JP2016064361A - 蓄電装置の清掃装置及び蓄電装置の製造方法 - Google Patents

蓄電装置の清掃装置及び蓄電装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ケースの表面から異物を除去することができる蓄電装置の清掃装置及び蓄電装置の製造方法を提供すること。
【解決手段】清掃装置62はグラビアロール63を有する。グラビアロール63は、斜線型のグラビアパターンによって形成された溝63a及び突条63bを表面に備える。清掃装置62による清掃工程では、グラビアロール63は、ケースにおける長側壁34dの表面に溝63a及び突条63bを対峙させながら回転し、長側壁34dの表面に付着した異物37を溝63a及び突条63bによって長側壁34dから剥ぎ取る。
【選択図】図7

Description

本発明は、ケースの表面に付着した異物を除去する蓄電装置の清掃装置、及び蓄電装置の製造方法に関する。
従来から、EV(Electric Vehicle)やPHV(Plug-in Hybrid Vehicle)などの車両には、蓄電装置としての二次電池を並設した電池モジュールが搭載されている。電池モジュールは、一般に、二次電池が発する熱を放出するための伝熱プレートを備える。金属製の伝熱プレートは、例えば、各二次電池の表面に絶縁シートによって貼着されている。絶縁シートは、金属製の伝熱プレートと二次電池とを絶縁する。また、絶縁シートは伝熱性を有し、二次電池が発した熱を、伝熱プレートに効率良く伝える。
ところで、二次電池の製造時、二次電池の表面に導電性異物が付着することがある。導電性異物が付着したままの二次電池の表面に絶縁シートが貼着されると、その異物が絶縁シートを突き破る虞がある。すると、絶縁シートを突き破った異物によって、二次電池と伝熱プレートが短絡してしまう。
そこで、絶縁シートを二次電池の表面に貼着する前に、例えば、特許文献1に開示の電池清掃装置等を用いて二次電池の表面を清掃し、二次電池の表面から導電性異物を除去する必要がある。
特開2013−165035号公報
本発明の目的は、ケースの表面から異物を除去することができる蓄電装置の清掃装置及び蓄電装置の製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するための蓄電装置の清掃装置は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製のケースを有し、前記ケースが、開口部を有する箱状のケース本体と、前記開口部を閉塞する蓋体とを溶接して形成された蓄電装置の清掃装置であって、グラビアパターンによって形成された凹凸を表面に備えるグラビアロールを有し、前記グラビアロールは、前記ケースの表面に前記凹凸を対峙させながら回転して前記ケースの表面に付着した異物を該ケースから除去することを要旨とする。
これによれば、グラビアロールが回転すると、ケースの表面に対し、凹凸の凹となる部分(凹部)が対峙する。ケースの表面に付着した異物が凹部に入り込むと、その異物には凹凸の凸(凸部)となる部分によって少なくとも回転方向への力が加わる。すると、異物はケースの表面から剥ぎ取られる。その結果として、ケースの表面から異物を除去し、ケースの表面を清掃することができる。
また、蓄電装置の清掃装置について、前記グラビアロールは、凹部を前記グラビアロールの回転方向に沿って複数備え、前記回転方向に沿った前記凹部の開口幅は0.01〜5mmであるのが好ましい。
これによれば、ケース本体と蓋体の溶接の際にスパッタやスプラッシュが飛散し、それらがケースに付着して異物となる場合が多い。アルミニウム製又はアルミニウム合金製のケースでは、スパッタやスプラッシュの多くは0.01〜5mm程度のサイズである。凹部の開口幅をスパッタやスプラッシュのサイズに合わせることで、グラビアロールによってケースの表面に付着した異物(スパッタやスプラッシュ)を除去しやすくなる。
また、上記問題点を解決するための蓄電装置の製造方法は、アルミニウム製又はアルミニウム合金製のケースを有し、前記ケースが、開口部を有する箱状のケース本体と、前記開口部を閉塞する蓋体とを溶接して形成された蓄電装置の製造方法であって、グラビアパターンによって形成された凹凸を表面に備えるグラビアロールを、前記ケースの表面に前記凹凸を対峙させながら回転させ、前記グラビアロールによって前記ケースの表面に付着した異物を除去する清掃工程を含むことを要旨とする。
これによれば、清掃工程において、グラビアロールが回転すると、ケースの表面に対し、凹凸の凹となる部分(凹部)が対峙する。ケースの表面に付着した異物が凹部に入り込むと、その異物には凹凸の凸となる部分(凸部)によって少なくとも回転方向への力が加わる。すると、異物はケースの表面から剥ぎ取られ、ケースの表面から異物を除去し、ケースの表面を清掃することができる。よって、清掃工程を経ることで、後工程でケースの表面に別部材を貼着したり、表面を別部材で覆っても、異物によって別部材が損傷することを抑制することができる。
また、蓄電装置の製造方法について、前記清掃工程は、前記ケース本体と前記蓋体とを溶接する溶接工程の後に行う。
これによれば、溶接工程で、スパッタやスプラッシュといった異物が生じても、その異物を清掃工程でケース表面から除去することができる。
また、蓄電装置の製造方法について、前記グラビアロールの表面のうち、前記ケースの表面に対峙した後の部分を監視するのが好ましい。
これによれば、グラビアロールの表面に存在する異物を検出することができる。そして、グラビアロールに存在する異物の種類や大きさ等を検査することで、異物発生の原因を解明でき、解明した原因を元に、その後の異物の発生抑制に繋げることができる。
また、蓄電装置の製造方法について、前記監視によって、前記凹凸における凹部に入り込んだ異物を検出した場合には、前記溶接工程を停止させる。
これによれば、異物を検出した場合には、その異物を検出した蓄電装置から、溶接工程を行っていた蓄電装置にまで遡って異物の有無を検査する。こうすることで、異物の付着した可能性のある蓄電装置を、異物検出の時点で把握できる最低限の範囲で異物の有無を検査することができる。その結果として、検査した最低限の範囲の中に異物の付着した蓄電装置があれば、その蓄電装置から異物を除去することができ、異物が付着したままとなった蓄電装置の量を減らすことができる。
また、蓄電装置の製造方法について、前記凹部に入り込んだ異物を、該凹部から除去する異物除去工程を含むのが好ましい。
これによれば、凹部に入り込んだ異物をグラビアロールから除去することで、異物が凹部に入り込んだままとなることを抑制できる。その結果として、ケースから除去した異物が、グラビアロールの回転によって別の蓄電装置のケースと対峙する位置まで移送されることを抑制できる。よって、別の蓄電装置のケースが、グラビアロールで除去した異物によって損傷を受けることを抑制できる。
また、蓄電装置の製造方法について、前記清掃工程によって清掃された前記ケースの表面に対し、絶縁シートを貼着する貼着工程を含む。
これによれば、異物によって絶縁シートが損傷を受けることを抑制できる。
本発明によれば、ケースの表面から異物を除去することができる。
実施形態の電池モジュールを示す斜視図。 (a)は実施形態における二次電池、伝熱プレート、電池ホルダ及び絶縁シートを示す平断面図、(b)は伝熱プレート周辺を示す拡大断面図。 溶接工程を示す斜視図。 清掃装置を含む生産設備を示す側面図。 清掃装置を含む生産設備を示す平面図。 (a)はグラビアロールを示す正面図、(b)はグラビラロールを示す側面図。 (a)〜(c)は清掃工程及び異物除去工程を示す図。
以下、蓄電装置の清掃装置及び蓄電装置の製造方法を、二次電池の清掃装置及び二次電池の製造方法に具体化した一実施形態を図1〜図7にしたがって説明する。
図1又は図2(a)に示すように、電池モジュール11は、電池ホルダ20に保持された複数の二次電池31と、各二次電池31と接合された伝熱プレート41と、二次電池31の並設方向の両端に配置されたエンドプレート12と、を一体に有している。電池モジュール11において、複数の二次電池31が並んだ方向を並設方向とする。
二次電池31と、伝熱プレート41は、並設方向に沿って交互に配置されている。両エンドプレート12及び各電池ホルダ20には、ボルトB1が挿通されている。一方のエンドプレート12から各電池ホルダ20に挿通されたボルトB1は、他方のエンドプレート12を貫通した位置でナットN1に螺合されている。
二次電池31は、ケース32を有する。ケース32には電極組立体33が収容されている。ケース32は、開口部34aを有する四角箱状のケース本体34と、ケース本体34の開口部34aを閉塞する矩形平板状の蓋体35と、を有する。ケース本体34と蓋体35は、何れも金属(アルミニウム合金)製である。
蓋体35は、ケース本体34の開口端にレーザ溶接によって接合されている。蓋体35とケース本体34との溶接時には、球状のスパッタや、薄片針状のスプラッシュが発生し、これらスパッタやスプラッシュは異物(導電性異物)としてケース本体34の表面に付着しやすい。以下では、球状のスパッタを異物として説明していく。
ケース本体34は、長方形状の底板34bと、底板34bの一対の短側縁から立設された短側壁34cと、底板34bの一対の長側縁から立設された長側壁34dとを備える。一対の短側壁34cは、底板34bを挟んで対向している。一対の長側壁34dは、底板34bを挟んで対向している。本実施形態の二次電池31は角型電池である。また、本実施形態の二次電池31は、リチウムイオン電池である。
二次電池31は、電池ホルダ20の内側に収容される。電池ホルダ20は、二次電池31の底板34bと、一対の短側壁34cを外面から覆うU字状である。また、電池ホルダ20は、二次電池31の両方の長側壁34dを電池ホルダ20の外部に露出させた状態で二次電池31を収容する。電池ホルダ20は、ボルトB1の挿通部21を四箇所有する。
図2(b)に示すように、二次電池31の両方の長側壁34dの表面には、二次電池31とは別部材である絶縁シート51が貼着されている。絶縁シート51は、長側壁34dの平面形状と相似の矩形状である。絶縁シート51は、長側壁34dの表面のほぼ全体に亘って貼着されている。絶縁シート51は、一面に第1粘着面51aを有し、他面に第2粘着面51bを有する。絶縁シート51の第1粘着面51aは二次電池31の長側壁34dに貼着されている。両方の長側壁34dに貼着された絶縁シート51は、それぞれ電池ホルダ20から露出している。
電池ホルダ20から露出した各絶縁シート51の第2粘着面51bには、伝熱プレート41が貼着されている。伝熱プレート41は、アルミニウム合金製の板材製である。伝熱プレート41は、矩形状の第1プレート41aと、第1プレート41aの一つの短辺に立設された第2プレート41bとを備える。伝熱プレート41は、第1プレート41aが絶縁シート51に貼着され、第2プレート41bは、電池ホルダ20の側面を覆う。そして、二次電池31で発生した熱は、絶縁シート51に伝わり、絶縁シート51から伝熱プレート41の第1プレート41aに伝わる。第1プレート41aに伝わった熱は、第2プレート41bから外気に放出される。
絶縁シート51は、ポリエチレンテレフタレート(PET)製の基材の両面に、アクリル製の粘着材を備える構成である。基材の一面に設けられた粘着材によって第1粘着面51aが構成され、基材の他面に設けられた粘着材によって第2粘着面51bが構成されている。
次に、二次電池31の長側壁34dに絶縁シート51を接着するための生産設備60について説明する。
図4又は図5に示すように、生産設備60は、二次電池31を搬送する搬送装置61を備える。搬送装置61は、搬送方向Xへ移動するベルト61aを備える。二次電池31は、片方の長側壁34dをベルト61aの上面に接触させた状態で、ベルト61aに支持される。そして、ベルト61aが搬送方向Xへ移動することによって、二次電池31は搬送方向Xへ搬送される。
生産設備60は、搬送装置61によって搬送されていく途中で、二次電池31の表面を清掃する清掃装置62を備える。清掃装置62は、円柱状のグラビアロール63、円柱状の清掃ロール64、監視カメラ65、及び制御装置66を備える。
清掃装置62において、グラビアロール63の回転軸63dは、図示しない回転装置によって回転可能に支持されている。グラビアロール63の回転により、グラビアロール63の表面のうち、グラビアロール63の軸方向に延びる部分は、二次電池31の長側壁34dに常に対峙している。
グラビアロール63の軸方向に沿う長さは、長側壁34dの短辺に沿う長さより長い。このため、グラビアロール63は、長側壁34dの短辺方向全体に亘って長側壁34dに対峙している。グラビアロール63と長側壁34dとの接触位置Pでは、グラビアロール63の回転方向は、二次電池31の搬送方向Xと同方向である。また、接触位置Pでのグラビアロール63の回転速度は、二次電池31の搬送速度と同じである。
グラビアロール63は硬質ゴム製であり、ゴム硬度がデュロメータ硬さ5〜30のものを用いるのが好ましく、デュロメータ硬さ5〜10のものを用いるのがより好ましい。グラビアロール63が長側壁34dに対しソフトに接触し、長側壁34dを損傷させることを抑制できるため、デュロメータ硬さ5〜8のものを用いるのが特に好ましい。
図6(a)及び図6(b)に示すように、グラビアロール63の表面には、斜線型のグラビアパターンが彫刻されている。グラビアロール63の径方向に沿った断面は、回転方向に沿って凹凸状である。グラビアロール63は、凹凸のうちの凸となる部分に、凸部としての突条63bを備え、凹となる部分に、凹部としての溝63aを備える。突条63bは、グラビアロール63の軸方向に対し斜めに延びる。溝63aは、グラビアロール63の回転方向に隣り合う突条63bの間に形成されている。溝63a及び突条63bは、グラビアロール63の回転方向に沿って複数存在する。また、溝63a及び突条63bは、グラビアロール63の軸方向全体に亘って設けられている。そして、グラビアロール63が回転することにより、複数の溝63a及び突条63bは順番に長側壁34dに対峙していく。
グラビアロール63の回転方向に沿った溝63aの開口幅Wは、球状の異物37のサイズに応じて適宜設定される。なお、溝63aの開口幅Wは、グラビアロール63の外面から中心軸に向かうに従い徐々に狭くなっている。このため、本実施形態では、溝63aの開口幅Wは、溝63aの開口幅のうち、最も広い位置での開口幅とする。
本実施形態では、溝63aの開口幅Wは、0.01〜5mm(ミリメートル)に設定されるのが好ましい。スパッタからなる球状の異物37は、溶接条件によって左右するが、ほとんど直径が0.01〜5mmである。よって、異物37が溝63aに入り込んだとき、回転方向に隣り合う突条63b同士で異物37を挟み込むには、溝63aの開口幅Wが0.01〜5mmであるのが好ましい。また、開口幅Wは、溝63aの奥ほど狭くなっている。このため、5mmよりも直径の短い異物37であっても、溝63aの奥側で、異物37を突条63b同士の間に挟み込むことが可能になる。
また、異物37は、直径が0.1〜1mmのものが比較的多く発生する。このため、これら0.1〜1mmの異物37を溝63aに入り込ませ、かつ突条63b同士の間で挟み込むために、溝63aの開口幅Wは0.1〜1mmに設定されるのがより好ましい。
そして、長側壁34dの表面に付着した異物37は、溝63aに入り込むと、その溝63aを形成する一対の突条63bによって挟み込まれる。突条63bに挟まれた異物37は、グラビアロール63の回転方向への力、及び軸方向への力を受けることで、長側壁34dから剥ぎ取られる。
図4又は図5に示すように、清掃ロール64は、粘着材を表面に有する粘着ロールである。清掃ロール64は、グラビアロール63の回転方向において、接触位置Pよりも後方に配置されている。清掃ロール64は、グラビアロール63の表面と接触しながら回転することで、グラビアロール63の溝63aに存在する異物37をグラビアロール63から除去する。
監視カメラ65は、グラビアロール63の回転方向において、接触位置Pよりも後方で、かつ清掃ロール64より前方に配置されている。監視カメラ65は、接触位置Pを通過した直後のグラビアロール63の表面を監視している。監視カメラ65は、溝63aに入り込んだ異物37を検出するために設けられている。監視カメラ65は、制御装置66に信号接続されている。そして、監視カメラ65は、溝63aに入り込んだ異物37を検出すると検出信号を制御装置66に出力する。制御装置66は、検出信号を入力すると、異物37を検出した旨を図示しない報知手段によって報知させる。
生産設備60は、搬送方向Xにおける清掃装置62よりも下流に貼着装置67を備える。貼着装置67は、ベルト61aの上方に間隔を空けて配置されている。貼着装置67は、ベルト61aによって搬送される二次電池31の長側壁34dに対し、上方から絶縁シート51を貼着する装置である。
貼着装置67は、供給ロール68を有し、供給ロール68は、図示しない支持装置によって回転可能に支持されている。また、貼着装置67は、巻取ロール70を有し、この巻取ロール70は、図示しない支持装置によって回転可能に支持されるとともに、一定の回転速度で回転する。供給ロール68には、長尺状の絶縁シート材料69が巻装されている。そして、供給ロール68から供給された絶縁シート材料69が、巻取ロール70に巻き取られることにより、絶縁シート材料69は搬送方向Xに沿って搬送される。
絶縁シート材料69は、長尺状の離型紙69aと、離型紙69aの片面に貼着された絶縁シート51とを含む。絶縁シート材料69は、長手方向が供給ロール68の周方向に沿う状態で供給ロール68に巻装されている。また、絶縁シート材料69は、搬送される絶縁シート材料69の下面に絶縁シート51が位置するように供給ロール68に巻装されている。
貼着装置67は、絶縁シート材料69を上方から二次電池31に向けて押圧する一対の押圧ローラ71を有する。一対の押圧ローラ71は、搬送されてきた二次電池31の長側壁34dに向けて絶縁シート材料69を押し付ける。このため、離型紙69aに貼着された絶縁シート51は、押圧ローラ71による押し付けによって、第1粘着面51aが長側壁34dの表面に貼着される。絶縁シート51が長側壁34dに貼着されると、離型紙69aだけが押圧ローラ71に巻き取られる。
次に、二次電池31の製造方法について説明する。二次電池31の製造方法は、異物37をケース32の表面から除去する清掃工程を含む。そして、二次電池31の製造方法は、清掃工程に加え、ケース32の溶接工程と、ケース32の表面に対し、絶縁シート51を貼着する貼着工程と、グラビアロール63の表面に付着した異物37を除去する異物除去工程と、を含むのが好ましい。
まず、溶接工程について説明する。図3に示すように、ケース本体34内に電極組立体33を収容した後、ケース本体34の開口端に蓋体35を載せる。そして、ケース本体34と蓋体35の合わせ面にレーザを照射してレーザ溶接を行う。このとき、ケース本体34や蓋体35からスパッタが飛散し、長側壁34dに付着し、異物37が付着してしまうことがある。
次に、清掃工程について説明する。
図4又は図5に示すように、溶接工程後の二次電池31をベルト61aに載せ、搬送方向Xに二次電池31を搬送する。二次電池31が清掃装置62を通過する際、グラビアロール63は、長側壁34dの表面と接触しながら回転する。
このとき、図7(a)に示すように、長側壁34dに付着した異物37は、溝63aに入り込む。さらに、溝63aに入り込んだ異物37は、その溝63aに隣り合う突条63bによって挟み込まれる。すると、グラビアロール63の回転によって、異物37には回転方向への力が作用する。
また、グラビアロール63は斜線型のグラビアパターンを有していることから、異物37には、回転方向への力だけでなくグラビアロール63の軸方向への力も作用する。その結果、異物37は長側壁34dから剥ぎ取られる。そして、長側壁34dから剥ぎ取られた異物37は、突条63bに挟まれたままの状態で、図7(b)に示すように、グラビアロール63の回転によって接触位置Pから回転方向後方へ移送される。
突条63bに挟み込まれた異物37は、監視カメラ65によって検出される。監視カメラ65は、異物37を検出すると、検出信号を制御装置66に出力する。すると、制御装置66は、異物37を検出した旨を報知手段によって溶接現場に報知する。その結果、溶接作業が一時的に停止される。
また、グラビアロール63の溝63aに入り込んだ異物37は、監視カメラ65の前を通過した後、清掃ロール64にまで移送される。清掃ロール64は、グラビアロール63の表面と接触しながら回転している。すると、図7(c)に示すように、清掃ロール64の表面に、グラビアロール63の異物37が貼り付き、異物37がグラビアロール63から除去される。
次に、貼着工程について説明する。
図4又は図5に示すように、清掃工程によって、長側壁34dが清掃された後、二次電池31は貼着装置67を通過する。貼着装置67では、搬送されてきた二次電池31に向けて絶縁シート材料69が押し付けられる。すると、絶縁シート材料69に貼着された絶縁シート51は、その第1粘着面51aが長側壁34dに貼着される。
続けて、二次電池31のもう一方の長側壁34dに対し、清掃工程、貼着工程を行い、もう一方の長側壁34dにも絶縁シート51を貼着する。
その後、絶縁シート51の貼着された二次電池31には、電池ホルダ20が装着される。そして、電池ホルダ20から露出した一方の絶縁シート51の第2粘着面51bに対し伝熱プレート41が貼着される。そして、電池ホルダ20と二次電池31と一枚の伝熱プレート41とをユニット化したものを複数並設する。すると、二次電池31のもう一方の絶縁シート51の第2粘着面51bに対し、別の二次電池31の伝熱プレート41が貼着される。その後、二次電池31、伝熱プレート41及びエンドプレート12が並設された状態で、電池ホルダ20の挿通部21にボルトB1が挿通される。ボルトB1にナットN1が螺合されて電池モジュール11が完成する。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)清掃装置62はグラビアロール63を備える。そして、長側壁34dに付着した異物37に対しグラビアロール63の溝63aが最も接近したタイミングで、溝63aに異物37が入り込むとともに、異物37は溝63aに隣接する突条63bの間に挟み込まれる。また、突条63bにより、異物37に対し、長側壁34dの表面から引き剥がす方向への力を加えることができる。その結果、グラビアロール63が回転していくのに合わせ、ケース32の表面から異物37を剥ぎ取り、ケース32の表面を清掃することができる。
(2)ケース32は、アルミニウム合金製のケース本体34と蓋体35を溶接して形成されている。溶接時には、球状のスパッタが生じ長側壁34dに付着しやすい。異物37は、アルミニウム合金のスパッタであるため、長側壁34dから比較的剥がれやすい。そして、グラビアロール63を備える清掃装置62では、異物37に対し突条63bから力を加えるため、長側壁34dに付着したスパッタのような異物37であっても除去することができる。
(3)グラビアロール63の回転速度と、二次電池31の搬送速度を同じにした。このため、異物37が溝63aに入り込んだ後も、二次電池31が搬送されることによる異物37の移動と、グラビアロール63の回転による異物37の移動とに速度差が生じず、異物37はそのままグラビアロール63に持ち去られることになる。よって、グラビアロール63に剥ぎ取られた異物37によって、ケース32が損傷を受けることを抑制できる。
(4)スパッタである異物37は、直径が0.01〜5mmのものが多く存在する。この異物37に対応できるように、溝63aの開口幅Wは、0.01〜5mmに設定した。よって、グラビアロール63の溝63a内に異物37を入り込ませやすく、かつ突条63bの間で異物37を挟み込みやすくなる。よって、グラビアロール63によって、ケース32の表面から異物37が除去しやすくなる。
(5)二次電池31の製造方法は、長側壁34dの清掃工程を含む。このため、ケース32の表面から異物37を除去できる。
(6)溶接工程では、スパッタやスプラッシュといった溶接に伴う異物37が生じ、長側壁34dに付着しやすい。清掃工程を溶接工程の後に行うことで、溶接工程の際に異物37が生じても、その異物37をケース32から除去できる。
(7)清掃工程の後に、長側壁34dに絶縁シート51を貼着する。このため、長側壁34dの表面と絶縁シート51との間に異物37が入り込むことを抑制できる。その結果、絶縁シート51に伝熱プレート41が接合された状態において、絶縁シート51が異物37によって突き破られることを回避し、異物37によって二次電池31と伝熱プレート41が短絡してしまうことを回避できる。
(8)清掃装置62は監視カメラ65を備え、監視カメラ65によってグラビアロール63の表面を監視している。そして、監視カメラ65によって、グラビアロール63の表面に異物37を発見すると、監視カメラ65は異物発見の検出信号を制御装置66に出力する。制御装置66は異物37発見の旨を報知させ、その報知を受けてケース32の溶接工程を停止させる。
このようにすれば、異物37を検出した二次電池31から、溶接を行っていた二次電池31にまで遡って異物37の有無を検査する。こうすることで、異物37の付着した可能性のある二次電池31を、異物37検出の時点で把握できる最低限の範囲で検査することができる。その結果として、検査をした二次電池31に異物37が付着していれば、その異物37を除去することで、異物37が付着したままの二次電池31の量を減らすことができる。
また、異物37の種類や大きさ等を検査することで、異物37発生の原因を解明でき、解明した原因を元に、その後の異物37の発生抑制に繋げることができる。例えば、異物37の形状によってレーザ溶接の不良原因が特定できる。異物37が球状の場合は、レーザ溶接時のレーザ出力過多による溶融量の増加が原因となるため、レーザ出力を抑えるようにする。また、異物37が薄片針状の場合は、洗浄不足が原因となるため、ケース本体34及び蓋体35の洗浄を丁寧に行うようにする。
(9)清掃装置62は、清掃ロール64を備え、この清掃ロール64はグラビアロール63の溝63aに入り込んだ異物37を除去する。このため、グラビアロール63に異物37が付着したまま、次に搬送されてきた二次電池31の長側壁34dにグラビアロール63が接触することを抑制でき、その異物37によって長側壁34dが損傷することを抑制できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 清掃装置62において、清掃ロール64は無くてもよい。この場合、監視カメラ65によって異物37が検出された場合、その直後に、手作業でグラビアロール63から異物37を除去するようにする。
○ 清掃装置62において、監視カメラ65は無くてもよい。この場合、目視によってグラビアロール63の表面を監視しておき、異物37が検出された場合、監視していた人が、異物37を検出した旨を報知してもよいし、溶接工程を止めるように報知してもよい。
○ 異物37を監視する方法は、監視カメラ65以外でもよい。
○ グラビアロール63の回転速度は、二次電池31の搬送速度より速い、又は遅くてもよい。この場合、グラビアロール63の回転速度と、二次電池31の搬送速度との速度差により、異物37を長側壁34dの表面から剥ぎ取り易くなる。
○ 清掃工程を行う対象を、ケース本体34の長側壁34dではなく短側壁34cとしてもよい。又は、長側壁34d及び短側壁34cの両方でもよい。
○ 二次電池31の表面全体を、二次電池31とは別部材である熱収縮チューブで覆う場合、清掃装置62を用いて清掃工程を行い、ケース32の表面から異物を除去するようにしてもよい。このようにした場合、異物の除去されたケース32を熱収縮チューブ内に収容した後、熱収縮チューブを熱収縮させ、ケース32の表面に密着させる。ケース32の表面から異物が除去されているため、熱収縮チューブが異物によって損傷を受けることを抑制できる。
○ グラビアロール63において、突条63b及び溝63aの長手方向はグラビアロール63の中心軸と平行に延びていてもよい。
○ グラビアロール63のグラビアパターンは、斜線型でなくてもよく、台形型、ピラミッド型、亀甲型等に適宜変更してもよい。
○ 絶縁シート51を介してケース32の表面に接合するのは伝熱プレート41でなくてもよい。
○ 電池モジュール11において、二次電池31は電池ホルダ20に収容されていなくてもよい。
○ 実施形態では、溶接工程の後、清掃工程を行い、長側壁34dに絶縁シート51を貼着したが、溶接工程の後、二次電池31を初充電してエージングを行い、その後に、清掃工程を行い、長側壁34dに絶縁シート51を貼着してもよい。
○ ケース32において、ケース本体34及び蓋体35はアルミニウム合金製でなく、アルミニウム(純アルミニウム)製であってもよい。このような場合でも、溶接時に生じるスパッタやスプラッシュといった異物37は、ケース32の表面に付着するが、グラビアロール63によって異物37を剥ぎ取ることができる。
○ 二次電池31は、リチウムイオン二次電池ではなく、ニッケル水素二次電池であってもよいし、蓄電装置は、電気二重層キャパシタであってもよい。
W…開口幅、31…蓄電装置としての二次電池、32…ケース、34…ケース本体、34a…開口部、35…蓋体、37…異物、51…絶縁シート、62…清掃装置、63…グラビアロール、63a…凹部としての溝。

Claims (8)

  1. アルミニウム製又はアルミニウム合金製のケースを有し、前記ケースが、開口部を有する箱状のケース本体と、前記開口部を閉塞する蓋体とを溶接して形成された蓄電装置の清掃装置であって、
    グラビアパターンによって形成された凹凸を表面に備えるグラビアロールを有し、
    前記グラビアロールは、前記ケースの表面に前記凹凸を対峙させながら回転して前記ケースの表面に付着した異物を該ケースから除去する蓄電装置の清掃装置。
  2. 前記グラビアロールは、凹部を前記グラビアロールの回転方向に沿って複数備え、前記回転方向に沿った前記凹部の開口幅は0.01〜5mmである請求項1に記載の蓄電装置の清掃装置。
  3. アルミニウム製又はアルミニウム合金製のケースを有し、前記ケースが、開口部を有する箱状のケース本体と、前記開口部を閉塞する蓋体とを溶接して形成された蓄電装置の製造方法であって、
    グラビアパターンによって形成された凹凸を表面に備えるグラビアロールを、前記ケースの表面に前記凹凸を対峙させながら回転させ、前記グラビアロールによって前記ケースの表面に付着した異物を除去する清掃工程を含むことを特徴とする蓄電装置の製造方法。
  4. 前記清掃工程は、前記ケース本体と前記蓋体とを溶接する溶接工程の後に行う請求項3に記載の蓄電装置の製造方法。
  5. 前記グラビアロールの表面のうち、前記ケースの表面に対峙した後の部分を監視する請求項4に記載の蓄電装置の製造方法。
  6. 監視によって、前記凹凸における凹部に入り込んだ異物を検出した場合には、前記溶接工程を停止させる請求項5に記載の蓄電装置の製造方法。
  7. 前記凹部に入り込んだ異物を、該凹部から除去する異物除去工程を含む請求項6に記載の蓄電装置の製造方法。
  8. 前記清掃工程によって清掃された前記ケースの表面に対し、絶縁シートを貼着する貼着工程を含む請求項3〜請求項7のうちいずれか一項に記載の蓄電装置の製造方法。
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