剛性の強さにより、ごわごわとした感触が強まり、結果としてカーペットの手触り感がやや低下した。
単繊維繊度を大きく低下させた実施例10では、原糸に十分な捲縮処理を掛けることが出来ず、結果としてカーペットでの嵩高性が劣位であった。また、単繊維細繊度を得る吐出条件では、適正な溶融粘度が得られず、断面成形性が低下した。
実施例1に対して、単繊維繊度を大きくした実施例11では、捲縮糸の潜在捲縮伸長率が高まり、カーペットの嵩高性も良好であったが、一方で、柔軟さに欠け、風合いは悪化した。また、単繊維太繊度を得る吐出条件では、適正な溶融粘度が得られず、断面成形性が低下した。
一方、熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が本願発明の範囲を下回った比較例1、比較例2では、溶融時の粘性が高まることにより、断面成型性が低下した。また、原糸の剛性が強まったため、屈曲部での柔軟性に欠け、緊張による糸切れが発生した。更には、原糸の剛性の変化により、カーペットの手触りがごわごわとした感触に悪化した。
糸切れを改善する目的で油分量を増やした比較例2では、過剰な油分や加熱による変性油分によるローラー・ガイドへの汚れ付着が顕著になった。
熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が本願発明の範囲を上回った比較例3では、溶融時の粘性の低下によって、ポリマーとしての断面成形性は得られるものの、一方で、口金面への昇華物の析出が増え、口金孔からの正常な吐出を妨害することによる断面成形性の低下が顕著になった。また、ローラー・ガイドにも昇華物の汚れの付着が見られた。
油分量が本願発明の範囲を下回った比較例4では、原糸の摩擦性が高くなりすぎ、引っかかりなどによる糸切れが多発した。毛羽(切れた単糸)も多量に発生し、ローラー・ガイド類への堆積が顕著になった。カーペットとして見た場合、毛羽混入により風合いがやや低下し、且つ、嵩高性がやや不均一となった。
潜在捲縮伸長率が本願発明の範囲を下回った比較例5では、カーペットにおいて十分な嵩高性を得ることが出来なかった。
本発明のポリアミド原着捲縮糸は、各種カーペット、インテリア製品、ファッション製品等に用いることができ、なかでも、カーペットに好適に用いられる。
Claims (4)
- 潜在捲縮性を有する捲縮糸であって、
1)潜在捲縮伸長率が5〜35%
2)熱水に溶出するMO(モノマー、オリゴマー)の割合が0.5〜5.0重量%
3)糸における油分の付着量が0.3〜1.5重量%
であることを特徴とするポリアミド原着捲縮糸。 - 前記捲縮糸の単繊維繊度は、2〜35dtexである、請求項1項に記載のポリアミド原着捲縮糸。
- 前記捲縮糸を構成するポリアミド繊維は、ポリカプロアミドである、請求項1項または2項に記載のポリアミド原着捲縮糸。
- 請求項1〜3項のいずれかに記載のポリアミド原着捲縮糸を用いたカーペット。
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WO2020111019A1 (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 東レ株式会社 | カーペット |
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2016
- 2016-11-02 JP JP2016214949A patent/JP2018071023A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2020111019A1 (ja) * | 2018-11-27 | 2020-06-04 | 東レ株式会社 | カーペット |
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