JP6308358B2 - 液体吐出装置及び液体吐出方法 - Google Patents
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Description
このように、従来の液体吐出装置は、媒体に含有される可塑剤によって媒体に形成される液体吐出物(画像)に不具合を生じさせることがあった。
なお、「前記除去部に付着した前記可塑剤を前記除去部から除去することが可能に構成されている」例としては、前記除去部に前記可塑剤を揮発させやすくするためのヒーターが設けられている構成や、前記除去部と接触して前記除去部から前記可塑剤を吸着して除去する吸着部等が設けられる構成などが挙げられる。ただし、これらのような構成に限定されない。
図1は本発明の実施例1に係る記録装置1を表す概略側面図であり、図2は本発明の実施例1に係る記録装置1を表す概略平面図である。
そして、同様に、本実施例の巻取部15は被記録媒体Pの記録面が外側になるように巻き取るので、巻取部15の回転軸は回転方向Cに回転する。一方、記録面が内側になるように巻き取る場合は、巻取部15の回転軸は回転方向Cとは逆回転して巻き取ることが可能である。
なお、被記録媒体P等の媒体に含まれる可塑剤の具体例としては、フタル酸系、アジピン酸系、リン酸系、トリメリット酸系など様々な種類がある。このうち、特に、記録装置で使用される塩ビシートやターポリンなどの被記録媒体に使用される可塑剤で、媒体に形成される液体吐出物に不具合が生じさせる可塑剤としてはフタル酸ジエチルがある。このため、除去部8としては、特にフタル酸ジエチルの除去性能の高いものが好ましく用いられる。
なお、本実施例の記録装置1の搬送部9は、従来の一般的な搬送部と同様の構成をしている。具体的には、図2で表されるように、駆動ローラー5は交差方向Bの回転軸を有する1本のローラーで構成され、従動ローラー7は複数のローラーユニットが交差方向Bに並べられて構成されている。
また、被記録媒体Pを搬送方向Aに搬送する際は、駆動ローラー5は回転方向Cに回転し、従動ローラー7は回転方向Cとは逆方向に回転する。
なお、本実施例の記録装置1は、往復移動しながら記録する記録ヘッド12を備えているが、インクを吐出するノズルを搬送方向Aと交差する交差方向Bに複数設けた所謂ラインヘッドを備える記録装置でもよい。
ここで、「ラインヘッド」とは、被記録媒体Pの搬送方向Aと交差する交差方向Bに形成されたノズルの領域が、被記録媒体Pの交差方向B全体をカバー可能なように設けられ、記録ヘッド又は被記録媒体Pの一方を固定し他方を移動させて画像を形成する記録装置に用いられる記録ヘッドである。なお、ラインヘッドの交差方向Bのノズルの領域は、記録装置が対応している全ての被記録媒体Pの交差方向B全体をカバー可能でなくてもよい。
また、キャリッジ11には、被記録媒体Pの幅(交差方向Bの長さ)を検出可能なセンサー10が設けられている。
このような構成により、インクが吐出される領域において可塑剤を低減し、可塑剤が低減した該領域に画像を形成する。したがって、被記録媒体Pに含有される可塑剤によってインクが弾かれ、被記録媒体Pに形成される画像にムラや白スジ等の不具合が生じることを抑制している。
ここで、被記録媒体Pがヒーター6で加熱されることにより、被記録媒体Pに含有される可塑剤が被記録媒体Pの表面に現れてくる。このように可塑剤等の被記録媒体に含まれる成分が表面に現れた場合、一般的には現れた成分が粉状であればブルーム(ブルーミング)、液体であればブリードという。このような構成により、除去部8は、被記録媒体Pの表面に可塑剤が現れた状態で該可塑剤を除去し、効率的に該可塑剤を除去している。
なお、本実施例の加熱部は、プラテン2に設けられ、被記録媒体Pの第1面17側から該被記録媒体Pを加熱するヒーター6である。しかしながら、このような構成に限定されず、例えば、被記録媒体Pの第2面16側から赤外線等を照射して加熱する構成のもの等でもよい。
なお、「特定の高分子化合物」の具体例としては、ウレタン、エラストマー、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR)、ブチルゴム、クロロプレンゴム(CR)、シリコンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。ただし、これらに限定されない。
なお、「除去部8に付着した可塑剤を除去部8から除去することが可能に構成されている」例としては、除去部8に可塑剤を揮発させやすくするためのヒーターが設けられている構成や、除去部8と接触して除去部8から可塑剤を吸着して除去する吸着部等が設けられる構成などが挙げられる。ただし、これらのような構成に限定されない。
図3は、本実施例の記録装置1のブロック図である。
制御部18には、記録装置1の全体の制御を司るCPU19が設けられている。CPU19は、システムバス20を介して、CPU19が実行する各種制御プログラムやメンテナンスシーケンス等を格納したROM21と、データを一時的に格納可能なRAM22と、接続されている。
また、CPU19は、システムバス20を介して、キャリッジ11を移動させるためのキャリッジモーター25、セット部14の駆動源である送出モーター26、駆動ローラー5の駆動源である搬送モーター27、巻取部15の駆動源である巻取モーター28、を駆動させるためのモーター駆動部24と接続されている。
また、CPU19は、システムバス20を介して、ファン7を駆動するためのファン駆動部30と接続されている。
また、CPU19は、システムバス20を介して、ヒーター6を駆動するためのヒーター駆動部13と接続されている。
さらに、CPU19は、システムバス20を介して、入出力部31と接続されており、入出力部31は、センサー10、記録データ等を記録装置1に入力する外部装置であるPC29、と接続されている。
次に、実施例2の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図4は本実施例の記録装置1を表す概略側面図であり、図5は本実施例の記録装置1を表す概略平面図である。なお、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の記録装置1は、除去部8が設けられておらず、駆動ローラー5と従動ローラー7の代わりに、交差方向Bの回転軸を有する1本のローラーからなる駆動ローラー33と従動ローラー32が設けられている以外は実施例1の記録装置1と同様の構成である。
次に、実施例3の記録装置について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図6は本実施例の記録装置1を表す概略側面図であり、図7は本実施例の記録装置1を表す概略平面図である。なお、上記実施例と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の記録装置1は、駆動ローラー33と従動ローラー32からなるローラー対が設けられている代わりに、駆動ローラー35と従動ローラー34からなるローラー対と駆動ローラー37と従動ローラー36からなるローラー対との複数のローラー対が設けられている以外は実施例2の記録装置1と同様の構成である。
なお、本実施例の駆動ローラー35、従動ローラー34、駆動ローラー37及び従動ローラー36は、従来の一般的な搬送ローラーと同様をしている。具体的には、図7で表されるように、駆動ローラー35及び駆動ローラー37は交差方向Bの回転軸を有する1本のローラーで構成され、従動ローラー34及び従動ローラー36は複数のローラーユニットが交差方向Bに並べられて構成されている。そして、従動ローラー34と従動ローラー36とが交差方向Bにおいてずれて配置されている。駆動ローラー35及び従動ローラー34で構成されるローラー対と駆動ローラー37及び従動ローラー36で構成されるローラー対とがこのように配置されることで、従動ローラーが交差方向Bに亘り被記録媒体Pと接触可能になっている。
ここで、従動ローラー34及び36のローラー表面は実施例2の従動ローラー32のローラー表面と同様の高分子化合物で形成されており、従動ローラー34及び36は可塑剤を有する被記録媒体Pから前記可塑剤の少なくとも一部を除去する除去部としての役割を兼ねている。
これは、このような構成であっても除去部が交差方向Bに亘り被記録媒体Pと接触可能に設けられている構成には変わりなく、除去部が交差方向Bに亘り被記録媒体Pと接触可能に設けられていれば、被記録媒体Pの可塑剤をムラなく除去可能になるためである。
次に、実施例1の記録装置1を用いた液体吐出方法の実施例について説明する。
図8は、本実施例の液体吐出方法のフローチャートである。
そして、次に、ステップS120の液体吐出工程で、被記録媒体PのうちステップS110の除去工程により可塑剤の少なくとも一部が除去された領域に記録ヘッド12からインクを吐出する。
そして、ステップS130により、記録データに基づく記録が終了するまでステップS110からステップS130を繰り返す。
本実施例の液体吐出方法では、ステップS120の液体吐出工程で、被記録媒体PのうちステップS110の除去工程により可塑剤の少なくとも一部が除去された領域にインクを吐出する。このため、インクが吐出される領域において可塑剤は低減し、可塑剤が低減した該領域に画像が形成されることになる。したがって、被記録媒体Pに含有される可塑剤によって被記録媒体Pに形成される液体吐出物に不具合が生じることを抑制することができる。
6 ヒーター(加熱部)、7 従動ローラー、8 除去部、9 搬送部、
10 センサー、11 キャリッジ、12 記録ヘッド、13 ヒーター駆動部、
14 セット部、15 巻取部、16 被記録媒体Pの第2面、
17 被記録媒体Pの第1面、18 制御部、19 CPU、20 システムバス、
21 ROM、22 RAM、23 ヘッド駆動部、24 モーター駆動部、
25 キャリッジモーター、26 送出モーター、27 搬送モーター、
28 巻取モーター、29 PC、30 ファン駆動部、31 入出力部、
32 従動ローラー(除去部)、33 駆動ローラー、34 従動ローラー(除去部)、
35 駆動ローラー、36 従動ローラー(除去部)、37 駆動ローラー、
P 被記録媒体
Claims (9)
- 可塑剤を有する媒体から前記可塑剤の少なくとも一部を除去する除去部と、
前記除去部により前記可塑剤の少なくとも一部が除去された前記媒体に液体を吐出する液体吐出部と、
前記媒体を加熱する加熱部と、
を備え、
前記除去部は、前記加熱部で加熱された前記媒体に接触可能に設けられている
ことを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1に記載の液体吐出装置において、
前記除去部は、前記媒体と接触可能なローラーを有することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項2に記載の液体吐出装置において、
前記媒体を搬送する搬送部を備え、
前記除去部は、前記搬送部を構成するローラーを有することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記媒体を搬送する搬送部を備え、
前記除去部は、前記媒体の搬送方向と交差する交差方向に亘り前記媒体と接触可能に設けられていることを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項4に記載の液体吐出装置において、
前記除去部は、前記交差方向の回転軸を有する1本のローラーを有することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項4に記載の液体吐出装置において、
前記除去部は、前記交差方向の回転軸を有する複数のローラーを有することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から6のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記除去部は、前記媒体と接触可能な接触部を有し、
前記接触部は、ウレタン、エラストマー、エチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)、ニトリルゴム(NBR),ブチルゴム,クロロプレンゴム(CR),シリコンゴム,フッ素ゴムから選択される高分子化合物を含む材料を有することを特徴とする液体吐出装置。 - 請求項1から7のいずれか1項に記載の液体吐出装置において、
前記除去部に付着した前記可塑剤を前記除去部から除去することが可能に構成されていることを特徴とする液体吐出装置。 - 可塑剤を有する媒体を加熱し、加熱された前記媒体から前記可塑剤の少なくとも一部を除去する除去工程と、
前記媒体のうち前記除去工程により前記可塑剤の少なくとも一部が除去された領域に液体を吐出する液体吐出工程と、
を有することを特徴とする液体吐出方法。
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JP2014015944A JP6308358B2 (ja) | 2014-01-30 | 2014-01-30 | 液体吐出装置及び液体吐出方法 |
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