ところで、太陽熱や燃料電池等の排熱を主熱源として加熱した湯を貯湯タンク内に貯留することで蓄熱し、この貯湯タンクに対し、貯湯タンク内の湯水が低温である場合に補助加熱するための補助熱源機として給湯器を組み合わせて給湯システムを構成する際に、特に住宅に既に設置されている既設給湯器を、前記給湯システムの補助熱源機として活用しようとする試みが近年行われている。この場合、熱源である給湯器とは分離して、貯湯タンクや湯水混合のための設備を一体にした、いわゆる熱源分離型のタンクユニットとして構成し、このタンクユニットを住宅に設置して既設給湯器に組み合わせることが考えられている。
しかしながら、このように組み合わせる場合には、タンクユニットから給湯器まで貯湯タンクからの湯水を供給するための接続配管を設置することが必要となり、配管長やその配管容量は長大化(例えば配管長10m以上)することになる。この結果、特に、給湯先として浴槽が接続され、既に湯張りした浴槽に対する注水(足し水)制御が備えられている場合には、その注水制御の実行後に、接続配管等の内部は注水のための冷たい水が残留した状態となる。すると、次に給湯栓が開かれてタンクユニットの側から接続配管を通して給湯されたとしても、前記の残留していた比較的多量の冷水が先に給湯栓に流れてしまいユーザーにとって意図しない結果を招くことになる。これに対処するために、前記の注水制御の最終段階に給湯器を燃焼作動させて給湯器よりも下流側の配管内を湯で満たしておくことが考えられるものの、給湯栓が開かれれば、結局、いわゆる冷水サンドイッチ現象を生じさせてしまうことになる。
給湯使用の際に、このようなユーザーの意図しない温度の湯水が給湯栓から出湯されてしまうケースとして、前記の如き注水制御の他に、浴槽への注湯(湯張り又は足し湯)制御の後にも起こり得る。例えば、設定注湯温度(設定湯張り温度)に温調された湯がタンクユニットの側から給湯器を素通りして浴槽に注湯された場合、注湯制御が終了した段階では前記の接続配管内や給湯器内には設定注湯温度の湯が残留することになる。このため、次に給湯栓が開かれて給湯使用が開始されたときには、前記の設定注湯温度が設定給湯温度よりも低ければ、前記の注水の場合と同様に、給湯栓からはユーザーにとって意図しない低い温度の湯が流れたり、あるいは、前記と同様に給湯器を燃焼作動させたとしてもユーザーにとって意図しない低い温度の湯が間にサンドイッチした状態で出湯されたり、することになる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱源分離型のタンクユニットと、補助熱源機としての給湯器とを接続配管で互いに接続して組み合わせた給湯システムにおいて、浴槽への注水(足し水)制御又は注湯(湯張り又は足し湯)制御の実行後に給湯使用が生じたとしても、ユーザーの意図しない低い温度の湯水が給湯栓から出てくるという温度低下発生を回避し得る給湯システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、貯湯タンクと、この貯湯タンクから出湯される湯及び上水の双方が流入可能とされて必要に応じて混合する湯水混合部と、湯水混合部からの湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、前記湯水混合部から供給される湯水が前記補助熱源機を介して給湯栓又は浴槽に供給されるように構成された給湯システムを対象にして、次の特定事項を備えることした。すなわち、前記補助熱源機に対し前記湯水混合部から設定水量の水を供給制御することにより前記浴槽に注水するための注水運転制御部を備えることとする。そして、前記注水運転制御部として、前記湯水混合部から設定水量以下の水を供給した後に、前記接続配管の配管容量分に少なくとも相当する量の湯を供給する構成とした(請求項1)。
この発明の場合、注水運転制御を行うことにより、浴槽には所定量の注水が行われ、接続配管内には湯が充満された状態となる。このため、次に給湯栓がユーザーにより開かれて給湯使用が生じたとしても、給湯栓から接続配管内の湯が出湯され、冷水が出たり冷水サンドイッチ現象が生じたりすることもない。つまり、浴槽への注水の実行後に給湯使用が生じたとしても、ユーザーの意図しない低い温度の湯水が給湯栓から出てくるという温度低下発生を回避することが可能となる。
又、第1の発明の給湯システムにおいて、注水運転制御部として、設定水量から接続配管の配管容量分を減じた水量の水を湯水混合部から供給した後に、接続配管の配管容量分の湯を供給する構成とすることができる(請求項2)。又は、注水運転制御部として、湯水混合部から設定水量の水を供給した後に、接続配管の配管容量分の湯を供給する構成とすることができる(請求項3)。いずれにおいても、このようにすることにより、浴槽には所定量の注水が行われ、接続配管内には湯が充満された状態となる。そして、これらの場合には、注水運転制御部として、接続配管の配管容量分の湯を供給する際に、さらに所定量の湯を加えて供給する構成とすることができる(請求項4)。このようにすることにより、接続配管の内部のみならず、補助熱源機の内部配管にも湯が充満された状態にすることが可能となり、次に給湯使用が生じたときには即座に湯が給湯栓から出湯させることが可能となる。これにより、注水運転後の給湯使用の際の温度低下発生を可及的に防止し得ることとなる。
さらに、第1の給湯システムにおいて、注水運転制御部として、湯を供給する際に、湯水混合部において設定給湯温度の湯にした上で供給する構成とすることができる(請求項5)。このようにすることにより、注水運転後に接続配管等に設定給湯温度の湯で満たされることになるため、次に給湯使用が生じたときには設定給湯温度の湯が給湯栓から出湯され、給湯使用感を特に高め得ることになる。
又、第2の発明では、貯湯タンクと、この貯湯タンクから出湯される湯及び上水の双方が流入可能とされて必要に応じて混合する湯水混合部と、湯水混合部からの湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、前記湯水混合部から供給される湯水が前記補助熱源機を介して給湯栓又は浴槽に供給されるように構成された給湯システムを対象にして、次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記補助熱源機に対し前記湯水混合部から設定湯量の湯を供給制御することにより前記浴槽に注湯するための注湯運転制御部を備えることとする。そして、前記注湯運転制御部として、設定注湯温度が前記給湯栓に対する給湯運転制御における設定給湯温度よりも所定値以上低温である場合に、前記湯水混合部から設定湯量以下の設定注湯温度の湯を供給した後に、前記接続配管の配管容量分に少なくとも相当する量の設定給湯温度の湯を供給する構成とした(請求項6)。
この発明の場合、注湯運転制御を行うことにより、浴槽には設定注湯温度の所定量の注湯が行われ、接続配管内には設定給湯温度の湯が充満された状態となる。このため、次に給湯栓がユーザーにより開かれて給湯使用が生じたとしても、給湯栓から接続配管内にある設定給湯温度の湯が出湯される。これにより、ユーザーの意図しない低い温度の湯が給湯栓から出てくるという温度低下発生を回避することが可能となる。このような注湯運転制御が、特に、設定注湯温度が前記給湯栓に対する給湯運転制御における設定給湯温度よりも所定値以上低温である場合に実行されるため、特に温度低下発生の回避という効果が顕著となる。
以上、説明したように、第1の発明の給湯システムによれば、注水運転制御を行うことにより、浴槽には所定量の注水を行うことができ、接続配管内には湯を充満させた状態にすることができる。このため、次に給湯栓がユーザーにより開かれて給湯使用が生じたとしても、給湯栓から接続配管内の湯が出湯され、冷水が出たり冷水サンドイッチ現象が生じたりすることを回避することができる。つまり、浴槽への注水の実行後に給湯使用が生じたとしても、ユーザーの意図しない低い温度の湯水が給湯栓から出てくるという温度低下発生を回避することができる。
請求項2又は請求項3の給湯システムによれば、確実に、浴槽には所定量の注水を行うことができ、接続配管内には湯が充満された状態にすることができる。そして、これらの場合に、請求項4の給湯システムによれば、接続配管の配管容量分の湯を供給する際に、さらに所定量の湯を加えて供給する構成とすることにより、接続配管の内部のみならず、補助熱源機の内部配管にも湯を充満させた状態にすることができ、次に給湯使用が生じたときには即座に湯が給湯栓から出湯させることができるようになる。これにより、冷水運転後の給湯使用の際の温度低下発生を可及的に防止することができるようになる。
さらに、請求項5の給湯システムによれば、湯を供給する際に、湯水混合部において設定給湯温度の湯にした上で供給する構成とすることにより、注水運転後に接続配管等を設定給湯温度の湯で満たされた状態にすることができ、次に給湯使用が生じたときには設定給湯温度の湯が給湯栓から出湯され、給湯使用感を特に高め得ることになる。
又、第2の発明の給湯システムによれば、注湯運転制御を行うことにより、浴槽には設定注湯温度の所定量の注湯を行うことができ、接続配管内には設定給湯温度の湯を充満させることができる。このため、次に給湯栓がユーザーにより開かれて給湯使用が生じたとしても、給湯栓から接続配管内にある設定給湯温度の湯が出湯され、これにより、ユーザーの意図しない低い温度の湯が給湯栓から出てくるという温度低下発生を回避することができるようになる。このような注湯運転制御が、特に、設定注湯温度が前記給湯栓に対する給湯運転制御における設定給湯温度よりも所定値以上低温である場合に実行されるため、特に温度低下発生の回避という効果が顕著となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る給湯システムを模式的に示したものである。この給湯システムは、主熱源装置1と、貯湯タンク21を含み給湯システムの主機能部分がユニット化されたタンクユニット2と、補助熱源装置としての給湯器3とを組み合わせたものである。そして、タンクユニット2は、主熱源装置1によって加熱された湯を貯湯する貯湯タンク21と、貯湯タンク21内の湯水を底部から取り出して頂部に戻す間に前記主熱源装置1によって加熱するための蓄熱循環回路22と、外部から水道水等を給水する給水回路23と、貯湯タンク21から供給される湯を用いて給湯栓K等に給湯する給湯回路24と、給湯回路24からの高温出湯を回避するための高温回避部25と、給湯器3に対する制御指令を含みタンクユニット2の作動制御を行うマイコン等からなるタンクユニット制御部としてのタンクコントローラ5とを備えている。つまり、タンクユニット2として、前記の各構成要素が1つのハウジング内に内蔵されてユニット化した装置として構成されている。
主熱源装置1としては、燃料電池(例えばSOFC;固体酸化物型燃料電池)やガスエンジン等の作動に伴い発生する排熱を用いるもの、ヒートポンプを用いるもの、集熱パネルにより集熱した太陽熱を用いるもの等の適宜の熱源を採用することができる。又、熱源の利用手法としては、前記の燃料電池等の外部の主熱源装置に貯湯タンク内の水を循環させつつ加熱する手法の他に、外部の主熱源装置により加熱した熱媒を貯湯タンク内の熱交換器に導き、この熱交換器により貯湯タンク内の水を加熱する手法を採用することができる。さらに、貯湯タンク21の内外に付設した電気ヒーター等を主熱源装置として用いることもできる。図例では、主熱源装置1として燃料電池の排熱を利用するものを示している。すなわち、主熱源装置1として、図示省略のガス供給系から供給されるガスを燃料として発電する燃料電池11と、燃料電池11から発生する排熱を熱源として供給される排熱回収用熱交換器12とを備え、蓄熱循環回路22により供給される貯湯タンク21の底部からの湯水が熱交換加熱対象として前記排熱回収用熱交換器12に供給されるようになっている。なお、符号10は燃料電池11の作動制御を行う燃料電池コントローラであり、燃料電池コントローラ10はタンクコントローラ5と相互に通信可能に接続されている。
給湯器3は、補助熱源、すなわちバックアップ給湯器として機能するものであり、タンクユニット2と連携するように構成された新設の給湯器を用いたり、あるいは、給湯システムの設置対象の住宅に既に設置されている既設の給湯器を活用したりして組み合わされる。本実施形態では、既設の給湯器を活用してタンクユニット2と組み合わせた場合を説明する。かかる給湯器3は、タンクユニット2の後述の湯水混合部27から供給される湯水の給湯温度が設定給湯温度に満たない場合には、給湯器3によって設定給湯温度にまで補助加熱できるように構成されている。その場合、給湯器3では、後述の接続配管41の下流端が接続された入水接続口311から入水した湯水が入水路31を通して熱交換器32に導かれ、主として燃焼バーナ33の燃焼熱との熱交換により加熱された湯水が出湯路34に出湯され、出湯接続口341から給湯配管42を通して給湯栓Kに給湯されるようになっている。ここで、給湯栓Kは例えば台所の給湯栓やシャワー栓であり、1つに限らず、2以上のものを備えるようにすることができる。又、出湯路34に出湯された湯は、注湯電磁弁431を開制御すれば、注湯接続口342及び注湯路43を通して浴槽44に注湯可能となっている。この場合、燃焼バーナ33を燃焼させずにタンクユニット2の側からの給水をそのまま注湯電磁弁431及び注湯路43を通して浴槽44に供給すれば、浴槽44に対する足し水、すなわち注水が可能となる。熱交換器32としては、燃焼バーナ33の燃焼ガスの有する顕熱との熱交換を行う熱交換器と、この熱交換器を通過した後の排ガスから潜熱を回収するための熱交換器との2種類を備えて構成されたものを例示している。入水路31には入水温度センサ35や入水流量センサ36が介装され、出湯路34には出湯温度センサ37が介装されている。
この給湯器3はその作動制御のために独自の給湯器制御部としての給湯器コントローラ6を備えている。この給湯器コントローラ6はタンクコントローラ5と相互に通信し得るように接続され、ユーザーがリモコン51に入力操作した各種情報や操作指令に係る情報をタンクコントローラ5から受けるようになっている。給湯器コントローラ6は燃焼バーナ33の燃焼制御を主とする給湯制御部61(図2参照)を備えており、この給湯制御部61により独自の作動制御を実行する一方、タンクコントローラ5からの燃焼禁止指令や燃焼禁止解除指令の出力を受けて燃焼開始を制限して禁止したり、その禁止を解除して独自制御に基づく燃焼開始を許容したり、し得るようになっている。給湯器コントローラ6の給湯制御部61は、ユーザーにより例えば給湯栓Kが開かれることにより入水流量センサ36又はタンクユニット側給湯流量センサ245が最低作動流量(MOQ)以上の流量を検出すると、入水温度センサ35により検出される入水温度(タンクユニット2から供給される湯水の温度)が所定の加熱開始温度より低ければ燃焼バーナ33の燃焼を開始して、入水される湯水を設定給湯温度まで加熱して給湯栓Kに給湯し、あるいは、加熱開始温度以上であれば、燃焼させずにそのまま給湯栓Kに給湯する。又、前記の如くタンクコントローラ5側から燃焼禁止指令の出力を受けると、給湯器3の給湯器制御部の独自の作動制御が制限されて、燃焼禁止解除指令が出力されるまで燃焼停止状態を維持して、タンクユニット2から供給される湯水をそのまま出湯路34に流すようになっている。なお、入水流量センサは、熱交換器32を通過する湯水の流量を検出する位置に配設するようにすることができる。
又、給湯器コントローラ6は、前記の給湯制御部61の他に、浴槽44に対し注湯(湯張りや足し湯)するための注湯制御部62や、浴槽44に対し注水(足し水)するための注水制御部63を独自に備えている。これら注湯制御部62による注湯制御や、注水制御部63による注水制御は、リモコン51の例えば注湯スイッチや注水スイッチをユーザーがON操作することによりその操作指令信号を受けたタンクコントローラ5(具体的には後述の注湯運転制御部55や注水運転制御部56)から、注湯制御を開始させるための注湯運転ON指令や、注水制御を開始させるための注水運転ON指令を給湯器コントローラ6に出力することで開始される。具体的には、注湯制御及び注水制御はいずれも注湯電磁弁を開切換制御することで開始され、閉切換制御することで終了する。なお、注水又は注湯の際には、いずれも燃焼バーナ33は原則として非燃焼(燃焼禁止)とされるが、例外的に、注水の際には、注水量が設定水量を超えれば燃焼禁止状態を解除するという制御仕様が本来的な制御構成として備えられ、又、注湯の際には、貯湯タンク21内の湯切れを考慮してタンクユニット2の側から給湯器3の入水路31に入水する湯の温度が設定注湯温度よりも低いときには燃焼禁止状態を解除して設定注湯温度まで加熱可能とするという制御仕様が本来的な制御構成として備えられている。又、このような給湯器コントローラ6による注湯制御や注水制御の終了もタンクコントローラ5により支配され、タンクコントローラ5(具体的には後述の注湯運転制御部55や注水運転制御部56)からの注湯運転OFF指令や注水運転OFF指令を受けて終了するようになっている。
以下、タンクユニット2の構成について詳細に説明すると、貯湯タンク21は密閉式に構成されている。貯湯タンク21の側部には少なくとも頂部から底部側にかけて高さ方向の複数箇所(図例では5箇所)にそれぞれ配設されたタンク温度センサからなる残湯水量センサ211〜215が設けられ、この残湯水量センサ211〜215により各高さ位置における貯湯の湯温を検出できるように構成されており、これにより、貯湯タンク21内の上部側から貯湯される所定温度以上(例えば60℃以上)の高温水の残湯量を検出できるようになっている。
蓄熱循環回路22は、蓄熱用循環ポンプ221が作動されると、貯湯タンク21の底部から貯湯タンク21内の比較的低温の湯水を取り出し、主熱源装置1の排熱回収用熱交換器12を通過することにより加熱された湯水を貯湯タンク21の頂部に戻すことになるように配設されている。そして、タンクコントローラ5の蓄熱運転制御部52(図2参照)により蓄熱運転制御が開始されると、蓄熱用循環ポンプ221が作動され、これにより、貯湯タンク21の底部から取り出された湯水が、排熱回収用熱交換器12において燃料電池11からの排熱により熱交換加熱され、熱交換加熱後の湯水が貯湯タンク21の頂部に戻されて、貯湯タンク21内で温度成層を形成しつつ所定温度(例えば60℃以上)の湯として蓄熱されることになる。なお、貯湯タンク21と主熱源装置1との間の蓄熱循環回路22には、三方切換弁222を介したバイパス路223が設けられており、主熱源装置1の作動開始直後に主熱源装置1から供給される比較的低温の湯を、流路切換した三方切換弁222及びバイパス路223を通して主熱源装置1に循環させて、貯湯タンク21の頂部には戻さないようにし得るようになっている。なお、三方切換弁222は、バイパス路223の入口側〜出口側のいずれの位置に対しても介装することができる。
給水回路23は、その上流端が外部の水道管等に接続され、主給水路231と混水用給水路232とに分岐されている。主給水路231は、下流端が貯湯タンク21の底部に 接続されており、貯湯タンク21内の湯が頂部から出湯されるに伴い貯湯タンク21の底部に対し水道水が給水されるように構成されている。混水用給水路232の下流端は、後述の湯水混合部27の混合制御弁271の水側流入口に対し給水可能に接続されている。なお、主給水路231と混水用給水路232との分岐部よりも上流側位置の給水回路23には、給水温度センサ230や、例えば図示省略の減圧弁,逆止弁等が設けられている。
給湯回路24は、上流端が貯湯タンク21の頂部に接続されて下流端側がタンクユニット2の接続口201に接続された給湯路241を備え、この給湯路241には、混合制御弁271を有する湯水混合部27と、前記貯湯タンク21の頂部又はこの頂部に接続された給湯路241の基端位置に配設されて前記頂部の貯湯の温度又は給湯路241に出湯された直後の貯湯の温度を検出するタンク出口温度センサ242と、湯水混合部27の上流側位置に配設されて貯湯タンク21から出湯されて混合制御弁271のタンク側流入口に流入する湯温を検出する貯湯出湯温度センサ243と、湯水混合部27の下流側位置に配設された給湯温度センサ244及び給湯流量センサ245とを備えている。湯水混合部27では、給湯路241の上流側から供給されてタンク側流入口から流入する湯と、混水用給水路232から供給されて水側流入口から流入する水とを所定の混合比で混水させることにより、ユーザーがリモコン51等に設定した設定給湯温度や設定注湯温度等に温調した上で、給湯器3の側に給湯するものである。このような湯水混合部27での湯水混合制御はタンクコントローラ5のタンク給湯運転制御部54により実行されるようになっている。具体的には、前記の給湯温度センサ244により検出された温調後の給湯温度がタンクコントローラ5に出力され、この給湯温度センサ244からの出力に基づいて混合制御弁271のタンク側流入口及び水側流入口の各開度がタンク給湯運転制御部54によりフィードバック制御されて、設定給湯温度や設定注湯温度等への温調が実現されるようになっている。
なお、図例では、前記の湯水混合部27を混合制御弁271により構成したものを示しているが、これに限らず、湯水混合部を挟んで設けた湯側流量調整弁及び水側流量調整弁の2つの流量調整弁によって湯水混合部を構成することができる。又、給湯流量センサを、主給水路231と、混水用給水路232との分岐部よりも上流側位置の給水回路23に対し配設するようにすることができる。
そして、前記の接続口201と、給湯器3の入水接続口311との両者間が接続配管41で互いに接続され、この接続配管41を通してタンクユニット2から給湯される湯水が給湯器3の入水路31に入水し、熱交換器32を通って、最終的に給湯栓Kまで給湯されたり、浴槽44まで注湯・注水されたり、することになる。接続配管41は屋内に敷設されることが好ましいが、屋外に敷設することができ、その長さ(配管長)も例えば10mを超えるものとすることができる。以上の給湯路241、接続配管41、入水路31、出湯路34、及び、給湯配管42もしくは注湯路43によって、貯湯タンク21から給湯栓K等までの給湯,注湯,注水のための流路が構成され、本実施形態の給湯システムは前記給湯,注湯,注水のための流路の湯水混合部27よりも下流側位置の流路に対し給湯器3が介装されている。
また、混水用給水路232と湯水混合部27の下流側の給湯路241とを接続するバイパス流路251と、このバイパス流路251を開閉するための電磁開閉弁である高温回避弁252とからなる高温回避部25が設けられており、常時は閉状態に維持される高温回避弁252がタンクコントローラ5により開切換制御されて湯水混合部27からの給湯に対し高温出湯回避に十分な量の水を供給して混水することができるようになっている。
以上の給湯システムは、リモコン51からの設定給湯温度や設定注湯温度等の入力設定信号や操作指令信号の出力や、種々の温度センサや水量センサ等からの検出信号の出力を受けて、タンクコントローラ5により総合的に作動制御されるようになっている。又、リモコン51にユーザーが設定した例えば設定給湯温度等の入力設定情報はタンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し送出可能となっており、給湯器コントローラ6の給湯制御部はそれらの情報に基づいて独自の給湯制御を実行するようになっている。なお、タンクコントローラ5,給湯器コントローラ6及び燃料電池コントローラ10は、それぞれ、CPU、書き換え可能メモリや入出力インタフェース等を備えるマイコンによって主構成されており、メモリに記憶されたプログラム及び各種データに基づいて前記の各種の作動制御を行うようになっている。又、リモコンは、タンクコントローラ5に接続させる他、燃料電池コントローラ10に接続させるようにすることができる。以下、本発明の特徴的な注水運転制御部56による注水運転制御及び注湯運転制御部55による注湯運転制御や、これらの前提となる配管容量取得処理部53による制御について、詳細に説明する。
まず、前提となる配管容量取得処理部53による接続配管41の配管容量の取得処理について説明する。この取得処理は貯湯タンク21からの給湯運転の初期段階あるいは試運転段階に行われる。その取得処理の原理は、タンクユニット2から出た湯水が接続配管41を通って給湯器3に入水するまでの到達時間の間に流量積算を行い、得られた流量積算値を接続配管41の配管容量とし、これを配管容量の初期値として設定し記憶する。あるいは、前記の到達時間内では大きな流量変動は無いと仮定して、到達時間と、代表的な流量(又は平均流量)とを計測し、両者を乗じて得られる容量を配管容量とすることができる。詳細には、例えば、貯湯タンク21内に設定給湯温度以上の高温湯(例えば65℃以上の湯)が所定量以上ある場合には、給湯栓Kが開かれてMOQが検出されたとき、その高温湯が給湯路241を流れて湯水混合部27で混水処理されて設定給湯温度(例えば40℃)に温調されて給湯温度センサ244に至ることになる。このため、給湯温度センサ244の検出温度を監視し、設定給湯温度が検出された時点から、その同じ検出温度を給湯器3の入水温度センサ35が検出する時点までの時間値の範囲で給湯流量センサ244又は入水流量センサ36による検出流量を積算する。得られた流量積算値を接続配管41の配管容量の初期設定値として設定し記憶する。なお、かかる接続配管41の配管容量は、現場施工した接続配管41の配管容量の実測値又は演算値を、設定配管容量Pとして、供用開始前の試験運転の際に予め記憶・設定させるようにすることもできる。
まず、図3を参照しつつ、注水運転制御部56による注水運転制御について詳細に説明する。ユーザーによるリモコン51の注水スイッチのON操作に基づき出力される操作指令信号をタンクコントローラ5が受けると、注水運転制御部56による注水運転制御が開始される。まず、混合制御弁271の水側流入口を全開にタンク側流入口を全閉にそれぞれ切換える、注水運転ON指令を給湯器コントローラ6に出力する(ステップS1)。給湯器3では、注水運転ON指令の出力を受けて、注水制御部63により注湯電磁弁431が開切換制御されるため、給水路23からの給水のみが混合制御弁271及び接続配管41を通してタンクユニット2から給湯器3に供給され、この水が給湯器3内及び注湯路43を通して浴槽44に注水されることになる。この注水に併せて、タンクユニット側の給湯流量センサ245により検出された流量の積算を行い、注水量を監視する(ステップS2)。以上の注水を、流量積算に基づく注水量が(設定水量−配管容量)に相当する水量になるまで継続する(ステップS3でNO,ステップS2)。
ここで、設定水量とは、湯張りされた浴槽の湯水温度が熱めである場合などにユーザーが湯水温度を下げたい場合に足し水を選択(注水スイッチのON操作)すれば、浴槽44に対し注水する水量として予め定められた一定量の水量(例えば20L)である。又、配管容量とは、前記の配管容量取得処理部53により取得・記憶された配管容量(例えば5L)のことである。
ステップS3で積算流量の値が(設定水量−配管容量)に相当する水量(前記例示の場合、20L−5L=15L)に到達すれば(ステップS3でYES)、給湯器コントローラ6に対し燃焼禁止指令を出力した上で(ステップS4)、湯水混合制御の目標温度として所定の設定湯温を設定して混合制御弁271により温調した湯を給湯器3の側に供給する(ステップS5)。つまり、それまでの注水に代えて、所定温度に温調した所定量の湯を供給するように変更する。この所定温度に温調した湯を(配管容量+α)に相当する量だけ供給する(ステップS6でNO)。
燃焼禁止指令を出力するのは、以降の処理により給湯器3に供給する湯水の量が設定水量を超えた場合、給湯器コントローラ6の注水制御部63による独自制御により燃焼禁止が解除されて燃焼作動が許容されてしまうことになるのを回避するためである。又、前記の設定湯温としては,設定注湯温度又は設定給湯温度のいずれを設定してもよい。設定注湯温度を設定した場合には、温調後の湯の一部が浴槽44にもしも注湯されたとしても問題は生じない一方、次回の給湯使用の際にも設定注湯温度と設定給湯温度との差があまり大きくなければ給湯使用感に影響を及ぼすことはない。又、設定給湯温度を設定した場合には、次回の給湯使用の際に設定給湯温度の湯が即座に給湯栓Kから出湯され良好な給湯使用感を実現させ得る一方、温調後の湯の一部が浴槽44にもしも注湯されたとしても設定注湯温度と設定給湯温度との差があまり大きくなければ足し水機能に影響を及ぼすことはない。又、前記のα(例えば3L)としては、給湯器3内の配管容量を考慮したものであり、特に近年の高効率化に伴い給湯器内の配管容量の大半を占める一次熱交換器及び二次熱交換器からなる熱交換器32内の容量を意図したものである。なお、前記のαとしては、次回の給湯使用開始の際に、給湯制御の開始により給湯されるまでに流れてしまうかも知れない冷水の存在を極力無くすようにするためのものであり、前記の熱交換器32内の容量等にこだわらず、例えば1Lでも2Lでも余分に湯を供給する趣旨である。
そして、給湯流量センサ245による流量積算により、(配管容量+α)に相当する量の湯が供給されたことが検知されれば(ステップS6でYES)、注水運転制御の終了のための次の処理を実行して注水運転制御を終了する(ステップS7)。すなわち、注水運転OFF指令及び燃焼禁止解除指令を給湯器コントローラ6に出力し、混合制御弁271による湯水混合制御を通常制御に復帰(次回の給湯に備えた待機開度に復帰)させ、給湯流量センサ245による流量積算値をクリアにしてリセットする(ステップS7)。これにより、注水運転OFF指令の出力を受けた注水制御部63により注湯電磁弁431が閉止されて、タンクユニット2からの湯水の供給が停止される。
以上により、浴槽44には所定量(例えば15L)の足し水が注水され、接続配管41及び給湯器3内の配管にはそれぞれ設定湯温の湯が充満された状態となる。このため、次に給湯栓Kがユーザーにより開かれて給湯使用が生じたとしても、給湯栓Kから即座にその湯が出湯され、冷水が出たり冷水サンドイッチ現象が生じたりすることもない。つまり、浴槽44への注水の実行後に給湯使用が生じたとしても、ユーザーの意図しない低い温度の湯水が給湯栓Kから出てくるという温度低下発生を回避することができる。又、配管容量取得処理部53により配管容量を取得するようにしているため、タンクユニット2の設置状況の実情に応じて個々の接続配管41の配管容量を取得・把握した上で、前述の注水運転制御を個々の状況に応じて適切に行うことができる。さらに、注水の最終段階で所定の設定湯温の湯を貯湯タンク21内の貯湯を利用してタンクユニット2から給湯器3に供給しているため、給湯器3の燃焼作動を省略して省エネルギー化をも図ることができる。
次に、注湯運転制御について図4を参照しつつ詳細に説明する。注湯運転制御には、空の浴槽44に対し湯張りするとき、例えばリモコン51の湯張りスイッチがON操作されたときの注湯と、入浴により浴湯が減ってきたときに足し湯するとき、例えばリモコン51の足し湯スイッチがON操作されたときの注湯とがあるが、ここでは、湯張りスイッチのON操作に基づき出力される操作指令信号をタンクコントローラ5が受けた場合に開始される注湯運転制御部55による注湯運転制御を例に説明する。まず、混合制御弁271による湯水混合制御の目標温度を設定注湯温度(設定湯張り温度)に設定し、貯湯タンク21の頂部から取り出した高温湯と、混水用給水路232から給水される水とを所定の混合比で混合して設定注湯温度の湯が給湯器3の側に給湯されるようにする(ステップS11)。併せて、給湯器コントローラ6に対し燃焼禁止指令及び注湯運転ON指令を出力する(ステップS12)。
給湯器3では、注湯運転ON指令の出力を受けて、注湯制御部62により注湯電磁弁431が開切換制御されるため、設定注湯温度に温調された湯がタンクユニット2から接続配管41を通して給湯器3に供給され、この湯が給湯器3内及び注湯路43を通して浴槽44に注湯されることになる。この注湯に併せて、タンクユニット側の給湯流量センサ245により検出された流量の積算を行い、注湯量を監視する(ステップS13)。以上の注湯を、流量積算に基づく注湯量が(設定湯量−配管容量)に相当する湯量になるまで継続する(ステップS14でNO,ステップS13)。ここで、設定湯量とは浴槽44への設定湯張りのことであり、配管容量とは前記の配管容量取得処理部53により取得・記憶された配管容量(例えば5L)のことである。
ステップS14で積算流量の値が(設定湯量−配管容量)に相当する湯量に到達すれば(ステップS14でYES)、湯水混合制御の目標温度を設定注湯温度から設定給湯温度に変更し、今度は混合制御弁271による温調後の湯が設定給湯温度になるように変更する(ステップS15)。つまり、それまでの設定注湯温度の湯の注湯に代えて、設定給湯温度の湯を供給するように変更する。この設定給湯温度に温調した湯を(配管容量+α)に相当する量だけ供給する(ステップS16でNO)。なお、αについては注水運転制御の場合と同様に設定することができる。この場合、浴槽44への注湯の次に給湯使用が生じたときに、給湯器3内の配管ができるだけ設定給湯温度の湯で満たされているようにするものである。
そして、給湯流量センサ245による流量積算により、(配管容量+α)に相当する量の湯が供給されたことが検知されれば(ステップS16でYES)、注湯運転制御の終了のための次の処理を実行して注湯運転制御を終了する(ステップS17)。すなわち、注湯運転OFF指令及び燃焼禁止解除指令を給湯器コントローラ6に出力し、混合制御弁271による湯水混合制御を通常制御に復帰(次回の給湯に備えた待機開度に復帰)させ、給湯流量センサ245による流量積算値をクリアにしてリセットする(ステップS17)。これにより、注湯運転OFF指令の出力を受けた注湯制御部62により注湯電磁弁431が閉止されて、タンクユニット2からの湯水の供給が停止される。
以上により、浴槽44には所定の湯張り量の注湯が行われ、接続配管41及び給湯器3内の配管にはそれぞれ設定給湯温度の湯が充満された状態となる。このため、次に給湯栓Kがユーザーにより開かれて給湯使用が生じたとしても、給湯栓Kから即座に設定給湯温度の湯が出湯され、それよりも低温の設定注湯温度の湯が出湯されることもない。つまり、注水の場合と同様に、浴槽44への注湯の実行後に給湯使用が生じたとしても、ユーザーの意図しない低い温度の湯水が給湯栓Kから出てくるという温度低下発生を回避することができる。この注湯運転制御によれば、設定注湯温度が設定給湯温度よりも所定値以上低温である場合に特に温度低下発生の回避という効果が顕著となる。このため、設定注湯温度が設定給湯温度よりも所定値以上低温であることを条件に図4の注湯運転制御を実行し、所定値未満であれば通常の注湯運転(注湯設定温度で設定湯量の全量を注湯)するようにすることができる。又、配管容量取得処理部53により配管容量を取得するようにしているため、タンクユニット2の設置状況の実情に応じて個々の接続配管41の配管容量を取得・把握した上で、前述の注湯運転制御を個々の状況に応じて適切に行うことができる点は、注水運転制御の場合と同様である。さらに、注湯の最終段階で設定給湯温度の湯を貯湯タンク21内の貯湯を利用してタンクユニット2から給湯器3に供給しているため、給湯器3の燃焼作動を省略して省エネルギー化をも図り得る点も、注水運転制御の場合と同様である。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、前記実施形態では、給湯器3として既設給湯器を活用して給湯システムを構成したものを示したが、これに限らず、既設給湯器の給湯器コントローラ6の制御構成に対し最小限の変更を加えたり、あるいは、タンクコントローラ5と連係し得るように給湯器コントローラ6の制御構成に予め変更を加えたりした給湯器と、タンクユニット2とを組み合わせて給湯システムを構成することができる。例えば、給湯器3の作動制御の全てがタンクコントローラ5により支配されるように給湯器コントローラの制御仕様を構成することができる。この場合には、注水又は注湯の際の注湯電磁弁431の開閉切換制御や、燃焼バーナ33の燃焼作動の可否等について、タンクコントローラ5からの制御指令に基づいて作動制御するようにすればよい。
又、前記実施形態における注水運転制御部56や注湯運転制御部55を、タンクコントローラ5ではなくて、別のコントローラ(例えば燃料電池コントローラ10、給湯器コントローラ6又はリモコン51)に配設したり、あるいは、別に設けた独立した統括コントローラに配設したり、することができる。さらに、注水運転制御部56や注湯運転制御部55の各一部を別のコントローラに分担させることもできる。例えば、タンクコントローラ5に設けた注湯運転制御部55による注湯制御の終了や注水運転制御部56による注水制御の終了を、前記実施形態ではタンクコントローラ5からの注湯運転OFF指令や注水運転OFF指令を受けて給湯器コントローラ6が行うようにしているが、これに限らず、注湯制御や注水制御の各終了を、タンクコントローラ5からの前記各OFF指令を受けることなく、給湯器コントローラ6によって行うように構成することができる。この場合、タンクコントローラ5は、非燃焼を維持した状態での注水や注湯時の温度制御(湯水混合制御による温調)を担うことになる。
前記実施形態では、図3のステップS6や、図4のステップS16において、(配管容量+α)の湯を供給するようにしているが、例えば給湯器3内の配管容量に比して接続配管41の配管容量がかなり大である場合等には、接続配管41内さえ所定温度の湯で満たせばかなりの不都合解消を図り得るため、α=0として配管容量分の湯だけ供給するようにすることができる。従って、少なくとも接続配管41の配管容量分に少なくとも相当する量の湯を供給すればよいことになる。
さらに、前記実施形態では(設定水量−配管容量)又は(設定湯量−配管容量)に相当する量を通常通り注水又は注湯した後に、配管容量もしくは(配管容量+α)の量の設定湯温の湯又は設定給湯温度の湯を注湯するように説明したが、設定水量又は設定湯量の設定如何もしくは定義如何によって異なる表現での特定もなし得る。例えば、注水運転制御においては、図3のステップS3で設定水量の注水を完了させた後に、ステップS6で配管容量又は(配管容量+α)の注湯を完了させたり、注湯運転制御においては、図4のステップS14で設定湯量の注湯を完了させた後に、ステップS16で配管容量又は(配管容量+α)の注湯を完了させたり、するようにすることができる。その場合において、注水運転制御の例では、例えば15Lの設定水量分の注水を行った後に、5Lの配管容量分又は5L+3L=8Lの(配管容量+α)分の注湯を行う、ということになる。これらを総括的に表現すれば、注水運転制御の例では、設定水量以下の水を供給(注水)した後に、接続配管41の配管容量に少なくとも相当する量の湯を供給(注湯)する、ということになる。又、前記実施形態では、貯湯タンク21と湯水混合部27とを、タンクユニット2として一体に構成したものを示したが、これに代えて、湯水混合部27を、貯湯タンク21(タンクユニット2)とは別体に構成することができる。