JP6132388B2 - 包装品のリーク検査装置 - Google Patents
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Description
同文献の段落「0033」の記載によると、サーボモータは自身のもっているトルク検知機能と変位検知機能とによって押圧部材(挟持部材)に作用する押圧反力と押圧部材の変位量を検知して、搬送中の製品のシール不良を検出する。
したがって、同文献に開示された従来のシールチェック装置(リーク検査装置)では、包装品の生じた極めて僅かなリークを高精度に検出することは困難であった。
指令値に基づき駆動され、包装品に対し押付部材を移動させるアクチュエータと、
アクチュエータによる押付部材の移動位置を検出して位置信号を出力する位置検出手段と、
アクチュエータに入力される指令値と位置検出手段からの位置信号とに基づき、アクチュエータに加わる外乱を推定する外乱オブザーバと、
外乱オブザーバにより推定された外乱に基づきアクチュエータを制御する制御装置と、
アクチュエータに入力される指令値、位置検出手段からの位置信号、および押付部材が包装品に接触しない状態でのアクチュエータに加わる外力の推定値に基づき、押付部材を介して包装品からアクチュエータに作用する反力を推定する反力推定手段と、
反力推定手段により推定された反力を利用して、包装品のリークの有無を判別するリーク判断手段と、
を備えたことを特徴とする。
すなわち、押付部材、アクチュエータ、位置検出手段及び外乱オブザーバを含むマスタシステムと、
マスタシステムと同じ構成であって、押付部材に対し包装品を対向配置させず当該押付部材が包装品に接触することのないスレーブシステムと、を備え、
反力推定手段は、マスタシステムのアクチュエータに入力される指令値および同システムの位置検出手段からの位置信号と、スレーブシステムのアクチュエータに入力される指令値および同システムの位置検出手段からの位置信号と、に基づき、押付部材を介して包装品からマスタシステムのアクチュエータに作用する反力を推定することを特徴とする。
(イ)マスタシステムのアクチュエータとスレーブシステムのアクチュエータが移動すべき目標値を指令値として出力する。
(ロ)マスタシステムの位置検出手段から出力された位置信号と、スレーブシステムの位置検出手段から出力された位置信号とに基づき、これら各システムにおけるアクチュエータの現在位置間の中央位置を求める。
(ハ)中央位置を、目標値に追従させる。
これらの構成により、アクチュエータの移動量を目標値に合わせて高精度に制御することが可能となる。
リーク判断手段は、位置検出手段からの位置信号の変化に基づきリークの有無を判別する構成とすることもできる。
〔第1の実施形態〕
図1乃至図5は本発明の第1の実施形態に係る包装品のリーク検査装置を説明するための図であり、図1はリーク検査装置の概略構成を示すブロック図である。
本実施形態に係る包装品のリーク検査装置は、検査対象となる包装品の表面を押付部材で押圧し、そのとき押付部材が受ける包装品からの反力に基づいて、リーク(漏れ)の有無を判別する構成となっており、図1に示すように、制御装置10、アクチュエータ20、位置検出手段30、外乱オブザーバ40、反力推定手段50、リーク判断手段60の各構成要素を備えている。
本実施形態では、アクチュエータ20として駆動部が直線上を往復移動する直動サーボモータを用いている。駆動軸が回転する一般のサーボモータを用いることもできるが、その場合、駆動軸の回転を押付部材の直線移動に変換する駆動力伝達機構を介在させる必要があり、その結果、同伝達機構での摩擦力や部品要素間のがたつきなど外乱要素が増えてしまう。かかる外乱要素は後述する外乱オブザーバ40と反力推定手段50により取り除くことは可能であるが、やはり少ない方が好ましい。そこで、本実施形態では、駆動軸の回転を押付部材の直線移動に変換する必要のない直動サーボモータを用いている。
図2は外乱オブザーバの構成例を概略的に示したものである。
外乱オブザーバ40は、アクチュエータ20への指令値(電流値)を入力するとともに、位置検出手段30が検出した位置信号を微分して応答速度値に変換し、これらの各値からアクチュエータ20が受ける外力(外乱トルク)の推定値を出力する。外乱オブザーバ40は、コンピュータのソフトウェアなどで構成される。なお、後述する反力推定手段50とリーク判断手段60も、同様にコンピュータのソフトウェアなどで構成される。
すなわち、アクチュエータ20に指令値が与えられたときの公称トルク値である第1信号と、外力による変位成分を含む位置信号に基づく第2信号との間には、外力による変位成分に対応した偏差が生じるため、この偏差に見合う第3信号が外乱の推定値信号としてアクチュエータ20の逆モデル41から出力される。
この外乱の推定値に関する第3信号は、ローパスフィルタ43によって低周波帯域の成分のみ取り出され、これが外乱の推定値として出力される。この外力の推定値を、図示しないトルク(力)電流変換器により電流値に変換すれば、外乱オブザーバ40を利用してアクチュエータ20をフィードバック制御することができる。
なお、外乱オブザーバ40は、図2に示した構成のものに限定されないことは勿論である。
すなわち、反力推定手段50は、アクチュエータ20に入力される指令値と、位置検出手段30からの位置信号とからアクチュエータ20に作用する外力を推定し、この外力の推定値から、押付部材が包装品に接触しない状態でのアクチュエータ20に加わる外力、すなわち包装品からの反力を含まない外力を差し引いて、包装品からの反力のみを推定する。
この反力推定手段50は、既述した外乱オブザーバ40と同様の構成としてあり(例えば、図2の構成)、アクチュエータ20の逆モデルをもって、アクチュエータ20に作用する反力を推定する。
まず、図3(a)を参照して、反力推定手段50により推定される反力の時間の経過による変化からリークの有無を判別する方法を説明する。
同図(a)のXaは横軸を時間t、縦軸をアクチュエータ20の移動位置(すなわち、押付部材の移動位置)Xとして、アクチュエータ20の動作を示している。また、Fa、Fbは横軸を時間t、縦軸を反力推定手段50により推定されたアクチュエータ20の受ける反力Fとして、同反力Fの変化を示している。
一方、包装品にリーク(漏れ)がある場合は、下降端でアクチュエータ20が停止している間に、反力の値が徐々に減少していく。すなわち、図3(a)のFbの傾きΔF2/Δtは大きくなる。このような、下降端でアクチュエータ20が停止している間の、時間の経過に対する反力の変化量によって、包装品のリークの有無を判別することができる。
リーク判断手段60には、包装品にリークがある場合に超える反力の変化量に関するしきい値が設定してある。
リーク判断手段60には、包装品にリークがある場合にそれよりも小さくなる面積のしきい値を設定する。
同図(b)のFdは横軸を時間t、縦軸を反力推定手段50により推定されたアクチュエータ20の受ける反力Fとして、アクチュエータ20の動作を示している。また、Xb、Xcは横軸を時間t、縦軸を位置検出手段30で検出されたアクチュエータ20の移動位置(すなわち、押付部材の移動位置)Xとして、同移動位置の変化を示している。
一方、包装品にリーク(漏れ)がある場合は、一定時間(t1〜t2)の間に、アクチュエータ20は徐々に下方へ移動していく。すなわち、図3(b)のXcの傾きΔX2/Δtは大きくなる。このような、反力推定手段50により推定される反力をあらかじめ設定した一定値F3で保持した一定時間(t1〜t2)の間の、時間の経過に対するアクチュエータ20の位置変化量によって、包装品のリークの有無を判別することができる。
リーク判断手段60には、包装品にリークがある場合に超えるアクチュエータ20の位置変化量に関するしきい値が設定してある。
リーク判断手段60には、包装品にリークがある場合にそれよりも小さくなる面積のしきい値を設定する。
図4のFc、Fdは横軸をアクチュエータ20の移動位置X、縦軸を反力推定手段50により推定されたアクチュエータ20の受ける反力Fとして、アクチュエータ20の位置変化に伴う反力の変化曲線を示している。
上述したとおり、アクチュエータ20は、まず下降動作を続け、あらかじめ設定した下降端X0に到達したとき当該位置で一定時間停止する。その後、上昇動作に転じてもとの待機位置まで戻る。
包装品にリークがない場合は、アクチュエータ20の押圧力を受けて包装品に蓄積されたエネルギは、アクチュエータ20が下降端で停止している間も大きく減少することはない。これに対して、包装品にリークがある場合は、アクチュエータ20の押圧力を受けて包装品に蓄積されたエネルギは、アクチュエータ20が下降端で停止している間に、内部ガスの外部への放出に伴い大きく減少する。
このため、アクチュエータ20の位置変化に伴う反力の変化曲線Fc、Fdで囲まれた領域の面積は、包装品にリークがない場合の変化曲線Fcで囲まれた領域の面積にくらべ、包装品にリークがある場合の変化曲線Fdで囲まれた領域の面積が大きくなる。
リーク判断手段60には、包装品にリークがある場合にそれよりも大きくなる面積のしきい値を設定する。
リーク検査装置は、まず検査動作が開始されると、制御装置10からの指令値をもってアクチュエータ20が速度制御され(ステップS1)、あらかじめ設定された速度で押付部材を下降させる(ステップS2)。そして、押付部材の包装品への接触が検知されると(ステップS3)、制御装置10は、リーク検査に適した制御方式に切り替えてアクチュエータ20を制御する(ステップS4)。リーク検査に適した制御方式としては、位置制御、速度制御、力制御など各種の制御モードから任意に選択される。
これら一連の動作を1サイクルとして、検査位置へ搬送されたきた包装品ごとにリーク検査動作が検査終了まで繰り返される(ステップS10)。
図6乃至図9は本発明の第2の実施形態に係る包装品のリーク検査装置を説明するための図であり、図6はリーク検査装置の外観を示す斜視図である。なお、先に示した第1の実施形態に係る包装品のリーク検査装置と同一部分又は相当する部分には同一符号を付し、その部分の詳細な説明は省略する。
これらマスタシステム100と、スレーブシステム200は、後述するように制御装置10によって制御され、同じ動作を実行する。ここで、マスタシステム100の押付部材21は、ベルトコンベア1によって検査位置に搬送されてきた包装品2と対向するように配置され、下降動作をもって包装品2の表面に接触して押圧する。そして、この押圧力に対する反力を包装品から受ける。
一方、スレーブシステム200の押付部材21の下方には包装品2を配置せず、したがって同押付部材21は移動の過程で包装品2に接触することがなく、反力も受けない。
同図(a)に示すマスタシステム100にマスタ側反力推定手段51が付加されており、また同図(b)に示すスレーブシステム200には、スレーブ側反力推定手段52が付加されている。
スレーブシステム200のアクチュエータ20には、外力Fs1が作用するものの、同システム200のアクチュエータ20には、包装品2からの反力は作用しない。したがって、スレーブ側反力推定手段52から出力される外力の推定値Fs3には、包装品2からの反力の推定値は含まれていない。
マスタシステム100のアクチュエータ20には、制御装置10から指令値(電流値)Imが出力され、同システム100の位置検出手段30からアクチュエータ20の移動位置(すなわち、押付部材21の移動位置)を示す位置信号Xmが出力される。同様に、スレーブシステム200のアクチュエータ20にも、制御装置10から指令値(電流値)Isが出力され、同システム200の位置検出手段30からアクチュエータ20の移動位置(すなわち、押付部材21の移動位置)を示す位置信号Xsが出力される。
制御指令出力手段11は、マスタシステム100のアクチュエータ20とスレーブシステム200のアクチュエータ20が移動すべき目標値を指令値として出力する。
第1変換手段12は、マスタシステム100の位置検出手段30から出力された位置信号Xmと、スレーブシステム200の位置検出手段30から出力された位置信号Xsとに基づき、これら各システム100、200におけるアクチュエータ20の現在位置間の中央位置(Xm+Xs)/2を求める。
そして、目標値追従制御手段14は、第1変換手段12で求めた各システムにおけるアクチュエータ20の現在位置間の中央位置(Xm+Xs)/2を、制御指令出力手段11から出力された目標値に追従させる。
そして、同期制御器15は、第1変換手段12が求めた中央位置(Xm+Xs)/2に対し、第2変換手段13が求めた各システム100、200におけるアクチュエータ20の現在位置の間隔(Xm−Xs)に基づき、各システム100、200におけるアクチュエータ20の位置を同期させる。
これらの構成により、アクチュエータ20の移動量を目標値に合わせて高精度に制御することが可能となる。
10:制御装置、11:制御指令出力手段、12:第1変換手段、13:第2変換手段、14:目標値追従制御手段、15:同期制御器、16:コンプライアンス制御手段、
20:アクチュエータ、21:押付部材、30:位置検出手段、40:外乱オブザーバ、41:アクチュエータの逆モデル、43:ローパスフィルタ、50:反力推定手段、51:マスタ側反力推定手段、52:スレーブ側反力推定手段、60:リーク判断手段、
100:マスタシステム、200:スレーブシステム
Claims (8)
- 包装品からの反力を受ける押付部材と、
指令値に基づき駆動され、包装品に対し前記押付部材を移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータによる前記押付部材の移動位置を検出して位置信号を出力する位置検出手段と、
前記アクチュエータに入力される指令値と前記位置検出手段からの位置信号とに基づき、外乱オブザーバが前記アクチュエータに加わる外乱を推定し、当該推定された外乱に基づき前記アクチュエータをフィードバック制御する制御装置と、
前記押付部材が包装品に接触しない状態での前記アクチュエータに加わる外力の推定値を保存する記憶手段と、
前記アクチュエータに入力される指令値および前記位置検出手段からの位置信号から前記アクチュエータに作用する外力を推定し、且つこの外力の推定値と前記記憶手段からの出力とに基づき、前記押付部材を介して前記包装品から前記アクチュエータに作用する反力を推定する反力推定手段と、
前記反力推定手段により推定された反力を利用して、包装品のリークの有無を判別するリーク判断手段と、
を備えたことを特徴とする包装品のリーク検査装置。 - 包装品からの反力を受ける押付部材と、
指令値に基づき駆動され、包装品に対し前記押付部材を移動させるアクチュエータと、
前記アクチュエータによる前記押付部材の移動位置を検出して位置信号を出力する位置検出手段と、
前記アクチュエータに入力される指令値と前記位置検出手段からの位置信号とに基づき、外乱オブザーバが前記アクチュエータに加わる外乱を推定し、当該推定された外乱に基づき前記アクチュエータをフィードバック制御する制御装置と、を含むマスタシステムと、
前記マスタシステムと同じ構成であって、前記押付部材に対し包装品を対向配置させず当該押付部材が包装品に接触することのないスレーブシステムと、を備え、
且つ、前記マスタシステムのアクチュエータに入力される指令値および同システムの位置検出手段からの位置信号と、前記スレーブシステムのアクチュエータに入力される指令値および同システムの位置検出手段からの位置信号と、に基づき、前記押付部材を介して前記包装品から前記マスタシステムのアクチュエータに作用する反力を推定する反力推定手段と、
前記反力推定手段により推定された反力を利用して、包装品のリークの有無を判別するリーク判断手段と、
を備えたことを特徴とする包装品のリーク検査装置。 - 前記制御装置は、前記マスタシステムのアクチュエータと前記スレーブシステムのアクチュエータとを、次の(イ)乃至(ハ)にしたがってそれぞれ制御することを特徴とする請求項2に記載した包装品のリーク検査装置。
(イ)前記マスタシステムのアクチュエータと前記スレーブシステムのアクチュエータが移動すべき目標値を指令値として出力する。
(ロ)前記マスタシステムの位置検出手段から出力された位置信号と、前記スレーブシステムの位置検出手段から出力された位置信号とに基づき、これら各システムにおけるアクチュエータの現在位置間の中央位置を求める。
(ハ)前記マスタシステムのアクチュエータと前記スレーブシステムのアクチュエータとを制御して、前記マスタシステムの位置検出手段から出力された位置信号と、前記スレーブシステムの位置検出手段から出力された位置信号とに基づき求めたこれら各システムにおけるアクチュエータの現在位置間の中央位置を、前記指令値として出力した目標値に近付ける。 - 前記制御装置は、前記反力推定手段で求めた反力の推定値に基づき、前記(ハ)において前記中央位置を前記目標値に近付ける際に、前記マスタシステムのアクチュエータ及び前記スレーブシステムのアクチュエータを駆動させる加速度を制御するコンプライアンス制御手段を含むことを特徴とする請求項3に記載した包装品のリーク検査装置。
- 前記制御装置は、前記反力推定手段により推定される反力があらかじめ設定したしきい値を越えるまでは、あらかじめ設定された速度となるように前記アクチュエータを制御し、
当該しきい値を越えてからは、位置制御、速度制御又は力制御のうちのいずれか一つの制御方式に切り替えて前記アクチュエータを制御する機能を有していることを特徴とする請求項3又は4に記載した包装品のリーク検査装置。 - 前記リーク判断手段は、前記反力推定手段により推定される反力の時間の経過による変化に基づきリークの有無を判別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載した包装品のリーク検査装置。
- 前記制御装置は、前記反力推定手段により推定される反力があらかじめ設定した一定値となるように、前記アクチュエータを制御し、
前記リーク判断手段は、前記位置検出手段からの位置信号の変化に基づきリークの有無を判別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載した包装品のリーク検査装置。 - 前記リーク判断手段は、前記位置検出手段からの位置信号と、前記反力推定手段により推定される反力とに基づき求められる損失エネルギとの関係からリークの有無を判別することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載した包装品のリーク検査装置。
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