JP2004019992A - ヘッダ装置および給湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数が少なく施工容易でしかも耐久性に優れた即湯機能付の給湯システムを提供する。
【解決手段】給湯運転時は、温水供給配管5を介して給湯器2から供給される温水と冷水供給配管6を介して水源から供給される冷水とを湯水混合弁15で設定温度に混合して給湯栓3に供給する。また、保温運転時は、温度検出センサ16aで温水供給配管5内の湯水の温度を検出し、この検出温度が所定の下限温度まで下がると開閉手段18を開いて配管内の湯水を浴槽4に落とし込むとともに給湯器2の運転を開始する。その後、上記検出温度が所定の上限温度まで上昇すると開閉手段18を閉じて給湯器2の運転を停止する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はヘッダ装置および給湯システムに関し、より詳細には、設定温度に湯水を混合して給湯栓に供給するタイプのヘッダ装置であって、いわゆる湯待ち時間なしに給湯栓からすみやかに温水を出湯させる即湯機能に対応したヘッダ装置とそれを用いた給湯システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の給湯システムでは、カランやシャワーなどの給湯栓に、給湯器からの給湯配管と水源からの給水配管とを接続し、これら給湯配管や給水配管から供給される温水と冷水を、給湯栓で所望の温度に混合して出湯するように構成されている。
【0003】
ところで、このように構成された給湯システムでは、給湯栓が閉じられてある程度の時間が経過すると給湯配管内の温水の温度が低下するため、その後給湯栓を開いても、給湯器で加熱され温水が給湯栓から出湯されるまでに時間がかかり、その間、給湯栓からは温度の低い温水が出湯されることとなる。つまり、この間に給湯栓から出湯される温水は所望温度に達していないため、そのまま給湯栓から垂れ流され、いわゆる捨て水となっていた。
【0004】
そのため、最近ではこのような捨て水を軽減するため給湯配管内の温水を保温しておき、給湯栓から速やかに所望温度の温水を出湯させる機能(即湯機能)を備えた給湯システムが提案されている。
【0005】
図3はこのような即湯機能を備えた給湯システムの一例を示している。具体的には、図示のように、給湯栓aに接続された給湯配管bを給湯栓aの手前から分岐して、この分岐した配管(給湯返り管)cを給湯器dに接続することによって温水の循環経路を形成し、給湯栓aから出湯を行わない時(つまり、保温運転時)に、上記循環経路内に設けた循環ポンプeを駆動して湯水を循環させながら、この循環水を給湯器dで加熱保温するように構成されている。
【0006】
より詳細には、図示のように給湯配管bに配管内の湯水の温度を検出する温度センサfを設けておき、給湯配管b内の湯水の温度が所定の保温温度(図示例では60℃)から低下すると(図示例では5℃低下して55℃になると)循環ポンプeを起動して配管内の湯水を循環させながら給湯器dで加熱し、配管内の湯水の温度が上記保温温度まで上昇すると循環ポンプeを停止させ、給湯器dの運転を停止させていた。つまり、給湯配管b内の湯水の温度が常に所定の保温温度の近辺になるように給湯器dを断続的に運転させていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の構成では以下のような問題がありその改善が望まれていた。
【0008】
すなわち、上述した構成では給湯システムに即湯機能を備えさせる場合、従来の給水、給湯配管に加えて給湯返り管や循環ポンプが必要であり部品点数が多く製品コストが高い上に、これらの給湯返り管や循環ポンプの配管接続が必要なことから施工作業が煩雑であるという問題があった。
【0009】
また、給湯システムが保温運転を行う場合に、給湯配管内の湯水の温度を常に保温温度近辺に維持させているため、給湯器が比較的短いサイクルで断続的に運転することとなるので、給湯器の着火回数が増加し、給湯器の劣化を早めるという問題もあった。
【0010】
本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、部品点数が少なく施工容易でしかも耐久性に優れた即湯機能付の給湯システムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載のヘッダ装置は、給湯器から温水供給配管を介して供給される温水と給水管から供給される冷水とを湯水混合弁で設定温度に混合して給湯配管により給湯栓に供給するように構成されたヘッダ装置であって、前記温水供給配管内の温水の温度を検出する温度検出手段と、前記温水供給配管に連通して温水供給配管内の湯水を外部に排出可能に設けられた分岐配管と、この分岐配管を開閉する開閉手段とを有してなり、前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記開閉手段を開閉することを特徴とする。
【0012】
そして、請求項2に記載のヘッダ装置は、前記開閉手段の下流側で前記分岐配管をさらに分岐する二次分岐配管と、前記各二次分岐配管を開閉する二次開閉手段とを有することを特徴とする。
【0013】
また、請求項3に記載の給湯システムは、前記請求項1に記載のヘッダ装置を用いた給湯システムであって、前記分岐配管が浴槽への湯水落とし込み用の配管と接続され、前記給湯システムが保温運転を行う際に、前記温度検出手段での検出温度が所定の下限温度まで下がると前記開閉手段を開いて配管内の湯水を浴槽に落とし込むとともに給湯器の運転を開始し、その後、前記温度検出手段での検出温度が所定の上限温度まで上昇すると前記開閉手段を閉じて給湯器の運転を停止するように構成されたことを特徴とする。
【0014】
そして、請求項4に記載の給湯システムは、前記請求項2に記載のヘッダ装置を用いた給湯システムであって、前記二次分岐配管の一方を浴槽への湯水落とし込み用の配管と接続するとともに、他方の二次分岐配管を洗濯機等の要給水機器への注水用の配管と接続してなり、前記給湯システムが保温運転を行う際に、前記温度検出手段での検出温度が所定の下限温度まで下がると前記開閉手段および前記一方の二次開閉手段を開いて配管内の湯水を浴槽に落とし込むとともに給湯器の運転を開始し、その後、前記温度検出手段での検出温度が所定の上限温度まで上昇すると前記開閉手段および前記一方の二次開閉手段を閉じて給湯器の運転を停止するように構成されたことを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
実施形態1
図1は本発明に係るヘッダ装置1を適用した給湯システムの概略構成を示す説明図である。この給湯システムは、いわゆる湯待ち時間なしに給湯栓から温水の出湯を可能とする即湯機能を備えた給湯システムであって、上記ヘッダ装置1と、給湯器2と、給湯栓3と、浴槽4とを主要部として構成されている。
【0017】
ここで、上記給湯器2にはガス給湯装置などの周知構成の給湯装置が採用されるとともに、給湯栓3にも周知構成の単水栓(水栓側で湯水の混合を行わない水栓)が用いられるのでこれらの詳細な説明は省略するが、本実施形態に示す給湯システムでは、後述するように、上記給湯器2の出湯温度は所定の温度(図示例では75℃)に固定されている。
【0018】
ヘッダ装置1は、給湯器2と給湯栓3との間に配される管寄せであって、そのケース本体には給湯器2と接続するための温水配管接続口11と、上水道などの水源と接続するための冷水配管接続口12と、給湯栓3と接続するための給湯栓接続口13(図示例では符号13a〜13cで示す)と、後述する分岐配管17の出口を構成する分岐配管接続口14とが設けられている。
【0019】
そして、ヘッダ装置1の使用に際しては、上記温水配管接続口11に、上記給湯器2から出湯される温水を供給する温水供給配管5が接続されるとともに、上記冷水配管接続口12に、水源からの冷水を供給する冷水供給配管(給水管)6が接続される。また、上記給湯栓接続口13には、給湯栓3に湯水を供給するための給湯配管7(図示例では各給湯栓3a〜3cに対応して7a〜7cで示す)が接続され、さらに上記分岐配管接続口14には浴槽4への湯水落とし込み用のアダプタ41に連通する風呂落込配管8が接続される。
【0020】
ここで、上記給湯栓接続口13は、ヘッダ装置1に接続する給湯栓3の種類や数などに応じて任意数設けられる。たとえば図示例では、上記給湯栓3として、「キッチン他」、「洗面」、「シャワー」の三種類の給湯栓3a〜3cが記載されているが、これは給湯栓をその設定温度毎に分類して表示したものであり、本実施形態ではこのように設定温度が共通する給湯栓毎に上記給湯接続口13が設けられている。
【0021】
一方、ヘッダ装置1の内部には湯水混合弁15(図示例では符号15a〜15cで示す)が設けられている。この湯水混合弁15の流出口と上記接続口13とは配管71(図示例では符号71a〜71cで示す)によって接続されており、その結果、湯水混合弁15a〜15cの各流出口と上記給湯配管7a〜7cとがそれぞれ給湯栓接続口13a〜13cを介して連通されている。同様に、各湯水混合弁15a〜15cの温水流入口は配管51を介して温水配管接続口11と接続されるとともに、冷水流入口も配管61を介して冷水配管接続口12と接続されている。
【0022】
上記配管51および配管61のそれぞれには、配管内の湯水の温度を検出する温度センサ16a,16bが設けられており、この両温度センサ16a,16bの検出結果が図示しない制御手段に入力されている。
【0023】
そして、上記配管51には、当該配管51を分岐してなる分岐配管17が設けられており、この分岐配管17が上記分岐配管接続口14に接続されている。つまり、本発明のヘッダ装置1では、上記分岐配管17が上記温水供給配管5に連通するように設けられている。そして、この分岐配管17には当該分岐配管17を開閉する開閉手段(たとえば電磁弁)18が設けられており、この開閉手段18は上記制御手段により分岐配管17の開閉制御が可能とされている。
【0024】
なお、図中符号19で示すのは、浴槽4側から配管51に湯水が逆流しないように設けられた逆流防止手段であり、図示例ではニ個の逆止弁191,191と、この逆止弁191,191の間に配された水抜き用の配管192とで構成されている。この逆流防止手段19は、図示例のものに限定されず適宜設計変更可能であり、たとえばバキュームレーカ等の他の逆流防止機構を採用することも可能である。また、図中符号10で示すのは上水道への逆流を防止する逆止弁である。
【0025】
次に、このように構成された給湯システムの動作について説明する。
給湯運転:
本発明の給湯システムでは、給湯栓3から出湯を行わせる場合、上記制御手段が湯水混合弁15を以下のように制御する。
【0026】
すなわち、給湯栓3のいずれかが開栓されて給湯器2の給湯運転が開始されると、上記制御手段は上記温度センサ16a,16bの検出結果と、図示しないリモートコントローラで設定された給湯栓3の設定温度(図示例では、給湯栓3aについては特に示していないが、給湯栓3bは39℃、給湯栓3cは40℃に設定された場合を示している)とに基づいて、各湯水混合弁15の湯水混合比率を設定する。
【0027】
より具体的には、ここで洗面用の給湯栓3bを例に説明すると、給湯栓3bが開栓されて給湯器2の給湯運転が開始されると、上記制御手段は、給湯器2から出湯される温水の温度を温度センサ16aにより取得する一方、水源から供給される冷水の温度を温度センサ16bにより取得して、これらの値から給湯栓3bに接続された湯水混合弁15bの流出口から39℃の温水が出湯されるように当該湯水混合弁15bの湯水混合比率を設定する。これにより、湯水混合弁15bの流出口から上記設定温度(39℃)の温水が出湯され、洗面用の給湯栓3bから設定温度通りの温水が出湯される。
【0028】
この時、上記給湯器2の出湯温度は、洗面用の給湯栓3bの設定温度と同じかあるいはそれよりも高温とされるが、本実施形態では設定温度の異なる複数の給湯栓3から同時に出湯を行った場合にも各給湯栓3で設定温度での出湯が可能なように、給湯器2の出湯温度は各給湯栓3の設定温度よりも高い温度に設定(図示例では75℃に固定)されている。また、このように給湯器2の出湯温度を、給湯栓3の設定温度より高温(本実施形態では75℃)に設定しておくことにより、給湯器2からの出湯流量を少量に抑えることができ、ヘッダ装置1までの配管(温水供給配管5)の配管径を小さくすることができる。
【0029】
保温運転:
次に、即湯機能について説明する。本発明の給湯システムでは、即湯機能に関して給湯システムが以下のような保温運転を実行する。
【0030】
すなわち、給湯栓3の全てが閉じられて給湯器2の給湯運転が停止すると、上記制御手段では、温度センサ16aの検出結果を監視して、この検出結果が予め定めた所定の下限温度まで低下したか否かを検出する。本実施形態に示す給湯器2の出湯温度は上述したように75℃に固定されているので、全ての給湯栓3が閉じられて給湯器2の運転が停止すると温水供給配管5(温水供給配管5と一体となる配管51を含む。以下同様)内の温水の温度は放熱により75℃から徐々に低下する。そして、放熱による温度低下により温水供給配管5内の温水の温度が上記下限温度に達すると、上記制御手段が上記開閉手段18を開いて温水供給配管5内の温水の浴槽4への落とし込みを開始する。
【0031】
ここで、上記下限温度の設定は任意に行うことができるが、少なくとも上記給湯栓3のうちで最も高い設定温度と同じかそれ以上の温度に設定される。たとえば本実施形態では、この下限温度は浴槽4への湯張り温度と同じ42℃に設定されている。
【0032】
このようにして浴槽4への温水の落とし込みが開始すると、温水供給配管5内に通水が生じるので給湯器2が給湯運転を開始する。給湯器2の運転開始により給湯器2から高温の温水が出湯されるので温水供給配管5内の温水の温度は徐々に上昇する。上記制御手段はこの温度上昇を監視し、温水供給配管5内の温水の温度が予め定めた所定の上限温度に到達したか否かを判断する。そして、温水供給配管5内の温水の温度が上記上限温度まで上昇すると、制御手段は上記開閉手段18を閉じて浴槽4への温水の落とし込みを停止する。
【0033】
なお、この上限温度も任意に設定することができるが、少なくとも上記給湯器2の出湯温度と同じかそれ以下の温度に設定される。たとえば本実施形態では、給湯器2の出湯温度が75℃に固定されているのでこの上限温度も75℃に設定される。
【0034】
このようにして浴槽4への温水の落とし込みが停止すると、温水供給配管5内の通水も停止するので、これにともなって給湯器2の運転も停止する。上記制御手段は、給湯器2の運転停止により温水供給配管5内の温水の温度が再び上記下限温度に低下するまで上記開閉手段18を閉じた状態で待機し、温水供給配管5内の温水の温度が上記下限温度まで低下すると上述した動作を行い、以後その動作を繰り返し行う。
【0035】
このように、本発明によれば、給湯栓3の全てが閉じられて給湯器2の給湯運転が停止すると、上述した保温運転が実行され、温水供給配管5内の温水の温度が常時高温(上述した実施形態では42℃から75℃の範囲)に保たれるので、給湯栓3から設定温度での出湯を直ちに行うことができる。また、この保温運転を行うにあたり、従来のように給湯返り管や循環ポンプを必要としないので少ない部品点数で即湯機能を実現できる。
【0036】
しかも、開閉手段18の開弁によりヘッダ装置1の外部に排出される温水は、下水に廃棄されることなく浴槽4に貯留されるので、不要な温水を捨てることなく再利用(たとえば風呂追い焚きや足し湯により浴槽水として利用したり、汲み出して洗濯用水として利用等)することができる。
【0037】
しかも、上述した実施形態では、ヘッダ装置1において湯水を混合して給湯栓3に供給する構成を採用するとともに、給湯器2の出湯温度を比較的高温に設定しているので、保温運転時における下限温度(35℃)と上限温度(75℃)の温度幅を広くとることができ、その結果、保温運転時における給湯器2の運転回数(着火回数)を少なくすることができる。
【0038】
なお、上述した実施形態では、ヘッダ装置1の分岐配管接続口14には浴槽4に湯水を供給する風呂落込配管8を接続した場合を示したが、この分岐配管接続口14には浴槽4以外の他の設備に温水を落とし込む配管を接続することも可能である。つまり、分岐配管接続口14に洗濯機の洗濯槽や水洗便所のロータンクなどに温水を落とし込む配管を接続することも可能である。
【0039】
実施形態2
次に、本発明の第二の実施形態を図2に基づいて説明する。この第二の実施形態は上記分岐配管17の接続態様の改変例を示しており、具体的には、上記分岐配管17が湯水混合弁15cの流出口側に接続された場合を示している。また、本実施形態では、給湯器2′は風呂追い焚き機能を備えた給湯装置で構成され、浴槽4の追い焚き運転が可能とされた場合を示している。なお、上記実施形態1と構成が共通する部分は同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
すなわち、この第二の実施形態では、湯水混合弁15のうちの一つ(図示例では符号15cで示す)が浴槽4や洗濯機9の洗濯槽への湯水落込用として割り当てられており、この湯水落込用に割り当てられた湯水混合弁15cの流出口側に接続される配管71cが上記分岐配管17と兼用して用いられている。
【0041】
つまり、この配管71cには、湯水落込用の配管として、浴槽4などへの湯水落とし込みの開始/停止を制御する電磁弁42と、浴槽4などからの湯水の逆流を防止する逆流防止機構43と、落とし込み流量を検出する流量センサ(流量検出手段)44とが設けられているとともに、これらの下流側において浴槽用と洗濯機用の配管(二次分岐配管)に分岐されている。
【0042】
つまり、二次分岐配管701a,701bは、その一方が給湯配管7cで浴槽4と接続された給湯栓接続口13cに接続されるとともに、他の一方が給湯配管7dで洗濯機9の洗濯槽と接続された給湯栓接続口13dと接続されている。そして、各二次分岐配管701a,701bには、それぞれの配管を開閉する二次開閉手段(たとえば電磁弁)20a,20bが設けられている。
【0043】
また、本実施形態では、給湯器2′が風呂追い焚き機能を有することに関連して、ヘッダ装置1′には、追い焚き加熱後の温水を給湯器2′から浴槽4に供給する風呂往き配管81を接続するための往き配管接続口15と、追い焚き加熱前の温水を浴槽4から給湯器2′に供給する風呂戻り配管82を接続するための戻り配管接続口16とが、それぞれ出口と入口の一組設けられている。なお、本実施形態では、上記風呂往き配管81が配管7cに接続されるため、上記往き配管接続口15の出口側は上述した給湯栓接続口13cによって兼用されている。
【0044】
次に、この第二の実施形態に示す給湯システムの動作について説明する。
給湯運転:
この第二の実施形態に示す給湯システムにおける給湯栓3a,3bからの出湯動作は上述した実施形態1の場合と同様である。一方、浴槽4(または洗濯機9)への注湯は、上記制御手段が湯水混合弁15等を以下のように制御して行う。
【0045】
すなわち、浴槽4に注湯する場合、上記制御手段は上記電磁弁42と浴槽4に対応する二次開閉手段20aとを開弁し、浴槽4への湯水の落とし込みを開始して給湯器2′の給湯運転を開始させる。また、これと並行して、上記制御手段は上記温度センサ16a,16bの検出結果と、図示しないリモートコントローラで設定された浴槽4の設定温度(図示例では、42℃)とに基づいて、湯水混合弁15cの湯水混合比率を設定する。これにより、湯水混合弁15cからは浴槽4の設定温度での出湯が行われ、この温水が配管71cを介して浴槽4に注湯される。この時、上記給湯器2′の出湯温度が浴槽4の設定温度と同じかあるいはそれよりも高温に設定されるのは上述した実施形態1と同様であり、特に本実施形態ではこの給湯器2′の出湯温度が予め設定された所定の高温(75℃)に固定される点も上記実施形態1と同様である。
【0046】
なお、洗濯機9の洗濯槽に注湯を行う場合については、上記二次開閉手段20aに代えて洗濯機9に対応する二次開閉手段20bを開弁させる点以外は浴槽への注湯の場合と同様であるので説明を省略する。
【0047】
保温運転:
次に、本実施形態に示す給湯システムでは、即湯機能に関して以下のような保温運転を実行する。
【0048】
すなわち、全ての給湯栓3と電磁弁42が閉じられて給湯器2′の給湯運転が停止すると、上記制御手段では、温度センサ16aの検出結果を監視して、この検出結果が予め定めた所定の下限温度まで低下したか否かを検出する。本実施形態に示す給湯器2′の出湯温度は上述したように75℃に固定されているので、給湯器2′の運転が停止すると温水供給配管5内の温水の温度は放熱により75℃から徐々に低下する。そして、放熱による温度低下により温水供給配管5内の温水の温度が上記下限温度に達すると、上記制御手段が上記電磁弁42と二次開閉手段20aを開いて温水供給配管5内の温水を浴槽4に落とし込む。なお、上記下限温度の設定は任意に行うことができるが、少なくとも上記給湯栓3のうちで最も高い設定温度と同じかそれ以上の温度に設定される。たとえば本実施形態では、この下限温度は浴槽4への湯張り温度と同じ42℃に設定されている。
【0049】
このようにして浴槽4への温水の落とし込みが開始すると、温水供給配管5内に通水が生じるので給湯器2′が給湯運転を開始する。給湯器2′の運転開始により給湯器2′から高温の温水が出湯されるので温水供給配管5内の温水の温度は徐々に上昇する。上記制御手段はこの温度上昇を監視し、温水供給配管5内の温水の温度が予め定めた所定の上限温度に到達したか否かを判断する。そして、温水供給配管5内の温水の温度が上記上限温度まで上昇すると、制御手段は上記電磁弁42および二次開閉手段20aを閉じて浴槽4への温水の落とし込みを停止する。なお、この上限温度も任意に設定することができるが、少なくとも上記給湯器2′の出湯温度と同じかそれ以下の温度に設定される。たとえば本実施形態では、給湯器2′の出湯温度が75℃に固定されているのでこの上限温度も75℃に設定される。
【0050】
このようにして浴槽4への温水の落とし込みが停止すると、温水供給配管5内の通水も停止するので、これにともなって給湯器2′の運転も停止する。上記制御手段は、給湯器2′の運転停止により温水供給配管5内の温水の温度が再び上記下限温度に低下するまで上記電磁弁42および二次開閉手段20aを閉じた状態で待機し、温水供給配管5内の温水の温度が上記下限温度まで低下すると上述した動作を行い、以後その動作を繰り返し行う。
【0051】
このように、本発明によれば、全ての給湯栓3および電磁弁42が閉じられて給湯器2′の給湯運転が停止すると、上述した保温運転が実行され、温水供給配管5内の温水の温度が常時高温(上述した実施形態では42℃から75℃の範囲)に保たれるので、設定温度での出湯を直ちに行うことができる。
【0052】
しかも、上記給湯器2′は追い焚き機能を備えることから、浴槽4内に排出された温水を、所望の温度まで追い焚きすることができ、不要な温水を捨てることなく浴槽水として再利用することができる。
【0053】
しかも、上述した実施形態では、ヘッダ装置1′において湯水を混合して給湯栓3に供給する構成を採用するとともに、給湯器2′の出湯温度を比較的高温に設定しているので、保温運転時における下限温度(35℃)と上限温度(75℃)の温度幅を広くとることができ、その結果、保温運転時における給湯器2′の運転回数(着火回数)を少なくすることができる。
【0054】
なお、上述した実施形態では、保温運転時に排出される温水を浴槽4に溜め込む場合を示したが、この洗濯機9に対応する二次開閉手段20bを開弁して洗濯機9の洗濯槽に貯留させることも可能である。また、上述した実施形態では二次分岐配管701a,701bは、浴槽4と洗濯機9に接続されたが、これら以外の設備機器で注水/注湯を必要とする他の機器(要注水機器)に不要な温水を落とし込むように構成することも可能である。
【0055】
なお、上述した実施形態はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれらに限定されることなくその範囲内で種々の設計変更が可能である。
【0056】
たとえば、上述した実施形態では、湯水混合弁15と給湯栓3(給湯栓接続口13)とが配管71を介して一対一で接続された場合を示したが、1基の湯水混合弁15に対して複数の給湯栓3(給湯栓接続口13)を接続するように構成されていてもよい。
【0057】
また、上述した実施形態では、保温運転時にのみ開閉手段18の開閉によってヘッダ装置1内の温水を外部に排出する場合を示したが、たとえば寒冷地などにおいては、上記温度センサ16aで検出される温度が所定の温度(配管内の凍結を防止するのに適した温度)まで下がると開閉手段18を開いて配管内の湯水を外部に排出するように構成することもできる。
【0058】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明によれば、即湯機能を備えた給湯システムを構築するにあたり、給湯器と給湯栓などとを接続するヘッダ装置として、給湯器から温水供給配管を介して供給される温水と水源から冷水供給配管を介して供給される冷水とを湯水混合弁で設定温度に混合して給湯配管により給湯栓に供給するように構成されたヘッダ装置であって、前記温水供給配管内の温水の温度を検出する温度検出手段と、前記温水供給配管に連通して温水供給配管内の湯水を外部に排出可能に設けられた分岐配管と、この分岐配管を開閉する開閉手段とを有してなり、前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記開閉手段を開閉することを特徴とするヘッダ装置を用いることから、給湯器と給湯栓などとの接続作業が容易である。
【0059】
また、即湯機能における保温運転においては、ヘッダ装置において、前記温度検出手段での検出温度が所定の下限温度まで下がると前記開閉手段を開いて配管内の湯水を浴槽に落とし込むとともに給湯器の運転を開始し、その後、前記温度検出手段での検出温度が所定の上限温度まで上昇すると前記開閉手段を閉じて給湯器の運転を停止するように構成されることから、従来のような給湯返り管や循環ポンプを必要とせずに即湯機能が実現でき、製品コストを低く抑えることができる。
【0060】
しかも、ヘッダ装置1が湯水を混合して温水を給湯栓に供給する構成を採用しているので、給湯器の出湯温度を予め比較的高温に設定しておくことにより、保温運転時における下限温度と上限温度の温度幅を広くとることができ、その結果、保温運転時における給湯器の運転回数(着火回数)を少なくでき、耐久性の優れた給湯システムを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るヘッダ装置を用いた給湯システムの概略構成を示す説明図である。
【図2】同給湯システムの他の実施形態の概略構成を示す説明図である。
【図3】従来の給湯システムの概略構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1,1′     ヘッダ装置
2,2′     給湯器
3,3a〜3c  給湯栓
4        浴槽
5        温水供給配管
6        冷水供給配管
7,7a〜7c  給湯配管
11       温水配管接続口
12       冷水配管接続口
13       給湯栓接続口
14       分岐配管接続口
15       湯水混合弁
16       温度センサ(温度検出手段)
17       分岐配管
18       開閉手段
19       逆流防止手段
20a,20b  二次開閉手段

Claims (4)

  1. 給湯器から温水供給配管を介して供給される温水と給水管から供給される冷水とを湯水混合弁で設定温度に混合して給湯配管により給湯栓に供給するように構成されたヘッダ装置であって、
    前記温水供給配管内の温水の温度を検出する温度検出手段と、前記温水供給配管に連通して温水供給配管内の湯水を外部に排出可能に設けられた分岐配管と、この分岐配管を開閉する開閉手段とを有してなり、
    前記温度検出手段の検出温度に基づいて前記開閉手段を開閉する
    ことを特徴とするヘッダ装置。
  2. 前記開閉手段の下流側で前記分岐配管をさらに分岐する二次分岐配管と、前記各二次分岐配管を開閉する二次開閉手段とを有することを特徴とする請求項1に記載のヘッダ装置。
  3. 前記請求項1に記載のヘッダ装置を用いた給湯システムであって、
    前記分岐配管が浴槽への湯水落とし込み用の配管と接続され、前記給湯システムが保温運転を行う際に、前記温度検出手段での検出温度が所定の下限温度まで下がると前記開閉手段を開いて配管内の湯水を浴槽に落とし込むとともに給湯器の運転を開始し、その後、前記温度検出手段での検出温度が所定の上限温度まで上昇すると前記開閉手段を閉じて給湯器の運転を停止するように構成された
    ことを特徴とする給湯システム。
  4. 前記請求項2に記載のヘッダ装置を用いた給湯システムであって、
    前記二次分岐配管の一方を浴槽への湯水落とし込み用の配管と接続するとともに、他方の二次分岐配管を洗濯機等の要給水機器への注水用の配管と接続してなり、前記給湯システムが保温運転を行う際に、前記温度検出手段での検出温度が所定の下限温度まで下がると前記開閉手段および前記一方の二次開閉手段を開いて配管内の湯水を浴槽に落とし込むとともに給湯器の運転を開始し、その後、前記温度検出手段での検出温度が所定の上限温度まで上昇すると前記開閉手段および前記一方の二次開閉手段を閉じて給湯器の運転を停止するように構成された
    ことを特徴とする給湯システム。
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