JP2016069158A - 駆動装置及びインクジェットプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ギヤ間の噛合/離間を検知可能な新規技術を提供する。
【解決手段】駆動源からの動力を伝達する伝達機構150は、移動ギヤ220と接続ギヤ230A−Dとを備える。接続ギヤの夫々は、互いに異なる駆動対象を駆動する。移動ギヤは、駆動源からの動力を受けて回転する。移動ギヤは、接続ギヤ間を移動して接続ギヤの夫々と個別に噛合可能に配置される。この伝達機構を備える装置内には、接続ギヤ毎の推定器が設けられる。各推定器では、駆動源に対する制御入力、制御入力に対応する制御出力、及び、駆動源から駆動対象までの動力伝達系のモデルに基づき、動力伝達系に作用する反力が推定される。モデルは、対応する接続ギヤと移動ギヤとが噛合った状態での反力推定値が所定範囲内の値(例えばゼロ近傍の値)を示すように構成される。これら推定器から得られる反力推定値に基づき、接続ギヤの夫々と移動ギヤとの噛合/離間が検知される。
【選択図】図4

Description

本発明は、駆動装置及びインクジェットプリンタに関する。
従来、単一駆動源からの動力を複数のローラに伝達するシート搬送装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このシート搬送装置は、シートを搬送するための搬送ローラの一端に設けられた駆動ギヤと、切換ギヤと、複数の伝達ギヤと、を備える。
駆動ギヤは、搬送ローラと一体に回転する。切換ギヤは、駆動ギヤの回転軸に対して平行移動可能であり、その移動範囲において駆動ギヤに常時噛合う。複数の伝達ギヤは、切換ギヤの回転軸に平行な回転軸を有し、互いに同軸の状態で整列される。伝達ギヤの夫々は、切換ギヤと噛合っている状態で、対応する駆動部に動力を伝達する。
複数の伝達ギヤのうち、切換ギヤと噛合う伝達ギヤは、切換ギヤの移動に伴って変更される。このシート搬送装置は、切換ギヤを移動させることによって、駆動ギヤからの動力の伝達先を変更し、切換ギヤと噛合う伝達ギヤを通じて、対応する駆動部を駆動する。このシート搬送装置は、切換ギヤに移動方向の力を作用させた状態で、駆動ギヤを介して切換ギヤを正回転方向及び逆回転方向に交互に同量回転させる処理を所定回数繰返し実行することにより、切換ギヤを軸方向に移動させる。
特開2008−162736号公報
ところで、従来装置では、切換ギヤが、移動元の伝達ギヤから目的の伝達ギヤまで移動して噛合った状態を検知することができない。このため、従来装置では、切換ギヤが目的の伝達ギヤまでおよそ確実に移動すると予め見積もられた上記所定回数分、上記処理を冗長に繰返し実行していた。
しかしながら、このような従来手法では、切換ギヤが目的の伝達ギヤに噛合ったにもかかわらず、上記処理が継続して繰返し実行されるケースがあるため、切換に係る処理(制御)を終了するまでに冗長な時間が必要とされる。
従って、本発明の一側面では、単一駆動源からの動力を、ギヤの切換を通じて、複数の駆動対象のいずれかに伝達する駆動装置において、ギヤ間の噛合及び離間の少なくとも一方を検知可能な有意義な新規技術を提供できることが望ましい。
本発明の一側面に係る駆動装置は、複数の接続ギヤと、移動ギヤと、駆動源と、コントローラと、複数の接続ギヤの夫々に対して設けられる推定器と、を備える。
複数の接続ギヤの夫々は、互いに異なる駆動対象に接続されて、対応する駆動対象を駆動する。移動ギヤは、複数の接続ギヤ間を移動して複数の接続ギヤの夫々と個別に噛合可能に配置される。
駆動源は、単一の駆動源であり得る。この駆動源は、移動ギヤを回転駆動することにより、複数の接続ギヤの内、移動ギヤに噛合う接続ギヤを回転駆動する。コントローラは、駆動源を制御するように構成される。
推定器は、コントローラによる駆動源に対する制御入力、及び、制御入力に対応する制御出力に基づき、駆動源から駆動対象までの動力伝達系に作用する反力を推定する。具体的に、推定器は、制御入力、制御出力、及び、制御出力と制御入力との対応関係を表す上記動力伝達系のモデルに基づいて、反力を推定する構成にされ得る。反力の推定値である反力推定値は、コントローラに提供される。
推定器の夫々に設定されるモデルは、このモデルが設定される推定器に対応する接続ギヤと移動ギヤとが噛合った状態での反力推定値が所定範囲内の値を示すように構成される。例えば、上記モデルは、接続ギヤと移動ギヤとが噛合った状態での反力推定値が理想的には値ゼロを示すような数学モデルとして構成される。
更に、コントローラは、複数の接続ギヤの夫々と移動ギヤとの噛合、離間、又は、その両方(以下、噛合/離間と表記する)を、対応する推定器から得られる反力推定値に基づき検知するように構成される。複数の推定器の内、対応する接続ギヤと移動ギヤとが噛合っている推定器からは、この推定器が有するモデルが、実際に連結されている駆動源から駆動対象までの動力伝達系に対応するために、正常範囲内の反力推定値が通常得られる。
一方、複数の推定器の内、対応する接続ギヤと移動ギヤとが噛合っていない推定器からは、この推定器が有するモデルが、実際に連結されている駆動源から駆動対象までの動力伝達系に対応しないため、上記正常範囲から逸脱した反力推定値が得られる。
従って、反力推定値に基づけば、複数の接続ギヤの夫々と移動ギヤとの噛合/離間を検知することができる。このような反力推定値に基づいた噛合/離間の検知は、駆動源の制御(例えばフィードバック制御)に際して参照される制御出力を流用することで、追加的なセンサ等の導入なしに実現可能である。従って、本発明によれば、噛合/離間の検知機能を有する駆動装置として、例えば生産面及びコスト面の少なくとも一方に関し有意義な駆動装置を提供することができる。
ところで、コントローラは、反力推定値が所定範囲内の値を示す場合に、この反力推定値を提供する推定器に対応する接続ギヤと移動ギヤとの噛合を検知する構成にされ得る。同様に、コントローラは、反力推定値が所定範囲外の値を示す場合に、この反力推定値を提供する推定器に対応する接続ギヤと移動ギヤとの離間を検知する構成にされ得る。こうした検知手法によれば、簡単に且つ精度良く、ギヤ間の噛合/離間を検知することが可能である。
コントローラは、予め定められた時間単位で反力推定値を統計処理して得られる反力推定値の代表値が所定範囲内の値を示す場合に噛合を検知する構成にされてもよい。同様に、コントローラは、上記代表値が所定範囲外の値を示す場合に離間を検知する構成にされてもよい。代表値としては、平均値、中央値、及び、最頻値等を一例に挙げることができる。
統計処理された反力推定値としての上記代表値を用いれば、反力推定値に含まれるギヤ間の噛合/離間とは無関係な高周波のノイズ成分を抑えて、ギヤ間の噛合/離間を検知することができる。従って、上記代表値を用いる駆動装置によれば、より高精度に、ギヤ間の噛合/離間を検知することが可能である。
コントローラは、噛合制御を次のように終了する構成にされてもよい。噛合制御は、移動ギヤを目的の接続ギヤに噛合わせるための制御である。即ち、コントローラは、目的の接続ギヤに対応する推定器から得られる反力推定値に基づき目的の接続ギヤと移動ギヤとの噛合を検知したことを条件に、噛合制御を終了する構成にされてもよい。
上記条件で噛合制御を終了する駆動装置によれば、従来装置のように移動ギヤが目的の伝達ギヤに噛合ったにもかかわらず、ギヤ切換に係る処理(制御)が継続されるような不必要な動作を抑えることができ、ギヤ切換後の処理に効率よく移行することができる。
駆動装置には、接続ギヤ間を移動する力を移動ギヤに付与する付与機構が設けられ得る。この他、コントローラは、噛合制御として、付与機構により付与された力の作用により目的の接続ギヤに向かう移動ギヤを正回転方向及び逆回転方向に交互に微小回転させる制御を実行する構成にされ得る。
コントローラは、目的の接続ギヤと移動ギヤとの噛合が検知されない状態で噛合制御の実行量が上限値に到達した場合にも、噛合制御を終了する構成にされ得る。このコントローラを有する駆動装置によれば、何らかの理由により、目的の接続ギヤと移動ギヤとの噛合が完了しない場合に、噛合制御を不必要に継続しなくて済む。コントローラは、目的の接続ギヤと移動ギヤとの噛合が検知されない状態で噛合制御の実行量が上限値に到達した場合に、エラーの発生を通知する処理を実行する構成にされ得る。
上述した駆動装置は、ギヤの切換が必要な種々の装置に適用することができる。例えば駆動装置は、インクジェットプリンタに搭載され得る。
本発明の一側面に係るインクジェットプリンタは、上述の駆動装置、及び、複数の機械的装置を備える。機械的装置の夫々は、駆動装置によって駆動されて、互いに異なる処理動作を実現する。
このインクジェットプリンタにおいて、駆動装置は、接続ギヤとして複数の機械的装置の夫々に接続されたギヤを備える。駆動装置は、複数の機械的装置に共通する駆動源からの動力を、複数の機械的装置の内の目的の機械的装置に、対応する接続ギヤ及び接続ギヤと噛合う移動ギヤを介して伝達することにより、複数の機械的装置の夫々を駆動する。コントローラは、複数の機械的装置の内、目的の機械的装置に対応する接続ギヤと移動ギヤとの噛合を、目的の機械的装置に対応する推定器から得られる反力推定値に基づき検知する。
インクジェットプリンタに搭載される機械的装置としては、シートの供給、搬送、転回、及び、排出の少なくとも一つに用いられる少なくとも一つローラと、このローラに動力を伝達する機構と、を備える装置を一例に挙げることができる。これらの機械的装置は、シートトレイ、シートの供給経路、搬送経路、及び、排出経路等の違いによって、インクジェットプリンタ内に複数設けられ得る。
この他、機械的装置としては、記録ヘッド(インクジェットヘッド)に対するキャッピング及びポンピング、その他のメンテナンス処理の少なくとも一つを実行する装置を一例に挙げることができる。インクジェットプリンタには、複数の機械的装置が搭載され得るが、本発明の一側面に係るインクジェットプリンタによれば、これら機械的装置を単一の駆動源を用いて、効率よく駆動することができる。
画像形成システムの構成を表すブロック図である。 キャリッジ及び用紙の搬送に関わる機械的構成を説明した図である。 レバー保持部材の構成を表す概略上面図及び伝達機構の構成を表す概略側面図である。 ギヤ切換時における切換レバー及び移動ギヤの動作を示す図である。 反力推定ユニットの構成を表すブロック図である。 推定器の詳細構成を表すブロック図である。 摩擦モデルの同定方法を説明した図である。 搬送制御ユニットが実行するギヤ切換処理を表すフローチャートである。 図9(A)及び図9(B)は、反力推定値Rの絶対値|R|の変化を搬送ローラの速度Vの変化と共に示すグラフ群である。 変形例のギヤ切換処理を表すフローチャートである。
以下に本発明の実施例について、図面と共に説明する。
図1に示す本実施例の画像形成システム1は、インクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、メインユニット10と、通信インタフェース20と、ユーザインタフェース30と、印字制御ユニット40と、搬送制御ユニット50と、反力推定ユニット60と、を備える。
画像形成システム1は、キャリッジ搬送ユニット70と、記録ヘッド80と、切換レバー90と、搬送モータ100と、駆動回路110と、用紙搬送機構120と、ロータリエンコーダ130と、検出回路140と、伝達機構150と、第一給紙ユニット160と、第二給紙ユニット170と、反転ユニット180と、メンテナンスユニット190と、を更に備える。
メインユニット10は、CPU11と、ROM13と、RAM15と、NVRAM17と、を備える。ROM13は、各種プログラムを記憶する。CPU11は、これらプログラムに従う処理を実行する。RAM15は、CPU11による処理実行時に、作業領域として使用される。NVRAM17は、電気的にデータ書き換え可能な不揮発性メモリであり、画像形成システム1の電源オフ後にも保持する必要のあるデータを記憶する。
CPU11は、ROM13が記憶するプログラムに従う処理を実行することにより、装置内各部を統括制御し、インクジェットプリンタとして必要な機能を実現する。以下では、CPU11が実行する処理を、メインユニット10を動作主体として説明する。通信インタフェース20は、パーソナルコンピュータ等の外部装置5と双方向通信可能に構成される。通信インタフェース20としては、USBインタフェース及びLANインタフェースを一例に挙げることができる。
メインユニット10は、通信インタフェース20を通じて外部装置5から印刷対象の画像データを受信すると、受信した画像データに基づく画像を用紙Qに形成するために、印字制御ユニット40及び搬送制御ユニット50に対して指令を入力する。また、メインユニット10は、印字制御ユニット40及び搬送制御ユニット50からエラーの発生を通知するエラー通知が入力されると、ユーザインタフェース30を通じて、エラーの発生をユーザに報知するための処理であるエラー報知処理を実行する。例えば、メインユニット10は、エラー報知処理として、ユーザインタフェース30にて警告メッセージが表示されるように、又は、警告音が出力されるように、ユーザインタフェース30を制御する処理を実行する。
ユーザインタフェース30は、液晶ディスプレイ等に代表される表示ユニット、スピーカ、及び、ユーザ操作可能な入力ユニットを備える。入力ユニットとしては、タッチパネル及びキースイッチを一例に挙げることができる。
印字制御ユニット40は、メインユニット10からの指令に従って、記録ヘッド80を搭載するキャリッジ71(図2参照)の搬送を制御する機能、及び、記録ヘッド80によるインク液滴の吐出動作を制御する機能を有する。印字制御ユニット40は、キャリッジ搬送ユニット70を制御することにより、キャリッジ71の主走査方向への移動を制御する。主走査方向は、用紙Qの搬送方向である副走査方向に直交する。
図2に示すように、キャリッジ搬送ユニット70は、キャリッジ71と、モータ73と、ベルト機構75と、ガイドレール77,79と、を備える。キャリッジ搬送ユニット70は、図示しないリニアエンコーダを更に備える。モータ73は、印字制御ユニット40により制御される。リニアエンコーダは、印字制御ユニット40がキャリッジ71の主走査方向における位置を検出できるように構成される。
印字制御ユニット40は、リニアエンコーダからの出力に基づき、モータ73を制御することにより、キャリッジ71の主走査方向への搬送を制御する。また、印字制御ユニット40は、用紙Q上の目的の位置にインク液滴が着弾するように、キャリッジ71の移動に合わせて、記録ヘッド80によるインク液滴の吐出動作を制御する。
ベルト機構75は、主走査方向に配列された駆動プーリ751及び従動プーリ753と、駆動プーリ751と従動プーリ753との間に巻回されたベルト755と、を備える。ベルト755には、キャリッジ71が固定される。ベルト機構75では、駆動プーリ751がモータ73からの動力を受けて回転し、ベルト755及び従動プーリ753が、駆動プーリ751の回転に伴って、従動回転する。
ガイドレール77,79は、それぞれ主走査方向に沿って延設され、互いに副走査方向に離れた位置に配置される。ガイドレール79には、孔HLが形成される。この孔HLを通じて、切換レバー90が、ガイドレール79の下方から上方(キャリッジ71の搬送経路上)に突出している。切換レバー90の詳細については、図3を用いて後述する。
ベルト機構75は、ガイドレール77に配置される。ガイドレール77,79には、例えば主走査方向に延びる突条(図示せず)がキャリッジ71の移動方向を主走査方向に規制するために設けられる。キャリッジ71は、例えば、下面の溝に突条が配置されるようにガイドレール77,79上に載置されて、ガイドレール77,79に支持される。この状態で、キャリッジ71は、ベルト755の回転に連動して、ガイドレール77,79上を主走査方向に沿って移動する。記録ヘッド80は、キャリッジ71の移動に伴って、主走査方向に搬送される。
搬送制御ユニット50(図1参照)は、メインユニット10からの指令に従って、搬送モータ100を制御する。この搬送制御ユニット50は、電流指令値Uを駆動回路110に入力する。駆動回路110は、搬送モータ100をPWM駆動することにより、電流指令値Uに対応する駆動電流を搬送モータ100に印加し、搬送モータ100を駆動する。搬送モータ100は、直流モータにより構成される。搬送モータ100は、用紙搬送機構120が備える搬送ローラ121に接続され、搬送ローラ121を回転駆動する。
搬送ローラ121は、その一端部にて搬送モータ100からの動力を受けて回転する。図示しないが、搬送ローラ121に対しては、これに対向するピンチローラを配置することができる。即ち、用紙搬送機構120は、搬送ローラ121とピンチローラとの間に用紙Qを挟持した状態で、搬送ローラ121を回転させることにより、用紙Qを副走査方向に搬送する。
ロータリエンコーダ130(図1参照)は、搬送ローラ121の回転と同期したエンコーダ信号を出力する。検出回路140は、ロータリエンコーダ130から入力されるエンコーダ信号に基づき、搬送ローラ121の回転量X及び回転速度Vを検出する。
搬送制御ユニット50は、検出回路140により検出された搬送ローラ121の回転量X及び回転速度Vに基づいて、搬送モータ100を制御する。これにより、搬送制御ユニット50は、搬送ローラ121の回転、ひいては、用紙搬送機構120による用紙Qの搬送動作を制御する。例えば、回転量Xは、位置制御に用いられ、回転速度Vは、速度制御に用いられる。
伝達機構150は、搬送ローラ121の上記一端部とは反対側の他端部に設けられる。この伝達機構150は、搬送モータ100からの動力を、搬送ローラ121を介して受けて、これを駆動対象の機械的装置に伝達する。具体的に、伝達機構150は、搬送ローラ121からの動力を、切換レバー90の位置に応じて、駆動対象の機械的装置としての、第一給紙ユニット160、第二給紙ユニット170、反転ユニット180、及び、メンテナンスユニット190のいずれかに伝達する。
第一給紙ユニット160は、給紙ローラを備える。この給紙ローラは、搬送ローラ121及び伝達機構150を介して伝達されてくる搬送モータ100からの動力を受けて回転する。第一給紙ユニット160は、給紙ローラの回転により、第一の給紙トレイに支持される用紙Qを搬送ローラ121に向けて供給する。
第二給紙ユニット170も、搬送モータ100からの動力を搬送ローラ121及び伝達機構150を介して受けて回転する給紙ローラを備える。第二給紙ユニット170は、第一給紙ユニット160と同様に、給紙ローラの回転により、第二の給紙トレイに載置された用紙Qを、搬送ローラ121に向けて供給する。
反転ユニット180は、用紙Qの両面印刷時に駆動される機械的装置である。反転ユニット180は、搬送モータ100からの動力を、搬送ローラ121及び伝達機構150を介して受けて動作する。反転ユニット180は、記録ヘッド80による印字位置(インク液滴の吐出位置)の下流側に通過した用紙Qを、その表裏を反転して記録ヘッド80による印字位置の上流側に再供給する。
メンテナンスユニット190は、記録ヘッド80のメンテナンスを行うための機械的装置である。メンテナンスユニット190は、図示しないが、記録ヘッド80のノズル面に装着されるキャップ、キャップの昇降機構、及び、キャップに接続されてインク液滴の吸引を行うポンプを備える。
キャップの昇降機構は、キャリッジ71がメンテナンス領域G(図2参照)に進入する過程で、キャリッジ71からの力の作用を受けて、キャップを徐々に上昇させる構成にされる。更に、キャップ昇降機構は、キャリッジ71がメンテナンス領域Gに配置されたときには、キャップを記録ヘッド80のノズル面に装着する構成にされる。
ポンプは、搬送モータ100からの動力を、搬送ローラ121及び伝達機構150を介して受けて動作し、インク液滴の吸引を行う構成にされる。メンテナンスユニット190(特にポンプ)は、キャリッジ71がメンテナンス領域Gに位置するときに駆動される。
続いて、伝達機構150の詳細構成を説明する。図3の領域(B)に示すように伝達機構150は、駆動ギヤ210と、移動ギヤ220と、上述した機械的装置160,170,180,190の夫々に対応する接続ギヤ230A,230B,230C,230Dと、を備える。駆動ギヤ210、移動ギヤ220、及び、接続ギヤ230A−Dの夫々は、平歯車としての形態を有する。接続ギヤ230A−Dとの記載は、接続ギヤ230A,230B,230C,230Dを表す。以下における接続ギヤ230との記載は、接続ギヤ230A,230B,230C,230Dの内の特定されない一つを示すときに用いられる。
駆動ギヤ210は、その回転軸が搬送ローラ121の回転軸に一致するようにして、搬送ローラ121の上記他端部に固定される。これにより、駆動ギヤ210は、搬送ローラ121と一体に回転する。駆動ギヤ210は、移動ギヤ220の移動範囲において常時移動ギヤ220と噛合うような軸方向の寸法を有する。
移動ギヤ220は、駆動ギヤ210と常時噛合い、且つ移動ギヤ220の回転軸が駆動ギヤ210の回転軸と平行となるように配置される。移動ギヤ220の回転軸に沿っては、軸部材225が移動ギヤ220の回転中心の孔を貫くように配置される。これにより、移動ギヤ220は、軸部材225に対して回転可能且つ軸方向にスライド移動可能に配置される。
移動ギヤ220は、軸部材225に案内されて接続ギヤ230A−D間を移動する。接続ギヤ230A−Dは、回転軸に垂直な側面が互いに対向するようにして、移動ギヤ220の回転軸(軸部材225)に対して平行に整列配置される。移動ギヤ220は、これら接続ギヤ230A−Dの夫々と個別に噛合可能な軸方向の寸法を有する。
軸部材225は、端部90Eがスライド移動可能であるように切換レバー90を支持する。切換レバー90の端部90Eは、主走査方向において、移動ギヤ220に隣接して、移動ギヤ220よりも搬送ローラ121の遠方側に設けられる。
更に、軸部材225には、移動ギヤ220及び切換レバー90を挟むように二つのバネ部材227,228が設けられる。バネ部材228による付勢力は、バネ部材227による付勢力よりも大きい。従って、切換レバー90は、その移動範囲全体に亘って、接続ギヤ230Dから接続ギヤ230Aに向かう方向への付勢力を受ける。移動ギヤ220は、バネ部材227から付勢力を受けているため、切換レバー90が接続ギヤ230Aから接続ギヤ230D側に移動するとき、切換レバー90に追従するように移動する。
例えば、切換レバー90は、キャリッジ71が搬送経路における端側に移動するときに、キャリッジ71と当接し、キャリッジ71からの押圧力を受けて、図4左領域に示すように、接続ギヤ230A側から接続ギヤ230D側に移動する。このとき、移動ギヤ220は、バネ部材227からの力の作用を受けて、図4右領域に示すように、切換レバー90に追従するように移動する。本実施例によれば、移動ギヤ220は、このようにしてバネ部材227からの力の作用により、切換レバー90の位置に応じた位置に移動する。
切換レバー90は、図3の領域(A)に示すように、上述した孔HLを形成するレバー保持部材240内に設けられる。図2に示す孔HLは、抽象化された矩形状で表されるが、この孔HLは、詳細には、図3の領域(A)に示す形状にされる。図3の領域(A)には、ガイドレール79の上面から見たときの孔HLの具体的形状が示される。
レバー保持部材240は、レバー配置領域241A,241B,241C,241Dを備える。切換レバー90は、レバー配置領域241Aにて、孔HLの縁に当接されることにより、バネ部材227,228の力の作用によっても、ここより搬送ローラ121側には移動しないように保持される。レバー配置領域241Aに切換レバー90があるとき、移動ギヤ220は、接続ギヤ230Aと噛合う位置に配置される。
切換レバー90の端部90Eと移動ギヤ220とが接触している状態では、切換レバー90がレバー配置領域241Bにあるとき、移動ギヤ220は、接続ギヤ230Bと噛合う位置に配置される。同様に、切換レバー90がレバー配置領域241C,241Dに配置されるとき、移動ギヤ220は、夫々、接続ギヤ230C,230Dと噛合う位置に配置される。
切換レバー90は、その端部90Eにおいて、バネ部材228の捩れによる力(軸部材225の周方向に沿う力)の作用を受けている。即ち、切換レバー90は、図3の領域(A)において、図面左下方向に向かう力の作用を受けるように配置されている。
従って、切換レバー90は、レバー配置領域241A側からレバー配置領域241D側に移動する過程において、図3の領域(A)における孔HLの図面下方の縁に沿って移動する。このため、切換レバー90は、レバー配置領域241A側からレバー配置領域241D側に移動する過程では、レバー配置領域241B,241Cに形成される切欠きによって、その途中でキャリッジ71が後退しても、バネ部材227,228の力の作用によってレバー配置領域241A側に戻らないように、レバー配置領域241B,241Cに保持される。
切換レバー90は、レバー配置領域241Dに配置された後、キャリッジ71が後退し始めると、バネ部材228からの力の作用を受けて、案内部材242に案内されながらレバー配置領域241Aまで戻る。案内部材242には、下方に伸びるレール243が形成される。切換レバー90は、このレール243に摺接しながらレバー配置領域241Aに戻る。このとき、移動ギヤ220は、切換レバー90の端部90Eから押圧力を受けて、切換レバー90と共に接続ギヤ230A側に移動する。
接続ギヤ230A−Dは、移動ギヤ220の回転軸と平行な共通の軸部材235に回転可能に支持される。接続ギヤ230A−Dの回転軸は、この軸部材235に一致する。接続ギヤ230A−Dの夫々は、移動ギヤ220の移動範囲内に設けられる。
接続ギヤ230Aは、第一給紙ユニット160に接続される。即ち、接続ギヤ230Aは、移動ギヤ220と噛合っている状態で、搬送ローラ121からの動力を、駆動ギヤ210及び移動ギヤ220を介して受けて、この動力を第一給紙ユニット160に伝達する。これにより、第一給紙ユニット160は駆動される。
接続ギヤ230Bは、第二給紙ユニット170に接続される。即ち、接続ギヤ230Bは、移動ギヤ220と噛合っている状態で、搬送ローラ121からの動力を、駆動ギヤ210及び移動ギヤ220を介して受けて、この動力を第二給紙ユニット170に伝達する。これにより、第二給紙ユニット170は駆動される。
接続ギヤ230Cは、反転ユニット180に接続される。即ち、接続ギヤ230Cは、移動ギヤ220と噛合っている状態で、搬送ローラ121からの動力を、駆動ギヤ210及び移動ギヤ220を介して受けて、この動力を反転ユニット180に伝達する。これにより、反転ユニット180は駆動される。
接続ギヤ230Dは、メンテナンスユニット190に接続される。即ち、接続ギヤ230Dは、移動ギヤ220と噛合っている状態で、搬送ローラ121からの動力を、駆動ギヤ210及び移動ギヤ220を介して受けて、この動力をメンテナンスユニット190に伝達する。これにより、メンテナンスユニット190(ポンプ)は駆動される。
続いて、反力推定ユニット60の詳細構成を説明する。図5に示すように反力推定ユニット60は、接続ギヤ230A−Dの夫々に対応する推定器61A,61B,61C,61Dを備える。以下における推定器61A−Dとの記載は、推定器61A,61B,61C,61Dを表す。以下における推定器61との記載は、推定器61A,61B,61C,61Dの内の特定されない一つを示すときに用いられる。
接続ギヤ230Aに対応する推定器61Aは、接続ギヤ230Aと移動ギヤ220とが噛合っているとの仮定の下で、搬送モータ100から第一給紙ユニット160までの動力伝達系である第一動力伝達系に作用する反力を推定する。具体的に、推定器61Aは、搬送モータ100に対する制御入力である電流指令値U、及び、電流指令値Uに対応する制御出力として検出回路140により検出される搬送ローラ121の速度Vに基づき、第一動力伝達系に作用する反力推定値R=RAを算出する。反力推定値RAの算出には、第一動力伝達系のモデル(数学モデル)が用いられる。
このモデルは、制御出力(速度V)と制御入力(電流指令値U)との対応関係を表すものであり、設計者により定められて推定器61Aに設定される。推定器61Aのモデルは、接続ギヤ230Aと移動ギヤ220とが噛合っている状態では、反力推定値RAがゼロとなるように定められる。
但し、反力推定値RAが正確にゼロとなるのは、上記モデルでは想定されていない外乱が、画像形成システム1に全く発生していない理想的な状態の時である。通常の環境では、外乱が存在する。従って、推定器61Aは、接続ギヤ230Aと移動ギヤ220とが噛合っている状態では、反力推定値RAとしておよそゼロを出力するように動作する。この反力推定値RAは、搬送制御ユニット50に入力される。
接続ギヤ230Bに対応する推定器61Bは、接続ギヤ230Bと移動ギヤ220とが噛合っているとの仮定の下で、搬送モータ100から第二給紙ユニット170までの動力伝達系である第二動力伝達系に作用する反力を推定する。即ち、推定器61Bは、電流指令値U及び速度V、並びに、第二動力伝達系のモデルに基づき、反力推定値R=RBを算出する。推定器61Bに設定されるモデルは、推定器61Aに設定されるモデルと同様に、接続ギヤ230Bと移動ギヤ220とが噛合っている状態では、反力推定値RBがゼロとなるように定められる。反力推定値RBは、搬送制御ユニット50に入力される。
接続ギヤ230Cに対応する推定器61C及び接続ギヤ230Dに対応する推定器61Dも、推定器61A及び推定器61Bと同様に構成される。即ち、推定器61C/推定器61Dは、接続ギヤ230C/接続ギヤ230Dと移動ギヤ220とが噛合っているとの仮定の下で、搬送モータ100から反転ユニット180/メンテナンスユニット190までの動力伝達系に作用する反力を推定する構成にされる。
即ち、推定器61C/推定器61Dは、電流指令値U及び速度V、並びに、対応する動力伝達系のモデルに基づき、反力推定値R=RC/反力推定値R=RDを算出する。推定器61C/推定器61Dに設定されるモデルは、接続ギヤ230C/接続ギヤ230Dと移動ギヤ220とが噛合っている状態では、反力推定値RC/反力推定値RDがゼロとなるように定められる。
続いて、推定器61A−Dの詳細構成を説明する。図6に示すように、推定器61は、逆モデル演算部611と、減算器613と、ローパスフィルタ615と、減算器617と、摩擦演算部619と、を備える。反力推定値Rを算出する対象の動力伝達系が、電流指令値U(制御入力)と速度V(制御出力)との間の関係を、伝達関数Hを用いて式V=H・Uで数式化できるものである場合、逆モデル演算部611は、次のように構成される。
即ち、逆モデル演算部611は、伝達関数Hの逆モデルH-1を用いて、検出回路140から入力される搬送ローラ121の速度Vを、その速度Vに対応する電流指令値U*=H-1・Vに変換するように構成される。但し、伝達関数Hには、推定器61による推定対象の動力伝達系が含む回転軸での粘性摩擦及びクーロン摩擦(動摩擦)の要素が含まれないものとする。例えば、伝達関数Hは、動力伝達系を剛体モデルにより表現して定めることができる。この場合の伝達関数Hは、定数K及びラプラス演算子sを用いて、H=K/sで表すことができ、逆モデルは、H−1=(1/K)・sで表すことができる。
減算器613は、搬送制御ユニット50から駆動回路110に入力される電流指令値Uから、逆モデル演算部611が出力する電流指令値U*を減算して、外乱推定値τ(=U−U*)を算出する。搬送モータ100に印加される電流とトルクとの間には、比例関係が成立する。このため、外乱推定値τは、動力伝達系に作用する伝達関数Hでは表現されていない力の成分に対応する。
ローパスフィルタ615は、外乱推定値τを、高周波成分を除去するように補正して出力する。補正後の外乱推定値τは、減算器617に入力される。
摩擦演算部619は、動力伝達系において作用する摩擦力の推定値Fを予め定められた関数F(V)に従って算出し、この摩擦力推定値Fを減算器617に入力する。具体的に、摩擦演算部619は、検出回路140から入力される搬送ローラ121の速度Vを、関数F(V)=D・V+Cに入力して、摩擦力推定値F=F(V)を算出する。ここで、係数Dは、粘性摩擦係数に対応し、定数Cは、クーロン摩擦力(動摩擦力)に対応する。係数D及び定数Cは、試験により求められて、摩擦演算部619に設定される。
減算器617は、ローパスフィルタ615から入力される外乱推定値τから、摩擦演算部619からの摩擦力推定値Fを減算することにより、反力推定値R=τ−Fを算出し、これを搬送制御ユニット50に入力する。
上述した動力伝達系のモデルは、速度Vから電流指令値U*を算出する関数、及び、速度Vから摩擦力推定値Fを算出する関数に対応する。推定器61A−Dの夫々のモデルは、係数D及び定数Cの調整により、対応する接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態では、反力推定値Rがゼロとなるように定められる。
係数D及び定数Cの決定は、対応する接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態で、図7(A)に示すように目標速度Vrを階段状に切り替えながら、搬送ローラ121の速度Vを目標速度Vrに制御するように、搬送制御ユニット50に、搬送モータ100を制御させることにより実現することができる。
この制御過程では、目標速度Vrが切り替わる毎に、図7(B)に示すように検出回路140で検出される搬送ローラ121の速度Vの平均値を算出する。また、目標速度Vrが切り替わる毎に、図7(C)に示すように、搬送制御ユニット50から駆動回路110に入力される電流指令値Uの平均値を算出する。上記伝達関数Hが剛体モデルで表現されるとき、その逆モデルH−1が微分要素を含むように、速度Vが一定速度で安定している状態において電流指令値Uは、摩擦成分に対応する。
従って、目標速度Vrが切り替わる毎に得られた電流指令値U(平均値)と速度V(平均値)との組を、図7(D)に示すように最小二乗法を用いて1次関数U=D・V+Cで近似すると、動力伝達系に作用する摩擦力を、上記近似した1次関数で高精度に算出することができる。この1次関数から得られる係数D及び定数Cを、摩擦演算部619に設定することにより、推定器61を、対応する接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態では、反力推定値Rとして値ゼロを算出するように構成することができる。
このように推定器61A−Dを構成した場合には、推定器61A−Dが出力する反力推定値Rを参照することにより、接続ギヤ230A−Dに対する移動ギヤ220の噛合及び離間を検知することができる。図4左領域に示すように、移動ギヤ220が接続ギヤ230Aに噛合っている状態で、切換レバー90がキャリッジ71に押し出されることに伴って、移動ギヤ220が接続ギヤ230Bに移動する場合を考える。
移動ギヤ220は、切換レバー90が接続ギヤ230B側に移動しても、すぐさま接続ギヤ230B側に移動するわけではない。移動ギヤ220が駆動ギヤ210及び接続ギヤ230Aと噛合っている状態としては、移動ギヤ220の歯と駆動ギヤ210の歯とが強く(高い圧力で)接触している状態、及び、移動ギヤ220の歯と接続ギヤ230Aの歯とが強く接触している状態があり得る。この場合には、接触面で作用する摩擦力がバネ部材227による付勢力より強いことに起因して、移動ギヤ220は、接続ギヤ230B側に移動することができない。この他、移動ギヤ220の歯と移動方向に隣接する接続ギヤ230Bの歯とが軸方向において重なっている場合、移動ギヤ220は、移動ギヤ220の歯と接続ギヤ230Bの歯との干渉により、接続ギヤ230Bと噛合う位置まで移動することができない。
このような接触状態を緩和するため、及び、歯の干渉を解消するためには、周知のクック動作を行うことができる。本実施例の場合、クック動作は、搬送モータ100の制御により、移動ギヤ220を正回転方向及び逆回転方向に交互に回転させる動作に対応する。この回転によっては、歯の接触状態が緩和し、且つ、歯の重なりが解消される事象が発生する。この事象が発生したときに、移動ギヤ220は、図4右領域に示すように、接続ギヤ230Aから接続ギヤ230Bに移動する。
従来手法では、このような移動ギヤ220の移動を把握することができないため、クック動作を冗長に行っていた。これに対し、本実施例によれば、移動ギヤ220が接続ギヤ230Aに噛合っており、接続ギヤ230Bまで移動していないときには、推定器61Aの反力推定値RAがゼロに近い値を示す。一方、推定器61Bでは、接続ギヤ230Bと移動ギヤ220とが噛合っていないのにも関わらず、接続ギヤ230Bと移動ギヤ220とが噛合っていることを前提としたモデルに従って反力推定値RBが算出されるため、反力推定値RBとしてゼロから大きく乖離した値が算出される。
従って、反力推定値RAの絶対値|RA|が、閾値TH以下であるか否かを判断することにより、移動ギヤ220が接続ギヤ230Aに噛合っている状態であるか否かを判断することができる。同様に、反力推定値RBの絶対値|RB|が閾値THより大きいか否かを判断することにより、移動ギヤ220が接続ギヤ230Bから離間している状態であるかを判断することができる。
また、クック動作により、移動ギヤ220が接続ギヤ230Aから移動して接続ギヤ230Bと噛合った場合を考える。この場合、推定器61Aでは、接続ギヤ230Aと移動ギヤ220とが噛合っていないのにも関わらず、接続ギヤ230Aと移動ギヤ220とが噛合っていることを前提としたモデルに従って反力推定値RAが算出されるため、反力推定値RAとしてゼロから大きく乖離した値が算出される。一方、推定器61Bでは、反力推定値RBとしてゼロに近い値が算出される。
従って、反力推定値RAの絶対値|RA|が閾値THより大きいか否かを判断し、反力推定値RBの絶対値|RB|が、予め定められた閾値以下であるか否かを判断することにより、移動ギヤ220が接続ギヤ230Aから離間し、接続ギヤ230Bに噛合っている状態であるか否かを判断することができる。本実施例によれば、このような判断により、接続ギヤ230A−Dに対する移動ギヤ220の噛合及び離間を検知することができるので、クック動作を冗長に行わなくても、移動ギヤ220が目的の接続ギヤ230に噛合った時点でクック動作を止めることができ、効率的にクック動作を行うことが可能である。
続いて、搬送制御ユニット50が、移動ギヤ220をメインユニット10により指示された位置まで移動させるために実行するギヤ切換処理の詳細を、図8を用いて説明する。搬送制御ユニット50は、メインユニット10からの指令に従ってギヤ切換処理を実行する。ギヤ切換処理の開始時には、メインユニット10から印字制御ユニット40への指令入力により、印字制御ユニット40が、切換レバー90を移動ギヤ220の移動先に対応する位置(即ち、移動ギヤ220の移動先に対応して、切換レバー90が位置すべきレバー配置領域241A,241B,241C,241Dのいずれかの領域)に移動させるためのキャリッジ71の搬送制御を実行する。
ギヤ切換処理を開始すると、搬送制御ユニット50は、移動元接続ギヤ230に対応する推定器61から得られる反力推定値Rを、第一参照対象に設定し(S110)、移動先接続ギヤ230に対応する推定器61から得られる反力推定値Rを、第二参照対象に設定する(S120)。移動元接続ギヤ230とは、ギヤ切換処理の開始時点で既に移動ギヤ220と噛合っている接続ギヤ230のことを示す。移動先接続ギヤ230とは、メインユニット10から指定された接続ギヤ230であって、ギヤ切換処理により移動ギヤ220を移動させる先の接続ギヤ230のことを示す。
S110及びS120での処理を終えると、搬送制御ユニット50は、切換レバー90の移動に併せて移動ギヤ220を移動させるためのクック動作に係る制御を開始する(S130)。即ち、搬送制御ユニット50は、移動ギヤ220を正回転方向及び逆回転方向に交互に繰返し微小回転させるための搬送モータ100に対する制御を開始する。その後、搬送制御ユニット50は、この制御を継続しながら、S140,S150,S155の処理を繰返し実行する。まず、S140において、搬送制御ユニット50は、第一参照対象の最新の反力推定値R=R1に基づき、この反力推定値R1の絶対値|R1|が予め定められた閾値THより大きいか否かを判断する。
閾値THは、移動元接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態の反力推定値Rと、移動元接続ギヤ230から移動ギヤ220が離間した状態の反力推定値Rとの間の値である。より詳細には、閾値THは、移動元接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態において、移動元接続ギヤ230に対応する推定器61が出力する反力推定値Rの変動範囲よりも若干大きな値に定められる。反力推定値Rは、移動元接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態でも、外乱により値ゼロの周辺で時間変動するため、閾値THは、その変動幅よりも大きな値に定められるのである。
絶対値|R1|が閾値THよりも大きいと判断すると(S140でYes)、搬送制御ユニット50は、S150に移行する。一方、絶対値|R1|が閾値TH以下であると判断すると(S140でNo)、S155に移行する。絶対値|R1|が閾値THより大きいことは、移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230から離間していることを示す。一方で、絶対値|R1|が閾値TH以下であることは、移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230に噛合ったまま、換言すれば移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230から離間していないことを示す。
S155において、搬送制御ユニット50は、移動ギヤ220を正回転及び逆回転させるクック動作の実行回数が上限値に到達したか否かを判断する。本実施例における1回のクック動作は、移動ギヤ220を正回転方向に所定量回転させる動作、及び、移動ギヤ220を逆回転方向に所定量回転させる動作の1セットに対応する。上限値は、異常がなければ、移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230から移動先接続ギヤ230に移動して移動先接続ギヤ230に噛合うのに十分なクック動作の実行回数に定められる。
ここで、クック動作回数が上限値に到達していないと判断すると(S155でNo)、搬送制御ユニット50は、S140に移行する。一方、クック動作回数が上限値に達していると判断すると(S155でYes)、S130で開始したクック動作に係る制御を終了する(S180)。その後、エラー通知をメインユニット10に入力し(S190)、当該ギヤ切換処理を終了する。メインユニット10は、このエラー通知を受けて、エラーをユーザに向けて報知するためのユーザインタフェース30に対する制御を実行する。
搬送制御ユニット50は、S150に移行すると、第二参照対象の最新の反力推定値R=R2に基づき、この反力推定値R2の絶対値|R2|が閾値TH以下であるか否かを判断する。そして、絶対値|R2|が閾値THより大きいと判断すると(S150でNo)、S155に移行し、絶対値|R2|が閾値TH以下であると判断すると(S150でYes)、S160に移行する。絶対値|R2|が閾値THより大きいことは、移動ギヤ220が移動先接続ギヤ230に噛合っていないことを示す。絶対値|R2|が閾値TH以下であることは、移動ギヤ220が移動先接続ギヤ230に噛合っていることを示す。
S160において、搬送制御ユニット50は、S130で開始したクック動作に係る制御を終了する。その後、移動ギヤ220の目的の接続ギヤ230までの移動が完了したことを通知する完了通知をメインユニット10に入力し(S170)、ギヤ切換処理を終了する。
図9(A)に示す例によれば、クック動作により、時刻t1で移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230から離間して、移動元接続ギヤ230の反力推定値R1の絶対値|R1|が閾値THより大きくなる。続く時刻t2では、移動ギヤ220が移動先接続ギヤ230に噛合って、移動先接続ギヤ230の反力推定値R2の絶対値|R2|が閾値TH以下となる。図9(A)上段は、搬送ローラ121の速度Vの時間変化を表すグラフであり、図9(A)下段は、反力推定値R1,R2の絶対値の時間変化を表すグラフである。
搬送制御ユニット50は、この時刻t2でS160に移行し、時刻t2で実行しているクック動作の1セット分が完了次第、その後のクック動作の実行を止めて、ギヤ切換処理を終了する。但し、搬送制御ユニット50は、時刻t2でS160に移行すると、図9(A)一点鎖線で示すように直ちにクック動作を中断して、搬送モータ100の駆動を停止するように動作してもよい。
以上、本実施例の画像形成システム1について説明したが、本実施例によれば、接続ギヤ230A−Dに対応して設けられた推定器61A−Dの夫々が、搬送制御ユニット50による搬送モータ100に対する制御入力(電流指令値U)と、制御入力に対応する制御出力(搬送ローラ121の速度V)と、予め設定された動力伝達系のモデル(速度Vから電流指令値U*を算出する関数、及び、速度Vから摩擦力推定値Fを算出する関数)に基づき、搬送モータ100から駆動対象の機械的装置160,170,180,190までの動力伝達系に作用する反力を推定する。
推定器61A−Dの夫々に設定されるモデルは、このモデルが設定される推定器61に対応する接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合った状態では、反力推定値Rが理想的にはゼロを示すように構成される。そして、搬送制御ユニット50は、S140,S150,S155の処理により、接続ギヤ230A−Dの夫々と移動ギヤ220との噛合及び離間を、対応する推定器61から得られる反力推定値Rに基づき検知する。
本実施例によれば、噛合/離間の検知は、搬送モータ100のフィードバック制御に際して参照される搬送ローラ121の速度Vを流用して、追加的なセンサ等の導入なしに実現される。搬送ローラ121の速度Vは、用紙Qの搬送制御にも用いられる。直流モータである搬送モータ100に対する制御では、フィードバック制御のために、ロータリエンコーダ130が通常必要になる。
従って、本実施例によれば、ギヤ間の噛合/離間の検知のためだけに、ロータリエンコーダ130を画像形成システム1に設置する必要はない。よって、本実施例によれば、生産性よく安価に噛合/離間の検知機能を画像形成システム1に設けることができ、有意義な画像形成システム1を提供することができる。
付言すると、本実施例によれば、閾値THを用いて、反力推定値Rが閾値TH以下の値を示す場合に噛合を検知し、反力推定値Rが閾値THより大きい値を示す場合に離間を検知するので、簡単に且つ精度良く、ギヤ間の噛合/離間を検知することができる。更に本実施例によれば、移動ギヤ220を目的の接続ギヤ230に噛合わせるための制御としてS130でクック動作に係る制御を開始した後、目的の接続ギヤ230に対応する推定器61から得られる反力推定値Rに基づき目的の接続ギヤ230と移動ギヤ220との噛合を検知したことを条件に、クック動作に係る制御を終了する。
従来装置によれば、移動ギヤ220が目的の接続ギヤに噛合っても、そのことを検知できないことから、ギヤ切換に係る処理が不必要に冗長に継続されていた。しかしながら、本実施例によれば、接続ギヤ230A−Dと移動ギヤ220との噛合/離間を検知することができるため、不必要にギヤ切換処理を継続しなくて済み、ギヤ切換後の処理に効率よく移行することができる。従って、本実施例の画像形成システム1によれば、複数の機械的装置160,170,180,190を単一の駆動源を用いて、効率よく切換駆動することができる。
また、本実施例によれば、目的の接続ギヤ230と移動ギヤ220との噛合が検知されない状態でクック動作の実行回数が上限値に到達した場合にも、搬送制御ユニット50が、クック動作に係る制御を終了する。従って、何らかの理由により、目的の接続ギヤ230と移動ギヤ220との噛合が完了しない場合において、クック動作に係る制御を不必要に継続しなくて済む。
[変形例]
続いて、変形例の画像形成システム1を説明する。変形例の画像形成システム1では、搬送制御ユニット50が、図8に示すギヤ切換処理に代えて、図10に示すギヤ切換処理を実行する。変形例の画像形成システム1は、その他の点において基本的に上述の実施例と同様に構成される。
変形例の搬送制御ユニット50は、図10に示すギヤ切換処理を開始すると、S110,S120と同様に、移動元接続ギヤ230に対応する推定器61から得られる反力推定値Rを、第一参照対象に設定し(S210)、移動先接続ギヤ230に対応する推定器61から得られる反力推定値Rを、第二参照対象に設定する(S220)。その後、S130と同様に、クック動作に係る制御を開始し(S230)、S240に移行する。
S240において、搬送制御ユニット50は、現時刻における第一参照対象の反力推定値R=R1及び第二参照対象の反力推定値R=R2を一時記憶する。その後、搬送制御ユニット50は、一定時間T毎に到来する検知タイミングが到来したか否かを判断し(S245)、検知タイミングが到来していないと判断した場合には(S245でNo)、S240に移行する。このようにして搬送制御ユニット50は、検知タイミングが到来するまでの期間、各時刻における第一参照対象の反力推定値R1及び第二参照対象の反力推定値R2を逐次記憶する。そして、検知タイミングが到来したと判断すると(S245でYes)、S250に移行する。
S250において、搬送制御ユニット50は、前回の検知タイミングから今回の検知タイミングまでの期間に推定及び蓄積された第一参照対象の反力推定値R1の平均値である第一平均値A1、及び、第二参照対象の反力推定値R2の平均値である第二平均値A2を算出する。ここでは、平均値A1,A2として、検知タイミングの到来周期である時間T当たりの反力推定値R1,R2の平均値が算出される。
その後、搬送制御ユニット50は、第一平均値A1の絶対値|A1|が予め定められた閾値THAより大きいか否かを判断する。閾値THAは、移動元接続ギヤ230と移動ギヤ220とが噛合っている状態において、移動元接続ギヤ230に対応する推定器61が出力し得る反力推定値Rの所定時間T当たりの平均値の変動範囲よりも若干大きな値に定められる。
ここで、絶対値|A1|が閾値THAよりも大きいと判断すると(S260でYes)、搬送制御ユニット50は、S270に移行する。一方、絶対値|A1|が閾値THA以下であると判断すると(S260でNo)、S275に移行する。絶対値|A1|が閾値THAよりも大きいことは、移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230から離間したことを示す。絶対値|A1|が閾値THA以下であることは、移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230に噛合ったまま、換言すれば移動ギヤ220が移動元接続ギヤ230から離間していないことを示す。
S275において、搬送制御ユニット50は、S155と同様に、クック動作の実行回数が上限値に到達したか否かを判断する。ここで、クック動作の実行回数が上限値に到達していないと判断すると(S275でNo)、S240に移行する。一方、クック動作の実行回数が上限値に達していると判断すると(S275でYes)、搬送制御ユニット50は、S230で開始したクック動作に係る制御を終了する(S300)。その後、エラー通知をメインユニット10に入力する(S310)。
搬送制御ユニット50は、S270に移行すると、第二平均値A2の絶対値|A2|が閾値THA以下であるか否かを判断する。そして、絶対値|A2|が閾値THAより大きいと判断すると(S270でNo)、S275に移行する。一方、絶対値|A2|が閾値THA以下であると判断すると(S270でYes)、S280に移行する。絶対値|A|が閾値THAより大きいことは、移動ギヤ220が移動先接続ギヤ230に噛合っていないことを示す。絶対値|A2|が閾値THA以下であることは、移動ギヤ220が移動先接続ギヤ230に噛合っていることを示す。
S280では、S230で開始したクック動作に係る制御を終了する。その後、搬送制御ユニット50は、移動ギヤ220の目的の接続ギヤ230までの移動が完了したことを通知する完了通知をメインユニット10に入力し(S290)、ギヤ切換処理を終了する。図9(B)には、図9(A)と同様に、上段に、クック動作時における搬送ローラ121の速度Vを、横軸を時間とするグラフで示し、下段に、移動元接続ギヤ230の反力推定値R1の絶対値|R1|及び移動先接続ギヤ230の反力推定値R2の絶対値|R2|を、横軸を時間とするグラフで示す。更に、図9(B)では、反力推定値R1,R2を平均化する区間の例を、二点鎖線で区切って表す。
変形例の画像形成システム1によれば、搬送制御ユニット50は、予め定められた時間T毎に、第一参照対象の反力推定値R1を統計処理して平均値A1を算出し、この絶対値|A1|が閾値THAより大きい値を示す場合に、移動ギヤ220と移動元接続ギヤ230との離間を検知する。また、搬送制御ユニット50は、上記時間T毎に、第二参照対象の反力推定値R=R2を統計処理して平均値A2を算出し、この絶対値|A2|が閾値THA以下の値を示す場合に、移動ギヤ220と移動先接続ギヤ230との噛合を検知する。従って、本変形例によれば、反力推定値R1,R2に含まれる高周波のノイズ成分を抑えて、ギヤ間の噛合/離間を高精度に検知することができる。
[他の実施形態]
以上、変形例を含む本発明の実施例について説明したが、本発明は、上記実施例及び変形例に限定されるものではなく、種々の態様を採り得る。上記変形例では、S250において、反力推定値Rの平均値を算出したが、平均値に代えては、中央値や最頻値等を算出してもよい。即ち、搬送制御ユニット50は、予め定められた時間単位で反力推定値Rを統計処理して得られる反力推定値Rの代表値として、平均値/中央値/最頻値を用いて、ギヤ間の噛合/離間を検知する構成にされ得る。
この他、本発明は、インクジェットプリンタへの適用に限定されるものではなく、種々の装置に適用可能である。例えば、本発明は、シート搬送機能を備えたインクジェットプリンタ以外の画像形成システム、及び、スキャナ装置に適用され得る。
上記実施例としては、駆動対象の機械的装置として、第一給紙ユニット160、第二給紙ユニット170、反転ユニット180及びメンテナンスユニット190を一例に挙げたが、駆動対象の機械的装置もまた、これらに限定されるものではない。更に言えば、単一駆動源により駆動される複数の機械的装置の夫々は、互いに他の機械的装置から独立したものである必要はなく、他の機械的装置と共有した機械要素を備えてもよい。即ち、機械的装置の夫々は、互いに異なる接続ギヤ230に接続される点で、他の機械的装置と区別されるものであり、他の機械的装置から独立したものであるとは限らない。
[対応関係]
最後に用語間の対応関係を説明する。搬送モータ100は、駆動源の一例に対応し、搬送制御ユニット50は、コントローラの一例に対応する。切換レバー90及びバネ部材227,228は、付与機構の一例に対応する。
1…画像形成システム、10…メインユニット、20…通信インタフェース、30…ユーザインタフェース、40…印字制御ユニット、50…搬送制御ユニット、60…反力推定ユニット、61,61A,61B,61C,61D…推定器、70…キャリッジ搬送ユニット、71…キャリッジ、75…ベルト機構、77,79…ガイドレール、80…記録ヘッド、90…切換レバー、100…搬送モータ、110…駆動回路、120…用紙搬送機構、121…搬送ローラ、130…ロータリエンコーダ、140…検出回路、150…伝達機構、160…第一給紙ユニット、170…第二給紙ユニット、180…反転ユニット、190…メンテナンスユニット、210…駆動ギヤ、220…移動ギヤ、225…軸部材、227,228…バネ部材、230,230A,230B,230C,230D…接続ギヤ、235…軸部材、240…レバー保持部材、241A,241B,241C,241D…レバー配置領域、611…逆モデル演算部、613…減算器、615…ローパスフィルタ、617…減算器、619…摩擦演算部、G…メンテナンス領域、HL…孔。

Claims (8)

  1. 夫々が異なる駆動対象に接続されて、前記駆動対象を駆動する複数の接続ギヤと、
    前記複数の接続ギヤ間を移動して前記複数の接続ギヤの夫々と個別に噛合可能な移動ギヤと、
    前記移動ギヤを回転駆動することにより、前記複数の接続ギヤの内、前記移動ギヤに噛合う接続ギヤを回転駆動する単一の駆動源と、
    前記駆動源を制御するコントローラと、
    前記複数の接続ギヤの夫々に対して設けられ、前記コントローラによる前記駆動源に対する制御入力、前記制御入力に対応する制御出力、及び、前記制御出力と前記制御入力との対応関係を表す前記駆動源から前記駆動対象までの動力伝達系のモデルに基づき、前記動力伝達系に作用する反力を推定し、前記反力の推定値である反力推定値を前記コントローラに提供する推定器と、
    を備え、
    前記推定器の夫々に設定される前記モデルは、このモデルが設定される前記推定器に対応する前記接続ギヤと前記移動ギヤとが噛合った状態での前記反力推定値が所定範囲内の値を示すように構成され、
    前記コントローラは、前記複数の接続ギヤの夫々と前記移動ギヤとの噛合及び離間の少なくとも一方を、対応する前記推定器から得られる前記反力推定値に基づき検知すること
    を特徴とする駆動装置。
  2. 前記コントローラは、前記反力推定値が前記所定範囲内の値を示す場合に、この反力推定値を提供する前記推定器に対応する前記接続ギヤと前記移動ギヤとの前記噛合を検知する、又は、前記反力推定値が前記所定範囲外の値を示す場合に、この反力推定値を提供する前記推定器に対応する前記接続ギヤと前記移動ギヤとの前記離間を検知すること
    を特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 前記コントローラは、予め定められた時間単位で前記反力推定値を統計処理して得られる前記反力推定値の代表値が前記所定範囲内の値を示す場合に前記噛合を検知する、又は、前記代表値が前記所定範囲外の値を示す場合に前記離間を検知すること
    を特徴とする請求項2記載の駆動装置。
  4. 前記コントローラは、前記移動ギヤを目的の接続ギヤに噛合わせるための制御である噛合制御を実行する構成にされ、前記目的の接続ギヤに対応する前記推定器から得られる前記反力推定値に基づき前記目的の接続ギヤと前記移動ギヤとの噛合を検知したことを条件に、前記噛合制御を終了することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の駆動装置。
  5. 前記接続ギヤ間を移動する力を前記移動ギヤに付与する付与機構
    を備え、
    前記コントローラは、前記噛合制御として、前記付与機構によって前記目的の接続ギヤに向かう力が作用する前記移動ギヤを、正回転方向及び逆回転方向に交互に微小回転させる制御を実行すること
    を特徴とする請求項4記載の駆動装置。
  6. 前記コントローラは、前記目的の接続ギヤと前記移動ギヤとの噛合が検知されない状態で前記噛合制御の実行量が上限値に到達した場合にも、前記噛合制御を終了することを特徴とする請求項4又は請求項5記載の駆動装置。
  7. 前記コントローラは、前記目的の接続ギヤと前記移動ギヤとの噛合が検知されない状態で前記噛合制御の実行量が上限値に到達した場合に、エラーの発生を通知する処理を実行することを特徴とする請求項6記載の駆動装置。
  8. 請求項1〜請求項7のいずれか一項記載の駆動装置を備えるインクジェットプリンタであって、
    複数の機械的装置を更に備え、
    前記複数の機械的装置の夫々は、前記駆動対象として前記駆動装置によって駆動されて、互いに異なる処理動作を実現し、
    前記駆動装置は、前記接続ギヤとして前記複数の機械的装置の夫々に接続されたギヤを備え、前記複数の機械的装置に共通する前記駆動源からの動力を、前記複数の機械的装置の内の目的の機械的装置に、対応する前記接続ギヤ及び前記接続ギヤと噛合う前記移動ギヤを介して伝達することにより、前記複数の機械的装置の夫々を駆動する構成にされ、
    前記コントローラは、前記複数の機械的装置の内、前記目的の機械的装置に対応する前記接続ギヤと前記移動ギヤとの噛合を、前記目的の機械的装置に対応する前記推定器から得られる前記反力推定値に基づき検知すること
    を特徴とするインクジェットプリンタ。
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