以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の貯湯システムを含む給湯システム10の構成を示している。給湯システム10は、貯湯システム11と、補助熱源機としての給湯器12とを有する。
貯湯システム11は、太陽光を利用して加熱した湯を蓄える貯湯タンク14を備えており、該貯湯タンク14からの湯水に給水を混合したものを給湯器12の入水口へ供給する。補助熱源機である給湯器12は、貯湯システム11から供給される水を必要に応じて設定温度に加熱して給湯配管13へ出湯する機能を果たす。貯湯システム11は、太陽光を利用して加熱した湯を優先的に利用することで給湯器12による加熱(これを以下、「追い加熱」とする。)を少なく抑えて、省エネルギでの給湯を可能にする。
貯湯システム11の詳細構成を説明する。貯湯タンク14は、中空略円柱状のタンクであり、底部と天井部のそれぞれに配管接続口が設けてある。底部の配管接続口には給水管15の終端が接続されている。天井部の配管接続口には接続配管16の一端が接続され、この接続配管16の他端は給湯器12の入水口に接続されている。
接続配管16の途中には、貯湯タンク14からの湯と給水とを混合する混合弁17が設けてある。ここでは、混合弁17は、第1バルブ17aと第2バルブ17bの2つで構成される。第1バルブ17aは接続配管16に介挿されている。第2バルブ17bは、給水管15の途中から分岐して第1バルブ17aの給湯器12側で接続配管16に合流する分岐給水管15aの途中に介挿されている。第1バルブ17aと第2バルブ17bは開度(通水量)をそれぞれ0%から100%まで調整可能な水量調整弁である。第1バルブ17aと第2バルブ17bの開度により、貯湯タンク14からの湯と給水との混合比が調整される。
貯湯タンク14は、たとえば、容量100リットルを有し、底から20リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第1温度センサ41が、底から40リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第2温度センサ42が、底から60リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第3温度センサ43が、底から80リットルの水位の箇所に、その箇所の水温を検出する第4温度センサ44がそれぞれ設けてある。
また、貯湯タンク14の天井部の配管接続口の近傍の接続配管16には、貯湯タンク14から出てくる湯水の温度を検出するタンク出湯温度センサ46が設けてある。給水管15の途中には給水温度を検出する給水温度センサ47が設けてある。さらに混合弁17の出側(給湯器12側)の接続配管16には、水量センサ48が、さらにその下流側(給湯器12側)には、混合弁17で混合後の湯水の温度を検出する混合温度センサ49が設けてある。
貯湯タンク14内の下部には、熱媒体循環経路22の一部をなす熱交換用配管18が挿通されている。熱媒体循環経路22は、この熱交換用配管18と、シスターン19と、水-水熱交換器20と、太陽熱の集熱装置21とを経由して熱媒体(ここでは、水)を循環させる経路である。
詳細には、熱媒体循環経路22は、熱交換用配管18の出側からシスターン19の入り側へ至る第1熱媒配管22aと、シスターン19の出側から水-水熱交換器20の入り側に至る第2熱媒配管22bと、水-水熱交換器20の出側から集熱装置21の入り側に至る第3熱媒配管22cと、集熱装置21の出側から熱交換用配管18の入り側へ至る第4熱媒配管22dとからなる。図中、集熱装置21は、貯湯システム11の構成要素であるが、外付け機器としてもよい。
シスターン19は、熱媒体循環経路22を循環する熱媒体を蓄えるためのタンクである。また、シスターン19は大気圧に開放されたタンクであり、熱媒体の膨張・収縮による体積変動を吸収する。シスターン19は内部の水位を検出する水位センサ19aを備えている。本例の水位センサ19aは低水位検出用電極、高水位検出用電極および共通電極で構成される。
水-水熱交換器20は2つの管路を所定の長さに渡って密に接触させたものであり、高温側の管路から低温側の管路へ熱を移動させる役割を果たす。熱媒体循環経路22は、水-水熱交換器20の一方の管路(図中は内側管路20a)の入り側および出側に接続されている。
水-水熱交換器20(内側管路20a)の出側から集熱装置21の入り側に至る第3熱媒配管22cの途中には、循環ポンプ24が設けてある。循環ポンプ24は、第3熱媒配管22c内の熱媒体を集熱装置21側へ送出する。この循環ポンプ24の下流側の第3熱媒配管22cには、切替弁25が介挿されている。切替弁25の第1接続口25aには、循環ポンプ24側からの第3熱媒配管22cが接続され、切替弁25の第2接続口25bには集熱装置21側へ至る第3熱媒配管22cが接続されている。切替弁25の第3接続口25cには連結管26の一端が接続されており、連結管26の他端は、集熱装置21から熱交換用配管18の入り側へ至る第4熱媒配管22dの途中に合流して接続されている。
集熱装置21には、集熱装置21内の湯水の温度を検出する高温センサ51が設けてある。また、連結管26の合流接続箇所より熱交換用配管18側の第4熱媒配管22dの途中には、その箇所を通る熱媒体の温度を検出する熱媒温度センサ52が設けてある。
給湯器12は、入水口から供給される湯水を設定温度に加熱して給湯配管13へ出湯するほか、入水口から供給される水を風呂の設定温度に加熱して浴槽3へ注湯する湯張り機能および、浴槽3内の湯水を追い焚きする追い焚き機能を備えている。
追い焚き時に湯水を循環させる追い焚き循環経路は、浴槽3から湯水を給湯器12へ取り込むための風呂戻り管32と、給湯器12内の熱交換器を通る配管と、熱交換器を経て昇温された湯水を浴槽3へ送り出す風呂往き管31などで構成される。風呂往き管31は、途中で水-水熱交換器20の他方の管路(図中、外側管路20b)を経由して浴槽3へ至る。
給湯器12と水-水熱交換器20との間には、浴槽3から取り込んだ湯水の温度を検出するための風呂温度センサ53が設けてある。
このほか、タンク出湯温度センサ46と混合弁17(第1バルブ17a)との間の接続配管16には、接続配管16の閉鎖・開通を切り替える出湯禁止電磁弁54が設けてある。また、出湯禁止電磁弁54とタンク出湯温度センサ46との間で接続配管16から分岐した2つの分岐配管が設けてあり、その一方の先端には排水電磁弁55が、他方の分岐配管の先端には圧力逃がし弁56が設けてある。また、給水管15には、水フィルタ、減圧弁、逆止弁などが介挿されている。
貯湯システム11は、当該貯湯システム11の動作を統括制御する制御ユニット60を備えている。制御ユニット60は、CPU(Central Processing Unit)と、該CPUが実行するプログラムや固定データなどが記憶されたフラッシュROM(Read Only Memory)と、CPUがプログラムを実行する際に各種情報を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、各種の信号を入出するI/F(Interface)部などを主要部とする回路で構成されている。制御ユニット60には、貯湯システム11の各種センサからの検出信号が入力されている。また制御ユニット60から各弁、循環ポンプ24などの制御対象へ制御信号が出力される。
貯湯システム11の制御ユニット60は、貯湯システム11と給湯器12の共通のリモコンから必要な情報の授受を行い、給湯器12の制御基盤70も共通のリモコンから必要な情報の授受を行う。ここでは、制御ユニット60は、給湯器12と共通のリモコンで設定されている設定温度の情報や、給湯器12に追い焚き動作を指示しているか否かを示す情報などを給湯器12と共通のリモコンから取得する。また、燃焼禁止・許可を指示する信号、バーナ73を燃焼させずに風呂循環ポンプ85(図2参照)を駆動させる信号(風呂ポンプ駆動信号)を制御ユニット60から給湯器12と共通のリモコンに、給湯器12のメンテナンス時に用いる信号等を用いて送信する。これらの信号が示す情報を給湯器12の制御基盤70は給湯器12と共通のリモコンから受信する。
図2は、給湯器12の概略構成を示している。給湯器12は、入り側に入水管71が出側に給湯配管13がそれぞれ接続された給湯用水管72aと、出側に風呂往き管31が入り側に風呂戻り管32がそれぞれ接続された追い焚き用水管72bとを備えた一缶二水路型の熱交換器72を備えている。入水管71の始端は貯湯システム11側からの接続配管16が接続される入水口となっている。
熱交換器72は下方に配置されたバーナ73からの熱を受熱するための多数のフィン72cを備えている。バーナ73にはガス供給管74が接続されている。ガス供給管74の途中には、ガスの供給/遮断を切り替えるガス弁75や供給ガス量を調整する比例弁76などが設けてある。
給湯配管13と風呂戻り管32とは、連結管77によって接続されており、該連結管77の途中には、連結管77の閉鎖/開通を切り替える注湯電磁弁78が設けてある。また、連結管77の接続箇所より上流側の給湯配管13の途中には、閉鎖状態から全開状態まで開度を調整可能な水量サーボ79が出湯水量を調整するために設けてある。水量サーボ79の下流側には、出湯温度を検出する出湯温度センサ80が設けてある。
さらに、入水管71から分岐し、水量サーボ79より給湯用水管72a側の所定箇所で給湯配管13に合流・接続されたバイパス管81を備え、このバイパス管81の途中に、閉鎖から全開まで開度を調整可能なバイパス調整弁82を備えている。このバイパス管81とバイパス調整弁82により、給湯用水管72aで設定温度より高い温度の湯が作られても入水管71より送り込まれた水と交ぜて設定温度の湯を作り出すようになっている。このために、給湯用水管72a出口温度を測定する給湯水管出口温度センサ91が設けられている。そして、給湯水管出口温度センサ91と後述の入水温度を参照しながらリモコンに設定された出湯温度と出湯温度センサ80の測定値とが一致するようにバイパス調整弁82が調整される。また、バイパス管81の分岐箇所より上流側の入水管71には、入水管71内の水の流量を検出する流量センサ83および入水温度を検知する入水温度センサ84が設けてある。なお演算で入水温度を推定するようにした器具にあっては入水温度センサ84を設けない場合もある。
風呂戻り管32の途中には、浴槽3内の水を、追い焚き循環経路(風呂戻り管32、追い焚き用水管72b、風呂往き管31)を通じて循環させるための風呂循環ポンプ85が設けてある。風呂戻り管32に設けた流水スイッチ86は、風呂循環ポンプ85を作動させたとき、追い焚き循環経路に実際に水が循環しているか否かを検出する。
このほか、風呂往き管31および風呂戻り管32には、それぞれ管内の温度を検出する風呂往き温度センサ87、風呂戻り温度センサ88が設けてある。
制御基盤70は、CPUと、該CPUが実行するプログラムや固定データなどが記憶されたフラッシュROMと、CPUがプログラムを実行する際に各種情報を一時記憶するRAMなどを主要部とする回路で構成されている。制御基盤70には、給湯器12が有する各種センサ、弁、風呂循環ポンプ85などが接続されている。
さらに、制御基盤70には、配線を介して操作パネル(貯湯システム11と給湯器12の共通のリモコン)89が接続されている。操作パネル89は、給湯の設定温度や風呂の設定温度の指定、湯張り動作や追い焚き動作の開始・終了指示、電源のオン/オフなど各種の操作をユーザから受けるスイッチ類、および動作状態や設定温度などを表示する表示部などで構成される。
給湯器12の制御基盤70は、給湯配管13から出湯する給湯動作では、操作パネル89でユーザが設定した給湯設定温度の湯が出湯されるようにバーナ73の燃焼量やバイパス調整弁82の開度などを制御する。
浴槽3へ注湯する湯張り動作では、制御基盤70は、バーナ73を燃焼させた状態で注湯電磁弁78および水量サーボ79を開くことにより、熱交換器72の給湯用水管72aを通じて加熱した湯を、給湯配管13から連結管77へ送り出し、風呂戻り管32および風呂往き管31の双方を通じて浴槽3へ流し込む。この際、制御基盤70は、操作パネル89でユーザが設定した風呂設定温度の湯が注湯されるようにバーナ73の燃焼量やバイパス調整弁82の開度などを制御する。さらに浴槽3内の水位が設定水位に達すると注湯動作を停止して、追い焚き動作を行う。
追い焚き動作では、注湯電磁弁78を閉鎖し、風呂循環ポンプ85を作動させた状態でバーナ73を燃焼させる。これにより浴槽3内の湯水が風呂戻り管32を通じて給湯器12内に取り込まれて加熱され、過熱後の湯水が風呂往き管31を通じて浴槽3へ送り出される。
給湯器12のバーナ73は所定の最低加熱量(最低号数)以下では燃焼させることができない。そのため、給湯器12の制御基盤70は、設定温度の湯を出すために必要な加熱量が最低加熱量より少ない場合は、バーナ73を燃焼オフしたままの状態に制御する。必要な加熱量は、設定温度と入水温度センサ84で検出される入水温度との温度差、流量センサ83で検出される流量、熱効率などに基づいて算出する。
次に、貯湯システム11の各種動作について説明する。
<集熱運転>
図3は、貯湯システム11が行う集熱運転の概略動作を示している。集熱運転は集熱装置21で太陽光から得た熱を利用して貯湯タンク14内の水を加熱する動作である。集熱運転は、集熱装置21の高温センサ51の検出温度が貯湯タンク14内の水温より一定温度以上高いなどの運転条件を満たす場合に行われる。
貯湯タンク14は、底部の配管接続口に接続された給水管15から給水の供給を受けて、通常は満水の状態にある。集熱運転時、制御ユニット60は、切替弁25を第1接続口25aと第2接続口25bとが連通し第3接続口25cを閉鎖した状態に設定した上で、循環ポンプ24を駆動する。
図3では、集熱運転において熱媒体(水)が循環する経路を太線で示してある。また各部において熱媒体が流れる方向を矢印で示してある。詳細には、シスターン19内の熱媒体は、循環ポンプ24の作用により、第3熱媒配管22c等を通じて集熱装置21に向かって流れ、集熱装置21を通る際に加熱されて昇温し、第4熱媒配管22dから貯湯タンク14内の熱交換用配管18を経てシスターン19へ戻るように循環する。熱交換用配管18を通る熱媒体より貯湯タンク14内の水温が低い場合、熱交換用配管18にて熱媒体の熱が貯湯タンク14内の水へ移動して貯湯タンク14内の水が加熱される。
熱交換用配管18は貯湯タンク14の下部にあり、また、貯湯タンク14の底部から給水が供給され、貯湯タンク14の天井部から接続配管16へ湯水が流出するので、貯湯タンク14内の水温は底部が低く天井部ほど高い温度勾配になっている。
<給湯運転>
図4は、給湯運転の概略動作を示している。図4では、給湯運転において湯水が流れる経路を太線で示してある。また各部において湯水が流れる方向を矢印で示してある。給湯運転では、貯湯タンク14からの湯水と分岐給水管15aからの給水とが混合弁17で混合されて給湯器12の入水口(入水管71)へ供給される。給湯器12は供給された水を必要に応じて加熱して給湯配管13へ出湯する。給湯運転の詳細は後述する。
<ソーラー追い焚き運転>
図5は、ソーラー追い焚き運転の概略動作を示している。ソーラー追い焚き運転は集熱装置21で太陽光から得た熱を利用して浴槽3内の湯水を補助的に追い焚きする動作である。
ソーラー追い焚き運転では、制御ユニット60は、切替弁25を第1接続口25aと第2接続口25bとが連通し第3接続口25cを閉鎖した状態に設定した上で、循環ポンプ24を駆動する。すなわち、集熱運転と同じように熱媒体を循環させ、熱媒体を集熱装置21で加熱する。さらに、ソーラー追い焚き運転では、制御ユニット60は、給湯器12に対して燃焼(加熱動作)を停止させた状態で風呂循環ポンプ85を駆動するように指示する。
図5では、ソーラー追い焚き運転において熱媒体(水)が循環する経路を太線で示してある。また、浴槽水の循環経路を太破線で示してある。さらに、各部において熱媒体が流れる方向および浴槽水の流れる方向をそれぞれ矢印で示してある。ソーラー追い焚き運転は、熱媒体循環経路22を循環する熱媒体の温度が浴槽水の温度より高いことなどが運転条件となっており、水-水熱交換器20において、内側管路20aを通る熱媒体から外側管路20bを通る浴槽水へ熱が移動することで、浴槽水が加熱される。
<風呂熱回収運転>
図6は、風呂熱回収運転の概略動作を示している。風呂熱回収運転は、風呂の残り湯の熱を利用して貯湯タンク14内の湯水を加熱する動作である。
風呂熱回収運転では、制御ユニット60は、切替弁25を第1接続口25aと第3接続口25cとが連通し第2接続口25bを閉鎖した状態に設定した上で、循環ポンプ24を駆動する。これにより、集熱装置21を通らずに、水-水熱交換器20と貯湯タンク14とを通って熱媒体が循環する。また、給湯器12に対して燃焼(加熱動作)を停止させた状態で風呂循環ポンプ85を駆動するように指示する。これにより、浴槽水が、水-水熱交換器20の外側管路20bを含む追い焚き循環経路を循環する。
図6では、風呂熱回収運転において熱媒体(水)が循環する経路と浴槽水の循環経路を太線で示してある。また、浴槽水の循環経路を太破線で示してある。さらに各部において熱媒体が流れる方向および浴槽水の流れる方向をそれぞれ矢印で示してある。風呂熱回収運転は、貯湯タンク14内の水温(第1温度センサ41)が浴槽3の水温より低いことが運転条件となっており、水-水熱交換器20において、外側管路20bを通る浴槽水から内側管路20aを通る浴槽水へ熱が移動し、この熱が熱交換用配管18にて貯湯タンク14内の水へ移動することで、貯湯タンク14内の水が加熱される。これにより、集熱運転の負担が軽減される。
より詳細には、風呂熱回収運転では、まず、風呂循環ポンプ85を一時的に作動させ、浴槽水があるか否かを確認する。そして、浴槽水があり、かつ、浴槽水の温度が第1温度センサ41の検出温度より所定温度(たとえば、15℃)以上高い場合に風呂熱回収運転を行い、差が10℃以下もしくは1時間を越えると運転を停止するようになっている。時間的制限は、風呂循環ポンプ85の耐久性を考慮したものである。
<貯湯出湯禁止運転>
貯湯タンク14内の湯水が100時間以上停留すると、レジオネラ菌の繁殖による問題があり、その対策のため、殺菌を行う。貯湯出湯禁止運転では、貯湯タンク14からの出湯を禁止し、貯湯タンク14内の水を60度以上にした状態を15分以上継続させることで殺菌を行う。
図7は、貯湯出湯禁止中の運転状態を示している。98時間以内に貯湯タンク14内の湯の大半(ここでは、100リットル中の93リットル)が使用されなかった場合、貯湯出湯禁止運転に入る。貯湯出湯禁止運転では、制御ユニット60は、出湯禁止電磁弁54を閉じる。これにより、分岐給水管15aからの給水のみが接続配管16を通じて給湯器12の入水口へ供給される。
貯湯出湯禁止運転に入ってから100時間以内に、集熱運転(太陽熱)により貯湯タンク14内の湯水全体(第1温度センサ41、第2温度センサ42、第3温度センサ43、第4温度センサ44のすべての検出温度)が60度以上の状態で15分以上継続(殺菌完了)したか否かを監視し、殺菌完了したら、出湯禁止電磁弁54を開いて、貯湯出湯禁止運転を終了する。
100時間以内に殺菌完了しなかった場合は、排水電磁弁55を開き、タンク下部から給水される新鮮な水により貯湯タンク14内の湯水をすべて排水し、新しい水を貯湯タンク14に充填した後、出湯禁止電磁弁54を開いて貯湯出湯禁止運転を終了する。
<給湯運転の詳細>
次に、本発明に係る給湯運転についてより詳細に説明する。前述したように、給湯器12は、最低加熱量以下の加熱動作はできないので、最低加熱量の加熱を行った場合に出湯温度が設定温度を超える場合はバーナ73を燃焼させない。入水温度が低く、設定温度の湯を出すために最低加熱量以上の加熱が必要な場合は設定温度の湯がでるようにバーナ73を燃焼させてその燃焼量を制御するように動作する。
上記のように給湯器12が動作するため、貯湯タンク14に熱い湯が蓄えられている場合に貯湯システム11側から給湯器12の入水口へ設定温度の湯を供給すると、給湯器12は燃焼オフのままとなる。そのため、給湯開始時に給湯器12の熱交換器72が冷えた状態(所謂、コールドスタート)の場合には、冷えた熱交換器72を通る間に湯水の熱が奪われ、給湯配管13への出湯温度が設定温度より低くなってしまう。
この現象を回避すべく本発明の貯湯システム11は、貯湯タンク14に設定温度より所定温度以上高い温度の湯が蓄えられている場合であっても、給湯器12の熱交換器72が冷えた状態の場合は、給湯器12による加熱(バーナ73の燃焼)が行われて設定温度の出湯が行われるように、混合弁17の混合比を、給湯器12の入水口へ供給される水の温度が設定温度より所定温度以上低い温度となる混合比に制御する。給湯器12は設定温度で出湯するように自装置での加熱量を制御するので、冷えた熱交換器72の昇温に必要な熱量も自動的に給湯器12側で制御される。よって貯湯システム11としては給湯器12が点火して加熱動作を行う温度の湯水を供給するだけでよく、後の温度調整は給湯器12に任せればよい。
なお、貯湯システム11は、給湯開始時点が前回の給湯動作の終了から所定の判定基準時間を経過している場合は熱交換器72が冷えた状態(コールドスタート)であると判断し、判定基準時間の経過前であれば冷えた状態にない(ホットスタート)と判断する。
図8は、給湯運転時の貯湯システム11の動作の流れを示している。貯湯システム11の制御ユニット60は給湯器12の制御基盤70との通信(給湯器12と共通のリモコンを介した通信)により、給湯器12側の運転スイッチが「入り」となるか否かを監視する(ステップS101;No)。給湯器12側の運転スイッチが「入り」になると(ステップS101;Yes)、給湯器12の給湯水量(出湯量)がバーナ73の燃焼する最低水量(本例では2.7リットル/分)以上か否かを判定する(ステップS102)。なお、制御ユニット60は、接続配管16に設けた水量センサ48で上記給湯水量を検出する。
給湯器12の給湯水量(出湯量)が2.7リットル/分以上ならば(ステップS102;Yes)、制御ユニット60は、給水温度(給水温度センサ47の検出温度)が25℃以上か否かを判断する(ステップS103)。給水温度が25℃以上か否かにより、コールドスタートか否かの判定基準となる前回給湯終了からの時間(判定基準時間)を切り替えるようになっている。すなわち、前回の給湯終了からの時間経過に伴う給湯器12の熱交換器72の温度低下は、夏場は冬場に比べて少ない。そして、給湯器12での追い加熱を控えることが省エネルギに繋がる。そこで、コールドスタートか否かの判定基準時間を夏場は冬場より長くし、追い加熱の頻度を低減させる。なお、本例では、給水温度25℃以上を夏場と判断している。
給水温度が25℃未満の場合は(ステップS103;No)、前回の給湯動作終了から8分30秒(冬場の判定基準時間)を経過していれば(ステップS104;No)、コールドスタートと判断し、給湯器12側での燃焼ありで給湯動作を開始させる(ステップS106)。
ステップS106では、貯湯タンク14内に設定温度+1℃以上の湯があっても、なくても、給湯器12の入水口へ供給する湯水の温度が給湯器12でバーナ73の燃焼による加熱が行われる温度となるように、混合弁17の混合比を設定する。すなわち、混合弁17で混合後の湯水の温度が、設定温度より、給湯器12で最低加熱量(最低号数)の加熱を行った場合の温度上昇分以上、低い温度、となるように混合弁17の混合比を設定する。
ここでは、設定温度−(給湯器12で最低加熱量の加熱を行った場合の上昇温度+マージン(たとえば、1℃))、を給湯器12の入水口へ供給する湯温の上限温度とする。貯湯タンク14に蓄えられている湯の温度がこの上限温度以上の場合は、上限温度の湯を供給し、貯湯タンク14に蓄えられている湯の温度が上限温度より低い場合は、供給可能な最高温度で湯水を供給する。つまり、給水を混ぜずに貯湯タンク14側からの湯水のみを供給する。また、ステップS106の給湯動作を開始した後は、出湯終了まで給湯器12による加熱動作が継続されるように、給湯器12の入水口へ供給する湯水の温度を前述の上限温度以下に制御する。
なお、既設住宅に貯湯システム11を設置する場合に、既設の給湯器12を補助熱源機として流用するものとすると、使用される給湯器12として各種の機種が想定される。また同一機種であっても器具毎に最低加熱量にバラツキがある。そのため、想定されるすべての機種の中で最大の最低加熱量に器具のバラツキを考慮して所定のマージンを加えた熱量を最小限加熱量(たとえば、4号〜4.5号)として、上記の混合比を設定する。これにより、どの機種の給湯器12を補助熱源機に使用した場合でも、貯湯システム11側の意図通りに追い加熱を行わせることができる。
既設の給湯器12の場合、貯湯システム11の制御ユニット60は、給湯器12とその給湯器12のリモコン89との通信内容から設定温度などの各種情報を受信したり、リモコン89からの指示として制御基盤70へ制御信号を送信したりすればよい。
給水温度が25℃未満で(ステップS103;No)前回の給湯動作終了から8分30秒以内であれば(ステップS104;Yes)、コールドスタートでないと判断する。そして、給水温度が20℃以上か否かを調べる(ステップS107)。20℃以上ならば(ステップS107;Yes)、貯湯タンク14の上部(底部から80リットルの水位)の水温を検出する第4温度センサ44の検出温度が設定温度+1℃以上か否かを調べる(ステップS108)。設定温度+1℃以上であれば(ステップS108;Yes)、給湯器12側の燃焼なしで給湯が行われるように給湯動作を開始する(ステップS109)。つまり、給湯器12がコールドスタートでなく、かつ貯湯システム11側から設定温度+1℃の湯を給湯器12の入水口へ供給可能ならば、給湯器12側の燃焼なしで給湯が行われるように給湯動作を開始する。ステップS109の給湯動作の詳細は後述する。
貯湯タンク14の上部の第4温度センサ44の検出温度が設定温度+1℃未満の場合は(ステップS108;No)、貯湯タンク14に必要温度の湯が蓄えられていない「湯切れ」と判断し、給湯器12側の燃焼ありで給湯動作を開始する(ステップS106)。
コールドスタートでなくかつ給水温度が20℃未満の場合は(ステップS107;No)、貯湯タンク14の第3温度センサ43(底部から60リットルの水位の温度センサ)の検出温度が設定温度+1℃以上か否かを調べる(ステップS111)。第3温度センサ43の検出温度が設定温度+1℃以上であれば(ステップS111;Yes)、給湯器12がコールドスタートでなくかつ貯湯システム11側から設定温度+1℃の湯を給湯器12の入水口へ供給可能と判断し、給湯器12側の燃焼なしで給湯が行われるように給湯動作を開始する(ステップS109)。
第3温度センサ43の検出温度が設定温度+1℃未満の場合は(ステップS111;No)、湯切れと判断して、給湯器12側の燃焼ありで給湯動作を開始する(ステップS106)。
給水温度が20℃未満か否かにより、第4温度センサ44と第3温度センサ43とを切り替えるのは以下の理由による。
湯切れが近くなると、貯湯タンク14の上部には熱い湯があり、その下層は、貯湯タンク14の下部から供給される給水に近い温度の水になっている。このため、給水温度が低いほど貯湯タンク14上部の湯とその下層の湯水との温度差は大きくなる。この温度差が大きいと、貯湯タンク14上部の熱い湯が無くなってその下層の湯水が貯湯タンク14から出始めた(湯切れした)とき、給湯器12に供給される湯水の温度が急に低下するので、給湯器12の燃焼制御が追いつかず、一時的に、出湯温度が低下する現象が生じる。そこで、給水温度が低い場合には、湯切れする前に、貯湯タンク14からの湯と給水とを混合する混合弁17における給水の混合率を徐々に増やし、給湯器12に供給する湯水の温度を緩やかに低下させる制御を行う。こうすれば、湯切れが生じたときには既に混合弁17での給水の混合率が増えているので、貯湯タンク14から供給される湯水の温度が湯切れによって急に低下しても、混合弁17から給湯器12に供給される湯水の温度変化は小さく抑えられる。これにより、湯切れの際に給湯器12からの出湯温度が一時的に低下する現象が防止される。このように、混合弁17での給水の混合率を湯切れの前に徐々に増やす制御を行うには、その制御に要する時間を湯切れの前に稼ぐ必要がある。すなわち、貯湯タンク14の上部に熱い湯が多く残っている状態でこの制御を開始する必要がある。そこで、給水温度が低い場合(20℃未満の場合)は、給湯器燃焼ありで給湯を開始するために必要な貯湯タンク14上部の湯の量を、給水温度が高い場合(20℃以上の場合)に比べて、多くする。つまり、給水温度が20℃以上ならば(ステップS107;Yes)、給湯器燃焼ありで給湯を開始させるか否かを、貯湯タンク14の天井部から20リットル分下方の水位の湯温を検出する第4温度センサ44を使用して判断し(ステップS108)、20℃未満ならば上から40リットル分下方の水位の湯温を検出する第3温度センサ43を使用して判断する(ステップS111)。
給水温度が25℃以上の場合は(ステップS103;Yes)、前回の給湯動作終了から17分(夏場の判定基準時間)を経過していれば(ステップS105;No)、コールドスタートと判断し、給湯器12側での燃焼ありで給湯動作を開始させる(ステップS106)。
給水温度が25℃以上で(ステップS103;Yes)前回の給湯動作終了から17分以内であれば(ステップS105;Yes)、コールドスタートでないと判断する。そして、貯湯タンク14の上部の水温を検出する第4温度センサ44の検出温度が設定温度+1℃以上か否かを調べ(ステップS112)、設定温度+1℃以上であれば(ステップS112;Yes)、給湯器12側の燃焼なしで給湯が行われるように給湯動作を開始する(ステップS109)。貯湯タンク14の上部の第4温度センサ44の検出温度が設定温度+1℃未満の場合は(ステップS112;No)、貯湯タンク14の湯切れと判断して、給湯器12側の燃焼ありで給湯動作を開始する(ステップS106)。
このように、給湯器12の熱交換器72が冷えた状態(コールドスタート)か否かを判断し、冷えた状態の場合は、貯湯タンク14から設定温度の湯を供給できる場合であっても、給湯器12側で加熱が行われるように、意図的に低い温度の湯水を給湯器12へ供給する。これにより、貯湯システム11から給湯器12へ設定温度の湯を供給した結果、冷えた熱交換器72に熱を奪われて出湯温度が設定温度より低下してしまうという現象の発生が回避され、設定温度の出湯が可能になる。
また、熱交換器72が冷えた状態か否かを前回の給湯動作終了からの経過時間に基づいて判断するので、既設の給湯器12を流用した場合のように給湯器12と多くの情報を授受できない場合でも、貯湯システム11側において給湯器12の熱交換器72が冷えた状態にあるか否かを簡易に認識することができる。また、夏場は、熱交換器72が冷えた状態にあるか否かの判断基準時間を、冬場に比べて長くするので、夏場は熱交換器72が冷えた状態にあると判断する回数が減り、その分、追い加熱の実行が抑制され、貯湯システム11側の湯水の優先利用による省エネルギ化が促進される。
なお、実施の形態では、給湯器12の熱交換器72が冷えた状態にあるか否かの判断基準となる判定基準時間を、給水温度に応じて切り替えたが、外気温度、もしくは給水温度と外気温度との組み合わせに基づいて切り替えるようにしてもよい。
次に、ステップS109での給湯動作について詳述する。
ここで、給湯器12のバーナ73の燃焼をオンにした状態で行う給湯動作(出湯動作)をオン出湯動作、給湯器12のバーナ73の燃焼をオフにした状態で行う給湯動作(出湯動作)をオフ出湯動作と呼ぶものとする。また、設定温度+1℃より高い温度の湯が貯湯タンク14に十分あるにもかかわらず熱交換器72が冷えている場合に意図的に低温の湯水を給湯器12に供給して行うオン出湯動作を意図的なオン出湯動作と呼ぶものとする。ステップS109はオフ出湯動作である。
通常、オフ出湯動作では、設定温度に、混合弁17から給湯器12に至る間の接続配管16での温度低下分に相当する所定温度(たとえば、1℃)を加えた温度(定常供給温度とする)が、混合弁17の出温度(貯湯システム11から給湯器12へ供給する湯水の温度)に設定され、その温度が出湯中維持される。これに対し、本実施の形態に係る貯湯システム11では、貯湯システム11から給湯器12へ供給する湯水の温度を、オフ出湯動作の開始当初の所定量とそれ以後とで変更するようになっている。オフ出湯動作の開始当初に貯湯システム11から給湯器(補助熱源機)12へ供給する湯水の温度を初期供給温度、この初期供給温度の湯水をオフ出湯動作の開始当初に供給する供給量を初期供給量と呼ぶものとする。
補助助熱源機である給湯器12と、例えば配管距離で3m以内(水量で例えば2リットル以内)に貯湯タンク14を設置できていれば設定温度+1℃(定常供給温度)の湯を出し、3mを越えて例えば6m(水量で例えば4リットル)ある場合には、出湯開始から配管距離に見合う水量(初期供給量、6mの場合には例えば4リットル)が出湯されるまでの間は、設定温度+1℃よりさらに高い温度(初期供給温度)の湯を出し、その後、設定温度+1℃(定常供給温度)の湯を出すように制御する。
配管距離が何mであるかは、たとえば、ディップSW等で工事業者が入力設定する。出荷時のディップSWのデフォルト値を3mとし、3mを超える場合だけ工事業者がディップSWを変更する。設定値は、デフォルト値の3mのほか、4m、5m、6m以上、の中から選択される。ディップSWの示す値は、配管距離変更信号として制御ユニット60に入力される。
たとえば、給湯器12の最低加熱量(最低号数)が3.7号、リモコンの設定温度が40度の時に、熱交換器72が冷えた状態で11.25リットル/分の流量で出湯されると、貯湯システム11は貯湯タンク14に設定温度+1℃以上の湯が十分ある場合であっても、意図的なオン出湯動作を行わせるために、給湯器12の最低加熱量を確実に上回る、例えば4.5号で燃焼した場合に40℃の湯が出湯される30℃の湯を貯湯システム11側から給湯器12へ供給する。
すなわち、
4.5[号]=11.25[リットル/分]×(40[℃]−30[℃])/25[deg]より
貯湯システム11側から供給する湯の温度は、
30[℃]=リモコンの設定温度40[℃]−(4.5[号]×25[deg]/11.25[リットル/分])、となる。
利用者は一度出湯をすると短時間の間に湯の断続的使用を行う場合が多い。すなわち、意図的なオン出湯動作の後、短時間の間に行われる次の使用は、熱交換器72が冷えた状態でない場合の湯の使用になる。この時、貯湯タンク14から給湯器12に至る接続配管16内は30℃の湯で満たされている。
一方、先ほどの熱交換器が冷えた状態での意図的なオン出湯動作では、給湯器12において、たとえば、熱交換器72を通る給湯用水管72aでは設定温度より高い例えば50℃の湯が作られ、入水管71からバイパス管81を経て送り込まれた30℃の湯と交ぜて設定温度である40℃の湯を作り出すような制御(つまり、50℃の給湯用水管72a側と30℃のバイパス管81側の流量がそれぞれ5.625リットル、パイパス比1:1、となるような制御)が行われる。そして、出湯停止に伴い、給湯用水管72a内では熱交換器72に蓄積されている熱によって後沸きが生じ、例えば50℃の湯が65℃になる。
この状態、すなわち、熱交換器72が冷えた状態でない場合に利用者が出湯した場合には、給湯用水管72aからは、最初65℃の湯が出る。たとえば、給湯用水管72a側の65℃の湯の流量が3.214リットル/分となりバイパス管81側の30℃の湯の流量が8.036リットル/分となるようなバイパス調整弁82の制御が行われ、かつ給湯用水管72a内の容量が例えば0.5リットルとすると、65℃の湯は(0.5/3.214)×60=約9.3秒、に渡って給湯用水管72aから出る。
65℃の湯が給湯用水管72aから出終わる頃には、当初、貯湯タンク14から給湯器12に至る接続配管16内に満たされていた30℃の湯のうち、約1.744リットル(=11.25×9.3/60)、が使用される。この間は、バイパス調整弁82のバイパス比の制御により、設定温度40℃の湯が給湯器12から出湯される。
上記の約1.744リットルが使用された後は、設定温度が40℃であるにもかかわらず出湯温度が徐々に降下する。すなわち、給湯用水管72aに入った30℃の湯水が熱交換器72に蓄えられていた熱を吸い出すため、熱交換器72および給湯用水管72aから出てくる湯の温度が徐々に降下する。
しかし、貯湯システム11から給湯器12までの配管距離が例えば3m(水量で例えば2リットル)ならば、温度降下を初めてから約1.4秒後(≒(2−1.744)÷11.25×60)には、出湯開始時に接続配管16内に満たされていた30℃の湯を使い終わり、貯湯システム11側から設定温度+1℃の湯が給湯器12に到着(到着時には設定温度+0℃)するので、徐々に出湯温度は上昇して設定温度に近づく。つまり、貯湯システム11から給湯器12までの配管距離が3m程度であれば、ほぼ40℃の出湯を維持することができる。
ところが、貯湯システム11から給湯器12までの配管距離が3mを越えると、前述した温度の降下が大きすぎて、利用者が不快感を覚える場合が生じる。
そこで、本実施の形態に係る貯湯システム11では、3mを越えて配管をしなければならなかった場合には、意図的なオン出湯動作の後のオフ出湯動作において、例えばディップSW等で設定される配管距離変更信号が示す配管距離に基づいて、貯湯システム11側から供給する湯の温度を、出湯開始から所定量(初期供給量)の間は、それ以後の供給温度(定常供給温度)より所定温度上昇させた温度(初期供給温度)で出すように制御する。
給湯器12では、通常、熱交換器72の給湯用水管72aからは設定温度より熱い湯が供給され、バイパス管81からは設定温度より低い水が供給され、これらの混合比をバイパス調整弁82で調整して設定温度の湯を作るという制御が行われるが、貯湯システム11側から設定温度より所定温度上昇させた湯(初期供給温度の湯)が給湯器12に到着した後、しばらくの間は、給湯用水管72aからは設定温度より低い温度の湯が供給され、バイパス管81からは設定温度より高い温度の湯が供給され、これらの混合比をバイパス調整弁82で調整して設定温度の湯を作るという制御が給湯器12で行われる。これにより、配管距離が3mを越える場合であっても、設定温度より大きく低下した温度の湯が出なくなり、利用者の不快感を少しでも緩和することができる。
詳述すると、前回、貯湯システム11側から供給した湯の温度(例えば30℃)と、今回の設定温度(例えば40℃)と、配管距離(例えば6m、水量換算で4リットル)に基づき、この配管距離に見合う水量(初期供給量、6mの場合には例えば4リットル)だけ、設定温度+6℃(=温度低下分1℃+(今回の設定温度−前回貯湯システム11側から供給した湯の温度)/2)の湯(初期供給温度の湯)を出し、その後、設定温度+1℃(定常供給温度)の湯を出すようにする。
このときの出湯状況は次のようになる。すなわち、前述した配管距離3mの場合と同様に、後沸きにより、給湯用水管72a内にある65℃の湯が出終わるまでは、接続配管16側の30℃と混合されて40℃の湯が出湯され、この間に接続配管16内の30℃の湯が約1.744リットルが使用される。その後は、設定温度が40℃であるにもかかわらず温度が徐々に降下(熱交換器72に蓄えられた熱を給湯用水管72aが吸い出しながら温度が徐々に降下)する。温度降下を初めてから約12秒後(≒(4−1.744)÷11.25×60)には、出湯開始時に接続配管16内に満たされていた30℃の湯を使い終わり、貯湯システム11側から設定温度+6℃(途中の温度低下により、実際には45℃)の湯(初期供給温度の湯)が給湯器12に到着する。
しかし、熱交換器72に蓄えられていた熱の放出が行われる時間が、3mの場合の約1.4秒間に比べて、6mの場合の約12秒はあまりに長時間に及ぶので、その間に、熱交換器72に蓄えられていた熱が全て放出し終わり、供給される例えば30℃の湯がそのまま熱交換器72の給湯用水管72aから出るような状態になる。熱交換器72の熱が全て放出し終ると、熱交換器72自体が接続配管16内にあった湯と同じ温度(本例では30℃)になっている。
熱交換器72に蓄えられていた熱が全て放出し終わって、熱交換器72全体が例えば30℃になると、この熱交換器72は設定温度の40℃から見ると冷熱を蓄積していると見なすことができる。すなわち、熱交換器72に蓄えられた熱の放出とは、逆に言うと冷熱の蓄積となり、この冷熱蓄積を解消するのに、設定温度以上の湯を熱交換器72に供給する必要が生じる。なお、蓄えられていた熱の放出は上記のように配管距離が6m時に全て放出し終わるので、配管距離がそれ以上長くても(たとえば、9mであっても)、変わらない。
貯湯システム11側から設定温度+6℃(途中の温度低下により、実際には45℃)の湯が給湯器12に到着しても、その時点では給湯用水管72a内は30℃の湯水で満たされているので、給湯用水管72aから出る湯の温度は、最初、30℃である。しかし、バイパス管81からは設定温度40℃より高い45℃の湯が出るので、給湯用水管72aからは設定温度の40℃より低い30℃の湯を供給し、バイパス管81からは設定温度の40℃より高い45℃の湯を供給し、これらの混合比をバイパス調整弁82で調整して設定温度の湯を作るという制御により、急速に出湯温度は上昇して設定温度に近づく。
例えば、バイパス調整弁82によるバイパス比の限界が、給湯用水管側:バイパス管側=1:1、の場合には、30℃の給湯用水管72a側の流量が5.625リットル/分、45℃のバイパス管81側の流量が5.625リットル/分となるようにバイパス調整弁82が制御されて37.5℃の湯が出るようになる。
給湯用水管72a内の容量が例えば0.5リットルの場合、給湯用水管72a内にあった30℃の湯が出終わるまでに約5.3秒(0.5÷5.625×60)を要し、この間に、貯湯システム11側から供給される45℃、4リットルの湯(初期供給温度、初期供給量の湯)のうちの約1リットル(11.25÷60×5.3)が使用される。この間は設定温度よりやや低い37.5℃の湯(設定温度±3℃以内に収まる温度の湯)が給湯器12から出る。
ところで、既築住宅に貯湯システム11を導入する場合に、今まで使用されていた給湯器(例えば16号〜24号程度)を補助熱源機として使用する場合がある。既設の給湯器は冷たい給水が供給されることを前提にしているので大型の場合が多く、既設の給湯器が一缶二水型の場合、たとえば、熱交換器は銅製であって4〜5kg位の重量がある。銅の比熱0.09cal/g・Kとすると、熱交換器72の熱容量は、水量換算で約0.36〜0.45リットルの水に相当する。
前述した37.5℃で約1リットルの出湯後に給湯用水管72a内は、貯湯システム11側から46℃で出された湯(到達時45℃の湯)で満たされるが、30℃に冷え切った(冷熱蓄積した)熱交換器72(30℃で約0.36〜0.45リットルの水に相当)に熱を奪われるので、給湯用水管72aの出口に到達した時点では、約38℃位になる(38.7〜37.9≒((30×(0.36〜0.45)+45×0.5)÷((0.36〜0.45)+0.5))。
このように給湯用水管72aからは約38℃位の湯が出てくるので、給湯器12はバイパス調整弁82のバイパス比を、給湯用水管72a側を約7割、バイパス管81側を約3割となるように変化させ、設定温度である40℃の湯を作る。この給湯用水管72aからの約38℃位の湯を使用した出湯は約3.8秒(0.5÷(11.25÷60×0.7))に渡って行われ、貯湯タンクから出された45℃4リットル(正確には、すでに1リットル使用しているので残り3リットル)の水量のうち、約0.7リットル(11.25÷60×3.8)が使用される。
この40℃約0.7リットルの出湯後も給湯用水管72a内は、貯湯システム11側から46℃で出された湯(到達時45℃の湯)で満たされているが、この時点で熱交換器72は約38℃位になっているので、先ほどと同様に、熱交換器72(38℃で約0.36〜0.45リットルの水に相当)に熱を奪われ・・・のごとく、なかなか設定温度の湯が出ないうちに、貯湯システム11側から46℃で出された4リットルの湯(到達時45℃)の約半分を使い切ってしまう。この頃、熱交換器72の温度はほぼ設定温度の40℃になる。到達時45℃の4リットルの湯の後半を消費する期間では、設定温度よりやや高めの温度(例えば45℃以下、配管放熱を加味すると例えば44℃以下)の出湯が行われる。
ところで、例えば3mの配管の場合、配管を通る間に1℃下がると考えて、貯湯システム11からの出温度を設定温度+1℃にしている。しかし、配管の長さが2倍の6mになっても、配管で2℃下がるわけではなく、例えば1.3℃の低下になる。すなわち、放熱の良い金属部分は配管長が3mでも6mでも共通なので、放熱し難いい配管の部分が長くなっても影響は少なく、温度降下は配管距離に単純に比例しない。
しかし、接続配管16内に30℃の湯が滞留している間に配管自体も30℃になる。すなわち、熱交換器72の冷熱蓄積とおなじように配管自体も冷熱を蓄積するため、貯湯システム11側から46℃で出されても給湯器12に届く湯温は例えば44℃となる。これまでの説明では到達時45℃としていたが、配管の冷熱蓄積を考慮して44℃に低下するとして計算すると、熱交換器72の温度がほぼ設定温度の40℃になるまでに、4リットルのうちの前半の2リットルよりもさらにもう少し多くの流量が必要になる。しかし、4リットルまでは必要なく、
後半には出湯温度が設定温度より上昇する。
また、既設の給湯器の中には、オフ出湯動作中はバイパス調整弁が動かない機種や、バイパス調整弁自体が無くバイパス比が固定の機種が存在し得る。このような機種の場合、例えば最初から少し熱めの湯が出る場合があり、そのときは、出湯当初の46℃(到着時44℃)の湯の供給量を4リットルにしても、熱交換器の冷熱蓄積を解消するに至らず、供給量が不足する。この場合、4リットルの後半になっても出湯温度が設定温度よりある程度低くなる。
上述のように、組み合わせる給湯器のタイプによって出湯特性が異なるので、既設の様々な給湯器に対応可能とする意味で、配管長6mの場合の初期供給量を4リットルとし、初期供給温度を設定温度+6℃(=温度低下分1℃+(今回の設定温度−前回貯湯システム11側から出した出湯温度)/2)としている。
また、熱交換器72が設定温度に昇温した後も設定温度+5℃(到着時)の湯を供給し続けると、バイパス調整弁82を制御しても設定温度+5℃の湯が出てしまう。そこで、熱交換器72に蓄えられた熱の放出に関係する配管距離に見合う水量(初期供給量、6mの場合には例えば4リットル)だけ設定温度+6℃(=温度低下分1℃+(今回の設定温度−前回貯湯システム11側から出した出湯温度)/2)の湯(初期供給温度の湯)を出湯開始当初に貯湯システム11から出し、その後は設定温度+1℃(定常供給温度)の湯を出すようにする。
なお、熱交換器が冷えた状態での意図的なオン出湯動作の後にすぐに湯を使用する(オフ出湯動作を行う)場合には、後沸きを考慮して、配管長を6mから3mを減じたり(流量換算で4リットル−2リットル)、前述の約1.744リットルを減じたり(4リットル−1.744リットル)しても良い。また熱交換器が冷えた状態での意図的なオン出湯動作の終了から次のオフ出湯動作が開始されるまでの経過時間に応じて上記減じる値を少なくしても良い。なお、オフ出湯動作後のオフ出湯動作による出湯の場合には後沸きは生じないので、減じる値は0としても良い。
ところで、既設の給湯器を補助熱源機に再利用するがゆえに、オフ出湯動作時にバイパス調整弁82が上記のような動きをしてくれない場合がある。すなわち、給湯用水管72aから設定温度より低い湯が供給され、バイパス管81から設定温度より高い温度の湯が供給される場合に、これらの混合比をバイパス調整弁82で調整して設定温度の湯を作るという制御が行われない場合がある。
しかし、前述した約1.744リットルに相当する後沸きを使用した出湯後、設定温度が40℃であるにもかかわらず出湯される湯の温度が徐々に降下する点は同じである。この温度降下の程度が、熱交換器72に蓄えられた熱の放出に関係する配管距離に見合う水量と関連する点も同じであり、たとえバイパス調整弁82が上記のような動きをしてくれない場合であっても、熱交換器72に蓄えられた熱の放出に関係する配管距離に見合う水量(初期供給量)だけ設定温度を高めた湯(初期供給温度の湯)を出し、その後、設定温度+1℃(定常供給温度)の湯を出すようにすることで、利用者の不快感を少しでも緩和することができる。
なお、後沸きを考慮して、熱交換器が冷えた状態での意図的なオン出湯動作の後、すぐに湯を使用する(オフ出湯動作を行う)場合に流量換算を減じる点、また熱交換器が冷えた状態での意図的なオン出湯動作の終了からオフ出湯動作が開始されるまでの経過時間に応じて上記減じる値を少なくする点の利点も同じであり、またオフ出湯動作後のオフ出湯動作による出湯の場合は後沸きが生じないので減じる値を0とする点も同じなので、バイパス調整弁82が上記のような動きをしてくれる、くれないにかかわらず、前回貯湯システム11側から出した出湯温度と、今回の設定温度と、配管距離(配管距離変更信号)に基づいて、配管距離に見合う水量(初期供給量)だけ設定温度より高めの湯(初期供給温度の湯)を出し、その後、設定温度より配管での温度低下分だけ高めた温度(定常供給温度)の湯を出すようにする制御は有効である。
次に、オフ出湯動作に係る処理を図9の流れ図に基づいて説明する。
まず、前回の出湯で貯湯システム11から給湯器12へ供給した湯水の温度(前回供給温度)と今回の設定温度とを比較する(ステップS201)。前回供給温度が今回の設定温度より低い場合は(ステップS201;Yes)、初期供給温度Tiを、Ti=設定温度+1℃+(設定温度―前回供給温度)÷2、にて算出する(ステップS202)。
次に、接続配管16の長さLsをディップSWからの配管距離変更信号により取得する(ステップS203)。また、前回の出湯がオン出湯動作であったか否かを調べ、オン出湯動作であれば(ステップS204;Yes)、ステップS203で取得した配管長Lsから、後沸き分に相当する長さを減じて冷却関連配管長Lcを求め(ステップS205)、ステップS207へ移行する。たとえば、配管長Lsから単純に所定長(たとえば3m)を減じた値を冷却関連配管長Lcとする、あるいは、前回の出湯終了からの経過時間が短いほど減じる値が大きくなるようにして冷却関連配管長Lcを求める。なお、冷却関連配管長Lcは、給湯器12の熱交換器の温度を設定温度より低下させる分の水量に対応する配管長である。
前回の出湯がオン出湯動作でない場合は(ステップS204;No)、ステップS203で得た配管長Lsをそのまま冷却関連配管長Lcに設定して(ステップS206)、ステップS207へ移行する。
ステップS207では、冷却関連配管長Lcを、出湯当初の初期供給温度の湯の供給量である初期供給量Viに換算する。
その後、混合弁17の出温度が初期供給温度Tiになるように混合弁17の混合比を設定する(ステップS208)。給湯器12で出湯が開始されたら、出湯開始からの流量を積算し、初期供給量Viだけの出湯が行われたか否かを監視する(ステップS209)。初期供給量Viの出湯が行われる前に出湯が停止された場合は(ステップS209;No、S210;Yes)、本処理を終了する。
初期供給量Viの出湯が行われたら(ステップS209;Yes)、混合弁17の混合比を出温度が設定温度+1℃になるように変更する(ステップS211)。その後は、該温度を維持し、出湯が停止したら(ステップS212;Yes)本処理を終了する。
前回供給温度が今回の設定温度より低くない場合は(ステップS201;No)、当初から、混合弁17の混合比を出温度が設定温度+1℃になるように設定し(ステップS211)、該温度での湯水の供給を出湯停止まで継続する(ステップS212)。
図9に示す処理では、前回供給温度が今回の設定温度より低くない場合に、出湯開始から設定温度+1℃を供給するようにしたが、前回供給温度が今回の設定温度より高い場合に、出湯開始から所定量は、設定温度+1℃より低い温度の湯を給湯器12へ供給するように構成されてもよい。すなわち、前回供給温度が今回の設定温度より高い場合には、今回の出湯開始時点で接続配管16の中に今回の設定温度より高い温度の湯が停留している。出湯開始後は、この湯によって給湯器12の熱交換器が今回の設定温度より高い温度へ昇温され蓄熱される。そのため、設定温度+1℃の湯を供給すると、設定温度より高い温度の湯が出湯され、なかなか設定温度に下がらない。
そこで、出湯開始当初から所定量は設定温度より低い温度の湯を貯湯システム11から給湯器12へ供給し、その後、設定温度+1℃の湯を供給する。給湯器12に設定温度より低い温度の湯が到達すると、熱交換器@72の給湯用水管72aから出てくる設定温度より高い温度の湯とバイパス管81から出てくる設定温度より低い温度の湯とが混合されて設定温度の湯が出湯される。この出湯を継続するうちに、熱交換器72の温度は次第に低下する。設定温度より低い温度の湯が終了して設定温度+1℃の湯が給湯器12に到達する頃には、熱交換器72はほぼ設定温度まで下がり、以後は、設定温度の出湯が行われる。
以上、本発明の実施の形態を図面によって説明してきたが、具体的な構成は実施の形態に示したものに限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
実施の形態では、補助熱源機を、バーナ73を燃焼させるタイプの給湯器12としたが、これに限定されるものではない。冷えた状態では放熱器となってしまうような熱交換器で湯水を加熱する方式の補助熱源機であれば、本発明の適用が有用となる。
また、実施の形態では、判定基準時間を8分30秒と17分の2段階に切り替えたが、給水温度や外気温度に応じてより多段階に切り替えてもよいし、連続的(無段階)に変更するように構成されてもよい。
実施の形態では貯湯タンク14内の水を太陽熱の集熱装置21を利用して加熱したが、貯湯タンク14内の水を加熱する加熱装置は、これに限定されるものではなく、たとえば、発電機の排熱などを利用するものなど、任意でよい。
また、実施の形態では、既設の給湯器の流用を想定した貯湯システム11としたが、貯湯システム11が専用の給湯器12を含むようにしてもよい。この場合、給湯器12の最低加熱量などの特性を熟知できるため、その給湯器12の特性に合わせて混合比の調整等を行えばよい。
なお、実施の形態では、給湯器12を一缶二水路型としたが風呂の追い焚きと給湯とを別々の熱交換器で行う給湯器であってもかまわない。
給湯器12は、最低加熱量以下の加熱動作はできないので、最低加熱量の加熱を行った場合に出湯温度が設定温度を超える場合はバーナ73を燃焼させないようにしたが、例えば、浴槽への湯張り時には燃焼させないようにするが、シャワーや給湯使用時には燃焼させるようにしても良い。なぜならば、浴槽には「どぼん」と入る人がいる(熱い湯をよけるのに時間がかかる)のに対し、シャワーや給湯使用時にはシャワーをよけたり、手をどかせば熱い湯をよけることができるからである。さらにシャワーを浴びる温度は例えば45度以下と考えられるので、浴槽への湯張り時には所定温度以下の給湯使用時には燃焼させないようにするが、所定温度以上の給湯使用時には燃焼させるようにしても良い。
実施の形態では、初期供給温度Tiを、Ti=設定温度+1℃+(設定温度−前回供給温度)÷2、にて算出したが、これに限定されるものではない。たとえば、給湯器12のバイパス比が固定の場合はそのバイパス比に応じた温度にすればよく、給湯用水管側:バイパス管側=a:bならば、Ti=設定温度+1℃+(設定温度−前回供給温度)×(a/a+b)、などとすることができる。
初期供給量は、給湯器12のタイプが分かる場合は、それに合わせて変更してもよい。たとえば、給湯器12の熱交換器72の熱容量やバイパス比の上限、固定バイパス比などが分かる場合は、これらに見合った初期供給量を設定すればよい。