JP2016069472A - 粘着テープまたはシート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 粘着剤層表面の4〜60%が比重1.0未満の微粒子で覆われていることを特徴とする、粘着テープまたはシート。
【選択図】なし
Description
前記微粒子の平均粒径は、好ましくは1μm〜80μmであり、より好ましくは10μm〜80μmであり、さらにより好ましくは15μm〜50μmである。
前記微粒子は中空微粒子であってもよく、その耐圧強度は1MPa以上であることが好ましく、20MPa以上であることがより好ましい。
前記粘着剤層表面にセパレーターを配置し、ロール状に巻回した粘着テープまたはシートであってもよい。
1 本発明に係る粘着テープまたはシートの構成
1−1 全体の構成
1−2 各部の構成
2 本発明に係る粘着テープまたはシートの製造方法
3 本発明に係る粘着テープまたはシートの性質
4 本発明に係る粘着テープまたはシートの用途
<全体の構成>
本発明に係る粘着テープまたはシートは、粘着剤層表面の4〜60%、好適には8〜45%、より好適には10〜35%が比重1.0未満の微粒子で覆われていることを特徴とする。すなわち、基材上に粘着剤層を有する粘着テープ又はシートであり、粘着剤層表面の4〜60%が比重1.0未満の微粒子で覆われている。また、前記粘着剤層表面にセパレーターを配置し、ロール状に巻回した粘着テープまたはシートであってもよい。
(基材)
基材としては特に限定されず、粘着テープまたはシートに用いられる公知の基材を用いることができる。例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンプロピレン共重合体、エチレンブテン‐1共重合体、エチレンオクテン共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアルコール共重合体等のポリオレフィン系材料、ポリビニルアルコール系材料、ポリメチルメタクリレート等のアクリル系材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系材料、ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド系材料、構造内に亜鉛、ナトリウム等の金属イオンをもつ各種アイオノマー系材料、ポリスチレン、スチレンイソプレン共重合体、スチレンブタジエン共重合体等のスチレン系材料、ポリウレタン系材料、塩ビ系材料、フッ素系材料、アセテート、セロファン等のセルロース系材料、レーヨン、綿等、アルミ、銅、銀、金、スズ、ステンレス等の金属等、各種材料が挙げられる。これらを1種又は2種以上、積層あるいはラミネートしてもよい。
・粘着剤
本発明に係る粘着剤層を形成する粘着剤は特に限定されるものではない。公知の粘着剤を用いることができ、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤、その他の合成樹脂を含有する粘着剤などが挙げられる。形成方法も特に限定されず、公知の粘着剤層の形成方法を利用して形成することができる。粘着剤層の厚みについても、特に制限されず、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
本発明に係る支持体、粘着剤、剥離セパレーターの各層に対し、老化防止剤、紫外線吸収剤、軟化剤、充填剤、難燃剤、導電剤、発泡剤等の公知の添加剤を添加することができる。
本発明に係る微粒子は、比重1.0未満の微粒子であれば特に限定されず、公知の微粒子を用いることができる。下限値は特に限定されないが、例えば0.01である。例えば、ガラスなどの無機微粒子;ポリプロピレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリエステル、ポリオレフィンなどの有機微粒子;アクリル、スチレン、ナイロンなどの樹脂微粒子;無機−有機微粒子などが挙げられる。微粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。粘着テープまたはシートへの微粒子の塗布方法も特に限定されず、適宜の微粒子を粘着剤層表面に塗布する、微粒子を塗布したセパレーターを粘着剤層表面に貼り合わせる等、目的や使用方法などに応じて適宜選択することができる。
本発明に係る粘着テープまたはシートは、粘着剤層表面にセパレーターを配置し、ロール状に巻回した場合がある。セパレーターとしては特に限定されず、公知のセパレーターを用いることができる。例えばクラフト紙、ポリエチレンラミネート紙、グラシン紙等の加工紙や各種フィルムなどが挙げられる。
本実施形態に係る粘着テープ又はシートの製造方法について以下に述べるが、いずれも例示であり、本発明に係る粘着テープまたはシートの製造方法は、これに限定されるものではなく、公知の製造方法を用いることができる。
(粘着剤の塗布)
セパレーターに適宜の粘着剤を塗布し、恒温槽で乾燥する。塗布量は特に限定されず、例えば、乾燥後厚さ50μmになるように塗布する。乾燥温度、時間も特に限定されず、例えば、100℃×3分乾燥する。
室温で基材とラミネートし、微粒子で覆われていない粘着テープAを作製する。
適宜の微粒子をメタノール等に分散して撹拌後、前記微粒子で覆われていない粘着テープAのセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させる。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせて本実施形態に係る粘着テープが完成する。
本発明に係る粘着テープまたはシートは、粘着剤層表面の4〜60%が比重1.0未満の微粒子で覆われていることで、経時安定性に優れ、貼付時のエア抜け性、位置決め性が良く、貼付時に強く圧着すれば、しっかりと被着体に着く性質を有する。
上記各性質については、以下の方法により評価することができる。
サンプルを10cm×10cmに裁断し、上下をガラス板で挟みこみ、ガラス板上部に1kgの荷重をかけて、40℃×75%RHに静置し、初期から1週間毎に経時変化を評価する。
約1cmφの窪んだ鋼板に対して、5cm×5cmのテープサンプルで窪みを覆うようにして窪みの周囲を指で押さえつけて貼付した後、窪みを上から指で押さえて、テープと窪みの間のエアが抜けるかどうかを目視で確認する。
鋼板の上にテープを置き、軽く指でなぞった後、位置をずらすことができるかを評価する。
・プローブタック
JIS Z 0237(1991)に参考として記載されているプローブタック試験法に準拠して、温度25℃、50%RHの雰囲気下で、NSプローブタックテスター(ニチバン株式会社製)を使用して、円柱状接触子(プローブ)の直径:5mm、押圧力:0.98N/Cm2、接触時間:1秒間、引剥速度:10mm/秒の条件下で測定する。
二週間経時したサンプルを、セパレーターを貼ったまま指で強く押して微粒子を粘着剤にめり込ませてから、セパレーターを剥がしてプローブタックを測定する。
本発明に係る粘着テープまたはシートの用途としては、特に限定されるものではないが、例えば、表面保護用粘着シート、包装用粘着テープ、装飾用粘着シート、電気絶縁用粘着テープ、結束用粘着テープ、両面粘着テープ、粘着テープ型医薬品、医療用粘着テープ等の種々の用途に適用することができる。
粘着剤1:アクリル系粘着剤(イソシアネート架橋、粘弾性高(貯蔵弾性率G’=161,000Pa、23℃、1Hzで測定、以下同じ。)、溶剤タイプ)
粘着剤2:アクリル系粘着剤(エポキシ架橋、粘弾性低(貯蔵弾性率G’=32,500Pa)、溶剤タイプ)
粘着剤3:ゴム系粘着剤(スチレンブタジエンゴム系、溶剤タイプ)
中空微粒子2:商品名Sphericel 60P18 ポッターズ・バロティーニ(株)製、中空ガラスビーズ、比重0.60、平均粒径18μm、耐圧強度55MPa
中実微粒子1:商品名Ceridust 6050m クラリアントジャパン(株)製の、ポリプロピレンパウダー、比重0.90、平均粒径2.5μm
中実微粒子2:商品名 アエロジルR974 日本アエロジル(株)製のアモルファスシリカパウダー、比重2.20、平均粒径0.0012μm
中実微粒子3:商品名 テクポリマーMBX−20 積水化成品工業(株)製のポリメタクリル酸メチルパウダー、比重1.20、平均粒径20μm
中実微粒子4:商品名 テクポリマーMBX−40 積水化成品工業(株)製のポリメタクリル酸メチルパウダー、比重1.20、平均粒径40μm
セパレーター:商品名セパレート110EPS 王子特殊紙(株)製、シリコン処理ポリエチレンラミネート紙
粘着テープ1:セパレーターに粘着剤1を乾燥後厚さ50μmになるように塗布し、恒温槽で100℃×3分乾燥後、室温で基材とラミネートし、粘着テープを作製した。
中空微粒子1をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の12.3%が微粒子で覆われていることを確認した。図1は、実施例1に係る粘着テープの粘着剤層表面の、ビデオマイクロスコープでの写真である。
中空微粒子1をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて実施例1より薄めに塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の8.3%が微粒子で覆われていることを確認した。粘着剤層表面の8.3%が微粒子で覆われている以外は、実施例1と同じである。
中空微粒子2をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の23.5%が微粒子で覆われていることを確認した。
中空微粒子1をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ2のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。
乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の18.9%が微粒子で覆われていることを確認した。
中空微粒子1をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ3のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の54.0%が微粒子で覆われていることを確認した。
中実微粒子1(比重0.90)をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の37.3%が微粒子で覆われていることを確認した。
中空微粒子1をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて実施例2より薄めに塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の3.3%が微粒子で覆われていることを確認した。粘着剤層表面の3.3%が微粒子で覆われている以外は、実施例1、実施例2と同じである。
中実微粒子2(比重2.20)をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の48.8%が微粒子で覆われていることを確認した。
中実微粒子3(比重1.20)をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の12.0%が微粒子で覆われていることを確認した。
中実微粒子4(比重1.20)をメタノールに分散して撹拌後、粘着テープ1のセパレーターを剥がした粘着剤層表面にアプリケーターを用いて塗布し、恒温槽で60℃×5分乾燥させた。乾燥後、粘着剤層表面にセパレーターを貼り合わせてサンプルとした。ビデオマイクロスコープによる観察を行い、粘着剤層表面の4.1%が微粒子で覆われていることを確認した。
前述の評価方法により、実施例及び比較例を評価した。表1に実施例の評価結果、表2に比較例の評価結果をまとめた。エア抜け性の評価基準については、○:きれいにエアが抜ける、△:テープが剥がれながらエアが抜ける、×:エアが抜けない、とした。位置決め性の評価基準については、○:簡単にずらせる、△:引っ付きながらだが、ずらす事が可能、×:ずらすことが難しい、とした。
Claims (5)
- 粘着剤層表面の4〜60%が比重1.0未満の微粒子で覆われていることを特徴とする、
粘着テープまたはシート。 - 前記微粒子の平均粒径が10μm〜80μmである請求項1に記載の粘着テープまたはシート。
- 前記微粒子が中空微粒子である請求項1または2に記載の粘着テープまたはシート。
- 前記中空微粒子の耐圧強度が1MPa以上である請求項3に記載の粘着テープまたはシート。
- 前記粘着剤層表面にセパレーターを配置し、ロール状に巻回した請求項1〜4のいずれかに記載の粘着テープまたはシート。
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