本発明の粘着テープは、支持体の少なくとも一方の面側に2個以上の粘着部を有する粘着テープであって、前記粘着部のうち、任意の1個の粘着部(b1)と前記支持体との接触面積(s1)に対する、前記粘着部(b1)とその表面に貼付される剥離ライナーとの接触面積(s2)の割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100が60%〜95%であることを特徴とするものである。
本発明の粘着テープの具体的な実施態様としては、前記支持体の少なくとも一方の面側に、直接、それぞれ独立した2個以上の粘着部を有する粘着テープ、または、前記支持体の少なくとも一方の面側に、その他の層を介して、それぞれ独立した2個以上の粘着部を有する粘着テープが挙げられる。
前記粘着テープのうち両面粘着テープの具体的態様としては、例えば前記支持体の両方の面側にそれぞれ独立した2個以上の粘着部を有する粘着テープ、前記支持体の一方の面側にそれぞれ独立した2個以上の粘着部を有し、他方の面側の全面または一部に粘着剤層を有する粘着テープが挙げられる。
前記粘着テープとしては、前記2以上の粘着部の間に、前記粘着部と同一または異なる成分からなる粘着剤層が存在していてもよいが、それらの間に前記粘着部を構成する成分が存在しない、または、粘着性を奏しない程度に存在する領域があってもよく、前記粘着部を構成する成分からなる粘着剤層が存在しないことが、被着体との界面から速やかに気泡が抜け、前記界面に気泡が残存することを防止可能な粘着テープを得るうえで好ましい。
本発明の粘着テープは、それを側面方向から観察した場合に、前記支持体の面に対して前記粘着部が凸形状を形成していることが観察される。その形状は、例えば図2に示すように、台形状であることが好ましい。
また、本発明の粘着テープは、前記2以上の粘着部の間の、前記粘着部を構成する成分が存在しない、または、粘着性を奏しない程度に存在してもよい領域が、粘着テープの端部(外縁部)の一部に通じた構成を有することが好ましい。前記構成を有する粘着テープを使用することによって、粘着テープを被着体へ貼付する際に、気泡が前記領域を通じて、粘着テープと被着体との界面から外部へ抜けるため、粘着テープの膨れ等に起因した外観不良を防止でき、かつ、優れた熱伝導性や接着力等を保持することができる。
また、本発明の粘着テープとしては、前記2以上の粘着部のうち任意の1個の粘着部(b1)と前記支持体との接触面積(s1)に対する、前記粘着部(b1)とその表面に貼付される剥離ライナーとの接触面積(s2)の割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100が60%〜95%であるものを使用する。前記粘着テープを使用することによって、粘着テープと被着体との界面から速やかに気泡が抜けるためその界面に気泡が残存しにくく、接着力に優れ、かつ、被着体から粘着テープを剥離したときに生じうる糊残りを防止することができる。
前記割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100は、65%〜93%であることが好ましく、70%〜90%であることがより好ましく、80%〜90%であることが、粘着テープと被着体との界面から速やかに気泡が抜けるためその界面に気泡が残存しにくく、接着力の点でより一層優れ、かつ、被着体から粘着テープを剥離したときに生じうる糊残りを防止するうえで特に好ましい。
前記接触面積(s1)は、0.005mm2〜100mm2の範囲内であることが好ましく、0.01mm2〜1mm2であることがより好ましく、0.05mm2〜0.5mm2であることがさらに好ましく、0.06mm2〜0.2mm2であることが、粘着テープと被着体との界面から速やかに気泡が抜けるためその界面に気泡が残存しにくく、接着力の点でより一層優れ、かつ、被着体から粘着テープを剥離したときに糊残りをより一層効果的に防止可能な粘着テープを得るうえで特に好ましい。
一方、前記接触面積(s2)は、前記したとおり前記接触面積(s1)の60%〜95%であるが、なかでも、前記接触面積(s2)が0.003mm2〜95mm2の範囲内にあるものを使用することが好ましく、0.005mm2〜95mm2の範囲内にあるものを使用することが、粘着テープと被着体との界面から速やかに気泡が抜けるためその界面に気泡が残存しにくく、接着力に優れ、かつ、被着体から粘着テープを剥離したときに糊残りしにくい粘着テープを得るうえで特に好ましい。
なお、前記接触面積(s1)及び(s2)は、以下の方法で測定した値を指す。はじめに、粘着テープの粘着部を有する側の面が上向きとなるように載置する。
次に、前記粘着部を有する側の面に剥離ライナー(片側表面が離型処理された透明なポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させる。
その直後、前記剥離ライナーの表面から、マイクロスコープを用いて、任意の10個の前記粘着部の形状を観察する。前記観察の際、はじめに前記粘着部と剥離ライナーとの接触領域(r2)の輪郭が確認できるように、マイクロスコープの倍率を設定し、その輪郭で囲まれた接触領域(r2)の面積(接触面積(s2))を測定する。
次に、前記粘着部と支持体との接触領域(r1)の輪郭が確認できるように、マイクロスコープの倍率を設定し、その輪郭で囲まれた接触領域(r1)の面積(接触面積(s1))を測定する。
前記測定結果(接触面積(s1)及び(s2))と、式[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100に基づいて、任意の10個の粘着部の上記割合を算出し、その平均値を算出する。
前記接触面積(s1)及び(s2)は、粘着部を設ける方法として、例えば後述するグラビア塗工法を採用する場合であれば、その版の種類(形状)、使用する粘着剤の種類や粘度等を適宜調整することによって任意の面積に調整することが可能である。
また、前記方法で測定された前記粘着部(b1)と前記支持体との接触領域(r1)の長径に対する、前記粘着部(b1)とその表面に貼付される剥離ライナーとの接触領域(r2)の長径との割合[接触領域(r2)の長径/接触領域(r1)の長径]×100は、70%〜99%であることが好ましく、80%〜95%の範囲であることが、より一層優れた接着性と糊残りしにくさとを両立するうえでより好ましい。
本発明の粘着テープとしては、前記支持体の表面に設けられるすべての粘着部のうち、前記割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100の要件を満たす粘着部(b1)の占める割合が50%〜100%であるものを使用することが好ましく、80%〜100%であるものを使用することがより好ましく、90%〜100%であるものを使用することがさらに好ましく、95%〜100%であるものを使用することが本発明の効果を最大限に発揮するうえで特に好ましい。
また、前記粘着テープとしては、前記粘着部のうち1個の任意の粘着部(b1)と、それと最短距離の位置にある粘着部(b2)との距離が0.005mm〜1mmの範囲にあるものを使用することが好ましい。これにより、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持できる。
前記粘着テープとしては、前記粘着部のうち1個の任意の粘着部(b1)と、それと最短距離の位置にある他の粘着部(b2)との距離が、0.01mm〜0.2mmの範囲であることが好ましく、0.02mm〜0.2mmの範囲であることがより好ましく、0.03mm〜0.15mmの範囲にあるものを使用することがさらに好ましく、0.04mm〜0.15mmの範囲であることがさらに好ましく、0.05mm〜0.13mmの範囲であることが、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持でき、かつ、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合であっても、粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に防止できるため特に好ましい。なお、上記距離は、前記任意の1個の粘着部と、それと最短距離に位置する他の粘着部との、それぞれの外縁部の各接線間の直線での最短距離を指す。
また、前記粘着テープとしては、2個以上の粘着部を有するものを使用できるが、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持でき、かつ、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合であっても、粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に防止する観点から、粘着テープの所定面積(流れ方向1cm及び幅方向1cmの正方形)の範囲に、120個〜2000個の粘着部を有するものを使用することが好ましく、280個〜1600個の粘着部を有するものを使用することがより好ましく、520個〜1200個の粘着部を有するものを使用することがさらに好ましい。なお、上記粘着部の数は、粘着テープの任意の範囲(流れ方向1cm及び幅方向1cmの正方形)を電子顕微鏡で観察し数えることによって求めることができる。
前記粘着部の形状は、本発明の粘着テープを、前記支持体の一方の面側から観察した際に、略円形状、略ひし形状または略六角形状等であることが好ましく、略円形状であることが、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持でき、かつ、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合であっても、粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に防止するうえでより好ましい。
ここで、前記略円形状とは、円形状の粘着部の表面に剥離ライナー等が貼付された際、または、粘着テープがロールに巻かれた際に、前記粘着部が押圧され、円形状の一部が伸長等されることによって形成されうるだ円形状や部分的に歪んだ円形状、前記剥離ライナー等を除去した際に円形状の一部が糸引き等されることによって形成されうる形状等を含むことを示す。前記だ円形状としては、例えばその長径と短径の比[長径/短径]が10以下であるものが挙げられる。
前記略四角形状としては、略正方形、略長方形、略台形、略ひし形等の形状が挙げられ、略ひし形状であることが、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるため好ましい。
なお、前記略四角形状及び略六角形状等の「略」は、例えば粘着部の表面に剥離ライナー等が貼付された際、または、粘着テープがロールに巻かれた際に、前記粘着部が押圧されることによって、四角形状及び六角形状の角部が丸みを帯びた形状や、直線部が曲線部となった形状を含むことを示す。
前記略四角形状の角部は、粘着テープの流れ方向に向いた角部の角度が90°未満である略ひし形状であることが好ましく、45°〜70°の範囲であることが、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できるためより好ましい。
また、前記2以上の粘着部を構成する任意の粘着部は、粘着テープの流れ方向及び幅方向に対して、正対していないことが好ましい。より具体的には、図1等に示すように、前記粘着部の中心部を直線で結んだ際におよそ六角形状を形成しうる位置に配していることが、良好な接着力を保持するうえで好ましい。これにより、前記粘着部が、流れ方向及び幅方向に対して正対していない配置であることによって、粘着テープを任意の位置で裁断した場合に、その端部の一部に粘着部が存在することとなるため、粘着テープの剥がれを抑制することが可能となる。
また、前記粘着部(b1)や(b2)を含む粘着部の厚さは、1μm〜15μmの範囲であるものを使用することが好ましく、厚さ2μm〜5μmのものを使用することが、被着体と粘着部との界面から気泡を容易に除去することができ、その結果、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合における粘着部の形状に起因した外観不良や、熱伝導性や耐熱性や接着力等の性能低下をより効果的に防止することができる。なお、前記粘着部の厚さは、JIS K6783にしたがい、ダイヤルゲージを用いた方法で、ダイヤルゲージの接触面が平面、その径が5mm及び荷重が1.23Nである条件で測定された粘着テープの厚さを指す。
本発明の粘着テープとしては、前記支持体の一方の面の面積に占める、前記粘着部が存在する領域の合計面積の割合が、10%〜90%であるものを使用することが好ましく、17%〜75%であるものを使用することが好ましく、20%〜80%であるものを使用することがより好ましく、30%〜70%であるものを使用することがさらに好ましく、40%〜65%であるものを使用することがさらに好ましく、50%〜60%であるものを使用することが特に好ましい。上記範囲内の粘着テープを使用することによって、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持でき、かつ、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合であっても、粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に防止することができる。なお、上記領域の割合は、粘着テープの任意の領域(流れ方向1cm×幅方向1cmの正方形の領域)の面積と、その領域に存在する粘着部と支持体との接触面積の合計とに基づき、式[粘着部と支持体との接触面積の合計/1cm2]×100(%)によって算出された値を指す。
本発明の粘着テープとしては、前記粘着部の、周波数1Hzで測定される動的粘弾性スペクトルに基づく損失正接のピーク温度は、特に限定されるものではないが、−30℃〜20℃である粘着部を有するものを使用することが好ましく、−20℃〜10℃である粘着部を有するものを使用することがより好ましく、−10℃〜5℃である粘着部を有するものを使用することが、貼付の際に被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、良好な接着力を保持でき、グラファイトシート等の被着体がより一層薄型化された場合であっても、粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に防止でき、かつ、耐熱性や接着力等の性能低下をより効果的に防止するうえでより好ましい。
前記動的粘弾性測定では、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用い、同試験機の測定部である平行円盤の間に試験片を挟み込み、周波数1Hzでの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)とを測定する。前記損失正接は、tanδ=(G”)/(G’)で表される式により算出される。上記ピーク温度は、測定温度領域(−50℃から150℃)に対するtanδのスペクトルで確認されたピーク温度を指す。
前記試験片としては、前記粘着部の形成に使用する粘着剤を用いて形成された、厚さ0.5mm〜2.5mmの粘着剤層を使用することができる。
また、前記試験片としては、本発明の粘着テープを複数積層したもののうち、粘着剤層の合計厚さが0.5mm〜2.5mmであるものを使用することができる。上記異なる構成の試験片を使用した場合、上記tanδの値は変化するものの、前記試験片中に占める前記粘着剤層の合計厚さが同一である場合には、前記ピーク温度は実質変化しない。そのため、上記ピーク温度の測定では、いずれの試験片を使用してもよい。
本発明の粘着テープとしては、前記粘着部として10質量%〜60質量%のゲル分率を有するものを使用することが好ましく、20質量%〜55質量%のゲル分率を有するものを使用することがより好ましく、30質量%〜50質量%のゲル分率を有するものを使用することが、薄型であっても、前記粘着部の表面形状が保持されやすいため、経時的な変化を防止しやすく、被着体と粘着部との界面から気泡を容易に除去することができ、その結果、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、耐熱性や接着力等の性能低下をより効果的に防止できるためより好ましい。なお、前記ゲル分率は、以下の方法で測定した値を指す。
剥離ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、粘着剤を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層を形成した。
前記粘着剤層を縦50mm及び横50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。
上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させた。
前記浸漬後、前記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出した。前記不溶成分を110℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。
前記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
本発明の粘着テープを構成する粘着部は、例えばアクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、スチレン−ジエンブロック共重合体系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、フッ素系粘着剤、クリ−プ特性改良型粘着剤、放射線硬化型粘着剤などの公知の粘着剤を用い形成されたものが挙げられる。なかでも、前記粘着部としては、アクリル系粘着剤を用いて得られる粘着部を使用することが、接着信頼性に優れるため好ましい。
本発明の粘着テープとして前記支持体の両面側に粘着部または粘着層を有するものを使用する場合、前記粘着部または粘着層は同一の組成やゲル分率であっても、異なる組成やゲル分率である粘着部または粘着層を使用してもよい。
前記アクリル系粘着剤としては、アクリル重合体を含有するものを使用することができる。
前記アクリル重合体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル等の(メタ)アクリル単量体を含む単量体成分を重合させることによって得られるものを使用することができる。
前記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシル等を単独または2種以上組合せすることができる。なかでも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、前記アルキル基の炭素原子数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することが好ましく、前記アルキル基の炭素原子数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを使用することがより好ましい。前記アルキル基としては、直鎖または分岐したアルキル基が挙げられる。
前記アクリル基の炭素原子数が4〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸ブチルを使用することが、前記粘着部の表面形状を保持しやすいため、経時的な変化を防止しやすく、被着体との界面から気泡が抜けやすく(エア抜け性)、かつ、良好な接着力を保持できる粘着テープを得るうえで好ましい。
前記(メタ)アクリル単量体としては、前記したもの以外に、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸等のカルボキシル基を有する単量体又はその無水物;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基を有する単量体;アクリロニトリルなどのシアノ基を有する単量体;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基を有する単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、グリセリンジメタクリレートなどのヒドロキシル基を有する単量体;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリロイルモルホリン等のアミノ基を有する単量体;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミド等のイミド基を有する単量体;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジル等のエポキシ基を有する単量体;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等のイソシアネート基を有する単量体、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン等の単量体を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
また、前記単量体としては、前記(メタ)アクリル単量体の他に、スチレン、置換スチレンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類;酢酸ビニルなどのビニルエステル類;塩化ビニル等を使用することもできる。
前記アクリル重合体は、前記単量体を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の方法で重合させることによって製造することができ、溶液重合法を採用することが、アクリル重合体の生産効率を向上するうえで好ましい。
前記溶液重合法としては、例えば前記単量体と、重合開始剤と、有機溶剤とを、好ましくは40℃〜90℃の温度下で混合、攪拌し、ラジカル重合させる方法が挙げられる。
前記重合開始剤としては、例えば過酸化ベンゾイルや過酸化ラウリル等の過酸化物、アゾビスイソブチルニトリル等のアゾ系熱重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、ベンジルケタール系光重合開始剤、アシルフォスフィンオキシド系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系の光重合開始剤等を使用することができる。
前記方法で得たアクリル重合体は、例えば溶液重合法で製造した場合であれば、有機溶剤に溶解または分散した状態であってもよい。
前記方法で得られたアクリル重合体としては、30万〜120万の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、40万〜110万の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましく、50万〜100万の重量平均分子量を有するものを使用することが、薄型であってもより一層優れた接着力と、気泡の除去しやすさとを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
なお、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)により測定され、標準ポリスチレン換算して算出された値を指す。具体的には、前記重量平均分子量は、東ソー株式会社製GPC装置(HLC−8329GPC)を用い、以下の条件で測定することができる。
サンプル濃度:0.5質量%(テトラヒドロフラン溶液)
サンプル注入量:100μl
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1.0ml/分
測定温度:40℃
本カラム:TSKgel GMHHR−H(20)2本
ガードカラム:TSKgel HXL−H
検出器:示差屈折計
標準ポリスチレンの重量平均分子量:1万〜2000万(東ソー株式会社製)
前記粘着部の形成に使用できる粘着剤としては、より一層優れた接着力、引張強度及び引張破断強度を備えた粘着部を形成するうえで、粘着付与樹脂を含有するものを使用することが好ましい。
前記粘着付与樹脂としては、例えばロジン系粘着付与樹脂、重合ロジン系粘着付与樹脂、重合ロジンエステル系粘着付与樹脂、ロジンフェノール系粘着付与樹脂、安定化ロジンエステル系粘着付与樹脂、不均化ロジンエステル系粘着付与樹脂、水添ロジンエステル系粘着付与樹脂、テルペン系粘着付与樹脂、テルペンフェノール系粘着付与樹脂、及び、スチレン系粘着付与樹脂等の石油樹脂系粘着付与樹脂等を使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、ロジン系粘着付与樹脂及び石油樹脂系粘着付与樹脂を組み合わせ使用することが、薄型であっても優れた接着力と、気泡の除去しやすさとを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。前記ロジン系粘着付与樹脂及び石油樹脂系粘着付与樹脂は、とりわけ前記アクリル重合体と組合せ使用することが好ましく、(メタ)アクリル酸ブチルを含有する単量体を重合して得られるアクリル重合体と組み合わせ使用することが、薄型であっても優れた接着力と、気泡の除去しやすさとを備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
また、前記粘着付与樹脂としては、前記粘着部の初期接着力をより一層向上させるうえで、常温で液状の粘着付与樹脂を使用することが好ましい。常温で液状の粘着付与樹脂としては、例えば、プロセスオイル、ポリエステル系可塑剤、ポリブテン等の低分子量の液状ゴムが挙げられ、テルペンフェノール樹脂を使用することができ、市販品としてはヤスハラケミカル社製YP−90L等が挙げられる。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル重合体100質量部に対し、20質量部〜60質量部の範囲で使用することが好ましく、30質量部〜55質量部の範囲で使用することが、薄型であっても優れた接着力を備えた粘着テープを得るうえでより好ましい。
また、前記粘着部を構成する粘着剤としては、前記アクリル重合体等の他に、必要に応じて、軟化剤、可塑剤、充填剤、老化防止剤、着色剤等を含有するものを使用することができる。
なかでも、架橋剤を使用することが、前記粘着部のゲル分率を好適な範囲に調整することができ、その結果、前記粘着部の形状を保持しやすいため、経時的な変化を防止しやすく、被着体と粘着剤層との界面から気泡を容易に除去することができ、かつ、優れた接着力を備えた粘着テープを得ることができるため好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート架橋剤またはエポキシ架橋剤を使用することが好ましい。
前記イソシアネート架橋剤としては、例えばトリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等を使用することができ、トリレンジイソシアネート、トリメチロールプロパン変性トリレンジイソシアネート等のトルエンジイソシアネート付加物を使用することが好ましい。前記トルエンジイソシアネート付加物とは、分子中にトルエンジイソシアネートに由来する構造を有するものであり、市販品でいえば、例えば、コロネートL(日本ポリウレタン工業株式会社製)等が挙げられる。
前記イソシアネート架橋剤を使用する場合、前記アクリル重合体としては、水酸基を有するアクリル重合体を使用することが好ましい。前記水酸基を有するアクリル重合体は、その製造に使用する単量体として、例えば(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル等、好ましくは(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチルを使用することによって製造することができる。
また、エポキシ架橋剤としては、例えば三菱瓦斯化学株式会社製のテトラッドXやテトラッドC、または、綜研化学株式会社製のE−05X等を使用することができる。
前記エポキシ架橋剤を使用する場合、前記アクリル重合体としては、酸基を有するアクリル重合体を使用することが好ましい。前記酸基を有するアクリル重合体は、その製造に使用する単量体として、例えば(メタ)アクリル酸、アクリル酸ダイマー、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸等、好ましくは(メタ)アクリル酸を使用することによって製造することができる。
前記粘着部の形成に使用可能な粘着剤としては、必要に応じて溶媒を含有するものを使用することが好ましい。前記粘着剤としては、その粘度が、0.1mPa・s〜1000mPa・sの範囲に調整されたものを使用することが好ましく、1mPa・s〜200mPa・sの範囲に調整されたものを使用することがより好ましく、10mPa・s〜100mPa・sの範囲に調整されたものを使用することが、例えば後述するグラビア塗工法等によって所定の形状の粘着部(b1)を形成しやすいためさらに好ましい。
また、本発明の粘着テープを構成する支持体としては、1μm〜10μmの厚さのものを使用することが好ましく、1.5μm〜6.0μmの厚さのものを使用することが、粘着テープを薄型化でき、かつ、前記粘着部を有する面と被着体との界面から気泡を容易に除去することができ、前記粘着テープの膨れ等に起因した外観不良や、熱伝導性や接着力等の性能低下をより効果的に防止できるためより好ましい。
前記支持体としては、例えば樹脂を用いて得られるシート状のものを使用することができる。
前記支持体の製造に使用できる前記樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル、ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂、ポリブチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)等のスチレン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン等のポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリスルホン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエステルイミド、ポリカーボネート(PC)、ポリアセタール、ポリアリーレンエーテル(ポリフェニレンエーテルなど)、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリアリール、ポリウレタン、エポキシ系樹脂等を、単独または2種以上組み合わせ使用することができる。
前記支持体としては、厚さのばらつきが少なく、引張強度や加工性に優れ、経済的(コスト)であることから、ポリエステルフィルムを使用することが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムを使用することがより好ましい。前記ポリエステルフィルムは、二軸延伸されたものを使用することが、支持体及びそれを用いて得られる粘着テープの強度をより一層高めることができるため好ましい。
前記支持体は、前記した樹脂をシート状に成形することによって製造することができる。前記樹脂としてポリエステルを使用する場合、前記支持体は、例えば以下の方法によって製造することができる。
はじめに、乾燥または未乾燥のポリエステルチップと、必要に応じ着色剤または着色剤を高濃度に含むマスターバッチとを、混練押出機等を用いて溶融混練する。
次に、前記混練物をダイから押出し、回転冷却ドラム上で急冷固化させることによって、実質的に非晶状態である未延伸のポリエステルフィルムを得る。
前記ポリエステルフィルムの平滑性をより一層向上させる方法としては、例えば前記押出機内におけるポリエステルの滞留時間を短くする方法、一軸押出機を使用する場合には、水分量が好ましくは50ppm以下、より好ましくは30ppm以下となるように乾燥されたポリエステル等の原料を使用する方法、二軸押出機を使用する場合は、ベント口を設け、好ましくは40ヘクトパスカル以下、より好ましくは30ヘクトパスカル以下、さらに好ましくは20ヘクトパスカル以下の減圧環境下で行う方法、前記ポリエステルフィルムと前記回転冷却ドラムとの密着性を高めるべく、例えば静電印加密着法、液体塗布密着法を採用する方法が挙げられる。
前記方法で得られたポリエステルフィルムを延伸する方法としては、例えば前記未延伸シートを、好ましくは縦方向に70℃〜145℃で2〜6倍に延伸し、縦1軸延伸した後、横方向に90℃〜160℃で2〜6倍延伸を行い、熱固定工程に移る。
前記ポリエステルフィルムは、熱処理の最高温度ゾーンおよび/または熱処理出口のクーリングゾーンにおいて、縦方向および/または横方向に0.1%〜20%弛緩させることが好ましい。前記方法で得た延伸されたポリエステルフィルムは、必要に応じて再縦延伸、再横延伸させてもよい。
前記方法で得られた支持体は、単一の層で構成されたものであってもよく、同一または異なる樹脂等からなる複層によって構成されるものを使用することもできる。
また、前記支持体としては、前記粘着部やその他の粘着層との密着性等とをより一層高めるうえで、その片面または両面に、例えば、クロム酸処理、オゾン暴露処理、火炎暴露処理、高圧電撃暴露処理、イオン化放射線処理等の酸化処理等が施されたもの、コーティング剤等を用いることによってプライマー層等が形成されたものを使用することができる。
前記支持体としては、前記粘着部が設けられる面の表面張力が35mN/m以上であるものを使用することが好ましく、40mN/m以上であるものを使用することがより好ましく、50mN/m以上であるものを使用することが、上記所定範囲の接触面積(s1)に調整しやすく、かつ、糊残りを効果的に防止するうえで特に好ましい。
本発明の粘着テープは、例えば前記支持体の少なくとも一方の面側に、前記粘着剤を間欠状に塗布し乾燥等させ粘着部を形成することによって製造することができる。
また、前記粘着テープは、前記支持体の両面側に、前記粘着剤をそれぞれ間欠状に塗布し、乾燥させることによって製造することもできる。
前記粘着剤は、例えばグラビア塗工方法やスロットダイ塗工方法等の塗工方法で、前記支持体の少なくとも一方の面に、間欠状に塗布することが好ましく、ダイレクトグラビア塗工方法で塗布することが好ましい。
また、前記粘着テープは、例えば剥離ライナーの表面に前記粘着剤を塗布し乾燥等することによって粘着部を形成した後、前記粘着部を支持体の少なくとも一方の面側に転写することによって製造することができる。
本発明の粘着テープは、例えば上記したような剥離ライナーを用いて製造された後、必要に応じて前記剥離ライナーが剥離され、別の剥離ライナーが貼付されたものであってもよい。
以上のような、本発明の粘着テープは、総厚さ500μm以下が好ましく、100μm以下が好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることがさらに好ましく、10μm以下であることが特に好ましく、6μm以下であることが特に好ましい。前記総厚さが薄型の粘着テープを使用することによって、それを用いて得られる放熱シートや電子機器等の小型化や薄型化に貢献することができる。前記粘着テープの総厚さの下限としては、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm以上、さらに好ましくは3μm以上である。
なお、前記粘着テープの総厚さは、JIS K6783にしたがい、ダイヤルゲージを用いた方法で、ダイヤルゲージの接触面が平面、その径が5mm及び荷重が1.23Nである条件で測定された粘着テープの厚さを指し、剥離ライナーの厚さを含むものではない。上記厚さは、例えば、テスター産業製の厚さ計TH−102等で測定することができる。
本発明の粘着テープとしては、1N/20mm〜20N/20mmの接着力を有するものを使用することが好ましく、2N/20mm〜10N/20mmの接着力を有するものを使用することがより好ましく、3N/20mm〜8N/20mmの接着力を有するものを使用することがより好ましく、4.5N/20mm〜8N/20mmの接着力を有するものを使用することが、薄型であっても、被着体と粘着テープとの界面から気泡が除去されやすく、かつ、優れた接着力を備えた粘着テープを得るうえで好ましい。
なお、前記接着力はJISZ0237に準じて測定される値を指す。具体的には、前記接着力は、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちされた粘着テープの粘着部を有する面と、清潔で平滑なステンレス板(BA板)とを重ね、その上面を、2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、23℃及び50%RHの条件下で1時間または24時間放置した後、180°方向に0.3m/minの速度で前記粘着テープを引き剥がすことによって測定された値である。なお、前記裏打ちは、前記粘着部を有しない表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部を有する面に対して行わないようにした。また、前記粘着テープが両面に前記粘着部を有するものである場合には、そのいずれか一方の粘着部を有する面を裏打ちした。
本発明の粘着テープとしては、薄型であっても被着体や支持体の反発力等に起因した経時的な剥がれや部品の脱落等を防止でき、とりわけ比較的高温下で使用された場合であっても上記剥がれ等を防止するうえで、接着保持力が2mm以下であるものを使用することが好ましく、0.5mm以下であるものを使用することがより好ましく、0.1mm以下であるものを使用することがさらに好ましい。
なお、前記接着保持力はJISZ0237に準じて測定される値を指す。具体的には、前記接着保持力は、厚さ50μmのアルミニウム箔で裏打ちされた粘着テープの粘着部を有する面と、清潔で平滑なステンレス板(ヘアライン)とを重ね、その上面を2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置したものを試験片とする。次に、100℃の環境下に、前記試験片を構成するステンレス板を垂直方向に固定し、前記試験片を構成する粘着テープの下端部に100gの荷重をかけた状態で24時間放置した後の、前記ステンレス板と粘着テープとのズレ距離をノギスで測定することによって得られた値である。
本発明の粘着テープは、非常に薄型であっても優れた接着力を有することから、例えば薄型化が求められている携帯電子端末等の電子機器の製造場面で好適に使用することができる。特に、被着体間のクリアランス(粘着テープの貼付部位)が、幅20μm以下の非常に狭小な範囲である場合であっても、前記被着体を強固に接着することができる。
また、前記粘着テープは、被着体と接着部との界面から気泡が抜けやすいため、部品固定用途に使用することができきる。特に前記気泡の残存に起因した性能の低下が懸念される放熱シートの固定用途、圧力センサーの固定用途等で好適に使用することができる。
(放熱部材固定用途での使用)
携帯電子端末等の電子機器には、使用により熱を発する部材が搭載されたものが多い。発熱部材としては、例えば充電池、回路基板等が挙げられる。
前記部材が発する熱によって電子機器の一部が局所的に高温になることは、電子機器の誤作動等を防止するうえで避けることが好ましい。そのため、前記発熱部材またはそれに隣接する部材(例えば電子機器に剛性を付与するために使用されるフレーム材である金属部材等)には、前記熱を拡散させることを目的として、放熱部材が貼付されていることが多い。
前記放熱部材としては、例えばグラファイトシートやグラフェンシートや金属基材が好ましく用いられる。
前記グラファイトシートとしては、人工グラファイトシートや天然グラファイトシートの2種類が挙げられる。
前記人工グラファイトシートとしては、例えばポリイミドフィルムのような有機フィルムを高温の不活性ガス雰囲気中で熱分解して得られる熱分解グラファイトシートが挙げられる。
前記天然グラファイトシートは、例えば天然の黒鉛を酸処理した後、加熱膨張させた黒鉛粉末を加圧してシート状にしたものが挙げられる。
前記グラファイトシートとしては、皺が少ないものを使用することが、より一層優れた放熱性を発現するうえで好ましく、皺の少ない人工グラファイトシートを使用することがより好ましい。
前記グラファイトシートの厚さは、100μm以下であるものを使用することが好ましく、10μm〜50μmであるものを使用することがより好ましく、15μm〜20μmの厚さであるものを使用することが、携帯電子端末等の電子機器の薄型化に貢献するうえでさらに好ましい。また、本発明の粘着テープであれば、それを前記薄型のグラファイトシートの貼付に使用した場合であっても、前記粘着テープが有する粘着部の形状に起因した外観不良を効果的に抑制することができる。
一方、前記グラファイトシートは、比較的脆いため、一般に、その片面または両面に粘着テープが貼付されたグラファイト複合シートの状態で使用される。
前記グラファイト複合シートとしては、例えば、図5に示すように、片面粘着テープと両面粘着テープとによって封止された構成を有するグラファイト複合シートを使用することが、グラファイトシートの高強度化と絶縁性とを両立するうえで好ましい。
前記グラファイト複合シートとしては、前記グラファイトシートよりも大きい面積である粘着テープによって封止(パウチ)されたものを使用することが、グラファイトシートの層間破壊や粉落ち等が発生することを防止でき、好適な加工性を実現しやすくなるため好ましい。
また、前記金属基材としては、例えばアルミニウム、銅等を使用することができる。
前記放熱部材としては、100μm以下であるものを使用することが好ましく、10μm〜50μmであるものを使用することがより好ましく、15μm〜20μmの厚さであるものを使用することが、携帯電子端末等の電子機器の薄型化に貢献するうえでさらに好ましい。
本発明の粘着テープは、前記グラファイトシート等の放熱部材をパウチしグラファイト複合シートを製造する際に、好適に使用することができる。前記グラファイト複合シートは、もっぱら放熱シートとして好適に使用することができる。その際、前記粘着テープは、その粘着部を有する面が外側(グラファイトシート側でない方向)を向く状態で使用することが好ましい。これにより、グラファイト複合シートと、充電池等の発熱部材またはそれに隣接する部材とを貼り合わせる際に、それらの界面に気泡が残存することを効果的に防止することができる。
前記グラファイト複合シートと前記部材との貼付は、例えば前記部材の表面に前記グラファイト複合シートを載置し、軽く圧着させることによってそれらを仮接着させる工程、前記仮接着後、ローラー等を用いて加圧しそれらを強固に接着させる工程を経ることによって行うことができる。前記仮接着の工程では、通常、前記部材とグラファイト複合シートとの界面に気泡が存在する。しかし、本発明の粘着テープを用いてグラファイト複合シートであれば、前記ローラー等により加圧した際に、前記気泡が速やかに前記界面から除去される。
また、前記グラファイト複合シートには、その表面の傷つき等を防止することを目的として、表面保護フィルムが貼付されていることが多い。前記表面保護フィルムは、通常、前記グラファイト複合シートと前記部材とを貼付した後に、除去される。
本発明の粘着テープであれば、前記気泡が除去された後は部材等の被着体と強固に接着できるため、前記表面保護フィルムをグラファイト複合シートから除去する際に、前記グラファイト複合シートの部材からの浮きや剥がれを引き起こしにくい。
以上のとおり、本発明の粘着テープを用いて得られたグラファイト複合シートは、部材等の被着体との界面に気泡が存存することを防止できるため、前記気泡の存在による粘着テープの熱抵抗値の増加を効果的に防止することができ、その結果、粘着テープの厚さ方向の熱伝導率を向上させることができる。
以下に、この発明の実施例を記載して、より具体的に説明する。
(調製例1)粘着剤a
アクリル酸n−ブチル97.98質量部と、アクリル酸2質量部と、アクリル酸4−ヒドロキシブチル0.02質量部とを、アゾビスイソブチロニトリル0.2質量部を重合開始剤として、酢酸エチル溶液中で、80℃で8時間溶液重合させることによって、重量平均分子量90万のアクリル重合体を得た。
前記アクリル重合体100質量部に対して、「D−135」(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンエステル)5質量部と、「KE−100」(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジンエステル)20質量部と、「FTR6100」(三井化学株式会社製、石油樹脂)25質量部とを混合し、さらに酢酸エチルを加えることによって固形分40質量%に調整された粘着剤溶液を得た。
前記粘着剤溶液と、「NC40」(DIC株式会社製、イソシアネート架橋剤)2.0質量部とを混合し撹拌することによって、粘着剤aを得た。
前記粘着剤aを用いて得られた粘着剤層のtanδのピーク温度は0℃であり、そのゲル分率は40質量%であった。
(実施例1〜5)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、25μmの表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナーに、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ1μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、支持体である「K100−2.0W」(三菱樹脂株式会社製、ポリエステルフィルム、厚さ2μm)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
次に、表1に記載の割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100に対応したグラビア印刷版をそれぞれ搭載したグラビアコーターを用い、前記粘着剤aを、前記片面テープを構成する前記支持体の他方の面にドット印刷し、100℃で1分間乾燥させた後、「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、25μmの表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)を重ねラミネーターで線圧3N/mmでラミネートすることによって、図1に示されるような粘着部を有し、表1に示す所定の割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100を満たす粘着テープ(総厚さ5μm、剥離ライナーを含まない、粘着部の厚さ2μm)を得た。
(比較例1及び2)
「PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ1μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、支持体である「K100−2.0W」(三菱樹脂株式会社製、ポリエステルフィルム、厚さ2μm)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
次に、表2に記載の割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100に対応したグラビア印刷版をそれぞれ搭載したグラビアコーターを用い、前記粘着剤aをドット印刷し、100℃で1分間乾燥させた後、前記片面テープを構成する前記支持体の他方の面に重ねラミネーターで線圧3N/mmでラミネートし、表2のS1の面積、S2/S1の面積となるように略円形状の厚さ2μmの粘着部を有する総厚さ5μmの粘着テープを得た。
(比較例3)
PET25×1J0L」(ニッパ株式会社製、表面平滑なPETフィルムの表面にシリコーン系剥離処理面を有する剥離ライナー)に、ロールコーターを用いて前記粘着剤aを塗工した後、100℃で1分間乾燥させることによって、厚さ1μmの粘着剤層を作製した。
次に、前記粘着剤層を、支持体である「K100−2.0W」(三菱樹脂株式会社製、ポリエステルフィルム、厚さ2μm)の一方の面に転写することによって片面テープを得た。
前記片面テープを構成する前記支持体の他方の面に、ロールコーターを用い粘着剤を塗工し、100℃で1分間乾燥させることによって厚さ2μmの粘着剤層を形成した。次に、離型処理面に格子状のエンボス処理がされた凹凸形状を有する剥離紙を前記粘着剤層に貼りあわせ、40℃で2日養生することによって、粘着剤層の表面に図4に示すような凹凸形状を有する粘着剤層を備えた粘着テープを得た。なお、図4は、比較例3で得た粘着テープの粘着剤層の表面から、前記凹凸形状を有する離型紙を剥がした直後の粘着剤層の表面を、光学顕微鏡を用い倍率100倍で観察したものである。前記粘着剤層は、連続した粘着剤層の表面に凹凸形状が形成されていた。
[接触面積(s1)及び(s2)の測定方法]
はじめに、粘着テープの粘着部が存在する側の面が上向きとなるように載置し、予め貼付されていた剥離ライナーを除去した。
次に、前記粘着部が存在する側の面に、上記とは別の剥離ライナー(表面平滑で、片側表面が離型処理されたポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させた。
その直後、前記剥離ライナーの表面から、マイクロスコープを用いて、任意の10個の粘着部の形状を観察した。前記観察の際、はじめに前記粘着部と剥離ライナーとの接触領域(r2)の輪郭が確認できるように、マイクロスコープの倍率を設定し、その輪郭で囲まれた接触領域(r2)の面積(接触面積(s2))を測定した。次に、前記粘着部と支持体との接触領域(r1)の輪郭が確認できるように、マイクロスコープの倍率を設定し、その輪郭で囲まれた接触領域(r1)の面積(接触面積(s1))を測定した。
前記測定結果(接触面積(s1)及び(s2))と、式[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100に基づいて、各粘着部の上記割合を算出し、それらの平均値を算出した。
また、上記マイクロスコープを用いた観察の際に、任意の10個の粘着部(b1)と前記支持体との接触領域(r1)の長径と、前記粘着部(b1)とその表面に貼付される剥離ライナーとの接触領域(r2)の長径とを測定し、その割合[接触領域(r2)の長径/接触領域(r1)の長径]を算出し、それらの平均値を算出した。
また、上記マイクロスコープを用いた観察の際に、粘着テープの任意の領域(流れ方向1cm×幅方向1cmの正方形の領域)に存在する任意の10個の粘着部と支持体との接触面積を測定し合算した。前記接触面積の合計と、粘着テープの任意の領域(流れ方向1cm×幅方向1cmの正方形の領域)の面積(1cm2)とに基づき、式[粘着部と支持体との接触面積の合計/1cm2]を算出し、それらの平均値を算出した。
また、上記マイクロスコープを用いた観察結果に基づき、粘着テープを構成する前記支持体の表面に設けられるすべての粘着部のうち、割合[接触面積(s2)/接触面積(s1)]×100が60%〜95%である各粘着部(b1)が占める割合を観察した。
(粘着部のゲル分率の測定方法)
前記粘着剤aを、それぞれ剥離ライナーの離型処理面に、乾燥後の厚さが50μmになるように、前記粘着剤を塗工したものを、100℃の環境下で3分間乾燥した後、40℃の環境下で2日間エージングさせることによって粘着剤層を形成した。前記粘着剤層を縦50mm及び横50mmの正方形に裁断したものを試験片とした。
上記試験片の質量(G1)を測定した後、23℃の環境下で、上記試験片をトルエンに24時間浸漬させた。前記浸漬後、前記試験片とトルエンとの混合物を、300メッシュ金網を用いて濾過することによって、トルエンへの不溶成分を抽出した。前記不溶成分を110℃の環境下で1時間乾燥させたものの質量(G2)を測定した。
前記質量(G1)と質量(G2)と下記式に基づいて、そのゲル分率を算出した。
ゲル分率(質量%)=(G2/G1)×100
(動的粘弾性の測定)
前記粘着剤aを、それぞれ剥離ライナーの表面に、乾燥厚さ50μmとなるよう塗工し乾燥させることによって粘着剤層を形成し、40℃の環境下に2日間養生した。前記養生後の粘着剤層を総厚さが2mmとなるまで重ねあわせたものを試験片とした。
次に、粘弾性試験機(レオメトリックス社製、商品名:アレス2KSTD)を用い、直径7.9mmの平行円盤形の測定部に前記試験片を挟み込み、周波数1Hz、昇温時間1℃/1分の条件で−50℃から150℃までの貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)を測定した。損失正接tanδは、以下の計算式より算出した。
損失正接tanδ=G”/G’
(グラファイト複合シート1の作製)
縦100mm×横100mm×厚さ25μmのグラファイトシートの一方の面に、縦104mm×横104mm×厚さ5μmの片面粘着テープ「IL−05G」(DIC株式会社製)を貼り合せ、前記グラファイトシートの他方の面に、実施例及び比較例で得た粘着テープを縦104mm×横104mmの大きさに裁断したものを貼り合わせた。
その際、前記粘着テープを構成する粘着剤層のうち、平滑な表面を有する粘着剤層がグラファイトシートと接する向きとなるようにした。
次に、前記片面粘着テープ「IL−05G」の表面に、厚さ62μmの微粘着片面テープ「CPF50(25)−SP」(ニッパ株式会社製)を貼り合せることによって、グラファイト複合シート1及びグラファイトシート複合シート2を得た。
[気泡の抜けやすさ(除去しやすさ)の評価方法]
はじめに、グラファイト複合シート1の粘着部が存在する側の面が上向きとなるように載置し、その面に予め貼付されていた剥離ライナーを除去した。
次に、前記粘着部が存在する側の面に、上記とは別の剥離ライナー(表面平滑で、片側表面が離型処理されたポリエチレンテレフタレート、厚さ25μm)を貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させ、その後、40℃で1週間放置した。
その後、23℃及び50%RH雰囲気下で、前記剥離ライナーを除去したものの表面(粘着部によって構成される面)に、縦200mm×横200mmのアルミニウム板を置き、アルミニウム板の上から10Nを荷重した状態で5秒放置することによって仮貼付物を得た。
次に、前記仮貼付物を反転させた後、グラファイト複合シート1側の面から2kgローラーを1往復させ、それらを加圧することによって積層体を得た。
上記方法で前記積層体を10個作製した。前記積層体を構成する前記グラファイト複合シート1の粘着部を有する面とアルミニウム板との間に気泡が存在するか否かを、グラファイトシートの膨らみを目視で観察することによって確認した。前記方法でグラファイトシートの表面に0.25mm2以上の膨らみ(気泡)を確認できなかった積層体の数に基づいて、前記気泡の抜けやすさを評価した。具体的には、前記10個の積層体のうち、前記膨らみを確認できなかったものが10個であったものは、表1及び2中に「10/10」と記載し、前記膨らみを確認できなかったものが1個であったものは、表1及び2中に「1/10」と記載した。
(接着力(貼付後1時間))
実施例及び比較例で得た粘着テープを20mm幅に切断し、その片側の粘着剤層を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちしたものを試験片とした。前記裏打ちは、表面が平滑な粘着剤層の表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部に相当する粘着剤層に対して行わないようにした。粘着部を有する側の面に貼付された剥離ライナーを除去したものを試験片とし、前記試験片を清潔で平滑なステンレス板の表面に貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させることで加圧したものを、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置した。その後、23℃及び50%RHの雰囲気下でテンシロン引張試験機を用いて、試験片のピール粘着力(剥離方向:180°、引張速度:0.3m/min)を測定した。測定結果は、表の「接着力(貼付後1時間)」の欄に示した。
(保持力)
実施例及び比較例で得た粘着テープを20mm幅に切断し、その片側の粘着剤層を、厚さ50μmのアルミ箔で裏打ちしたものを試験片とした。前記裏打ちは、表面が平滑な粘着剤層の表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部に相当する粘着剤層に対して行わないようにした。粘着部を有する側の面に貼付された剥離ライナーを除去したものを試験片とし、前記試験片を清潔で平滑なステンレス板の表面に20mm×20mmの貼付面積となるように貼付し、その上面で2kgローラーを用いて1往復させることで加圧したものを、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置した。その後、100℃の雰囲気下でせん断方向に100gの荷重をかけ、前記試験片の24時間後のテープのずれ距離を測定した。測定結果は、表の「保持力」の欄に示した。
(糊残りの有無)
実施例及び比較例で得た粘着テープを20mm幅に切断し、その片側の粘着剤層を、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルムで裏打ちしたものを試験片とした。前記裏打ちは、表面が平滑な粘着剤層の表面に対して行い、本発明の構成要件である粘着部に相当する粘着剤層に対して行わないようにした。
前記試験片を構成する粘着部の表面から剥離ライナーを除去したものを、清潔で平滑なガラスの表面に貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させることで加圧した後、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で1時間放置した。前記1時間放置後の試験片を用い、23℃及び50%RHの雰囲気下でテンシロン引張試験機を用いて、前記試験片を構成する粘着テープを180°方向に0.3m/minの速度で引き剥がした。
また、前記と同様の方法で裏打ちされた試験片を用意し、それを構成する粘着部の表面から剥離ライナーを除去したものを、清潔で平滑なガラスの表面に貼付し、その上面で2kgローラーを1往復させることで加圧した後、JISZ−0237に準じ、23℃及び50%RHの条件下で24時間放置した。前記24時間放置後の試験片を用い、23℃及び50%RHの雰囲気下でテンシロン引張試験機を用いて、前記試験片を構成する粘着テープを180°方向に0.3m/minの速度で引き剥がした。
前記引き剥がし後に、前記ガラスの表面を蛍光灯下に置き、その表面を目視で観察し、粘着部がガラスの表面に残存するか否かを観察した。
◎:1時間放置後の試験片及び24時間放置後の試験片のいずれにも糊残りは確認されなかった。〇:1時間放置後の試験片では糊残りが確認されなかったが、24時間放置後の試験片では、わずかに糊残りが確認された。
×:1時間放置後の試験片及び24時間放置後の試験片のいずれでも糊残りが確認された。