JP2016062908A - 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法 - Google Patents

封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2016062908A
JP2016062908A JP2014186815A JP2014186815A JP2016062908A JP 2016062908 A JP2016062908 A JP 2016062908A JP 2014186815 A JP2014186815 A JP 2014186815A JP 2014186815 A JP2014186815 A JP 2014186815A JP 2016062908 A JP2016062908 A JP 2016062908A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical semiconductor
sealing layer
semiconductor element
layer
sealing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014186815A
Other languages
English (en)
Inventor
亮太 三田
Ryota Mita
亮太 三田
広和 松田
Hirokazu Matsuda
広和 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP2014186815A priority Critical patent/JP2016062908A/ja
Priority to PCT/JP2015/075837 priority patent/WO2016039442A1/ja
Priority to TW104130222A priority patent/TW201622184A/zh
Publication of JP2016062908A publication Critical patent/JP2016062908A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08KUse of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
    • C08K3/00Use of inorganic substances as compounding ingredients
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/04Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof the devices having at least one potential-jump barrier or surface barrier, e.g. PN junction, depletion layer or carrier concentration layer
    • H01L21/50Assembly of semiconductor devices using processes or apparatus not provided for in a single one of the subgroups H01L21/06 - H01L21/326, e.g. sealing of a cap to a base of a container
    • H01L21/56Encapsulations, e.g. encapsulation layers, coatings
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/28Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection
    • H01L23/29Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection characterised by the material, e.g. carbon
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L23/00Details of semiconductor or other solid state devices
    • H01L23/28Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection
    • H01L23/31Encapsulations, e.g. encapsulating layers, coatings, e.g. for protection characterised by the arrangement or shape
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/50Wavelength conversion elements
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/48Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor body packages
    • H01L33/52Encapsulations
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/15Details of package parts other than the semiconductor or other solid state devices to be connected
    • H01L2924/181Encapsulation

Abstract

【課題】小型のプレスによっても、寸法の精確性に優れる封止層を備える封止層被覆光半導体素子を製造する方法を提供すること。
【解決手段】この方法は、平板状の下金型2と平板状の上金型3とを備えるプレス1を準備する工程、封止層13の設計厚みT0に対応するプレス位置を超える下金型2の降下を規制するためのスペーサ4をプレス1に配置する工程、第1剥離層12とBステージの封止層13とを備える封止部材11を配置する工程、封止層13の外形形状に対応するダム5を、封止層13を囲むように配置する工程、第2剥離層17と光半導体素子16とを備える素子部材15を、光半導体素子16が下金型2に向かうように配置する工程、および、下金型2を上金型3にプレスして、下金型2をプレス位置に位置させて、光半導体素子16を封止層13により被覆する工程を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法、詳しくは、封止層被覆光半導体素子の製造方法、および、それを用いる光半導体装置の製造方法に関する。
従来、光半導体素子と、光半導体素子により封止される封止層とを備える光半導体装置が知られている。
そのような光半導体装置の製造方法として、例えば、下型と、上型と、上型の下面より下端面が下方に位置し、上型の周囲に配置されるクランパと、クランパおよび下型のそれぞれの側方に配置される上クランプストッパおよび下クランプストッパとを備える圧縮成形機を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
すなわち、特許文献1に記載の方法では、下型に、光半導体素子と、それが実装される回路基板とを備える封止前の光半導体装置を載置し、次いで、上型と光半導体装置との間に、封止樹脂を塗布した後、上型およびクランパを下降させて、封止樹脂および光半導体装置を挟持(型締め)して、クランパの内側面と上型の下面によって包囲された封止領域において封止樹脂を圧縮成形する方法が提案されている。
さらに、特許文献1に記載の圧縮成形機を用いる方法では、上クランプストッパおよび下クランプストッパが互いに当接する型締め位置にあるときに、封止領域が所定の厚さとなり、そのため、封止樹脂から形成される封止層は、封止領域に対応する厚さを有する。
特開2006−93354号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、圧縮成形機が、クランパ、上クランプストッパおよび下クランプストッパを備えるので、大型化するという不具合がある。
また、封止領域における封止層には、その厚みを所望の厚みに設定できる寸法の精確性が要求されるところ、特許文献1に記載の方法では、上記した要求を満足できないという不具合がある。
本発明の目的は、小型のプレスによっても、寸法の精確性に優れる封止層を備える封止層被覆光半導体素子を製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法は、光半導体素子と、前記光半導体素子を被覆する封止層とを備える封止層被覆光半導体素子の製造方法であって、平板状の第1金型と、前記第1金型に対向配置するための平板状の第2金型とを備えるプレスを準備する工程、前記封止層の設計厚みに対応するプレス位置を超える前記プレスのプレス方向における前記第1金型および/または前記第2金型の移動を規制するための規制部材を前記プレスに配置する工程、剥離層と、前記剥離層の表面に配置されるBステージの前記封止層とを備える封止部材を、前記第1金型および前記第2金型の間に、前記封止層が第2金型に向かうように、配置する工程、前記封止層の外形形状に対応する堰部材を、前記プレス方向に投影したときに前記封止層を囲むように、配置する工程、基材と、前記基材の表面に配置される前記光半導体素子とを備える素子部材を、前記第1金型および前記第2金型の間であって、前記封止部材に対する前記第2金型側に、前記光半導体素子が前記第1金型に向かうように、配置する工程、および、前記第1金型および前記第2金型を近接させて、前記第1金型および/または前記第2金型を前記プレス位置に位置させて、前記光半導体素子を前記封止層により被覆する工程を備えることを特徴としている。
この方法によれば、平板状の第1金型と、平板状の第2金型とを備えるプレスを準備するので、プレスの構成を簡単にすることができながら、光半導体素子を封止層により被覆することができる。
また、この方法によれば、堰部材を、プレス方向に投影したときに封止層を囲むように配置し、そして、第1金型および第2金型を近接させる。そのため、第1金型および第2金型のプレスにおいて、封止層がプレス方向に対する直交方向に漏れることを抑制することができる。
さらに、この方法によれば、規制部材をプレスに配置するので、第1金型および/または第2金型をプレス位置に位置させるときに、封止層の設計厚みに対応するプレス位置を超えるプレスのプレス方向における第1金型および/または第2金型の移動を規制することができる。そのため、封止層の厚みを設計厚みに精確に調整することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記封止層の体積割合が、前記第1金型および/または前記第2金型が前記プレス位置に位置するときに、前記堰部材、前記剥離層および前記基材によって区画される空間の体積から前記光半導体素子の体積を差し引いた封止層収容体積に対して、100%以上、120%以下であることが好適である。
この方法によれば、封止層の体積割合が特定範囲にあるので、寸法の精確性に優れる封止層を得ることができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記堰部材を配置する工程において、前記堰部材の厚みが、前記封止層の前記設計厚みに対して、100%を超過し、120%以下であることが好適である。
この方法によれば、堰部材の厚みが特定範囲にあるので、堰部材を上下方向に確実に圧縮しながら、封止層が直交方向に漏れることを抑制することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記堰部材の23℃における引張弾性率が、0.3MPa以上、1000MPa以下であることが好適である。
この方法によれば、堰部材のハンドリング性を良好に確保できる一方、堰部材を封止層とともにプレスしながら、封止層が直交方向に漏れることを抑制することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記堰部材が、樹脂を含有することが好適である。
この方法によれば、堰部材が、樹脂を含有するので、柔軟な堰部材を容易に形成することができる。そのため、かかる堰部材によって、封止層が堰部材から漏れることを確実に抑制することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記樹脂が、シリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂であることが好適である。
この方法によれば、樹脂が、シリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂であるので、封止層が堰部材から漏れることをより一層確実に抑制することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記封止部材において、前記剥離層の周端部は、前記封止層から露出しており、前記堰部材を配置する工程では、前記堰部材を、前記剥離層の前記周端部に載置することが好適である。
この方法によれば、堰部材を配置する工程では、堰部材を、剥離層の周端部に載置するので、第1金型および第2金型を近接させて、光半導体素子を封止層により被覆する工程では、剥離層の表面において、堰部材を、封止層を囲むように、容易かつ確実に相対配置することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記堰部材を配置する工程において、前記封止層の面積が、前記堰部材によって囲まれる空間の前記プレス方向に対する直交方向に沿う断面積に比べて、小さいことが好適である。
この方法によれば、封止層の面積に比べて大きい断面積の空間を囲む堰部材を、封止層を囲むように、容易かつ確実に配置することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記光半導体素子が前記基材に単数配置される場合には、前記封止層の面積が、前記基材において前記単数の光半導体素子が配置される領域の面積に比べて大きく、前記光半導体素子が前記基材に複数設けられる場合には、前記封止層の面積が、前記基材において前記複数の光半導体素子のうち最外側に配置される前記光半導体素子の外側端縁を結ぶ線分で囲まれる領域の面積に比べて、大きいことが好適である。
この方法によれば、上記した領域の面積に比べて大きい面積を有する封止層により確実に光半導体素子を被覆しつつ、封止層の厚み精確性を向上させることができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記プレスは、熱源を備え、前記Bステージの封止層は、熱可塑性および熱硬化性を併有し、前記光半導体素子を前記封止層により被覆する工程では、前記封止層を加熱して可塑化し、続いて、可塑化した前記封止層を熱硬化させることが好適である。
この方法によれば、Bステージの封止層が、熱可塑性および熱硬化性を併有するので、光半導体素子を封止層により被覆する工程において、封止層を加熱して可塑化して、封止層によって光半導体素子を確実に被覆しつつ、その後、可塑化した封止層を熱硬化させて、光半導体素子の信頼性を向上させることができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記封止層は、分子内に2個以上のアルケニル基および/またはシクロアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリシロキサンと、分子内に2個以上のヒドロシリル基を含有するヒドロシリル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含有するフェニル系シリコーン樹脂組成物を含有する封止組成物からシート状に形成され、前記アルケニル基含有ポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で示され、
平均組成式(1):
SiO(4−a−b)/2
(式中、Rは、炭素数2〜10のアルケニル基および/または炭素数3〜10のシクロアルケニル基を示す。Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。aは、0.05以上、0.50以下であり、bは、0.80以上、1.80以下である。)
前記ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、下記平均組成式(2)で示され、
平均組成式(2):
SiO(4−c−d)/2
(式中、Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基を除く。)を示す。cは、0.30以上、1.0以下であり、dは、0.90以上、2.0以下である。)
前記平均組成式(1)および前記平均組成式(2)中、RおよびRの少なくともいずれか一方は、フェニル基を含み、前記フェニル系シリコーン樹脂組成物を反応させることにより得られる生成物は、下記平均組成式(3)で示され、
平均組成式(3):
SiO(4−e)/2
(式中、Rは、フェニル基を含む、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。eは、0.5以上2.0以下である。)
前記平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合が、30モル%以上、55モル%以下であることが好適である。
この方法によれば、封止層において、シリコーン樹脂組成物を反応させることにより得られる生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合が特定の範囲にあるので、光半導体素子を確実に埋設して被覆することができる。
また、本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法では、前記封止層は、蛍光体を含有していることが好適である。
この方法によれば、光半導体素子から発光された光を、寸法の精確性に優れ、蛍光体を含有する封止層によって波長変換することができるので、色均一性に優れる封止層被覆光半導体素子を得ることができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法は、上記した封止層被覆光半導体素子の製造方法により、基材の表面に配置された封止層被覆光半導体素子を用意する工程を備え、前記基材は、第2剥離層であり、前記封止層被覆光半導体素子を用意する工程の後に、前記封止層被覆光半導体素子を前記第2剥離層から剥離する工程、および、剥離した前記封止層被覆光半導体素子の前記光半導体素子を基板に実装する工程をさらに備えていることを特徴としている。
この方法によれば、設計厚みに精確に調整された厚みを有する封止層を備える封止層被覆光半導体素子を用意するので、発光特性および耐久性に優れる光半導体装置を得ることができる。
また、本発明の光半導体装置の製造方法は、上記した封止層被覆光半導体素子の製造方法により、基材の表面に配置された封止層被覆光半導体素子を用意する工程を備え、前記基材は、前記光半導体素子が実装された基板であることを特徴としている。
この方法によれば、設計厚みに精確に調整された厚みを有する封止層を備える封止層被覆光半導体素子を用意するので、発光特性および耐久性に優れる光半導体装置を得ることができる。
本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法によれば、プレスの構成を簡単にすることができながら、光半導体素子を封止層により被覆することができる。また、封止層がプレス方向に対する直交方向に漏れることを抑制することができる。さらに、封止層の厚みを設計厚みに精確に調整することができる。
本発明の光半導体装置の製造方法によれば、発光特性および耐久性に優れる光半導体装置を得ることができる。
図1A〜図1Cは、本発明の光半導体装置の製造方法を説明する工程図であり、図1Aは、準備工程、スペーサ配置工程、封止部材配置工程、ダム配置工程および素子部材配置工程、図1Bは、被覆工程、図1Cは、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子を引き上げる工程を示す。 図2D〜図2Fは、図1Cに引き続き、本発明の光半導体装置の製造方法を説明する工程図であり、図2Dは、第1剥離層を剥離する工程、図2Eは、剥離工程、図2Fは、実装工程を示す。 図3は、図1Aに示すプレスの分解斜視図を示す。 図4Aおよび図4Bは、図1Aに示すプレスの底面図および平面図であり、図4Aは、上金型の底面図、図4Bは、下金型の平面図を示す。 図5は、図1Aに示すプレスの拡大断面図を示す。 図6は、本発明の光半導体装置の製造方法の変形例の準備工程、スペーサ配置工程、封止部材配置工程、ダム配置工程および素子部材配置工程を示す。 図7は、本発明の光半導体装置の製造方法の変形例の被覆工程を示す。 図8は、本発明の光半導体装置の製造方法の変形例の準備工程、スペーサ配置工程、封止部材配置工程、ダム配置工程および素子部材配置工程を示す。 図9は、光半導体装置の製造方法の変形例を説明する工程図であり、図9Aは、準備工程、スペーサ配置工程、封止部材配置工程、ダム配置工程および素子部材配置工程、図9Bは、被覆工程、図9Cは、ダム/剥離層付光半導体装置を引き上げる工程、図9Dは、光半導体素子を個片化する工程を示す。
図1において、紙面上下方向は、上下方向(後述するプレス方向および厚み方向の一例、第1方向)であり、紙面上側は、上側(プレス方向上流側、第1方向一方側)、紙面下側は、下側(プレス方向下流側、第1方向他方側)である。図1において、紙面左右方向は、左右方向(プレス方向に直交する第2方向)であり、紙面左側は、左側(第2方向一方側)、紙面右側は、右側(第2方向他方側)である。図1において、紙面紙厚方向は、前後方向(プレス方向および第2方向に直交する第3方向)であり、紙面左側は、左側(第3方向一方側)、紙面右側は、右側(第3方向他方側)である。具体的には、各図の方向矢印に準拠する。
本発明の封止層被覆光半導体素子の製造方法の一例は、図2Eに示されるように、光半導体素子16と、光半導体素子16により被覆されて封止される封止層13とを備える封止層被覆光半導体素子10の製造方法である。この封止層被覆光半導体素子10の製造方法は、準備工程、スペーサ配置工程、封止部材配置工程、素子部材配置工程、ダム配置工程および被覆工程を備える。以下、各工程を図1A〜図5を参照して詳述する。
<1.準備工程>
準備工程では、プレス1を準備する。
図1Aおよび図3に示すように、プレス1は、第1金型としての下金型2と、第2金型としての上金型3とを備える。さらに、プレス1は、熱源としてのヒータ7と、複数(4つ)のバネ22とを備える。
下金型2は、プレス1の下部に配置されており、左右方向および前後方向に延びる略矩形平板状に形成されている。下金型2は、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属からなる。また、図3および図4Bに示すように、下金型2には、複数(4つ)の第1凹部23が、設けられている。
複数(4つ)の第1凹部23は、下金型2の上面が下側に向かって凹むように形成されている。複数(4つ)の第1凹部23は、前後方向および左右方向に互いに間隔を隔てて配置されている。複数(4つ)の第1凹部23のそれぞれは、下金型2の各隅部において、1つ、配置されている。
図3に示すように、上金型3は、プレス1において下金型2の上側に対向配置できるように構成されている。上金型3は、下金型2の外形形状と同一形状に形成されている。具体的には、上金型3は、左右方向および前後方向に延びる略矩形平板状に形成されている。図3および図4Aに示すように、上金型3は、下金型2で例示した金属からなる。また、上金型3には、複数(4つ)の第2凹部25が設けられている。
複数(4つ)の第2凹部25は、上金型3の下面において、下平板4に設けられる複数(4つ)の第1凹部23に対応するように、上金型3の隅部に配置されている。具体的には、複数(4つ)の第2凹部25は、上下方向に投影したときに、複数(4つ)の第1凹部23と重複するように配置されている。複数(4つ)の第2凹部25のそれぞれは、上金型3の下面が上側に向かって凹むように形成されている。
また、上金型3は、下金型2に対してプレス可能に構成されている。具体的には、上金型3には、下金型2に対する圧力を付与できる駆動部(図示せず)が接続される。
ヒータ7は、図1Aに示すように、下金型2の下面、および、上金型3の上面のそれぞれに配置されている。ヒータ7は、下金型2および上金型3を加熱可能に構成されている。
バネ22は、図1Aにおいて全て図示していないが、複数(4つ)設けられている。複数(4つ)のバネ22のそれぞれは、上下方向に延び、上下方向に収縮可能に構成されており、上下方向に押圧力を有する押しバネである。図3が参照されるように、バネ22の下端部は、第1凹部23に収容されて固定される一方、バネ22の上端部は、第2凹部25に収容されて固定される。
プレス1を準備するには、図1Aに示すように、ヒータ7が設けられた下金型2と、ヒータ7が設けられた上金型3とをそれぞれ用意する。
なお、この時点において、上金型3は、下金型2の上側にまだ対向配置されず、後述するが、被覆工程において、下金型2の上側に対向配置される。また、バネ22も、下金型2に配置されておらず、被覆工程において、下金型2に配置される。
<2.スペーサ配置工程>
(スペーサの用意)
スペーサ配置工程では、図3に示すように、まず、規制部材としてのスペーサ4を複数(2つ)用意する。
複数(2つ)のスペーサ4は、前後方向に延びる略角棒(角柱)形状に形成されている。図4Bに示すように、複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれは、前後方向に長い平面視略矩形状に形成されている。図3および図5に示すように、複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれは、左右方向および上下方向に切断したときの断面形状、および、前後方向および上下方向に切断したときの断面形状が、略矩形状に形成されている。
スペーサ4は、機械的強度、耐摩耗性および耐熱性を有する材料からなり、そのような材料としては、具体的には、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの金属、例えば、ポリフェニレンサルファイド(PPS)ポリアリレート(PAR)ポリアミドイミド(PAI)ポリエーテルイミド(PEI)ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)ポリサルホン(PSF)ポリエーテルサルホン(PES)などの樹脂(具体的には、エンジニアリング−プラスチック)などが挙げられる。好ましくは、金属、具体的には、下金型2および上金型3の金属が挙げられる。
複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれの前後方向長さは、下金型2の前端部および後端部にわたる長さに調整されている。複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれの左右方向長さ(幅)は、例えば、3mm以上、好ましくは、10mm以上であり、また、例えば、100mm以下、好ましくは、50mm以下である。図5に示すように、複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれの上下方向長さT1(厚みT1)は、後述する封止層13の設計厚みT0(図1B参照)に対応する厚みであって、詳しくは、封止層13の設計厚みT0(図1B参照)、第1剥離層12の厚みT2(図5参照)に応じて適宜設定される。具体的には、複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれの厚みT1は、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、5000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
(スペーサの配置)
次いで、用意した複数(2つ)のスペーサ4を、下金型2の上面に配置する。具体的には、複数(2つ)のスペーサ4のそれぞれを、下金型2の上面左右方向両端部のそれぞれに載置する。
<3.封止部材配置工程>
(封止部材の用意)
封止部材配置工程では、図3に示すように、まず、封止部材11を用意する。
(封止部材)
封止部材11は、前後方向および左右方向に延びる略矩形平板状に形成されている。封止部材11は、剥離層としての第1剥離層12と、第1剥離層13の上面(表面)に配置されるBステージの封止層13とを備える。封止部材11は、好ましくは、第1剥離層12と、封止層13とからなる。
第1剥離層12は、封止層13によって光半導体素子16(後述)を封止するまでの間、封止層13を保護するために、封止層13の裏面(図1Aにおける下面、図2Dにおける上面)に剥離可能に貼着されている。つまり、第1剥離層12は、封止部材11の出荷・搬送・保管時において、封止層13の裏面(図1Aにおける下面、図2Dにおける上面)を被覆するように、封止層13の裏面に積層され、封止層13の使用直前において、図2Dに示すように、封止層13の裏面(図2Dにおける上面)から略U字状に湾曲するように引き剥がすことができる可撓性フィルムである。つまり、第1剥離層12は、可撓性フィルムのみからなる。また、第1剥離層12の貼着面(図1Aにおける下面)、つまり、封止層13に対する接触面は、必要によりフッ素処理などの剥離処理されている。
図3に示すように、第1剥離層12は、左右方向および前後方向に沿う平板状をなし、具体的には、左右方向に長い平面視略矩形状に形成されている。
第1剥離層12を形成する材料として、例えば、熱可塑性樹脂が挙げられる。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂、例えば、PETなどのポリエステル系樹脂、例えば、アクリル樹脂などのアクリル系樹脂、例えば、フッ素系樹脂、例えば、熱可塑性シリコーン樹脂などが挙げられる。好ましくは、ポリエステル系樹脂が挙げられる。第1剥離層12の軟化温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、150℃以下、好ましくは、100℃以下である。
図4Bに示すように、第1剥離層12の面積S2は、封止層13の面積S1より大きく形成されている。
図5に示すように、第1剥離層12の厚みT2は、剛性、可撓性、ハンドリング性および低コスト化の観点から、例えば、20μm以上、好ましくは、30μm以上、より好ましくは、50μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下である。
図3に示すように、封止層13は、平板状を有し、具体的には、所定の厚みを有し、前後方向および左右方向に延び、平坦な上面および平坦な下面を有している。封止層13は、その外形形状が第1剥離層12の外形形状よりも小さく形成されており、第1剥離層12の上面の周端部(前端部、後端部、左端部および右端部)を露出するように、第1剥離層12の上面の前後方向および左右方向中央部に載置されている。
また、封止層13は、後述する封止層被覆光半導体素子10(図2E参照)および光半導体装置30(図2F参照)ではなく、封止層被覆光半導体素子10および光半導体装置30の一部品、すなわち、封止層被覆光半導体素子10および光半導体装置30を作製するための部品であり、光半導体素子16および光半導体素子16を搭載する基板20を含むことなく、構成されている。
そのため、第1剥離層12および封止層13を備える封止部材11は、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
封止層13は、Bステージの封止組成物からシート状に形成されている。封止組成物は、例えば、封止樹脂を必須成分として含有している。封止樹脂は、透明樹脂であって、具体的には、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂などの硬化性樹脂が挙げられ、好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、2段反応硬化性樹脂、1段反応硬化性樹脂が挙げられる。
2段反応硬化性樹脂は、2つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からBステージ化(半硬化)し、次いで、第2段の反応で、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。つまり、2段反応硬化性樹脂は、適度の加熱条件によりBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。なお、Bステージ状態は、熱硬化性樹脂が、液状であるAステージ状態と、完全硬化したCステージ状態との間の状態であって、硬化およびゲル化がわずかに進行し、弾性率がCステージ状態の弾性率よりも小さい半固体または固体状態である。
1段反応硬化性樹脂は、1つの反応機構を有しており、第1段の反応で、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる。ただし、1段反応硬化性樹脂は、第1段の反応の途中で、その反応が停止して、Aステージ状態からBステージ状態となることができ、その後のさらなる加熱によって、第1段の反応が再開されて、Bステージ状態からCステージ化(完全硬化)することができる熱硬化性樹脂を含む。つまり、かかる熱硬化性樹脂は、Bステージ状態となることができる熱硬化性樹脂である。
封止樹脂としては、例えば、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などが挙げられる。好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
シリコーン樹脂としては、例えば、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂などが挙げられる。シリコーン樹脂は、単独で使用してもよく、あるいは、併用することもできる。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、1段反応硬化性樹脂であって、例えば、アルケニル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含有する。
アルケニル基含有ポリシロキサンは、分子内に2個以上のアルケニル基および/またはシクロアルケニル基を含有する。アルケニル基含有ポリシロキサンは、具体的には、下記平均組成式(1)で示される。
平均組成式(1):
SiO(4−a−b)/2
(式中、Rは、炭素数2〜10のアルケニル基および/または炭素数3〜10のシクロアルケニル基を示す。Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。aは、0.05以上、0.50以下であり、bは、0.80以上、1.80以下である。)
式(1)中、Rで示されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基などの炭素数2〜10のアルケニル基が挙げられる。Rで示されるシクロアルケニル基としては、例えば、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基などの炭素数3〜10のシクロアルケニル基が挙げられる。
として、好ましくは、アルケニル基、より好ましくは、炭素数2〜4のアルケニル基、さらに好ましくは、ビニル基が挙げられる。
で示されるアルケニル基は、同一種類または複数種類のいずれでもよい。
で示される1価の炭化水素基は、アルケニル基およびシクロアルケニル基以外の非置換または置換の炭素原子数1〜10の1価の炭化水素基である。
非置換の1価の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ペンチル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基などの炭素数1〜10のアルキル基、例えば、シクロプロピル、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などの炭素数3〜6のシクロアルキル基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基などの炭素数6〜10のアリール基、例えば、ベンジル基、ベンジルエチル基などの炭素数7〜8のアラルキル基が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、より好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられる。
一方、置換の1価の炭化水素基は、上記した非置換の1価の炭化水素基における水素原子を置換基で置換したものが挙げられる。
置換基としては、例えば、塩素原子などのハロゲン原子、例えば、グリシジルエーテル基などが挙げられる。
置換の1価の炭化水素基としては、具体的には、3−クロロプロピル基、グリシドキシプロピル基などが挙げられる。
1価の炭化水素基は、非置換および置換のいずれであってもよく、好ましくは、非置換である。
で示される1価の炭化水素基は、同一種類または複数種類であってもよい。好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられ、より好ましくは、メチル基およびフェニル基の併用が挙げられる。
aは、好ましくは、0.10以上、0.40以下である。
bは、好ましくは、1.5以上、1.75以下である。
アルケニル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、例えば、100以上、好ましくは、500以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下である。アルケニル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレンによる換算値である。
アルケニル基含有ポリシロキサンは、適宜の方法によって調製され、また、市販品を用いることもできる。
また、アルケニル基含有ポリシロキサンは、同一種類または複数種類であってもよい。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、例えば、分子内に2個以上のヒドロシリル基(SiH基)を含有する。ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、具体的には、下記平均組成式(2)で示される。
平均組成式(2):
SiO(4−c−d)/2
(式中、Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基を除く。)を示す。cは、0.30以上、1.0以下であり、dは、0.90以上、2.0以下である。)
式(2)中、Rで示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基は、式(1)のRで示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基と同一のものが例示される。好ましくは、非置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、さらに好ましくは、メチル基および/またはフェニル基が挙げられる。
cは、好ましくは、0.5以下である。
dは、好ましくは、1.3以上、1.7以下である。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、例えば、100以上、好ましくは、500以上であり、また、例えば、10000以下、好ましくは、5000以下である。ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーによって測定される標準ポリスチレンによる換算値である。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、適宜の方法によって調製され、また、市販品を用いることもできる。
また、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、同一種類または複数種類であってもよい。
上記した平均組成式(1)および平均組成式(2)中、RおよびRの少なくともいずれか一方の炭化水素基は、フェニル基を含み、好ましくは、RおよびRの両方の炭化水素が、フェニル基を含む。なお、RおよびRの少なくともいずれか一方の炭化水素基がフェニル基を含むので、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、フェニル系シリコーン樹脂組成物とされる。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンの配合割合は、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基およびシクロアルケニル基のモル数の、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基のモル数に対する割合(アルケニル基およびシクロアルケニル基のモル数/ヒドロシリル基のモル数)が、例えば、1/30以上、好ましくは、1/3以上、また、例えば、30/1以下、好ましくは、3/1以下となるように、調整される。
ヒドロシリル化触媒は、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応(ヒドロシリル付加)の反応速度を向上させる物質(付加触媒)であれば、特に限定されず、例えば、金属触媒が挙げられる。金属触媒としては、例えば、白金黒、塩化白金、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−カルボニル錯体、白金−アセチルアセテートなどの白金触媒、例えば、パラジウム触媒、例えば、ロジウム触媒などが挙げられる。
ヒドロシリル化触媒の配合割合は、金属触媒の金属量(具体的には、金属原子)として、アルケニル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル基含有ポリシロキサンに対して、質量基準で、例えば、1.0ppm以上であり、また、例えば、10000ppm以下、好ましくは、1000ppm以下、より好ましくは、500ppm以下である。
付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、アルケニル基含有ポリシロキサン、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル化触媒を、上記した割合で配合することにより、調製される。
上記した付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、アルケニル基含有ポリシロキサン、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンおよびヒドロシリル化触媒を配合することによって、Aステージ(液体)状態として調製され、その後、反応が途中で停止することにより、Bステージ(液体)状態として調製される。
つまり、上記したように、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、所望条件の加熱により、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル化付加反応を生じ、その後、ヒドロシリル化付加反応が、一旦、停止する。これによって、Aステージ状態からBステージ(半硬化)状態となることができる。その後、さらなる所望条件の加熱により、上記したヒドロシリル化付加反応が再開されて、完結する。これによって、Bステージ状態からCステージ(完全硬化)状態となることができる。
なお、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物がBステージ(半硬化)状態にあるときには、固体状である。そして、このBステージ状態の付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、熱可塑性および熱硬化性を併有することができる。つまり、Bステージの付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、加熱により、一旦、可塑化した後、完全硬化する。
縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、2段反応硬化性樹脂であって、具体的には、例えば、特開2010−265436号公報、特開2013−187227号公報などに記載される第1〜第8の縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、例えば、特開2013−091705号公報、特開2013−001815号公報、特開2013−001814号公報、特開2013−001813号公報、特開2012−102167号公報などに記載されるかご型オクタシルセスキオキサン含有シリコーン樹脂組成物などが挙げられる。なお、縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、固体状であって、熱可塑性および熱硬化性を併有する。
縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物としては、好ましくは、ケイ素原子に直接結合するアルキル基がすべてメチル基であるメチル系シリコーン樹脂組成物(2段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物、具体的には、両末端シラノール型ポリジメチルシロキサンと、ジメチルポリシロキサン−CO−メチルハイドロジェンシロキサンと、アルケニル基含有ケイ素化合物とから調製されるメチル系シリコーン樹脂組成物などが挙げられる。
縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、加熱により、縮合反応を生じて、Aステージ状態からBステージ(半硬化)状態として調製される。Bステージ状態の縮合・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物は、その後、さらなる加熱により、付加反応を生じて、Cステージ(完全硬化)状態となることができる。
熱硬化性樹脂としては、耐久性および光学特性の観点から、1段反応硬化性樹脂、具体的には、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物が挙げられ、より好ましくは、フェニル系シリコーン樹脂組成物が挙げられる。
封止樹脂の屈折率は、例えば、1.50以上であり、また、例えば、1.60以下である。封止樹脂の屈折率は、アッベ屈折率計によって算出される。なお、封止樹脂の屈折率は、封止樹脂がBステージの硬化性樹脂である場合には、Bステージの硬化性樹脂とCステージの硬化性樹脂(後述する生成物に相当)との屈折率が実質的に同一であることから、Cステージの硬化性樹脂の屈折率として算出される。
封止樹脂の配合割合は、封止組成物に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上であり、また、例えば、70質量%以下、好ましくは、50質量%以下、より好ましくは、50質量%未満、さらに好ましくは、40質量%以下、とりわけ好ましくは、30質量%以下である。封止樹脂の配合割合が上記範囲内であれば、封止層13の成形性を確保することができる。
(フィラー、蛍光体)
封止組成物は、上記した封止樹脂の他に、例えば、フィラーおよび/または蛍光体を含有することもできる。
フィラーは、封止層13(図1A参照)の成形性を向上させるために、封止組成物に必要により配合される。具体的には、フィラーは、反応前(具体的には、Aステージ)の封止樹脂に配合される。フィラーとしては、特に限定されず、例えば、無機フィラー、有機フィラーが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ(SiO)、タルク(Mg(Si10)(HO))、アルミナ(Al)、酸化ホウ素(B)、酸化カルシウム(CaO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化バリウム(BaO)、酸化アンチモン(Sb)などの酸化物、例えば、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ケイ素(Si)などの窒化物などの無機物粒子(無機物)が挙げられる。また、無機フィラーとして、例えば、上記例示の無機物から調製される複合無機物粒子が挙げられ、好ましくは、酸化物から調製される複合無機酸化物粒子(具体的には、ガラス粒子など)が挙げられる。
複合無機酸化物粒子としては、例えば、シリカ、あるいは、シリカおよび酸化ホウ素を主成分として含有し、また、アルミナ、酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化バリウム、酸化アンチモンなどを副成分として含有する。複合無機酸化物粒子における主成分の含有割合は、複合無機酸化物粒子に対して、例えば、40質量%を超え、好ましくは、50質量%以上であり、また、例えば、90質量%以下、好ましくは、80質量%以下である。副成分の含有割合は、上記した主成分の含有割合の残部である。
複合酸化物粒子は、上記した主成分および副成分を配合して、加熱して溶融させて、それらの溶融物を急冷し、その後、例えば、ボールミルなどによって粉砕し、その後、必要により、適宜の表面加工(具体的には、球体化など)を施して、得られる。
有機フィラーとしては、例えば、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ベンゾグアナミン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂などからなる樹脂粒子などが挙げられる。好ましくは、シリコーン系樹脂からなるシリコーン粒子が挙げられる。
シリコーン粒子は、架橋構造を有するポリシロキサン(硬化後)の微粒子であって、その屈折率が、封止組成物における硬化後の硬化性樹脂の屈折率と近似する。
フィラーとして、好ましくは、無機フィラーが挙げられる。
フィラーの形状は、特に限定されず、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。好ましくは、流動性の観点から、球状が挙げられる。フィラーの平均粒子径は、例えば、10μm以上、好ましくは、15μm以上であり、また、例えば、50μm以下、好ましくは、40μm以下、より好ましくは、30μm以下、さらに好ましくは、25μm以下である。フィラーの平均粒子径が上記上限を超える場合には、封止組成物(後述するワニス)においてフィラーが沈降する傾向がある。一方、フィラーの平均粒子径が上記下限に満たない場合には、封止組成物のシート成形性が低下したり、あるいは、封止層13(図1A参照)の透明性が低下する傾向がある。フィラーの平均粒子径は、D50値として算出される。具体的には、レーザー回折式粒度分布計により測定される。
フィラーの屈折率は、例えば、1.40以上、好ましくは、1.50以上、好ましくは、より好ましくは、1.52以上であり、また、例えば、1.60以下、好ましくは、1.58以下である。フィラーの屈折率が上記範囲内にあれば、上記した封止樹脂の屈折率との差を所望範囲内にすることができる。つまり、封止樹脂およびフィラーの屈折率の差の絶対値を小さくすることができ、そのため、封止層13の透明性を向上させることができる。フィラーの屈折率は、アッベ屈折率計によって算出される。
フィラーの配合割合は、封止組成物に対して、例えば、20質量%以上、好ましくは、25質量%以上、より好ましくは、30質量%以上、さらに好ましくは、40質量%以上であり、また、例えば、80質量%以下、好ましくは、60質量%以下である。また、フィラーの配合割合は、封止樹脂100質量部に対して、例えば、25質量部以上、好ましくは、33.3質量部以上、より好ましくは、42.8質量部以上であり、また、例えば、400質量部以下、好ましくは、150質量部以下である。
フィラーの配合割合が上記範囲内であれば、フィラーによる封止層13の優れた成形性を確保することができる。
蛍光体は、波長変換機能を有しており、例えば、青色光を黄色光に変換することのできる黄色蛍光体、青色光を赤色光に変換することのできる赤色蛍光体などが挙げられる。
黄色蛍光体としては、例えば、(Ba,Sr,Ca)SiO;Eu、(Sr,Ba)SiO:Eu(バリウムオルソシリケート(BOS))などのシリケート蛍光体、例えば、YAl12:Ce(YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)、TbAl12:Ce(TAG(テルビウム・アルミニウム・ガーネット):Ce)などのガーネット型結晶構造を有するガーネット型蛍光体、例えば、Ca−α−SiAlONなどの酸窒化物蛍光体などが挙げられる。
赤色蛍光体としては、例えば、CaAlSiN:Eu、CaSiN:Euなどの窒化物蛍光体などが挙げられる。
蛍光体の形状としては、例えば、球状、板状、針状などが挙げられる。好ましくは、流動性の観点から、球状が挙げられる。
蛍光体の最大長さの平均値(球状である場合には、平均粒子径)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、1μm以上であり、また、例えば、200μm以下、好ましくは、100μm以下でもある。
蛍光体の比重は、例えば、2.0以上であり、また、例えば、9.0以下である。
蛍光体は、単独使用または併用することができる。
蛍光体の配合割合は、封止樹脂100質量部に対して、例えば、0.1質量部以上、好ましくは、0.5質量部以上であり、例えば、80質量部以下、好ましくは、50質量部以下である。
(封止層の製造)
封止層13を製造するには、まず、上記した封止樹脂と、必要によりフィラーおよび/または蛍光体とを含有する封止組成物を調製する。具体的には、Aステージの封止樹脂と、必要によりフィラーおよび/または蛍光体とを含有する封止組成物を調製する。
例えば、封止樹脂と、必要によりフィラーおよび/または蛍光体とを上記した配合割合で混合する。
これによって、フィラーが封止樹脂中に分散された封止組成物を、ワニスとして調製する。
ワニスの25℃における粘度は、例えば、1,000mPa・s以上、好ましくは、4,000mPa・s以上であり、また、例えば、1,000,000mPa・s以下、好ましくは、200,000mPa・s以下である。なお、粘度は、ワニスを25℃に温度調節し、E型コーンを用いて、回転数99s−1で測定される。
次いで、調製したワニスを塗布する。具体的には、図1Aに示すように、ワニスを、第1剥離層12の表面(上面)に塗布する。
ワニスを第1剥離層12の表面に塗布するには、例えば、ディスペンサ、アプリケータ、スリットダイコータなどの塗布装置が用いられる。また、上記した塗布では、ワニスを、第1剥離層12の上面の周端部を露出するパターンで塗布する。
ワニスの第1剥離層12への塗布によって、塗膜が形成される。
その後、封止樹脂が硬化性樹脂である場合には、塗膜を半硬化させる。つまり、Aステージの塗膜をBステージ化させる。具体的には、硬化性樹脂が熱硬化性樹脂であれば、塗膜を加熱する。加熱条件として、加熱温度が、70℃以上、好ましくは、80℃以上であり、また、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。加熱温度が上記範囲であれば、硬化性樹脂を確実にBステージにすることができる。また、加熱時間が、例えば、5分以上、好ましくは、8分以上であり、また、例えば、30分以下、好ましくは、20分以下である。
あるいは、硬化性樹脂が光硬化性樹脂であれば、塗膜に紫外線を照射する。具体的には、UVランプなどを用いて、塗膜に紫外線を照射する。
これによって、塗膜におけるAステージの硬化性樹脂をBステージにする。
硬化性樹脂が付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物を含有する場合には、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基とのヒドロシリル化反応(付加反応)が途中まで進行して、一旦、停止する。
一方、硬化性樹脂樹脂が縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂を含有する場合には、縮合反応が完結する。
封止樹脂がBステージとなる際には、封止層13(あるいは塗膜)は、第1剥離層12からはじかれ、そのため、封止層13は、平面視において凝集して、平面視における面積が小さくなる。その結果、封止層13は、厚みが厚くなる傾向となる。一方、封止層13は、加熱によりBステージとなる場合には、加熱に伴い収縮する傾向、とりわけ、厚み方向に薄くなる傾向にある。そのため、封止層13の第1剥離層12からはじかれることによる厚みの増加分と、加熱収縮に伴う厚みの減少分とが、相殺して、封止層13は厚みが実質的に変化しない。
これによって、図1Aに示すように、第1剥離層12と、第1剥離層12に積層された封止層13とを備える封止部材11を得る。
封止層13では、必要により配合されるフィラーおよび/または蛍光体が、マトリクスとしてのシリコーン樹脂組成物中に均一に分散されている。
半硬化(Bステージ)状態の封止層13は、可撓性を有しており、半硬化(Bステージ)状態となった後、後述する完全硬化(Cステージ)状態となること(つまり、Cステージの生成物を生成すること)が可能な状態である。
(封止層の物性)
また、Bステージの封止層13は、好ましくは、可塑性および硬化性を併有する場合には、可塑性および硬化性を併有する。Bステージの封止層13は、より好ましくは、熱可塑性および熱硬化性を併有する。つまり、Bステージの封止層13は、加熱により、一旦、可塑化した後、硬化することができる。
封止層13の熱可塑温度は、例えば、40℃以上、好ましくは、60℃以上であり、また、例えば、120℃以下、好ましくは、100℃以下である。なお、熱可塑温度は、封止層13が熱可塑性を示す温度であり、具体的には、Bステージの封止樹脂が加熱によって軟化する温度であって、軟化温度と実質的に同一である。
封止層13の熱硬化温度は、例えば、100℃以上、好ましくは、120℃以上であり、また、例えば、150℃以下である。熱硬化温度は、Bステージの封止層13が熱硬化性を示す温度であり、具体的には、可塑化した封止層13が加熱によって完全に硬化して、固体状となる温度である。
Bステージの封止層13(Bステージの封止樹脂を含有する封止組成物から形成される封止層13)は、80℃の剪断貯蔵弾性率G’が、例えば、3Pa以上、好ましくは、12Pa以上であり、また、例えば、140Pa以下、好ましくは、70Pa以下である。封止層13の80℃の剪断貯蔵弾性率G’が上記上限以下であれば、次に説明する光半導体素子16の封止時に、光半導体素子16が損傷することを有効に防止することができる。一方、封止層13の80℃の剪断貯蔵弾性率G’が上記下限以上であれば、光半導体素子16を封止する際の封止層13の良好な保形性を確保して、封止層13の取扱性を向上させることができる。また、封止層13の80℃の剪断貯蔵弾性率G’が上記下限以上であれば、封止層13の厚みの均一性を確保でき、また、所望の厚みにする調節することができる。
封止層13の80℃の剪断貯蔵弾性率G’は、周波数1Hz、昇温速度20℃/分、温度範囲20〜150℃の条件における動的粘弾性測定で得られる。
また、厚み600μmのときにおける、波長460nmの光に対する封止層13の透過率が、例えば、70%以上、好ましくは、80%以上、より好ましくは、90%以上、さらに好ましくは、95%以上であり、また、例えば、100%以下である。透過率が上記下限以上であれば、光半導体素子16を封止した後、光半導体素子16から発光される光を十分に透過させることができる。封止層13の透過率は、例えば、積分球を用いて測定される。
(封止層の寸法)
封止層13の寸法は、後述する封止層13の体積割合が所望の範囲となるように、調整される。
封止層13の前後方向長さおよび左右方向長さは、光半導体素子16の個数、寸法、配置などによって適宜設定される。
図4Bに示すように、封止層13の面積S1は、第1剥離層12の面積S2に対して、例えば、95%以下、好ましくは、90%以下、さらに好ましくは、85%以下であり、例えば、10%以上である。
図5に示すように、封止層13の厚みT4は、例えば、スペーサ4の厚みT1から第1剥離層12の厚みT2を差し引いた厚み(T1−T2)に比べて、厚い(つまり、T4>(T1−T2))。そのため、次の被覆工程のプレスにおいて、封止層13を上下方向に確実に圧縮することができる。
詳しくは、封止層13の厚みT4は、スペーサ4の厚みT1から第1剥離層12の厚みT2を差し引いた厚み(T1−T2)に対して、例えば、100%超過、好ましくは、102%以上、さらに好ましくは、105%以上であり、例えば、120%以下である。
具体的には、封止層13の厚みT4は、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、1500μm以下、好ましくは、800μm以下である。
封止層13の厚みT4が上記範囲にあれば、被覆工程のプレスによって、封止層13を上下方向に精確に圧縮して、封止層13の厚みT6を設計厚みT0に精確性に調整することができる。
(封止部材の配置)
次いで、図3に示すように、用意した封止部材11を、下金型2の上面に、封止層13が上側に向かうように、配置する。
具体的には、第1剥離層12を、複数(2つ)のスペーサ4の間における下金型2の上面に配置する。図1Aに示すように、封止部材11を、複数(2つ)のスペーサ4に挟まれるように、配置する。具体的には、封止部材11を、第1剥離層12の右端部が、右側に配置されるスペーサ4の左側面の左側に間隔を隔てて配置され、かつ、第1剥離層12の左端部が、左側に配置されるスペーサ4の右側面の右側に間隔を隔てて配置されるように、下金型2の上面に配置する。
<4.ダム配置工程>
(ダムの用意)
ダム配置工程では、図3に示すように、まず、堰部材としてのダム5を用意する。
ダム5は、封止層13の外形形状に対応する平面視略矩形枠形状に形成されている。詳しくは、ダム5は、図4Bに示すように、その外形形状が第1剥離層12の外形形状よりもわずかに小さく形成されている。また、ダム5の中央部には、ダム5を上下方向に貫通する開口部8が形成されている。開口部8は、封止層13の外形形状に対応する平面視略矩形状に形成されている。ダム5は、前後方向に延び、左右方向に間隔を隔てて対向配置される2つの第1ダム部5Aと、2つの第1ダム部5Aの前後方向両端部を連結する2つの第2ダム部5Bとを一体的に有している。
ダム5の材料としては、例えば、樹脂、樹脂含浸ガラスクロス、金属などが挙げられる。これらは、単独使用または併用することができる。
樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂が挙げられる。好ましくは、熱硬化性樹脂が挙げられる。
熱硬化性樹脂は、封止層13で例示したBステージ状態となることができる熱硬化性樹脂が例示され、好ましくは、特開2010−265436号公報に記載される縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物(2段反応硬化性樹脂)、フェニル系シリコーン樹脂組成物(付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、1段反応硬化性樹脂)が例示される。
さらに、熱硬化樹脂として、Bステージ状態となることができない1段反応硬化性樹脂も挙げられる。1段反応硬化性樹脂として、好ましくは、1段の反応の途中で停止するように制御できず、つまり、Bステージ状態となることができず、一度に、Aステージ状態からCステージ化(完全硬化)する付加反応硬化型シリコーン樹脂が挙げられる。そのような付加反応硬化型シリコーン樹脂としては、例えば、上記した平均組成式(1)で示されるアルケニル基含有ポリシロキサンと、上記した平均組成式(2)で示されるヒドロシリル基含有ポリシロキサンと、上記したヒドロシリル化触媒とを含有する、1段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物が挙げられる。上記した平均組成式(1)および(2)中、RおよびRの両方の炭化水素がメチル基である。1段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物には、市販品が用いられる。市販品として、例えば、ELASTOSILシリーズ(旭化成ワッカーシリコーン社製、具体的には、ELASTOSIL LR7665などのメチル系シリコーン樹脂組成物)、KERシリーズ(信越シリコーン社製)などが挙げられる。
また、樹脂は、フィラーを配合した樹脂組成物として調製されていてもよく、好ましくは、有機フィラーがシリコーン樹脂に配合されたシリコーン樹脂組成物として調製されていてもよい。
樹脂含浸ガラスクロスとしては、ガラスクロスに、上記した樹脂が含浸処理されており、例えば、ガラスクロスにエポキシ樹脂が含浸処理されたガラス・エポキシ樹脂などが挙げられる。
金属としては、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウムなどが挙げられる。
ダム5の材料としては、好ましくは、ダム5に柔軟性を付与する観点から、樹脂、樹脂含浸ガラスクロスが挙げられ、より好ましくは、樹脂が挙げられ、さらに好ましくは、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂が挙げられ、とりわけ好ましくは、シリコーン樹脂が挙げられる。
(ダムの物性)
ダム5の23℃における引張弾性率は、例えば、0.3MPa以上、好ましくは、1MPa以上、より好ましくは、2MPa以上であり、また、1000MPa以下、好ましくは、500MPa以下である。
ダム5の引張弾性率が上記下限以上であれば、ダム5のハンドリング性を良好に確保できる。一方、ダム5の引張弾性率が上記上限以下であれば、ダム5を封止層13とともに圧縮(プレス)しながら、封止層13の厚みT6を設計厚みT0に精確に調整することができる。
ダム5の23℃における引張弾性率は、JIS K7161−1994に基づいて測定される。
ダム5の破断伸びは、例えば、1%以上、好ましくは、10%以上、より好ましくは、100%以上、さらに好ましくは、200%以上であり、また、1000%以下、好ましくは、500%以下、より好ましくは、400%以下である。
ダム5の破断伸びが上記上限以下であれば、封止層13の厚みT6を設計厚みT0に調整することができる。ダム5の破断伸びが上記下限以上であれば、ダム5のハンドリング性を良好に確保できる。
ダム5の破断伸びは、JIS K7161−1994に基づいて測定される。
(ダムの寸法)
第1ダム部5Aの幅(前後方向長さ)および第2ダム部5Bの幅(左右方向長さ)は、例えば、1mm以上、好ましくは、2mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、5mm以下である。2つの第1ダム部5A間の前後方向長さ、つまり、開口部8の前後方向長さ、および、2つの第2ダム部5B間の左右方向長さ、つまり、開口部8の左右方向長さは、それぞれ、封止層13の前後方向長さおよび左右方向長さに対して、長い。開口部8の前後方向長さおよび左右方向長さのそれぞれは、封止層13の前後方向長さおよび左右方向長さのそれぞれに対して、例えば、100%超過、好ましくは、102%以上、より好ましくは、105%以上であり、また、例えば、200%以下である。
また、図4Bおよび図5に示すように、ダム5の開口部8における前後方向および左右方向に沿う開口断面積S8は、封止層13の面積S1に対して大きく形成されている。換言すれば、封止層13の面積S1は、ダム5の開口部8の開口断面積S8に比べて小さく、ダム5の開口部8の開口断面積S8に対して、例えば、100%未満、好ましくは、95%以下、より好ましくは、90%以下であり、また、例えば、50%以上である。
図5に示すように、ダム5の厚みT3は、封止層13の厚みT4に比べて厚く(つまり、T3>T4)、封止層13の厚みT4に対して、例えば、100%超過、好ましくは、102%以上、より好ましくは、105%以上であり、また、例えば、120%以下である。後述するが、ダム5の厚みT3は、その厚みが、封止層13の設計厚みT0(図1B参照)に対しても厚く形成されている(T3>T0)。
具体的には、ダム5の厚みT3は、例えば、100μm以上、好ましくは、200μm以上、より好ましくは、400μm以上であり、また、例えば、1500μm以下である。
(ダムの配置)
ダム5を配置するには、まず、ダム5の材料が樹脂である場合には、樹脂を含むワニスを調製し、次いで、ワニスを図示しない剥離シートの表面に塗布する。その後、材料が熱硬化性樹脂を含有する場合には、ワニスを加熱して、硬化させる。その後、硬化物を、上記したパターンに外形加工する。一方、ダム5の材料が樹脂含浸ガラスクロスおよび/または金属である場合には、シート状に予め成形された樹脂含浸ガラスクロスおよび/または金属板を上記したパターンに外形加工する。
その後、ダム5を、ダム5の開口部8に封止層13が挿入されるように、第1剥離層12の上面に載置する。
これによって、ダム5を第1剥離層12の上面の周端部に配置する。
あるいは、ワニスを第1剥離層12の周端部の上面に上記したパターンで直接塗布して、ダム5を第1剥離層12の上面に直接形成することもできる。
図4Bに示すように、ダム5は、第1剥離層12の周端部に配置されるため、封止層13を囲むように配置される。具体的には、ダム5の内側面は、封止層13の外側面と間隔を隔てて配置されている。より具体的には、前側の第1ダム部5Aの後側面は、封止層13の前側面の前側に間隔を隔てて対向配置されている。後側の第1ダム部5Aの前側面は、封止層13の後側面の後側に間隔を隔てて対向配置されている。右側の第2ダム部5Bの左側面は、封止層13の右側面の右側に間隔を隔てて対向配置されている。左側の第2ダム部5Bの右側面は、封止層13の左側面の左側に間隔を隔てて対向配置されている。
図4Bおよび図5に示すように、ダム5の内側面と、封止層13の外側面との間隔L1は、例えば、0mm超過、好ましくは、1mm以上であり、また、例えば、10mm以下、好ましくは、5mm以下である。
また、ダム5は、図5に示すように、封止層13と同一平面(つまり、第1剥離層12の上面)上に、配置されている。
<5.素子部材配置工程>
(素子部材の用意)
素子部材配置工程では、図3に示すように、まず、素子部材15を用意する。
素子部材15は、基材としての第2剥離層17と、第2剥離層17の表面(下面)に配置される光半導体素子16とを備える。
第2剥離層17は、封止層13によって光半導体素子16を被覆して封止して、封止層被覆光半導体素子10を得た後、封止層被覆光半導体素子10を剥離するまでの間、封止層被覆光半導体素子10の光半導体素子16(図2E参照)を保護するために、封止層被覆光半導体素子10における光半導体素子16の露出面(図2Eにおける下面)に剥離可能に貼着されている。つまり、第2剥離層17は、封止層被覆光半導体素子10の出荷・搬送・保管時において、光半導体素子16を支持し、光半導体素子16の露出面(図2Eにおける下面)を被覆するように、光半導体素子16の露出面に積層され、光半導体素子16の基板20に対する実装直前において、図2Eの仮想線で示すように、封止層被覆光半導体素子10を引き剥がすことができる可撓性フィルムである。つまり、第2剥離層17は、可撓性フィルムのみからなる。
第2剥離層17は、上記した第1剥離層12と同様の材料から形成されている。また、第2剥離層17を、加熱により封止層被覆光半導体素子10が容易に剥離できる熱剥離シートから形成することもできる。
図3に示すように、第2剥離層17は、上下方向に投影したときに、複数(2つ)のスペーサ4を含む平面視略矩形板状に形成されている。詳しくは、図5が参照されるように、第2剥離層17の面積は、例えば、第1剥離層12の面積S2より大きくなるように設定されている。
図3に示すように、光半導体素子16は、第2剥離層17の表面(下面)の中央部に複数(9つ)載置されている。複数の光半導体素子16は、左右方向におよび前後方向間隔を隔てて整列配置されている。複数の光半導体素子16のそれぞれは、前後方向および左右方向に沿う略平板状に形成されている。また、複数の光半導体素子16のそれぞれは、平面視略矩状をなし、上下方向および前後方向に沿う断面形状、および、上下方向および左右方向に沿う断面形状が、略矩形状に形成されている。
光半導体素子16の前後方向長さおよび左右方向長さは、例えば、50μm以上、好ましくは、500μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
各光半導体素子16の厚み(上下方向長さ)は、例えば、0.1μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、また、例えば、500μm以下、好ましくは、200μm以下である。
複数の光半導体素子16の体積(総体積)は、例えば、1mm以上、好ましくは、10mm以上であり、また、例えば、5000mm以下、好ましくは、3000mm以下である。
そして、図4Aに示すように、第2剥離層17の中央部において光半導体素子16が配置される領域が、素子配置領域18(仮想線参照)として区画される。詳しくは、素子配置領域18は、複数の光半導体素子16のうち、最外側に配置される光半導体素子16の外側端縁を結ぶ線分で囲まれる領域である。具体的には、素子配置領域18は、最前側に配置される光半導体素子16Aの複数の前端縁(具体的には、前左端縁および前右端縁)を結ぶ線分Aと、最後側に配置される光半導体素子16Bの複数の後端縁(具体的には、後左端縁および後右端縁)を結ぶ線分Bと、最左側に配置される光半導体素子16Cの複数の左端縁(具体的には、前左端縁および後左端縁)を結ぶ線分Cと、最右側に配置される光半導体素子16Dの複数の右端縁(具体的には、前右端縁および後右端縁)を結ぶ線分Dとによって囲まれる底面視矩形状の領域である。
上記した素子配置領域18の面積S3は、光半導体素子16の個数、寸法、配置などによって適宜設定され、例えば、図5に示すように、封止層13の面積S1に比べて、小さい(S3<S1)。換言すれば、封止層13の面積S1は、素子配置領域18の面積S3に比べて、大きく(S1>S3)、素子配置領域18の面積S3に対して、例えば、100%超過、好ましくは、105%以上、より好ましくは、110%以上であり、また、例えば、150%以下である。
(素子部材の配置)
次いで、図1Aおよび図3に示すように、用意した素子部材15を、封止部材11の上側に配置する。
具体的には、素子部材15の第2剥離層17をキャリア32の下面に配置する。
キャリア32は、第2剥離層17を支持しつつ、素子部材15を上金型3の下側に位置させるための支持板である。キャリア32は、前後方向および左右方向に延びる略平板状に形成されている。キャリア32は、上下方向に投影したときに、上金型3に含まれ、かつ、第2剥離層17を含む形状および大きさに形成されている。また、キャリア32は、上下方向に投影したときに、図1Aに示すように、スペーサ4と重複する形状および大きさに形成されている。キャリア32の厚みは、例えば、50μm以上、好ましくは、300μm以上であり、また、例えば、2000μm以下、好ましくは、1000μm以下である。キャリア32は、例えば、ガラス、セラミック、ステンレスなどから形成されている。
キャリア32は、その下面に配置された素子部材15の光半導体素子16が下側に向かうように、上金型3の下面に配置される。
素子部材15をキャリア32の下面に配置することによって、図1Aに示すように、素子部材15は、封止部材11、スペーサ4およびダム5の上側に配置される。
具体的には、上下方向に投影したときに、第2剥離層17の左右方向両端部と、スペーサ4とが重複するように、素子部材15がスペーサ4の上側に間隔を隔てて対向配置される。また、上下方向方向に投影したときに、第2剥離層17の周端部と、ダム5とが重複するように、素子部材15がダム5の上側に間隔を隔てて対向配置される。また、図5に示すように、上下方向に投影したときに、光半導体素子16(素子配置領域18)と、封止層13とが重複するように、素子部材15が封止部材11の上側に間隔を隔てて対向配置される。なお、素子配置領域18は、上下方向に投影したときに、封止層13に含まれる。
<6.被覆工程>
被覆工程を、スペーサ配置工程、封止部材配置工程、ダム配置工程および素子部材配置工程の後に、実施する。
被覆工程では、まず、上金型3を、下金型2の上側に対向配置する。
上金型3を配置するには、まず、図3が参照されるように、複数(4つ)のバネ22の下端部を第1凹部23に差し込む。続いて、上金型3の第2凹部25にバネ22の上端部を収容する。
これによって、上金型3を下金型2の上側に対向配置する。封止部材11およびダム5は、下金型2および上金型3の間に配置される。また、素子部材15は、下金型2および上金型3の間であって、封止部材11およびダム5に対する上金型3側に配置される。
続いて、図1Aに示すように、ヒータ7によって下金型2および上金型3を加熱する。下金型2および上金型3の温度は、封止層13が、熱可塑性および熱硬化性を有する熱硬化性樹脂を含有する場合には、かかる熱硬化性樹脂の熱可塑温度またはそれ以上であって、好ましくは、熱硬化性樹脂の熱可塑および熱硬化を一度に実施する観点から、熱硬化温度またはそれ以上であって、具体的には、例えば、50℃以上、好ましくは、80℃以上であり、また、例えば、200℃以下、好ましくは、150℃以下である。
続いて、図1Bの矢印で示すように、下金型2および上金型3を近接させる。具体的には、上金型3を下金型2に向けてプレスする(押し下げる、具体的には、熱プレスする)。つまり、上金型3を降下させる。そして、キャリア32の左右方向両端部の下面が、スペーサ4の上面に接触するプレス位置に至るまで、上金型3を下金型2に向けて近接させる。
図1Bに示すように、上金型3がプレス位置に位置すると、つまり、第2剥離層17の左右方向両端部の下面と、スペーサ4の上面とが接触(当接)する。上金型3がプレス位置に位置するときに、封止層13は、ダム5、第1剥離層12および第2剥離層17に区画される空間に充填されるとともに、図2Dに示すように、厚みT6を有する。
封止層13の厚みT6は、設計厚みT0と実質的に同一あるいは設計厚みT0に対する所定の公差の範囲(後述)に調整される。
図1Bに示すように、封止層13の設計厚みT0は、スペーサ4の厚みT1から剥離層12の厚みT2を差し引いた厚みである(T0=T1−T2))。換言すれば、スペーサ4の厚みT1は、剥離層12の厚みT2と、封止層13の設計厚みT0との合計厚みとして設定されている(T1=T2+T0)。
また、封止層13の設計厚みT0は、封止前の封止層13の厚みT4(図5参照)に対して、薄い(T0<T4)。換言すれば、封止層13の厚みT4(図5参照)は、封止層13の設計厚みT0に対して、厚い(T4>T0)。封止層13の厚みT4(図5参照)は、封止層13の設計厚みT0に対して、例えば、100%超過、好ましくは、105%以上であり、また、例えば、150%以下、好ましくは、120%以下である。
さらに、封止層13の設計厚みT0は、封止前のダム5の厚みT3に対しても、薄く形成されている(T0<T3)。換言すれば、封止前のダム5の厚みT3は、封止層13の設計厚みT0に対して厚く形成されている(T3>T0)。具体的には、封止前のダム5の厚みT3は、封止層13の設計厚みT0に対して、例えば、100%を超過し、好ましくは、105%以上であり、また、例えば、120%以下、より好ましくは、110%以下である。
上金型3がプレス位置に位置するときに、ダム5、第1剥離層12、第2剥離層17によって区画される空間の体積から複数の光半導体素子16の体積を差し引いた封止層収容体積19は、図1Aに示される封止前の封止層13の体積より、小さくまたは同一に設定されている。換言すれば、図1Aに示される封止前の封止層13の体積は、封止層収容体積19に対して、大きくまたは同一であり、具体的には、例えば、100%以上、好ましくは、100%を超過し、より好ましくは、102%以上、さらに好ましくは、105%以上であり、また、例えば、120%以下、好ましくは、110%である。図1Aに示される封止前の封止層13の体積割合が、上記下限以上(あるいは上記下限超過)、上記上限以下であれば、封止層被覆光半導体素子10における封止層13の厚みT6を設計厚みT0に精確に設定することができる。
そして、上金型3は、プレス位置を超える降下をせず、プレス位置で留まる。つまり、スペーサ4によって、上金型3は、プレス位置を超える降下が規制される。また、上金型3は、プレス位置において下金型2へのプレスを継続する。
プレス圧は、例えば、0.5MPa以上、好ましくは、1MPa以上であり、また、例えば、1000MPa以下、好ましくは、300MPa以下である。
そうすると、ヒータ7による下金型2および上金型3の加熱によって、封止層13が、熱可塑性および熱硬化性を有する熱硬化性樹脂を含有する場合には、下金型2および上金型3の熱が封止層13に伝導して可塑化する。引き続き、上金型3の下金型2に対するプレスによって、半導体素子16が、可塑化した封止層13に埋設される。
そうすると、光半導体素子16が埋設された封止層13は、光半導体素子16が埋設される前の状態に比べて、その左右方向両側面および前後方向両側面が、外側(左右方向および前後方向)に膨出し、これによって、封止層13の左右方向両側面および前後方向両側面は、ダム5の内側面に接触して、ダム5を外側に押圧する。
また、ダム5は、上金型3の下金型2に対するプレスによって、ダム5の上面が上金型3の下面に圧縮される。そのため、ダム5は、上下方向に圧縮されて、第1剥離層12および第2剥離層17に挟まれるので、左右方向および前後方向に膨出する。
とりわけ、ダム5の外側部分は、左右方向外側および前後方向外側に向かって膨出する。具体的には、図4Bが参照されるように、前側の第1ダム部5Aが前側に、後側の第1ダム部5Aが後側に、右側の第2ダム部5Bが右側に、左側の第2ダム部5Bが左側に、膨出する。
一方、ダム5の内側部分では、ダム5の内側面が封止層13によって外側に押圧される押圧力と、ダム5が上金型3によって上下方向に圧縮されることに起因する内側への膨出力とが実質的に相殺する。そのため、ダム5の内側部分は、プレスの前後によって、位置(前後方向および左右方向における位置)が実質的に変動しない。
なお、図1Bに示すように、封止層13を構成する封止組成物の一部(外側部分の上部)は、ダム5の上面に至る。詳しくは、封止層13の一部は、ダム5と、第2剥離層17との間に配置される。
その後、引き続き、プレス1による熱プレスとを継続する。
加熱温度は、例えば、上記した温度と同一範囲であり、また、プレス時間は、例えば、3分間以上、好ましくは、5分間以上であり、また、例えば、30分間以下、好ましくは、15分間以下である。
これによって、封止層13は、可塑性および熱硬化性を有する熱硬化性樹脂を含有する場合には、熱硬化する(Cステージ化する)。
(生成物)
封止樹脂がフェニル系シリコーン樹脂組成物を含む場合において、フェニル系シリコーン樹脂組成物の反応(Cステージ化反応)では、アルケニル基含有ポリシロキサンのアルケニル基および/またはシクロアルケニル基と、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基とのヒドロシリル付加反応がさらに促進される。その後、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基、あるいは、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリル基が消失して、ヒドロシリル付加反応が完結することによって、Cステージのフェニル系シリコーン樹脂組成物の生成物、つまり、硬化物が得られる。つまり、ヒドロシリル付加反応の完結により、フェニル系シリコーン樹脂組成物において、硬化性(具体的には、熱硬化性)が発現する。
上記した生成物は、下記平均組成式(3)で示される。
平均組成式(3):
SiO(4−e)/2
(式中、Rは、フェニル基を含む、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。eは、0.5以上2.0以下である。)
で示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基としては、式(1)のRで示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基、および、式(2)のRで示される非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基と同一のものが例示される。好ましくは、非置換の1価の炭化水素基、より好ましくは、炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基が挙げられ、さらに好ましくは、フェニル基およびメチル基の併用が挙げられる。
eは、好ましくは、0.7以上、1.0以下である。
そして、生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合は、例えば、30モル%以上、好ましくは、35モル%以上であり、また、例えば、55モル%以下、好ましくは、50モル%以下である。
生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合が上記した下限に満たない場合には、Bステージの封止層13(図1A参照)の熱可塑性を確保することができず、つまり、後述する封止層13の80℃の剪断貯蔵弾性率G’が所望範囲を超えるため、光半導体素子16を確実に埋設して封止することができない場合がある。
一方、生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合が上記した上限以下であれば、Cステージの封止層13(図1A参照)の可撓性の低下を防止することができる。
生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合は、生成物のケイ素原子に直接結合する1価の炭化水素基(平均組成式(3)においてRで示される)におけるフェニル基濃度である。
生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合は、H−NMRおよび29Si−NMRにより算出される。Rにおけるフェニル基の含有割合の算出方法の詳細は、後述する実施例において記載され、また、例えば、WO2011/125463などの記載に基づいて、H−NMRおよび29Si−NMRにより算出される。
図1Bに示すように、上記した熱プレスによって、複数の光半導体素子16と、それらを被覆して埋設する封止層13と、光半導体素子16の上面および封止層13の上面を被覆する第2剥離層17と、封止層13(膨出部14の側面を除く)の下面を被覆する第1剥離層12と、封止層13を囲むダム5とを備えるダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60が得られる。
ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60は、封止層被覆光半導体素子10および光半導体装置30を作製するための部品であり、部品単独で流通し、産業上利用可能なデバイスである。
その後、上金型3の下金型2に対するプレスを解除する。つまり、上金型3およびキャリア32を下金型2に対して離間する方向に移動させる。すなわち、上金型3を上側に移動させる。この際、図1Cに示すように、上金型3の第2凹部25をバネ22の上端部から離脱させる。
これとともに、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60が、キャリア32および上金型3に追従する。つまり、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60を引き上げる。具体的には、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60における第2剥離層17をキャリア32に支持(接触)させた状態で、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60を、上金型3およびキャリア32とともに、上昇させる。
その後、図1Cおよび図2Dに示すように、キャリア32からダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60を引き剥がす。これによって、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60をプレス1から取り出す。その後、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60を上下反転する。
ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60は、光半導体素子16と、それを埋設して被覆する封止層13とを備える封止層被覆光半導体素子10を含む。封止層被覆光半導体素子10は、好ましくは、光半導体素子16と、封止層13とからなる。
ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60(封止層被覆光半導体素子10)における封止層13の厚みT6は、図2Dにおいて、封止層13の上面と、光半導体素子16の側方に位置する封止層13の下面との間の上下方向長さであって、封止層13の設計厚みT0(図1B参照)と実質的に同一であり、例えば、図1Bに示すように、スペーサ4の厚みT1から、第1剥離層12の厚みT2を差し引いた厚みである(T6=T1−T2)。
ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60における封止層13の厚みT6は、光半導体素子16を被覆する前の封止層13の厚みT4(図5参照)に比べて、薄く(つまり、T6<T4)、具体的には、光半導体素子16を被覆する前の封止層13の厚みT4に対して、例えば、100%未満、好ましくは、95%以下、より好ましくは、90%以下であり、また、例えば60%以上、好ましくは、70%以上である。具体的には、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60における封止層13の厚みT6は、例えば、50μm以上、好ましくは、100μm以上であり、また、例えば、1500μm以下、好ましくは、800μm以下である。
また、図2Dに示すように、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60におけるダム5の厚みT7(封止後のダム5の厚みT7)は、封止前のダム5の厚みT3(図5参照)に対して、薄くあるいは同一厚みで形成され(つまり、T7≦T3)、例えば、100%以下、好ましくは、100%未満、より好ましくは、98%以下、さらに好ましくは、95%以下であり、また、例えば、80%以上である。具体的には、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60におけるダム5の厚みT7は、例えば、100μm以上、好ましくは、300μm以上であり、また、例えば、1500μm以下、好ましくは、1000μm以下である。
図2Dに示すように、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60において、封止層13は、光半導体素子16の近傍に配置され、光半導体素子16の封止(被覆)に役する封止部33と、封止部33の外側において、封止部33より薄膜で形成され、ダム5の下面に配置され、光半導体素子16の封止(被覆)に役しない膨出部14とを一体的に備えている。なお、膨出部14は、その後の切断工程において、ダム5とともに除去され、封止層被覆光半導体素子10に含まれない一方、封止部33は、封止層被覆光半導体素子10に含まれる。
その後、図2Dの矢印で示すように、第1剥離層12を封止層13およびダム5から略U字状に湾曲するように引き剥がす。
続いて、図2Eの太1点鎖線で示すように、各光半導体素子16に対応する封止層13を前後方向および左右方向に沿って切断する(切断工程)。つまり、複数の光半導体素子16を個片化する。また、膨出部14がダム5とともに除去されるように、封止層13を切断する。これによって、1つの光半導体素子16と、光半導体素子16を埋設して被覆する封止層13とを備える封止層被覆光半導体素子10を、第2剥離層17に支持される状態で得る。なお、封止層被覆光半導体素子10は、第2剥離層17および基板20を含まず、好ましくは、光半導体素子16と、封止層13とからなる。
<光半導体装置の製造方法>
次に、上記した封止層被覆光半導体素子10によって、光半導体装置30を製造する方法について説明する。
この方法は、上記した封止層被覆光半導体素子10を用意する工程(図2E参照)、封止層被覆光半導体素子10を第2剥離層17から剥離する剥離工程(図2E矢印参照)、および、剥離した封止層被覆光半導体素子10の光半導体素子16を基板20に実装する実装工程(図2F参照)を備える。
<7.剥離工程>
図2Eの矢印で示すように、剥離工程では、上記した製造方法により得られた封止層被覆光半導体素子10を第2剥離層17から剥離する。具体的には、封止層被覆光半導体素子10を上側に引っ張る。
これにより、封止層被覆光半導体素子10を複数得る。
続いて、複数の封止層被覆光半導体素子10を発光波長や発光効率に応じて選別する。
<8.実装工程>
実装工程では、まず、上面に端子(図示せず)が設けられた基板20を用意する。
基板20は、図2Fに示すように、前後方向および左右方向に延びる略矩形平板状をなし、例えば、絶縁基板である。また、基板20は、上面に配置される端子(図示せず)を備えている。
次いで、実装工程では、選別された封止層被覆光半導体素子10を基板20に実装する。
封止層被覆光半導体素子10を基板20に実装するには、封止層被覆光半導体素子10における光半導体素子16の端子(図示せず)を、基板20の端子(図示せず)と接触させて、電気的に接続させる。つまり、封止層被覆光半導体素子10の光半導体素子16を基板20にフリップチップ実装する。
これにより、基板20と、基板20に実装される封止層被覆光半導体素子10とを備える光半導体装置30を得る。好ましくは、光半導体装置30は、基板20と、封止層被覆光半導体素子10とからなる。つまり、光半導体装置30は、好ましくは、基板20と、光半導体素子16と、封止層13とからなる。
(作用効果)
そして、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、平板状の下金型2と、平板状の上金型3とを備えるプレス1を準備するので、プレス1の構成を簡単にすることができながら、複数の光半導体素子16を封止層13により被覆することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、ダム5を、封止層13を囲むように配置し、そして、上金型3を下金型2に近接させる。そのため、上金型3の下金型2に対するプレスにおいて、封止層13が、前後方向および左右方向に漏れることを抑制することができる。
さらに、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、スペーサ4をプレス1に配置するので、上金型3をプレス位置に位置させるときに、封止層13の設計厚みT0(図1B参照)に対応するプレス位置を超える上金型3の降下を規制することができる。そのため、封止層13の厚みT6(図2D参照)を設計厚みT0に精確に調整することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、封止層13の体積割合が、上金型3がプレス位置に位置するときに、封止層収容体積19に対して特定範囲にあるので、寸法の精確性に優れる封止層13を得ることができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、ダム5を配置するダム配置工程において、ダム5の厚みT3が、封止層13の設計厚みT0に対して、上記範囲内であれば、被覆工程において、ダム5を上下方向に確実に圧縮しながら、封止層13がダム5の外側に漏れることを抑制することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、堰部材の23℃における引張弾性率が上記範囲内にあれば、ダム5のハンドリング性を良好に確保できる一方、ダム5を封止層13とともにプレスしながら、封止層13がダム5の外側に漏れることを抑制することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、ダム5が樹脂を含有すれば、柔軟なダム5を容易に形成することができる。そのため、かかるダム5によって、封止層13がダム5の外側に漏れることを確実に抑制することができる。そのため、封止層13の封止組成物によるプレス1に対する汚染を有効に抑制することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、樹脂が、シリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂であれば、封止層13がダム5の外側に漏れることを確実に抑制することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、図1Aに示すダム5を配置するダム配置工程では、ダム5を、第1剥離層12の周端部に載置するので、図1Bに示すように、上金型3を下金型2に対してプレスして、複数の光半導体素子16を封止層13により被覆する被覆工程では、第1剥離層12の上面において、封止層13の外形形状を、ダム5に対応して成形することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、Bステージの封止層13が、熱可塑性および熱硬化性を併有すれば、図1Bに示すように、複数の光半導体素子16を封止層13により被覆する被覆工程において、封止層13を加熱して可塑化して、封止層13によって複数の光半導体素子16を確実に被覆して封止しつつ、その後、可塑化した封止層13を熱硬化させて、複数の光半導体素子16の信頼性を向上させることができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法によれば、封止層13において、シリコーン樹脂組成物を反応させることにより得られる生成物の平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合が特定の範囲にあれば、複数の光半導体素子16を確実に埋設して被覆して封止することができる。
また、この封止層被覆光半導体素子10の製造方法において、封止層13が蛍光体を含有すれば、複数の光半導体素子16から発光された光を、寸法の精確性に優れ、蛍光体を含有する封止層13によって波長変換することができるので、色均一性に優れる封止層被覆光半導体素子10を得ることができる。
また、上記の光半導体装置30の製造方法によれば、図2Dに示すように、寸法の精確性に優れる封止層13を備える光半導体装置30を用意するので、発光特性および耐久性に優れる光半導体装置30を得ることができる。
(変形例)
変形例において、上記した一実施形態と同様の部材および工程については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した一実施形態では、図1Bの矢印で示すように、上金型3を下金型2に向けてプレスしているが、例えば、図示しないが、下金型2を上金型3に向けてプレスすることもできる。つまり、下金型2を押し上げる。
あるいは、下金型2および上金型3をともに移動させることもできる。つまり、下金型2を押し上げながら、上金型3を押し下げる。
上記した一実施形態では、<4.ダム配置工程>および<5.素子部材配置工程>を順次実施しているが、その順序は特に限定されず、<5.素子部材配置工程>および<4.ダム配置工程>の順序で実施することができ、あるいは、<4.ダム配置工程>および<5.素子部材配置工程>を同時に実施することもできる。
上記した一実施形態では、図1Aに示すように、規制部材の一例としてのスペーサ4を下金型2および上金型3の間に配置しているが、スペーサ4に代えて、上金型3のプレス位置を超える降下を規制するストッパを、プレス1の側方または上側にプレス1と一体的に配置することもできる。
上記した一実施形態では、図1Aに示すように、バネ22を用いているが、これに限定されず、図示しないが、例えば、バネ22に代えて、スポンジなどの弾性体を用いることもできる。
上記した一実施形態では、図4Bおよび図5に示すように、封止部材配置工程およびダム配置工程において、ダム5の内側面を、封止層13の外側面と間隔を隔てて配置しているが、図6に示すように、互いに接触させることもできる。
図6に示すように、封止層13の外形形状は、開口部8の形状と同一に形成されている。
この変形例によっても、上記した一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
好ましくは、図4Bおよび図5に示すように、封止部材配置工程およびダム配置工程において、ダム5の内側面を、封止層13の外側面と間隔を隔てて配置する。すなわち、封止層13の面積S1が、開口部8の開口断面積S8に比べて、小さい。そのため、封止層13の面積S1に比べて大きい開口断面積S8を有するダム5を、封止層13を囲むように、容易かつ確実に配置することができる。具体的には、ダム5と封止層13とが上下方向に重複することを防止することができる。そのため、ダム5が、封止層13を、前後方向および左右方向に確実に囲むことができ、つまり、ダム5および封止層13を容易かつ確実に相対配置させることができる。
上記した一実施形態では、図1Bに示すように、膨出部14を形成しているが、例えば、図7に示すように、膨出部14を形成することなく、封止層13を形成することもできる。
その場合には、上金型3がプレス位置に位置するときに、封止層収容体積19から複数の光半導体素子16の体積を差し引いた封止層収容体積19と、封止前の封止層13の体積と同一である。
好ましくは、図1Bに示すように、膨出部14を形成する。膨出部14を形成するには、上金型3がプレス位置に位置するときに、封止層収容体積19から複数の光半導体素子16の体積を差し引いた封止層収容体積19を、封止前の封止層13の体積より小さく設定する。そうすると、寸法、具体的には、厚みT6の精確性に優れる封止層13を得ることができる。つまり、封止層13の厚みT6を、設計厚みT0に対して、例えば、95%以上、105%以下の精度(公差)で調整することができる。
さらに、封止層13は、図1Bに示すように、膨出部14を形成することができるので、上記した公差を大きく許容しても、厚みT6の精確性に優れる封止層13を得ることができる。
上記した一実施形態では、図5に示すように、封止層13の面積S1を、素子配置領域18の面積S3に比べて、大きく形成している(S1>S3)が、例えば、図8に示すように、封止層13の面積S1を、素子配置領域18の面積S3に比べて、小さくあるいは同じ大きさに形成することもできる(S1≦S3)。
好ましくは、図5に示すように、封止層13の面積S1を、素子配置領域18の面積S3に比べて、大きく形成する(S1>S3)。そうすれば、素子配置領域18の面積S3に比べて大きい面積S1を有する封止層13により確実に複数の光半導体素子16を被覆しつつ、封止層13の厚みT6の精確性を向上させることができる。
上記した一実施形態では、図1A〜図2Fに示すように、本発明の光半導体装置の製造方法における基材の一例として、第2剥離層17を挙げて説明しているが、例えば、図9A〜図9Dに示すように、第2剥離層17を基板20とし、そして、第2剥離層17を用いる剥離工程(図2E参照)を実施することなく、光半導体装置30を製造することもできる。
この実施形態の光半導体装置30の製造方法では、図9Aに示すように、素子部材配置工程において、まず、光半導体素子16と、光半導体素子16が実装された基板20とを備える実装基板29を用意する。光半導体素子16は、基板20の下面に対してフリップチップ実装され、あるいは、ワイヤボンディング接続されている。
その後、図9Aに示すように、実装基板29を、封止部材11およびダム5の上側に対向配置する。具体的には、実装基板29を、光半導体素子16が下側に向かうように、キャリア32の下面に配置する。
続いて、図9Bに示すように、被覆工程を実施して、光半導体素子16と、光半導体素子16が実装された基板20と、光半導体素子16を封止する封止層13と、封止層13の表面(下面および側面)に配置される第1剥離層12と、封止層13を囲むダム5とを備えるダム/剥離層付光半導体装置50を得る。その後、図9Cに示すように、ダム/剥離層付光半導体装置50を下金型2から引き上げる。
その後、図9Dの矢印で示すように、ダム/剥離層付光半導体装置50において、第1剥離層12を封止層13から剥離する。
続いて、図9Dの太鎖線で示すように、各光半導体素子16に対応する封止層13および基板20を前後方向および左右方向に沿って切断して、複数の光半導体素子16を個片化する。これによって、ダム5、ダム5に対応する膨出部14および基板20を除去する。
これによって、1つの光半導体素子16と、光半導体素子16が実装される基板20と、光半導体素子16を封止する封止層13(封止部33)とを備える光半導体装置30が得られる。好ましくは、光半導体装置30は、光半導体素子16と、基板20と、封止層13とからなる。
図9A〜図9Dに示される方法によっても、上記した一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。さらに、第2剥離層17を用いないので、その分、簡便に、光半導体装置30を得ることができる。
また、上記した一実施形態では、図2Eに示すように、封止層被覆光半導体素子10における封止層13を切断して、光半導体素子16を個片化した後、図2Fに示すように、封止層被覆光半導体素子10を基板20に実装している。しかし、図示しないが、封止層13を切断せず、つまり、光半導体素子16を個片化することなく、複数の光半導体素子16を備える封止層被覆光半導体素子10を、基板20に実装することもできる。その場合には、まず、第2剥離層17が設けられた封止層被覆光半導体素子10を基板20に実装し、その後、第2剥離層17を封止層13から剥離する。あるいは、まず、第2剥離層17を封止層13から剥離した後、第2剥離層17が剥離された封止層13を備える封止層被覆光半導体素子10を基板20に実装こともできる。
また、上記した一実施形態では、図1Aに示すように、複数の光半導体素子16を第2剥離層17に配置し、その後、図1Bに示すように、これを、単数の封止層13によって封止している。しかし、これに限定されず、例えば、図示しないが、単数の光半導体素子16を第2剥離層17に配置し、その後、単数の光半導体素子16を単数の封止層13によって封止することもできる。
その場合には、素子配置領域18は、第2剥離層17において単数の光半導体素子16が配置される領域であって、より具体的には、光半導体素子16が平面視略矩形状であれば、前端縁、後端縁、右端縁および左端縁によって囲まれる略矩形状の領域である。
この変形例によっても、上記した一実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
以下に示す合成例、調製例、作製例および実施例の数値は、上記の実施形態において記載される数値(すなわち、上限値または下限値)に代替することができる。
実施例1 (図1A〜図4に対応)
<1.準備工程>
図1Aおよび図3に示すように、下金型2および上金型3を用意した。
<2.スペーサ配置工程>
図5に示すように、厚みT1が650μmである2つのスペーサ4を用意し、それらを、下金型2の上面の配置した。
<3.封止部材配置工程>
第1剥離層12と、Bステージの封止層13とを備える封止部材11を用意した。
封止部材11を用意する方法を以下の各合成例、調製例および作製例に記載する。
(合成例1)
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン93.2g、水140g、トリフルオロメタンスルホン酸0.38gおよびトルエン500gを投入して混合し、撹拌しつつメチルフェニルジメトキシシラン729.2gとフェニルトリメトキシシラン330.5gの混合物1時間かけて滴下し、その後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層(水層)を分離して除去し、上層(トルエン溶液)を3回水洗した。水洗したトルエン溶液に水酸化カリウム0.40gを加え、水分離管から水を除去しながら還流した。水の除去完了後、さらに5時間還流し、冷却した。その後、酢酸0.6gを投入して中和した後、ろ過して得られたトルエン溶液を3回水洗した。その後、減圧濃縮することにより、液体状のアルケニル基含有ポリシロキサンAを得た。アルケニル基含有ポリシロキサンAの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
((CH=CH)(CHSiO1/20.15(CHSiO2/20.60(CSiO3/20.25
平均組成式:
(CH=CH)0.15(CH0.90(C0.85SiO1.05
つまり、アルケニル基含有ポリシロキサンAは、Rがビニル基、Rがメチル基およびフェニル基であり、a=0.15、b=1.75である上記平均組成式(1)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、アルケニル基含有ポリシロキサンAのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、2300であった。
(合成例2)
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン93.2g、水140g、トリフルオロメタンスルホン酸0.38gおよびトルエン500gを投入して混合し、撹拌しつつジフェニルジメトキシシラン173.4gとフェニルトリメトキシシラン300.6gの混合物1時間かけて滴下し、滴下終了後、1時間加熱還流した。その後、冷却し、下層(水層)を分離して除去し、上層(トルエン溶液)を3回水洗した。水洗したトルエン溶液に水酸化カリウム0.40gを加え、水分離管から水を除去しながら還流した。水の除去完了後、さらに5時間還流し、冷却した。酢酸0.6gを投入して中和した後、ろ過して得られたトルエン溶液を3回水洗した。その後、減圧濃縮することにより、液体状のアルケニル基含有ポリシロキサンBを得た。アルケニル基含有ポリシロキサンBの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
(CH=CH(CHSiO1/20.31((CSiO2/20.22(CSiO3/20.47
平均組成式:
(CH=CH)0.31(CH0.62(C0.91SiO1.08
つまり、アルケニル基含有ポリシロキサンBは、Rがビニル基、Rがメチル基およびフェニル基であり、a=0.31、b=1.53である上記平均組成式(1)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、アルケニル基含有ポリシロキサンBのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、1000であった。
(合成例3)
撹拌機、還流冷却管、投入口および温度計が装備された四ツ口フラスコに、ジフェニルジメトキシシラン325.9g、フェニルトリメトキシシラン564.9g、およびトリフルオロメタンスルホン酸2.36gを投入して混合し、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン134.3gを加え、撹拌しつつ酢酸432gを30分かけて滴下した。滴下終了後、混合物を撹拌しつつ50℃に昇温して3時間反応させた。室温まで冷却した後、トルエンと水を加え、良く混合して静置し、下層(水層)を分離して除去した。その後、上層(トルエン溶液)を3回水洗した後、減圧濃縮することにより、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンC(架橋剤C)を得た。
ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCの平均単位式および平均組成式は、以下の通りである。
平均単位式:
(H(CHSiO1/20.33((CSiO2/20.22(CPhSiO3/20.45
平均組成式:
0.33(CH0.66(C0.89SiO1.06
つまり、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCは、Rがメチル基およびフェニル基であり、c=0.33、d=1.55である上記平均組成式(2)で示される。
また、ゲル透過クロマトグラフィーによって、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンCのポリスチレン換算の重量平均分子量を測定したところ、1000であった。
(調製例1)
アルケニル基含有ポリシロキサンA(合成例1)20g、アルケニル基含有ポリシロキサンB(合成例2)25g、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンC(合成例3、架橋剤C)25g、および、白金カルボニル錯体(商品名「SIP6829.2」、Gelest社製、白金濃度2.0質量%)5mgを混合して、フェニル系シリコーン樹脂組成物Aを調製した。
(作製例1)
調製例1のフェニル系シリコーン樹脂組成物Aに対して、無機フィラー(屈折率1.55、組成および組成比率(質量%):SiO/Al/CaO/MgO=60/20/15/5、平均粒子径:15μm(分級品))を、それらの総量に対して、50質量%となるように、混合して、封止組成物のワニスを調製した。つまり、封止組成物において、フェニル系シリコーン樹脂組成物Aの配合割合が50質量%、無機フィラーAの配合割合が50質量%である。
次いで、調製したワニスを、アプリケータにて、厚みT2が50μmである第1剥離層12(PTEシート、軟化温度70℃)の表面に、第1剥離層12の周端部が露出するように、平面視矩形状に塗布した。その後、90℃で9.5分、加熱することにより、ワニスにおけるフェニル系シリコーン樹脂組成物をBステージ化(半硬化)させた。これにより、封止層13を製造した。
図5に示すように、封止層13の厚みT4は、630μm、封止層13の面積S1は、400mm、封止前の封止層13の体積は、252mmであった。
その後、封止部材11を、下金型2の上面に配置した。
<4.ダム配置工程>
シリコーン樹脂組成物からなるワニスを作製した。すなわち、特開2010−265436号公報の実施例1に記載の縮合反応・付加反応硬化型シリコーン樹脂を調製した。具体的には、具体的には、両末端シラノール型ポリジメチルシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、(3−グリシドキシプロピル)トリメトキシシラン、水酸化テトラメチルアンモニウム(縮合触媒)、ジメチルポリシロキサン−CO−メチルハイドロジェンシロキサン、および白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体(付加触媒)から、2段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物を調製した。
次いで、2段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物100質量部に対して、有機フィラー(商品名「トスパール2000B」、シリコーン粒子、屈折率1.42、平均粒子径6.0μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)30質量部を混合して、ワニスを調製した。
次いで、調製したワニスを、剥離シートの表面に塗布した後、熱風乾燥機にて、150℃、2時間加熱して、シート状の硬化物を作製した.その後、硬化物を、枠形状に外形加工して、ダム5を作製し、その後、作製したダム5を、封止層13を囲むように、第1剥離層12の上面の周端部に配置した。ダム5の厚みT3は、660μm、ダム5の幅(第1ダム部5Aの前後方向長さ、および、第2ダム部5Bの左右方向長さ)は、3mm、ダム5の開口断面積は、400mmであった。また、ダム5の25℃における引張弾性率は、0.5MPaであり、破断伸びは、500%であった。
<5.素子部材配置工程>
第2剥離層17(熱剥離シート)と、第2剥離層17の下面に配置される9つの光半導体素子16とを備える素子部材15を用意した。第2剥離層17の厚みT5は、50μmであり、9つの光半導体素子16の総体積は、30mmであった。
また、[封止層13の設計厚みT0]=[スペーサ4の厚みT1]−[第1剥離層12の厚みT2]であることから、封止層13の設計厚みT0は、600μm(650μm(T1)−50μm(T2))であった。
続いて、素子部材15を、キャリア32(ガラス板)の下面に貼着した。その後、素子部材15およびキャリア32を、封止部材11およびダム5の上側に対向配置した。
<6.被覆工程>
図1Bに示すように、キャリア32の左右方向両端部の下面をスペーサ4の上面と接触させて、上金型3をプレス位置に位置させることによって、上金型3を下金型2に対して熱プレスした。
具体的には、図1Bに示すように、上金型3を下金型2に対して、3MPa(2kN)でプレスしながら、ヒータ7により下金型2および上金型3を90℃で10分間加熱した。
その後、図1Cに示すように、上金型3およびキャリア32をプレス1から引き上げることにより、第1剥離層12、第2剥離層17、光半導体素子16、封止層13およびダム5を備えるダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60を、上金型3およびキャリア32に追従させるように、下金型2から引き上げた。
ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60において、図2Dに示すように、ダム5の厚みT7は、600μmであり、ダム5の幅(第1ダム部5Aの前後方向長さ、および、第2ダム部5Bの左右方向長さ)は、3mmであり、ダム5の開口断面積は、400mmであった。
また、ダム/剥離層付封止層被覆光半導体素子60において、図2Dに示すように、封止層13の厚みT6は、600μm、封止層13の面積は、400mmであった。また、封止層収容体積19は、210mmであった([封止層収容体積19]−[9つの光半導体素子16の総体積])。
<7.剥離工程>
その後、図2Dの矢印で示すように、第1剥離層12を封止層13およびダム5から引き剥がした。
続いて、図2Eの太鎖線で示すように、各光半導体素子16に対応する封止層13を切断して、複数の光半導体素子16を個片化した。これによって、光半導体素子16および封止層13からなる封止層被覆光半導体素子10を第2剥離層17により支持された状態で得た。
<8.実装工程>
その後、図2Eの矢印で示すように、封止層被覆光半導体素子10を第2剥離層17から引き剥がし、次いで、図2Fに示すように、引き剥がした光半導体素子16を基板20に実装した。これにより、光半導体装置30を得た。
実施例2〜11 (図1A〜図3に対応)
ダム5の処方および寸法と、封止層13の寸法とを表1に従って変更した以外は、実施例1と同様に処理した。
また、実施例2〜5および7〜10では、<4.ダム配置工程>のダム5の処方では、2段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物に代えて、1段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物(商品名「ELASTOSIL LR7665」、付加反応硬化型シリコーン樹脂組成物、Bステージ状態となることができない熱硬化性樹脂、旭化成ワッカーシリコーン社製)を用いた。
また、実施例6では、<4.ダム配置工程>のダム5の処方では、2段反応硬化性のメチル系シリコーン樹脂組成物に代えて、1段反応硬化性のフェニル系シリコーン樹脂組成物を用いた。1段反応硬化性のフェニル系シリコーン樹脂組成物は、実施例1における<3.封止部材配置工程>に記載の1段反応硬化性のフェニル系シリコーン樹脂組成物を用いた。
実施例11
ダム5を、エポキシ樹脂のみから形成した以外は、実施例1と同様に処理した。
具体的には、商品名「JER828」(エポキシ樹脂、三菱化学社製)を用いて、塗工にて狙いの厚みに成膜、硬化させた後、裁断機にて枠形状に打ち抜いた。
実施例12
ダム5を、ウレタン樹脂のみから形成した以外は、実施例1と同様に処理した。
具体的には、商品名「ポリウレタンエラストマー(TPU)シート」(株式会社テルマックス社製)を用いて、裁断機にて枠形状に打ち抜いた。
実施例13
堰部材を、ガラス・エポキシ基板のみから形成した以外は、実施例1と同様に処理した。
具体的には、商品名「FR−4」(ガラス・エポキシ樹脂、パナソニック社製)を、裁断機にて枠形状に打ち抜いた。
実施例14
堰部材を、ステンレスから形成した以外は、実施例1と同様に処理した。
具体的には、ステンレス板(型番SUS304)を、裁断機にて枠形状に打ち抜いた。
比較例1
ダム5を用いなかった以外は、実施例1と同様に処理した。
(評価)
[光半導体素子16の封止の状態]
封止層13による光半導体素子16の封止状態を観察し、以下に基準に従って光半導体素子16の封止状態を評価した。
◎:封止層13によって光半導体素子16を完全に封止した
○:封止層13によって光半導体素子16を封止した
△※A:ダム5のわずかな損傷によって封止組成物のダム5の外側への漏れがあったものの、封止層13によって光半導体素子16を封止した
△※B:封止層収容体積19において未充填部分が散見されたものの、封止層13によって光半導体素子16を封止した
△※C:ダム5と第2剥離層17との界面の密着不足によって、封止組成物のダム5の外側への漏れがあったものの、封止層13によって光半導体素子16を封止できた。
×:封止層13によって光半導体素子16を封止できなかった。
[封止層13の平均厚みT6および厚みT6のばらつき]
剥離層付封止層被覆光半導体素子40における封止層13の平均厚みT6、および、T6のばらつきを算出した。なお、表中、Rは、封止層13の厚みのばらつきの指標であって、具体的には、封止層13の最大厚みから封止層13の最小厚みを差し引いた値を示す。
[フェニル系シリコーン樹脂組成物Aの反応により得られる生成物の炭化水素基(R)におけるフェニル基の含有割合の測定]
フェニル系シリコーン樹脂組成物A(つまり、フィラーが含まれていないフェニル系シリコーン樹脂組成物A)の反応により得られる生成物中、ケイ素原子に直接結合する炭化水素基(平均組成式(3)のR)におけるフェニル基の含有割合(モル%)を、H−NMRおよび29Si−NMRにより算出した。
具体的には、Aステージのフェニル系シリコーン樹脂組成物Aを、フィラーを添加せずに、100℃1時間で、反応(完全硬化、Cステージ化)させて、生成物を得た。
次いで、得られた生成物のH−NMRおよび29Si−NMRを測定することで、ケイ素原子に直接結合している炭化水素基(R)におけるフェニル基が占める割合(モル%)を算出した。
その結果、48%であった。
Figure 2016062908
1 プレス
2 下金型
3 上金型
4 スペーサ
5 ダム
7 ヒータ
10 封止層被覆光半導体素子
11 封止部材
12 第1剥離層
13 封止層
15 素子部材
16 光半導体素子
17 第2剥離層
18 素子配置領域
19 封止層収容体積
20 基板
30 光半導体装置
S1 封止層の面積
S3 素子配置領域の面積
S8 ダム(開口部)の開口断面積
T0 封止層の設計厚み
T3 封止前のダムの厚み
T4 封止前の封止層の厚み

Claims (14)

  1. 光半導体素子と、前記光半導体素子を被覆する封止層とを備える封止層被覆光半導体素子の製造方法であって、
    平板状の第1金型と、前記第1金型に対向配置するための平板状の第2金型とを備えるプレスを準備する工程、
    前記封止層の設計厚みに対応するプレス位置を超える前記プレスのプレス方向における前記第1金型および/または前記第2金型の移動を規制するための規制部材を前記プレスに配置する工程、
    剥離層と、前記剥離層の表面に配置されるBステージの前記封止層とを備える封止部材を、前記第1金型および前記第2金型の間に、前記封止層が第2金型に向かうように、配置する工程、
    前記封止層の外形形状に対応する堰部材を、前記プレス方向に投影したときに前記封止層を囲むように、配置する工程、
    基材と、前記基材の表面に配置される前記光半導体素子とを備える素子部材を、前記第1金型および前記第2金型の間であって、前記封止部材に対する前記第2金型側に、前記光半導体素子が前記第1金型に向かうように、配置する工程、および、
    前記第1金型および前記第2金型を近接させて、前記第1金型および/または前記第2金型を前記プレス位置に位置させて、前記光半導体素子を前記封止層により被覆する工程
    を備えることを特徴とする、封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  2. 前記封止層の体積割合が、前記第1金型および/または前記第2金型が前記プレス位置に位置するときに、前記堰部材、前記剥離層および前記基材によって区画される空間の体積から前記光半導体素子の体積を差し引いた封止層収容体積に対して、100%以上、120%以下であることを特徴とする、請求項1に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  3. 前記堰部材を配置する工程において、前記堰部材の厚みが、前記封止層の前記設計厚みに対して、100%を超過し、120%以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  4. 前記堰部材の23℃における引張弾性率が、0.3MPa以上、1000MPa以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  5. 前記堰部材が、樹脂を含有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  6. 前記樹脂が、シリコーン樹脂および/またはウレタン樹脂であることを特徴とする、請求項5に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  7. 前記封止部材において、前記剥離層の周端部は、前記封止層から露出しており、
    前記堰部材を配置する工程では、前記堰部材を、前記剥離層の前記周端部に載置することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  8. 前記堰部材を配置する工程において、前記封止層の面積が、前記堰部材によって囲まれる空間の前記プレス方向に対する直交方向に沿う断面積に比べて、小さいことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  9. 前記光半導体素子が前記基材に単数配置される場合には、前記封止層の面積が、前記基材において前記単数の光半導体素子が配置される領域の面積に比べて大きく、
    前記光半導体素子が前記基材に複数設けられる場合には、前記封止層の面積が、前記基材において前記複数の光半導体素子のうち最外側に配置される前記光半導体素子の外側端縁を結ぶ線分で囲まれる領域の面積に比べて、大きいことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  10. 前記プレスは、熱源を備え、
    前記Bステージの封止層は、熱可塑性および熱硬化性を併有し、
    前記光半導体素子を前記封止層により被覆する工程では、前記封止層を加熱して可塑化し、続いて、可塑化した前記封止層を熱硬化させることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  11. 前記封止層は、
    分子内に2個以上のアルケニル基および/またはシクロアルケニル基を含有するアルケニル基含有ポリシロキサンと、分子内に2個以上のヒドロシリル基を含有するヒドロシリル基含有ポリシロキサンと、ヒドロシリル化触媒とを含有するフェニル系シリコーン樹脂組成物を含有する封止組成物からシート状に形成され、
    前記アルケニル基含有ポリシロキサンは、下記平均組成式(1)で示され、
    平均組成式(1):
    SiO(4−a−b)/2
    (式中、Rは、炭素数2〜10のアルケニル基および/または炭素数3〜10のシクロアルケニル基を示す。Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。aは、0.05以上、0.50以下であり、bは、0.80以上、1.80以下である。)
    前記ヒドロシリル基含有ポリシロキサンは、下記平均組成式(2)で示され、
    平均組成式(2):
    SiO(4−c−d)/2
    (式中、Rは、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基および/またはシクロアルケニル基を除く。)を示す。cは、0.30以上、1.0以下であり、dは、0.90以上、2.0以下である。)
    前記平均組成式(1)および前記平均組成式(2)中、RおよびRの少なくともいずれか一方は、フェニル基を含み、
    前記フェニル系シリコーン樹脂組成物を反応させることにより得られる生成物は、下記平均組成式(3)で示され、
    平均組成式(3):
    SiO(4−e)/2
    (式中、Rは、フェニル基を含む、非置換または置換の炭素数1〜10の1価の炭化水素基(ただし、アルケニル基およびシクロアルケニル基を除く。)を示す。eは、0.5以上2.0以下である。)
    前記平均組成式(3)のRにおけるフェニル基の含有割合が、30モル%以上、55モル%以下であることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  12. 前記封止層は、蛍光体を含有していることを特徴とする、請求項1〜11に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法により、基材の表面に配置された封止層被覆光半導体素子を用意する工程を備え、
    前記基材は、第2剥離層であり、
    前記封止層被覆光半導体素子を用意する工程の後に、前記封止層被覆光半導体素子を前記第2剥離層から剥離する工程、および、
    剥離した前記封止層被覆光半導体素子の前記光半導体素子を基板に実装する工程
    をさらに備えていることを特徴とする、光半導体装置の製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の封止層被覆光半導体素子の製造方法により、基材の表面に配置された封止層被覆光半導体素子を用意する工程を備え、
    前記基材は、前記光半導体素子が実装された基板であることを特徴とする、光半導体装置の製造方法。
JP2014186815A 2014-09-12 2014-09-12 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法 Pending JP2016062908A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014186815A JP2016062908A (ja) 2014-09-12 2014-09-12 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
PCT/JP2015/075837 WO2016039442A1 (ja) 2014-09-12 2015-09-11 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
TW104130222A TW201622184A (zh) 2014-09-12 2015-09-11 密封層被覆光半導體元件之製造方法及光半導體裝置之製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014186815A JP2016062908A (ja) 2014-09-12 2014-09-12 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2016062908A true JP2016062908A (ja) 2016-04-25

Family

ID=55459185

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014186815A Pending JP2016062908A (ja) 2014-09-12 2014-09-12 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2016062908A (ja)
TW (1) TW201622184A (ja)
WO (1) WO2016039442A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7161084B1 (ja) * 2021-02-01 2022-10-25 ナガセケムテックス株式会社 電子部品実装基板の封止方法および熱硬化性シート

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013214716A (ja) * 2012-03-06 2013-10-17 Nitto Denko Corp 蛍光封止シート、発光ダイオード装置およびその製造方法
JP6362834B2 (ja) * 2012-07-17 2018-07-25 晶元光電股▲ふん▼有限公司Epistar Corporation 半導体装置の製造方法
JP2014150221A (ja) * 2013-02-04 2014-08-21 Nitto Denko Corp 光半導体用シートおよび光半導体装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7161084B1 (ja) * 2021-02-01 2022-10-25 ナガセケムテックス株式会社 電子部品実装基板の封止方法および熱硬化性シート

Also Published As

Publication number Publication date
WO2016039442A1 (ja) 2016-03-17
TW201622184A (zh) 2016-06-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8802506B2 (en) Method of manufacturing a semiconductor device and a semiconductor device produced thereby
JP6250065B2 (ja) 圧縮成形又はラミネート用ホットメルト型硬化性シリコーン組成物
JP7256745B2 (ja) 硬化性シリコーン組成物、それからなる光学部材用樹脂シートおよび発光デバイス
KR20160075495A (ko) 형광체 조성물, 형광체 시트, 형광체 시트 적층체와 그들을 사용한 led 칩, led 패키지 및 그 제조 방법
WO2015033824A1 (ja) 波長変換シート、封止光半導体素子および光半導体素子装置
JP2013187227A (ja) 封止シート、発光ダイオード装置およびその製造方法
JP2017163105A (ja) 光半導体素子被覆シート、密着層−被覆層付光半導体素子およびその製造方法、密着層付光半導体素子の製造方法
WO2015033890A1 (ja) 光半導体素子封止組成物、光半導体素子封止成形体、光半導体素子封止シート、光半導体装置および封止光半導体素子
JPWO2019124417A1 (ja) シリコーン系接着シート、それを含む積層体、半導体装置の製造方法
TW202027302A (zh) 被覆有螢光體層之光半導體元件及其製造方法
JP2021108319A (ja) 電子装置用基板の封止方法及び封止された電子装置用基板
JP2016171315A (ja) 貼着シート、貼着光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
JP6018608B2 (ja) 封止シート、その製造方法、光半導体装置および封止光半導体素子
JP2016171314A (ja) 封止シート、封止光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
WO2016039442A1 (ja) 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
JP5882729B2 (ja) シリコーン樹脂シート、硬化シート、発光ダイオード装置およびその製造方法
WO2016039443A1 (ja) 封止層被覆光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
JP2021107149A (ja) 積層体及びそれからなる電子部品
JP2017163104A (ja) 被覆層付光半導体素子およびその製造方法
WO2016143627A1 (ja) 封止シート、封止光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
WO2016143623A1 (ja) 貼着シート、貼着光半導体素子の製造方法および光半導体装置の製造方法
WO2016194947A1 (ja) 蛍光体樹脂シート、貼着光半導体素子およびその製造方法
JP2017215459A (ja) 蛍光体樹脂シート、貼着光半導体素子およびその製造方法
JP2017213641A (ja) 蛍光体樹脂シートの製造方法
JP2016048764A (ja) 光半導体素子封止組成物、光半導体素子封止成形体、光半導体素子封止シート、光半導体装置および封止光半導体素子