本発明の粘着テープは、発泡体基材(A)の少なくとも一方の面(a)側に2以上の粘着部(B)を有する粘着テープであって、前記2以上の粘着部(B)の間には粘着部(B)を有しない領域が存在し、前記領域が前記粘着テープの端部に通じたものであることを特徴とする。
本発明の粘着テープの具体的な実施態様としては、前記発泡体基材(A)の少なくとも一方の面(a)側に、直接、2以上の粘着部(B)を有する粘着テープ、または、前記発泡体基材(A)の少なくとも一方の面(a)側に、その他の層を介して、前記粘着部(B)を有する粘着テープが挙げられる。
前記粘着テープとして両面粘着テープを使用する場合、前記発泡体基材(A)の両方の面(a)側に前記特定の粘着部(B)を2以上有し、前記2以上の粘着部(B)の間には粘着部(B)を有しない領域が存在し、前記領域が前記粘着テープの端部に通じた構成を有する両面粘着テープ、または、前記発泡体基材(A)の一方の面(a)側に前記特定の粘着部(B)を2以上有し、前記2以上の粘着部(B)の間には粘着部(B)を有しない領域が存在し、前記領域が前記粘着テープの端部に通じた構成を有し、かつ、前記発泡体基材(A)の他方の面側には、その全面に粘着層を有する両面粘着テープを使用することができる。
前記2以上の粘着部(B)の間には、前記粘着部(B)を構成する成分が存在しない、または、粘着性を奏しない程度に存在してもよい領域がある。そのため、本発明の粘着テープを側面方向から観察した場合には、前記発泡体基材(A)の面(a)に対して前記粘着部(B)が凸形状を形成していることが観察される。
また、本発明の粘着テープは、前記2以上の粘着部(B)の間の粘着部(B)を有しない領域が、粘着テープの端部(外縁部)の一部に通じた構成を有する。前記構成を有する粘着テープを使用することによって、粘着テープを被着体へ貼付する際に、気泡が前記領域を通じて、粘着テープと被着体との界面から外部へ抜けるため、粘着テープの膨れ等に起因した外観不良を防止でき、かつ、優れた熱伝導性や接着力等を保持することができる。
本発明の粘着テープとしては、総厚さ300μm以下であるものを使用することが好ましく、50μm〜250μmであるものを使用することがより好ましく、50μm〜200μmであるものを使用することがさらに好ましく、50μm〜100μmであるものを使用することが、例えば携帯電子端末等の薄型化に貢献するうえで特に好ましい。なお、前記粘着テープの総厚さは、JIS K6783にしたがい、ダイヤルゲージを用いた方法で、ダイヤルゲージの接触面が平面、その径が5mm及び荷重が1.23Nである条件で測定された粘着テープの厚さを指し、剥離ライナーの厚さを含むものではない。上記厚さは、例えば、テスター産業製の厚さ計TH−102等で測定することができる。
本発明の粘着テープとしては、1N/20mm〜12N/20mmの接着力を有するものを使用することが好ましく、1.5N/20mm〜10N/20mmの接着力を有するものを使用することがより好ましく、3N/20mm〜8N/20mmの接着力を有するものを使用することが、薄型で、かつ、一部に穴等を設けない場合であっても、被着体と粘着テープとの界面から気泡が除去されやすく、かつ、優れた接着力を備えた粘着テープを得るうえで好ましい。一方、より一層優れた接着性が求められる場合には、前記粘着テープとしては、4N/20mm〜10N/20mmの接着力を有するものを使用することがより好ましく、4.5N/20mm〜8N/20mmの接着力を有するものを使用することがより好ましい。
なお、前記接着力はJISZ0237に準じて測定される値をさす。具体的には、前記接着力は、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちされた粘着テープの粘着部(B)を有する面と、清潔で平滑なステンレス板(BA板)とを重ね、その上面を、2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、23℃及び50%RHの条件下で1時間または24時間放置した後、180°方向に0.3m/minの速度で前記粘着テープを引き剥がすことによって測定された値である。なお、前記裏打ちは、前記粘着部(B)を有しない表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部(B)を有する面に対して行わないようにした。また、前記粘着テープが両面に前記粘着部(B)を有するものである場合には、そのいずれか一方の粘着部(B)を有する面を裏打ちした。
本発明の粘着テープとしては、薄型であっても被着体や発泡体基材(A)の反発力等に起因した経時的な剥がれや部品の脱落等を防止でき、とりわけ比較的高温下で使用された場合であっても上記剥がれ等を防止するうえで、接着保持力が2mm以下であるものを使用することが好ましく、0.5mm以下であるものを使用することがより好ましく、0.1mm以下であるものを使用することがさらに好ましい。
なお、前記接着保持力はJISZ0237に準じて測定される値を指す。具体的には、前記接着保持力は、厚さ50μmのアルミニウム箔で裏打ちされた粘着テープの粘着部(B)を有する面と、清潔で平滑なステンレス板(ヘアライン)とを重ね、その上面で2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置したものを試験片とする。次に、100℃の環境下に、前記試験片を構成するステンレス板を垂直方向に固定し、前記試験片を構成する粘着テープの下端部に100gの荷重をかけた状態で24時間放置した後の、前記ステンレス板と粘着テープとのズレ距離をノギスで測定することによって得られた値である。
[発泡体基材(A)]
本発明の粘着テープを構成する発泡体基材(A)としては、250μm以下、好ましくは50μm〜250μm、より好ましくは100μm〜150μmの厚さのものを使用することができる。前記範囲の厚さを有する発泡体基材(A)を使用することによって、粘着テープを薄型化できる。また、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても、前記粘着部(B)を有する面と被着体との界面から気泡を容易に除去することができ、その結果、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、熱伝導性や接着力等の性能低下をより効果的に防止できるためより好ましい。
前記発泡体基材(A)としては、25%圧縮強度が10kPa以上であるものを使用することが好ましく、10kPa〜300kPaであるものを使用することがより好ましく、10kPa〜200kPaであるものを使用することがより好ましく、30kPa〜180kPaであるものを使用することがさらに好ましく、50kPa〜150kPaであるものを使用することが、被着体に対する好適な追従性を備えた粘着テープを得るうえで特に好ましい。
前記発泡体基材(A)としては、例えば発泡した樹脂からなるシート状のものを使用することができる。
前記発泡体基材(A)としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等を含むポリオレフィン系発泡体、ポリウレタン系発泡体、アクリル系ゴムやその他のエラストマー等を含むゴム系発泡体等を使用することができる。なかでも、前記発泡体基材(A)としては、被着体の表面凹凸への追従性や緩衝吸収性などに優れた薄い独立気泡構造の発泡体基材を作製しやすいポリオレフィン系発泡体を使用することが好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体としては、ポリエチレンを用いたものを使用することが、比較的均一な厚さの発泡体を製造しやすく、好適な柔軟性を備えるため好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体としては、その製造に使用するポリオレフィン系樹脂の全量に対してポリエチレンを40質量%以上含有するものを使用することが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、60質量%以上であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られる分子量分布の狭いポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。また、前記方法で得られるポリエチレン系樹脂は、いずれの分子量を有するポリエチレン系樹脂であっても、その共重合成分の共重合割合をほぼ等しく調整することができ、その結果、ほぼ均一に架橋されたポリオレフィン系発泡体を得ることができる。前記ほぼ均一に架橋されたポリオレフィン系発泡体は、延伸させやすく、また、その厚さを全体的に均一なものとしやすい。
前記ポリオレフィン系樹脂には、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂以外のポリオレフィン系樹脂が含有されていてもよい。このようなポリオレフィン系樹脂としては、上記以外のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などが挙げられる。なお、ポリオレフィン系樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
前記ポリエチレン系樹脂としては、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−α−オレフィン共重合体、エチレンを50質量%以上含有するエチレン−酢酸ビニル共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。エチレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
上記ポリプロピレン系樹脂としては、特には限定されず、例えば、ポリプロピレン、プロピレンを50質量%以上含有するプロピレン−α−オレフィン共重合体などが挙げられ、これらは単独で使用されても二種以上が併用されてもよい。プロピレン−α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテンなどが挙げられる。
ポリオレフィン系発泡体は架橋されていてもよい。発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを熱分解型発泡剤で発泡させることによってポリオレフィン系発泡体を製造する場合、予め架橋されたポリオレフィン系樹脂シートを使用することが好ましい。架橋度は、発泡体基材を延伸する際に発泡シートの表面近傍部の気泡が破泡して表面荒れを引き起こすことを防止し、粘着剤層の密着性の低下を抑制するとともに、耐衝撃性や振動特性に優れた両面粘着テープを得るうえで5質量%〜60質量%が好ましく、10質量%〜55質量%がより好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体の製造方法としては、特に限定されず、例えば、重合触媒として四価の遷移金属を含むメタロセン化合物を用いて得られたポリエチレン系樹脂を40質量%以上含有するポリオレフィン系樹脂及び熱分解型発泡剤と発泡助剤、発泡体を黒色や白色などに着色するための着色剤を含有する発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練し、押出機からシート状に押出すことによって発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを製造する工程と、この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを架橋させる工程と、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる工程と、得られた発泡シートを溶融又は軟化させ、流れ方向或いは幅方向の何れか一方又は双方の方向に向かって延伸させて発泡シートを延伸する工程を含有する方法が挙げられる。なお、発泡シートを延伸する工程は必要に応じて行われればよく、複数回行われてもよい。
前記ポリオレフィン系樹脂発泡体を架橋させる方法としては、例えば、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに電離性放射線を照射する方法、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物に予め有機過酸化物を配合しておき、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを加熱して有機過酸化物を分解させる方法などが挙げられ、これらの方法は併用されてもよい。
電離性放射線としては、電子線、α線、β線、γ線などが挙げられる。電離性放射線の線量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材のゲル分率が前記の好ましい範囲になるように適宜調整されるが、5kGy〜200kGyの範囲が好ましい。また、電離性放射線の照射は、均一な発泡状態を得やすいことから、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの両面に照射するのが好ましく、両面に照射する線量を同じにするのがより好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)オクタン、n−ブチル−4,4−ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ベンゾイルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネートなどが挙げられ、これらは単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
有機過酸化物の添加量は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの架橋を十分に行うとともに、得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡シート中に有機過酸化物の分解残渣が残留することを抑制するうえで、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対し、0.01質量部〜5質量部の範囲であることが好ましく、0.1質量部〜3質量部の範囲であることがより好ましい。
発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物中における熱分解型発泡剤の添加量は、ポリオレフィン系樹脂発泡体基材の発泡倍率に応じて適宜決定してよいが、所定の発泡倍率を付与し引張強度及び圧縮回復性に優れた両面粘着テープを得るうえで、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して1質量部〜40質量部の範囲であることが好ましく、1質量部〜30質量部の範囲であることがより好ましい。
発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させる方法としては、特には限定されず、例えば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などが挙げられ、これらを併用してもよい。なかでも熱風により加熱する方法や赤外線により加熱する方法が、ポリオレフィン系発泡体の表面の外観に、表裏での差異が少ないので好ましい。
前記ポリオレフィン系発泡体の延伸は、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させて発泡体基材を得た後に行ってもよいし、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させつつ行ってもよい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡させてポリオレフィン系発泡体を得た後、それを延伸する場合には、ポリオレフィン系発泡体を冷却することなく発泡の際の溶融状態を維持したまま続けて発泡体基材を延伸してもよく、ポリオレフィン系発泡体を冷却した後、再度、加熱して溶融又は軟化状態とした上でポリオレフィン系発泡体を延伸してもよい。
ここで、ポリオレフィン系発泡体の溶融状態とは、ポリオレフィン系発泡体の両面温度が、ポリオレフィン系発泡体を構成するポリオレフィン系樹脂の融点以上の温度に加熱された状態をいう。
また、ポリオレフィン系発泡体の軟化とは、ポリオレフィン系発泡体の両面温度が、20℃以上、ポリオレフィン系発泡体を構成しているポリオレフィン系樹脂の融点温度未満までの温度に加熱された状態をいう。ポリオレフィン系発泡体を延伸することによって、ポリオレフィン系発泡体の気泡を所定方向に延伸し変形させて、気泡のアスペクト比が所定範囲内となったポリオレフィン系発泡体を製造することができる。
ポリオレフィン系発泡体は、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの流れ方向若しくは幅方向に向かって、又は、流れ方向および幅方向に向かって延伸させることができる。なお、ポリオレフィン系発泡体を流れ方向および幅方向に向かって延伸させる場合、ポリオレフィン系発泡体を流れ方向および幅方向に向かって同時に延伸してもよいし、一方向ずつ別々に延伸してもよい。
上記ポリオレフィン系発泡体を流れ方向に延伸する方法としては、例えば、長尺状の発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを発泡工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡後に長尺状の発泡シートを冷却しながら巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによって発泡体基材を流れ方向に延伸する方法、得られた発泡体基材を延伸工程に供給する速度(供給速度)よりも、発泡体基材を巻き取る速度(巻取速度)を速くすることによってポリオレフィン系発泡体を流れ方向に延伸する方法などが挙げられる。
なお、前者の方法において、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって流れ方向に膨張するので、ポリオレフィン系発泡体を流れ方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による流れ方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上にポリオレフィン系発泡体が流れ方向に延伸されるように、ポリオレフィン系発泡体の供給速度と巻取り速度とを調整する必要がある。
また、上記ポリオレフィン系発泡体を幅方向に延伸する方法としては、ポリオレフィン系発泡体の幅方向の両端部を一対の把持部材によって把持し、この一対の把持部材を互いに離間する方向に徐々に移動させることによってポリオレフィン系発泡体を幅方向に延伸する方法が好ましい。なお、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートは、それ自身の発泡によって幅方向に膨張するので、ポリオレフィン系発泡体を幅方向に延伸する場合には、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの発泡による幅方向への膨張分を考慮した上で、その膨張分以上にポリオレフィン系発泡体が幅方向に延伸されるように調整する必要がある。
前記ポリオレフィン系発泡体の流れ方向における延伸倍率は、ポリオレフィン系発泡体の発泡倍率を所定の範囲に調整することによってより一層優れた柔軟性及び引張強度を付与するうえで、1.1〜5倍が好ましく、1.3〜3.5倍がより好ましい。
また、幅方向における延伸倍率は、ポリオレフィン系発泡体の発泡倍率を所定の範囲に調整することによってより一層優れた柔軟性及び引張強度を付与するうえで、1.2〜4.5倍が好ましく、1.5〜3.5倍がより好ましい。
以上のような発泡体基材(A)は、意匠性、遮光性、隠蔽性、光反射性、耐光性を発現させるために着色されていてもよい。前記着色に使用する着色剤は、単独、または2種類以上組み合わせて用いることができる。
粘着テープに遮光性、隠蔽性、耐光性を付与する場合、発泡体基材(A)は黒色に着色されていてもよい。前記着色に使用する黒色着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、ペリレンブラック、チタンブラック、シアニンブラック、活性炭、フェライト、マグネタイト、酸化クロム、酸化鉄、二硫化モリブデン、クロム錯体、複合酸化物系黒色色素、アントラキノン系有機黒色色素などを用いることができる。なかでも、黒色着色剤としては、コスト低減、入手容易性、絶縁性、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性を付与するうえで、カーボンブラックが好ましい。
粘着テープに意匠性、光反射性などを付与する場合、発泡体基剤(A)は白色に着色されていてもよい。前記着色に使用する白色着色剤としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化カルシウム、酸化スズ、酸化バリウム、酸化セシウム、酸化イットリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、亜鉛華、タルク、シリカ、アルミナ、クレー、カオリン、リン酸チタン、マイカ、石膏、ホワイトカーボン、珪藻土、ベントナイト、リトポン、ゼオライト、セリサイト、などの無機系白色着色剤やシリコーン系樹脂粒子、アクリル系樹脂粒子、ウレタン系樹脂粒子、メラミン系樹脂粒子などの有機系白色着色剤などを用いることができる。なかでも、白色着色剤としては、コスト低減、入手容易性、色調、発泡性ポリオレフィン系樹脂組成物を押し出す工程や加熱発泡工程の温度に耐える耐熱性を付与するうえで、酸化チタンや酸化アルミニウムや酸化亜鉛を使用することが好ましい。
前記発泡体基材(A)としては、発泡体基材(A)の物性を損なわない範囲で、必要に応じて、可塑剤、酸化防止剤、酸化亜鉛などの発泡助剤、気泡核調整材、熱安定剤、水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの難燃剤、帯電防止剤、ガラス製やプラスチック製の中空バルーン・ビーズ、金属粉末、金属化合物などの充填材、導電性フィラー、熱伝導性フィラー等を含有するものを使用することができる。
発泡体基材(A)は、粘着剤層や他の層との密着性を向上させるため、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、熱風処理、オゾン・紫外線処理、易接着処理剤の塗布などの表面処理がなされていてもよい。表面処理は、ぬれ試薬によるぬれ指数が36mN/m以上、好ましくは40mN/m、さらに好ましくは48mN/mとすることで、粘着剤との良好な密着性が得られる。密着性を向上させた発泡体基材は、連続工程で粘着剤層と貼り合わせてもよく、一旦巻き取り加工をしてもよい。発泡体基材を一旦巻き取る場合は、密着性が上がった発泡体基材同士のブロッキング現象を防止するため、発泡体基材を紙やポリエチレンやポリプロピレン、ポリエステルなどのフィルムなどの合い紙とともに巻き取るのが好ましく、厚さ25μm以下のポリプロピレンフィルムやポリエステルフィルムが好ましい。
前記方法で得られた発泡体基材(A)は、単一の層で構成されたものであってもよく、同一または異なる樹脂等からなる複層によって構成されるものを使用することもできる。
また、前記発泡体基材(A)としては、前記粘着部(B)やその他の粘着層との密着性等とをより一層高めるうえで、その片面または両面に、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の酸化処理等が施されたもの、コーティング剤等を用いることによってプライマー層等が形成されたものを使用することができる。
[粘着部(B)]
次に、本発明の粘着テープを構成する粘着部(B)について説明する。
前記粘着部(B)は、前記したとおり、前記発泡体基材(A)の片面または両面に、直接または他の層を介して設けられる。
前記2以上の粘着部(B)の間には、前記粘着部(B)を構成する成分が存在しない、または、粘着性を奏しない程度に存在してもよい領域がある。
また、前記2以上の粘着部(B)の間の粘着部(B)を有しない領域は、粘着テープの端部(外縁部)の一部に通じた構成を有する。前記構成を有する粘着テープを使用することによって、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても、粘着テープを被着体へ貼付する際に、それらの界面から気泡を容易に除去することができるため、粘着テープの膨れ等に起因した外観不良を防止し、かつ、優れた熱伝導性(放熱性)や接着力等を保持することができる。
前記粘着部(B)の形状は、本発明の粘着テープを、前記発泡体基材(A)の一方の面(a)側から観察した際に、略四角形状、略六角形状または略円形状等であることが好ましく、略円形状であることが、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるため好ましい。
略円形状は特に限定されるものではないが、任意の1つの粘着部の最大直径と最小直径との比〔最大直径/最小直径〕が1〜4であることが好ましい。さらに好ましくは1〜2であり、最も好ましくは1〜1.5である。略円形状の一例としては、図6のような形状が挙げられる。前記形状の粘着部は、基本的にそれぞれ独立しているが、図6に示すように2以上の粘着部が部分的につながっている箇所があってもよい。
前記略四角形状としては、略正方形、略長方形、略台形、略ひし形等の形状が挙げられ、略ひし形状であることが、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるため好ましい。
なお、前記略四角形状及び略六角形状等の「略」は、例えば粘着部(B)の表面に離型ライナー等が貼付された際、または、粘着テープがロールに巻かれた際に、前記粘着部(B)が押圧されることによって、四角形状及び六角形状の角部が丸みを帯びた形状や、直線部が曲線部となった形状を含むことを示す。
前記略四角形状の角部は、粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度が90°未満である略ひし形状であることが好ましく、45°〜70°の範囲であることが、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるためより好ましい。
また、前記2以上の粘着部(B)を構成する任意の粘着部(b1)及び粘着部(b2)は、粘着テープの流れ方向及び幅方向に対して、正対していないことが好ましい。
また、前記粘着テープは、用途等に応じて任意の形状に裁断され使用されることが多い。その際、前記粘着部(b1)及び粘着部(b2)が、流れ方向及び幅方向に対して正対していない配置であることによって、粘着テープを任意の位置で裁断した場合に、その端部の一部に粘着部(B)が存在することとなるため、粘着テープの剥がれを抑制することが可能となる。
また、前記方法で測定された前記粘着部(b1)と前記支持体との接触領域(r1)の長径に対する、前記粘着部(b1)とその表面に貼付される剥離ライナーとの接触領域(r2)の長径との割合[接触領域(r2)の長径/接触領域(r1)の長径]×100は、97%〜110%であることが好ましく、97%〜105%の範囲であることが、被着体との界面からの気泡の抜けやすさと、より一層優れた接着性を両立するうえでより好ましい。
本発明の粘着テープとしては、前記支持体の表面に設けられるすべての粘着部のうち、前記割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100の要件を満たす粘着部(b1)の占める割合が50%〜100%であるものを使用することが好ましく、80%〜100%であるものを使用することがより好ましく、90%〜100%であるものを使用することがさらに好ましく、95%〜100%であるものを使用することが本発明の効果を最大限に発揮するうえで特に好ましい。
前記2以上の粘着部(B)から選択される任意の粘着部(b1)と、前記粘着部(b1)に近接する粘着部(b2)との距離は、0.5mm以下が好ましく、さらに好ましくは0.05mm〜0.2mmであり、より好ましくは0.06mm〜0.15mmであり、0.08mm〜0.13mmであることが、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるため特に好ましい。
前記粘着部(B)から選択される任意の粘着部(b1)1個あたりの大きさは、面積0.001mm2〜100mm2であることが好ましく、0.01mm2〜25mm2であることがより好ましく、0.015mm2〜16mm2であることがさらに好ましく、0.02mm2〜5mm2であることが、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるため特に好ましい。
前記粘着部(B)は、本発明の粘着テープの面積(流れ方向5cm及び幅方向5cmの正方形)の範囲に、10個〜1000000個存在することが好ましく、1000個〜50000個存在することがより好ましく、5000個〜40000個存在することが、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるため特に好ましい。
また、前記粘着テープとしては、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持でき、かつ、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合であっても、粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に防止する観点から、粘着テープの所定面積(流れ方向1cm及び幅方向1cmの正方形)の範囲に、120個〜2000個の粘着部を有するものを使用することが好ましく、280個〜1600個の粘着部を有するものを使用することがより好ましく、520個〜1200個の粘着部を有するものを使用することがさらに好ましい。
なお、上記粘着部の数は、いずれも、粘着テープの任意の範囲(流れ方向1cm及び幅方向1cmの正方形)または(流れ方向5cm及び幅方向5cmの正方形)を電子顕微鏡で観察し数えることによって求めることができる。
前記一方の面(a)の面積に占める、前記粘着部(B)を有する領域の割合は、10%〜99%であることが好ましい。さらに好ましくは20%〜90%であり、より好ましくは30%〜80%であり、最も好ましくは35%〜80%である。上記範囲にあることが後述する略円形状の粘着部を形成することができ、その結果、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できる粘着テープを効率よく生産できるため特に好ましい。なお、上記領域の割合は、流れ方向5cm及び幅方向5cmの正方形のテープの面積おける前記粘着部(B)の面積割合である。
前記粘着部(B)の、周波数1Hzで測定される動的粘弾性スペクトルに基づく損失正接のピーク温度は、特に限定されるものではないが、−30℃〜20℃であることが好ましく、−20℃〜10℃であることがより好ましく、−10℃〜5℃であることが、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持でき、その結果、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、熱伝導性(放熱性)や耐熱性や接着力等の性能低下をより効果的に防止できるためより好ましい。
前記動的粘弾性測定では、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用い、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)とを測定する。前記損失正接は、tanδ=(G”)/(G’)で表される式により算出される。上記ピーク温度は、測定温度領域(−50℃から150℃)に対するtanδのスペクトルで確認されたピーク温度を指す。
前記試験片としては、前記粘着部(B)の形成に使用する粘着剤を用いて形成された、厚さ0.5mm〜2.5mmの粘着剤層を使用することができる。
また、前記試験片としては、本発明の粘着テープを複数積層したもののうち、粘着剤層の合計厚さが0.5mm〜2.5mmであるものを使用することができる。上記異なる構成の試験片を使用した場合、上記tanδの値は変化するものの、前記試験片中に占める前記粘着剤層(B)の合計厚さが同一である場合には、前記ピーク温度は実質変化しない。そのため、上記ピーク温度の測定では、いずれの試験片を使用してもよい。
前記粘着部(B)としては、10質量%〜60質量%のゲル分率を有するものを使用することが好ましく、20質量%〜55質量%のゲル分率を有するものを使用することがより好ましく、30質量%〜50質量%のゲル分率を有するものを使用することが、薄型であっても、前記粘着部(B)の表面形状が保持されやすいため、経時的な変化を防止しやすく、被着体と粘着部(B)との界面から気泡を容易に除去することができ、その結果、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、熱伝導性(放熱性)や耐熱性や接着力等の性能低下をより効果的に防止できるためより好ましい。なお、前記ゲル分率は、以下の方法で測定した値を指す。
なお、前記ゲル分率は、下記に示す方法で測定した値を指す。
剥離ライナー(C)の離型処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層を形成した。
前記粘着剤層を縦50mm及び横50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。
上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させた。
前記浸漬後、前記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出した。前記不溶成分を110℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。
前記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
前記粘着部(B)としては、厚さ1μm〜6μmのものを使用することが好ましく、厚さ2μm〜5μmのものを使用することが、被着体と粘着部(B)との界面から気泡を容易に除去することができ、その結果、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、熱伝導性や耐熱性や接着力等の性能低下をより効果的に防止できるためより好ましい。また、前記粘着部(B)の厚さは、JIS K6783にしたがい、ダイヤルゲージを用いた方法で、ダイヤルゲージの接触面が平面、その径が5mm及び荷重が1.23Nである条件で測定された両面粘着テープの厚さを指す。
前記粘着部(B)は、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤、クリ−プ特性改良型粘着剤、放射線硬化型粘着剤などの公知の粘着剤を用いて形成することができる。なかでも、前記粘着部(B)としては、アクリル系粘着剤を用いて得られる粘着部を使用することが、接着信頼性に優れるため好ましい。
本発明の粘着テープとして前記発泡体基材の両面側に粘着部または粘着層を有するものを使用する場合、前記粘着部または粘着層は同一の組成やゲル分率であっても、異なる組成やゲル分率である粘着部または粘着層を使用してもよい。
前記アクリル系粘着剤としては、アクリル重合体を含有するものを使用することができる。
前記アクリル重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の(メタ)アクリル単量体を含む単量体成分を重合させることによって得られるものを使用することができる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等を単独または2種以上組合せすることができる。なかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、前記アルキル基の炭素原子数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましく、前記アルキル基の炭素原子数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することがより好ましい。前記アルキル基は、直鎖または分岐したアルキル基が挙げられる。
前記アクリル基を炭素原子数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ブチルを使用することが、前記粘着剤層(B)の表面形状を保持しやすいため、経時的な変化を防止しやすく、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できる粘着テープを得るうえで好ましい。
前記(メタ)アクリル単量体としては、前記したもの以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基を有する単量体又はその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基を有する単量体;アクリロニトリルなどのシアノ基を有する単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基を有する単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリン等のアミノ基を有する単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基を有する単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基を有する単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する単量体、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の単量体を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
また、前記単量体としては、前記(メタ)アクリル単量体の他に、スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル等を使用することもできる。
前記アクリル重合体は、前記単量体を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法で重合させることによって製造することができ、溶液重合法を採用することが、アクリル重合体の生産効率を向上するうえで好ましい。
前記溶液重合法としては、例えば前記単量体と、重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイルや過酸化ラウリル等の過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系熱重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系の光重合開始剤等を使用することができる。
前記方法で得たアクリル重合体は、例えば溶液重合法で製造した場合であれば、有機溶剤に溶解または分散した状態であってもよい。
前記方法で得られたアクリル重合体としては、30万〜120万の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、40万〜110万の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、50万〜100万の重量平均分子量を有するものを使用することが、薄型であってもより一層優れた接着力と、気泡の除去しやすさとを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)により測定され、標準ポリスチレン換算して算出された値を指す。具体的には、前記重量平均分子量は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用い、以下の条件で測定することができる。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
標準ポリスチレンの重量平均分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記粘着部(B)の形成に使用できる粘着剤としては、より一層優れた接着力、引張強度及び引張破断強度を備えた粘着部を形成するうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、及び、スチレン系粘着付与樹脂等の石油樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂及び石油樹脂系粘着付与樹脂を組み合わせ使用することが、薄型であってもより一層優れた接着力と、気泡の除去しやすさとを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。前記ロジン系粘着付与樹脂及び石油樹脂系粘着付与樹脂は、とりわけ前記アクリル重合体と組合せ使用することが好ましく、(メタ)アクリル酸ブチルを含有する単量体を重合して得られるアクリル重合体と組み合わせ使用することが、薄型であってもより一層優れた接着力と、気泡の除去しやすさとを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
また、前記粘着付与樹脂としては、前記粘着部(B)の初期接着力をより一層向上させるうえで、常温で液状の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。常温で液状の粘着付与樹脂としては、例えば、プロセスオイル、ポリエステル系可塑剤、ポリブテン等の低分子量の液状ゴムが挙げられ、テルペンフェノール樹脂を使用することができ、市販品としてはヤスハラケミカル社製YP−90L等が挙げられる。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル重合体100質量部に対し、20質量部〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、30質量部〜55質量部の範囲で使用することが、より一層優れた接着力を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
また、前記粘着部(B)を構成する粘着剤としては、前記アクリル重合体等の他に、必要に応じて、軟化剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等を含有するものを使用することができる。
なかでも、架橋剤を使用することが、前記粘着部(B)のゲル分率を好適な範囲に調整することができ、その結果、前記粘着部(B)の形状を保持しやすいため、経時的な変化を防止しやすく、被着体と粘着剤層(B)との界面から気泡を容易に除去することができ、かつ、優れた接着力を備えた粘着テープを得ることができるため好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート架橋剤またはエポキシ架橋剤を使用することが好ましい。
前記イソシアネート架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート付加物を使用することが好ましい。前記トルエンジイソシアネート付加物とは、分子中にトルエンジイソシアネートに由来する構造を有するものであり、市販品でいえば、例えば、コロネートL(日本ポリウレタン工業株式会社製)等が挙げられる。
前記イソシアネート架橋剤を使用する場合、前記アクリル重合体としては、水酸基を有するアクリル重合体を使用することが好ましい。前記水酸基を有するアクリル重合体は、その製造に使用する単量体として、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等を使用することができ、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルを使用することがより好ましい。
また、エポキシ架橋剤としては、例えば三菱瓦斯化学株式会社製のテトラッドXやテトラッドC、または、総研化学株式会社製のE−05X等を使用することができる。
前記エポキシ架橋剤を使用する場合、前記アクリル重合体としては、酸基を有するアクリル重合体を使用することが好ましい。前記酸基を有するアクリル重合体は、その製造に使用する単量体として、例えば(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等を使用することが好ましく、(メタ)アクリル酸を使用することがより好ましい。
前記粘着部(B)の形成に使用可能な粘着剤としては、必要に応じて溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記粘着剤としては、その粘度が、0.1mPa・s〜1000mPa・sの範囲に調整されたものを使用することが好ましく、1mPa・s〜200mPa・sの範囲に調整されたものを使用することがより好ましく、10mPa・s〜100mPa・sの範囲に調整されたものを使用することが、所定の形状の粘着部(B)を形成しやすいためさらに好ましい。
[粘着テープの製造方法]
本発明の粘着テープは、例えば前記発泡体基材(A)の少なくとも一方の面(a)側に、前記粘着剤を間欠状に塗布し乾燥等させ粘着部(B)を形成することによって製造することができる。
また、前記粘着テープは、前記発泡体基材(A)の両面側に、前記粘着剤をそれぞれ間欠状に塗布し、乾燥させることによって製造することもできる。
前記粘着剤は、例えばグラビア塗工方法やスロットダイ塗工方法等の塗工方法で、前記発泡体基材(A)の少なくとも一方の面(a)に、間欠状に塗布することが好ましく、ダイレクトグラビア塗工方法で塗布することが好ましい。
また、前記粘着テープは、例えば剥離ライナーの表面に前記粘着剤を塗布し乾燥等することによって粘着部(B)を形成した後、前記粘着部(B)を発泡体基材(A)の少なくとも一方の面(a)側に転写することによって製造することができる。
本発明の粘着テープは、例えば上記したような剥離ライナーを用いて製造された後、必要に応じて前記剥離ライナーが剥離され、その他の剥離ライナーが貼付されたものであってもよい。
本発明の粘着テープは、非常に薄型であっても優れた接着力を有することから、例えば薄型化が求められている携帯電子端末等の電子機器の製造場面で好適に使用することができる。特に、被着体間のクリアランス(粘着テープの貼付部位)が、幅20μm以下の非常に狭小な範囲である場合であっても、前記被着体を強固に接着することができる。
また、前記粘着テープは、粘着テープの一部に穴等を設けない場合であっても被着体と接着部(B)との界面から気泡が抜けやすく、また貼付性を向上させるための穴あけ加工が不要となるため、前記気泡の残存に起因した性能の低下が懸念される放熱シートの固定用途、磁性シートの固定用途等で好適に使用することができる。
(放熱シートの製造用での使用)
携帯電子端末等の電子機器には、使用により熱を発する部材が搭載されたものが多い。発熱部材としては、例えば充電池、回路基板等が挙げられる。
前記部材が発する熱によって電子機器の一部が局所的に高温になることは、電子機器の誤作動等を防止するうえで避けることが好ましい。そのため、前記発熱部材またはそれに隣接する部材(例えば電子機器に剛性を付与するために使用されるフレーム材である金属部材等)には、前記熱を拡散させることを目的として、放熱シート等の放熱部材が貼付されていることが多い。
前記放熱部材としては、例えばグラファイトシートやグラフェンシートが好ましく用いられる。
前記グラファイトシートとしては、人工グラファイトシートや天然グラファイトシートの2種類が挙げられる。
前記人工グラファイトシートとしては、例えばポリイミドフィルムのような有機フィルムを高温の不活性ガス雰囲気中で熱分解して得られる熱分解グラファイトシートが挙げられる。
前記天然グラファイトシートは、例えば天然の黒鉛を酸処理した後、加熱膨張させた黒鉛粉末を加圧してシート状にしたものが挙げられる。
前記グラファイトシートとしては、皺が少ないものを使用することが、より一層優れた放熱性を発現するうえで好ましく、皺の少ない人工グラファイトシートを使用することがより好ましい。
前記グラファイトシートの厚さは、10μm〜100μmであることが好ましく、15μm〜50μmであることが、携帯電子端末等の電子機器の薄型化に貢献するうえで好ましい。
一方、前記グラファイトシートは、比較的脆いため、一般に、その片面または両面に粘着テープが貼付されたグラファイト複合シートの状態で使用される。
前記グラファイト複合シートとしては、例えば、図5に示すように、片面粘着テープと両面粘着テープとによって封止された構成を有するグラファイト複合シートを使用することが、グラファイトシートの高強度化と絶縁性とを両立するうえで好ましい。
前記グラファイト複合シートとしては、前記グラファイトシートよりも大きい面積である粘着テープによって封止(パウチ)されたものを使用することが、グラファイトシートの層間破壊や粉落ち等が発生することを防止でき、好適な加工性を実現しやすくなるため好ましい。
本発明の粘着テープは、前記グラファイトシートをパウチする際に、好適に使用することができる。本発明の粘着テープとして両面粘着テープを使用する場合、両面粘着テープは、その粘着部(B)を有する面が外側(グラファイトシート側でない方向)を向く状態で使用することが好ましい。これにより、グラファイト複合シートと、充電池等の発熱部材またはそれに隣接する部材とを貼り合わせる際に、それらの界面に気泡が残存することを効果的に防止することができる。
一方、本発明の粘着テープとして片面粘着テープを使用する場合、片面粘着テープは、その粘着部(B)を有する面がグラファイトシートに貼付されるように使用することが好ましい。これにより、一般に脆いとされるグラファイトシートの表面を保護することができ、それらの界面に気泡が残存することを効果的に防止することができる。
また、前記グラファイト複合シートには、その表面の傷つき等を防止することを目的として、表面保護フィルムが貼付されていることが多い。前記表面保護フィルムは、通常、前記グラファイト複合シートと前記部材とを貼付した後に、除去される。
本発明の粘着テープであれば、前記気泡が除去された後は部材等の被着体と強固に接着できるため、前記表面保護フィルムをグラファイト複合シートから除去する際に、前記グラファイト複合シートの部材からの浮きや剥がれを引き起こしにくい。
前記グラファイト複合シートと前記部材との貼付は、例えば前記部材の表面に前記グラファイト複合シートを載置し、軽く圧着させることによってそれらを仮接着させる工程、前記仮接着後、ローラー等を用いて加圧しそれらを強固に接着させる工程を経ることによって行うことができる。前記仮接着の工程では、通常、前記部材とグラファイト複合シートとの界面に気泡が存在する。しかし、本発明の粘着テープを用いてグラファイト複合シートであれば、前記ローラー等により加圧した際に、前記気泡が速やかに前記界面から除去される。
以上のとおり、本発明の粘着テープを用いて得られたグラファイト複合シートは、部材等の被着体との界面に気泡が存存することを防止できるため、前記気泡の存在による粘着テープの熱抵抗値の増加を効果的に防止することができ、その結果、粘着テープの厚さ方向の熱伝導率を向上させることができる。
(磁性シート固定用途での使用)
磁性シートは、電子機器を構成する部材から発せられた電磁波の外部への漏えいを遮断したり、外部で発生した電磁波が電子機器に影響を与えることを防止することを目的として、電子機器の内部に貼付されていることが多い。
前記磁性シートとしては、例えばNi系フェライト磁性体粉末、Mg系フェライト磁性体粉末、Mn系フェライト磁性体粉末、Ba系フェライト磁性体粉末、Sr系フェライト磁性体粉末、Fe−Si合金粉末、Fe−Ni合金粉末、Fe−Co合金粉末、Fe−Si−Al合金粉末、Fe−Si−Cr合金粉末、鉄粉末、Fe系アモルファス、Co系アモルファス、Fe基ナノ結晶体等を用いて得られるシートを使用することができる。
前記磁性シートとしては、一般に、比較的厚いものを使用した方が、良好な電磁波シールド特性を付与するうえで好ましい。
本発明の粘着テープは、前記したとおり非常に薄型であるため、前記磁性シートとして最大限の厚膜を有するものを使用することができる。
前記磁性シートは、良好な絶縁性と高強度とを付与することを目的として、その片面または両面に粘着テープが貼付された磁性複合シートの態様で使用されることが好ましい。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。
(調製例1)粘着剤a
n−ブチルアクリレート97.98質量部と、アクリル酸2質量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.02質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、80℃で8時間溶液重合させることによって、重量平均分子量90万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対して、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)5質量部と、「KE−100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンエステル)20質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、石油樹脂)25質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート架橋剤)2.0質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤aを得た。
前記粘着剤aを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は0℃であり、そのゲル分率は40質量%であった。
(調製例2)粘着剤b
n−ブチルアクリレート97.98質量部と、アクリル酸2質量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.02質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、90℃で6時間溶液重合させることによって、重量平均分子量50万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対して、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)5質量部と「KE−100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンエステル)20質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、石油樹脂)25質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート架橋剤)0.6質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤bを得た。
前記粘着剤bを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は0℃であり、そのゲル分率は10質量%であった。
(調製例3)粘着剤c
n−ブチルアクリレート97.98質量部と、アクリル酸2質量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.02質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、90℃で6時間溶液重合させることによって、重量平均分子量50万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対し、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)5質量部と、「KE−100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンエステル)20質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、石油樹脂)25質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート架橋剤)3.3質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤cを得た。
前記粘着剤cを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は0℃であり、そのゲル分率は46質量%であった。
(調製例4)粘着剤d
n−ブチルアクリレート97.98質量部と、アクリル酸2質量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.02質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.3質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、90℃で6時間溶液重合させることによって、重量平均分子量50万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対し、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)5質量部と、「KE−100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンエステル)20質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、石油樹脂)25質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤)1.2質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤dを得た。
前記粘着剤dを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は0℃であり、そのゲル分率は20質量%であった。
(調製例5)粘着剤e
n−ブチルアクリレート96.4質量部と、アクリル酸3.5質量部と、4−ヒドロキシ−エチルアクリレート0.1質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、80℃で8時間溶液重合させることによって、重量平均分子量80万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対し、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)10質量部と、「A100」(不均化ロジンエステル、荒川化学工業株式会社製)10質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート架橋剤)1.3質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤eを得た。
前記粘着剤eを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は−15℃であり、そのゲル分率は40質量%であった。
(調製例6)粘着剤f
n−ブチルアクリレート44.9質量部と、2−エチルヘキシルアクリレート50質量部と、酢酸ビニル3質量部と、アクリル酸2質量部と、4−ヒドロキシブチルアクリレート0.1質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.1質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、70℃で10時間溶液重合させることによって、重量平均分子量80万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対し、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)10質量部を混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート架橋剤)1.3質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤fを得た。
前記粘着剤fを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は−25℃であり、そのゲル分率は40質量%であった。
(実施例1)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナーに、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ1μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、発泡体基材である黒色ポリオレフィン発泡体(厚さ200μm、25%圧縮強度40kPa)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
次に、前記片面テープを構成する前記発泡体基材の他方の面に、グラビアコーターを用いて、前記粘着剤aをドット印刷し、100℃で1分間乾燥させることによって、図1に示す略ひし形形状の厚さ3μmの粘着部を有する総厚さ6μmの粘着テープを得た。なお、前記粘着部のうち、任意の粘着部とそれに近接する粘着部との距離は、0.1mmであった。
前記で得た粘着テープの前記粘着部を有する面に、「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)を重ねラミネーターで線圧3N/mmで貼付した。
(実施例2〜12)
粘着部(B)の形状、面積及び粘着部(B)の厚さを、表1〜3に記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作製した。
(実施例13)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)に、グラビアコーターを用いて前記粘着剤aをドット印刷し、100℃で1分間乾燥させることによって、図1に示す略ひし形形状(粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度は60°)の厚さ3μmの粘着部を形成した。なお、前記粘着部のうち、任意の粘着部とそれに近接する粘着部との距離は、0.1mmであった。
次に、前記粘着部を、発泡体基材である黒色ポリオレフィン発泡体(厚さ200μm、25%圧縮強度40kPa)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
次に、前記片面テープを構成する発泡体基材の他方の面に、グラビアコーターを用いて、前記粘着剤aをドット印刷し、100℃で1分間乾燥させることによって、図1に示す略ひし形形状(粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度は60°)の厚さ3μmの粘着部を形成した。なお、前記粘着部のうち、任意の粘着部とそれに近接する粘着部との距離は、0.1mmであった。
以上の方法によって、上記発泡体基材の両面に、図1に示す略ひし形形状の厚さ3μmの粘着部を有する総厚さ8μmの粘着テープを得た。
(実施例14)
粘着剤aの代わりに粘着剤bを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
(実施例15)
粘着剤aの代わりに粘着剤cを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
(実施例16)
粘着剤aの代わりに粘着剤dを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
(実施例17)
粘着剤aの代わりに粘着剤eを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
(実施例18)
粘着剤aの代わりに粘着剤fを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを得た。
(実施例19〜25)
粘着部(B)の形状、面積及び粘着部(B)の厚さを、表4及び5に記載のものに変更したこと以外は、実施例1と同様の方法で粘着テープを作成した。また、実施例20で得た粘着テープの略円形状の粘着部を有する面を、光学顕微鏡を用い倍率200倍で観察した(図6)。
(比較例1)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ1μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、発泡体基材である黒色ポリオレフィン発泡体(厚さ200μm、25%圧縮強度40kPa)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
次に、前記片面テープを構成する発泡体基材の他方の面に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ3μmの粘着剤層を作製した。
前記で得た粘着テープの前記粘着部を有する面に、「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナーを重ねラミネーターで線圧3N/mmで貼付した。
(比較例2)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ2μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、発泡体基材である黒色ポリオレフィン発泡体(厚さ200μm、25%圧縮強度40kPa)の片面に転写することによって片面テープを得た。
さらに、片面テープの発泡体基材上にロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ2μmの粘着剤層を作製した。粘着剤層を前記発泡体基材に転写する際に使用したラミネーターの圧力は線圧3N/mmとした。
その後、格子状のエンボス処理をした剥離紙を粘着剤層に貼りあわせ、40℃で2日養生することによって、粘着剤層の表面に図7に示すような凹凸形状を有する粘着剤層を備えた粘着テープを得た。図7は、比較例2で得た粘着テープの粘着剤層の表面を、光学顕微鏡を用い倍率100倍で観察したものである。
(比較例3)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ2μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、発泡体基材である黒色ポリオレフィン発泡体(厚さ200μm、25%圧縮強度40kPa)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
次に、「PSM100GS」(リンテック株式会社製、サンドマット処理されたPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー、中心線平均表面粗さRa=0.36μm)に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ2μmの粘着剤層を作製した。次に、前記粘着剤層を、前記発泡体基材の他方の面に転写することによって、総厚さ6μmの粘着テープを得た。粘着剤層を前記発泡体基材に転写する際に使用したラミネーターの圧力は線圧3N/mmとした。
(粘着部のゲル分率の測定方法)
前記粘着剤a〜fを、それぞれ剥離ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層を形成した。前記粘着剤層を縦50mm及び横50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。
上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させた。前記浸漬後、前記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出した。前記不溶成分を110℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。
前記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
(動的粘弾性の測定)
前記粘着剤a〜fを、それぞれ剥離ライナーの表面に、乾燥厚さ50μmとなるよう塗工し乾燥させることによって粘着剤層を形成し、40℃の環境下に2日間養生した。前記養生後の粘着剤層を総厚さが2mmとなるまで重ねあわせたものを試験片とした。
次に、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用い、直径7.9mmの平行円盤形の測定部に前記試験片を挟み込み、周波数1Hz、昇温時間1℃/1分の条件で−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
(グラファイト複合シートの作製)
縦100mm×横100mm×厚さ25μmのグラファイトシートの一方の面に、縦104mm×横104mm×厚さ5μmの片面粘着テープ「IL−05G」(DIC株式会社製)を貼り合せ、前記グラファイトシートの他方の面に、実施例及び比較例で得た粘着テープを縦104mm×横104mmの大きさに裁断したものを貼り合わせた。
その際、前記粘着テープを構成する粘着剤層のうち、平滑な表面を有する粘着剤層がグラファイトシートと接する向きとなるようにした。
次に、前記片面粘着テープ「IL−05G」の表面に、厚さ62μmの微粘着片面テープ「CPF50(25)−SP」(ニッパ株式会社製)を貼り合せることによって、グラファイト複合シートを得た。
(接着力(貼付後1時間))
実施例及び比較例で得た粘着テープを20mm幅に切断し、その片側の粘着剤層を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちしたものを試験片とした。前記裏打ちは、表面が平滑な粘着剤層の表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部(B)に相当する粘着剤層に対して行わないようにした。
前記試験片を、清潔で平滑なステンレス板の表面に貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させることで加圧したものを、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置した後、23℃及び50%RHの雰囲気下でテンシロン引張試験機を用いて、ピール粘着力(剥離方向:180°、引張速度:0.3m/min)を測定した。測定結果は、表の「接着力(貼付後1時間)」の欄に示した。
(接着力(貼付後24時間))
実施例及び比較例で得た粘着テープを20mm幅に切断し、その片側の粘着剤層を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちしたものを試験片とした。前記裏打ちは、表面が平滑な粘着剤層の表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部(B)に相当する粘着剤層に対して行わないようにした。
前記試験片を、清潔で平滑なステンレス板の表面に貼付し、その上面で2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で24時間放置した後、23℃及び50%RHの雰囲気下でテンシロン引張試験機を用いて、ピール粘着力(剥離方向:180°、引張速度:0.3m/min)を測定した。測定結果は、表の「接着力(貼付後24時間)」の欄に示した。
(保持力)
実施例及び比較例で得た粘着テープを20mm幅に切断し、その片側の粘着剤層を、厚さ50μmのアルミ箔で裏打ちしたものを試験片とした。前記裏打ちは、表面が平滑な粘着剤層の表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部(B)に相当する粘着剤層に対して行わないようにした。
前記試験片を、清潔で平滑なステンレス板の表面に20mm×20mmの貼付面積となるように貼付し、その上面で2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置した後、100℃の雰囲気下でせん断方向に100gの荷重をかけ、24時間後のテープのずれ距離を測定した。測定結果は、表の「保持力」の欄に示した。
[気泡の抜けやすさ1(除去しやすさ)の評価方法]
グラファイト複合シートの剥離ライナーを剥離し、23℃及び50%RH雰囲気下、前記粘着部の表面に縦200mm×横200mmのアルミニウム板を置き、アルミニウム板の上から10Nを荷重した状態で5秒放置することによって仮貼付物を得た。
次に、前記仮貼付物を反転させた後、グラファイト複合シート側の面から2kgローラーを1往復させることでそれらを加圧することによって積層体を得た。
上記方法で前記積層体を10個作製した。前記積層体を構成する前記グラファイト複合シートの粘着剤層とアルミニウム板との間に気泡が存在するか否かを、グラファイトシートの膨らみを目視で観察することによって確認した。前記方法で気泡の存在を確認できなかった積層体の数に基づいて、前記気泡の抜けやすさを評価した。
[気泡の抜けやすさ2(除去しやすさ)の評価方法]
グラファイト複合シートの剥離ライナーを剥離することによって現れた粘着部の表面に、「PET25X1J0L」(ニッパ株式会社製、離型処理面が平滑な離型ライナー、Ra=0.03μm)を貼付し、ラミネーターを用いて線圧3N/mmの条件で加圧した後、23℃の環境下に1日放置した。
その後、前記「PET25X1J0L」を剥離し、23℃及び50%RH雰囲気下、前記剥離によって現れた粘着部の表面に縦200mm×横200mmのアルミニウム板を置き、アルミニウム板の上から10Nを荷重した状態で5秒放置することによって仮貼付物を得た。
次に、前記仮貼付物を反転させた後、グラファイト複合シート側の面から2kgローラーを1往復させることでそれらを加圧することによって積層体を得た。
上記方法で前記積層体を10個作製した。前記積層体を構成する前記グラファイト複合シートの粘着部とアルミニウム板との間に気泡が存在するか否かを、グラファイトシートの膨らみを目視で観察することによって確認した。前記方法で気泡の存在を確認できなかった積層体の数に基づいて、前記気泡の抜けやすさを評価した。
(微粘着フィルムを剥離した際のグラファイト複合シートの浮きの有無)
前記グラファイト複合シートを構成する片面粘着テープ「IL−05G」(DIC株式会社製)の表面に、微粘着フィルム(厚さ75μmのPETフィルムの片面にシリコーン系微粘着層を有するもの:粘着力=0.05N/20mm)を貼り合せた積層品を、アルミニウム板に載置し、2kgローラーでその表面を1往復させることによってそれらを貼付した。
前記貼付から1分後に、前記微粘着フィルムを5m/minの速度で、前記グラファイト複合シートの表面に対して180°方向に剥離した後、前記グラファイト複合シートがアルミニウム板の表面から浮いたか否かを目視で評価した。実施例及び比較例で得たグラファイト複合シートそれぞれにつき10個の積層品を作製し、上記試験を行った。上記試験によって前記アルミニウム板の表面からのグラファイト複合シートの浮きが確認できなかった積層品の数を、下記表に記載した。
(外観の評価方法)
前記グラファイト複合シートをアルミニウム板に貼付し、蛍光灯下で、前記グラファイト複合シートの上面30cmの位置から観察したときに、粘着部の形状(上記略ひし形状、略丸形状等)を視認できるか否かを基準に評価した。前記粘着部の形状がまったく視認できなかったものを「◎」、前記形状の一部をわずかに視認できたものを「○」、前記形状を明確に視認で来たものを「×」と評価した。なお、比較例1で示すように発泡体基材の全面に粘着剤を塗布し粘着剤層が形成されたものについては、粘着部が所定の形状を形成しておらず、したがってその形状を上記方法で視認できないことから、評価せず「−」とした。
[粘着部の個数]
粘着部の個数は、粘着テープの任意の範囲(流れ方向5cm及び幅5cmの正方形)または(流れ方向1cm及び幅方向1cmの正方形)の範囲を電子顕微鏡で観察し数えることによって求めた。
表中の「略ひし形1」は、粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度が60°(幅方向に向いた角部の角度が120°)であるひし形状の粘着部をさし(図1)、「略ひし形2」は、粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度が30°(幅方向に向いた角部の角度が150°)であるひし形状の粘着部をさし、「略正方形状」は、粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度が90°(幅方向に向いた角部の角度が90°)である正方形状の粘着部を指し、「略円形状」は図2に示す形状の粘着部を指し、「略六角形(斜線)」は図3に示す形状の粘着部を指し、「略四角形(斜線)」は図4に示す形状の粘着部を指す。
実施例の粘着テープは何れも一方の面に独立した粘着剤層を複数個持つため、気泡の抜けやすさに優れる。一方、比較例1の粘着テープでは粘着層が平滑であるため、気泡の抜け道がなく、気泡の抜けやすさが著しく悪い。比較例2、比較例3の粘着テープでも粘着層に凹凸があるため、初期は気泡の抜けやすさに優れるが、剥離ライナーを貼り変えたのちに時間が経過したときに気泡の抜けやすさが低下する。