ところで、太陽熱や燃料電池等の排熱を主熱源として加熱した湯を貯湯タンク内に貯留することで蓄熱し、この貯湯タンクに対し、貯湯タンク内の湯水が低温である場合に補助加熱するための補助熱源機として給湯器を組み合わせて貯湯給湯システムを構成する場合、貯湯タンクや湯水混合のための設備に給湯器をまとめてユニット化して一体型に構成したり、一体型に組み込まなくても貯湯タンクや給湯器等を組み合わせて配置したりすることが行われている。これらの場合には、配管長も例えば数メートルとそれほど長くなることはなく、考慮すべき配管容量もそれほど大きくなることもない。
しかしながら、近年、特に住宅に既に設置されている給湯器を、前記貯湯給湯システムの補助熱源機として活用しようとする試みがなされ、この場合、給湯器とは分離して、貯湯タンクや湯水混合のための設備を一体にした、いわゆる熱源分離型のタンクユニットを構成し、このタンクユニットを住宅に設置して既設の給湯器に組み合わせることになる。このケースでは、タンクユニットから給湯器まで貯湯タンクからの湯水を供給するための接続配管を設置する必要があり、配管長やその配管容量は飛躍的に長大化(例えば配管長10m以上)することになる。
そして、設置したタンクユニットと、一旦水抜きした前記の既設の給湯器とを接続配管を介して接続した後、試運転制御としてタンクユニット側の貯湯タンクや配管内の水張り制御を実行させた上で、供用を開始させることが考えられている。ところが、供用開始後の最初の給湯使用の際には、前記の接続配管や給湯器内等は水張りされて空気が存在するため、タンクユニットからの湯水が給湯器内に到達するまでの間は空焚き状態になってしまうという不都合発生が考えられる。すなわち、給湯器自体が備えている独自の給湯制御によって最低作動流量が検出されれば燃焼が開始される一方、通常は羽根車を用いた流量センサにより流量検出が行われているため、水ではなくて空気の流れでも最低作動流量が検出されてしまう結果、空焚き状態が発生するおそれが考えられる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、熱源分離型のタンクユニットと、補助熱源機としての給湯器とを接続配管で互いに接続して組み合わせた貯湯給湯システムにおいて、供用開始時における給湯器の空焚き発生を予め防止し得る貯湯給湯システムを提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の発明では、貯湯タンクを有するタンクユニットと、このタンクユニットから湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、前記タンクユニットからの湯水が前記補助熱源機を介して給湯栓に出湯されるように構成された貯湯給湯システムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記タンクユニットとして、前記貯湯タンクを含むタンクユニット側の水張り運転が完了した後、前記接続配管及び補助熱源機内のエア抜き運転制御を行うための制御手段を備えることとする。そして、前記制御手段として、前記補助熱源機による燃焼作動を禁止するための指令を前記補助熱源機に出力し、前記給湯栓の開栓に伴い少なくとも前記接続配管の配管容量分の所定量の水が前記タンクユニットから補助熱源機側に供給された後に、前記燃焼作動禁止を解除する解除指令を前記補助熱源機に出力する構成とする(請求項1)。
この第1の発明の場合、給湯栓の開栓に伴い少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されるため、少なくとも接続配管内の空気を押し出して水で置換させることが可能となる。しかも、この水の供給期間中は補助熱源機の燃焼作動が禁止されるため、水が供給されて補助熱源機が最低作動流量以上を検出したとしても、燃焼作動されることはない。これにより、空焚き状態が発生することはなく、空焚き状態の発生を確実に阻止することが可能となる。そして、水の供給期間後は燃焼作動の禁止が解除されるため、給湯要求が生じれば、燃焼作動されて通常の給湯使用が可能となる。
又、第2の発明では、貯湯タンクを有するタンクユニットと、このタンクユニットから湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、タンクユニットからの湯水が前記補助熱源機を介して給湯栓に出湯又は浴槽に注湯されるように構成された貯湯給湯システムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記タンクユニットとして、前記貯湯タンクを含むタンクユニット側の水張り運転が完了した後、前記接続配管及び補助熱源機内のエア抜き運転を行う制御手段を備える一方、前記補助熱源機として、浴槽への注湯を開閉切換するための注湯電磁弁と、この注湯電磁弁を開変換制御して非燃焼のまま浴槽にたし水するためのたし水運転制御部とを備えるものとする。そして、前記制御手段として、前記たし水運転制御部によるたし水運転制御の開始指令を前記補助熱源機に対し出力し、少なくとも前記接続配管の配管容量分の所定量の水を前記補助熱源機側に供給した上で、前記たし水運転制御部によるたし水運転制御の終了指令を前記補助熱源機に対し出力する構成とした(請求項2)。
この第2の発明の場合、タンクユニットの制御手段から補助熱源機のたし水運転制御の開始指令が出力されて注湯電磁弁が開変換制御されると、少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されて浴槽側に注水されることになる。このため、少なくとも接続配管内の空気を押し出して水で置換させることが可能となる。しかも、たし水運転制御であるため、この水の供給期間中、補助熱源機は非燃焼状態になるため、空焚き状態の発生を確実に阻止した状態でエア抜きが可能となる。加えて、補助熱源機の有する独自機能であるたし水運転制御部による自動処理によって、エア抜きを実現させることが可能となり、給湯栓の開栓等の手動作業を省略することが可能となる。
第3の発明では、貯湯タンクを有するタンクユニットと、このタンクユニットから湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、タンクユニットからの湯水が前記補助熱源機を介して給湯栓に出湯又は浴槽に注湯されるように構成された貯湯給湯システムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記タンクユニットとして、前記貯湯タンクを含むタンクユニット側の水張り運転が完了した後、前記接続配管及び補助熱源機内のエア抜き運転を行う制御手段を備える一方、前記補助熱源機として、浴槽への注湯を開閉切換するための注湯電磁弁と、この注湯電磁弁を開変換制御して燃焼作動することにより浴槽にたし湯するためのたし湯運転制御部とを備えるものとする。そして、前記制御手段として、前記補助熱源機に対し燃焼を禁止するための燃焼禁止指令を出力した上で、前記たし湯運転制御部によるたし湯運転制御の開始指令を前記補助熱源機に対し出力し、少なくとも前記接続配管の配管容量分の所定量の水を前記補助熱源機側に供給した上で、前記たし湯運転制御部によるたし湯運転制御の終了指令と、燃焼禁止指令を解除するための解除指令とを前記補助熱源機に対し出力する構成とした(請求項3)。
この第3の発明の場合、タンクユニットの制御手段から補助熱源機のたし湯運転制御の開始指令が出力されて注湯電磁弁が開変換制御されると、少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されて浴槽側に注水されることになる。このため、少なくとも接続配管内の空気を押し出して水で置換させることが可能となる。しかも、たし湯運転制御の終了指令が出力されるまでの期間は、補助熱源機の燃焼作動が禁止されるため、水が供給されて補助熱源機が最低作動流量以上を検出したとしても、燃焼作動されることはない。これにより、空焚き状態の発生を確実に阻止した状態でエア抜きが可能となる。加えて、補助熱源機の有する独自機能であるたし湯運転制御部による自動処理によって、エア抜きを実現させることが可能となり、給湯栓の開栓等の手動作業を省略することが可能となる。
第4の発明では、貯湯タンクを有するタンクユニットと、このタンクユニットから湯水が接続配管を通して供給される補助熱源機とを備え、タンクユニットからの湯水が前記補助熱源機を介して給湯栓に出湯又は浴槽に注湯されるように構成された貯湯給湯システムを対象にして次の特定事項を備えることとした。すなわち、前記タンクユニットとして、前記貯湯タンクを含むタンクユニット側の水張り運転とともに、前記接続配管及び補助熱源機内のエア抜き運転を行う制御手段を備える一方、前記補助熱源機は、浴槽への注湯を開閉切換するための注湯電磁弁を備えることとする。そして、前記制御手段として、前記補助熱源機に対し燃焼を禁止するための燃焼禁止指令を出力した上で、前記注湯電磁弁を開変換制御するための指令を前記補助熱源機に対し出力し、少なくとも前記接続配管の配管容量分の所定量の水を前記補助熱源機側に供給した上で、前記注湯電磁弁に対し閉変換制御するための指令と、燃焼禁止指令を解除するための解除指令とを前記補助熱源機に対し出力する構成とする(請求項4)。
この第4の発明の場合、タンクユニットの制御手段から補助熱源機の注湯電磁弁の開変換制御指令が出力されると、注湯電磁弁が開変換されて、少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されて浴槽側に注水されることになる。このため、少なくとも接続配管内の空気を押し出して水で置換させることが可能となる。しかも、この注水期間は、補助熱源機の燃焼作動が禁止されるため、水が供給されて補助熱源機が最低作動流量以上を検出したとしても、燃焼作動されることはない。これにより、空焚き状態の発生を確実に阻止した状態でエア抜きが可能となる。加えて、補助熱源機の注湯電磁弁をタンクユニットからの制御指令によって開変換させるようにしているため、給湯栓の開栓等の手動作業を省略して、自動処理によって、エア抜きを実現させることが可能となる。
以上の第1〜第4のいずれかの貯湯給湯システムにおいて、前記タンクユニットが、前記貯湯タンクからの湯水を接続配管に対し供給するための給湯路に通過流量を検出するための給湯流量センサを備えるものとし、前記制御手段として、前記補助熱源機に対し所定量の水が供給されたか否かを、前記給湯流量センサの検出流量に基づいて判定・検知する構成とすることができる(請求項5)。例えば検出流量を積算することで、通過水の量を把握することが可能となる。このようにすることにより、第1〜第4のいずれかの貯湯給湯システムにおけるエア抜きを確実に実現させることが可能となる。
又は、以上の第1〜第4のいずれかの貯湯給湯システムにおいて、前記補助熱源機が、前記タンクユニットから接続配管を通して供給される湯水の入水流量を検出するための入水流量センサを備えるものとし、前記制御手段として、前記補助熱源機に対し所定量の水が供給されたか否かを、前記補助熱源機から通信により取得される前記入水流量センサの検出流量に基づいて判定・検知する構成とすることができる(請求項6)。このようにすることにより、第1〜第4のいずれかの貯湯給湯システムにおけるエア抜きを確実に実現させることが可能となる上に、タンクユニット側に対する給湯流量センサの設置を省略することも可能となる。
以上、説明したように、第1の発明の貯湯給湯システムによれば、給湯栓の開栓に伴い少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されるため、少なくとも接続配管内の空気を押し出して水で置換させることができる。しかも、この水の供給期間中は補助熱源機の燃焼作動が禁止されるため、水が供給されて補助熱源機が最低作動流量以上を検出したとしても、非燃焼状態に維持することができる。これにより、空焚き状態の発生を確実に阻止しつつ、エア抜きを実現させることができる。そして、水の供給期間後は燃焼作動の禁止が解除されるため、給湯要求が生じれば、燃焼作動されて通常の給湯使用を行うことができるようになる。
第2の発明の貯湯給湯システムによれば、タンクユニットの制御手段から補助熱源機のたし水運転制御の開始指令が出力されて注湯電磁弁が開変換制御されると、少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されて浴槽側に注水することができ、このため、接続配管内の空気を押し出して水で置換させることができるようになる。しかも、たし水運転制御であるため、この水の供給期間中、補助熱源機を非燃焼状態に維持することができ、空焚き状態の発生を確実に阻止した状態でエア抜きを行うことができる。加えて、補助熱源機の有する独自機能であるたし水運転制御部による自動処理によって、エア抜きを実現させることができ、給湯栓の開栓等の手動作業を省略することができる。
第3の発明の貯湯給湯システムによれば、タンクユニットの制御手段から補助熱源機のたし湯運転制御の開始指令が出力されて注湯電磁弁が開変換制御されると、少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されて浴槽側に注水することができ、このため、接続配管内の空気を押し出して水で置換させることができるようになる。しかも、たし湯運転制御の終了指令が出力されるまでの期間は、補助熱源機の燃焼作動が禁止されるため、水が供給されて補助熱源機が最低作動流量以上を検出したとしても、燃焼作動されることはなく非燃焼状態に維持することができる。これにより、空焚き状態の発生を確実に阻止した状態でエア抜きを行うことができる。加えて、補助熱源機の有する独自機能であるたし湯運転制御部による自動処理によって、エア抜きを実現させることができ、給湯栓の開栓等の手動作業を省略することができる。
第4の発明の貯湯給湯システムによれば、タンクユニットの制御手段から補助熱源機の注湯電磁弁の開変換制御指令が出力されると、注湯電磁弁が開変換されて、少なくとも接続配管の配管容量分の所定量の水がタンクユニットから補助熱源機側に供給されて浴槽側に注水することができる。このため、接続配管内の空気を押し出して水で置換させることができるようになる。しかも、この注水期間は、補助熱源機の燃焼作動が禁止されるため、水が供給されて補助熱源機が最低作動流量以上を検出したとしても、非燃焼状態に維持することができる。これにより、空焚き状態の発生を確実に阻止した状態でエア抜きを行うことができる。加えて、補助熱源機の注湯電磁弁をタンクユニットからの制御指令によって開変換させるようにしているため、給湯栓の開栓等の手動作業を省略して、自動処理によって、エア抜きを実現させることができるようになる。
請求項5によれば、以上の第1〜第4のいずれかの貯湯給湯システムにおけるエア抜きを確実に実現させることができる。
請求項6によれば、以上の第1〜第4のいずれかの貯湯給湯システムにおけるエア抜きを確実に実現させることができる上に、タンクユニット側に対する給湯流量センサの設置を省略することができるようになる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る貯湯給湯システムを模式的に示したものである。この貯湯給湯システムは、主熱源装置1と、貯湯タンク21を含み貯湯給湯システムの主機能部分がユニット化されたタンクユニット2と、補助熱源機3とを組み合わせたものである。そして、タンクユニット2は、主熱源装置1によって加熱された湯を貯湯する貯湯タンク21と、貯湯タンク21内の湯水を底部から取り出して頂部に戻す間に前記主熱源装置1によって加熱するための蓄熱循環回路22と、外部から水道水等を給水する給水回路23と、貯湯タンク21から供給される湯を用いて給湯栓Kに給湯する給湯回路24と、給湯回路24からの高温出湯を回避するための高温回避部25と、タンクユニット2の水張り運転のための排水路26と、補助熱源機3に対する制御指令を含みタンクユニット2の作動制御を行うマイコン等からなるタンクコントローラ5とを備えている。つまり、タンクユニット2として、前記の各構成要素が1つのハウジング内に内蔵されてユニット化した装置として構成されている。
主熱源装置1としては、燃料電池(例えばSOFC;固体酸化物型燃料電池)やガスエンジン等の作動に伴い発生する排熱を用いるもの、ヒートポンプを用いるもの、集熱パネルにより集熱した太陽熱を用いるもの等の適宜の熱源を採用することができる。又、熱源の利用手法としては、前記の燃料電池等の外部の主熱源装置に貯湯タンク内の水を循環させつつ加熱する手法の他に、外部の主熱源装置により加熱した熱媒を貯湯タンク内の熱交換器に導き、この熱交換器により貯湯タンク内の水を加熱する手法を採用することができる。さらに、貯湯タンク21の内外に付設した電気ヒーター等を主熱源装置として用いることもできる。図例では、主熱源装置1として燃料電池の排熱を利用するものを示している。すなわち、主熱源装置1として、図示省略のガス供給系から供給されるガスを燃料として発電する燃料電池11と、燃料電池11から発生する排熱を熱源として供給される排熱回収用熱交換器12とを備え、蓄熱循環回路22により供給される貯湯タンク21の底部からの湯水が熱交換加熱対象として前記排熱回収用熱交換器12に供給されるようになっている。なお、符号10は燃料電池11の作動制御を行う燃料電池コントローラである。
補助熱源機3は、バックアップ給湯器として機能するものであり、新設の給湯器を用いたり、あるいは、貯湯給湯システムの設置対象の住宅に既に設置されている給湯器を活用したりして組み合わされる。かかる補助熱源機3は、タンクユニット2の後述の湯水混合部27から供給される湯水の給湯温度が設定給湯温度に満たない場合には、補助熱源機3によって設定給湯温度にまで補助加熱できるように構成されている。かかる補助熱源機3は、後述の接続配管41の下流端が接続された入水接続口311から入水した湯水が入水路31を通して熱交換器32に導かれ、主として燃焼バーナ33の燃焼熱との熱交換により加熱された湯水が出湯路34に出湯され、出湯接続口341から給湯配管42を通して給湯栓K等に給湯されるようになっている。あるいは、注湯電磁弁431を開制御すれば、出湯路34に出湯された湯水が注湯接続口342及び注湯路43を通して浴槽44に注湯可能となっている。熱交換器32は、燃焼バーナ33の燃焼ガスの有する顕熱との熱交換を行う熱交換器と、この熱交換器を通過した後の排ガスから潜熱を回収するための熱交換器との2種類を備えて構成されている。入水路31には入水温度センサ35や入水流量センサ36が介装され、出湯路34には出湯温度センサ37が介装されている。この補助熱源機3はその作動制御のために独自の給湯器コントローラ6を備えており、この給湯器コントローラ6はタンクコントローラ5と相互に通信し得るように接続されている。給湯器コントローラ6は燃焼バーナ33の燃焼制御を主とする給湯制御部を備えており、この給湯制御部により独自の作動制御を実行する一方、タンクコントローラ5からの各種指令の出力や情報の出力を通信により受け、これらの指令出力に基づき運転スイッチのON・OFF切換、独自の作動制御のON・OFF切換等の他に、独自の作動制御の制限が可能となっている。給湯制御部は、ユーザーにより給湯栓Kが開かれることにより入水流量センサ36が最低作動流量(MOQ)以上の流量を検出すれば、燃焼バーナ33の燃焼を開始して入水される湯水を設定給湯温度まで加熱して給湯栓Kに給湯する他、後述の如く、タンクユニット5から燃焼禁止指令の出力を受けると、たとえMOQ以上の流量を検出していたとしても、燃焼禁止の解除指令が出力されるまで燃焼停止状態を維持するようになっている。
以下、タンクユニット2の構成について詳細に説明すると、貯湯タンク21は密閉式に構成されている。貯湯タンク21の側部には少なくとも頂部位置を含む高さ方向の複数箇所に配設された複数の温度センサからなる残湯水量センサ211が設けられ、この残湯水量センサ211により各高さ位置における貯湯の湯温を検出できるように構成されており、これにより、貯湯タンク21内の上部側から貯湯される所定温度以上(例えば65℃以上)の高温湯の残湯量を検出できるようになっている。
蓄熱循環回路22は、蓄熱用循環ポンプ221が作動されると、貯湯タンク21の底部から貯湯タンク21内の比較的低温の湯水を取り出し、主熱源装置1を通過することにより加熱された湯水を貯湯タンク21の頂部に戻すことになるように配設されている。そして、タンクコントローラ5の蓄熱運転制御部により蓄熱運転制御が開始されると、蓄熱用循環ポンプ221が作動され、これにより、貯湯タンク21の底部から取り出された湯水が、排熱回収用熱交換器12において燃料電池11からの排熱により熱交換加熱され、熱交換加熱後の湯水が貯湯タンク21の頂部に戻されて、貯湯タンク21内で温度成層を形成しつつ所定温度(例えば65℃以上)の湯として蓄熱されることになる。なお、貯湯タンク21と主熱源装置1との間の蓄熱循環回路22には、三方切換弁222を介したバイパス路223が設けられており、主熱源装置1の作動開始直後に主熱源装置1から供給される比較的低温の湯を、流路切換した三方切換弁222及びバイパス路223を通して主熱源装置1に循環させて、貯湯タンク21の頂部には戻さないようにし得るようになっている。
給水回路23は、その上流端が外部の水道管等に接続され、主給水路231と混水用給水路232とに分岐されている。主給水路231は、下流端が貯湯タンク21の底部に 接続されており、貯湯タンク21内の湯が頂部から出湯されるに伴い貯湯タンク21の底部に対し水道水が給水されるように構成されている。混水用給水路232の下流端は、後述の湯水混合部27の混合制御弁271の水側流入口に対し給水可能に接続されている。なお、主給水路231と混水用給水路232との分岐部よりも上流側位置の給水回路23には、給水温度センサ230や、例えば図示省略の減圧弁,逆止弁等が設けられている。
給湯回路24は、上流端が貯湯タンク21の頂部に接続されて下流端側がタンクユニット2の接続口201に接続された給湯路241を備え、この給湯路241には、混合制御弁271を有する湯水混合部27と、湯水混合部27の下流側位置に配設された給湯温度センサ243及び給湯流量センサ244と、湯水混合部27の上流側位置に配設されて貯湯タンク21から出湯されて混合制御弁271のタンク側流入口に流入する湯温を検出する貯湯温度センサ245とを備えている。湯水混合部27では、給湯路241の上流側から供給されてタンク側流入口から流入する湯と、混水用給水路232から供給されて水側流入口から流入する給水とを所定の混合割合で混水させることにより、ユーザーがリモコン51等に設定した設定給湯温度に温調した上で、補助熱源機3及び給湯栓Kの側に給湯するものである。このような湯水混合部27での混水制御はタンクコントローラ5のタンク給湯運転制御部により実行されるようになっている。具体的には、前記の給湯温度センサ243により検出された温調後の給湯温度がタンクコントローラ5に出力され、この給湯温度センサ243からの出力に基づいて混合制御弁271のタンク側流入口及び水側流入口の両開度がタンク給湯運転制御部によりフィードバック制御される。
なお、図例では、前記の湯水混合部27を混合制御弁271により構成したものを示しているが、これに限らず、湯水混合部を挟んで設けた湯側流量調整弁及び水側流量調整弁の2つの流量調整弁によって湯水混合部を構成することができる。
そして、前記の接続口201と、補助熱源機3の入水接続口311との両者間が接続配管41で互いに接続され、この接続配管41を通してタンクユニット2から給湯される湯水が補助熱源機3の入水路31に入水し、熱交換器32を通って、最終的に給湯栓Kまで給湯されることになる。接続配管41は屋内に敷設されることが好ましいが、屋外に敷設することができ、その長さ(配管長)も例えば10mを超えるものとすることができる。以上の給湯路241、接続配管41、入水路31、出湯路34及び給湯配管42によって、貯湯タンク21から給湯栓Kまでの給湯のための流路が構成され、本実施形態の貯湯給湯システムは補助熱源機3が前記給湯のための流路であって湯水混合部27よりも下流側位置の流路に介装されている。
また、混水用給水路232と湯水混合部27の下流側の給湯路241とを接続するバイパス流路251と、このバイパス流路251を開閉する電磁開閉弁からなる高温回避弁252とからなる高温回避部25が設けられており、常時は閉状態に維持される高温回避弁252がタンクコントローラ5により開切換制御されて湯水混合部27からの給湯に対し高温出湯回避に十分な量の水を供給して混水することができるようになっている。
さらに、給湯流量センサ244の下流側位置であって接続口201との間の給湯路241から排水路26が分岐され、排水電磁弁261が開制御されることで、給湯路241の湯水が機外に排水可能となっている。
以上の貯湯給湯システムは、リモコン51からの設定給湯温度等の入力設定信号や操作信号の出力や、種々の温度センサや水量センサ等からの検出信号の出力を受けて、タンクコントローラ5により設置後の試運転制御を含み総合的に作動制御されるようになっている。なお、タンクコントローラ5,給湯器コントローラ6及び燃料電池コントローラ10は、それぞれ、CPU、書き換え可能メモリや入出力インタフェース等を備えるマイコンによって主構成されており、メモリに記憶されたプログラム及び各種データに基づいて前記の各種の作動制御を行うようになっている。以下、本発明の特徴的なタンクユニット2の設置後における補助熱源機3側のエア抜き制御について詳細に説明する。なお、以下で説明するタンクユニット2側を対象にする水張り制御と、補助熱源機3側を対象にするエア抜き制御とを供用開始前の試運転制御として実行させてもよいし、あるいは、試運転制御として前記水張り制御を実行した後に、別途、前記エア抜き制御を供用開始初期に実行させても、いずれでもよい。
まず、水張り制御の一例について、図2を参照しつつ簡単に説明すると、まず、混合制御弁271の水側流入口の開度を全開(タンク側流入口を全閉)にし、排水電磁弁261を開変換制御する(ステップS1)。これにより、混水用給水路232からの給水が混合制御弁271及び給湯流量センサ位置の給湯路241を通過した後、排水路26を通して排水されることになる。この通水を、給湯流量センサ244の検出値がゼロよりも大きいことを確認しつつ(ステップS2でYES)、前記の混水用給水路232,混合制御弁271及び給湯流量センサ位置の給湯路241内に水張りが完了する所要時間twが経過するまで継続させる(ステップS4でNO,S1〜S2)。なお、ステップS2で給湯流量センサ244により検出される流量値がゼロ又はマイナスの値であれば、例えば混合制御弁271,排水電磁弁261,給湯流量センサ244のいずれかに異常がある旨、又は、そもそも上流端側の給水元栓が未開栓である旨の異常報知を行う(ステップS3)。前記の所要時間twが経過すれば(ステップS4でYES)、混合制御弁271のタンク側流入口の開度を全開(水側流入口を全閉)にし、主給水路231から貯湯タンク21に給水する(ステップS5)。これにより、貯湯タンク21内の空気を押し出しつつ貯湯タンク21内が給水で充満され、貯湯タンク21から溢れた水が給湯路241,混合制御弁271及び排水路26を通して排水されることになる。この過程で貯湯タンク21から押し出された空気の通過に起因して給湯流量センサ244の検出値が大きく変動することになる。そこで、この給湯流量の検出値の変動幅が所定の判定値(例えば0.5L/min)以下になれば、空気が水に置換されたものと判定することとし、前記変動幅が判定値以下になるまで通水する(ステップS6でNO,S5)。そして、前記変動幅が判定値以下になれば(ステップS6でYES)、空気は全て水に置換されたものと判定し、混合制御弁271を所定の待機位置に駆動し排水電磁弁261を閉変換制御して(ステップS7)、次に進む。
エア抜き制御は、図3に示すように、まず、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、運転スイッチをON切換するためのON指令と、燃焼バーナ33の燃焼を禁止するための燃焼禁止指令とを出力する(ステップS11)。そして、給湯流量センサ244の検出流量を監視し(ステップS12)、例えば試運転を行う作業員等により給湯栓Kが開かれて最低作動流量(MOQ)以上の流量を検出すれば(ステップS12でYES)、給湯流量センサ244による検出流量の積算を開始する。得られた流量積算値が、接続配管41及び補助熱源機3内の配管容量として予め設定された設定配管容量Pを超えれば(ステップS13でYES)、燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力して(ステップS14)、以後の給湯制御(補助熱源機3の燃焼バーナ33を燃焼させるか否か等)は給湯器コントローラ6の独自の給湯制御に委ねる。なお、接続配管41等の配管容量は、現場施工した接続配管41の配管容量の実測値又は演算値(例えば配管長に基づいて演算される最大容量)、又は、これらに補助熱源機3内の熱交換器32等の容量分を加算した値、あるいは、これらに余裕代として増分容量(例えば10%分の容量)を加算した値を、設定配管容量Pとして、供用開始前の試験運転の際に予め記憶・設定させるようにすることができる。又、図3のフローチャートでは、作業員による試運転においてエア抜きを実施するために、運転スイッチのON指令をタンクコントローラ5から出力して補助熱源機3を運転可能状態にするようにしているが、供用開始初期に給湯栓Kをユーザー自身が手動操作することによりエア抜きを実施するときには、補助熱源機3を運転可能状態とする必要はないため、前記のタンクコントローラ5からの運転スイッチのON指令は必ずしも必要ではなく省略することができる。
以上のエア抜き制御を実行することにより、接続配管41内や補助熱源機3内の空気が押し出されて水で置換させることができる。このため、以後、給湯制御に基づき燃焼バーナ33が燃焼作動されても、空焚き状態が発生することはなく、空焚き状態の発生を確実に阻止することができる。
<第2実施形態>
第2実施形態は、第1実施形態と同様の貯湯給湯システム(図1)を対象にするものであり、第1実施形態と異なるエア抜き制御を備えている点でのみ第1実施形態とは異なるものである。
第2実施形態のエア抜き制御は、給湯器コントローラ6が独自に備えているたし湯運転制御部によるたし湯運転制御を利用することにより、補助熱源機3側のエア抜きを自動処理により行うようにするものである。これにより、第1実施形態における手動での給湯栓Kの開栓作業に代えて、給湯器コントローラ6の有する独自機能を利用して自動処理によりエア抜きを実現させることができる。
具体的には、図4に示すように、まず、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、運転スイッチをON切換するためのON指令と、燃焼バーナ33の燃焼を禁止するための燃焼禁止指令とを出力する(ステップS21)。次に、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、たし湯運転制御の開始指令を出力する(ステップS22)。これにより、給湯器コントローラ6では、注湯電磁弁431を開変換制御して燃焼バーナ33を燃焼作動させて所定温度で所定量(例えば20L)の注湯を浴槽44に対したし湯するというたし湯運転制御を本来は開始することになるが、燃焼禁止指令が出力されているため、たし湯運転が非燃焼状態で開始されることになる。このたし湯運転の開始に伴い、給湯流量センサ244による検出流量の積算を開始し、得られた流量積算値が、接続配管41及び補助熱源機3内の配管容量として予め設定された設定配管容量Pを超えれば(ステップS23でYES)、たし湯運転制御の終了指令を出力する(ステップS24)。そして、燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力して(ステップS25)、以後は給湯器コントローラ6の独自の制御に委ねる。なお、接続配管41等の配管容量については、前述の如く、供用開始前の試験運転の際に予め記憶・設定させるようにすることができる。
<第3実施形態>
第3実施形態は、第1実施形態と同様の貯湯給湯システム(図1)を対象にするものであり、第1実施形態又は第2実施形態と異なるエア抜き制御を備えている点でのみ第1実施形態又は第2実施形態とは異なるものである。
第3実施形態のエア抜き制御は、給湯器コントローラ6が独自に備えているたし水運転制御部によるたし水運転制御を利用することにより、補助熱源機3側のエア抜きを自動処理により行うようにするものである。これにより、第1実施形態における手動での給湯栓Kの開栓作業に代えて、第2実施形態と同様に、給湯器コントローラ6の有する独自機能を利用して自動処理によりエア抜きを実現させることができる。
具体的には、図5に示すように、まず、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、運転スイッチをON切換するためのON指令を出力する(ステップS31)。次に、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、たし水運転制御の開始指令を出力する(ステップS32)。これにより、給湯器コントローラ6では、燃焼バーナ33を非燃焼状態に維持しつつ注湯電磁弁431を開変換制御して所定量(例えば10L)の注湯を浴槽44に対したし水するというたし水運転制御を開始することになる。このたし水運転の開始に伴い、給湯流量センサ244による検出流量の積算を開始し、得られた流量積算値が、接続配管41及び補助熱源機3内の配管容量として予め設定された設定配管容量Pを超えれば(ステップS33でYES)、たし水運転制御の終了指令を出力する(ステップS34)。なお,流量積算値が設定配管容量Pを超えないまま、たし水運転制御上の所定量のたし水量に到達してしまえば、再度、たし水運転制御の開始指令を出力するようにすることができる。又、たし水運転制御として、たし水完了直前の数リットル(例えば3L)分だけ燃焼加熱により湯を注湯するという制御構成を採用する場合には、第3実施形態と同様に、まず、燃焼バーナ33の燃焼を禁止するための燃焼禁止指令を給湯器コントローラ6に出力し、終われば、燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力するようにすればよい。
<第4実施形態>
第4実施形態は、第1実施形態と同様の貯湯給湯システム(図1)を対象にするものであり、第1〜第3の各実施形態の水張り制御やエア抜き制御とは異なる試運転制御を備えている点で第1〜第3の各実施形態とは異なるものである。
第4実施形態は、例えば、既設の補助熱源機3に対し後付けにてタンクユニット2を組み合わせるのではなくて、タンクユニット2と、このタンクユニット2のタンクコントローラ5と連係し得るように構成した給湯器コントローラ6を備えた補助熱源機3とを組み合わせる場合に好適に実施し得るものである。すなわち、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6を介して注湯電磁弁431を直接に開閉変換制御し得るように、タンクコントローラ5と給湯器コントローラ6とを連係させることにより、タンクユニット2側の水張りと、補助熱源機3側のエア抜きとの双方を、タンクコントローラ5に予め設けられた試運転制御部の試運転制御により全て自動で実現させることができるものである。
第4実施形態の試運転制御は、図6に示すように、まず、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、燃焼バーナ33の燃焼を禁止するための燃焼禁止指令を出力する(ステップS41)。次に、混合制御弁271の水側流入口の開度を全開(タンク側流入口を全閉)にした上で(ステップS42)、タンクコントローラ5から給湯器コントローラ6に対し、注湯電磁弁431を開変換制御するための指令を出力する(ステップS43)。これにより、混水用給水路232からの給水が、混合制御弁271及び給湯流量センサ位置の給湯路241を通過した後、接続口201から接続配管41を経て補助熱源機3の入水路31,熱交換器32,出湯路34,及び,注湯路43を通して浴槽44に注水されることになる。この通水の際に、給湯流量センサ244の検出値がゼロよりも大きいことを確認して(ステップS44でYES)、もしも、給湯流量センサ244により検出される流量値がゼロ又はマイナスの値であれば、第1実施形態のステップS3(図2参照)と同様に異常報知を行う(ステップS45)。そして、まずは、タンクユニット2側の水張りが完了するまでの所要時間twが経過したか否かを判定して所要時間twが経過するまで前記の通水を継続させる(ステップS46でNO,S41〜S44)。
前記の所要時間twが経過すれば(ステップS46でYES)、次に、混合制御弁271のタンク側流入口の開度を全開(水側流入口を全閉)にし、主給水路231から貯湯タンク21に給水する(ステップS47)。これにより、貯湯タンク21内の空気を押し出しつつ貯湯タンク21内が給水で充満され、貯湯タンク21から溢れた水が給湯路241,混合制御弁271及び給湯流量センサ244位置を通過した後、前記と同様に、接続口201から接続配管41を経て補助熱源機3の入水路31,熱交換器32,出湯路34,及び,注湯路43を通して浴槽44に注水されることになる。そして、給湯流量センサ244の検出値の変動幅が所定の判定値(例えば0.5L/min)以下になるまで通水し(ステップS48でNO,S47)、前記変動幅が所定の判定値以下になれば、タンクユニット2側の空気が水に置換されたものと判定する(ステップS48でYES)。次に、例えばステップS47の混合制御弁271のタンク側流入口の全開位置への変更に同期させて積算を開始させた給湯流量センサ244による流量積算値が、接続配管41及び補助熱源機3内の配管容量として予め設定された設定配管容量Pを超えるか否かを判定し(ステップS49)、設定配管容量Pを超えれば(ステップS49でYES)、注湯電磁弁431を閉変換制御するための指令を出力する(ステップS50)。そして、燃焼禁止指令を解除するための解除指令を給湯器コントローラ6に出力して(ステップS51)、以後は給湯器コントローラ6の独自の制御に委ねる。なお、接続配管41等の配管容量については、前述の如く、供用開始前の試験運転の際に予め記憶・設定させるようにすることができる。
この第4実施形態によれば、タンクユニット2側の水張りと、接続配管41及び補助熱源機3側のエア抜き(水張り)とを一つの試運転制御によって、自動的に実現させることができる。しかも、水張りのための通水を全て浴槽44に注水することにより排水させることができるため、タンクユニット2側において排水路26の設置を省略することができる。
<第5実施形態>
第5実施形態は、第1実施形態(図1)とは異なる貯湯給湯システム(図7参照)を対象にするものである。すなわち、第5実施形態では、図1のタンクユニット2の給湯路24に介装させた給湯流量センサ244を省略し、この給湯流量センサ244の検出流量に代えて、補助熱源機3の入水流量センサ36の検出流量を用いて各種の制御を行おうとするものである。
第5実施形態は、入水流量センサ36の検出流量を給湯器コントローラ6との通信によりタンクコントローラ5が取得し得るように構成されている。そして、取得した入水流量センサ36の検出流量を積算した流量積算値を用いて、第1実施形態のエア抜き制御におけるステップS13(図3参照)、第2実施形態のエア抜き制御におけるステップS23(図4参照)、第3実施形態のエア抜き制御におけるステップS33(図5参照)、第4実施形態のエア抜き制御におけるステップS49(図6参照)、の設定配管容量Pを超えたか否かの判定を行う。その際、給湯流量センサ244と異なり、入水流量センサ36の流量積算値には若干の空気分が初期に含まれることになるため、これを考慮して流量積算値を減少補正し、減少補正後の流量積算値と前記設定配管容量Pとの対比判定を行うようにすることが好ましい。
第5実施形態によれば、タンクユニット2から給湯流量センサ244を省略することができ、これにより、コスト低減化を図ることができる。なお、第4実施形態のエア抜き制御(図6参照)に第5実施形態の貯湯給湯システムを適用する場合には、ステップS44,45及びステップS48を省略すればよい。
<他の実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、図1又は図7において、排水路26に排水流量を検出するための排水流量センサ262を介装し、この排水流量センサ262の検出流量を積算することにより、タンクユニット2内の水張りが完了したか否かの判定を行うようにすることができる。又、前記第2〜第4実施形態における配管容量Pに代えて、その配管容量P分に相当する湯水量が接続配管41を通過するのに要する時間値を設定し、この時間値の経過によってエア抜きの完了を判定するようにすることができる。前記の時間値は、例えば平均流量を定め、この平均流量で前記の配管容量P分の湯水量が接続配管41を流れると仮定して演算により定めることができる。