JP6103220B2 - マーキング装置、検査装置、及び電極製造方法 - Google Patents

マーキング装置、検査装置、及び電極製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、一部に塗工部を有する金属箔に対し、塗工部での不良部の位置を識別可能とするマークを露出部に付すマーキング装置、検査装置、及び電極製造方法に関する。
二次電池やキャパシタのような蓄電装置は再充電が可能であり、繰り返し使用することができるため電源として広く利用されている。二次電池として、正極用のシート状の電極及び負極用のシート状の電極が、間にセパレータが介在する状態で積層された積層型の電極組立体を備えたものがある。このような電極組立体の電極では、一例として、長尺帯状の金属箔上に、ペースト状の活物質合剤を塗工して電極材料を形成する。その後、活物質合剤の層(塗工部)をプレスし、乾燥させ、活物質層を形成する。そして、電極材料を長手方向に沿って等間隔おきにカットして短冊状とした後、各短冊を活物質層及びタブを含む電極形状に打ち抜くことにより電極が製造される。
ところで、正極及び負極の電極は、その活物質層に欠落部や厚みの薄い部位といった不良部が存在すると、その不良部が二次電池の電気特性に影響を与えてしまう。このため、電極の製造工程では、活物質合剤が塗工された後、その活物質合剤の層を検査して不良部の有無を検出し、不良部が検出された場合は、その不良部のある短冊を電極形状に打ち抜かずにそのまま取り除くようにしている。不良部のある短冊を取り除く際、その短冊を識別できるようにするため、電極材料にはマークが付される。このマークを付す方法としては、黒色や青色の油性マーカーによりマークを付す方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−266852号公報
しかし、油性マーカーの油性インクで付されたマークでは、電極の製造途中で消えてしまう虞がある。例えば、電極組立体の製造工程においては、活物質合剤に含まれていた溶剤を取り除く必要がある。溶剤を取り除くために行われる乾燥工程では、100〜130℃の乾燥炉内に、電極が10時間以上置かれる。この間、高温と、活物質合剤より蒸発する溶剤とが、油性インクに作用することになり、マークが消えてしまう虞がある。また、長尺帯状の金属箔の巻取り、及び繰り出しを行うため、マークを付した部分が他部位と接触し、マークが消えてしまう虞がある。
本発明は、電極の製造途中で消失することのないマークを付すことができるマーキング装置、検査装置、及び電極製造方法を提供することにある。
上記問題点を解決するために、マーキング装置は、長尺帯状の金属箔の少なくとも一面に活物質の塗工部が形成されるとともに前記金属箔の短手方向の縁部を含む領域に前記金属箔の露出部が形成された電極材料に、前記露出部のうちの前記金属箔の短手方向の縁部を厚み方向に破断させずに凹凸状に変形させたマークを形成することを要旨とする。
これによれば、マーキング装置によって露出部に付されるマークは、露出部のうちの金属箔の短手方向の縁部を破断させずに凹凸状とした物理的に形状変化させたものである。このため、例えば、温度など、周囲の環境変化や物理的な接触に対しても、マークが消失することがなく、マークを残したままとすることができる。
また、マーキング装置について、搬送される前記金属箔に摺接しつつ回転するマーキングローラを有するとともに、前記マーキングローラと共に前記金属箔を挟む支持ローラを備え、前記マーキングローラの周面は、該マーキングローラの周方向に凹凸が連続する形状であり、前記マーキングローラは前記支持ローラと共に前記金属箔を挟持しつつ回転する挟持位置と、前記金属箔から離間した離脱位置とに移動可能である。
これによれば、マークを付す場合、マーキングローラが挟持位置に移動し、支持ローラによって支持された金属箔に対し、マーキングローラは周面が押し付けられる。そして、金属箔の搬送に伴いマーキングローラが回転し、その周面の凹凸形状が露出部に押し付けられる結果、露出部に凹凸形状が付き、マークが付される。よって、金属箔を搬送しながらマークを付すことができ、マークを付すために生産性が低下することがない。
検査装置は、長尺帯状の金属箔の少なくとも一面に活物質の塗工部が形成されるとともに前記金属箔の短手方向の縁部を含む領域に前記金属箔の露出部が形成された電極材料を検査する検査装置であって、前記塗工部の不良部を検出する不良検出部と、前記不良検出部が前記不良部を検出すると、前記塗工部での前記不良部の位置を識別可能とするマークを前記露出部に付すマーキング装置と、を有し、前記マーキング装置は、前記露出部のうちの前記金属箔の短手方向の縁部を厚み方向に破断させずに凹凸状に変形させたマークを形成することを要旨とする。
これによれば、不良検出部によって不良部を検出することができる。そして、不良部が検出されると、マーキング装置によって露出部にマークが付される。マーキング装置によって付されるマークは、露出部のうちの金属箔の短手方向の縁部を破断させずに凹凸状とした物理的に形状変化させたものである。このため、例えば、温度など、周囲の環境変化や物理的な接触に対しても、マークが消失することがなく、マークを残したままとすることができる。
電極製造方法は、長尺帯状の金属箔の少なくとも一面に活物質の塗工部が形成されるとともに前記金属箔の短手方向の縁部を含む領域に前記金属箔の露出部が形成された電極材料を用いる電極製造方法であって、前記塗工部の不良部を検出し、前記不良部が検出されると、前記塗工部での前記不良部の位置を識別可能とするマークを前記露出部に付すマーキングを行う検査工程を有し、前記マーキングは、前記露出部のうちの前記金属箔の短手方向の縁部を厚み方向に破断させずに凹凸状に変形させたマークを形成することを要旨とする。
これによれば、検査工程のマーキングで露出部に形成されるマークは、露出部のうちの金属箔の短手方向の縁部を破断させずに凹凸状とした物理的に形状変化させたものである。このため、例えば、温度など、周囲の環境変化や物理的な接触に対しても、マークが消失することがなく、マークを残したままとすることができる。
本発明によれば、電極の製造途中で消失することのないマークを付すことができる。
二次電池を示す分解斜視図。 電極組立体の構成要素を示す分解斜視図。 塗布工程、前乾燥工程、プレス工程、及び検査工程を示す模式図。 (a)は挟持位置に位置したマーキングローラを示す斜視図、(b)は離脱位置に位置したマーキングローラを示す斜視図。 乾燥炉内に乾燥用巻取ロールを配置した状態を示す正面図。 打ち抜き工程を示す模式図。 打ち抜き工程後の負極用の電極材料を示す平面図。 打ち抜き工程後の正極用の電極材料を示す平面図。 負極電極を二条取りした状態を示す平面図。
以下、マーキング装置、検査装置、及び電極製造方法を具体化した一実施形態を図1〜図8にしたがって説明する。
まず、二次電池について説明する。
図1に示すように、二次電池10において、ケース11には電極組立体14及び電解液が収容されている。ケース11は、有底の直方体状の本体部材12と、矩形平板状の蓋部材13とを有する。本体部材12は、その内側に収容部Sを有するとともに、収容部Sと連通する挿入口13cが開口している。蓋部材13は、挿入口13cを閉塞する。ケース11を構成する本体部材12と蓋部材13は、何れも金属製(例えば、ステンレスやアルミニウム)である。また、本実施形態の二次電池10は、その外観が角型をなす角型電池であり、リチウムイオン電池である。
電極組立体14には、当該電極組立体14から電気を取り出すための正極端子14aと負極端子14bが電気的に接続されている。そして、正極端子14a及び負極端子14bは、蓋部材13の貫通孔13aを介してケース11外に突出するとともに、正極端子14a及び負極端子14bには、ケース11から絶縁するためのリング状の絶縁リング13bがそれぞれ取り付けられている。
図2に示すように、電極組立体14は、電極としての複数の正極電極21と、電極としての複数の負極電極24とが、セパレータ27を介して交互に積層されて構成されている。正極電極21は、矩形状の正極用金属箔(本実施形態ではアルミニウム箔)22と、その正極用金属箔22の両面(表面)に設けられた矩形状の正極用活物質層23と、を有する。正極電極21は、その一辺に沿って、正極用の活物質の設けられていない正極側未塗工部22dを有する。そして、正極電極21において、正極側未塗工部22dの一辺の一部には、正極集電タブ31が突出する状態に設けられている。
負極電極24は、矩形状の負極用金属箔(本実施形態では銅箔)25と、その負極用金属箔25の両面(表面)に設けられた矩形状の負極用活物質層26と、を有する。負極電極24は、その一辺に沿って、負極用の活物質の設けられていない負極側未塗工部25dを有する。そして、負極電極24において、負極側未塗工部25dの一辺の一部には、負極集電タブ32が突出する状態に設けられている。
図1に示すように、正極電極21及び負極電極24は、正極集電タブ31が積層方向に沿って列状に配置され、且つ正極集電タブ31と重ならない位置にて負極集電タブ32が積層方向に沿って列状に配置されるように積層される。そして、各正極集電タブ31は、電極組立体14における積層方向の一端から他端までの範囲内で集められた(束ねられた)状態で折り曲げられている。各正極集電タブ31が重なっている箇所を溶接することによって各正極集電タブ31が電気的に接続されるとともに、正極集電タブ31に正極端子14aが接続されている。各負極集電タブ32が重なっている箇所を溶接することによって各負極集電タブ32が電気的に接続されるとともに、負極集電タブ32に負極端子14bが接続されている。
次に、負極電極24の製造方法について説明する。
負極電極24の製造方法は、塗布工程と、前乾燥工程と、プレス工程と、検査工程と、乾燥工程と、打ち抜き工程と、を有する。
図3に示すように、塗布工程、前乾燥工程、及びプレス工程は塗工乾燥装置35で行われ、検査工程は、検査装置70で行われる。塗工乾燥装置35は、長尺帯状の負極用金属箔25を供給する供給機構36を備える。また、塗工乾燥装置35は、負極用金属箔25の両面に活物質合剤を塗布して、活物質合剤の層である第1の塗工部G1及び第2の塗工部G2を形成する塗工機構37と、各塗工部G1,G2を前乾燥させる乾燥機構38と、乾燥後の両塗工部G1,G2をプレスするプレス機構39と、を備える。
塗工乾燥装置35の供給機構36は、長尺帯状の負極用金属箔25が長手方向に巻装された供給ロール36aを備える。供給ロール36aは、支持機構によって回転可能に支持されている。そして、供給ロール36aに巻装された負極用金属箔25は、搬送方向Xに搬送されるようになっている。塗工機構37は第1スリットダイ37aを備え、この第1スリットダイ37aの吐出口(図示せず)は、負極用金属箔25の下方において、負極用金属箔25の一方の面に対向配置されている。また、塗工機構37は第2スリットダイ37bを備え、この第2スリットダイ37bの吐出口(図示せず)は、負極用金属箔25の上方において、負極用金属箔25の他方の面に対向配置されている。
そして、塗布工程では、第1及び第2スリットダイ37a,37bの吐出口からは活物質合剤が連続的に吐出され、供給ロール36aから送り出された負極用金属箔25の両面には活物質合剤が、負極用金属箔25の長手方向に連続して塗布される。すると、負極用金属箔25の一方の面には活物質合剤によって第1の塗工部G1の層が形成され、負極用金属箔25の他方の面には活物質合剤によって第2の塗工部G2の層が形成される。なお、負極用の活物質合剤は、負極活物質、導電助剤、及びバインダ(結着剤)を混合し、溶媒を添加して混練したペースト状のものである。
また、図4に示すように、塗布工程では、負極用金属箔25の長手方向に直交する短手方向において、各塗工部G1,G2の両側には活物質合剤は塗布されず、負極用金属箔25の露出部Mが形成される。そして、各塗工部G1,G2及び露出部Mが負極用金属箔25に形成されることにより電極材料30が形成される。
図3に示すように、乾燥機構38は、熱源からの熱によって各塗工部G1,G2を前乾燥させる乾燥機38aを備え、前乾燥工程は、乾燥機構38で行われる。また、プレス機構39は、回転するプレスローラ63a,63bを備える。
そして、プレス工程では、プレスローラ63a,63bで電極材料30挟み込んで加圧することによって行われ、各塗工部G1,G2は、それぞれ所定の厚みまで圧縮される。その後、プレスされた電極材料30は乾燥用巻取ロール39aに巻取られるが、乾燥用巻取ロール39aに電極材料30が巻取られる前に検査工程が行われる。
次に、検査工程を行う検査装置70について説明する。
図3に示すように、検査装置70は、プレス工程後の電極材料30をV字状に屈曲させながら張力を付与する一対の第1テンションローラ64a,64bを備える。また、検査装置70は、V字状に屈曲した電極材料30の下端屈曲部K1を挟むように対向配置された第1の不良検出部71を備える。第1の不良検出部71は、電極材料30の下方において、第1の塗工部G1に対向配置された第1の光電センサ71aと、第1の光電センサ71aより下流側に配置されたLED等からなる第1の光源71bと、を有する。第1の光電センサ71a及び第1の光源71bは、負極用金属箔25の短手方向全体に亘って延びており、第1の塗工部G1の短手方向全体に対向している。第1の光電センサ71aは、第1の光源71bから照射されて第1の塗工部G1で反射又は散乱した光を受光し、その受光量の変化から、第1の塗工部G1に生じた不良部Kを検出可能である。
また、検査装置70は、第1テンションローラ64a,64bより下流側に、電極材料30を逆V字状に屈曲させながら張力を付与する一対の第2テンションローラ65a,65bを備える。また、検査装置70は、逆V字状に屈曲した電極材料30の上端屈曲部K2を挟むように対向配置された第2の不良検出部72を備える。第2の不良検出部72は、電極材料30の上方において、第2の塗工部G2に対向配置された第2の光電センサ72aと、第2の光電センサ72aより下流側に配置されたLED等からなる第2の光源72bと、を有する。第2の光電センサ72a及び第2の光源72bは、負極用金属箔25の短手方向全体に亘って延びており、第2の塗工部G2の短手方向全体に対向している。第2の光電センサ72aは、第2の光源72bから照射されて第2の塗工部G2で反射又は散乱した光を受光し、その受光量の変化から、第2の塗工部G2に生じた不良部Kを検出可能である。なお、不良部Kとは、第1及び第2の塗工部G1,G2に生じた活物質の欠落部や、厚みが所定範囲内から外れた部位のことである。
検査装置70は、制御装置80を備え、この制御装置80に第1の光電センサ71a及び第2の光電センサ72aが信号接続されている。そして、第1及び第2の光電センサ71a,72aが不良部Kを検出すると、その検出信号は制御装置80に入力される。また、検査装置70は、エンコーダ49を備え、このエンコーダ49は、電極材料30の搬送方向Xにおいて、第1及び第2の不良検出部71,72より上流側に配置されている。このエンコーダ49は制御装置80に信号接続され、電極材料30の搬送速度を検出し、検出信号を制御装置80に出力する。
また、検査装置70は、マーキング装置73を備え、このマーキング装置73は、電極材料30の短手方向両側の露出部Mのうちの一方の露出部MにマークNを付すために駆動される装置である。マーキング装置73は、露出部Mに凹凸状のマークNを形成するマーキング機構75と、このマーキング機構75と露出部Mを挟む位置に配置された支持ローラ78を有する。
図4(a)及び図4(b)に示すように、マーキング機構75は、シリンダ76を備え、このシリンダ76のシリンダボディ76aに対し出没可能なロッド76bの突出端には逆U字状の支持フレーム76cが固定されている。支持フレーム76cの先端同士の間に架設された支軸76dにはマーキングローラ77が回転可能に支持されている。マーキングローラ77の周面は、その周方向に凹凸が連続する波形状となっている。
支持ローラ78は、ゴム等の軟質材料製であり、電極材料30を下方から支持している。マーキングローラ77は、ロッド76bがシリンダボディ76aから突出したとき、露出部Mを支持ローラ78と挟持する挟持位置P1に位置する。
図4(b)に示すように、マーキングローラ77は、ロッド76bがシリンダボディ76aに没入したとき、露出部Mから離間した離脱位置P2に位置する。よって、マーキングローラ77は、挟持位置P1と離脱位置P2に移動可能である。
検査工程は、不良部Kの検出と、マークNを付すマーキングを含む。そして、検査工程では、まず、第1の不良検出部71及び第2の不良検出部72によって不良部Kの検出が行われ、不良部Kが検出されると、検出信号が制御装置80に入力される。すると、制御装置80は、エンコーダ49からの情報に基づき、不良部Kが移動してきたタイミングで、ロッド76bをシリンダボディ76aから突出させてマーキングローラ77を挟持位置P1に移動させる。
マーキングローラ77が挟持位置P1に位置すると、露出部Mはマーキングローラ77と支持ローラ78で挟持され、露出部Mはマーキングローラ77の波形状に倣って凹凸状に変形し、その変形によって露出部MにマークNが付される。なお、マーキングローラ77がマークNを付す位置は、不良部Kから電極材料30の短手方向に沿って移動した露出部M上の位置である。
制御装置80は、マーキングローラ77を挟持位置P1に移動させた後、エンコーダ49からの情報に基づき、不良部Kが通り過ぎたタイミングで、ロッド76bをシリンダボディ76aに没入させてマーキングローラ77を挟持位置P1から離脱位置P2に移動させる。そして、マーキング機構75によって露出部MにマークNが付されるとマーキングが完了する。そして、電極材料30が乾燥用巻取ロール39aに巻取られると、マークNの上に電極材料30が重ねられていく。
図5に示すように、検査工程の後に行われる乾燥工程は、両塗工部G1,G2に含まれた溶剤を取り除くために行われる。乾燥工程は、乾燥用巻取ロール39aに巻取られた電極材料30を乾燥炉41にセットして行われる。そして、乾燥工程は、乾燥炉41内で両塗工部G1,G2を加熱することによって行われ、両塗工部G1,G2に残存する溶剤が揮発するとともに、バインダが硬化する。
図6及び図7に示すように、打ち抜き工程は、打ち抜き機構81によって行われる。 打ち抜き工程を行う打ち抜き機構81について説明する。
打ち抜き機構81は、電極材料30を長手方向に沿って等間隔おきに切断し、電極材料30の短冊体30aを形成するカット装置82を備える。また、打ち抜き機構81は、検査工程で露出部Mに付されたマークNを検出するマーク検出部83を備えるとともに、このマーク検出部83と信号接続された打ち抜き用制御部85を備える。マーク検出部83は、光電センサであり、投光部83aと受光部83bを有する。そして、マークNで反射して受光部83bに到達した光の量は、マークNの付されていない露出部Mで反射して受光部83bに到達した光の量と異なる。受光部83bは、光の量の変化を検出して電気信号に変換し、打ち抜き用制御部85に出力する。
また、打ち抜き機構81は、電極材料30の搬送方向Xにおいて、マーク検出部83より下流側に打ち抜き機87を備える。打ち抜き機87は、負極電極24の平面形状と同じ形の金型87aを備え、この金型87aは昇降シリンダ87bのロッド87cに連結されている。金型87aは、負極電極24を電極材料30の短冊体30aから打ち抜く際に、昇降シリンダ87bによって短冊体30aに向けて下降し、打ち抜いた後は、昇降シリンダ87bによって短冊体30aから上昇する。打ち抜き機87は、打ち抜き用制御部85に信号接続されている。
そして、打ち抜き工程では、まず、カット装置82により電極材料30が複数の短冊体30aにカットされる。その後、マーク検出部83がマークNを検出すると、マーク検出部83が出力した検出信号が打ち抜き用制御部85に入力される。打ち抜き用制御部85は、マークNのある短冊体30aが打ち抜き機87の真下に位置するタイミングでは、昇降シリンダ87bを駆動させず、金型87aが下降しないようにする。一方、打ち抜き用制御部85は、マーク検出部83がマークNを検出していない場合は、金型87aを下降させるように昇降シリンダ87bを制御し、短冊体30aから負極電極24を打ち抜く。
すると、図7に示すように、両塗工部G1,G2から負極用活物質層26が形成されるとともに、片方の露出部Mから負極側未塗工部25d及び負極集電タブ32が形成され、負極電極24が製造される。また、マークNが付された露出部Mを含む短冊体30aは、負極電極24の形状に打ち抜かれず、そのまま廃棄される。
一方、正極電極21を製造する場合、図示しないが、塗布工程では、第1及び第2スリットダイ37a,37bの吐出口からは活物質合剤が間欠的に吐出され、供給ロール36aから送り出された正極用金属箔22の両面には活物質合剤が、正極用金属箔22の長手方向に一定間隔を空けて塗布される。
すると、図8に示すように、正極用金属箔22の一方の面には正極用の活物質合剤によって第1の塗工部G1の層が形成され、正極用金属箔22の他方の面には正極用の活物質合剤によって第2の塗工部G2の層が形成される。また、正極用金属箔22の長手方向に沿って、塗工部G1,G2と露出部Mが交互に形成され、正極用の電極材料30が形成される。なお、正極用の活物質合剤は、正極活物質、導電助剤、及びバインダ(結着剤)を混合し、溶媒を添加して混練したペースト状のものである。
その後、負極電極24の製造と同様に、前乾燥工程が乾燥機構38で行われ、プレス工程がプレス機構39で行われる。続けて、検査装置70によって検査工程が行われる。
検査工程で、第1の不良検出部71及び第2の不良検出部72で不良部Kが検出されると、不良部Kが移動してきたタイミングで、マーキング装置73によって露出部MにマークNが付され、マーキングが行われる。なお、正極電極21の製造時は、マーキングローラ77がマークNを付す位置は、電極材料30の搬送方向Xにおいて不良部Kを有する各塗工部G1,G2の直後に位置する露出部Mである。
その後、乾燥用巻取ロール39aに巻取られた正極用の電極材料30は乾燥炉41内で焼成され、打ち抜き工程では、まず、カット装置82により短冊体30aが形成される。なお、正極電極21の製造工程では、短冊体30aは、塗工部G1,G2及び露出部Mを1つずつ含むように電極材料30が長手方向にカットされる。
続いて、マーク検出部83がマークNを検出し、マーク検出部83が出力した検出信号が打ち抜き用制御部85に入力されると、打ち抜き用制御部85は、不良部Kのある塗工部G1,G2を有する短冊体30aが打ち抜き機87の真下に移動するタイミングを演算する。そして、打ち抜き用制御部85は、不良部Kを有する短冊体30aが打ち抜き機87の真下に位置するタイミングでは、昇降シリンダ87bを駆動させず、金型87aが下降しないようにする。
一方、打ち抜き用制御部85は、マーク検出部83がマークNを検出していない場合は、金型87aを下降させるように昇降シリンダ87bを制御し、短冊体30aから正極電極21を打ち抜く。すると、両塗工部G1,G2から正極用活物質層23が形成されるとともに、露出部Mから正極側未塗工部22d及び正極集電タブ31が形成され、正極電極21が製造される。また、不良部Kを有する短冊体30aは、正極電極21の形状に打ち抜かれず、そのまま廃棄される。
上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)検査装置70は、マーキング装置73を備え、マーキング装置73のマーキング機構75は、マーキングローラ77によって露出部MにマークNを付すことができる。マークNは、露出部Mを凹凸状に変形させて形成されるため、乾燥工程で高温に曝されてもマークNが消失することがない。また、マークNの付された電極材料30が乾燥用巻取ロール39aに巻取られ、マークNに電極材料30が重ねられたり、マークNに電極材料30が擦れても、凹凸は無くならず、マークNを残したままとすることができる。したがって、マークNが電極の製造途中で消失することがない。その結果として、打ち抜き工程では、不良部Kのある短冊体30aを確実に識別することができる。
(2)マーキング装置73は、マーキング機構75を備え、このマーキング機構75はマーキングローラ77を備える。マーキングローラ77の周面は周方向に凹凸が連続する波形状である。このため、マーキングローラ77が挟持位置P1にあるとき、マーキングローラ77が回転することで露出部Mに凹凸形状(波形状)を付けることができる。
(3)また、マーキング機構75のマーキングローラ77は、電極材料30の搬送に伴い回転しながら電極材料30の露出部Mに波形状を付ける。したがって、電極材料30の搬送を止めることなく露出部MにマークNを付すことができ、マークNを付すために正極電極21及び負極電極24の生産性が低下することもない。
(4)検査装置70は、第1及び第2の不良検出部71,72を備える。このため、第1及び第2の塗工部G1,G2に不良部Kが有れば、第1及び第2の不良検出部71,72で確実に検出することができる。
(5)打ち抜き機構81は、マーク検出部83を備える。このため、マークNが付されていれば、マーク検出部83でマークNを確実に検出して、不良部Kのある短冊体30aを打ち抜かずに済む。
(6)マーキング装置73は、軟質材料で形成された支持ローラ78を備える。このため、支持ローラ78とマーキングローラ77で露出部Mを挟持することができ、マーキングローラ77からの荷重を支持ローラ78で受け止めることができる。そして、マーキングローラ77の凹凸を支持ローラ78の弾性変形で吸収することができ、マーキングローラ77の凹凸で露出部Mが破断してしまうことを防止できる。
(7)マーク検出部83は、投光部83aと受光部83bを備える光電センサである。そして、マークNは凹凸状であるため、マークNの無い露出部Mと比べると受光部83bでの受光量が変化する。このため、マーク検出部83でマークNを簡単、かつ確実に検出することができる。
(8)マークNは露出部Mを破らないように凹凸状に変形させて形成されている。このため、露出部Mを破断させたり、切り欠いてマークを形成する場合と異なり、金属粉や切れ端が発生しない。
(9)検査装置70はエンコーダ49を備える。そして、エンコーダ49の検出信号に基づいて不良部Kの位置を確実に把握して、不良部Kを識別できる位置にマークNを付すことができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図9に示すように、負極電極24を製造する場合、電極材料30の短手方向の中央から第1及び第2の塗工部G1,G2をカットし、両露出部Mから負極側未塗工部25d及び負極集電タブ32を形成するようにしてもよい。すなわち、電極材料30から負極電極24を二条取りしてもよい。この場合、検査装置70は、両露出部MにマークNを付すことができるように、一対のマーキング機構75を備える。そして、電極材料30の短手方向において、不良部Kの生じた塗工部G1,G2側の露出部MのみにマークNを付すようにしてもよい。
○ 検査装置70は、負極電極24の電極材料30にマークNを付す際、第1及び第2の塗工部G1,G2の両側の露出部MにマークNを付すことができ、正極電極21の電極材料30にマークNを付す際、露出部Mに一対のマークNを付すことができるように、一対のマーキング機構75を備えた構成であってもよい。
○ マークNを付す長さは適宜変更してもよい。例えば、負極電極24の電極材料30にマークNを付す場合は、短冊体30aの長手方向全体に亘ってマークNを付してもよい。
○ マーキングローラ77の周面は、周方向に凹凸が連続する波形状でなくてもよく、適宜変更してもよい。例えば、マーキングローラ77を多角筒状としてもよい。
○ マーキング機構75は、マーキングローラ77によって露出部Mに凹凸を形成するタイプでなくてもよい。例えば、マーキング機構は、圧縮空気を露出部Mに向けて噴射可能な噴射装置であり、露出部Mに向けて圧縮空気を複数回噴射することで、露出部Mに凹凸を形成してもよい。
○ 打ち抜き工程において、カット装置82により短冊体30aが形成されているが、短冊体30aを形成することなく、長尺帯状の電極材料30より直接打ち抜きを行う場合にも、本発明を適用することができる。
○ 正極用金属箔22又は負極用金属箔25の片面のみに塗工部を形成した電極材料を用いて電極を製造する場合に、本実施形態の検査装置70及びマーキング装置73を用いてマークNを付してもよい。
○ 電極組立体14は、正極電極及び負極電極の間にセパレータを介在させて捲回した捲回型であってもよい。
○ 二次電池10は電解液が必須ではなく、例えば、セパレータが高分子電解質で形成されていてもよい。
○ 蓄電装置は、二次電池10に限らず、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタであってもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)前記マーキングローラを有するマーキング機構を備え、前記マーキング機構を駆動させる制御装置を備える検査装置。
K…不良部、M…露出部、N…マーク、G1,G2…第1及び第2の塗工部、P1…挟持位置、P2…離脱位置、22…正極用金属箔、25…負極用金属箔、30…電極材料、70…検査装置、71…第1の不良検出部、72…第2の不良検出部、73…マーキング装置、77…マーキングローラ、78…支持ローラ。

Claims (4)

  1. 長尺帯状の金属箔の少なくとも一面に活物質の塗工部が形成されるとともに前記金属箔の短手方向の縁部を含む領域に前記金属箔の露出部が形成された電極材料に、前記露出部のうちの前記金属箔の短手方向の縁部を厚み方向に破断させずに凹凸状に変形させたマークを形成することを特徴とするマーキング装置。
  2. 搬送される前記金属箔に摺接しつつ回転するマーキングローラを有するとともに、前記マーキングローラと共に前記金属箔を挟む支持ローラを備え、前記マーキングローラの周面は、該マーキングローラの周方向に凹凸が連続する形状であり、前記マーキングローラは前記支持ローラと共に前記金属箔を挟持しつつ回転する挟持位置と、前記金属箔から離間した離脱位置とに移動可能である請求項1に記載のマーキング装置。
  3. 長尺帯状の金属箔の少なくとも一面に活物質の塗工部が形成されるとともに前記金属箔の短手方向の縁部を含む領域に前記金属箔の露出部が形成された電極材料を検査する検査装置であって、
    前記塗工部の不良部を検出する不良検出部と、
    前記不良検出部が前記不良部を検出すると、前記塗工部での前記不良部の位置を識別可能とするマークを前記露出部に付すマーキング装置と、を有し、
    前記マーキング装置は、前記露出部のうちの前記金属箔の短手方向の縁部を厚み方向に破断させずに凹凸状に変形させたマークを形成することを特徴とする検査装置。
  4. 長尺帯状の金属箔の少なくとも一面に活物質の塗工部が形成されるとともに前記金属箔の短手方向の縁部を含む領域に前記金属箔の露出部が形成された電極材料を用いる電極製造方法であって、
    前記塗工部の不良部を検出し、
    前記不良部が検出されると、前記塗工部での前記不良部の位置を識別可能とするマークを前記露出部に付すマーキングを行う検査工程を有し、
    前記マーキングは、前記露出部のうちの前記金属箔の短手方向の縁部を厚み方向に破断させずに凹凸状に変形させたマークを形成することを特徴とする電極製造方法。
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