JP5077323B2 - ロボット制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、ロボットハンドによる把持ワークの移動作業、挿入作業、組み立て作業といったロボット制御システムでの各種ハンドリング作業時におけるロボットハンドと把持ワーク間の滑り検出に関する。
まず、一般的な産業用ロボットについて説明し、嵌合挿入作業のための力センサ利用技術としてインピーダンス制御のシステム構成とインピーダンス制御による嵌合挿入作業の実現方法を説明する。
ここでインピーダンス制御とは、ロボットの手先に外から力を加えた場合に生じる機械的なインピーダンス(慣性、減衰係数、剛性)を、目的とする作業に都合の良い値に設定するための位置と力の制御手法のことである。
ロボットの手先にバネやダンパなどの機械要素を取り付けて手先のインピーダンスを変更する受動インピーダンス法と、手先の位置、速度、力などの測定値を用いたフィードバック制御でインピーダンスを変更する能動インピーダンス法がある。

図6は、従来の産業用ロボットの構成図である。図6において、101はロボットであり、複数の関節軸とリンクを有するマニピュレータである。各関節軸には、エンコーダつきの駆動モータが内蔵されており、各関節を独立に駆動することができる。102はロボット101のコントローラであり、各関節軸駆動モータのエンコーダ信号をもとにフィードバック制御(位置制御系)を構成し、ロボット101の運動を制御するための装置である。103は可搬式教示操作盤であり、教示者がロボットを手動(JOG)操作したり、動作プログラムを作成・編集したりするためのインターフェイスである。可搬式教示操作盤103は主に操作ボタン群103aと表示画面103bで構成されている。104はロボット101の手首部に設けられたエンドエフェクタである。エンドエフェクタはアプリケーションに応じて様々なツールを取り付ける。図6の場合は部品を把持するためのハンド(グリッパ)を取り付けている。
図7はインピーダンス制御された産業用ロボットの構成図を示している。105はロボット101の手首に取り付けられた6軸力センサであり、XYZ各軸方向の力と各軸回りのモーメントを計測できる。106はコントローラ102内部に構成されたインピーダンス制御部であり、力センサ105と各軸エンコーダからの信号をもとにフィードバック制御系を構成している。インピーダンス制御部106からは各駆動モータのトルク指令または電流指令が出力され、そのトルク(または電流)指令値をもとにアクチュエータ駆動アンプ部107が各駆動モータに電力を供給する。108は可搬式教示操作盤で作成(教示)された動作プログラムをコントローラ内部で記憶する動作プログラム記憶部である。109は動作プログラム記憶部108に記憶された動作プログラムを解釈・実行し、インピーダンス制御部106に動作指令を与える動作プログラム実行部である。110aはエンドエフェクタ104が把持したワーク(例えば嵌合部品)であり、110bは対象ワーク(例えば被嵌合部品)である。嵌合作業を例に取れば、ロボット101をインピーダンス制御状態にしてそのパラメータを適切に調整することによって、位置姿勢誤差を許容して部品同士を嵌合することが可能になる。
図8にインピーダンス制御の制御ブロック図を示す。図8において、106aは位置制御系であり、各関節軸の位置指令と現在位置(フィードバック)をもとに各駆動モータのトルク(または電流指令)をアクチェータ駆動アンプ部107に出力する。Frefは力モーメント指令(力モーメント目標値)、Ffbは力モーメントフィードバック値である。θrefは動作プログラム実行部109から送られてくる位置指令(関節座標系)、δθはインピーダンス制御演算部106bが計算する位置修正量である。インピーダンス制御演算部106bでは、まず、FrefとFfbをもとに、次式にしたがって直交座標系における位置修正量δPが計算される(106c)。
δP =(Ms2+Ds+K)-1(Fref−Ffb) ・・・(1)
ここで、M,D,Kはそれぞれ、慣性マトリクス、粘性係数マトリクス、剛性マトリクス(バネ定数)である。通常、これらは対角行列として、各軸方向独立なインピーダンス特性を設定する。また、sはラプラス演算子であり、時間に関する一階微分に相当する。
直交座標系における位置修正量δPは、ヤコビ行列J(θ)を用いて次式により関節座標系の位置修正量δθに分解される(106d)。
δθ = J(θ)-1 δP ・・・(2)
このδθをθrefに足し合わせた位置指令θref’を位置制御系106aに与えることによって、外力やモーメントに対して、M,D,Kで指定された特性を保ちながらロボットが動作する。例えば、Kにより外力に対してロボットがバネのように動作し、その際、MおよびDを小さくすることによって軽くスムーズに動作する。
インピーダンス制御によって挿入作業するには、まず、図2(a)に示すように、ハンド104で嵌合部品110aを把持し、被嵌合部品110bの穴に軸上に位置合せする。この状態でロボット101を位置制御からインピーダンス制御状態に切替え、動作プログラム実行部109から適切な力指令をインピーダンス制御部106に与えることによって、図2(b)に示すように、XY方向の位置誤差やX軸およびY軸回りの回転誤差を吸収しながら、嵌合部品110aを被嵌合部品110bの穴底まで挿入することができる。
ハンドとワーク間の滑りを検出する技術として、特許文献1が開示されている。
特許文献1は、アーム部に設けた歪みゲージでワークを持ち上げたときにかかる力を監視し、滑ったときに静止摩擦から動摩擦に変化する力のピーク値を検出することでワークの滑りを検出している。
特開昭59−124589
特許文献1は、ワークに重力以外の力が作用するとピーク値を検出できなくなるので、挿入作業には適用できないという問題がある。
接触検知後のハンド104の移動量(挿入量)を各軸エンコーダン信号から計算し、その挿入量が穴の深さLに達したかどうかで作業の成否を判断できる。ところが、挿入中にハンド104と嵌合部品110aの間で滑りが発生すると、図2(c)のような状態になり、エンコーダ信号から算出した挿入量は十分であるが、実際の部品は十分に挿入されていないという状況が生じる。このような滑りは、ハンド指部表面の劣化(磨耗など)や部品の状態(グリース付着)によって不定期に発生してしまうため、作業成否の有無を検査する作業員を配置するか、作業成否を判定する高価な画像センサを別途配置して不良品の発生を防ぐ必要があった。
本発明は、検査員や新たなセンサを設けることなく、ハンドと部品間の滑りを検出するものであり、力センサ以外に新たなセンサを設けることなく、ハンドとワーク(嵌合部品)間の滑りを正確に検出するロボット制御システムを提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成したのである。
ロボットアームと、インピーダンス制御部を有し前記ロボットアームを駆動するコントローラを備え、前記ロボットアームに設けたハンドによって把持された把持部品をハンドリング作業する際に前記把持部品と前記ハンド間の滑りを検出するロボット制御システムであって、前記ハンドに作用する力を検出する力センサと、前記力センサの力センサ信号から前記ハンドに加わる力を算出する力算出部と、前記ロボットアームの各関節軸駆動モータの位置検出信号から前記部品の移動量を算出する移動量算出部と、前記移動量から移動速度を算出する移動速度算出部と、前記ハンドに加わる力と前記移動速度の積を時間積分して移動時に消費される仕事量を算出する仕事量算出部と、前記移動量を第1軸、前記仕事量を第2軸とする2次元平面内において、前記移動量と前記仕事量の時間変化の軌跡の少なくとも一部が予め設定した閉領域の内側にあるか外側にあるかを判定する領域判定部とを設けたものである。
また、前記ハンドリング作業を複数回テスト運転させ、テスト運転時の前記移動量と前記仕事量の時間変化である軌跡を複数保存する軌跡保存部と、前記軌跡保存部によって保存された複数の前記軌跡を取捨選択する軌跡選別部と、前記軌跡選別部によって選択された複数の軌跡から、軌跡の一部あるいは全体を包含する閉領域を抽出する領域抽出部と、 前記領域抽出部によって抽出された前記閉領域と複数の前記軌跡とを、移動量を第1軸、仕事量を第2軸とする2次元平面に表示する軌跡領域表示部と、前記軌跡領域表示部に表示された前記閉領域を編集する閉領域編集部とを設けたことを特徴とするものである。
また、前記領域抽出部は、前記軌跡中の前記ハンドリング作業完了時の軌跡点群を包含する閉領域を抽出することを特徴とするものである。
また、前記領域抽出部は、前記ハンドリング作業開始から完了までの全ての軌跡を包含する閉領域を抽出することを特徴とするものである。
また、前記テスト運転時に前記領域抽出部によって抽出された前記閉領域を使用して、プレイバック時に前記領域判定部が前記軌跡に対する領域判定をすることを特徴とするものである。
また、前記領域判定部は、前記ハンドリング作業完了時の前記移動量と前記仕事量が前記2次元平面内に予め設定した閉領域の外側にある場合に前記把持部品と前記ハンド間の滑りが発生したと判定することを特徴とするものである。
また、前記領域判定部は、前記ハンドリング作業開始から完了までの前記移動量と前記仕事量の軌跡の一部が前記2次元平面内に予め設定した閉領域の外側にある場合に前記把持部品とハンド間の滑りが発生したと判定することを特徴とするものである。
また、前記領域判定部が前記把持部品とハンド間の滑りが発生したと判定すると滑り発生の警告を出すことを特徴とするものである。
また、前記ハンドリング作業は挿入作業であることを特徴とするものである。
また、前記ハンドリング作業は直線移動であることを特徴とするものである。
また、前記移動量はプレイバック時の移動量であることを特徴とするものである
また、前記仕事量はプレイバック時の仕事量であることを特徴とするものである。
また、ロボットアームと、インピーダンス制御部を有し前記ロボットアームを駆動するコントローラを備え、前記ロボットアームに設けたハンドによって把持された把持部品をハンドリング作業する際に前記把持部品と前記ハンド間の滑りを検出するロボット制御システムであって、前記ハンドに作用する力を検出する力センサと、前記力センサの力センサ信号から前記ハンドに加わる力を算出する力算出部と、前記ロボットアームの各関節軸駆動モータの位置検出信号から前記部品の移動量を算出する移動量算出部と、前記移動量から移動速度を算出する移動速度算出部と、前記ハンドに加わる力と前記移動速度の積を時間積分して移動時に消費される仕事量を算出する仕事量算出部と、前記移動量を第1軸、前記仕事量を第2軸とする2次元平面内において、前記移動量と前記仕事量の時間変化の軌跡と滑りが無い場合に予め設定した閉領域とを比較する領域判定部と、を設けたものである。
本発明によれば、ロボットハンドによる把持ワークの移動作業、挿入作業、組み立て作業といった各種ハンドリング作業時において、力センサ以外に新たなセンサを設けることなくハンドと把持部品間の滑りを正確に検出することができる。
特に挿入作業の場合では、消費される仕事量と挿入量の軌跡が予め設定した領域の内側にあるか外側にあるかを判定するようにしたので、挿入作業に使用する力センサとロボットアームに元来備わっている位置情報だけから、ハンドとワーク間の滑りの有無を正確に検出できるという効果がある。
また本発明はテスト運転時に作業を数回実行させ、作業時に消費される仕事量と移動量の複数の軌跡を保存し、その中から選別した軌跡を包含する閉領域を抽出するようにしたので、プレイバック時の滑り検出に必要な領域を簡単に設定できるという効果がある。
手首部の力を検出する力センサの力検出信号はインピーダンス制御部109、力算出部114の両方へ入力するので、新たに滑り検出用センサを設ける必要が無い。このようにインピーダンス制御用の力センサと滑り検出用の力センサの両方をひとつの力センサで共用できる。
本発明の挿入作業時の滑り検出装置の構成図 挿入作業時の滑りの有無を説明する図 挿入作業時の挿入力と挿入量の時間応答を説明する図 挿入作業完了時の挿入量と仕事量の状態群と閉領域を説明する図 挿入作業中の挿入量と仕事量の軌跡群と閉領域を説明する図 一般的な作業用ロボットの構成図 力制御の装置構成図 インピーダンス制御のブロック図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
本実施の形態はロボットハンドによる把持ワークの移動作業、挿入作業、組み立て作業といった各種ハンドリング作業時の滑り検出をするものである。以下は説明の便宜上、挿入作業を例に説明する。一般的なハンドリング作業の場合は挿入量算出部112、挿入速度算出部113、挿入力算出部114が各々移動量算出部、移動速度算出部、力算出部に対応する。上記ハンドリング作業は直線移動領域であればよいので、把持ワークの移動作業、挿入作業、組み立て作業といった各種ハンドリング作業時の滑り検出ができる。
図1に本発明に係わる挿入作業時の滑り検出装置の構成図である。同図において、図6〜8と同一名称には同一符号を付け重複説明を省略する。
図1において、111が挿入作業時の滑り検出装置であり、ロボットコントローラ102内部に実装される構成112〜118と可搬式教示操作盤103内部に実装される構成119〜121に分かれている。
112はロボット101の各軸エンコーダ信号から接触検知後のハンド104の移動量(挿入量)を算出する挿入量算出部(移動量算出部)である。113は挿入量算出部から得られた挿入量を時間微分して挿入速度を算出する挿入速度算出部(移動速度算出部)である。114はロボット101の手首部に設けられた力センサ105の信号をもとにハンド104が把持した嵌合部品110aが被嵌合部品110bに加える挿入力を算出する挿入力算出部(力算出部)である。115は挿入速度と挿入力から挿入作業中の仕事量(エネルギー消費量)を算出する仕事量算出部である。116は挿入量と仕事量が指定された領域内にあるかどうかを判定する領域判定部である。117は挿入開始してから終了するまでの挿入量と仕事量の軌跡を保存する軌跡保存部である。118は軌跡保存部に保存された軌跡あるいはその一部を包含する閉領域を抽出する領域抽出部である。
119は軌跡保存部117に保存されている挿入量と仕事量の軌跡と、領域抽出部が抽出した閉領域を可搬式教示操作盤のディスプレイ103bに表示する軌跡領域表示部である。120は軌跡領域表示部119に表示された軌跡について、挿入作業中の滑りの有無を指定して選別する軌跡選別部である。121は軌跡領域表示部119に表示された領域を編集する領域編集部である。
つぎに、上記で説明した挿入作業時の滑り検出装置の動作原理を詳しく説明する。
図3は、挿入作業時における挿入力と挿入量の時間応答を示している。図3の(a)において横軸は時間を、縦軸はステップ状の力モーメント指令Frefを加えた場合に力センサ105が検出する力モーメントフィードバック値Ffbである。また図3の(b)において横軸は時間を、縦軸は挿入距離である挿入量Lを表わしている。挿入力は挿入力算出部114で、挿入量Lは挿入量算出部112で算出され、それらの実測値は力センサとモータの位置検出であるエンコーダから検出できる。
図3において、実線で示した301aおよび302aはそれぞれ正常(滑りが発生しない)時の挿入力と挿入量の時間応答である。一方、破線で示した301bおよび302bはそれぞれ異常(滑り発生)時の挿入力と挿入量の時間応答である。滑りが発生した場合の挿入力は、発生しない場合に比べて平均的に小さくなる。なお、その結果、挿入速度は平均的に速くなる。この様子は図3の(b)において302bが302aより応答グラフの傾き(挿入速度dL/dt)が大きい領域があることから一目瞭然である。この領域が滑りが発生した領域に相当する。さらに、挿入作業中の仕事量をWとすると、仕事量Wは仕事量算出部115によって次式で算出できる。
仕事量W=∫(挿入速度×挿入力)dt ・・・(3)
仕事量Wについては、滑りが発生した場合の方が小さくなることが実験的に確かめられる。
挿入力平均値あるいは挿入速度平均値それぞれ単独の大小によって、滑りの有無を検出することも可能であるが、閾値の設定が難しく、判定不能な領域が存在する(同じ値で滑らない場合も滑る場合もある)ため、誤検出が避けられない。挿入力と挿入速度は挿入の進行に伴って相互に依存して変化するものであるから、挿入量と挿入速度と挿入力を座標軸とする3次元の状態空間における挿入時の軌跡の特徴によって滑りの有無を検出することが原理的には可能である。しかしながら、3次元の状態空間での軌跡は複雑な形状になるため、区別するための条件を数式として表現することが難しい。そのため、3次元の状態空間の軌跡では滑りの有無を自動検出することは難しい。
ところが、上述した仕事量に着目し、挿入量と仕事量を座標軸とする2次元の状態平面を導入すると、区別するための条件を数式で表現しやすくなるため、滑りの有無が自動検出しやすくなる。
図4は、挿入量と仕事量の軌跡の一例を示している。挿入時の軌跡は、軌跡保存部117に全て保存され、軌跡領域表示部119に同図のように表示される。図4の例は軌跡全体ではなく、挿入完了時の状態のみを表示している。同図において、401は滑りが発生しない場合のプロット、402は滑りが発生したときのプロットである。
このようなプロットは、組立ラインを本稼働する前のテスト運転時に収集する。テスト運転時に挿入作業する度に新たなプロットが軌跡領域表示部119に追加される。テスト運転員は現物部品を見て真の作業成否(滑りの有無)を確認し、その追加されたプロットに対して、ディスプレイ103b上に設けられた軌跡選別部120によって、滑りの有無を登録していく。登録した滑りの有無は軌跡保存部117のデータに反映される。領域抽出部118は、軌跡保存部117に保存されている正常(滑り無し)時の軌跡のプロット(図4の401)を包含する閉領域を抽出する。抽出された領域は軌跡領域表示部119に軌跡を併せて表示される。図4の403が抽出された領域の例である。また、領域編集部121で、領域を抽出する際の横軸および縦軸のマージン(余裕)を設定したり、領域そのものの形状(四角形、円形など)を指定したりすることができる。さらに、四角形の頂点をマウスやタッチペンでドラッグして直接変更しても良い。
組立ラインを本稼働するときは、領域判定部116が、挿入作業中の挿入量と仕事量の推移を記録し、挿入完了時の状態が上述した閉領域403の内側にある場合は正常(滑り無し)、外側にある場合は異常(滑り発生)と判定する。判定結果を動作プログラム実行部に送信してやれば、動作プログラム実行部は滑り発生時にロボット101を停止させ、異常発生をライン監視員に知らせることができる。
領域判定部が把持部品とハンド間の滑りが発生したと判定すると監視員へ知らせるために滑り発生の警告音や警告表示を出す。警告表示は可搬式教示操作盤103の表示画面やロボットコントローラ102に接続された外部計算機(パーソナルコンピュータ)の表示画面へ表示する。
上記では、挿入完了時の状態(図4)のみによって滑りの有無を判断したが、正常時の状態群401と異常時に状態群402が非常に近づき境界が曖昧になると、領域判定が難しくなる場合もある。そのような場合は、挿入完了時の状態だけではなく、図5に示すような挿入開始から挿入完了までの軌跡全体で判定する。
図5において、501は正常(滑り無し)時の軌跡群、502は異常(滑り発生)時の軌跡群である。503は領域抽出部118によって抽出された正常時の軌跡群501を包含する閉領域である。閉領域503は台形をなしており、その辺を構成する4本の直線によって、領域の内外を簡単に判定することができる。領域判定部116は挿入作業中の挿入量と仕事量の軌跡が閉領域503から出たことをもって滑りが発生したと判定する。
なお、上記の説明では、閉領域を四角形や台形としたが、本発明はこれに囚われるものではなく、その他の多角形、円形あるいは楕円形にすることもできる。テスト運転時に運転員が最も適切な図形を領域編集部121で選んでやればよい。
さらに、上記の説明では、軌跡領域表示部119、軌跡選別部120、領域編集部121を可搬式教示操作盤103に実装した例を示したが、本発明はこれに囚われるものではなく、ロボットコントローラ102に接続された外部計算機(パーソナルコンピュータ)上に実装してもよいし、ロボットコントローラ102内に全て実装しても構わない。
以上説明したように本発明によれば、挿入作業時の挿入量と仕事量の軌跡を用いて領域判定するので、元々挿入作業に必要な力センサ以外に新たなセンサを設けることなく、挿入作業中のハンドと部品間の滑りを正確に検出することができるという効果がある。
本発明の挿入作業時の滑り検出装置によって、自動車部品や家電製品など様々な組立ラインの工程を、生産性を低下させることなくロボットを用いて自動化することができる。
101 ロボット
102 コントローラ
103 可搬式教示操作盤
103a 操作ボタン群
103b 表示画面
104 エンドエフェクタ
105 力センサ
106 インピーダンス制御部
106a 位置制御系
106b インピーダンス制御演算部
106c インピーダンスモデル
106d 速度分解演算部
107 アクチュエータ駆動アンプ部
108 動作プログラム記憶部
109 動作プログラム実行部
110a 嵌合部品
110b 被嵌合部品
111 滑り検出装置
112 挿入量算出部(移動量算出部)
113 挿入速度算出部(移動速度算出部)
114 挿入力算出部(力算出部)
115 仕事量算出部
116 領域判定部
117 軌跡保存部
118 領域抽出部
119 軌跡領域表示部
120 軌跡選別部
121 領域編集部
301a 滑りなし時の挿入力の時間応答
301b 滑り発生時の挿入力の時間応答
302a 滑りなし時の挿入量の時間応答
302b 滑り発生時の挿入量の時間応答
401 滑りなし時の挿入完了時の状態群
402 滑り発生時の挿入完了時に状態群
403 閉領域(長方形)
501 滑りなし時の挿入作業中の軌跡群
502 滑り発生時の挿入作業中の軌跡群
503 閉領域(台形)

Claims (13)

  1. ロボットアームと、インピーダンス制御部を有し前記ロボットアームを駆動するコントローラを備え、前記ロボットアームに設けたハンドによって把持された把持部品をハンドリング作業する際に前記把持部品と前記ハンド間の滑りを検出するロボット制御システムであって、
    前記ハンドに作用する力を検出する力センサと、
    前記力センサの力センサ信号から前記ハンドに加わる力を算出する力算出部と、
    前記ロボットアームの各関節軸駆動モータの位置検出信号から前記部品の移動量を算出する移動量算出部と、
    前記移動量から移動速度を算出する移動速度算出部と、
    前記ハンドに加わる力と前記移動速度の積を時間積分して移動時に消費される仕事量を算出する仕事量算出部と、
    前記移動量を第1軸、前記仕事量を第2軸とする2次元平面内において、前記移動量と前記仕事量の時間変化の軌跡の少なくとも一部が予め設定した閉領域の内側にあるか外側にあるかを判定する領域判定部と、
    を設けたロボット制御システム。
  2. 前記ハンドリング作業を複数回テスト運転させ、テスト運転時の前記移動量と前記仕事量の時間変化である軌跡を複数保存する軌跡保存部と、
    前記軌跡保存部によって保存された複数の前記軌跡を取捨選択する軌跡選別部と、
    前記軌跡選別部によって選択された複数の軌跡から、軌跡の一部あるいは全体を包含する閉領域を抽出する領域抽出部と、
    前記領域抽出部によって抽出された前記閉領域と複数の前記軌跡とを、移動量を第1軸、仕事量を第2軸とする2次元平面に表示する軌跡領域表示部と、
    前記軌跡領域表示部に表示された前記閉領域を編集する閉領域編集部と、
    を設けたことを特徴とする請求項1に記載のロボット制御システム。
  3. 前記領域抽出部は、前記軌跡中の前記ハンドリング作業完了時の軌跡点群を包含する閉領域を抽出することを特徴とする請求項2に記載のロボット制御システム。
  4. 前記領域抽出部は、前記ハンドリング作業開始から完了までの全ての軌跡を包含する閉領域を抽出することを特徴とする請求項2に記載のロボット制御システム。
  5. 前記テスト運転時に前記領域抽出部によって抽出された前記閉領域を使用して、プレイバック時に前記領域判定部が前記軌跡に対する領域判定をすることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載のロボット制御システム。
  6. 前記領域判定部は、前記ハンドリング作業完了時の前記移動量と前記仕事量が前記2次元平面内に予め設定した閉領域の外側にある場合に前記把持部品と前記ハンド間の滑りが発生したと判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロボット制御システム。
  7. 前記領域判定部は、前記ハンドリング作業開始から完了までの前記移動量と前記仕事量の軌跡の一部が前記2次元平面内に予め設定した閉領域の外側にある場合に前記把持部品とハンド間の滑りが発生したと判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロボット制御システム。
  8. 前記領域判定部が前記把持部品とハンド間の滑りが発生したと判定すると滑り発生の警告を出すことを特徴とする請求項6または7記載のロボット制御システム。
  9. 前記ハンドリング作業は挿入作業であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載のロボット制御システム。
  10. 前記ハンドリング作業は直線移動であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項記載のロボット制御システム。
  11. 前記移動量はプレイバック時の移動量であることを特徴とする請求項1記載のロボット制御システム。
  12. 前記仕事量はプレイバック時の仕事量であることを特徴とする請求項1記載のロボット制御システム。
  13. ロボットアームと、インピーダンス制御部を有し前記ロボットアームを駆動するコントローラを備え、前記ロボットアームに設けたハンドによって把持された把持部品をハンドリング作業する際に前記把持部品と前記ハンド間の滑りを検出するロボット制御システムであって、
    前記ハンドに作用する力を検出する力センサと、
    前記力センサの力センサ信号から前記ハンドに加わる力を算出する力算出部と、
    前記ロボットアームの各関節軸駆動モータの位置検出信号から前記部品の移動量を算出する移動量算出部と、
    前記移動量から移動速度を算出する移動速度算出部と、
    前記ハンドに加わる力と前記移動速度の積を時間積分して移動時に消費される仕事量を算出する仕事量算出部と、
    前記移動量を第1軸、前記仕事量を第2軸とする2次元平面内において、前記移動量と前記仕事量の時間変化の軌跡と滑りが無い場合に予め設定した閉領域とを比較する領域判定部と、
    を設けたロボット制御システム。
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