JP2021194725A - 目標力上限値設定方法およびロボットシステム - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物と把持部との間の滑りを抑制し得る目標力の上限値を、高価な機器を用いることなく、容易かつ正確に設定することができる目標力上限値設定方法およびロボットシステムを提供すること。【解決手段】対象物を把持部で把持し、作用した力を目標力に近づける力制御により動作するロボットの目標力上限値設定方法であって、対象物を把持部で把持するステップと、力制御により、把持部で把持している対象物を接触面に押し付ける押し付け動作を行うステップと、押し付け動作中に把持部に作用した力を押付力として取得する押付力取得動作を行うステップと、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、目標力を大きくする設定変更動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を繰り返すステップと、前記状態が出現した回の押付力取得動作で取得された押付力に基づいて、目標力の上限値を設定するステップと、を有する目標力上限値設定方法。【選択図】図4

Description

本発明は、目標力上限値設定方法およびロボットシステムに関するものである。
特許文献1には、重量が未知の把持対象物をマニピュレーターが把持する際に、把持対象物の材質および立体形状から把持対象物の重量を算出し、それに基づいて把持力を算出するマニピュレーター制御方法が開示されている。このような方法によれば、把持対象物の材質、立体形状、体積、密度、重量等の固有情報から把持力を調整することができるので、マニピュレーターから把持対象物が滑り落ちることを防止することができる。これにより、マニピュレーターは、重量が未知の把持対象物であっても、滑り落とすことなく確実に把持することができる。
特開2008−49459号公報
把持対象物の材質を計測するには、成分分析器が用いられ、把持対象物の立体形状を測定するには、形状計測センサーが用いられる。これらの計測機器は高価であるため、把持対象物が滑らない程度の把持力をあらかじめ特定するためには、マニピュレーター制御システムの高コスト化が避けられない。このように、把持対象物が滑らない程度の把持力の上限値を特定するのは容易でないという課題があった。
本発明の適用例に係る目標力上限値設定方法は、
対象物を把持部で把持し、前記把持部に作用した力を目標力に近づける力制御により動作するロボットの目標力上限値設定方法であって、
前記対象物を前記把持部で把持するステップと、
前記力制御により、前記把持部で把持している前記対象物を接触面に押し付ける押し付け動作を行うステップと、
前記押し付け動作中に前記把持部に作用した力を押付力として取得する押付力取得動作を行うステップと、
前記押付力が前記目標力以上にならない状態が出現するまで、前記目標力を大きくする設定変更動作と、前記押し付け動作と、前記押付力取得動作と、を繰り返すステップと、
前記状態が出現した回の前記押付力取得動作で取得された前記押付力に基づいて、前記力制御における前記目標力の上限値を設定するステップと、
を有することを特徴とする。
本発明の適用例に係るロボットシステムは、
ロボットアームと、
前記ロボットアームに設けられ、対象物を把持する把持部と、
前記把持部に作用する力を検出する力センサーと、
前記力センサーにより検出された力を目標力に近づける力制御により、前記ロボットアームの駆動を制御する制御部と、
を有し、
前記制御部は、
前記目標力を決定する目標力設定部と、
前記対象物が接触面に押し付けられたとき、前記力センサーにより検出された力を押付力として取得する押付力取得部と、
前記目標力と前記押付力とを比較し、比較結果を出力する比較部と、
前記ロボットアームを駆動する信号を出力する駆動指示部と、
前記比較結果に基づいて、前記押付力が前記目標力以上にならない状態が出現するまで、前記目標力を大きくする設定変更動作と、前記力制御により前記対象物を前記接触面に押し付ける押し付け動作と、前記押付力を取得する押付力取得動作と、を順次繰り返すか否かを判断する判断部と、
前記状態が出現したときの前記押付力に基づいて、前記力制御における前記目標力の上限値を設定する上限値設定部と、
を有し、
前記制御部は、前記上限値を踏まえた前記力制御により、前記ロボットアームの駆動を制御することを特徴とする。
第1実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。 図1に示すロボットシステムの機能ブロック図である。 図1および図2に示すロボットシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施形態に係る目標力上限値設定方法を示すフローチャートである。 所定の時間内で目標力を5Nずつ引き上げたとき、押付力が変化する様子を説明するための表である。 図5に示す所定の時間内で力センサーが検出した力の推移を示すグラフである。 所定の時間内で目標力を1Nずつ引き上げたとき、押付力が変化する様子を説明するための表である。 所定の時間内で目標力を0.1Nずつ引き上げたとき、押付力が変化する様子を説明するための表である。 図4に示す目標力上限値設定ステップで設定した上限値を踏まえた力制御により、ハンドで対象物を把持して行う作業ステップを示すフローチャートである。 図4に示すフローチャートから2回目以降の接触動作を省略した変形例の目標力上限値設定方法に係るフローチャートである。
以下、本発明の目標力上限値設定方法およびロボットシステムの好適な実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係るロボットシステムについて説明する。
図1は、第1実施形態に係るロボットシステムを示す斜視図である。図2は、図1に示すロボットシステムの機能ブロック図である。図3は、図1および図2に示すロボットシステムのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
なお、本願の各図では、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸を設定している。X軸およびY軸は水平面と平行であり、Z軸は鉛直軸である。また、各図では、これらの軸を矢印で表しており、以下の説明では、矢印の先端側を「プラス」、基端側を「マイナス」として説明する。さらに、Z軸のプラス側を「上」、Z軸のマイナス側を「下」ともいう。
図1に示すロボットシステム1は、いわゆる6軸の垂直多関節ロボットを備えるシステムである。図1に示すように、ロボットシステム1は、ロボット2と、制御装置3と、を備える。
1.1.ロボット
このうち、図1に示すロボット2は、基台110と、基台110に連結されているロボットアーム10と、を備える。
基台110は、例えば、床や移動可能な台車上等の被設置部9に固定される。図1では、X−Y面が被設置部9である。
ロボットアーム10は、基台110に対して回動可能に連結されているアーム11と、アーム11に対して回動可能に連結されているアーム12と、アーム12に対して回動可能に連結されているアーム13と、アーム13に対して回動可能に連結されているアーム14と、アーム14に対して回動可能に連結されているアーム15と、アーム15に対して回動可能に連結されているアーム16と、を有する。なお、基台110およびアーム11〜16のうち、互いに連結された2つの部材同士を屈曲または回動させる部分が、それぞれ「関節部」を構成している。また、ロボットアーム10の基台110側を「基端側」、ロボットアーム10の基端とは反対側を「先端側」という。
なお、ロボットアーム10が有するアームの数は、1〜5本または7本以上であってもよい。また、ロボット2は、スカラロボットであってもよく、2つまたはそれ以上のロボットアーム10を備える双腕ロボットであってもよい。
ロボット2は、図2に示すように、ロボットアーム10の各関節部を駆動する駆動部130と、ロボットアーム10の各関節部の回転角度を検出する角度センサー131と、を有する。各駆動部130および各角度センサー131は、それぞれ制御装置3と通信可能に接続されている。
駆動部130は、例えばモーターおよび減速機を含んでいる。モーターとしては、例えば、ACサーボモーター、DCサーボモーター等が挙げられる。減速機としては、例えば、遊星ギア型の減速機、波動歯車装置等が挙げられる。
角度センサー131は、例えば磁気式または光学式のロータリーエンコーダーを含んでいる。
アーム16の先端面には、ハンド17が装着されている。
図1に示すハンド17は、一対の指部を有し、この指部同士で対象物8を挟んで把持するチャック式のエンドエフェクターである。つまり、ハンド17は把持部ということができる。このようなハンド17を備えるロボットシステム1によれば、例えば、対象物8の給材、除材、移載、搬送、組立等の作業を行うことができる。
ロボット2は、ロボットアーム10とハンド17との間に設けられた力センサー21を備えている。力センサー21としては、例えば、6軸力覚センサー、3軸力覚センサー等が挙げられる。力センサー21を設けることにより、ハンド17やロボットアーム10に作用する力の向きや大きさを精度よく検出することができる。力センサー21は、制御装置3と通信可能に接続されている。なお、力センサー21が設けられる位置は、この位置に限定されず、アーム11〜16のうち、互いに連結された2つのアーム同士の間、あるいは、アーム11と基台110との間であってもよい。
ロボット2は、上記の他に任意の部材、機器等を備えていてもよい。任意の機器としては、例えば、対象物8やロボット2またはその周辺を撮像する撮像部、ロボット2に加わる外力を検出する感圧センサー、ロボット2の周囲に接近する物体等を検出する近接センサー等が挙げられる。
1.2.制御装置
図2に示す制御装置3は、制御部31と、記憶部32と、外部入出力部33と、を有している。制御装置3は、力センサー21や角度センサー131による検出結果に基づいて、駆動部130に駆動信号を出力し、ロボットアーム10の駆動を制御する機能を有する。
制御部31は、記憶部32に記憶された各種プログラム等を実行する。これにより、制御部31は、ロボット2の動作の制御や各種演算、各種判断等を行うことができる。具体的には、制御部31は、力センサー21の出力に基づいて、ロボットアーム10の駆動を制御する機能を有する。これにより、制御部31は、例えば被設置部9に載置されている対象物8をハンド17で把持して持ち上げたり、ハンド17が把持している対象物8を被設置部9に押し付けたりする作業を、ロボットアーム10に行わせることができる。
記憶部32には、制御部31により実行可能な各種プログラムが保存されている。また、記憶部32には、外部入出力部33で受け付けた各種データも保存される。
外部入出力部33は、制御装置3とロボット2の接続の他、外部に設けられる任意の機器類と制御装置3との接続に用いられる。
このような制御装置3のハードウェア構成は、特に限定されないが、例えば、図3に示すように、ロボット2と通信可能に接続されたコントローラー610と、コントローラー610に通信可能に接続されたコンピューター620と、を含んでいる。
図3に示すプロセッサーとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等が挙げられる。
図3に示すメモリーとしては、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリー、ROM(Read Only Memory)等の不揮発性メモリー等が挙げられる。なお、メモリーは、非着脱式に限らず、着脱式の外部記憶装置を有していてもよい。
図3に示す外部インターフェースとしては、各種の通信用技術が挙げられる。通信用技術としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)、RS−232C、有線LAN(Local Area Network)、無線LAN等が挙げられる。
なお、制御装置3のハードウェア構成は、図3に示す構成に限定されない。また、制御装置3には、前述した構成に加えて、さらに他の構成が付加されていてもよい。さらに、記憶部32に保存されている各種プログラムやデータ等は、あらかじめ記憶部32に記憶されている他、例えばCD−ROM等の記録媒体に格納され、この記録媒体から提供されていてもよいし、ネットワーク等を介して提供されてもよい。
次に、制御部31について詳述する。図2に示す制御部31は、機能部として、目標力設定部311と、押付力取得部312と、比較部313と、駆動指示部314と、判断部315と、上限値設定部316と、を有する。
目標力設定部311は、目標力に近づけるように押付力を高める制御、すなわち力制御を行うときの目標力を決定する。
押付力取得部312は、力センサー21により検出された反力に基づいて、ハンド17に把持された対象物8を被設置部9に押し付けるときの押付力を取得する。
比較部313は、押付力取得部312で取得された押付力と、目標力設定部311で決定された目標力と、を比較し、比較結果を出力する。
駆動指示部314は、力制御によりロボットアーム10を駆動するための信号を出力する。これにより、ロボットアーム10は、ハンド17に把持されている対象物8を、例えば被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。
判断部315は、比較部313から出力された比較結果に基づいて、目標力設定部311が決定する目標力をそれ以前の目標力よりも大きくする設定変更動作、力制御により対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作、押付力を取得する押付力取得動作と、を順次繰り返すか否かを判断する。
上限値設定部316は、力制御における目標力の上限値を設定する。前述した駆動指示部314は、上限値設定部316が設定した上限値以下の範囲内で設定された目標力に近づける力制御により、ロボットアーム10を駆動するための信号を出力する。
1.3.ロボットシステムの制御方法
次に、ロボットシステム1の制御方法について説明する。
ロボットシステム1の制御方法は、例えば、ハンド17で対象物8を把持し、被嵌合物に押し付けることにより、対象物8と図示しない被嵌合物とを嵌合させる作業を行うときの、制御装置3の処理である。具体的には、ロボットシステム1の制御方法は、押し付け動作における押付力の上限値、すなわち目標力の上限値を設定する目標力上限値設定ステップS1と、設定した目標力の上限値に基づいて作業を行う作業ステップS2と、を含む。
1.3.1.目標力上限値設定ステップS1
目標力上限値設定ステップS1は、実施形態に係る目標力上限値設定方法を含んでいる。この目標力上限値設定ステップS1では、前述したように、ハンド17で把持した対象物8を被嵌合物に嵌合させるといった作業を行う際、ハンド17で把持した対象物8を被嵌合物等に押し付ける押付力の上限値を設定する。換言すれば、目標力上限値設定ステップS1では、目標力を変えながら押付力を実測することにより、ハンド17と対象物8との間で滑りが発生しない押付力の上限値を探索する。なお、ハンド17と対象物8との間で滑りが発生する状態とは、ハンド17と対象物8との相対的な位置または姿勢が変化する状態のことである。
図4は、実施形態に係る目標力上限値設定方法を示すフローチャートである。以下、図4に基づいて、目標力上限値設定ステップに係る制御装置3の処理を説明する。
まず、ステップS101として、制御装置3は、ロボットアーム10およびハンド17の駆動を制御し、ハンド17に対象物8を把持させる。これにより、対象物8を持ち上げ、移送することが可能になる。
次に、ステップS102として、ロボットアーム10により対象物8を把持したハンド17の位置を移動させ、対象物8を被設置部9に接触させる接触動作を行う。制御装置3による接触状態の検出は、角度センサー131の検出結果に基づいて行ってもよいし、力センサー21の検出結果に基づいて行ってもよい。
次に、ステップS103として、制御装置3は、ハンド17で把持している対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。この押し付け動作は、押付力取得部312で取得した押付力を目標力に近づける力制御に基づいて、ロボットアーム10を駆動し、対象物8を被設置部9に押し付けるものである。ここでは、一例として、目標力を5Nとする。
押し付け動作で対象物8を押し付ける面(接触面)は、被設置部9に限定されず、いかなる面であってもよいが、後述する作業ステップS2での作業内容を踏まえ、被設置部9の材質等を適宜選択するようにしてもよい。例えば、前述したように、対象物8と被嵌合物とを嵌合させる作業を行う場合には、押し付け動作の際、被嵌合物の構成材料と同じ材料で構成された面に対して対象物8を押し付けるのが好ましい。これにより、最終的に、対象物8と被嵌合物とを嵌合させる作業に適した上限値を精度よく求めることができる。
また、押し付け動作の前に接触動作を行うことにより、接触時の衝撃が緩和されるという効果がある。具体的には、接触動作では、対象物8を被設置部9に接触させ、その後、押し付け動作を行う。つまり、接触動作は、例えば位置制御によって、対象物8を被設置部9にゆっくりと接触させることを優先して行われ、その後、目的を切り替えて、力制御による押し付け動作を行うようにしてもよい。これにより、接触動作を行わない場合に比べて、接触時の衝撃を緩和することができる。
次に、ステップS104として、制御装置3は、押し付け動作中にハンド17に作用した力を押付力として取得する押付力取得動作を行う。押し付け動作中には、対象物8およびハンド17を介して力センサー21に反力が作用する。この反力を検出することにより、押付力を取得することができる。力制御では、通常、押付力を取得し、フィードバック制御によって押付力を目標力に近づけていく。このため、通常は、目標力と等しい押付力が取得されることになる。しかしながら、何らかの環境の変化が生じた場合、例えばハンド17と対象物8との間で滑りが発生したり、対象物8と被設置部9との間で瞬間的な衝撃が発生したりした場合には、押付力が目標力を下回ったり上回ったりすることがある。このうち、ハンド17と対象物8との間の滑りは、ハンド17と対象物8との間の摩擦力等に左右され、押付力が摩擦力を超えなければ、原則として滑りは発生しない。そこで、目標力上限値設定ステップS1では、目標力を変えながら押付力を取得し、滑りを発生させない最大の目標力を探索する。そして、探索した最大の目標力を、後述する作業ステップS2における目標力の上限値として設定する。
ステップS105では、制御装置3は、目標力を引き上げる必要があるか否かの判断を行う。判断部315は、比較部313から出力された比較結果に基づいて、目標力を大きくする設定変更動作と、接触動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を繰り返す必要があるか否かを判断する。具体的には、押付力と目標力とを比較した結果、目標力≦押付力であった場合、つまり、押付力を目標力に近づける力制御の結果、押付力を目標力以上にすることができた場合、後述するステップS106に移行する。一方、押付力<目標力であった場合、つまり、押付力を目標力に近づける力制御を行っても、押付力を目標力に到達させることができなかった場合、後述するステップS111に移行する。
ステップS106では、制御装置3は、新たな目標力を、それ以前の目標力よりも5N大きい値に設定する。したがって、ここでは、新たな目標力は10Nとなる。その後、ステップS102に戻る。なお、ステップS106における目標力の増加幅は、5Nに限定されず、それ以外の値であってもよい。例えば、一般的な対象物8の機械的強度、対象物8とハンド17との間の摩擦力等を考慮した場合、目標力の増加幅は、1N以上20N以下程度に設定されるのが好ましい。
2回目のステップS102では、まず、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9から離した後、再び、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9に接触させる。
2回目のステップS103では、ステップS106で設定した新たな目標力を用いた力制御に基づいて、対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。
2回目のステップS104では、新たな目標力に基づく押付力を取得する。
2回目のステップS105では、目標力を再び引き上げる必要があるか否かの判断を行う。そして、押付力<目標力であった場合には、後述するステップS111に移行する。一方、目標力≦押付力であった場合には、押付力<目標力の状態が出現するまで、換言すれば、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、ステップS106およびステップS102〜S105を繰り返す。
押付力が目標力以上にならない状態とは、力制御により押付力を増加させようとしても、ハンド17と対象物8との間で滑りが発生している状態である。このような滑りが発生すると、押付力を目標力に到達させることができず、結果的に、押付力<目標力の状態が出現する。この状態の出現をきっかけとして後述するステップS111に移行する。
以上のようなステップS103〜S106における目標力と押付力との関係の一例を、図5および図6にまとめる。図5は、所定の時間内で目標力を5Nずつ引き上げたとき、押付力が変化する様子を説明するための表である。図6は、図5に示す所定の時間内で力センサー21が検出した力の推移を示すグラフである。
図5に示す例では、目標力上限値設定ステップS1の開始から0〜5秒間の目標力を5Nに設定している。このとき、押付力も5Nになっているので、ハンド17と対象物8との間には滑りが発生していないと推定できる。経過時間が5〜10秒では目標力を10Nに設定し、10〜15秒では目標力を15Nに設定している。この間も、押付力は目標力に等しくなっているので、ハンド17と対象物8との間には滑りが発生していないと推定できる。一方、図5に示す例では、経過時間が15〜20秒で目標力を20Nに設定したとき、押付力が20N未満となる。つまり、押付力<目標力の状態が出現しているため、滑りが発生したと判定することができる。
図6では、図5に示す20秒間において、力センサー21が検出した力の推移を示している。図6に示すように、目標力を5N→10N→15N→20Nと増やしていくと、約17Nでそれ以上大きな力を検出することができない状態が出現している。このとき、ハンド17と対象物8との間では滑りが発生していると推定される。
ステップS111では、前述したステップS102〜S106の中で押付力を到達させることができなかった目標力を基準にしたとき、それよりも5N小さい値を新たな目標力とする。つまり、ステップS111では、制御装置3は、新たな目標力として、それ以前の目標力よりも5N小さい値を設定する。したがって、ここでは、新たな目標力は15Nとなる。その後、ステップS112に移行する。なお、ステップS111における目標力の減少幅は、5Nに限定されず、それ以外の値であってもよいが、押付力が目標値以上になった実績がある値に戻すという観点で、ステップS106における増加幅と等しい値に設定されるのが好ましい。
ステップS112〜S116は、目標力の増加幅が異なる以外、ステップS102〜S106と同様である。
すなわち、まず、ステップS112では、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9から離した後、再び、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9に接触させる。
ステップS113では、ステップS111で設定した新たな目標力を用いた力制御に基づいて、対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。
ステップS114では、新たな目標力に基づく押付力を取得する。
ステップS115では、目標力を引き上げる必要があるか否かの判断を行う。そして、押付力<目標力であった場合には、後述するステップS121に移行する。一方、目標力≦押付力であった場合には、押付力<目標力の状態が出現するまで、換言すれば、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、ステップS116およびステップS112〜S115を繰り返す。
ステップS116では、制御装置3は、新たな目標力として、それ以前の目標力よりも1N大きい値を設定する。したがって、ここでは、新たな目標力は16Nとなる。その後、ステップS112に戻る。なお、ステップS116における目標力の増加幅は、1Nに限定されず、ステップS106における目標力の増加幅より小さければ、これ以外の値であってもよい。一例として、ステップS116における目標力の増加幅は、ステップS106における目標力の増加幅の5%以上50%以下程度であるのが好ましい。
2回目のステップS112では、まず、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9から離した後、再び、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9に接触させる。
2回目のステップS113では、ステップS116で設定した新たな目標力を用いた力制御に基づいて、対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。
2回目のステップS114では、新たな目標力に基づく押付力を取得する。
2回目のステップS115では、新たな目標力を再び引き上げる必要があるか否かの判断を行う。そして、押付力<目標力であった場合には、後述するステップS121に移行する。一方、目標力≦押付力であった場合には、押付力<目標力の状態が出現するまで、換言すれば、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、ステップS116およびステップS112〜S115を繰り返す。
以上のようなステップS112〜S116における目標力と押付力との関係の一例を、図7にまとめる。図7は、所定の時間内で目標力を1Nずつ引き上げたとき、押付力が変化する様子を説明するための表である。
図7に示す例では、目標力上限値設定ステップS1の開始から0〜5秒間の目標力を15Nに設定し、経過時間が5〜10秒では目標力を16Nに設定する。このとき、押付力も16Nになっているので、ハンド17と対象物8との間には滑りが発生していないと推定できる。一方、図7に示す例では、経過時間が10〜15秒で目標力を17Nに設定したとき、押付力が17N未満になっている。つまり、押付力<目標力の状態が出現しているため、滑りが発生したと判定することができる。
ステップS121では、前述したステップS111〜S116の中で押付力を到達させることができなかった目標力を基準にしたとき、それよりも1N小さい値を新たな目標力とする。つまり、ステップS121では、制御装置3は、新たな目標力として、それ以前の目標力よりも1N小さい値を設定する。したがって、ここでは、新たな目標力は16.0Nとなる。その後、ステップS122に移行する。なお、ステップS121における目標力の減少幅は、1Nに限定されず、それ以外の値であってもよいが、押付力が目標値以上になった実績がある値に戻すという観点で、ステップS116における増加幅と等しい値に設定されるのが好ましい。
ステップS122〜S126は、目標力の増加幅が異なる以外、ステップS112〜S116と同様である。
すなわち、まず、ステップS122では、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9から離した後、再び、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9に接触させる。
ステップS123では、ステップS121で設定した新たな目標力を用いた力制御に基づいて、対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。
ステップS124では、新たな目標力に基づく押付力を取得する。
ステップS125では、目標力を引き上げる必要があるか否かの判断を行う。具体的には、押付力<目標力であった場合には、後述するステップS131に移行する。一方、目標力≦押付力であった場合には、押付力<目標力の状態が出現するまで、換言すれば、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、ステップS126およびステップS122〜125を繰り返す。
ステップS126では、制御装置3は、新たな目標力として、それ以前の目標力よりも0.1N大きい値を設定する。したがって、ここでは、新たな目標力は16.1Nとなる。その後、ステップS122に戻る。なお、ステップS126における目標力の増加幅は、0.1Nに限定されず、ステップS116における目標力の増加幅より小さければ、これ以外の値であってもよい。一例として、ステップS126における目標力の増加幅は、ステップS116における目標力の増加幅の5%以上50%以下程度であるのが好ましい。
2回目のステップS122では、まず、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9から離した後、再び、ロボットアーム10を駆動して対象物8を被設置部9に接触させる。
2回目のステップS123では、ステップS126で設定した新たな目標力を用いた力制御に基づいて、対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作を行う。
2回目のステップS124では、新たな目標力に基づく押付力を取得する。
2回目のステップS125では、新たな目標力を再び引き上げる必要があるか否かの判断を行う。そして、押付力<目標力であった場合には、後述するステップS131に移行する。一方、目標力≦押付力であった場合には、押付力<目標力の状態が出現するまで、換言すれば、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、ステップS126およびステップS122〜S125を繰り返す。
以上のようなステップS122〜S126における目標力と押付力との関係の一例を、図8にまとめる。図8は、所定の時間内で目標力を0.1Nずつ引き上げたとき、押付力が変化する様子を説明するための表である。
図8に示す例では、目標力上限値設定ステップS1の開始から0〜5秒間の目標力を16.0Nに設定し、経過時間が5〜10秒では目標力を16.1Nに設定し、経過時間が10〜15秒では目標力を16.2Nに設定する。このとき、押付力は目標力に等しくなっているので、ハンド17と対象物8との間には滑りが発生していないと推定できる。一方、図8に示す例では、経過時間が15〜20秒で目標力を16.3Nに設定したとき、押付力が16.3N未満になっている。つまり、押付力<目標力の状態が出現しているため、滑りが発生したと判定することができる。
ステップS131では、前述したステップS121〜S126の中で押付力を到達させることができなかった目標力を基準にして、その目標力未満の値を、「目標力の上限値」に設定する。この目標力の上限値には、後述する作業ステップS2において、ハンド17と対象物8との間で滑りを発生させない確率が高い目標力の最大値を採用することができる。図8の例では、16.3N未満の値を目標力の上限値に設定すればよい。このようにして上限値に設定すべき値を実験的に探索することにより、力制御に必要なパラメーターを容易かつ高精度に求めることができる。その結果、後述する作業ステップS2において、作業効率および作業の正確性を高めることができる。
また、本実施形態では、目標力の増加幅を5N→1N→0.1Nと3段階で徐々に小さく変更しながら、目標力の上限値を探索している。このようにして目標力の増加幅を2回変更しながら上限値を探索することにより、上限値の探索精度を高めることができる。なお、増加幅の変更回数は、2回に限定されず、1回であってもよいし、3回以上であってもよい。
さらに、本実施形態では、上記のように、目標力を大きくする設定変更動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を繰り返すサイクルを繰り返しながら、目標力の上限値を探索している。図8の例では、目標力の増加幅を0.1Nに設定し、ステップS126およびステップS122〜S125で構成される一連の動作を3回繰り返した後、目標力を16.3Nに設定した回において、押付力<目標力の状態が出現している。この場合、この回の押付力を「目標力の上限値」に設定してもよいが、より高い確率で滑りを発生させない上限値を求めるという観点から、この回よりも前の回の押付力を「目標力の上限値」に設定するのがより好ましい。これについては、後に詳述する。
なお、目標力を変化させる時間間隔は、5秒より短くてもよいし、長くてもよい。
1.3.2.作業ステップS2
作業ステップS2では、目標力上限値設定ステップS1で設定した上限値を踏まえた力制御により、ロボットアーム10の駆動を制御する。
図9は、図4に示す目標力上限値設定ステップS1で設定した上限値を踏まえた力制御により、ハンド17で対象物8を把持して行う作業ステップS2を示すフローチャートである。
まず、ステップS201では、前述した目標力上限値設定ステップS1で設定した上限値を、力制御における目標力の上限値に設定する。
続くステップS202では、この上限値を踏まえた力制御により各種作業を開始する。作業開始後、随時、力センサー21で検出された力に基づいて押付力をモニターする。そして、随時、ステップS203の滑り判定を行う。
滑り判定では、力制御で設定した目標力と、モニターしている押付力と、を比較する。そして、押付力が目標力以上であって、かつ、上限値以下である場合、つまり、目標力≦押付力≦上限値である場合、ステップS204に移行する。ステップS204では、滑りが発生しなかったと判定し、フローをステップS202に戻す。
一方、押付力が目標力未満である場合、または、押付力が上限値超である場合、つまり、押付力<目標力または上限値<押付力である場合、ステップS205に移行する。ステップS205では、ハンド17と対象物8との間で滑りが発生したと判定する。具体的には、押付力<目標力である場合は、押付力を目標力に近づけることができないことから、滑りが発生したと推定できる。また、上限値<押付力である場合は、例えば通常とは異なる瞬間的な衝撃によって、過大な押付力が発生したと推定できる。これらの場合には、ステップS206に移行し、制御部31は、必要に応じて、異常を報知したり、ロボットアーム10の駆動を停止したりするエラー処理を実行する。これにより、安定的に作業を行うことができる。
以上のように、目標力上限値設定ステップS1で設定した上限値を踏まえて作業ステップS2を行うことで、ハンド17と対象物8との間の滑りの発生を抑制しつつ、各種作業を行うことができる。例えば、対象物8を被嵌合物に嵌合させる作業を行うとき、滑りを発生させることなく嵌合作業を行うことができる。このため、作業不良の発生確率を下げることができる。その結果、滑りに伴う嵌合不良の発生や作業のやり直しに伴う作業効率の低下を抑制することができる。
また、目標力上限値設定ステップS1で上限値を高精度に探索したことにより、滑りが発生する直前まで上限値を高く設定することが可能になる。これにより、対象物8を移送するときの速度を高めたり、嵌合作業の作業範囲を広げたりすることが可能になり、作業効率を高めることができる。
さらに、上限値を精度よく求めることで、力センサー21による検出結果に基づいて滑りの発生を推定することも可能になる。これにより、新たなセンサーを設けたり、検査員を配置したりすることなく、滑りの発生を検出することが可能なロボットシステム1を実現することができる。
以上のように、本実施形態に係る目標力上限値設定方法は、対象物8を把持部であるハンド17で把持し、ハンド17に作用した力を目標力に近づける力制御により動作するロボット2において、目標力の上限値を設定する方法である。
この目標力上限値設定方法は、対象物8をハンド17で把持するステップと、力制御により、ハンド17で把持している対象物8を接触面である被設置部9に押し付ける押し付け動作を行うステップと、押し付け動作中にハンド17に作用した力を押付力として取得する押付力取得動作を行うステップと、を有する。また、この目標力上限値設定方法は、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、目標力を大きくする設定変更動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を繰り返すステップと、この状態が出現した回の押付力取得動作で取得された押付力に基づいて、力制御における目標力の上限値を設定するステップと、を有する。
このような目標力上限値設定方法によれば、力制御における目標力の上限値を、高価な機器を用いることなく、容易かつ正確に設定することができる。これにより、力制御によって作業を行う際、滑りを発生させない目標力の範囲が容易に特定されるため、目標力を実質的に最大化することができる。その結果、例えば力制御による作業の速度を高めやすくなり、効率よく作業を行うことができる。
なお、以上のような目標力上限値設定ステップS1は、制御装置3においてプログラムにしたがって自動または半自動で行うことができる。このため、ロボットシステム1の取り扱いに慣れていないユーザーであっても、簡単かつ正確に上限値を設定することができる。
ステップS131において目標力の上限値を設定するときには、前述したように、押付力<目標力の状態が出現した回の押付力に基づいて上限値を設定する。この場合、特に、押付力<目標力の状態が出現した回よりも1つ前の回の押付力取得動作で取得された押付力を、力制御における目標力の上限値に設定するのが好ましい。1つ前の回では、押付力<目標力の状態が出現していないことが確認されていることになる。このため、目標力の上限値として、1つ前の回で取得された押付力を用いることにより、滑りが発生しない確率が特に高い上限値を設定することが可能になる。
なお、1つ前の回ではなく、2つ以上前の回で取得された押付力を用いるようにしてもよい。
また、押付力<目標力の状態が出現した回に取得された押付力に基づいて上限値を設定する、という概念には、押付力<目標力の状態が出現した回よりも前の回で取得された押付力を上限値に設定することや、押付力<目標力の状態が出現した回に取得された押付力未満の値を上限値に設定することも含むものとする。
また、図6では、押付力を取得した後、一旦、対象物8を被設置部9から離す動作を行っている。この動作は、必要に応じて行えばよく、省略することもできる。例えば、図6の経過時間が0〜5秒で押付力を取得した後、対象物8を被設置部9から離すことなく、目標力を10Nに引き上げるようにしてもよい。換言すれば、前述した、設定変更動作と押し付け動作と押付力取得動作とを繰り返すステップにおいて、最初の押し付け動作、つまり、1回目のステップS103の前に、対象物8を被設置部9に接触させる接触動作を行った後は、対象物8を被設置部9から離すことなく、最初の押し付け動作より後の押し付け動作を行うようにしてもよい。
このようにして離す動作を省略することにより、結果的に前述した接触動作、つまり、2回目以降のステップS102と、ステップS112およびステップS122と、がいずれも省略されるため、対象物8を被設置部9に接触させる際の衝撃の発生を回避することができる。つまり、一旦、対象物8を被設置部9に接触させた後は、対象物8を被設置部9から離すことなくステップS131まで実行することにより、瞬間的な衝撃に伴って対象物8とハンド17との間に滑りが発生してしまうのを防止し、精度よく上限値を探索することができる。その結果、上限値の精度が低下してしまうのを防止することができる。
図10は、図4に示すフローチャートから2回目以降の接触動作を省略した変形例の目標力上限値設定方法S1に係るフローチャートである。
図10に示すフローチャートでは、図4に比べて、2回目以降のステップS102と、ステップS112と、ステップS122と、がいずれも省略されている。
また、本実施形態では、前述したように、目標力の増加幅を5N→1N→0.1Nと徐々に小さくしている。具体的には、ステップS102〜S106(第1ステップ)では、目標力を5N(第1増加量)ごとに大きくする設定変更動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を行う。また、ステップS112〜S116(第2ステップ)では、目標力を1N(第2増加量)ごとに大きくする設定変更動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を行う。さらに、ステップS122〜S126(第3ステップ)では、目標力を0.1N(第3増加量)ごとに大きくする設定変更動作と、押し付け動作と、押付力取得動作と、を行う。すなわち、これらの、設定変更動作と押し付け動作と押付力取得動作とを繰り返すステップは、目標力の増加量が互いに異なる第1ステップ、第2ステップおよび第3ステップを有し、目標力の増加幅は、第1増加量>第2増加量>第3増加量の関係を満たしている。
このようにして目標力の増加幅を小さく変更しつつ、少なくとも第1ステップおよび第2ステップを経ることにより、探索領域を狭めながら上限値を探索することができるので、目標力の上限値をより精度よく探索することができる。
また、上述した目標力上限値設定方法は、前述したロボットシステム1により実現される。ロボットシステム1は、ロボットアーム10と、把持部であるハンド17と、力センサー21と、制御部31と、を有している。ハンド17は、ロボットアーム10に設けられ、対象物8を把持する。力センサー21は、ハンド17に作用する力を検出する。制御部31は、力センサー21により検出された力を目標力に近づける力制御により、ロボットアーム10の駆動を制御する。
さらに、制御部31は、目標力設定部311と、押付力取得部312と、比較部313と、駆動指示部314と、判断部315と、上限値設定部316と、を有する。目標力設定部311は、上限値を探索するにあたって目標力を決定する。押付力取得部312は、対象物8が接触面である被設置部9に押し付けられたとき、力センサー21により検出された力を押付力として取得する。比較部313は、目標力と押付力とを比較し、比較結果を出力する。駆動指示部314は、ロボットアーム10を駆動する信号を出力する。判断部315は、比較結果に基づいて、押付力が目標力以上にならない状態が出現するまで、目標力を大きくする設定変更動作と、力制御により対象物8を被設置部9に押し付ける押し付け動作と、押付力を取得する押付力取得動作と、を順次繰り返すか否かを判断する。上限値設定部316は、押付力が目標力以上にならない状態が出現したときの押付力に基づいて、力制御における目標力の上限値を設定する。
そして、制御部31は、上限値設定部316により設定された上限値を踏まえた力制御により、ロボットアーム10の駆動を制御する。
このような構成によれば、力制御における目標力の上限値を、容易かつ正確に設定可能なロボットシステム1を実現することができる。かかるロボットシステム1では、力制御によって作業を行う際、滑りを発生させない目標力の範囲が容易に特定されるため、目標力を最大化することができる。その結果、例えば力制御による作業の速度を高めやすくなり、効率よく作業を行うことができる。
また、上限値の設定にあたって、高価な計測機器等を必要としない。このため、ロボットシステム1の低コスト化を図ることができる。
なお、図1に示す力センサー21は、前述したように、ハンド17とロボットアーム10との間に設けられている。力センサー21がこの位置に設けられることにより、ハンド17に作用した力を精度よく検出することができる。このため、目標力の上限値をより精度よく探索することができる。なお、力センサー21の位置は、前述したように、図1に示す位置に限定されず、これ以外の位置であってもよい。
以上、本発明の目標力上限値設定方法およびロボットシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されない。
例えば、本発明のロボットシステムは、前記実施形態の各部の構成が、同様の機能を有する任意の構成に置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成が追加されたものであってもよい。
また、本発明の目標力上限値設定方法は、前記実施形態に任意の目的のステップが付加されたものであってもよい。
1…ロボットシステム、2…ロボット、3…制御装置、8…対象物、9…被設置部、10…ロボットアーム、11…アーム、12…アーム、13…アーム、14…アーム、15…アーム、16…アーム、17…ハンド、21…力センサー、31…制御部、32…記憶部、33…外部入出力部、110…基台、130…駆動部、131…角度センサー、311…目標力設定部、312…押付力取得部、313…比較部、314…駆動指示部、315…判断部、316…上限値設定部、610…コントローラー、620…コンピューター、S1…目標力上限値設定ステップ、S101…ステップ、S102…ステップ、S103…ステップ、S104…ステップ、S105…ステップ、S106…ステップ、S111…ステップ、S112…ステップ、S113…ステップ、S114…ステップ、S115…ステップ、S116…ステップ、S121…ステップ、S122…ステップ、S123…ステップ、S124…ステップ、S125…ステップ、S126…ステップ、S131…ステップ、S2…作業ステップ、S201…ステップ、S202…ステップ、S203…ステップ、S204…ステップ、S205…ステップ、S206…ステップ

Claims (6)

  1. 対象物を把持部で把持し、前記把持部に作用した力を目標力に近づける力制御により動作するロボットの目標力上限値設定方法であって、
    前記対象物を前記把持部で把持するステップと、
    前記力制御により、前記把持部で把持している前記対象物を接触面に押し付ける押し付け動作を行うステップと、
    前記押し付け動作中に前記把持部に作用した力を押付力として取得する押付力取得動作を行うステップと、
    前記押付力が前記目標力以上にならない状態が出現するまで、前記目標力を大きくする設定変更動作と、前記押し付け動作と、前記押付力取得動作と、を繰り返すステップと、
    前記状態が出現した回の前記押付力取得動作で取得された前記押付力に基づいて、前記力制御における前記目標力の上限値を設定するステップと、
    を有することを特徴とする目標力上限値設定方法。
  2. 前記目標力の上限値を設定する前記ステップにおいて、前記状態が出現した回よりも1つ前の回の前記押付力取得動作で取得された前記押付力を、前記力制御における前記目標力の上限値に設定する請求項1に記載の目標力上限値設定方法。
  3. 前記設定変更動作と、前記押し付け動作と、前記押付力取得動作と、を繰り返す前記ステップにおいて、最初の前記押し付け動作の前に、前記対象物を前記接触面に接触させる接触動作を行った後、前記対象物を前記接触面から離すことなく、最初の前記押し付け動作より後の前記押し付け動作を行う請求項1または2に記載の目標力上限値設定方法。
  4. 前記設定変更動作と、前記押し付け動作と、前記押付力取得動作と、を繰り返す前記ステップは、
    前記目標力を第1増加量ごとに大きくする前記設定変更動作と、前記押し付け動作と、前記押付力取得動作と、を繰り返す第1ステップと、
    前記第1ステップで前記押付力が前記目標力以上にならない状態が出現した後、前記目標力を前記第1増加量より小さい第2増加量ごとに大きくする前記設定変更動作と、前記押し付け動作と、前記押付力取得動作と、を繰り返す第2ステップと、
    を有する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の目標力上限値設定方法。
  5. ロボットアームと、
    前記ロボットアームに設けられ、対象物を把持する把持部と、
    前記把持部に作用する力を検出する力センサーと、
    前記力センサーにより検出された力を目標力に近づける力制御により、前記ロボットアームの駆動を制御する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、
    前記目標力を決定する目標力設定部と、
    前記対象物が接触面に押し付けられたとき、前記力センサーにより検出された力を押付力として取得する押付力取得部と、
    前記目標力と前記押付力とを比較し、比較結果を出力する比較部と、
    前記ロボットアームを駆動する信号を出力する駆動指示部と、
    前記比較結果に基づいて、前記押付力が前記目標力以上にならない状態が出現するまで、前記目標力を大きくする設定変更動作と、前記力制御により前記対象物を前記接触面に押し付ける押し付け動作と、前記押付力を取得する押付力取得動作と、を順次繰り返すか否かを判断する判断部と、
    前記状態が出現したときの前記押付力に基づいて、前記力制御における前記目標力の上限値を設定する上限値設定部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記上限値を踏まえた前記力制御により、前記ロボットアームの駆動を制御することを特徴とするロボットシステム。
  6. 前記力センサーは、前記把持部と前記ロボットアームとの間に設けられている請求項5に記載のロボットシステム。
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