JP2016069518A - 塗料用エマルジョン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】良好な防曇性を有するとともに耐久性に優れた塗膜を形成することができる手段を提供する。
【解決手段】下記化学式(1)で表される単量体(a−1)20〜45質量%と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が50℃以上120℃以下である単量体(a−2)40〜55質量%と、重合性光安定剤(a−3)0.1〜3質量%と、架橋剤(a−4)0.1〜3質量%と、反応性シランカップリング剤(a−5)0.1〜3質量%と、反応性乳化剤(a−6)5〜17.5質量%と、(ただし、a−1〜a−6の合計は100質量%である)を共重合させることにより得られる共重合体粒子(A)、乳化剤(B)、および水性媒体(C)を含む、塗料用エマルジョン組成物。

【選択図】なし

Description

本発明は、塗料用エマルジョン組成物に関する。
ガラス、金属、セラミックス、高分子材料などからなる成形品においては、露点以下の温度において表面に結露を生じ、曇りや透明度低下、水滴付着などによる日光の透過性、可視性、光源の輝度、レンズ面の美観等が損なわれてしまうことがある。例えば、洗面所鏡、浴室鏡、メガネやカメラのレンズ、建物の窓、自動車ランプ類のレンズやカバー、農業用ハウスの被覆材料などにおいて、製品の外観ムラ発生や品質、安全に影響を与える場合があり、あらゆる用途の製品において問題となっている。
このような問題を解決するために、従来、様々な方法により成形品の表面に防曇性を付与する方法が検討されてきた。例えば、特許文献1〜5には、基材の表面に溶剤系または水溶液系の防曇塗料を塗布し、表面に親水性塗膜を形成する方法が提案されている。
特開平06−172675号公報 特開平07−150072号公報 特開平08−231944号公報 特開2002−265853号公報 特開2011−213904号公報
しかしながら、本発明者は、特許文献1〜5に記載の防曇塗料から得られる塗膜は、耐久性が不十分であるという問題を見出した。
そこで、本発明は、良好な防曇性を有するとともに耐久性に優れた塗膜を形成することができる手段を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者は鋭意検討を積み重ねた。その結果、驚くべきことに、特定の単量体を共重合させて得られる共重合体粒子を含むエマルジョン組成物を用いることにより、良好な防曇性を有するとともに耐久性に優れた塗膜を形成することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、下記化学式(1):
前記化学式(1)中、
は、水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、または置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜5の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基であり、
は炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、
n1は8〜30の整数である;
で表される単量体(a−1)20〜45質量%と、
ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が50℃以上120℃以下である単量体(a−2)40〜55質量%と、
重合性光安定剤(a−3)0.1〜3質量%と、
架橋剤(a−4)0.1〜3質量%と、
反応性シランカップリング剤(a−5)0.1〜3質量%と、
反応性乳化剤(a−6)5〜17.5質量%と、
(ただし、a−1〜a−6の合計は100質量%である)、
を共重合させることにより得られる共重合体粒子(A)、乳化剤(B)、および水性媒体(C)を含む、塗料用エマルジョン組成物である。
本発明によれば、良好な防曇性を有するとともに耐久性に優れた塗膜を形成することができる塗料用エマルジョン組成物が提供されうる。
本発明は、上記化学式(1)で表される単量体(a−1)20〜45質量%と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が50℃以上120℃以下である単量体(a−2)40〜55質量%と、重合性光安定剤(a−3)0.1〜3質量%と、架橋剤(a−4)0.1〜3質量%と、反応性シランカップリング剤(a−5)0.1〜3質量%と、反応性乳化剤(a−6)5〜17.5質量%と、(ただし、a−1〜a−6の合計は100質量%である)を共重合させることにより得られる共重合体粒子(A)、乳化剤(B)、および水性媒体(C)を含む、塗料用エマルジョン組成物である。かような構成を有する本発明の塗料用エマルジョン組成物(以下、単に本発明の組成物とも称する)から得られる塗膜は、良好な防曇性を有するとともに耐久性に優れる。
本発明の組成物を用いた際、なぜこのような効果が得られるのか、詳細は不明であるが、以下のように考えられる。なお、下記メカニズムは推測によるものであり、本発明はこれに何ら拘泥されるものではない。
すなわち、単量体(a−1)等に含まれるアルキレンオキサイド鎖が親水性であり、このような単量体成分を含む共重合体粒子(A)を含む塗膜も親水性に優れたものとなる。
よって、空気中の水蒸気等が塗膜表面に付着しても水滴の生成を防止し、水の薄膜を生成しやすくするため良好な防曇性が発揮される。また、共重合体粒子(A)は、単量体成分として架橋剤(a−4)を含んでいることから、共重合体粒子(A)の分子量が増大し、塗膜の内部には水分が入りこみにくくなるため、耐久性(耐水性)が向上する。さらに、共重合体粒子(A)は、単量体成分として重合性シランカップリング剤(a−5)を含んでいるため、得られる塗膜と、ガラス、金属、セラミックス、高分子材料等の基材との密着性がより向上し、耐久性(耐水性)が向上する。特に、表面に離型剤が塗布されているような基材であっても、本発明の組成物を用いることにより、離型剤の除去等を行わずにハジキの少ない塗膜を形成することが可能となる。さらに、本発明の組成物から得られる塗膜は、優れた強度を有する。
さらに、本発明の組成物は、有機溶剤をほとんど使用しないか全く使用しないため、環境負荷を低減することが可能である。
以下、本発明の塗料用エマルジョン組成物について、具体的に説明する。
[共重合体粒子(A)]
本発明の組成物は、共重合体粒子(A)を含む。共重合体粒子(A)は、上記化学式(1)で表される単量体(a−1)20〜45質量%と、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が50℃以上120℃以下である単量体(a−2)40〜55質量%と、重合性光安定剤(a−3)0.1〜3質量%と、架橋剤(a−4)0.1〜3質量%と、反応性シランカップリング剤(a−5)0.1〜3質量%と、反応性乳化剤(a−6)5〜17.5質量%と、(ただし、a−1〜a−6の合計は100質量%である)を共重合させることにより得られる。
〔単量体(a−1)〕
単量体(a−1)は、下記化学式(1)で表される構造を有する単量体である。
前記化学式(1)中、
は、水素原子またはメチル基であり、
は、水素原子、または置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜5の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基であり、
A1は炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、
n1は8〜30の整数である。
単量体(a−1)は、その構造中にアルキレンオキサイド鎖を含む。よって、本発明の組成物から得られる塗膜は親水性に優れたものとなり、空気中の水蒸気等が塗膜表面に付着しても水滴の生成を防止し、水の薄膜を生成しやすくするため良好な防曇性が発揮される。
上記化学式(1)で表される単量体(a−1)(以下、単に単量体(a−1)とも称する)のRで用いられる置換されているかまたは非置換の炭素数1〜5の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基の例としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソアミル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基等が挙げられる。
上記化学式(1)中のAとして用いられる、炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基の例としては、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられる。入手容易性の観点から、エチレン基、プロピレン基が特に好ましい。
前述した「置換されているかまたは非置換の炭素数1〜30の直鎖状、分枝状、または環状のアルキル基」等の記載に含まれる「置換されている」とは、当該置換基中の水素原子が、さらに他の置換基で置換されていてもよい態様を示す。また、本明細書中、他の置換基について使用される「置換されている」の用語も同様である。
上記の「他の置換基」としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハロゲン原子、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基などのアリール基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基などのアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリロイルオキシ基、メタクリロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などのアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリル基、メタクリル基、メトキサリル基などのアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基などのアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基などのアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などのアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基などのジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基などの他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基などが挙げられる。
上記化学式(1)中のn1は、8〜30の整数である。親水性付与および塗膜の耐久性の観点から、n1は、9〜22の整数が好ましい。
単量体(a−1)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、単量体(a−1)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。市販品の例としては、MPG−130MAH、MPG−056MA、MA−80A、MA−50A、MA−150A(以上、日本乳化剤株式会社製)が挙げられる。
上記化学式(1)で表される単量体(a−1)の中でも、得られる塗膜に効率よく親水性を付与できるという観点から、下記化学式(2)で表される単量体および下記化学式(3)で表される単量体の少なくとも一方を用いることが好ましく、両方を用いることがより好ましい。
前記化学式(2)中、n2は8〜20の整数である。
前記化学式(3)中、n3は8〜30の整数である。
上記化学式(2)で表される単量体と上記化学式(3)で表される単量体とを併用する場合、その使用量の比は、上記化学式(2)で表される単量体:上記化学式(3)で表される単量体=5:95〜13:87(質量比)であることが好ましい。
単量体(a−1)の含有量は、(a−1)〜(a−6)の単量体成分の合計量を100質量%として、20〜45質量%である。含有量が20質量%未満であると、防曇性が十分に発揮されなくなる。一方、45質量%を超えると、塗膜が柔らかくなり耐久性が低下する。該含有量は、好ましくは30〜40質量%である。
〔単量体(a−2)〕
単量体(a−2)は、ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が50℃以上120℃以下である単量体である。かような単量体(a−2)を含むことにより、本発明の組成物から得られる塗膜の強度が向上する。
なお、本明細書において、「ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)」とは、「当該単量体(a−2)の単独重合体のガラス転移温度(Tg)」を意味する。具体的には、FOX式で算出されるガラス転移温度である。
このような単量体(a−2)の例としては、例えば、ベンジルメタクリレート(Tg=54℃)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(Tg=55℃)、エチルメタクリレート(Tg=65℃)、シクロヘキシルメタクリレート(Tg=66℃)、2−メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸(Tg=75℃)、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート(Tg=73℃)、2−メタクリロイロキシエチルフタル酸(Tg=75℃)、イソボルニルアクリレート(Tg=94℃)、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート(Tg=97℃)、メチルメタクリレート(Tg=105℃)、t−ブチルメタクリレート(Tg=107℃)、ジシクロペンタニルアクリレート(Tg=120℃)、ジシクロペンテニルアクリレート(Tg=120℃)、スチレン(Tg=80℃)等が挙げられる。
これらの中でも、他モノマーとの重合速度、硬さ、耐候性の観点から、メチルメタクリレートが好ましい。
単量体(a−2)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、単量体(a−2)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。
単量体(a−2)の含有量は、(a−1)〜(a−6)の単量体成分の合計量を100質量%として、40〜55質量%である。含有量が40質量%未満であると、塗膜の強度が低下する。一方、55質量%を超えると、防曇性が低下する。単量体(a−2)の含有量は、好ましくは42〜47質量%である。
〔重合性光安定剤(a−3)〕
重合性光安定剤(a−3)は、ラジカル重合性二重結合と、光安定化作用を有する官能基とを有しており、共重合体粒子(A)の骨格に組み込まれる。重合性光安定剤(a−3)を単量体成分として含むことにより、本発明の組成物から得られる塗膜の耐候性が向上する。
重合性光安定剤(a−3)の例としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイル−1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとは、アクリルとメタクリルとを含む総称である。(メタ)アクリロイルとは、アクリロイルとメタクリロイルとを含む総称である。(メタ)アクリレートとは、アクリレートとメタクリレートとを含む総称である。
これらの中でも、他モノマーとの重合速度や重合安定性の観点から、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジンが好ましい。
重合性光安定剤(a−3)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、重合性光安定剤(a−3)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、ニューコール LS−3410(以上、日本乳化剤株式会社製)等が挙げられる。
重合性光安定剤(a−3)の含有量は、(a−1)〜(a−6)の単量体成分の合計量を100質量%として、0.1〜3質量%である。含有量が0.1質量%未満であると、得られる塗膜の耐候性が低下する。一方、3質量%を超えると、重合安定性の低下が問題となる。重合性光安定剤(a−3)の含有量は、好ましくは1.5〜2質量%である。
〔架橋剤(a−4)〕
架橋剤(a−4)は、分子内に2つ以上のラジカル重合性二重結合を有しており、共重合体粒子(A)の骨格に組み込まれる。このような架橋剤(a−4)を用いることにより、共重合体粒子(A)の分子量を増大させることができる。
架橋剤(a−4)の例としては、例えば、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジエトキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)−2(4−(メタ)アクリロイルオキシトリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシジプロポキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロイルオキシイソプロポキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等の二官能性架橋剤;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の三官能性架橋剤;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の四官能性架橋剤が挙げられる。
これらの中でも、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
架橋剤(a−4)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、架橋剤(a−4)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。
架橋剤(a−4)の含有量は、(a−1)〜(a−6)の単量体成分の合計量を100質量%として、0.1〜3質量%である。含有量が0.1質量%未満であると、共重合体粒子(A)の分子量が低下し、塗膜の耐久性(耐水性)が低下する。一方、3質量%を超えると、架橋度が高くなりすぎるため、ゲル化する。架橋剤(a−4)の含有量は、好ましくは1.5〜2質量%である。
〔重合性シランカップリング剤(a−5)〕
重合性シランカップリング剤(a−5)は、分子内にラジカル重合性二重結合を有しており、共重合体粒子(A)の骨格に組み込まれる。このような重合性シランカップリング剤(a−5)を用いることにより、得られる塗膜は、ガラス、金属、セラミックス、高分子材料等の基材や、該基材の表面に塗布される離型剤との密着性に優れたものとなり、耐久性(耐水性)がより向上する。
重合性シランカップリング剤の例としては、例えば、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、ジエトキシメチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシメチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン等が挙げられる。
これらの中でも、他モノマーとの重合安定性の観点から、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
重合性シランカップリング剤(a−5)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、重合性シランカップリング剤(a−5)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。市販品の例としては、KBM−1003、KBE−1003、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503(以上、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
重合性シランカップリング剤(a−5)の含有量は、(a−1)〜(a−6)の単量体成分の合計量を100質量%として、0.1〜3質量%である。含有量が0.1質量%未満であると、得られる塗膜と基材との密着性が低下し、塗膜の耐久性(耐水性)が低下する。一方、3質量%を超えると、重合安定性の低下、貯蔵安定性の低下、ゲル化の原因となる。重合性シランカップリング剤(a−5)の含有量は、好ましくは0.6〜1.2質量%である。
〔反応性乳化剤(a−6)〕
反応性乳化剤(a−6)は、分子内にラジカル重合性二重結合を有している乳化剤であり、共重合体粒子(A)の骨格に組み込まれる。このような反応性乳化剤を用いることにより、共重合体粒子(A)に対して、耐水性を低下させることなく、分散安定性、重合安定性等を付与することができる。また、アルキレンオキサイド鎖を有する反応性乳化剤(a−6)を用いた場合は、塗膜の親水性がさらに向上し、塗膜の防曇性がより向上する。
反応性乳化剤としては、例えば、ラジカル反応性基として不飽和二重結合を、親水基としてポリオキシアルキレン基、スルホン基、硫酸基、リン酸基等を、疎水基としてアルキル基を、一分子中に有する乳化剤が挙げられる。
さらに具体的には、例えば、ビニルスルホン酸、4−ビニルベンゼンスルホン酸、アリルスルホン酸、3−(メタ)アクリロイルオキシプロパンスルホン酸、2−メチルアリルスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエタンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、モノ[2−(メタ)アクリロイルオキシエチル]アシッドホスフェート、アリルアルコールの硫酸エステルおよびこれらの塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン高級脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテルのような各種のポリエーテル鎖を側鎖に有するビニルエーテル類、アリルエーテル類、アクリル酸エステル類、またはメタクリル酸エステル類などが挙げられる。
これらの中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルメタクリレート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルメタクリレートが好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエーテルメタクリレートがより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルメタクリレートとしては、アルキル基の炭素数が8〜18が好ましく、エチレンオキサイドの付加モル数は5〜80モルが好ましい。
反応性乳化剤(a−6)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、反応性乳化剤(a−6)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。市販品の例としては、例えば、FMA−03402、An−LMA−10、An−LMA−20、An−LMA−27(以上、日本乳化剤株式会社製)等が挙げられる。
反応性乳化剤(a−6)の含有量は、(a−1)〜(a−6)の単量体成分の合計量を100質量%として、5〜17.5質量%である。含有量が5質量%未満であると、重合安定性の低下、重合体粒子の分散安定性および貯蔵安定性の低下、防曇性の低下の原因となる。一方、17.5質量%を超えると、塗膜硬度の低下、耐水性の低下の原因となる。反応性乳化剤(a−6)の含有量は、好ましくは10〜15質量%である。
共重合体粒子(A)の重量平均分子量は、100万以上であることが好ましい。この範囲であれば、耐水性、耐候性、耐久性に優れた共重合体粒子を得ることができる。なお、共重合体粒子(A)の重量平均分子量は、GPCにより測定することができる。
共重合体粒子(A)の平均粒子径は、0.05〜0.1μmであることが好ましく、0.06〜0.09μmであることがより好ましい。この範囲であれば、耐久性(耐水性)がより向上する。なお、共重合体粒子(A)の平均粒子径は、レーザ回折法により測定することができる。
本発明の組成物中の共重合体粒子(A)の含有量は、特に制限されないが、組成物全量に対して20〜35質量%であることが好ましく、25〜35質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、求める防曇性、耐水性を保ったまま、ゲル化することなく、安定したエマルジョンを得ることができる。
なお、共重合体粒子(A)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
[乳化剤(B)]
本発明の組成物は、乳化剤(B)を含む。
乳化剤(B)としては、特に制限されず、カチオン性乳化剤、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、または両性乳化剤が挙げられ、界面活性剤類も含む。さらに具体的には、カチオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライド等のアルキルアンモニウム塩および/または4級アンモニウム塩等が挙げられる。アニオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ジアンモニウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸カルシウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム等のアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸アンモニウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩;ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩;脂肪酸ナトリウム、オレイン酸カリウム等の脂肪族カルボン酸塩;ポリオキシアルキレン単位含有硫酸エステル塩(例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸アンモニウム等のポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩等);ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物ナトリウム等のナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩等;ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、モノアルキルスルホコハク酸ジナトリウム等のアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレングリコールエーテル硫酸塩が挙げられる。ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン単位含有エーテル化合物(例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルエーテル化合物;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル化合物;ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル等のポリオキシアルキレン多環フェニルエーテル化合物など);ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレート、ポリオキシエチレンモノオレエート等のポリオキシアルキレンアルキルエステル化合物;ポリオキシエチレンアルキルアミン等のポリオキシアルキレンアルキルアミン化合物;ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート等のソルビタン化合物等が挙げられる。両性乳化剤としては、例えば、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等が挙げられる。
その他、保護コロイド作用を有する化合物、変性ワックス類、高酸価の酸変性化合物、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼイン等、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている水溶性高分子も、本発明に係る乳化剤(B)として好適に用いられる。
これらの中でも、重合安定性、得られたエマルジョンの貯蔵安定性、耐水性の観点から、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩が好ましい。
これら乳化剤(B)は、単独でもまたは2種以上を組み合わせても用いることができる。また、乳化剤(B)は、市販品を用いてもよいし合成品を用いてもよい。市販品の例としては、ニューコール 714−SF、ニューコール 2503−SFL、ニューコール 707−SF、ニューコール 723−SF、ニューコール 2607−SF、ニューコール 2614−SF(以上、日本乳化剤株式会社製)、ハイテノール(登録商標)NF−08、ハイテノール(登録商標)NF−13、ハイテノール(登録商標)NF−17(以上、第一工業製薬株式会社製)等が挙げられる。
本発明の組成物中の乳化剤(B)の含有量は、特に制限されないが、組成物全量に対して、0.6〜1.2質量%であることが好ましく、0.7〜1質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、耐水性を低下させることなく、重合安定性、貯蔵安定性に優れたエマルジョンを得ることができる。
[水性媒体(C)]
本発明に係る水性媒体としては、水が挙げられ、水溶性の有機溶剤も本発明の目的を損なわない範囲で水と併用することができる。
水としては、蒸留水、イオン交換水、純水、および超純水等を用いることができる。
また、水溶性有機溶剤としては、例えば、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ケトン類、エーテル類、エステル類、窒素含有化合物類等を挙げることができる。これらは単独でも2種以上を組み合わせても用いることができる。
上記モノアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、n−ペンタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、n−ノニルアルコール、n−デカノール、またはこれらの異性体、シクロペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。
上記多価アルコール類の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジオール、ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、チオジグリコール等が挙げられる。
上記多価アルコールの低級アルキルエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル等が挙げられる。
上記ケトン類の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等が挙げられる。上記エーテル類の具体例としては、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサン等が挙げられる。上記エステル類の具体例としては、プロピレンカルボネート、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、酪酸エチル、ジブチルフタレート、ジオクチルフタレート、ε−カプロラクトン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。上記窒素含有化合物の具体例としては、尿素、ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、オクチルピロリドン等が挙げられる。
水溶性有機溶剤を含有する場合の含有量は、特に限定されないが、水100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましい。
[共重合体粒子(D)]
本発明の組成物は、さらに共重合体粒子(D)を含むことが好ましい。共重合体粒子(D)は、共重合体粒子(A)よりも疎水性の高い粒子であり、基材や離型剤との親和性がより高い粒子である。これにより、得られる塗膜の耐久性(耐水性)がさらに向上する。また、共重合体粒子(D)を含むことにより、表面に離型剤が塗布されているような基材であっても、離型剤の除去等を行わずにハジキの少ない塗膜を形成することがより容易となる。
共重合体粒子(D)は、(メタ)アクリル酸エステル(d−1)92〜98質量%と、(メタ)アクリル酸(d−2)0.1〜4質量%と、反応性シランカップリング剤(d−3)0.1〜4質量%と(ただし、d−1〜d−3の合計は100質量%である)、を共重合させることにより得られる粒子であることが好ましい。
〔(メタ)アクリル酸エステル(d−1)〕
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、シュウ酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、5−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フタル酸モノヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、マレイン酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、マレイン酸ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフタル酸モノヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレ−ト、アセトニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−トアセチルアセテート、アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、耐薬品性、耐候性、塗膜硬度のバランス、他モノマーとの重合速度の観点から、メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、tert−ブチルメタクリレートが好ましい。
これら(メタ)アクリル酸エステル(d−1)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いられ、好ましくは2種以上用いる。また、(メタ)アクリル酸エステル(d−1)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。
(メタ)アクリル酸エステル(d−1)の含有量は、(d−1)〜(d−3)の単量体成分の合計量を100質量%として、92〜98質量%であることが好ましく、95〜98質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、重合安定性に優れ、求めている塗膜硬度を得ることができる。
〔(メタ)アクリル酸(d−2)〕
(d−2)成分としては、アクリル酸またはメタクリル酸をそれぞれ単独で用いてもよいし、併用してもよい。好ましくはアクリル酸である。
(メタ)アクリル酸(d−2)の含有量は、(d−1)〜(d−3)の単量体成分の合計量を100質量%として、0.1〜4質量%であることが好ましく、1.5〜2質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、重合安定性に影響を及ぼすことなく、塗面に対する密着性を向上させることができる。
〔重合性シランカップリング剤(d−3)〕
重合性シランカップリング剤(d−3)の具体的な例は、上記〔重合性シランカップリング剤(a−5)〕の項で例示した化合物と同様であるので、ここでは説明を省略する。
重合性シランカップリング剤(d−3)は、他モノマーとの重合安定性の観点から、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好ましい。
重合性シランカップリング剤(d−3)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。また、重合性シランカップリング剤(d−3)は市販品を用いてもよいし、合成品を用いてもよい。市販品の例としては、KBM−1003、KBE−1003、KBM−1403、KBM−502、KBM−503、KBE−502、KBE−503(以上、信越化学工業株式会社製)が挙げられる。
重合性シランカップリング剤(d−3)の含有量は、(d−1)〜(d−3)の単量体成分の合計量を100質量%として、0.1〜4質量%であることが好ましく、0.6〜1.2質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、塗面との密着性が向上し、耐水性を向上させることができる。
共重合体粒子(D)の重量平均分子量は、100万以上であることが好ましい。なお、共重合体粒子(D)の重量平均分子量は、GPCにより測定することができる。
共重合体粒子(D)の平均粒子径は、0.1〜0.2μmであることが好ましく、0.1〜0.15μmであることがより好ましい。この範囲であれば、塗膜の下部、すなわち基材や基材表面の離型剤に近い位置に共重合体粒子(D)が存在しやすくなり、基材や離型剤との密着性がより高くなり、塗膜の耐久性(耐水性)をより向上させることができる。また、共重合体粒子(D)の隙間に、粒子径の小さな共重合体粒子(A)が入り込み、2つの粒子が密に充填されているような形態となり、防曇性および耐久性(耐水性)がさらに向上する。なお、共重合体粒子(D)の平均粒子径は、レーザ回折法により測定することができる。
本発明の組成物中の共重合体粒子(D)の含有量は、特に制限されないが、組成物全量に対して30〜50質量%であることが好ましく、45〜55質量%であることがより好ましい。この範囲であれば、重合安定性、耐久性、貯蔵安定性に優れたエマルジョンを得ることができる。
また、本発明の組成物中の共重合体粒子(A)と共重合体粒子(D)との含有量の比は、共重合体粒子(A):共重合体粒子(D)=40:60〜60:40(質量比)とすることが好ましく、45:55〜55:45(質量比)とすることがより好ましい。この範囲であれば、防曇性および耐久性(耐水性)がより向上する。また、表面に離型剤が塗布されているような基材であっても、離型剤の除去等を行わずにハジキの少ない塗膜を形成することがさらに容易となる。
なお、共重合体粒子(D)は、単独でもまたは2種以上組み合わせても用いることができる。
本発明の塗料用エマルジョン組成物は、上記成分の他に、必要に応じて、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機または有機フィラー、顔料、染料、増粘剤、分散剤、レベリング剤、防腐剤、防カビ剤、防錆剤等をさらに含有することができる。
[塗料用エマルジョン組成物の製造方法]
本発明の塗料用エマルジョン組成物の製造方法は、特に制限されず、例えば、重合開始剤および乳化剤の存在下、水性媒体中で、単量体(a−1)〜(a−6)を含む単量体成分を乳化重合させる方法が挙げられる。乳化重合としては、(1)単量体成分を乳化剤および水性媒体中に滴下しながら重合を行う方法(単量体滴下法);(2)原料(単量体成分、乳化剤、および水性媒体)の全量を混合したものから一括で重合を行う方法(単量体一括仕込み法);(3)原料のうちの一部(単量体成分のうちの1種または2種以上等、乳化剤、水性媒体、および重合開始剤)を用いてプレ重合しシードエマルジョンを製造した後、シードエマルジョンへ残りの原料を添加して乳化重合を行う方法(シードエマルジョン法);等が挙げられる。中でも、所望の粒子径を得やすいという観点から、共重合体粒子(A)を得る方法としては、上記(2)の方法が好ましい。
また、本発明の組成物が共重合体粒子(D)を含む場合、所望の粒子径を得やすいという観点から、共重合体粒子(D)を得る方法としては、上記(3)の方法が好ましい。
乳化重合時に使用する重合開始剤としては、熱または還元性物質などによりラジカル分解して単量体成分の重合を起こさせるものであれば特に制限されず、水溶性または油溶性の過硫酸塩、過酸化物、アゾビス化合物等を使用できる。具体的な例としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイト、ベンゾイルパーオキサイド、o−メトキシベンゾイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物;2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリックアシッド)、2,2’−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)−プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、メチルプロパンイソ酪酸ジメチル等が挙げられる。過硫酸塩または過酸化物は、還元剤と組み合わせてレドックス系重合開始剤を形成してもよい。還元剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、ロンガリット等が挙げられる。
これら重合開始剤および還元剤は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合開始剤の添加量は、単量体成分の合計質量100質量部に対して、好ましくは0.05〜5質量部、より好ましくは0.08〜3質量部である。このような量の重合開始剤存在下であれば、単量体成分を十分重合できる。
また、使用できる乳化剤としては、上記[乳化剤(B)]の項で挙げた乳化剤が挙げられ、使用できる水性媒体としては、上記[水性媒体(C)]の項で挙げた水性媒体が挙げられる。
(2)の方法の場合、乳化重合の反応温度は、重合が起こりうる温度であれば、限定はされないが、好ましくは70〜80℃である。また、乳化重合の反応時間は、好ましくは5〜7時間である。
(3)の方法の場合、原料全量を混合したプレエマルジョンの好ましくは1〜3質量%を重合系に先仕込みし、好ましくは重合温度75〜85℃で、好ましくは0.25〜1.0時間の乳化重合を行い、シードエマルジョンを製造することが好ましい。その後、残りのプレエマルジョン好ましくは97〜99質量%を、好ましくは75〜85℃の温度条件下、好ましくは2〜6時間かけて重合系に添加し、乳化重合を行うことが好ましい。
プレエマルジョン添加終了後、系内の温度を75〜85℃として、熟成を行い、未反応単量体の削減、消去等を行うことが好ましい。所定の熟成温度に達した後、1〜3時間程度熟成を行い、必要であれば、重合開始剤、イオン交換水等を追添加してさらに熟成を継続してもよい。
(2)の方法および(3)の方法では、乳化重合または熟成終了後に冷却を行う。冷却後、酸性官能基の全部または一部を、塩基性化合物で中和することができる。該塩基性化合物としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類、2−ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルカノールアミン類、モルホリン等が挙げられる。
さらに必要に応じて、100〜250メッシュのろ過網を使用してろ過し、目的とするエマルジョン組成物を得ることができる。
乳化重合時には、メルカプタン類等の連鎖移動剤、炭酸ナトリウム等のpH調整剤、各種消泡剤等の他の添加剤を使用してもよい。その他の添加剤を添加する場合は、初期に一括添加してもよいし、連続的に添加してもよいし、その一部を重合中に連続または分割して添加してもよい。
共重合体粒子(A)と共重合体粒子(D)とを含む本発明の組成物を得る場合は、共重合体粒子(A)を含むエマルジョンと共重合体粒子(D)を含むエマルジョンとを、所望の共重合体粒子(A)と共重合体粒子(D)との含有量比になるように混合すればよい。
本発明の塗料用エマルジョン組成物は、防曇塗料、汚染防止塗料などの塗料に好適に使用することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の実施例により何ら制限されるものではない。
(実施例1)
下記に示す単量体成分(a−1)〜(a−6)、乳化剤(B)、水性媒体(C)、および重合開始剤を準備した。
攪拌棒、温度計、窒素導入管、およびコンデンサを備えたフラスコに、上記原料の全量を仕込み、系内を窒素置換し、70℃まで昇温した。その後、窒素雰囲気下、75℃で6時間重合を行った。
重合終了後、30℃まで冷却し、200メッシュのろ過網を用いてろ過することにより、共重合体粒子(A)を含むエマルジョン(A)を得た。GPCを用いて測定した共重合体粒子(A)の重量平均分子量は158万であった。
(実施例2)
共重合体粒子(D)の原料として、下記に示す単量体成分(d−1)〜(d−3)、乳化剤、水性媒体、および重合開始剤を準備した。
上記の原料をフラスコ中で混合し、プレエマルジョン 319.0gを得た。そのうち、3.19g(プレエマルジョン全量に対して1質量%)を、イオン交換水100mlが入っており、攪拌棒、温度計、窒素導入管、およびコンデンサが備えられている500mlフラスコに仕込み、系内を窒素置換し、80℃まで昇温した。その後、窒素雰囲気下、80℃で0.5時間の初期重合を行った。
初期重合終了後、残りのプレエマルジョン 315.81gを、80℃で3時間かけて滴下しながら重合を行った。滴下終了後、80℃で1時間熟成を行った。熟成後、30℃まで冷却し、29質量%のアンモニア水1.5gを加えて中和し、pHを8.0とした。その後、100メッシュのろ過網を用いてろ過することにより、共重合体粒子(D)を含むエマルジョン(D)を得た。GPCを用いて測定した共重合体粒子(D)の重量平均分子量は110万であった。
このようにして得られたエマルジョン(D)と、実施例1と同様の方法で得られたエマルジョン(A)とを、共重合体粒子(A):共重合体粒子(D)=1:1(質量比)となるように混合し、目的とするエマルジョンを得た。
(比較例1)
架橋剤(a−4)および重合性シランカップリング剤(a−5)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、共重合体粒子を含むエマルジョンを得た。GPCを用いて測定した共重合体粒子の重量平均分子量は88万であった。
(比較例2)
重合性シランカップリング剤(a−5)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、共重合体粒子を含むエマルジョンを得た。GPCを用いて測定した共重合体粒子の重量平均分子量は112万であった。
(比較例3)
架橋剤(a−4)を用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、共重合体粒子を含むエマルジョンを得た。GPCを用いて測定した共重合体粒子の重量平均分子量は90万であった。
(評価)
[重合安定性]
重合安定性は、乳化重合終了後、エマルジョンを200メッシュのナイロン網でろ過し、(濾過残渣質量/エマルジョン中の固形分質量)の百分率で表した。したがって、この数値が小さいほど、重合安定性が良好であると言える。
[重合安定性]
重合転化率は、(エマルジョン固形分/理論エマルジョン不揮発分)の百分率により算出した。
[平均粒子径]
エマルジョン中の共重合体粒子の平均粒子径は、株式会社堀場製作所製 散乱式粒子径分布測定装置 LA−950により測定した。
[透明性]
得られたエマルジョンをポリカーボネート板上に5mil(127μm)の膜厚で塗布し、110℃の乾燥機にて10分間乾燥した後、室温(25℃)で24時間静置した。得られた塗膜を目視で観察した。塗布していない部分と同じであれば○、塗布していない部分よりやや曇っていれば△、全く先が見えなければ×とした。△以上であれば、実用可能である。
[防曇性(呼気試験)]
得られたエマルジョンをポリカーボネート板上に2mil(50.8μm)の膜厚で塗布し、110℃の乾燥機にて10分間乾燥した後、室温(25℃)で24時間静置した。得られた塗膜に対して25℃で呼気を吹きかけ、曇り具合を目視で観察した。曇らなければ○、曇ってもすぐに曇りが取れれば△、塗布していない部分と同様の曇りがあれば×とした。△以上であれば、実用可能である。
また、下記の耐水性試験後の塗膜に対しても、上記と同様の呼気試験を行った。
[耐水性試験]
得られたエマルジョンをポリカーボネート板上に5mil(127μm)の膜厚で塗布し、110℃の乾燥機にて10分間乾燥した後、室温(25℃)で24時間静置した。得られた塗膜付きポリカーボネート板を、25℃の恒温槽に1週間浸漬し、塗膜の状態を目視で観察した。塗膜に変化がなければ◎、塗膜に少し白化が見られれば○、塗膜に白化が見られれば△、本試験中に剥離や溶解が見られれば×とした。△以上であれば、実用可能である。
[光沢度試験(耐候性試験)]
得られたエマルジョンをポリカーボネート板上に5mil(127μm)の膜厚で塗布し、110℃の乾燥機にて10分間乾燥した後、室温(25℃)で24時間静置した。この塗膜について、株式会社堀場製作所製 光沢度測定器(製品名:GLOSS CHECKER IG−331)を使用して、入射角60°の場合と入射角20°の場合の光沢度を測定し、これを「耐水性試験前光沢度」とした。
次に、上記の耐水性試験を行った後、上記と同様にして光沢度を測定し、これを「耐水性試験後光沢度」とした。
[塗膜のハジキ]
ポリカーボネート製のテストピース上に、離型剤(信越化学工業株式会社製、KM−860A)をスプレー塗布し、110℃の乾燥機で30分間乾燥した後、室温(25℃)まで放冷した。その後、ポリカーボネート製のテストピースの離型剤上に、エマルジョンを10mil(254μm)の膜厚で塗布し、110℃の乾燥機にて10分間乾燥した後、室温(25℃)で24時間静置した。得られた塗膜を目視で観察した。ハジキが見られず、平滑な塗膜が得られれば○、ややハジキが見られるが、塗膜として塗れていれば△、ハジキにより塗膜にムラが見られれば×とした。△以上であれば、実用可能である。
[塗膜硬度]
得られたエマルジョンをガラス板上に5mil(127μm)の膜厚で塗布し、110℃の乾燥機にて10分間乾燥した後、室温(25℃)で24時間静置した。得られた塗膜の硬度を、ケーニッヒペンドラム式硬度計で測定した。
実施例および比較例の処方および評価結果を、下記表3に示す。
上記表3の実施例ならびに比較例から明らかなように、実施例の塗料用エマルジョン組成物から得られる塗膜は、比較例の組成物から得られる塗膜と比べて、防曇性と共に耐水性に優れ、ハジキも抑制され、強度が向上することが分かった。特に、共重合体粒子(D)をさらに含む実施例2の組成物から得られた塗膜は、耐水性がさらに向上し、ハジキがより抑えられ、塗膜の強度がさらに向上することが分かった。

Claims (3)

  1. 下記化学式(1):
    前記化学式(1)中、
    は、水素原子またはメチル基であり、
    は、水素原子、または置換されているかもしくは非置換の炭素数1〜5の直鎖状、分枝状、もしくは環状のアルキル基であり、
    は炭素数2〜4の直鎖状または分枝状のアルキレン基であり、
    n1は8〜30の整数である;
    で表される単量体(a−1)20〜45質量%と、
    ホモポリマーとしたときのガラス転移温度(Tg)が50℃以上120℃以下である単量体(a−2)40〜55質量%と、
    重合性光安定剤(a−3)0.1〜3質量%と、
    架橋剤(a−4)0.1〜3質量%と、
    反応性シランカップリング剤(a−5)0.1〜3質量%と、
    反応性乳化剤(a−6)5〜17.5質量%と、
    (ただし、a−1〜a−6の合計は100質量%である)
    を共重合させることにより得られる共重合体粒子(A)、
    乳化剤(B)、
    および水性媒体(C)を含む、塗料用エマルジョン組成物。
  2. 前記化学式(1)で表される単量体は、下記化学式(2)で表される単量体および下記化学式(3)で表される単量体の少なくとも一方である、請求項1に記載の塗料用エマルジョン組成物:
    前記化学式(2)中、n2は8〜20の整数である;
    前記化学式(3)中、n3は8〜30の整数である。
  3. (メタ)アクリル酸エステル(d−1)92〜98質量%と、
    (メタ)アクリル酸(d−2)0.1〜4質量%と、
    反応性シランカップリング剤(d−3)0.1〜4質量%と、
    (ただし、d−1〜d−3の合計は100質量%である)
    を共重合させることにより得られる共重合体粒子(D)をさらに含む、請求項1または2に記載の塗料用エマルジョン組成物。
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