JP2016070160A - 内燃機関の排ガスセンサ配置構造 - Google Patents

内燃機関の排ガスセンサ配置構造 Download PDF

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Abstract

【課題】精度良い検出が可能な内燃機関の排ガスセンサ配置構造を提供する。
【解決手段】シリンダヘッド76が気筒当たり複数の排気バルブ111を有し、排気ポート76mが、排気バルブ111側からそれぞれ延びる上流側ポート76nと、上流側ポート76nが下流側で合流して出来る下流側ポート76pとから形成され、排気ポート76mの燃焼室105側の燃焼室側排気開口76sから下流側ポート76p側の前端部開口76vまで途中が湾曲し、下流側ポート76pにおける流路軸線106に直交する断面が真円となる部位の中で、排気ポート76mの湾曲が凸となる側の真円断面の上半円部76Xに、検出部85eが配置される。
【選択図】図6

Description

本発明は、排気ポートの集合部に排ガスセンサが配置された内燃機関の排ガスセンサ配置構造に関する。
従来、酸素センサを内燃機関のシリンダヘッドにおける排気ポートが形成された突出部に設けた技術がある(例えば、特許文献1参照)。
上記技術では、シリンダヘッドに単一の排気バルブが設けられ、酸素センサをシリンダヘッドの突出部の側部に取付けることで、排気ポートにおける排気バルブ側から出口に至る経路の途中に酸素センサの検出部を差し込んで排ガスを検出する。
特開2006−183489号公報
ところで、内燃機関によっては、高出力化を図るために吸気及び排気の各バルブ数を増やしたタイプも有り、このような内燃機関についても、前述のような排ガス検出方法を採用することが可能である。
しかしながら、複数の排気バルブを備える内燃機関において、複数の排気バルブ側からそれぞれ延びる排気ポートが合流する構造では、排気ポートの合流部にシリンダ側方から酸素センサの検出部を差し込んで排ガスを検出しようとすると、検出部が排気ポート内の側方寄りの位置では、排気ポートの形状によっては、排ガスの混合が均一状態に至りにくいことが分かった。そこで、排気ポートに合流部が形成された内燃機関においても、単一の酸素センサで精度良く排ガス検出ができるような酸素センサの配置が望まれていた。
本発明の目的は、精度良い検出が可能な内燃機関の排ガスセンサ配置構造を提供することにある。
上述した課題を解決するため、本発明は、内燃機関(45)が、シリンダー(75)と、このシリンダー(75)に取付けられて燃焼室(105)を形成するシリンダヘッド(76)とを備え、前記シリンダヘッド(76)の排気ポート(76m)の内部に検出部(85e)が挿入されて排ガス成分を検出する排ガスセンサ(85)がシリンダヘッド(76)に設けられた内燃機関の排ガスセンサ配置構造において、前記シリンダヘッド(76)が気筒当たり複数の排気バルブ(111)を有し、前記排気ポート(76m)が、前記排気バルブ(111)側からそれぞれ延びる上流側ポート(76n)と、これらの上流側排気ポート(76n)が下流側で合流して出来る下流側ポート(76p)とから形成され、前記排気ポート(76m)の前記燃焼室(105)側の入口開口(76s)から前記下流側ポート(76p)側の出口開口(76v)まで途中が湾曲し、前記下流側ポート(76p)における流路軸線(106)に直交する断面が略円形となる部位の中で、前記排気ポート(76m)の湾曲が凸となる側の前記略円形の半円部(76X)に、前記検出部(85e)が配置されることを特徴とする。
上記構成において、前記半円部(76X)の縁部を形成する直線部(115)は、前記流路軸線(106)を通り、前記検出部(85e)は、前記直線部(115)に重ならないように配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記半円部(76X)のうち、前記流路軸線(106)を通って前記直線部(115)に直交する直線(117)を中心にして角度90°の範囲に前記検出部(85e)が配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記直線部は、水平線(115)であり、前記排気ポート(76m)は、前記燃焼室(105)側の入口開口(76s)から前記下流側ポート(76p)側の出口開口(76v)まで上方に向かって凸となるように湾曲し、前記排ガスセンサ(85)の前記検出部(85e)は、湾曲した前記排気ポート(76m)の最も高くなった頂部(76z)から前記出口開口(76v)寄りに配置されるようにしても良い。
また、上記構成において、前記内燃機関(45)は、鞍乗り型車両における前輪(13)と後輪(16)との間に搭載されて、シリンダ軸線(75a)が前傾して前記シリンダヘッド(76)が前記前輪(13)側に近接するように配置され、前記シリンダヘッド(76)の前面の幅方向中央から前方斜め下方に曲げられるように延びる延出部(76a)が形成され、前記排気ポート(76m)は、複数の前記排気バルブ(111)側から前記前輪(13)に向かって延びて前記延出部(76a)に前方斜め下方に向けて開口する前記出口開口(76v)が設けられ、前記延出部(76a)の上部に、前記排ガスセンサ(85)が取付けられる取付穴(76w)が形成され、この取付穴(76w)の軸線(76y)が前記シリンダ軸線(75a)に対して更に前傾するようにしても良い。
また、上記構成において、前記排気ポート(76m)の前記出口開口(76v)が形成された端面(76u)は、前記シリンダ軸線(75a)に対して更に前傾し、この端面(76u)の前傾角度よりも前記排ガスセンサ(85)の取付穴(76w)の軸線(76y)の前傾角度が小さくても良い。
また、上記構成において、前記前輪(13)には上方を覆う円弧状の泥除けとなるフロントフェンダ(43)が設けられ、前記前輪(13)が収縮可能なフロントフォーク(12)に懸架されて前記フロントフェンダ(43)とともに上下移動可能に保持され、前記フロントフォーク(12)が最大量縮んだ状態で、前記フロントフェンダ(43)の後部下端部(43a)が前記排ガスセンサ(85)の外部に露出する部位よりも下方に位置するようにしても良い。
また、上記構成において、前記排気ポート(76m)の前記出口開口(76v)には、排ガスを下流のマフラ(54)に導く排気管(53)が接続され、この排気管(53)に接続のために設けられたフランジ部(53a)が、一対の締結部材挿通穴(53f,53g)を対角に有する略菱形に形成され、これら一対の締結部材挿通穴(53f,53g)が上下にずれるように配置されるようにしても良い。
本発明は、シリンダヘッドが気筒当たり複数の排気バルブを有し、排気ポートが、排気バルブ側からそれぞれ延びる上流側ポートと、これらの上流側排気ポートが下流側で合流して出来る下流側ポートとから形成され、排気ポートの燃焼室側の入口開口から下流側ポート側の出口開口まで途中が湾曲し、下流側ポートにおける流路軸線に直交する断面が略円形となる部位の中で、排気ポートの湾曲が凸となる側の略円形の半円部に、検出部が配置されるので、途中が凸となるように湾曲する排気ポートにおいて、排気ポートの湾曲が凸となる側に位置する半円部で均一に混ざり合うため、排ガスの検出精度を向上させることができる。
また、半円部の縁部を形成する直線部は、流路軸線を通り、検出部は、直線部に重ならないように配置されるので、各排気ポートから排出される排ガスが比較的均一に混ざり合いやすい下流側ポートの半円部の略中央部で排ガスを検出するため、検出精度を向上させることができる。
また、半円部のうち、流路軸線を通って直線部に直交する直線を中心にして角度90°の範囲に検出部が配置されるので、排ガスが比較的均一に混ざり合いやすい半円部の中央部付近で排ガスを検出するため、検出精度を向上させることができる。
また、直線部は、水平線であり、排気ポートは、燃焼室側の入口開口から下流側ポート側の出口開口まで上方に向かって凸となるように湾曲し、排ガスセンサの検出部は、湾曲した排気ポートの最も高くなった頂部から出口開口寄りに配置されるので、排ガスが湾曲した排気ポートを通過する際に、排ガスの混合が促されて、より均一となった排ガスを検出部で検出可能となり、検出精度を向上させることができる。
また、内燃機関は、鞍乗り型車両における前輪と後輪との間に搭載されて、シリンダ軸線が前傾してシリンダヘッドが前輪側に近接するように配置され、シリンダヘッドの前面の幅方向中央から前方斜め下方に曲げられるように延びる延出部が形成され、排気ポートは、複数の排気バルブ側から前輪に向かって延びて延出部に前方斜め下方に向けて開口する出口開口が設けられ、延出部の上部に、排ガスセンサが取付けられる取付穴が形成され、この取付穴の軸線がシリンダ軸線に対して更に前傾するので、排気ポートの前輪側への突出量を抑えることができ、前輪と内燃機関との距離を縮めて車両のホイールベースを小さくして車両の小型化が図れる上に、排ガスセンサの取付穴の軸線をシリンダ軸線に対して平行にする場合に比べて、延出部の長さを大きくすることなく前輪との空きスペースを利用して排ガスセンサを配置できる。
また、排気ポートの出口開口が形成された端面は、シリンダ軸線に対して更に前傾し、この端面の前傾角度よりも排ガスセンサの取付穴の軸線の前傾角度が小さいので、延出部から排ガスセンサが突出する寸法を小さくして前輪との干渉を防止することができる。
また、前輪には上方を覆う円弧状の泥除けとなるフロントフェンダが設けられ、前輪が収縮可能なフロントフォークに懸架されてフロントフェンダとともに上下移動可能に保持され、フロントフォークが最大量縮んだ状態で、フロントフェンダの後部下端部が排ガスセンサの外部に露出する部位よりも下方に位置するので、フロントフォークの収縮により前輪とフロントフェンダが最大量移動した場合でも、排ガスセンサを泥の飛散等から保護できる。
また、排気ポートの出口開口には、排ガスを下流のマフラに導く排気管が接続され、この排気管に接続のために設けられたフランジ部が、一対の締結部材挿通穴を対角に有する略菱形に形成され、これら一対の締結部材挿通穴が上下にずれるように配置されるので、略菱形の一辺を略水平にすることができ、この一辺の近傍に形成された延出部の面に排ガスセンサが取付けられる取付穴を開けることができ、取付穴の穴加工が容易になる。
本発明の第1実施形態の酸素センサ配置構造を備える内燃機関が搭載された自動二輪車の右側面図である。 内燃機関及びその周囲を示す右側面図である。 内燃機関及びその周囲を示す斜視図である。 シリンダヘッドの前部を示す正面図である。 図4のV矢視図である。 図5のVI−VI線断面図である。 図6のVII−VII線断面図である。 排気ポート内の酸素センサ検出部の配置(第1実施形態)を示す説明図である。 排気ポート内の酸素センサ検出部の配置(第2実施形態)を示す説明図である。 排気ポート内の酸素センサ検出部の配置(第3実施形態)を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示している。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態の酸素センサ配置構造を備える内燃機関が搭載された自動二輪車10の右側面図である。
自動二輪車10は、骨格となる車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部にフロントフォーク12を介して支持された前輪13と、車体フレーム11の下部にスイングアーム14を介して支持された後輪16とを備える鞍乗り型車両である。
車体フレーム11は、ヘッドパイプ21、左右一対のメインフレーム22、左右一対のセンタフレーム23、左右一対のシートレール24、左右一対のサブフレーム26、左右一対のダウンフレーム27を備える。
ヘッドパイプ21は、車体フレーム11の前端部を構成する。メインフレーム22は、ヘッドパイプ21の上部から後方斜め下方に略直線状に延びている。センタフレーム23は、メインフレーム22の後端部から下方に延びるプレート状のフレームであり、左右のセンタフレーム23にピボット軸31が渡されて支持されている。ピボット軸31は、スイングアーム14の前端部を上下揺動可能に支持している。シートレール24は、左右のメインフレーム22から後方斜め上方に延びて、乗員が座るシート32を支持している。サブフレーム26は、センタフレーム23の上端部から後方斜め上方に延びて後端部がシートレール24の後端部に接続されている。ダウンフレーム27は、ヘッドパイプ21の下部からメインフレーム22の下方を後方斜め下方に延びている。なお、符号35,36はダウンフレーム27の下端部からメインフレーム22に延びる補強フレームである。
フロントフォーク12には、上端部にバーハンドル41、下端部に車軸42を介して前輪13、中間部に前輪13を上方から覆うフロントフェンダ43がそれぞれ取付けられている。
車体フレーム11の下部には、内燃機関45が支持されている。詳しくは、内燃機関45は、その前部がダウンフレーム27の下端部から下方に延びるエンジンハンガ部材46で支持され、後部がセンタフレーム23で支持されている。
内燃機関45は、クランクケース47と、クランクケース47の前部上部から上方斜め前方に延びる気筒部48とを備え、後部に変速機50が付設されている。
気筒部48の前面には排気装置52が接続されている。排気装置52は、気筒部48(詳しくは、後述するシリンダヘッド)の前面に接続された排気管53と、排気管53の後端部に接続されたマフラ54とを備え、排気管53の途中には排ガスを浄化するキャタライザ55が設けられている。なお、符号56はマフラ54を上方から覆う遮熱カバーである。
スイングアーム14は、その前端部がセンタフレーム23に支持されたピボット軸31に上下スイング可能に支持され、後端部に車軸58を介して後輪16が支持されている。
ヘッドパイプ21とシート32との間には燃料タンク61が配置され、車体フレーム11の前部及び燃料タンク61の前部が左右一対のフロントカウル62で側方から覆われている。なお、符号65はヘッドライト、66は運転者用ステップ、67は同乗者用ステップ、68は後輪16を上方から覆うリヤフェンダである。
図2は、内燃機関45及びその周囲を示す右側面図である。図3は、内燃機関45及びその周囲を示す斜視図である。
図2及び図3に示すように、内燃機関45の気筒部48は、クランクケース47の上部に取付けられたシリンダー75と、シリンダー75の上部に取付けられたシリンダヘッド76と、シリンダヘッド76の上部開口を覆うヘッドカバー77とを備える。シリンダー75内には、ピストンが移動可能に挿入されるシリンダ穴が形成され、そのシリンダ穴の軸線、即ちシリンダ軸線75aは、前傾している。
シリンダヘッド76は、その前面から一体に前側に延びる延出部76aが設けられ、延出部76aに排気管53が一対のボルト81及びナット82で接続されている。延出部76aの上部には、シリンダ穴、ピストン及びシリンダヘッド76で形成される燃焼室から排出される排ガスの酸素濃度を検出する酸素センサ85が取付けられている。
酸素センサ85は、延出部76aに形成されたねじ穴にねじ込まれるおねじと、ねじ穴におねじをねじ込む際に工具を掛ける六角部85bとを備え、上端部から検出信号を車体に備えるECU(エンジンコントロールユニット)に伝える導線86が延びている。
図2中に示した前輪13及びフロントフェンダ43は、フロントフォーク12(図3参照)が最も縮んだときの位置を示している。このときのフロントフェンダ43の後部下端部43aは、酸素センサ85の前方に近接している。これにより、フロントフォーク12が最も縮んだ状態でも、前方から酸素センサ85に泥等が飛散するのをフロントフェンダ43により防止することができる。
酸素センサ85の上側の近傍にはラジエータ87が配置されている。酸素センサ85よりも後方には、ダウンフレーム27の下端部27aが近接配置されている。
シリンダヘッド76の後部には、吸気装置88が接続されている。
シリンダヘッド76の延出部76aは、酸素センサ85が取付けられた前方延出部76bと、前方延出部76bの前端部から下方に屈曲した下方屈曲部76cとが一体に形成されている。酸素センサ85は、前方延出部76bの上面を構成する突出部上面76jから一段高くなった段部76dに取付けられている。下方屈曲部76cには一対のボルト(スタッドボルト)81の一端部が埋め込まれ、下方屈曲部76cの端面76eには、排気管53の端部に設けられた略菱形状のフランジ部53aが対向配置されている。このように、延出部76aに下方屈曲部76cを設けることで、排気管53と前輪13及びフロントフェンダ43との前後方向のクリアランスを確保することができる。
ダウンフレーム27の下端部27aは、ボルト91でシリンダヘッド76の側面76fに設けられたボス部76gに取付けられ、ダウンフレーム27で内燃機関45が支持されている。
図4は、シリンダヘッド76の前部を示す正面図である。
酸素センサ85の軸線85cは、正面視でシリンダ軸線75aに重なっている。
排気管53の略菱形状のフランジ部53aは、菱形の対向する二つの辺53b,53cが略水平に且つ平行に延び、他の対向する二つの辺53d,53eが辺53b,53cに対して傾斜するように且つ平行に延びている。シリンダヘッド76の下方屈曲部76cは、その輪郭形状がフランジ部53aの輪郭形状と略同一であり、下方屈曲部76cの上面76hは、その幅方向が前下がりに傾斜しつつ長手方向が略水平に延びている。これにより、上面76hの後縁から後方に延びる突出部上面76jを略水平面とすることができ、突出部上面76jを構成する段部76dに酸素センサ85を取付けるねじ穴を容易に開けることができる。
図5は、図4のV矢視図である。
シリンダヘッド76の中央部には点火プラグをねじ込むプラグ用ねじ穴76kが開けられ、プラグ用ねじ穴76kより前方には複数の排気バルブを軸方向移動可能に支持する複数の排気用バルブステムガイド95が設けられ、プラグ用ねじ穴76kより後方には複数の吸気バルブを軸方向移動可能に支持する複数の吸気用バルブステムガイド96が設けられている。
排気用バルブステムガイド95側には、後で詳述する燃焼室に開口する開口部から延出部76aの端部の開口部まで延びる排気ポート76mが開けられている。排気ポート76mは、各排気バルブ毎に設けられた上流側ポート76n,76nと、上流側ポート76n,76nが集合して出来た下流側ポート76pからなり、下流側ポート76pの途中に酸素センサ85の検出部が配置されている。
排気管53は、シリンダヘッド76の延出部76aから前方に延びた後、湾曲して後方斜め右方に延びている。
図6は、図5のVI−VI線断面図である。
シリンダー75は、シリンダ穴75bが形成され、シリンダ穴75bにピストン101が移動可能に挿入されている。ピストン101にはピストンピン102を介してコンロッド103が揺動可能に連結されている。
シリンダヘッド76は、その下面に断面略V字状に凹んだ凹部76qが形成され、凹部76qと、シリンダー75のシリンダ穴75bとピストン101の頂面101aとで燃焼室105が形成される。
排気ポート76mは、凹部76qの底面76rに開口する燃焼室側排気開口76sから上方に凸となるように湾曲して延出部76aの端部凹部76tの底面76uに開口する前端部開口76vまで延びている。
シリンダー75とシリンダヘッド76との合わせ面73から前側に延長線74を延ばしたときに、延長線74から最も離れた点(黒丸で示した点)が排気ポート76mの頂部76zであり、この頂部76zの前側寄りに酸素センサ85が配置されている。なお、符号106は排気ポート76mの各横断面の断面中心を繋いだ流路軸線である。
燃焼室側排気開口76sは、凹部76qの底面76rに埋め込まれた円筒状のバルブシート107の一端面に形成され、この燃焼室側排気開口76sが排気バルブ111によって開閉される。端部凹部76tは、排気管53(図5参照)の端部が挿入される部分である。排気バルブ111は、排気用バルブステムガイド95内に挿入されて移動可能に案内される軸部111aと、軸部111aの下端に一体に設けられた傘部111bとからなり、傘部111bによって燃焼室側排気開口76sが開閉される。
シリンダヘッド76の凹部76qには、吸気装置88(図2参照)に接続される吸気ポート79aが形成されている。吸気ポート79aは、凹部76qに形成された燃焼室側吸気開口79bから上方に凸となるように湾曲してシリンダヘッド76の後面79cに開口する後面側開口79dまで延びている。燃焼室側吸気開口79bは、凹部76qの底面76rに埋め込まれた円筒状のバルブシート108の一端面に形成され、この燃焼室側吸気開口79bが、吸気バルブ112によって開閉される。吸気バルブ112は、吸気用バルブステムガイド96内に挿入されて移動可能に案内される軸部112aと、軸部112aの下端に一体に設けられた傘部112bとからなり、傘部112bによって燃焼室側吸気開口79bが開閉される。
酸素センサ85は、延出部76aに形成されたねじ穴(めねじ部)76wにねじ結合されるおねじ部85dと、おねじ部85dの端部に設けられた検出部85eとを備える。
ねじ穴76wの軸線76yは、シリンダ軸線75aに平行な直線110Aに対して前方に角度θ1だけ傾いている。即ち、軸線76yは、シリンダ軸線75aに対して更に前傾している。
また、底面76uは、シリンダ軸線75aに平行な直線110Bに対して前方に角度θ2だけ傾いている。この角度θ2よりも上記角度θ1は小さい。即ち、軸線76yの前傾角度は、底面76uの前傾角度よりも小さい。このように、軸線76yの前傾角度を底面76uの前傾角度よりも小さくすることで、酸素センサ85の前方への突出量をより小さくすることができ、酸素センサ85とフロントフェンダ43とのクリアランスを確保することができる。
酸素センサ85の検出部85eは、排気ポート76mの下流側ポート76p内、詳しくは、下流側ポート76pの流路軸線106よりも上方に配置されている。
排ガスが排気ポート76m内を流れるときには、排ガスに慣性力が作用し、直線運動を続けようとする性質を示す。従って、上方に凸となるように湾曲した排気ポート76mでは、排ガスは、流路軸線106の下方より上方に集まりやすくなる。また、排ガスが、複数の上流側ポート76nから下流側ポート76pで合流した直後には、排ガスの混合が十分に行われていないが、合流部分から離れた頂部76zの前側寄りでは排ガスがより均一に混合される。従って、酸素センサ85の検出部85eを、頂部76zの前側寄りで流路軸線106の上方に配置することで、より精度の高い排ガス検出が可能になる。
図7は、図6のVII−VII線断面図である。ただし、酸素センサ85(図6参照)については省いている。
排気ポート76mの下流側ポート76pは、酸素センサ85が取付けられる位置では、断面が真円に形成されている。排気管53(図5参照)を締結するためのボルト81がねじ込まれた一対のねじ穴76F,76Gは、下流側ポート76pを通る水平線113に対して上下にオフセットし、突出部上面76jは略水平となり、突出部上面76jに形成された段部76dも略水平となる。この結果、酸素センサ85がねじ込まれるねじ穴76wを上方から工具で容易に加工して形成することができる。
図8は、排気ポート76m内の酸素センサ検出部の配置(第1実施形態)を示す説明図である。
酸素センサ85の検出部85eは、排気ポート76mの流路軸線106に直交する略円形(この実施形態では真円)断面における流路軸線106を通る水平線115より上方の上半円部76X(ハッチングを施した領域である。)に配置される。酸素センサ85の軸線85cは、鉛直に配置されるとともに、流路軸線106及び水平線115に交差する。検出部85eは、好ましくは、水平線115上には重ならないように配置される。
排気管53(図5参照)のフランジ部53aにはボルト81を通すために略菱形の対向する角部の近傍に一対のボルト挿通穴53f,53gが開けられている。一方のボルト挿通穴53fは、水平線115より下方にオフセットして配置され、他方のボルト挿通穴53gは水平線115よりも上方にオフセットして配置されている。
上記した図2、図5、図6及び図8に示したように、内燃機関45が、シリンダー75と、このシリンダー75に取付けられて燃焼室105を形成するシリンダヘッド76とを備え、シリンダヘッド76の排気ポート76mの内部に検出部85eが挿入されて排ガス成分を検出する排ガスセンサとしての酸素センサ85がシリンダヘッド76に設けられた内燃機関45の排ガスセンサ配置構造において、シリンダヘッド76が気筒当たり複数の排気バルブ111を有し、排気ポート76mが、排気バルブ111側からそれぞれ延びる上流側ポート76nと、これらの上流側ポート76nが下流側で合流して出来る下流側ポート76pとから形成され、排気ポート76mの燃焼室105側の入口開口としての燃焼室側排気開口76sから下流側ポート76p側の出口開口としての前端部開口76vまで途中が上方に凸となるように湾曲し、下流側ポート76pにおける流路軸線106に直交する断面が略円形となる部位の中で、排気ポート76mの湾曲が凸となる側の半円部としての上半円部76Xに、検出部85eが配置される。
この構成によれば、途中が凸となるように湾曲する排気ポート76mにおいて、排気ポート76mの湾曲が凸となる側に位置する上半円部76Xで排ガスが均一に混ざり合うため、排ガスの検出精度を高めることができる。
また、図8に示したように、上半円部76Xの縁部を形成する直線部としての水平線115は、流路軸線106を通り、検出部85eは、水平線115に重ならないように配置されるので、各上流側ポート76nから排出される排ガスが比較的均一に混ざり合いやすい下流側ポート76pの上半円部76Xの略中央部で排ガスを検出するため、検出精度を高めることができる。
また、図6及び図8に示したように、直線部は、水平線115であり、排気ポート76mは、燃焼室105側の燃焼室側排気開口76sから下流側ポート76p側の前端部開口76vまで上方に向かって凸となるように湾曲し、酸素センサ85の検出部85eは、湾曲した排気ポート76mの最も高くなった頂部76zから前端部開口76v寄りに配置されるので、排ガスが湾曲した排気ポート76mを通過する間に、排ガスの混合が促されて、より均一となった排ガスを検出部85eで検出可能となり、検出精度を高めることができる。
また、図1及び図6に示したように、内燃機関45は、鞍乗り型車両としての自動二輪車10における前輪13と後輪16との間に搭載されて、シリンダ軸線75aが前傾してシリンダヘッド76が前輪13側に近接するように配置され、シリンダヘッド76の前面の幅方向中央から前方斜め下方に曲げられるように延びる延出部76aが形成され、排気ポート76mは、複数の排気バルブ111側から前輪13に向かって延びて延出部76aに前方斜め下方に向けて開口する前端部開口76vが設けられ、延出部76aの上部に、酸素センサ85が取付けられる取付穴としてのねじ穴76wが形成され、このねじ穴76wの軸線76yがシリンダ軸線75aに対して更に前傾するので、排気ポート76mの前輪13側への突出量を抑えることができ、前輪13と内燃機関45との距離を縮めて車両のホイールベースを小さくして車両の小型化が図れる上に、酸素センサ85のねじ穴76wの軸線76yをシリンダ軸線75aに対して平行にする場合に比べて、延出部76aの長さを大きくすることなく前輪13との空きスペースを利用して酸素センサ85を配置できる。
また、図6に示したように、排気ポート76mの前端部開口76vが形成された端面としての底面76uは、シリンダ軸線75aに対して更に前傾し、この底面76uの前傾角度よりも酸素センサ85のねじ穴76wの軸線76yの前傾角度が小さいので、延出部76aから酸素センサ85が突出する寸法を小さくして前輪13との干渉を防止することができる。
また、図1及び図2に示したように、前輪13には上方を覆う円弧状の泥除けとなるフロントフェンダ43が設けられ、前輪13が収縮可能なフロントフォーク12に懸架されてフロントフェンダ43とともに上下移動可能に保持され、フロントフォーク12が最大量縮んだ状態で、フロントフェンダ43の後部下端部43aが酸素センサ85の外部に露出する部位よりも下方に位置するので、フロントフォーク12の収縮により前輪13とフロントフェンダ43が最大量移動した場合でも、酸素センサ85を泥の飛散等から保護できる。
また、図1、図3及び図8に示したように、排気ポート76mの前端部開口76vには、排ガスを下流のマフラ54に導く排気管53が接続され、この排気管53に接続のために設けられたフランジ部53aが、一対の締結部材挿通穴としてのボルト挿通穴53f,53gを対角に有する略菱形に形成され、これら一対のボルト挿通穴53f,53gが上下にずれるように配置されるので、略菱形の一辺としての辺53bを略水平にすることができ、この辺53bの近傍に形成された突出部上面76j(詳しくは、突出部上面76jの段部76d)に酸素センサ85が取付けられるねじ穴76wを開けることができ、ねじ穴76wの穴加工が容易になる。
<第2実施形態>
図9は、排気ポート76m内の酸素センサ検出部の配置(第2実施形態)を示す説明図である。
酸素センサ85の検出部85eは、排気ポート76mの流路軸線106に直交する略円形(この実施形態では真円)断面における上半円部76Xのうち、流路軸線106を通る鉛直線117を中心にして軸線85cが90°(片側45°)傾斜する範囲に配置される。
このように、検出部85eを、上半円部76X内で鉛直線117を中心にして軸線85cが90°傾斜する範囲に配置することで、検出部85eが上半円部76Xのより上方に配置され、排ガス検出精度をより一層高めることができるとともに、シリンダヘッド76への配置自由度を向上させることができる。
上記したように、上半円部76Xのうち、流路軸線106を通って水平線115に直交する直線としての鉛直線117を中心にして角度90°の範囲に検出部85eが配置されるので、排ガスが比較的均一に混ざり合いやすい上半円部76Xの中央部付近で排ガスを検出するため、検出精度をより一層高めることができる。
<第3実施形態>
図10は、排気ポート76m内の酸素センサ検出部の配置(第3実施形態)を示す説明図である。
酸素センサ85の検出部85eは、排気ポート76mの流路軸線106に直交する略円形(この実施形態では真円)断面における上半円部76Xのうち、流路軸線106を通る鉛直線117を中心にして軸線85cが、車体左方に角度αだけ傾斜する範囲に配置され、且つ検出部85eが鉛直線117に重なるように配置される。角度αは、例えば0〜50°に設定される。
このように、検出部85eを、上半円部76X内で鉛直線117に重なるように配置することで、酸素センサ85を鉛直線117に対して大きく傾けることができ、排ガス検出精度を高めながら、シリンダヘッド76への配置自由度を増すことができる。
なお、上記では、酸素センサ85を車体左方に傾けるようにしたが、これに限らず、検出部85eが鉛直線117に重なるように配置しながら車体右方に傾けても良い。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態においては、排ガスセンサとして酸素センサを示したが、これに限らず、酸素センサの代わりに他の排ガスセンサをシリンダヘッドの延出部に配置しても良い。
本発明は、自動二輪車10に適用する場合に限らず、自動二輪車以外も含む鞍乗り型車両にも適用可能である。なお、鞍乗り型車両とは、車体に跨って乗車する車両全般を含み、自動二輪車(原動機付き自転車も含む)のみならず、ATV(不整地走行車両)に分類される三輪車両や四輪車両を含む車両である。
10 自動二輪車(鞍乗り型車両)
13 前輪
16 後輪
43 フロントフェンダ
45 内燃機関
53 排気管
53a フランジ部
53f,53g ボルト挿通穴(締結部材挿通穴)
54 マフラ
75 シリンダー
75a シリンダ軸線
76 シリンダヘッド
76a 延出部
76m 排気ポート
76n 上流側ポート
76p 下流側ポート
76s 燃焼室側排気開口(入口開口)
76u 底面(端面)
76v 前端部開口(出口開口)
76w ねじ穴(取付穴)
76X 半円部(上半円部)
76y ねじ穴の軸線(取付穴の軸線)
76z 排気ポートの頂部
85 酸素センサ(排ガスセンサ)
85e 検出部
105 燃焼室
106 流路軸線
111 排気バルブ
115 水平線
117 鉛直線

Claims (8)

  1. 内燃機関(45)が、シリンダー(75)と、このシリンダー(75)に取付けられて燃焼室(105)を形成するシリンダヘッド(76)とを備え、前記シリンダヘッド(76)の排気ポート(76m)の内部に検出部(85e)が挿入されて排ガス成分を検出する排ガスセンサ(85)がシリンダヘッド(76)に設けられた内燃機関の排ガスセンサ配置構造において、
    前記シリンダヘッド(76)が気筒当たり複数の排気バルブ(111)を有し、
    前記排気ポート(76m)が、前記排気バルブ(111)側からそれぞれ延びる上流側ポート(76n)と、これらの上流側排気ポート(76n)が下流側で合流して出来る下流側ポート(76p)とから形成され、前記排気ポート(76m)の前記燃焼室(105)側の入口開口(76s)から前記下流側ポート(76p)側の出口開口(76v)まで途中が湾曲し、
    前記下流側ポート(76p)における流路軸線(106)に直交する断面が略円形となる部位の中で、前記排気ポート(76m)の湾曲が凸となる側の前記略円形の半円部(76X)に、前記検出部(85e)が配置されることを特徴とする内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  2. 前記半円部(76X)の縁部を形成する直線部(115)は、前記流路軸線(106)を通り、前記検出部(85e)は、前記直線部(115)に重ならないように配置されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  3. 前記半円部(76X)のうち、前記流路軸線(106)を通って前記直線部(115)に直交する直線(117)を中心にして角度90°の範囲に前記検出部(85e)が配置されることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  4. 前記直線部は、水平線(115)であり、前記排気ポート(76m)は、前記燃焼室(105)側の入口開口(76s)から前記下流側ポート(76p)側の出口開口(76v)まで上方に向かって凸となるように湾曲し、前記排ガスセンサ(85)の前記検出部(85e)は、湾曲した前記排気ポート(76m)の最も高くなった頂部(76z)から前記出口開口(76v)寄りに配置されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  5. 前記内燃機関(45)は、鞍乗り型車両における前輪(13)と後輪(16)との間に搭載されて、シリンダ軸線(75a)が前傾して前記シリンダヘッド(76)が前記前輪(13)側に近接するように配置され、
    前記シリンダヘッド(76)の前面の幅方向中央から前方斜め下方に曲げられるように延びる延出部(76a)が形成され、
    前記排気ポート(76m)は、複数の前記排気バルブ(111)側から前記前輪(13)に向かって延びて前記延出部(76a)に前方斜め下方に向けて開口する前記出口開口(76v)が設けられ、
    前記延出部(76a)の上部に、前記排ガスセンサ(85)が取付けられる取付穴(76w)が形成され、この取付穴(76w)の軸線(76y)が前記シリンダ軸線(75a)に対して更に前傾することを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  6. 前記排気ポート(76m)の前記出口開口(76v)が形成された端面(76u)は、前記シリンダ軸線(75a)に対して更に前傾し、この端面(76u)の前傾角度よりも前記排ガスセンサ(85)の取付穴(76w)の軸線(76y)の前傾角度が小さいことを特徴とする請求項5に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  7. 前記前輪(13)には上方を覆う円弧状の泥除けとなるフロントフェンダ(43)が設けられ、前記前輪(13)が収縮可能なフロントフォーク(12)に懸架されて前記フロントフェンダ(43)とともに上下移動可能に保持され、前記フロントフォーク(12)が最大量縮んだ状態で、前記フロントフェンダ(43)の後部下端部(43a)が前記排ガスセンサ(85)の外部に露出する部位よりも下方に位置することを特徴とする請求項5又は6に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
  8. 前記排気ポート(76m)の前記出口開口(76v)には、排ガスを下流のマフラ(54)に導く排気管(53)が接続され、この排気管(53)に接続のために設けられたフランジ部(53a)が、一対の締結部材挿通穴(53f,53g)を対角に有する略菱形に形成され、これら一対の締結部材挿通穴(53f,53g)が上下にずれるように配置されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の内燃機関の排ガスセンサ配置構造。
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