JP2016193776A - 制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】当接対象を適切に被当接対象に押し当て可能な制御システムを提供する。
【解決手段】コントローラ(40)は、位置制御処理と、反力推定処理と、コンプライアンス制御処理とを実行する。コントローラは、位置制御処理において、計測装置(35,37)による計測位置(Xm)と目標位置軌跡に従う目標位置(Xr)との偏差に基づき、駆動装置(33)に入力する操作量(U)を算出する。コントローラは、反力推定処理において、当接対象に作用する反力であって、摩擦成分を除いた反力を推定する。コントローラは、コンプライアンス制御処理において、反力推定処理により推定された反力の推定値(Fr)に基づくコンプライアンス制御により、操作量(U)を補正する。
【選択図】図4

Description

本発明は、当接対象を被当接対象に押し当てるための制御システムに関する。
シートを搬送ローラのニップ部に押し当てて、シート先端を搬送ローラのニップ部に揃えることにより、シートの斜行を補正するシステムが従来知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開昭64−017741号公報
シートを搬送ローラのニップ部で斜行補正する場合には、シートがニップ部と当接してからシートを更に送り出すことで、シート先端を搬送ローラのニップ部に押し当てる。但し、シートを必要以上に送り出すと、シートに過度の力が加わり、シート先端が折れ曲がったり、ジャムが発生したりする。一方、シートの送り出し量が少ないと、シートの斜行補正が十分に行われなくなる。このように、シートの斜行補正を適切に行うためには、過不足なくシートを送り出す必要がある。
しかしながら、上記のシステムは、シートを送り出すローラの回転量をシートの送り出し量に対応する一定の回転量に定めて、シートの搬送制御を行うために、シートを送り出すローラがシートに対してスリップしたときには、送り出し量に不足が生じる可能性があった。更には、シートの厚みや材質等によって適切な送り出し量が異なるため、シートを適切に被当接対象に押し当てて斜行補正するのが難しかった。
また、シートに限らず、当接対象を被当接対象に押し当てる場合には、衝撃を抑えるために、緩やかに当接対象を被当接対象に押し当てるのが好ましい。強い衝撃は、当接対象の一部に破損をもたらす可能性がある。例えば、シートをニップ部に当接させる場合には、シートが折れ曲がる可能性がある。
従って、本発明の一側面によれば、当接対象を適切に被当接対象に押し当て可能な制御システムを提供できることが望ましい。
本発明の一側面に係る制御システムは、当接対象を被当接対象に押し当てるための制御システムであって、機械的装置と、駆動装置と、計測装置と、コントローラとを備える。
機械的装置は、モータを備える。この機械的装置は、モータからの力を当接対象に作用させて、当接対象を被当接対象に向けて変位させる。駆動装置は、入力される操作量に応じてモータを駆動する。計測装置は、当接対象の変位に関する物理量を計測する。
コントローラは、位置制御処理と、反力推定処理と、コンプライアンス制御処理と、を実行する。コントローラは、位置制御処理において、計測装置により計測された物理量から特定される当接対象の位置である計測位置と目標位置軌跡に従う目標位置との偏差に基づき、駆動装置に入力する操作量を算出する。
コントローラは、反力推定処理において、当接対象に作用する反力を推定する。コントローラは、操作量と計測装置によって計測された物理量との関係から、モータから当接対象への動力伝達系で生じる摩擦成分を除いた反力を推定することができる。
コントローラは、コンプライアンス制御処理において、反力推定処理により推定された反力の推定値に基づくコンプライアンス制御により、位置制御処理から駆動装置に入力される操作量を補正する。
当接対象が被当接対象に接触し始めると、当接対象に作用する反力が上昇する。このとき、コントローラは、コンプライアンス制御により、反力に倣うように操作量を補正するため、反力によって当接対象に強い衝撃が発生するのを抑えることができる。しかも、この制御システムによれば、操作量と計測装置によって計測された物理量との関係から反力を推定し、この推定値を用いてコンプライアンス制御に基づく操作量の補正を行うため、追加的なハードウェアとしての力センサが不要である。従って、本発明の一側面によれば、当接対象を被当接対象に押し当てるための制御システムとして、有意義なシステムを提供することができる。
ところで、コントローラは、当接対象が被当接対象に接触し始めたことに対応して上記推定値が所定条件を満足すると、そのときの計測位置又は目標位置に基づき、目標反力に対応する目標停止位置を設定して、目標停止位置までの目標位置軌跡を新たに設定する位置設定処理を実行するように構成され得る。上記位置設定処理の実行によれば、機械的装置は、当接対象を目標反力に対応する力で適切に被当接対象に押し当てることができる。
コントローラは、上記推定値が目標反力に対応した値に到達したことを条件に、駆動装置にモータの駆動を停止させる停止制御処理を実行するように構成されてもよい。コントローラは、停止制御処理として、推定値が目標反力の所定割合に到達してから所定時間が経過したことを条件に、駆動装置にモータの駆動を停止させる処理を実行するように構成され得る。上記停止制御処理の実行によれば、目標反力を達成することのできない環境で、目標反力を達成しようとする制御が不要に長時間継続されるのを抑えることができる。
この他、当接対象が被当接対象に到達するまでの過程では、コンプライアンス制御処理を通常行う必要がない。従って、コントローラは、当接対象の変位が所定の段階に到達したことを条件に、コンプライアンス制御処理を開始する構成にされてもよい。
当接対象の変位の開始地点と被当接対象が存在する地点との間に配置されて、当接対象が通過したことに応じて検出信号を出力するセンサが、上記コンプライアンス制御処理の開始のために用いられてもよい。例えば、コントローラは、上記所定の段階として、計測装置により計測された物理量に基づく変位量であって上記検出信号が出力された時からの当接対象の変位量が、センサから被当接対象が存在する地点までの距離に対応する値に到達した時点で、コンプライアンス制御処理を開始するように構成され得る。こうした構成によれば、当接対象が被当接対象に当接するタイミングに合わせて、適切にコンプライアンス制御処理を開始することができる。
コントローラは、上記反力の推定値が所定条件を満足すると、コンプライアンス制御処理を開始する構成にされてもよい。所定条件は、推定値が目標反力より小さい所定の閾値を超えたことを条件に満足する条件であり得る。こうした閾値を用いたコンプライアンス制御処理の開始により、適切なタイミングでコンプライアンス制御に基づく操作量の補正を行うことができる。
コントローラは、上記推定値が所定条件を満足することとして、推定値が閾値を超え、
且つ、当該推定値が閾値を超える事象の発生時点から所定期間内に推定値が閾値を超えた値を再度示すと、コンプライアンス制御処理を開始するように構成され得る。この構成によれば、反力の推定誤差等に起因する一時的な推定値の上昇で、コンプライアンス制御処理が開始されるのを抑えることができる。
付言すると、上述のようにコンプライアンス制御処理を開始する場合、コントローラは、位置設定処理において、上記推定値が閾値を超える事象の発生時点での計測位置又は目標位置に基づき、目標停止位置を設定する構成にされ得る。こうした設定によれば、目標停止位置を、目標反力に対応した位置に適切に設定することができる。
この他、コントローラは、反力推定処理により推定された反力に基づき、上記閾値を設定する閾値設定処理を実行するように構成されてもよい。具体的に、コントローラは、当接対象と被当接対象との接触に起因する反力成分が含まれない期間の推定値に基づき、閾値を設定する閾値設定処理を実行するように構成され得る。このように閾値を設定すれば、例えば反力の推定誤差に応じた適切な閾値を設定して、コンプライアンス制御処理を開始することができる。
コントローラは、上記閾値設定処理において、当接対象の加速区間を除く期間の推定値に基づき、閾値を設定する構成にされ得る。このように加速区間外の推定値を用いて閾値を設定すれば、当接対象の変位が安定した時期の推定値を用いて適切に閾値を設定することができる。
コントローラは、当接対象と被当接対象との接触に起因する反力成分が含まれない期間の上記反力の推定値に基づき、目標反力を設定する目標反力設定処理を実行するように構成されてもよい。具体的に、コントローラは、目標反力設定処理において、当接対象の加速区間を除く期間の推定値に基づき、目標反力を設定するように構成され得る。上述した閾値設定処理と同様、この目標反力設定処理によれば、適切な目標反力を設定して、コンプライアンス制御処理を実行することができる。
この他、上記当接対象は、シートであり得る。この場合、機械的装置は、モータからの力をシートに作用させて、シートを被当接対象に向けて搬送する装置であり得る。被当接対象は、当接されたシートを挟持した状態で回転して、シートを更に搬送方向下流に搬送するローラであり得る。こうした搬送システムに、本発明の一側面に係る制御システムを適用すれば、例えば、シートの斜行補正を適切に実行可能なシステムを構成し得る。
制御システムは、ローラによって搬送方向下流に搬送されるシートに対して所定の処理を実行する処理装置を更に備えてもよい。こうした処理システムに、本発明の一側面に係る制御システムを適用すれば、例えば、シートを斜行補正し、そのシートに対して適切な処理を実行可能なシステムを構成し得る。
上述したコンプライアンス制御は、周知の原理に従って行い得る。即ち、コントローラは、コンプライアンス制御処理において、当接対象と被当接対象との間の仮想的なバネ特性及びダンパ特性と、機械的装置及び当接対象のイナーシャ特性と、により規定されるモデルであって、推定値と操作量に対する補正量との対応関係を表すモデルに基づき、位置制御処理から駆動装置に入力される操作量を、推定値を用いて補正する構成にされ得る。
例えば、コントローラは、コンプライアンス制御処理において、当接対象と被当接対象との間の仮想的なバネ特性を表す値Kcと、当接対象と被当接対象との間の仮想的なダンパ特性を表す値Dcと、機械的装置及び当接対象のイナーシャ特性を表す値Jcと、補正係数Kfとを含む伝達関数に従って、位置制御処理から駆動装置に入力される操作量を、
上記反力の推定値Frに対応する位置補正量Xcだけ目標位置軌跡をずらす方向に補正する構成にされ得る。
伝達関数としては、例えば次の関数を採用することができる。ここで、sは、ラプラス演算子である。
Figure 2016193776
この場合、コントローラは、位置設定処理において、上記推定値が所定条件を満足すると、上記推定値が所定条件を満足したときの計測位置又は目標位置である位置Xa、及び、目標反力Ftarに基づき、目標反力に対応する目標停止位置として、位置(Xa+(Kf/Kc)*Ftar)を設定する構成にされ得る。仮に当接対象が停止している場合には、ラプラス演算子sをゼロに置き換えることができる。このときの式(1)に示す関係に従って、上述したように目標停止位置を設定し得る。
給紙装置及び用紙搬送装置の機械的構成を表す図である。 画像形成システムの全体構成を表すブロック図である。 メインコントローラが実行する印刷制御処理を表すフローチャートである。 ASFコントローラの詳細構成を表すブロック図である。 図5Aは、制御開始初期の目標位置軌跡を表すグラフであり、図5Bは、上段に変更後の目標位置軌跡を表し、下段に同一時間軸での反力推定値Frの変化を表すグラフ群である。 制御器の詳細構成を表すブロック図である。 反力オブザーバの詳細構成を表すブロック図である。 ASFコントローラが実行する制御ルーチン(前半)を表すフローチャートである。 制御ルーチン(後半)を表すフローチャートである。 反力推定値Frの時間変化と区間との対応関係を表すグラフである。 反力閾値テーブルを表す図である。 変形例の制御ルーチンを表すフローチャートである。
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1に示す本実施例の画像形成システム1は、例えばインクジェットプリンタとして構成される。この画像形成システム1は、給紙トレイ21に収容された矩形状の用紙Qを、1枚ずつ分離して搬送する。画像形成システム1は、インクジェットヘッド77の下方を通過する用紙Qに画像を形成する。
この画像形成システム1は、用紙Qを搬送するための機械的装置として給紙装置20及び用紙搬送装置60を備える。給紙装置20は、給紙トレイ21と、アーム23と、給紙ローラ25とを備える。給紙装置20は、給紙ローラ25の回転により給紙トレイ21内の用紙Qを1枚分離して下流に搬送する。アーム23は、給紙ローラ25を回転可能な状態で保持し、自重又はバネによる付勢力により給紙ローラ25を給紙トレイ21における最上層の用紙Qに押圧する。給紙ローラ25の回転により、給紙トレイ21から下流に搬送される用紙Qは、Uターンパス27により規制されて、搬送ローラ61とピンチローラ62との間のニップ部NPに供給される。
ニップ部NPより用紙搬送路上流の地点には、レジストセンサSNが配置される。レジストセンサSNは、ニップ部NPに進入しようとする用紙Qが、ニップ部NPより所定距離Lだけ手前の検出地点に位置しているか否かに応じて検出信号を出力する。用紙Qが給紙トレイ21からニップ部NPに進入してきた用紙Qの先端はニップ部NPによってニップ部NPより用紙搬送路下流に到達するのを阻止される。用紙Qの先端がニップ部NPに押し当てられることにより、用紙Qの斜行は補正されて、用紙Qのレジスト動作(位置合わせ動作)が完了する。
用紙搬送装置60は、ニップ部NPに供給された用紙Qを上記レジスト動作の完了後、インクジェットヘッド77の下方に搬送するように動作する。この用紙搬送装置60は、搬送ローラ61と、ピンチローラ62と、排紙ローラ64と、拍車ローラ65とを備える。ピンチローラ62は、搬送ローラ61に対向配置され、拍車ローラ65は、排紙ローラ64に対向配置される。排紙ローラ64は、搬送ローラ61よりも用紙搬送路下流に配置される。搬送ローラ61と排紙ローラ64との間には、プラテン67が配置される。プラテン67は、搬送ローラ61から排紙ローラ64側に移動する用紙Qを下方から支持する。
給紙装置20からニップ部NPに供給された用紙Qは、搬送ローラ61とピンチローラ62との間に挟持され、搬送ローラ61の回転により下流に搬送される。具体的には、プラテン67に支持されて、排紙ローラ64側に搬送される。搬送ローラ61の回転に伴ってピンチローラ62は従動回転する。排紙ローラ64に到達した用紙Qは、排紙ローラ64と拍車ローラ65との間に配置されて、排紙ローラ64の回転により下流に搬送される。排紙ローラ64より下流に搬送された用紙Qは、図示しない排紙トレイに排出される。
インクジェットヘッド77は、キャリッジ71に搭載された状態で、プラテン67上に対向配置される。インクジェットヘッド77は、キャリッジ71と共に、用紙搬送方向とは直交する主走査方向(図1紙面法線方向)に往復動される。インクジェットヘッド77は、この往復動の過程において、インク液滴を下方に吐出することによって、プラテン67上を通過する用紙Qに画像を形成する。
詳述すると、本実施例の画像形成システム1は、図2に示すように、給紙機構10と、記録機構50と、メインコントローラ90と、通信インタフェース99とを備える。給紙機構10は、上記給紙装置20及びレジストセンサSNに加えて、ASFモータ31と、ASF駆動回路33と、ロータリエンコーダ35と、信号処理回路37と、ASFコントローラ40とを備える。
ASFモータ31は、給紙ローラ25を回転駆動する直流モータであり、ASF駆動回路33によって駆動される。ASF駆動回路33は、ASFコントローラ40から入力される操作量(電流指令値)Uに応じた駆動電流をASFモータ31に印加するように、ASFモータ31をPWM駆動する。
ロータリエンコーダ35は、給紙ローラ25の回転軸又はASFモータ31の回転軸の周辺に配置されて、給紙ローラ25の回転に応じたパルス信号を出力する。信号処理回路37は、ロータリエンコーダ35からの出力信号に基づき、給紙ローラ25の回転位置X及び回転速度Vを計測する。以下では、信号処理回路37による位置Xの計測値を計測位置Xmと表現し、速度Vの計測値を計測速度Vmと表現する。計測位置Xmは、給紙開始時点からの給紙ローラ25の回転量を表す。この計測位置Xmは、用紙Qの変位量を間接的に表す物理量である。即ち、計測位置Xmは、誤差を含むが間接的には用紙Qの給紙トレイ21からの搬送量を表す。
ASFコントローラ40は、メインコントローラ90からの指令に従って、ASFモータ31に対する操作量Uを演算し、これをASF駆動回路33に入力する。この操作量Uの演算及び入力によって、ASFコントローラ40は、給紙ローラ25の回転を制御する。詳細は後述するが、ASFコントローラ40は、レジストセンサSNからの入力信号に基づき、制御方式を切り替えるように動作する。
この他、記録機構50は、上記用紙搬送装置60、キャリッジ71及びインクジェットヘッド77に加えて、PFモータ69と、CR搬送装置70と、CRモータ75と、ヘッド駆動回路79と、記録コントローラ80とを備える。記録機構50は、図示しないモータ駆動回路、エンコーダ及び信号処理回路を更に備えるが、これらの説明については省略する。
PFモータ69は、用紙搬送装置60が備える搬送ローラ61を回転駆動する直流モータであり、図示しない駆動回路を介して記録コントローラ80により制御される。搬送ローラ61及び排紙ローラ64は、互いに図示しないベルト機構を介して接続されており、排紙ローラ64は、搬送ローラ61に対して同期回転する。
CR搬送装置70は、CRモータ75からの動力を受けて、インクジェットヘッド77を搭載するキャリッジ71を主走査方向に往復動させる。CRモータ75は、CR搬送装置70に動力を付与する直流モータであり、図示しない駆動回路を介して記録コントローラ80により制御される。
ヘッド駆動回路79は、インクジェットヘッド77を駆動し、インクジェットヘッド77にインク液滴を吐出させる。インクジェットヘッド77からのインク液滴の吐出は、ヘッド駆動回路79を介して記録コントローラ80により制御される。記録コントローラ80は、メインコントローラ90からの指令に従って、PFモータ69、CRモータ75、及びヘッド駆動回路79を制御することにより、インクジェットヘッド77下への用紙Qの搬送動作、及び用紙Qへの画像形成動作を制御する。
メインコントローラ90は、CPU91、ROM93及びRAM95を備え、画像形成システム1を統括制御する。CPU91は、ROM93に格納された各種プログラムに従う処理を実行する。RAM95は、CPU91による処理実行時に作業用メモリとして使用される。
メインコントローラ90のCPU91は、通信インタフェース99を介して外部装置から印刷対象データを受信すると、この印刷対象データに基づく画像が用紙Qに形成されるように、給紙機構10及び記録機構50に対して指令入力する。通信インタフェース99は、例えば、USBインタフェースやLANインタフェースを備え、パーソナルコンピュータ等の外部装置と通信可能な構成にされる。以下では、メインコントローラ90のCPU91が実行する処理を、メインコントローラ90が実行する処理として説明する。
具体的に、メインコントローラ90は、印刷対象データを受信すると、図3に示す印刷制御処理を実行する。印刷制御処理を開始すると、メインコントローラ90は、給紙処理(S110)を実行する。給紙処理(S110)において、メインコントローラ90は、給紙機構10に指令入力することにより、給紙トレイ21から用紙Qを1枚分離及び搬送して、搬送ローラ61とピンチローラ62との間のニップ部NPに押し当てる動作を、給紙機構10に実行させる。このとき、搬送ローラ61及びピンチローラ62は、停止状態又は逆転状態にされる。ここで言う逆転状態とは、搬送ローラ61及びピンチローラ62がニップ部NPにある用紙Qを用紙搬送路下流に搬送する回転状態とは反対方向に回転す
る状態である。
その後、メインコントローラ90は、頭出し処理(S120)を実行する。頭出し処理において、メインコントローラ90は、記録機構50に指令入力することにより、上記ニップ部NPに供給された用紙Qを下流に搬送する動作を、記録機構50に実行させる。この指令入力により、記録機構50は、用紙Qの画像形成対象領域先頭がインクジェットヘッド77による記録位置(インク液滴吐出位置)に到達するまで、搬送ローラ61を回転させる。
頭出し処理が終了すると、メインコントローラ90は、画像形成処理(S130)を実行する。画像形成処理では、インクジェットヘッド77の主走査方向の移動により形成可能な所定量の画像を用紙Qに形成しては用紙Qを所定量送り出す動作を、記録機構50に繰返し実行させる。具体的には、上記動作を、用紙Qの画像形成対象領域末端までの画像形成が完了するまで、記録機構50に繰返し実行させる。その後、メインコントローラ90は、排紙処理(S140)を実行する。排紙処理において、メインコントローラ90は、画像形成の完了した用紙Qを排紙トレイまで排出する動作を、記録機構50に実行させる。
メインコントローラ90は、上述した給紙処理(S110)、頭出し処理(S120)、画像形成処理(S130)、及び排紙処理(S140)の実行により、外部装置から受信した印刷対象データに基づく画像を用紙Qに形成して出力する。
続いて、ASFコントローラ40の構成を、図4を用いて説明する。ASFコントローラ40は、給紙処理(S110)の実行時にメインコントローラ90から入力される指令に従って、ASFモータ31を制御し、これにより用紙Qの搬送制御、具体的には給紙制御を実現する。このために、ASFコントローラ40は、目標入力モジュール110と、制御器120と、外乱オブザーバ150と、反力オブザーバ170と、反力値入力モジュール190と、ASFメインモジュール200とを備える。
目標入力モジュール110は、ASFメインモジュール200から設定された目標位置軌跡に従って、制御開始時刻t=0から制御終了時刻までの各時刻tにおいて、時刻tに対応する目標位置Xrを制御器120に入力する。目標位置Xrは、給紙ローラ25の回転位置Xに対する目標値であり、用紙Qの目標搬送量に対応する。目標位置軌跡は、制御開始時刻t=0からの各時刻tにおける目標位置Xrを表す。
ASFメインモジュール200から給紙制御開始前に設定される目標位置軌跡は、図5Aに例示されるように、時刻t=0から時刻t=Teまでは目標位置Xr=0から目標位置Xr=Xeまで線形に変化し、時刻=Teより後には、一定の目標位置Xr=Xeを示す目標位置軌跡であり得る。
目標位置Xr=Xeは、仮の目標停止位置に対応し、用紙Qが給紙トレイ21からニップ部NPまで移動するのに必要な給紙ローラ25の回転量よりも十分に大きな値に設定される。詳細は後述するが、この目標位置軌跡は、給紙制御途中において実環境に適合した、図5B上段に例示されるような目標位置軌跡に変更される。
制御器120は、目標入力モジュール110から入力される目標位置Xrに対応する操作量Uを演算して、演算した操作量UをASF駆動回路33に入力する。操作量Uは、電流指令値に対応する。ASF駆動回路33は、制御器120から入力される操作量Uに対応する駆動電流をASFモータ31に印加する。ASFモータ31の駆動電流と、ASFモータ31が生じる力(トルク)との間には比例関係がある。
詳述すると、制御器120は、位置制御器130と、コンプライアンス制御器140とを備える。位置制御器130は、目標位置Xrと信号処理回路37から入力される計測位置Xmとの偏差に基づいた操作量Uxを算出する。そして、この操作量Uxを、外乱オブザーバ150から入力される外乱推定値Fdに基づいて補正して、補正後の操作量Uを、ASF駆動回路33に入力する。コンプライアンス制御器140は、反力値入力モジュール190から入力される反力推定値Frに基づくコンプライアンス制御によって、位置制御器130からASF駆動回路33に入力される操作量Uを補正する。
反力値入力モジュール190は、反力オブザーバ170によって算出された反力推定値Frをコンプライアンス制御器140に入力する。但し、反力値入力モジュール190は、ASFメインモジュール200により制御されて、制御初期(図5Bに示す時刻t=Taより前の期間)では、反力オブザーバ170によって算出された反力推定値Frではなく、反力推定値Frのダミー値として値ゼロ(Fr=0)をコンプライアンス制御器140に入力する。
ここで、制御器120の詳細構成を、図6のブロック線図を用いて説明する。図6に示すように、制御器120は、位置制御器130の構成要素として、加減算要素131,135,139と、ゲイン要素133,137とを備える。加減算要素131は、目標位置Xrと計測位置Xmとの偏差(Xr−Xm)を、コンプライアンス制御器140から入力される補正値Cxで補正してゲイン要素133に入力する。
ゲイン要素133は、加減算要素131からの入力値(Xr−Xm−Cx)にゲインKpを作用させた値Kp*(Xr−Xm−Cx)を、加減算要素135に入力する。加減算要素135は、ゲイン要素133からの入力値Kp*(Xr−Xm−Cx)と計測位置Xmの微分値に対応する計測速度Vmとの偏差Kp*(Xr−Xm−Cx)−Vmを、コンプライアンス制御器140から入力される補正値Cvで補正した値Kp*(Xr−Xm−Cx)−Vm−Cvを、ゲイン要素137に入力する。ゲイン要素137は、加減算要素135からの入力値Kp*(Xr−Xm−Cx)−Vm−CvにゲインKvを作用させた値Kv*{Kp*(Xr−Xm−Cx)−Vm−Cv}を、上記操作量Uxとして加減算要素139に入力する。
加減算要素139は、ゲイン要素137からの操作量Uxに外乱推定値Fdを加算し、更に、この操作量(Ux+Fd)を、コンプライアンス制御器140から入力される補正値Cfで補正した値(Ux+Fd−Cf)を、操作量UとしてASF駆動回路33に入力する。
また、制御器120は、コンプライアンス制御器140の構成要素として、ゲイン要素141,143,145,147と、加減算要素142,148と、積分要素144,146とを備える。
ゲイン要素141は、反力値入力モジュール190からの入力値FrにゲインKfを作用させた値Kf*Frを加減算要素142に入力する。加減算要素142は、ゲイン要素141からの入力値Kf*Frと、加減算要素148からの入力値Fpとの偏差Kf*Fr−Fpを、ゲイン要素143に入力する。
ゲイン要素143は、加減算要素142からの入力値Kf*Fr−Fpにゲイン1/Jcを作用させた値Cf=(Kf*Fr−Fp)/Jcを、積分要素144及び加減算要素139に入力する。
積分要素144は、加減算要素142からの入力値Cfに対応する積分値Cv=Cf/sを、ゲイン要素145及び積分要素146、並びに、位置制御器130の加減算要素135に入力する。なお、sはラプラス演算子を表している。
ゲイン要素145は、積分要素144からの入力値Cv=Cf/sにゲインDcを作用させた値Dc*Cf/sを加減算要素148に入力する。積分要素146は、積分要素144からの入力値Cv=Cf/sに対応する積分値Cx=Cf/s2を、ゲイン要素147及び位置制御器130の加減算要素131に入力する。
ゲイン要素147は、積分要素146からの入力値Cx=Cf/s2にゲインKcを作用させた値Kc*Cf/s2を加減算要素148に入力する。加減算要素148は、ゲイン要素147からの入力値Kc*Cf/s2と、ゲイン要素145からの入力値Dc*Cf/sとの加算値Kc*Cf/s2+Dc*Cf/sを、新たな値Fpとして加減算要素142に入力する。
このコンプライアンス制御器140が、補正値Cx,Cv,Cfを位置制御器130に入力することは、式(1)の関数G(s)に従って、位置制御器130からASF駆動回路33に入力される操作量Uを、反力推定値Frに対応する位置補正量Xcだけ目標位置軌跡(目標位置Xr)をずらす方向に補正することに対応する。
付言すると、上述したゲインKcは、用紙Qとニップ部NPとの間の仮想的なバネ特性を表し、ゲインDcは、用紙Qとニップ部NPとの間の仮想的なダンパ特性を表す。また、ゲイン(1/Jc)に対応する値Jcは、給紙装置20及び用紙Qのイナーシャ特性を表し、ゲインKfは、反力推定値Frに基づく操作量Uの補正係数を表す。式(1)の関数G(s)は、用紙Qがニップ部NPから受ける反力に倣うように目標位置Xrを補正するための、反力推定値Frと操作量Uの補正量との対応関係を表す。
上記補正値Cxは、位置補正量Xcに対応し、補正値Cvは、位置補正量Xcの時間微分に対応し、補正値Cfは、位置補正量Xcの二階時間微分に対応する。反力値入力モジュール190からコンプライアンス制御器140に入力される反力推定値Frがゼロの間は、補正値Cf,Cv,Cxがゼロであるため、コンプライアンス制御器140は、位置制御器130の操作量Uを補正するものとしては、実質的に機能しない。
また、外乱オブザーバ150は、制御器120がASF駆動回路33に入力する操作量Uと、信号処理回路37から入力される計測速度Vmとに基づき、ASFモータ31に作用する反力に対応する推定値Fdを外乱推定値Fdとして算出し、この外乱推定値Fdを位置制御器130の加減算要素139に入力する。
この他、反力オブザーバ170は、制御器120がASF駆動回路33に入力する操作量Uと、信号処理回路37から入力される計測速度Vmとに基づき、ASFモータ31に作用する反力の内、摩擦成分を除く反力の推定値Frを反力推定値Frとして算出し、この反力推定値Frを反力値入力モジュール190に入力する。この摩擦成分を除く反力が、用紙Qの搬送方向とは反対に、当該用紙Qに働く力であり、反力推定値Frは、当該力のベクトルに対応する値である。
ここで、反力オブザーバ170の構成を、図7を用いて説明する。反力オブザーバ170は、逆モデル演算モジュール171と、加減算要素173と、ローパスフィルタ175と、摩擦推定モジュール177と、加減算要素179とを備える。
逆モデル演算モジュール171は、信号処理回路37から入力される計測速度Vmを、
制御対象の伝達モデルに対応する逆モデルの伝達関数H-1を用いて、対応する操作量U*に変換する。ここ言う制御対象は、ASF駆動回路33への操作量Uの入力から信号処理回路37による制御出力(位置X及び速度V)の計測までの伝達系に対応する。
伝達関数H−1は、例えば、入出力特性モデルHを、剛体モデルにより表現して定めることができる。具体的に、伝達関数H-1は、定数K及びラプラス演算子sを用いて、入出力特性モデルをH=K/sで表現したときの逆数H−1=(1/K)・sであり得る。
加減算要素173は、制御器120からの操作量Uと、逆モデル演算モジュール171にて算出された操作量U*との偏差(U−U*)を算出する。ローパスフィルタ175は、この偏差(U−U*)から高周波成分を除去する。高周波成分除去後の偏差(U−U*)は、外乱推定値Fdとして加減算要素179に入力される。偏差(U−U*)は、操作量Uが電流指令値である関係上、単位をアンペアとするものである。但し、直流モータが駆動源である場合、アンペアとトルク(反力)との間には比例関係が成立する。従って、偏差(U−U*)は、外乱として制御対象に作用する反力を間接的に表す。
加減算要素179は、この外乱推定値Fd=(U−U*)から、摩擦推定モジュール177から入力される摩擦推定値(D*Vm+μ*N)を減算して、減算後の値Fd−(D*Vm+μ*N)を、反力推定値Frとして反力値入力モジュール190に入力する。この反力推定値Frは、ASFメインモジュール200にも入力される。
摩擦推定モジュール177は、計測速度Vmに基づいて、ASFモータ31から用紙Qへの動力伝達系に含まれる回転軸で生じる潤滑剤に起因する粘性摩擦成分の推定値(D・Vm)を算出することができる。係数Dは、粘性摩擦係数に対応する。そして、摩擦推定モジュール177は、粘性摩擦成分の推定値に動摩擦成分の推定値μNを加えて、上記摩擦成分の推定値(D*Vm+μ*N)を算出することができる。この摩擦成分の推定値(D*Vm+μ*N)は、ASFモータ31から用紙Qへの動力伝達系(特に回転軸)で生じる摩擦成分に対応する。
外乱オブザーバ150は、反力オブザーバ170と同様に、逆モデル演算モジュール171と、加減算要素173と、ローパスフィルタ175と、を備え、ローパスフィルタ175による高周波成分除去後の偏差(U−U*)を、外乱推定値Fdとして、位置制御器130に入力するように構成される。反力オブザーバ170は、外乱オブザーバ150としての機能を有するため、この外乱オブザーバ150は、設けられなくてもよい。即ち、反力オブザーバ170が、外乱オブザーバ150に代わって、外乱推定値Fdを、位置制御器130に入力するように、ASFコントローラ40は構成されてもよい。
続いて、ASFメインモジュール200の詳細を説明する。ASFメインモジュール200は、給紙処理(S110)の実行時にメインコントローラ90から入力される指令に従って、図8及び図9に示す制御ルーチンを定期的に繰返し実行する。これにより、給紙制御を実現する。ASFメインモジュール200は、給紙制御開始時に、上記指令に基づき、図5Aに示す目標位置軌跡を目標入力モジュール110に設定し、ASFコントローラ40内の各部を起動する。
ASFメインモジュール200は、制御ルーチンを開始すると、制御開始時刻t=0からの経過時間に基づき、加速区間が終了したか否かを判断する(S210)。給紙ローラ25は、給紙制御の開始後、目標位置軌跡に追従して定速回転するまでは、加速状態にある。ここで言う加速区間は、制御開始時刻t=0から給紙ローラ25が定速状態に移行するまでの期間に対応する。
ASFメインモジュール200は、加速区間が終了していないと判断すると(S210でNo)、状態値FLを値1に設定する(S215)。状態値FLの初期値は、ゼロである。状態値FLは、給紙制御の進行に応じて更新される。
S215の処理実行後、ASFメインモジュール200は、S260に移行し、反力値入力モジュール190からコンプライアンス制御器140への入力値をゼロに設定する。これにより、コンプライアンス制御器140の機能を無効にする。
その後、ASFメインモジュール200は、制御器120に、現在の目標位置Xr、計測位置Xm、計測速度Vm、及び、外乱推定値Fdに基づく操作量Uを演算及び出力させる(S270)。この際、外乱オブザーバ150は、外乱推定値Fdを算出する。反力オブザーバ170は、反力推定値Frを算出する。操作量Uの初期値は、ゼロである。制御器120により算出された操作量Uは、ASF駆動回路33に入力される。これにより、ASFモータ31は、操作量Uに対応した駆動電流で駆動される。加速区間の終了前には、上記内容の制御ルーチンが繰返し実行される。
加速区間の終了後の制御ルーチンにおいて、ASFメインモジュール200は、S210で肯定判断し、レジストセンサSNからASFコントローラ40への入力信号がオン信号であるか否かを判断する(S220)。レジストセンサSNは、当該レジストセンサSNの検出地点に用紙Qが位置しているときオン信号を入力し、上記の検出地点に用紙Qが位置していないときオフ信号を入力する。
ASFメインモジュール200は、レジストセンサSNからの入力信号がオフ信号であると判断すると(S220でNo)、反力オブザーバ170から入力される反力推定値Frを、目標反力Ftar及び閾値Thの設定時に用いる反力推定値Frとして一時記憶する(S225)。この反力推定値Frは、レジストセンサSNからの入力信号がオン信号になり、後述する目標反力Ftar及び閾値Thが設定されるまで記憶保持される。ASFメインモジュール200は、この反力推定値Frを記憶保持するためのメモリ201を備える。
S225での処理を終えると、ASFメインモジュール200は、S260及びS270を実行し、制御器120に、新しい操作量Uを演算及び出力させる。加速区間の終了後、レジストセンサSNからの入力信号がオン信号に切り替わるまでは、上記内容の制御ルーチンが繰返し実行されて、操作量Uの演算及び出力動作と、反力推定値Frのメモリ201への記憶動作と、が繰返し実行される。
レジストセンサSNからの入力信号がオン信号に切り替わった後の制御ルーチンにおいて、ASFメインモジュール200は、S220で肯定判断し、S230以降の処理を実行する。
S230において、ASFメインモジュール200は、状態値FLが値1であるか否かを判断する。ASFメインモジュール200は、状態値FLが値1ではなく値2以上であると判断すると(S230でNo)、S240に移行する。
一方、ASFメインモジュール200は、状態値FLが値1であると判断すると(S230でYes)、加速区間終了時刻t=TcからレジストセンサSNがオン信号に切り替わる時刻t=Tpまでの期間においてメモリ201に記憶された反力推定値Frの一群に基づき、目標反力Ftar及び閾値Thを設定する(S231,S233)。以下では、時刻t=Tcからt=Tpまでの期間を抽出区間と表現する。図10に示す抽出区間は、目標反力Ftar及び閾値Thの設定に際して参照する反力推定値Frの区間に対応する
目標反力Ftarは、用紙Qをニップ部NPに押し当てて斜行補正するときに実現されるべき反力(押し当て力)を表す。閾値Thは、反力オブザーバ170により算出される反力推定値Frと比較されて、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたことを検出するために用いられる。
反力推定値Frは、用紙Qがニップ部NPに当接する前において理想的には値ゼロである。しかしながら、反力推定値Frは、制御対象のモデルに基づき算出されるため、モデル化等に起因する誤差を含み、用紙Qがニップ部NPに当接していない場合にも、基本的にはゼロにはならない。抽出区間の反力推定値Frは、この反力推定値Frに含まれる誤差成分、換言すれば定常成分を特定するために用いられる。ASFメインモジュール200は、S231において、抽出区間の反力推定値Frの平均値Afを算出することにより、この平均値Afを上記定常成分として特定する。
ASFメインモジュール200は、算出した平均値Afに基づき、目標反力Ftar及び閾値Thを、メモリ201が記憶する反力閾値テーブルを参照して設定する(S233)。反力閾値テーブルは、メインコントローラ90のROM93に記憶され、メインコントローラ90から提供される。
反力閾値テーブルは、図11に示すように、平均値Afが値A1未満であるときに設定すべき目標反力Ft1及び閾値Th1と、平均値Afが値A1以上値A2未満であるときに設定すべき目標反力Ft2及び閾値Th2と、平均値Afが値A2以上であるときに設定すべき目標反力Ft3及び閾値Th3とを表す。値Ft1,Ft2,Ft3は、関係式Ft1<Ft2<Ft3を満足し、値Th1,Th2,Th3は、関係式Th1<Th2<Th3を満足する。閾値Th1,Th2,Th3は、夫々、対応する目標反力Ft1,Ft2,Ft3より小さい値を示す。つまり、閾値と目標反力は、関係式Th1<F1、Th2<F2、Th3<F3を満足する。閾値Th1,Th2,Th3は、値Afの変動範囲よりも大きな値に定められる。
ASFメインモジュール200は、この反力閾値テーブルに基づき、平均値Afのレベルに応じた目標反力Ftar及び閾値Thとして、平均値Afが大きい程、大きい目標反力Ftar及び閾値Thを設定する(S233)。反力閾値テーブルは、試験により、平均値Afと目標反力Ftar及び閾値Thとの適切な関係を求めることにより作成することができる。S233での処理を終えると、ASFメインモジュール200は、状態値FLを値2に更新し(S235)、S240に移行する。
S240において、ASFメインモジュール200は、現在の反力推定値Frが閾値Thより大きいか否かを判断する。ASFメインモジュール200は、反力推定値Frが閾値Th以下であると判断すると(S240でNo)、S260及びS270を実行し、制御器120に、新しい操作量Uを演算及び出力させる。
S240において、反力推定値Frが閾値Thより大きいと判断すると(S240でYes)、ASFメインモジュール200は、反力推定値Frが閾値Thを超えた前回時刻からの経過時間TEが予め定められた時間TE0未満であるか否かを判断する(S250)。ASFメインモジュール200は、S250において、反力推定値Frが閾値Thを制御開始後初めて超えた場合、及び、経過時間TEが時間TE0以上である場合、否定判断する。
S250において否定判断すると、ASFメインモジュール200は、経過時間TEの
計測を開始する(S255)。更に、現在時刻の目標位置Xrを記憶する(S255)。その後、ASFメインモジュール200は、S260及びS270を実行し、制御器120に、新しい操作量Uを演算及び出力させる。
一方、経過時間TEが時間TE0未満であると判断すると(S250でYes)、ASFメインモジュール200は、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたとみなして、S300に移行する。即ち、ASFメインモジュール200は、時間TE0より短い間隔で二度、反力推定値Frが閾値Thを超える値を示したことを条件に、S300に移行する。S300以降において、ASFメインモジュール200は、用紙Qがニップ部NPに到達しているとみなした処理を実行する。
ここで、反力推定値Frが一度閾値Thを超えただけでは、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたとみなさないのは、用紙Qがニップ部NPに到達していないのにも拘わらず、一時的に反力推定値Frが閾値Thを超える事象が生じ得るためである。時間TE0は、この一時的な事象と用紙Qがニップ部NPに当接し始めたこととを判別可能な範囲で短い時間に定められ得る。
S300に移行すると、ASFメインモジュール200は、状態値FLが値2であるか否かを判断する。ASFメインモジュール200は、状態値FLが値2であると判断すると(S300でYes)、S310に移行し、状態値が値2ではなく値3であると判断すると(S300でNo)、S340に移行する。
S310に移行すると、ASFメインモジュール200は、S255で記憶した目標位置Xrを基準位置Xaに設定する。ここで、基準位置Xaに設定される目標位置Xrは、上記時間TE0より短い時間間隔で2度生じた反力推定値Frが閾値Thを超える事象の内の最初の事象の発生時点(時刻t=Ta)での目標位置Xrである。すなわち基準位置Xaは、用紙Qがニップ部NPに当接し始めた位置に対応する。別例として、基準位置Xaは、上記最初の事象の発生時の計測位置Xmに設定されてもよい。この場合には、S255で計測位置Xmが記憶される。
上記基準位置Xaの設定後、ASFメインモジュール200は、目標反力Ftarを実現可能な目標停止位置Xtarを、式Xtar=Xa+(Kf/Kc)*Ftarに従って算出する(S320)。ここで、式中の値Ftarは、S233で設定された目標反力Ftarであり、式中の値Kf,Kcは、夫々、コンプライアンス制御器140におけるゲインKf,Kcである。式中のXaは、上記基準位置Xaである。
上述した式(1)を参照すると、用紙Qのニップ部NPへの押し当て完了時には、微分項をゼロとみなすことができるために、Xc=(Kf/Kc)*Frを満足することが理解できる。従って、押し当て完了時に目標反力Ftarを満足する位置補正量Xcは、(Kf/Kc)*Ftarである。それゆえ、用紙Qのニップ部NPへの当接が始まる基準位置Xaから(Kf/Kc)*Ftarだけ進んだ位置Xa+(Kf/Kc)*Ftarに目標停止位置Xtarを設定すれば、目標停止位置Xtarにおいて目標反力Ftarを実現できることが理解できる。
S320において、このように目標停止位置Xtarを設定すると、ASFメインモジュール200は、目標入力モジュール110に対し、時刻t=Ta以降の目標位置軌跡として、目標停止位置Xtarに対応する目標位置軌跡を設定する。これにより、時刻t=Ta以降の目標位置軌跡を変更する。即ち、図5B上段に示すように、変更前の目標位置軌跡において、目標位置Xr=Xtarとなる時刻t=Tb以降の目標位置Xrを目標停止位置Xtarに変更した新たな目標位置軌跡を、目標入力モジュール110に設定する
。その後、ASFメインモジュール200は、状態値FLを値3に変更し(S330)、S370に移行する。
S370に移行すると、ASFメインモジュール200は、反力値入力モジュール190からコンプライアンス制御器140への入力値を、反力オブザーバ170による反力推定値Frに設定する。これにより、コンプライアンス制御器140の機能を有効にする。
その後、ASFメインモジュール200は、制御器120に、現在の目標位置Xr、計測位置Xm、計測速度Vm、及び、外乱推定値Fdに基づく操作量Uを演算及び出力させる(S380)。この際、位置制御器130により算出される操作量Uは、コンプライアンス制御器140により反力推定値Frに対応する量補正された値として、ASF駆動回路33に入力される。
このようにして、用紙Qがニップ部NPに当接し始めた後には、コンプライアンス制御器140により反力推定値Frに倣うように補正された操作量UがASF駆動回路33に入力される。従って、用紙Qは、ニップ部NPに対し緩やかに押し当てられる。
状態値FLが値3に変更された後の制御ルーチンにおいて、ASFメインモジュール200は、S300で否定判断し、S340に移行する。S340において、ASFメインモジュール200は、反力オブザーバ170による反力推定値Frが目標反力Ftarの所定割合に対応する値α*Ftar以上であるか否かを判断する。定数αは、例えば、α=0.9に設定される。
S340において、反力推定値Frが値α*Ftar未満であると判断すると(S340でNo)、ASFメインモジュール200は、S370及びS380を実行する。これに対し、反力推定値Frが値α*Ftar以上であると判断すると(S340でYes)、ASFメインモジュール200は、S350に移行し、反力推定値Frが値α*Ftar以上となった時刻t=T1からの経過時間TSを算出する。図5Bの下段には、経過時間TSを示す。
経過時間TSが予め定められた時間TS0を経過するまでの制御ルーチンにおいて、ASFメインモジュール200は、S360で否定判断し、S370及びS380を実行する。一方、上記経過時間TSが時間TS0を経過すると、ASFメインモジュール200は、S360で肯定判断し、制御器120に操作量Uの演算を終了させ、制御器120からASF駆動回路33へ入力する操作量Uをゼロに変更する(S390)。
このようにして、ASFメインモジュール200は、上記経過時間TSが予め定められた時間TS0を越えた時点(時刻t=T2)で、ASF駆動回路33によるASFモータ31の駆動を停止させて、給紙装置20による用紙Qの搬送動作を停止させる。この過程を経て、ASFコントローラ40による給紙制御は終了し、用紙Qのレジスト動作は完了する。従って、本実施例では、用紙Qが目標反力Ftarに対応した力でニップ部NPに押し当てられ、用紙Qの斜行は適切に補正される。
上記レジスト動作の完了後、メインコントローラ90は、頭出し処理(S120)を実行する。これにより、記録機構50は、メインコントローラ90からの指令を受けて搬送ローラ61を回転させ、上記ニップ部NPに供給された用紙Qを更に下流に搬送する。
以上、本実施例の画像形成システム1について説明した。本実施例の画像形成システム1では、用紙Qがニップ部NPに押し当てられる際、反力推定値Frに基づくコンプライアンス制御により、目標位置Xrと計測位置Xmとの偏差に基づく操作量Uが適切に補正
される。
用紙Qがニップ部NPに接触し始めると、用紙Qに作用する反力は上昇するが、本実施例によれば、コンプライアンス制御により、反力に倣うように操作量Uが補正され、用紙Qに作用する衝撃が抑えられる。しかも、本実施例によれば、物理的な力センサなしに、反力オブザーバ170を用いて、コンプライアンス制御が実現される。
特に本実施例のASFコントローラ40は、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたことを、反力推定値Frに基づき判断する。ASFコントローラ40は、当接開始前には、コンプライアンス制御器140への入力値をゼロ値に設定して(S260)、コンプライアンス制御を無効に設定する。そして、当接開始時から、コンプライアンス制御器140への入力値を反力オブザーバ170による反力推定値Frに切り替えることにより、コンプライアンス制御による操作量Uの補正を開始する(S370)。
更に、ASFコントローラ40は、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたときの目標位置Xr又は計測位置Xmを基準位置Xaに設定し(S310)、この基準位置Xaから目標反力Ftarに対応する距離Kf/Kc*Ftar進んだ地点を目標停止位置Xtarに設定する(S320)。従って、本実施例の画像形成システム1によれば、用紙Qを目標反力Ftarに対応する適切な押圧力でニップ部NPに押し当てることができ、適切に用紙Qのレジスト動作を完了することができる。
この他、本実施例によれば、反力推定値Frが目標反力Ftarに定常的に到達しない可能性を考慮して、反力推定値Frが目標反力Ftarの所定割合に対応する値(α*Ftar)に到達してから所定時間TS0が経過したことを条件に、ASFコントローラ40がASFモータ31の駆動を停止する(S390)。従って、本実施例によれば、目標反力Ftarを達成しようとする制御が不要に長時間継続されるのを抑えることができる。
また、用紙Qがニップ部NPに当接し始める前には、コンプライアンス制御に基づく操作量Uの補正が行われないので、用紙Qがニップ部NPに当接される前の給紙制御にコンプライアンス制御が悪影響を及ぼすのを抑えることができ、優れた用紙Qの給紙制御を実現することができる。
更に、本実施例によれば、加速区間終了後からレジストセンサSNの出力信号がオン信号に切り替わる前までの用紙Qとニップ部NPとの接触に起因する反力成分の含まれない反力推定値Frに基づき、目標反力Ftar及び閾値Thが適切に設定される。これにより本実地例では、反力推定値Frに含まれる定常成分の影響を抑えて、用紙Qを適切にニップ部NPに押し当てることができる。
また、本実施例によれば、反力推定値Frが閾値Thを超える事象の発生時点(t=Ta)から所定期間TE0内に反力推定値Frが閾値Thを超える値を再度示したことを条件に、コンプライアンス制御が開始される。従って、用紙Qのニップ部NPへの当接に依らない一時的な反力推定値Frの上昇で、コンプライアンス制御が開始されるのを抑えることができる。
また、本実施例によれば、インクジェットヘッド77によるインク液滴吐出位置に、用紙Qを適切に斜行補正して搬送することができるので、用紙Qに対して高品質な画像を形成することができ、高品質な印刷物をユーザに対して提供することができる。
ところで、本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、種々の態様を採ることが
できる。例えば、図8に示す制御ルーチンは、図12に示す制御ルーチンに変更されてもよい。
図12に示す制御ルーチンは、図8に示す制御ルーチンにおけるS240,250,S255に代えて、S400の判断ステップが設けられたものである。図12に示す制御ルーチンを実行する変形例のASFメインモジュール200は、S230で状態値FLが値1ではないと判断するか(S230でNo)、S235において状態値FLを値2に更新すると、S400に移行する。
S400において、ASFメインモジュール200は、レジストセンサSNからの入力信号がオン信号に切り替わってからの給紙ローラ25の回転量が所定量Zに到達したか否かを、レジストセンサSNからの入力信号がオン信号に切り替わったときの計測位置Xmと最新の計測位置Xmとに基づいて判断する。所定量Zは、用紙QがレジストセンサSNにより検出されてからニップ部NPに当接するのに必要な給紙ローラ25の回転量に対応する。即ち、所定量Zは、レジストセンサSNによる用紙Qの検出地点とニップ部NPとの間の距離Lに対応した値に定められる。
ASFメインモジュール200は、給紙ローラ25の回転量が所定量Zに到達したと判断すると(S400でYes)、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたとみなして、S300に移行する。一方、給紙ローラ25が所定量Z回転するまでは、S400で否定判断して、S260及びS270を実行する。この変形例の制御ルーチンによっても、用紙Qがニップ部NPに当接し始めたことを適切に検出して、コンプライアンス制御を開始することができる。
また、本発明は、キャリッジ71の搬送制御に用いられてもよい。画像形成システムとしては、インクジェットヘッド77を搭載するキャリッジ71を、キャリッジ搬送路の端に配置された基準壁に押し当てるように搬送するシステムが知られている。例えば、キャリッジ71を基準壁に押し当てた状態でエンコーダから得られるキャリッジ71の位置を原点に設定することで、キャリッジ71の絶対位置を検出するシステムが知られている。このシステムでは、キャリッジ71を基準壁に押し当てると、キャリッジ71やインクジェットヘッド77に衝撃が及ぶ可能性がある。
このシステムに対して、本発明を適用すれば、キャリッジ71及びインクジェットヘッド77に作用する衝撃を抑えて、キャリッジ71を基準壁に適切に押し当てることができ、優れた画像形成システムを構成することができる。
この他、本発明は、当接対象を被当接対象に押し当てる様々なシステムに適用することができる。特許請求の範囲に記載の文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本発明の実施形態である。
最後に、用語間の対応関係について説明する。用紙Qは、当接対象の一例に対応し、搬送ローラ61及びピンチローラ62は、被当接対象の一例に対応する。ASF駆動回路33は、モータ(ASFモータ31)を駆動する駆動装置の一例に対応し、ロータリエンコーダ35及び信号処理回路37は、計測装置の一例に対応する。ASFコントローラ40は、コントローラの一例に対応する。
1…画像形成システム、10…給紙機構、20…給紙装置、21…給紙トレイ、23…アーム、25…給紙ローラ、27…Uターンパス、31…ASFモータ、33…ASF駆動回路、35…ロータリエンコーダ、37…信号処理回路、40…ASFコントローラ、5
0…記録機構、60…用紙搬送装置、61…搬送ローラ、62…ピンチローラ、64…排紙ローラ、65…拍車ローラ、67…プラテン、69…PFモータ、70…CR搬送装置、71…キャリッジ、75…CRモータ、77…インクジェットヘッド、79…ヘッド駆動回路、80…記録コントローラ、90…メインコントローラ、91…CPU、93…ROM、95…RAM、99…通信インタフェース、110…目標入力モジュール、120…制御器、130…位置制御器、131…加減算要素、133…ゲイン要素、135…加減算要素、137…ゲイン要素、139…加減算要素、140…コンプライアンス制御器、141…ゲイン要素、142…加減算要素、143…ゲイン要素、144…積分要素、145…ゲイン要素、146…積分要素、147…ゲイン要素、148…加減算要素、150…外乱オブザーバ、170…反力オブザーバ、171…逆モデル演算モジュール、173…加減算要素、175…ローパスフィルタ、177…摩擦推定モジュール、179…加減算要素、190…反力値入力モジュール、200…ASFメインモジュール、201…メモリ、NP…ニップ部、Q…用紙、SN…レジストセンサ。

Claims (19)

  1. 当接対象を被当接対象に押し当てるための制御システムであって、
    モータを含み、前記モータからの力を前記当接対象に作用させて、前記当接対象を前記被当接対象に向けて変位させる機械的装置と、
    入力される操作量に応じて前記モータを駆動する駆動装置と、
    前記当接対象の変位に関する物理量を計測する計測装置と、
    コントローラと、
    を備え、
    前記コントローラは、
    前記計測装置により計測された前記物理量から特定される前記当接対象の位置である計測位置と目標位置軌跡に従う目標位置との偏差に基づき、前記駆動装置に入力する前記操作量を算出する位置制御処理と、
    前記当接対象に作用する反力であって、前記操作量と前記計測装置によって計測された前記物理量との関係から、前記モータから前記当接対象への動力伝達系で生じる摩擦成分を除いた前記反力を推定する反力推定処理と、
    前記反力推定処理により推定された前記反力の推定値に基づくコンプライアンス制御によって、前記位置制御処理から前記駆動装置に入力される前記操作量を補正するコンプライアンス制御処理と、
    を実行することを特徴とする制御システム。
  2. 前記コントローラは、更に、
    前記当接対象が前記被当接対象に接触し始めたことに対応して前記推定値が所定条件を満足すると、そのときの前記計測位置又は前記目標位置に基づき、目標反力に対応する目標停止位置を設定して、前記目標停止位置までの目標位置軌跡を新たに設定する位置設定処理
    を実行することを特徴とする請求項1記載の制御システム。
  3. 前記コントローラは、更に、
    前記推定値が目標反力に対応した値に到達したことを条件に、前記駆動装置に前記モータの駆動を停止させる停止制御処理
    を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制御システム。
  4. 前記コントローラは、更に、
    前記推定値が目標反力の所定割合に到達してから所定時間が経過したことを条件に、前記駆動装置に前記モータの駆動を停止させる停止制御処理
    を実行することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の制御システム。
  5. 前記コントローラは、前記当接対象の変位が所定の段階に到達したことを条件に、前記コンプライアンス制御処理を開始すること
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の制御システム。
  6. 前記当接対象の変位の開始地点と前記被当接対象が存在する地点との間に配置されて、前記当接対象が通過したことに応じて検出信号を出力するセンサを備え、
    前記コントローラは、前記所定の段階として、前記計測装置により計測された前記物理量に基づく、前記検出信号が出力された時からの前記当接対象の変位量が、前記センサから前記被当接対象が存在する地点までの距離に対応する値に到達した時点で、前記コンプライアンス制御処理を開始することを特徴とする請求項5記載の制御システム。
  7. 前記コントローラは、前記推定値が前記所定条件を満足すると、前記コンプライアンス
    制御処理を開始する
    をことを特徴とする請求項2記載の制御システム。
  8. 前記所定条件は、前記推定値が前記目標反力より小さい所定の閾値を超えたことを条件に満足されること
    を特徴とする請求項7記載の制御システム。
  9. 前記コントローラは、前記推定値が前記所定条件を満足することとして、前記推定値が前記閾値を超え、且つ、前記推定値が前記閾値を超える事象の発生時点から所定期間内に前記推定値が前記閾値を超えた値を再度示すと、前記コンプライアンス制御処理を開始することを特徴とする請求項8記載の制御システム。
  10. 前記コントローラは、前記位置設定処理において、前記事象の発生時点での前記計測位置又は前記目標位置に基づき、前記目標停止位置を設定すること
    を特徴とする請求項9記載の制御システム。
  11. 前記コントローラは、更に、
    前記当接対象と前記被当接対象との接触に起因する反力成分が含まれない期間の前記推定値を抽出し、抽出された前記推定値に基づき、前記閾値を設定する閾値設定処理
    を実行すること
    を特徴とする請求項8〜請求項10のいずれか一項記載の制御システム。
  12. 前記コントローラは、前記閾値設定処理において、前記期間の内、前記当接対象の加速区間を除く期間の前記推定値を抽出すること
    を特徴とする請求項11記載の制御システム。
  13. 前記コントローラは、更に、
    前記当接対象と前記被当接対象との接触に起因する反力成分が含まれない期間の前記推定値を抽出し、抽出された前記推定値に基づき、前記目標反力を設定する目標反力設定処理
    を実行すること
    を特徴とする請求項2〜請求項4、及び、請求項7〜請求項12のいずれか一項記載の制御システム。
  14. 前記コントローラは、前記目標反力設定処理において、前記期間の内、前記当接対象の加速区間を除く期間の前記推定値を抽出すること
    を特徴とする請求項13記載の制御システム。
  15. 前記当接対象は、シートであり、
    前記機械的装置は、前記モータからの力を前記シートに作用させて、前記シートを前記被当接対象に向けて搬送する構成にされていること
    を特徴とする請求項1〜請求項14のいずれか一項記載の制御システム。
  16. 前記被当接対象は、当接された前記シートを挟持した状態で回転して、前記シートを更に搬送方向下流に搬送するローラであり、
    前記制御システムは、前記ローラによって搬送方向下流に搬送される前記シートに対して所定の処理を実行する処理装置を更に備えること
    を特徴とする請求項15記載の制御システム。
  17. 前記コントローラは、前記コンプライアンス制御処理において、前記当接対象と前記被
    当接対象との間の仮想的なバネ特性及びダンパ特性と、前記機械的装置及び前記当接対象のイナーシャ特性と、により規定されるモデルであって、前記推定値と前記操作量に対する補正量との対応関係を表すモデルに基づき、前記位置制御処理から前記駆動装置に入力される前記操作量を、前記推定値を用いて補正すること
    を特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項記載の制御システム。
  18. 前記コントローラは、前記コンプライアンス制御処理において、前記当接対象と前記被当接対象との間の仮想的なバネ特性を表す値Kcと、前記当接対象と前記被当接対象との間の仮想的なダンパ特性を表す値Dcと、前記機械的装置及び前記当接対象のイナーシャ特性を表す値Jcと、補正係数Kfとを含む次の伝達関数(sはラプラス演算子である)
    Figure 2016193776
    に従って、前記位置制御処理から前記駆動装置に入力される前記操作量を、前記推定値としての値Frに対応する位置補正量Xcだけ前記目標位置軌跡をずらす方向に補正すること
    を特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか一項記載の制御システム。
  19. 前記コントローラは、前記位置設定処理において、前記推定値が所定条件を満足すると、所定条件を満足したときの前記計測位置又は前記目標位置である位置Xa、及び、目標反力Ftarに基づき、前記目標反力に対応する前記目標停止位置として、位置(Xa+(Kf/Kc)*Ftar)を設定すること
    を特徴とする請求項18記載の制御システム。
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