JP2016064524A - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】媒体Pを搬送する搬送部18及び19と、搬送部18及び19による媒体Pの搬送方向Aと交差する交差方向Bに移動可能な移動部11に設けられ、搬送部18及び19により搬送される媒体Pに液体を吐出する吐出部12と、移動部11に設けられ、液体を除電する第1の除電部9と、移動部11に設けられ、媒体Pを除電する第2の除電部10と、を備える。
【選択図】図1
Description
このため、吐出部から吐出される液体を簡単な構成で除電するとともに、液体の除電に伴う媒体の搬送不良を抑制することが要求されている。
[実施例1](図1から図4)
図1は、本発明の実施例1に係る記録装置1を表す概略側面図である。
本実施例の記録装置1は、被記録媒体(媒体)Pのセット部14から、被記録媒体Pの支持部であるプラテン2、プラテン3及びプラテン4を介して、被記録媒体Pの巻取部15まで、被記録媒体Pを搬送方向Aに搬送する。すなわち、セット部14から巻取部15までが記録装置1における被記録媒体Pの搬送経路であり、プラテン2、プラテン3及びプラテン4は該搬送経路に設けられた被記録媒体Pの支持部である。なお、セット部14は回転方向Cに回転して被記録媒体Pを送出し、巻取部15は回転方向Cに回転して被記録媒体Pを巻き取る。また、プラテン2、プラテン3及びプラテン4は内部にヒーターが配置され、被記録媒体Pを裏面から加熱する構成であってもよい。
そして、同様に、本実施例の巻取部15は被記録媒体Pの記録面16が外側になるように巻き取るので、巻取部15の回転軸は回転方向Cに回転する。一方、記録面16が内側になるように巻き取る場合は、巻取部15の回転軸は回転方向Cとは逆回転して巻き取ることが可能である。
また、本実施例のキャリッジ11には、被記録媒体Pを除電する第2の除電部10を備えている。このため、被記録媒体Pが帯電してプラテン3などに貼り付き、搬送性が低下するということを抑制している。
また、第1の除電部9及び第2の除電部10をキャリッジ11に設ける構成とすることで、キャリッジ11の交差方向Bの移動に伴って、記録ヘッド12から吐出されるインク及び被記録媒体Pを除電する除電することができる。このような構成としていることにより、第1の除電部9及び第2の除電部10を大型で複雑な構成にする必要がなくなっている。すなわち、第1の除電部9及び第2の除電部10を簡単な構成としている。
したがって、記録ヘッド12から吐出されるインクを簡単な構成で除電するとともに、インクの除電に伴う被記録媒体Pの搬送不良を抑制することができる構成になっている。
なお、本実施例の記録装置1では、インクがプラスに帯電しやすい構成であるため、第1の除電部9は、プラスに帯電したインクを除電可能なように、マイナスイオンを発生させるイオン発生部である。そして、第2の除電部10は、第1の除電部9で発生したマイナスイオンによりマイナスに帯電した被記録媒体Pを除電可能なように、プラスイオンを発生させるイオン発生部である。ただし、マイナスに帯電しやすいインクを使用する場合は、第1の除電部9でプラスイオンを発生させ、第2の除電部10でプラスイオンを発生させる構成としてもよい。
このような構成とすることにより、第1の除電部9でインクを除電することに伴って一方の極性に帯電した被記録媒体Pを、第2の除電部10で他方の極性のイオンを付与することにより効果的に除電することができる。すなわち、被記録媒体Pと該被記録媒体Pの支持部であるプラテン3などがクーロン力により貼り付くということを抑制できる。
このため、第1の除電部9でインクを除電することに伴って、被記録媒体Pにマイナスイオンが送られて被記録媒体Pが第1の除電部9によりマイナスに帯電した場合であっても、その後、第2の除電部10によりプラスイオンを発生させて、被記録媒体Pにプラスイオンが送られることにより、効果的に該被記録媒体Pを除電することができる構成になっている。
図2は本実施例の記録装置1の要部を表す概略平面図であり、図3は本実施例の記録装置1の要部を表す概略側面図である。
本実施例の記録装置1は、記録ヘッド12よりも交差方向Bにおいて下流側になる第1の除電部9からイオンを発生させることで、図3で表されるインクミスト発生領域13のインクミストを効果的に除電可能である。このため、被記録媒体Pや記録装置1が汚れることを効果的に抑制している。また、被記録媒体Pのみでなくインク(インクミスト)を除電可能な構成としていることにより、帯電したインクミストがインク吐出面Fに付着してインク吐出面Fにインクが溜まりそのインクが被記録媒体Pに接触(例えば落下)するということも、抑制可能である。
第1の除電部9と第2の除電部10との間隔L2を40mm以上とすることで、第1の除電部9及び第2の除電部10の有効範囲(第1の除電部9のマイナスイオン付与範囲R1及び第2の除電部10のプラスイオン付与範囲R2)が重なることで該範囲における除電効果が低減することを抑制している。また、第1の除電部9と第2の除電部10との間隔L2を200mm以下とすることで、第1の除電部9で帯電した被記録媒体Pを第2の除電部10で除電することが遅くなり、被記録媒体Pの搬送不良を抑制する効果が低減することを抑制している。
なお、第1の除電部9と第2の除電部10とにおいて、極性の異なるイオンを発生するイオン発生部を使用し、これらの間隔が近すぎると、極性の異なるイオンが除電物に接触する前に接触し、除電効果が低減する。例えば、極性の異なるイオンを発生するイオン発生部同士の間隔が25mm程度以下になると、除電効果が特に低減する。このような場合、記録ヘッド12から吐出されるインクを除電するとともにインクの除電に伴う被記録媒体Pの搬送不良を抑制することは困難である。
具体的には、第1の除電部9のイオン発生部の位置が、記録ヘッド12のインク吐出面Fの位置よりも、インクの吐出方向Dにおいて、40mm以上80mm以下の範囲で上流側に設けられている。別の表現をすると、第1の除電部9のイオン発生部の位置は、インク吐出面Fの位置よりも、長さL1だけインクの吐出方向Dにおいて上流側に位置している
このような構成により、図3で表されるように、第1の除電部9は、インクミスト発生領域13を含む範囲である適正な範囲R1において効果的にインクを除電することが可能になっている。
ここで、第1の除電部9のイオン発生部の位置を、記録ヘッド12のインク吐出面Fの位置よりもインクの吐出方向Dにおいて下流側又は40mm未満上流側にすると、インクミスト発生領域13を十分に含む範囲の除電ができない場合がある。また、第1の除電部9のイオン発生部の位置を、記録ヘッド12のインク吐出面Fの位置よりもインクの吐出方向Dにおいて80mmを超えて上流側にすると、インクミスト発生領域13にイオンが十分届かない場合がある。
ここで、「第2の除電部10は、インクの吐出方向Dにおいて、第1の除電部9以上、上流側に設けられる」とは、第2の除電部10のイオン発生部が、インクの吐出方向Dにおいて第1の除電部9のイオン発生部と同等か上流側に設けられることを意味する。
別の表現をすると、第1の除電部9のイオン発生部の位置に対する第2の除電部10のイオン発生部の位置までの、インクの吐出方向Dにおける上流側に向かう方向の長さL4が、0以上となる構成が好ましい。
このような構成とすることで、広い範囲R2で被記録媒体Pを除電可能である。さらに、第2の除電部10と被記録媒体Pとの距離が近すぎて第2の除電部10から適正以上の電荷を被記録媒体P移動させてしまい、該被記録媒体Pを逆極性に帯電させてしまうことを抑制できる。具体的には、第1の除電部9によりマイナスに帯電した被記録媒体Pにプラスイオンを送りすぎて、逆に被記録媒体Pをプラスに帯電させてしまうということを抑制できる。
図4は、本実施例の記録装置1のブロック図である。
制御部20には、記録装置1の全体の制御を司るCPU21が設けられている。CPU21は、システムバス22を介して、CPU21が実行する各種制御プログラムやメンテナンスシーケンス等を格納したROM23と、データを一時的に格納可能なRAM24と、接続されている。
また、CPU21は、システムバス22を介して、キャリッジ11を移動させるためのキャリッジモーター27、セット部14の駆動源である送出モーター28、駆動ローラー5の駆動源である搬送モーター29、駆動ローラー6の駆動源である搬送モーター30、巻取部15の駆動源である巻取モーター31、を駆動させるためのモーター駆動部26と接続されている。
さらに、CPU21は、システムバス22を介して、記録データ等を記録装置1に入力する外部装置であるPC33と接続される入出力部34と接続されている。
次に、実施例2の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図5は、本実施例の記録装置1の概略側面図を表している。また、図6は、本実施例の記録装置1の要部の概略平面図を表している。なお、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の記録装置1は、キャリッジ11に設けられた第1の除電部9及び第2の除電部10の個数及び配置以外は実施例1の記録装置1と同様の構成である。
なお、本実施例の記録装置1も実施例1の記録装置と同様、交差方向Bのキャリッジ11の移動において、往方向及び復方向の両方向の移動に伴って記録ヘッド12から被記録媒体Pに向けてインクを吐出させる(被記録媒体Pに記録する)ことが可能な構成である。そして、図5及び図6で表されるこのような構成により、交差方向Bにおける往方向及び復方向の両方向の移動に伴って、効果的に、記録ヘッド12から吐出されるインクのインクミストを除電させることが可能になっている。すなわち、1つずつの第1の除電部9及び第2の除電部10とすることで、低コストで、効果的に、記録ヘッド12から吐出されるインクのインクミストを除電させることが可能になっている。
ここで「第1の除電部9と第2の除電部10との間隔L2」とは、第1の除電部9のイオン発生部と第2の除電部10のイオン発生部との間隔を意味する。
このため、実施例1の記録装置と同様、除電効果が低減することを抑制しつつ、第1の除電部9で帯電した被記録媒体Pを第2の除電部10で除電することが遅くなり被記録媒体Pの搬送不良を抑制する効果が低減するということを抑制している。
次に、実施例3の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図7は、本実施例の記録装置1の概略側面図を表している。また、図8は、本実施例の記録装置1の要部の概略平面図を表している。なお、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の記録装置1は、キャリッジ11における第1の除電部9及び第2の除電部10の間に仕切り部35を備えている以外は実施例1の記録装置1と同様の構成である。
このような構成となっていることにより、第1の除電部9で発生したイオンと第2の除電部10で発生したイオンとが仕切り部35により仕切られることにより接触しづらくなっている。すなわち、第1の除電部9で発生したイオンと第2の除電部10で発生したイオンとが除電物(インク及び被記録媒体P)に接触する前に接触して除電効果が低減することを、本実施例の記録装置1は抑制することができる構成になっている。別の表現をすると、本実施例の記録装置1は、第1の除電部9と第2の除電部10の有効範囲が重なることで該範囲における除電効果が低減することを、抑制することができる。
次に、実施例1の記録装置1を用いた液体吐出方法(記録方法)の実施例について説明する。
図9は、本実施例の液体吐出方法のフローチャートである。
また、被記録媒体Pを除電する第2の除電工程を有するため、被記録媒体Pが帯電してプラテン3などに貼り付き、搬送性が低下するということを抑制することができる。
また、キャリッジ11に第1の除電部9及び第2の除電部10を備えることで、第1の除電部9及び第2の除電部10を、大きく複雑な構成とする必要が無くなり、簡単な構成とすることができる。
したがって、本実施例の液体吐出方法によれば、記録ヘッド12から吐出されるインクを簡単な構成で除電するとともに、インクの除電に伴う被記録媒体Pの搬送不良を抑制することができる。
以上、本発明について具体的な実施例に基づいて詳述した。ここで、本発明について、もう一度まとめて説明する。
また、媒体Pを除電する第2の除電部10を備える。このため、媒体Pが帯電して媒体Pの支持部3などに貼り付き、搬送性が低下するということを抑制することができる。
また、移動部11に第1の除電部9及び第2の除電部10を備える。このため、第1の除電部9及び第2の除電部10を、大きく複雑な構成とする必要が無くなり、簡単な構成とすることができる。
したがって、吐出部12から吐出される液体を簡単な構成で除電するとともに、液体の除電に伴う媒体Pの搬送不良を抑制することができる。
本態様によれば、第1の除電部9と第2の除電部10との間隔は、40mm以上200mm以下である。このため、第1の除電部9及び第2の除電部10の有効範囲(第1の除電部9の除電範囲R1及び第2の除電部10の除電範囲R2)が重なることで該範囲における除電効果が低減することを抑制できる。また、第1の除電部9で帯電した媒体Pを第2の除電部10で除電することが遅くなること等の発生を抑制できる。すなわち、効果的に液体及び媒体Pの夫々を除電することができる。
本態様によれば、第1の除電部9は、吐出部12による液体の吐出方向Dにおいて、吐出部12よりも40mm以上80mm以下の範囲で、上流側に設けられる。このため、第1の除電部9は、適正な範囲において効果的に液体を除電することができる。
本態様によれば、第2の除電部10は、吐出部12による液体の吐出方向Dにおいて、第1の除電部9以上、上流側に設けられる。すなわち、第2の除電部10は、吐出部12による液体の吐出方向Dにおいて第1の除電部9と同等か第1の除電部9よりも上流側に設けられる。このため、広い範囲で媒体Pを除電可能であるとともに、第2の除電部10により適正以上の電荷を媒体Pにおいて移動させてしまうことで該媒体Pを逆極性に帯電させてしまうことを抑制可能である。
また、媒体Pを除電する第2の除電工程を有する。このため、媒体Pが帯電して媒体Pの支持部3などに貼り付き、搬送性が低下するということを抑制することができる。
また、移動部11に第1の除電部9及び第2の除電部10を備えることで、第1の除電部9及び第2の除電部10を、大きく複雑な構成とする必要が無くなり、簡単な構成とすることができる。
したがって、吐出部12から吐出される液体を簡単な構成で除電するとともに、液体の除電に伴う媒体Pの搬送不良を抑制することができる。
5 駆動ローラー、6 駆動ローラー、7 従動ローラー、8 従動ローラー、
9 第1の除電部、10 第2の除電部、11 キャリッジ、
12 記録ヘッド(吐出部)、13 インクミスト発生領域、14 セット部、
15 巻取部、16 被記録媒体Pの記録面、
17 被記録媒体Pの記録面とは反対側の面、18 搬送ローラー部(搬送部)、
19 搬送ローラー部(搬送部)、20 制御部、21 CPU、
22 システムバス、23 ROM、24 RAM、25 ヘッド駆動部、
26 モーター駆動部、27 キャリッジモーター、28 送出モーター、
29 搬送モーター、30 搬送モーター、31 巻取モーター、
32 除電部駆動部、33 PC部、34 入出力部、35 仕切り部、
P 被記録媒体、R1 第1の除電部9の除電範囲、
R2 第2の除電部10の除電範囲
Claims (8)
- 媒体を搬送する搬送部と、
前記搬送部による前記媒体の搬送方向と交差する交差方向に移動可能な移動部に設けられ、前記搬送部により搬送される前記媒体に液体を吐出する吐出部と、
前記移動部に設けられ、前記液体を除電する第1の除電部と、
前記移動部に設けられ、前記媒体を除電する第2の除電部と、
を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記第1の除電部は、プラスイオン又はマイナスイオンを発生させるイオン発生部であり、
前記第2の除電部は、前記第1の除電部が発生させるイオンと逆極性のイオンを発生させるイオン発生部であることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1又は2に記載の液体吐出装置において、
前記第1の除電部は、前記第2の除電部よりも前記媒体の搬送方向において上流側に設けられることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記第1の除電部と前記第2の除電部との間隔は、40mm以上200mm以下であることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記第1の除電部は、前記吐出部による前記液体の吐出方向において、前記吐出部よりも40mm以上80mm以下の範囲で、上流側に設けられることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記第2の除電部は、前記吐出部による前記液体の吐出方向において、前記第1の除電部以上、上流側に設けられることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記移動部は、前記第1の除電部と前記第2の除電部との間に、仕切り部を備えることを特徴とする液体吐出装置。 - 搬送される媒体に、前記媒体の搬送方向と交差する交差方向に移動可能な移動部に設けられる吐出部から、液体を吐出する吐出工程と、
前記移動部に設けられる第1の除電部により前記液体を除電する第1の除電工程と、
前記移動部に設けられる第2の除電部により前記媒体を除電する第2の除電工程と、
を有することを特徴とする液体吐出方法。
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