以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。一部の構成要素を用いない場合もある。以下で説明する実施形態における構成要素は、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものを含む。
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。水平面内において第1軸と平行な方向をX軸方向、水平面内において第1軸と直交する第2軸と平行な方向をY軸方向、第1軸及び第2軸のそれぞれと直交する第3軸と平行な方向をZ軸方向とする。第1軸(X軸)を中心とする回転方向(傾斜方向)をθX方向、第2軸(Y軸)を中心とする回転方向(傾斜方向)をθY方向、第3軸(Z軸)を中心とする回転方向(傾斜方向)をθZ方向とする。XY平面は、水平面である。Z軸方向は、鉛直方向(上下方向)である。
図1は、本実施形態に係る電子部品実装装置10の一例を模式的に示す斜視図である。図2は、本実施形態に係る電子部品実装装置10の一例を模式的に示す平面図である。
電子部品実装装置10は、基板Pに電子部品Cを実装する。電子部品実装装置10は、表面実装装置10又はマウンタ10とも呼ばれる。電子部品Cは、リードを有するリード型電子部品(挿入型電子部品)でもよいし、リードを有しないチップ型電子部品(搭載型電子部品)でもよい。リード型電子部品は、基板Pの開口にリードが挿入されることによって基板Pに実装される。チップ型電子部品は、基板Pに搭載されることによって基板Pに実装される。
図1及び図2に示すように、電子部品実装装置10は、電子部品Cを供給する供給装置12と、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル14を有し、供給装置12の電子部品Cを基板Pに実装可能な実装ヘッド16と、XY平面内において実装ヘッド16を移動するヘッド駆動装置18と、基板Pを搬送する基板搬送装置20と、電子部品Cの画像を取得可能なカメラを含む部品撮像ユニット22と、基板Pの画像を取得可能なカメラを含む基板撮像ユニット24と、ノズル14に保持された電子部品Cの有無及び形状を検出する検出ユニット26と、電子部品実装装置10の少なくとも一部が収容されるハウジング28と、電子部品実装装置10の情報を表示する表示装置30と、電子部品実装装置10を制御する制御装置40と、電子部品Cを回収する回収装置50と、を備えている。
供給装置12は、電子部品Cを実装ヘッド16に供給する。供給装置12は、電子部品Cを複数保持する。供給装置12に保持された複数の電子部品Cのうち少なくとも1つの電子部品Cが実装ヘッド16に供給される。本実施形態において、供給装置12は、基板搬送装置20の−Y側に配置される。なお、供給装置12は、Y軸方向に関して搬送装置20の両側に配置されてもよい。
供給装置12は、フィーダ32と、フィーダ32を支持するフィーダバンクとを有する。供給装置12は、電子部品Cを保持するテープを含む。電子部品Cを保持するテープがリールに巻かれる。フィーダ32は、そのリールを支持する。フィーダ32は、基板搬送装置20による基板Pの搬送方向に複数配置される。本実施形態において、基板Pの搬送方向は、X軸方向である。フィーダ32は、X軸方向に複数配置される。フィーダ32から実装ヘッド16に電子部品Cが供給される。フィーダバンクは、X軸方向に配置された複数のフィーダ32を着脱可能に支持する。
なお、供給装置12から供給される電子部品Cは、同種の電子部品でもよいし、異種の電子部品でもよい。供給装置12から供給される電子部品Cの大きさ(外形の寸法)は、同一でもよいし、異なってもよい。
基板搬送装置20は、基板Pを搬送する。基板搬送装置20は、X軸方向に基板Pをガイドするガイド部材20Gと、基板Pを保持可能な基板保持装置をZ軸方向に移動可能なアクチュエータと、を含む。基板Pは、ガイド部材20Gにガイドされて、X軸方向に移動可能である。基板搬送装置20は、基板Pを少なくともX軸方向に移動する。なお、基板搬送装置20が、基板PをX軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。基板Pの表面の少なくとも一部に電子部品Cが実装される。
基板搬送装置20は、基板Pの表面と実装ヘッド16の少なくとも一部とが対向するように基板Pを移動可能である。基板Pは、基板供給装置から電子部品実装装置10に供給される。基板供給装置から供給された基板Pは、ガイド部材20Gの所定位置まで搬送され、基板保持装置で保持される。基板保持装置は、基板Pの表面とXY平面とが平行となるように基板Pを保持する。実装ヘッド16は、その所定位置に配置された基板Pの表面に電子部品Cを実装する。基板Pに電子部品Cが実装された後、その基板Pは、基板搬送装置20によって次工程の装置に搬送される。
実装ヘッド16は、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル14を有する。実装ヘッド16は、供給装置12から供給された電子部品Cを基板Pに実装する。実装ヘッド16は、供給装置12から供給された電子部品Cをノズル14で保持する。ノズル14は、基板搬送装置20の基板保持装置に保持されている基板Pに電子部品Cを実装する。
ヘッド駆動装置18は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに実装ヘッド16を移動する。ヘッド駆動装置18は、実装ヘッド16をX軸方向に移動するためのX軸ガンドリ18Xと、実装ヘッド16をY軸方向に移動するためのY軸ガンドリ18Yと、を含む。ヘッド駆動装置18により実装ヘッド16がX軸方向及びY軸方向に移動することによって、ノズル14が実装ヘッド16と一緒にX軸方向及びY軸方向に移動する。
図3は、本実施形態に係る実装ヘッド16の一例を示す図である。図3に示すように、実装ヘッド16は、電子部品Cを着脱可能に保持するノズル14と、基板Pの画像を取得可能な基板撮像ユニット24と、を有する。実装ヘッド16は、供給装置12の電子部品Cをノズル14で保持して基板Pに実装する。ノズル14は、実装ヘッド16に複数配置される。複数のノズル14は、別々に駆動可能である。
ノズル14は、電子部品Cを着脱可能に保持する。ノズル14は、電子部品Cを吸着して保持する吸引ノズルを含む。ノズル14は、電子部品Cを吸着して保持する吸着機構を含む。ノズル14は、先端部に設けられた開口と、開口に接続された内部流路とを有する。ノズル14の内部流路の気体が真空ポンプを含む吸引装置によって吸引される。ノズル14の先端部と電子部品Cとが接触した状態で、ノズル14の吸引動作が行われることにより、ノズル14の先端部に電子部品Cが吸着されて保持される。ノズル14の吸引動作が解除されることにより、電子部品Cはノズル14から解放される。
実装ヘッド16は、ノズル14をZ軸方向及びθZ方向に移動可能なノズル駆動装置34を有する。ノズル駆動装置34は、ノズル14をZ軸方向に移動するZ軸駆動部34Zと、ノズル14をθZ方向に移動(回転)する回転駆動部34Cとを含む。Z軸駆動部34Zは、ノズル14をZ軸方向に移動可能な動力を発生するZ軸アクチュエータを含む。回転駆動部34Cは、ノズル14をθZ方向に移動可能な動力を発生するθ軸アクチュエータを含む。
すなわち、本実施形態において、ノズル14は、ヘッド駆動装置18及び実装ヘッド16に設けられたノズル駆動装置34により、X軸、Y軸、Z軸、及びθZの4つの方向に移動可能である。なお、ノズル14は、X軸、Y軸、Z軸、θX、θY、及びθZの6つの方向に移動可能でもよい。
図1及び図2に示すように、回収装置50は、フィーダバンク内に着脱可能にフィーダ32と隣接して設置される。なお、供給装置12に支持されるように設置しても良い。
回収装置50は、基板Pに実装されない電子部品Cを回収する。電子部品Cは、供給装置12から実装ヘッド16に供給され、実装ヘッド16のノズル14に保持される。制御装置40は、ノズル14に保持された電子部品Cを、基板搬送装置20の基板Pに実装するか否かを決定する。ノズル14に保持された電子部品Cを基板Pに実装すると決定された場合、制御装置40は、基板Pと対向する位置に実装ヘッド16を移動し、ノズル14に保持された電子部品Cを基板Pに実装する。ノズル14に保持された電子部品Cを基板Pに実装しないと決定された場合、制御装置40は、回収装置50の少なくとも一部と対向する位置に実装ヘッド16を移動し、ノズル14に保持された電子部品Cを回収装置50に搬送する。回収装置50は、ノズル14から電子部品Cを回収する。
実装ヘッド16の移動可能な範囲(可動空間)は決められている。本実施形態において、実装ヘッド16が移動可能な可動空間は、ハウジング28の内部空間を含む。以下の説明において、実装ヘッド16が移動可能な可動空間を適宜、内部空間SA、と称する。
ヘッド駆動装置18は、内部空間SAにおいて、実装ヘッド16を移動する。供給装置12は、内部空間SAに電子部品Cを供給する。基板搬送装置20は、内部空間SAに基板Pを供給する。回収装置50は、内部空間SAにおいて電子部品Cを回収する。
ヘッド駆動装置18は、供給装置12から電子部品Cが供給される供給位置PS、基板搬送装置20によって搬送された基板Pと対向する実装位置PM、及び回収装置50により電子部品Cが回収される回収位置PCのそれぞれに実装ヘッド16を移動可能である。
内部空間SAは、供給位置PS、実装位置PM、及び回収位置PCのそれぞれを含む。ハウジング28の内部空間SAに、供給装置12の少なくとも一部、ノズル14、実装ヘッド16、基板搬送装置20、及び回収装置50の少なくとも一部が配置される。
供給位置PSと実装位置PMと回収位置PCとは、XY平面内において異なる位置である。供給位置PSは、供給装置12からノズル14に電子部品Cが供給される位置を含む。実装位置PMは、ノズル14から基板Pに電子部品Cが供給される位置を含む。回収位置PCは、ノズル14から回収装置50に電子部品Cが供給される位置を含む。実装ヘッド16は、供給位置PCに移動して、供給装置12から電子部品Cを受ける。実装ヘッド16は、実装位置PMに移動して、基板Pに電子部品Cを実装する。実装ヘッド16は、回収位置PCに移動して、回収装置50に電子部品Cを渡す。
本実施形態において、回収装置50の一部は、内部空間SAに配置される。回収装置50の一部は、内部空間SAの外側の外部空間SBに配置される。実装ヘッド16は、外部空間SBに移動できない。外部空間SBは、実装ヘッド16が移動不可能な非可動空間である。本実施形態において、実装ヘッド16が移動できない外部空間SBは、ハウジング28の外部空間を含む。以下の説明において、実装ヘッド16が移動不可能な非可動空間を適宜、外部空間SB、と称する。
本実施形態においては、回収装置50の一部は、ハウジング28の内部空間SAに配置される。回収装置50の一部は、ハウジング28の外部空間SBに配置される。
なお、図4に示すように、回収装置50は、フィーダバンク内に設置されなくても良い。回収装置50の一部が内部空間SAに配置され、回収装置50の一部が外部空間SBに配置されていればよい。
図5は、本実施形態に係る回収装置50の一例を示す平面図である。図6は、本実施形態に係る回収装置50の一例を示す側面図である。図5及び図6に示すように、回収装置50は、基板Pに実装されずにノズル14に保持されている電子部品Cをノズル14から回収可能な第1回収部51と、基板Pに実装されずにノズル14に保持されている電子部品Cをノズル14から回収可能な第2回収部52と、第1回収部51及び第2回収部52を移動する回収部駆動装置53と、を備えている。
また、回収装置50は、第1回収部51、第2回収部52、及び回収部駆動装置53を収容するケーシング54を備えている。本実施形態においては、ケーシング54が、着脱可能にフィーダバンクに設置される。
第1回収部51は、第1回収ボックス51Bと、第1回収ボックス51Bを支持する第1支持部材51Sと、を含む。供給装置12から供給され、基板Pに実装されなかった電子部品Cは、実装ヘッド16によって第1回収ボックス51Bに搬送される。第1回収ボックス51Bを含む第1回収部51は、基板Pに実装されずにノズル14に保持されている電子部品Cをノズル14から回収する。
第2回収部52は、第2回収ボックス52Bと、第2回収ボックス52Bを支持する第2支持部材52Sと、を含む。供給装置12から供給され、基板Pに実装されなかった電子部品Cは、実装ヘッド16によって第2回収ボックス52Bに搬送される。第2回収ボックス52Bを含む第2回収部52は、基板Pに実装されずにノズル14に保持されている電子部品Cをノズル14から回収する。
回収部駆動装置53は、第1回収部51を内部空間SAと外部空間SBとの間で移動可能である。回収部駆動装置53は、第2回収部52を内部空間SAと外部空間SBとの間で移動可能である。第1回収部51は、回収部駆動装置53により、内部空間SA及び外部空間SBの一方から他方に移動可能である。第2回収部52は、回収部駆動装置53により、内部空間SA及び外部空間SBの一方から他方に移動可能である。
本実施形態においては、回収装置50は、ケーシング54の一端部(+Y側の端部)が内部空間SAに配置され、ケーシング54の他端部(−Y側の端部)が外部空間SBに配置されるように、フィーダバンクに設置される。
第1回収部51は、回収部駆動装置53の作動により、ケーシング54の内側の空間において、ケーシング54の一端部及び他端部の一方から他方に移動する。これにより、第1回収部51は、内部空間SA及び外部空間SBの一方から他方に移動する。第2回収部52は、回収部駆動装置53の作動により、ケーシング54の内側の空間において、ケーシング54の一端部及び他端部の一方から他方に移動する。これにより、第2回収部52は、内部空間SA及び外部空間SBの一方から他方に移動する。
ケーシング54は、上部に開口部54Kを有する。第1回収ボックス51Bは、上部に開口部51Kを有する。第2回収ボックス52Bは、上部に開口部52Kを有する。実装ヘッド16は、開口部54K及び開口部51Kを介して、ノズル14に保持されている電子部品Cを第1回収ボックス51Bの内側に搬送可能である。これにより、第1回収ボックス51に電子部品Cが回収される。実装ヘッド16は、開口部54K及び開口部52Kを介して、ノズル14に保持されている電子部品Cを第2回収ボックス52の内側に搬送可能である。これにより、第2回収ボックス52Bに電子部品Cが回収される。
回収部駆動装置53は、第1回収部51が内部空間SAに配置されるときに、第2回収部52が外部空間SBに配置されるように、第1回収部51及び第2回収部52を移動する。回収部駆動装置53は、第2回収部52が内部空間SAに配置されるときに、第1回収部51が外部空間SBに配置されるように、第1回収部51及び第2回収部52を移動する。
回収部駆動装置53は、第1回収部51が内部空間SAから外部空間SBに移動するときに、第2回収部52が外部空間SBから内部空間SAに移動するように、第1回収部51及び第2回収部52を移動する。回収部駆動装置53は、第2回収部52が内部空間SAから外部空間SBに移動するときに、第1回収部51が外部空間SBから内部空間SAに移動するように、第1回収部51及び第2回収部52を移動する。
回収部駆動装置53は、第1プーリ61と、第2プーリ62と、第1プーリ61及び第2プーリ62に支持されるベルト部材63と、ベルト部材63の一部に第1回収部51を連結する第1連結部64と、ベルト部材63の一部に第2回収部52を連結する第2連結部65と、内部空間SAと外部空間SBとの間を移動するように第1回収部51をガイドする第1ガイド部材66と、内部空間SAと外部空間SBとの間を移動するように第2回収部52をガイドする第2ガイド部材67と、第1プーリ61を正方向及び逆方向のそれぞれに回転可能な回転モータ68と、を有する。
第1プーリ61は、ベルト部材69を介して回転モータ68の回転部と連結される。ベルト部材69は、リング状の部材である。ベルト部材69は、所謂、無端ベルトである。回転モータ68は、ベルト部材69を介して、第1プーリ61を回転させる。
第1プーリ61と第2プーリ62とは、Y軸方向に配置される。第2プーリ62は、第1プーリ61の−Y側に配置される。第1プーリ61は、内部空間SAに配置される。第2プーリ62は、外部空間SBに配置される。
第1プーリ61と第2プーリ62とは、ベルト部材63を介して連結される。ベルト部材63は、リング状の部材である。ベルト部材63は、所謂、無端ベルトである。回転モータ68の作動により第1プーリ61が回転すると、ベルト部材63が移動して、第2プーリ62が回転する。
第1連結部64は、ボルト部材を含み、第1回収部51の第1支持部材51Sとベルト部材63の一部とを連結する。第2連結部65は、ボルト部材を含み、第2回収部52の第2支持部材52Sとベルト部材63の一部とを連結する。
ベルト部材63は、第1プーリ61の回転軸及び第2プーリ62の回転軸に対して−X側に配置される第1部分63Aと、+X側に配置される第2部分63Bと、を含む。第1回収部51と第1部分63Aとが第1連結部64を介して連結される。第2回収部52と第2部分63Bとが第2連結部65を介して連結される。
回転モータ68の作動により、ベルト部材63の第1部分63Aは、Y軸方向に移動する。回転モータ68の作動により、ベルト部材63の第2部分63Bは、Y軸方向に移動する。回転モータ68は、第1プーリ61を正方向及び逆方向のそれぞれに回転可能である。第1プーリ61が正方向に回転すると、第1部分63Aが+Y方向に移動し、第2部分63Bが−Y方向に移動する。第1プーリ61が逆方向に回転すると、第1部分63Aが−Y方向に移動し、第2部分63Bが+Y方向に移動する。
このように、本実施形態においては、回転モータ68の作動により、ベルト部材63の第1部分63AがY軸方向に関して一方向(+Y方向又は−Y方向)に移動すると、ベルト部材63の第2部分63BはY軸方向に関して第1部分63Aとは逆方向(−Y方向又は+Y方向)に移動する。
第1回収部51は、第1連結部64により第1部分63Aと連結される。したがって、第1部分63Aが+Y方向に移動すると、第1回収部51は、第1部分63Aと一緒に+Y方向に移動する。第1部分63Aが−Y方向に移動すると、第1回収部51は、第1部分63Aと一緒に−Y方向に移動する。
第2回収部52は、第1連結部65により第2部分63Bと連結される。したがって、第2部分63Bが+Y方向に移動すると、第2回収部52は、第2部分63Bと一緒に+Y方向に移動する。第2部分63Bが−Y方向に移動すると、第2回収部52は、第2部分63Bと一緒に−Y方向に移動する。
本実施形態においては、回転モータ68の作動により、第1回収部51がY軸方向に関して一方向(+Y方向又は−Y方向)に移動すると、第2回収部52はY軸方向に関して第1回収部51とは逆方向(−Y方向又は+Y方向)に移動する。
ケーシング54(回収装置50)の+Y側の端部が内部空間SAに配置される。ケーシング54(回収装置50)の−Y側の端部が外部空間SBに配置される。回転モータ68の作動により、第1回収部51は、Y軸方向に移動して、内部空間SA及び外部空間SBの一方から他方に移動可能である。回転モータ68の作動により、第2回収部52は、Y軸方向に移動して、外部空間SB及び内部空間SAの一方から他方に移動可能である。
本実施形態においては、X軸方向に関して、第1回収部51の位置と第2回収部52の位置とは異なる。Z軸方向に関して、第1回収部51の位置と第2回収部52の位置とは異なる。第2回収部52は、第1回収部51に対して+X側の空間において移動する。第2回収部52は、第1回収部51に対して+Z側の空間において移動する。
第1回収部51及び第2回収部52の移動において、第1回収部51と第2回収部52とが接触しないように、第1回収部51と第2回収部52との相対位置が定められる。本実施形態においては、図6に示すように、X軸方向に関して、第1回収部51と第2回収部52の少なくとも一部とが重複するように配置される。これにより、X軸方向に関する回収装置50の寸法の大型化が抑制される。
第1ガイド部材66は、Y軸方向に長いロッド状の部材である。第1ガイド部材66は、第1回収部51をY軸方向にガイドする。第1回収部51は、支持部材71を介して第1リニアベアリング70と接続される。第1リニアベアリング70は、第1ガイド部材66を移動する。第1回収部51は、第1リニアベアリング70を介して、第1ガイド部材66にY軸方向にガイドされる。
第2ガイド部材67は、Y軸方向に長いロッド状の部材である。第2ガイド部材67は、第2回収部52をY軸方向にガイドする。第2回収部52は、支持部材73を介して第2リニアベアリング72と接続される。第2リニアベアリング72は、第2ガイド部材67を移動する。第2回収部52は、第2リニアベアリング72を介して、第2ガイド部材67にY軸方向にガイドされる。
回収装置50は、第1回収部51の位置を検出する第1位置検出装置74と、第2回収部52の位置を検出する第2位置検出装置75と、を備えている。
第1位置検出装置74は、内部空間SAに配置された検出器74Aと、外部空間SBに配置された検出器74Bと、を含む。検出器74A及び検出器74Bのそれぞれは、第1回収部51に検出光を照射して、第1回収部51で反射した検出光を受光することによって、第1回収部51の有無を検出する。
検出器74Aは、検出光を受光したか否かに基づいて、内部空間SAに第1回収部51が配置されているか否かを検出することができる。内部空間SAに第1回収部51が配置されていない場合、検出器74Aから射出された検出光は、第1回収部51で反射しない。そのため、検出器74Aは、検出光を受光しない。内部空間SAに第1回収部51が配置されている場合、検出器74Aから射出された検出光は、第1回収部51で反射する。そのため、検出器74Aは、検出光を受光する。検出器74Aは、検出光を受光したか否かに基づいて、内部空間SAに第1回収部51が配置されているか否かを検出することができる。
検出器74Bは、検出光を受光したか否かに基づいて、外部空間SBに第1回収部51が配置されているか否かを検出することができる。外部空間SBに第1回収部51が配置されていない場合、検出器74Bから射出された検出光は、第1回収部51で反射しない。そのため、検出器74Bは、検出光を受光しない。外部空間SBに第1回収部51が配置されている場合、検出器74Bから射出された検出光は、第1回収部51で反射する。そのため、検出器74Bは、検出光を受光する。検出器74Bは、検出光を受光したか否かに基づいて、外部空間SBに第1回収部51が配置されているか否かを検出することができる。
このように、第1位置検出装置74は、検出器74A及び検出器74Bを使って、内部空間SA及び外部空間SBのどちらに第1回収部51が配置されているかを検出することができる。また、第1位置検出装置74は、検出器74A及び検出器74Bを使って、Y軸方向に関する第1回収部51の位置を検出することができる。
第2位置検出装置75は、内部空間SAに配置された検出器75Aと、外部空間SBに配置された検出器75Bと、を含む。検出器75A及び検出器75Bのそれぞれは、第2回収部52に検出光を照射して、第2回収部52で反射した検出光を受光することによって、第2回収部52の有無を検出する。
検出器75Aは、検出光を受光したか否かに基づいて、内部空間SAに第2回収部52が配置されているか否かを検出することができる。内部空間SAに第2回収部52が配置されていない場合、検出器75Aから射出された検出光は、第2回収部52で反射しない。そのため、検出器75Aは、検出光を受光しない。内部空間SAに第2回収部52が配置されている場合、検出器75Aから射出された検出光は、第2回収部52で反射する。そのため、検出器75Aは、検出光を受光する。検出器75Aは、検出光を受光したか否かに基づいて、内部空間SAに第2回収部52が配置されているか否かを検出することができる。
検出器75Bは、検出光を受光したか否かに基づいて、外部空間SBに第2回収部52が配置されているか否かを検出することができる。外部空間SBに第2回収部52が配置されていない場合、検出器75Bから射出された検出光は、第2回収部52で反射しない。そのため、検出器75Bは、検出光を受光しない。外部空間SBに第2回収部52が配置されている場合、検出器75Bから射出された検出光は、第2回収部52で反射する。そのため、検出器75Bは、検出光を受光する。検出器75Bは、検出光を受光したか否かに基づいて、外部空間SBに第2回収部52が配置されているか否かを検出することができる。
このように、第2位置検出装置75は、検出器75A及び検出器75Bを使って、内部空間SA及び外部空間SBのどちらに第2回収部52が配置されているかを検出することができる。また、第2位置検出装置75は、検出器75A及び検出器75Bを使って、Y軸方向に関する第2回収部52の位置を検出することができる。
なお、上述の第1位置検出装置74及び第2位置検出装置75は、一例である。上述の例では、第1位置検出装置74が、Y軸方向に配置された2つの検出器(74A、74B)を有することとした。Y軸方向に配置される検出器の数を増やすことにより、第1位置検出装置74は、Y軸方向に関する第1回収部51の位置をより高精度に検出することができる。同様に、Y軸方向に配置される検出器の数を増やすことにより、第2位置検出装置75は、Y軸方向に関する第2回収部52の位置をより高精度に検出することができる。
第1位置検出装置74は、第1回収部51の位置を検出可能であればよい。第2位置検出装置75は、第2回収部52の位置を検出可能であればよい。例えば、第1位置検出装置74が、第1ガイド部材66と平行に配置されたエンコーダスケール部材と、第1回収部51の少なくとも一部に配置されたエンコーダヘッドとを有してもよい。これにより、第1位置検出装置74は、Y軸方向に関する第1回収部51の位置を検出可能である。第2位置検出装置75が、第2ガイド部材67と平行に配置されたエンコーダスケール部材と、第2回収部52の少なくとも一部に配置されたエンコーダヘッドとを有してもよい。これにより、第2位置検出装置75は、Y軸方向に関する第2回収部52の位置を検出可能である。
図6に示すように、第1回収部51は、緩衝部材76を有する。第2回収部52は、緩衝部材77を有する。緩衝部材76及び緩衝部材77は、例えばスポンジ又は軟らかいゴムを含む。緩衝部材76は、第1回収ボックス51Bの底部に配置される。緩衝部材77は、第2回収ボックス52Bの底部に配置される。緩衝部材76により、第1回収ボックス51Bに搬送された電子部品Cに衝撃が作用することが抑制され、電子部品Cの劣化が抑制される。緩衝部材77により、第2回収ボックス52Bに搬送された電子部品Cに衝撃が作用することが抑制され、電子部品Cの劣化が抑制される。
図7は、本実施形態に係る制御装置40の一例を示す機能ブロック図である。制御装置40は、電子部品実装装置10を制御する。制御装置40は、CPUのようなプロセッサと、ROM及びRAMのようなメモリとを含み、演算処理機能と記憶機能とを有する。制御装置40に、ヘッド駆動装置18、ノズル駆動装置34、回収部駆動装置53、第1位置検出装置74、第2位置検出装置75、表示装置30、及び記憶装置90が接続される。
第1位置検出装置74の検出結果及び第2位置検出装置75の検出結果は、制御装置40に出力される。制御装置40は、第1位置検出装置74の検出結果及び第2位置検出装置75の検出結果に基づいて、第1回収部51及び第2回収部52のどちらが内部空間SAに配置されているかを判定することができる。
電子部品実装装置10を制御するための各種のデータ及びプログラムが記憶装置90に記憶される。また、電子部品実装装置10から出力された各種のデータが記憶装置90に記憶される。
制御装置40は、ヘッド駆動装置18を制御するヘッド制御部81と、ノズル駆動装置34を制御するノズル制御部82と、回収部駆動装置53を制御する回収部駆動部83と、回収装置50に回収された電子部品Cの数データを取得する部品数取得部84と、判定部85と、を含む。
ヘッド制御部81は、第1位置検出装置74の検出結果に基づいて、ノズル14に保持されている電子部品Cが第1回収部51に回収されるように、実装ヘッド16の位置を調整する。ヘッド制御部81は、第2位置検出装置75の検出結果に基づいて、ノズル14に保持されている電子部品Cが第2回収部52に回収されるように、実装ヘッド16の位置を調整する。
部品数取得部84は、内部空間SAに第1回収部51が配置されているとき、内部空間SAの第1回収部51に回収された電子部品Cの数データを取得する。部品数取得部84は、内部空間SAに第2回収部52が配置されているとき、内部空間SAの第2回収部52に回収された電子部品Cの数データを取得する。
電子部品Cを回収装置50で回収するために、実装ヘッド16は、回収位置PCに移動する。ヘッド制御部81は、実装ヘッド16が回収位置PCに移動するように、ヘッド駆動装置18に制御信号を出力する。部品数取得部84は、実装ヘッド16を回収位置PCに移動させるためにヘッド制御部81から出力された制御信号をカウントして、第1回収部51に回収された電子部品Cの数データを取得することができる。第2回収部52に回収された電子部品Cの数データを取得する場合も同様である。
判定部85は、内部空間SAに第1回収部51が配置されているとき、部品数取得部84が取得した数データに基づいて、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたか否かを判定する。判定部85は、内部空間SAに第2回収部52が配置されているとき、部品数取得部84が取得した数データに基づいて、第2回収部52に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたか否かを判定する。
回収部制御部83は、判定部85の判定結果に基づいて、内部空間SAに第1回収部51が配置されているとき、内部空間SAから外部空間SBへの第1回収部51の移動、及び外部空間SBから内部空間SAへの第2回収部52の移動が開始されるように、回収部駆動装置53に制御信号を出力する。回収部制御部83は、判定部85の判定結果に基づいて、内部空間SAに第2回収部52が配置されているとき、内部空間SAから外部空間SBへの第2回収部52の移動、及び外部空間SBから内部空間SAへの第1回収部51の移動が開始されるように、回収部駆動装置53に制御信号を出力する。
次に、本実施形態に係る電子部品Cの実装方法の一例について、図8のフローチャートを参照して説明する。
図9は、本実施形態に係る回収装置50の一例を模式的に示す図である。本実施形態においては、図9に示すように、電子部品実装装置10の初期状態において、内部空間SAに第1回収部51が配置され、第1回収部51が内部空間SAに配置されるときに外部空間SBに第2回収部52が配置されることとする。
また、電子部品実装装置10の初期状態において、第1回収部51及び第2回収部52のそれぞれに電子部品Cは収容されていないこととする。以下の説明においては、電子部品Cが収容されていない第1回収部51を適宜、空の第1回収部51、と称する。電子部品Cが収容されていない第2回収部52を適宜、空の第2回収部52、と称する。
電子部品Cが供給装置12から供給される(ステップSP1)。制御装置40は、実装ヘッド16を供給位置PSに移動する。供給位置PSに移動した実装ヘッド16のノズル14に電子部品Cが保持される。
制御装置40は、ヘッド駆動装置18を制御して、ノズル14で電子部品Cを保持した実装ヘッド16を、内部空間SAにおいて移動させる(ステップSP2)。
制御装置40は、ノズル14に保持されている電子部品Cを基板Pに実装するか否かを判断する(ステップSP3)。
ステップSP3において、ノズル14に保持されている電子部品Cを基板Pに実装すると判断された場合(ステップSP3:Yes)、制御装置40は、供給装置12から供給された電子部品Cをノズル14で保持して、内部空間SAに搬送された基板Pに実装する(ステップSP9)。
ステップSP3において、ノズル14に保持されている電子部品Cを基板Pに実装しないと判断された場合(ステップSP3:No)、制御装置40は、基板Pに実装されずにノズル14に保持されている電子部品Cを、内部空間SAに配置された第1回収部51に搬送する(ステップSP4)。
図9を参照して説明したように、本実施形態においては、内部空間SAに第1回収部51が配置される。外部空間SBに第2回収部52が配置される。実装ヘッド16は、第1回収部51が配置されている回収位置PCに移動可能である。制御装置40は、実装ヘッド駆動装置18を制御して、第1回収部51と対向する位置を含む回収位置PCに実装ヘッド16を移動する。制御装置40は、ノズル14に保持されている電子部品Cを第1回収部51に搬送する。第1回収部51は、ノズル14に保持されている電子部品Cをノズル14から回収する。
部品数取得部84は、第1回収部51に電子部品Cが搬送されたとき、電子部品Cの数をカウントする。部品数取得部84は、内部空間SAの第1回収部51に回収された電子部品Cの数データを取得する(ステップSP5)。
図10は、第1回収部51に複数の電子部品Cが回収された状態の一例を模式的に示す図である。第1回収部51の位置が第1位置検出装置74で検出される。第2回収部52の位置が第2位置検出装置75で検出される。第1位置検出装置74の検出結果及び第2位置検出装置75の検出結果は、制御装置40に出力される。制御装置40は、第1位置検出装置74の検出結果及び第2位置検出装置75の検出結果に基づいて、内部空間SAの回収位置PCに、第1回収部51及び第2回収部52のどちらが配置されているのかを判定することができる。内部空間SAに第1回収部51が配置されている場合、制御装置40は、第1位置検出装置74の検出結果に基づいて、Y軸方向に関する第1回収部51の位置データ(座標データ)を取得することができる。内部空間SAに第2回収部52が配置されている場合、制御装置40は、第2位置検出装置75の検出結果に基づいて、Y軸方向に関する第2回収部52の位置データ(座標データ)を取得することができる。
本実施形態において、第1回収部51及び第2回収部52は、Y軸方向に移動するものの、X軸方向には移動しない。したがって、制御装置40は、設計値データ(既知データ)に基づいて、X軸方向に関する第1回収部51の位置データ(座標データ)を取得することができる。同様に、制御装置40は、設計値データ(既知データ)に基づいて、X軸方向に関する第2回収部52の位置データ(座標データ)を取得することができる。
制御装置40は、第1位置検出装置74の検出結果を含む、第1回収部51の位置データ(X軸方向及びY軸方向のそれぞれに関する位置データ)に基づいて、ノズル14に保持されている電子部品Cが、内部空間SAに配置されている第1回収部51に回収(搬送)されるように、実装ヘッド16の位置を調整する。
図10に示すように、本実施形態において、制御装置40は、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないように、実装ヘッド16の位置を調整して、第1回収部51に複数の電子部品Cを順次搬送する。複数の電子部品Cは、第1回収部51において積み重ならないように、第1回収部51の底部に配置される。
制御装置40は、隣り合う電子部品Cの距離を短くして、複数の電子部品Cを密集させて、複数の電子部品Cを第1回収部51の底部に並べて配置する。
制御装置40の判定部85は、部品数取得部84で取得した前記数データに基づいて、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたか否かを判定する(ステップSP6)。
本実施形態において、回収された電子部品Cの数に関する閾値は、第1回収部51の大きさ及び電子部品Cの大きさに基づいて定められた、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないで収容される電子部品Cの最大値を含む。
ステップSP6において、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えていないと判定された場合(ステップSP6:No)、制御装置40は、ステップSP1に戻り、上述の処理を繰り返す。
ステップSP6において、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたと判定された場合(ステップSP6:Yes)、制御装置40の回収部制御部83は、内部空間SAから外部空間SBへの第1回収部51の移動、及び外部空間SBから内部空間SAへの第2回収部52の移動が開始されるように、回収部駆動装置53に制御信号を出力する。これにより、内部空間SAから外部空間SBへの第1回収部51の移動、及び外部空間SBから内部空間SAへの第2回収部52の移動が開始される(ステップSP7)。
図11は、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値に達した状態の一例を模式的に示す図である。本実施形態においては、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないように、複数の電子部品Cが第1回収部51に配置される。図11に示すように、閾値は、第1回収部51の大きさ及び電子部品Cの大きさに基づいて定められた、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないで収容される電子部品Cの数の最大値を含む。
第1回収部51の大きさは、第1回収部51の底部の外形の寸法を含む。第1回収部51の大きさは、X軸方向に関する寸法及びY軸方向に関する寸法を含む。第1回収部51の大きさに関するデータは、既知データであり、記憶装置90に記憶されている。
電子部品Cの大きさは、電子部品Cの外形の寸法を含む。電子部品Cの大きさは、X軸方向に関する寸法及びY軸方向に関する寸法を含む。電子部品Cの大きさに関するデータも、既知データである。
制御装置40は、既知データである第1回収部51の大きさと電子部品Cの大きさとに基づいて、電子部品Cを積み重ねることなく、第1回収部51が回収可能な電子部品Cの数の最大値を求めることができる。制御装置40は、XY平面内における第1回収部51の底部(底面)の面積と、電子部品Cの面積とに基づいて、電子部品Cを積み重ねないで第1回収部51の底部に何個まで電子部品Cを配置することができるのかを求める。
ステップSP6において、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたと判定された場合(ステップSP6:Yes)、すなわち、判定部85により、新たな電子部品Cが第1回収部51に搬送されると第1回収部51において電子部品Cが積み重なってしまうと判定された場合、制御装置40の回収部制御部83は、内部空間SAから外部空間SBへの第1回収部51の移動、及び外部空間SBから内部空間SAへの第2回収部52の移動が開始されるように、回収部駆動装置53に制御信号を出力する。
図12は、回収部制御部83から制御信号が出力された直後の回収装置50の状態の一例を模式的に示す図である。図12に示すように、電子部品Cが積み重ならない状態で満載状態になった第1回収部51が、内部空間SAから外部空間SBへ移動する。また、電子部品Cが収容されていない空の第2回収部52が、外部空間SBから内部空間SAに移動する。内部空間SAから外部空間SBへの第1回収部51の移動と同期して、外部空間SBから内部空間SAへの第2回収部52の移動が行われる。
すなわち、本実施形態においては、第1回収部51が内部空間SAから外部空間SBに移動するときに、第2回収部52が外部空間SBから内部空間SAに移動するように、第1回収部51及び第2回収部52が移動する。第1回収部51の移動と第2回収部52の移動とは同時に実行される。第1回収部51の移動の少なくとも一部と並行して、第2回収部52の移動が実行される。
これにより、図13に示すように、内部空間SAに第2回収部52が配置され、外部空間SBに第1回収部51が配置される。内部空間SAの第2回収部52に電子部品Cは配置されていない。第2回収部52は空である。制御装置40は、上述した、第1回収部51を用いる電子部品Cの回収方法と同様の手順で、第2回収部52を用いる電子部品Cの回収方法を実行する。
例えば、内部空間SAに第2回収部52が配置されている場合、制御装置40は、第2位置検出装置75の検出結果に基づいて、Y軸方向に関する第2回収部52の位置データを取得する。制御装置40は、例えば設計値データに基づいて、X軸方向に関する第2回収部52の位置データを取得する。
制御装置40は、第2位置検出装置75の検出結果を含む、第2回収部52の位置データ(X軸方向及びY軸方向のそれぞれに関する位置データ)に基づいて、ノズル14に保持されている電子部品Cが、内部空間SAに配置されている第2回収部52に回収(搬送)されるように、実装ヘッド16の位置を調整する。
制御装置40は、第2回収部52において電子部品Cが積み重ならないように、実装ヘッド16の位置を調整して、第2回収部52に複数の電子部品Cを順次搬送する。
外部空間SBに移動された第1回収部51から電子部品Cが取り出される。外部空間SBにおいて第1回収部51から電子部品Cを取り出す作業は、電子部品実装装置10とは別の装置が実行してもよいし、作業者が実行してもよい。本実施形態において、取り出された電子部品Cの少なくとも一部は、再利用される。なお、取り出された電子部品Cは廃棄されてもよい。第1回収部51から電子部品Cが回収されることによって、第1回収部51は空になる。
内部空間SAの第2回収部52に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたと判断された場合、電子部品Cが積み重ならない状態で満載状態になった第2回収部52が、内部空間SAから外部空間SBへ移動する。また、電子部品Cが収容されていない空の第1回収部51が、外部空間SBから内部空間SAに移動する。
以後、上述した処理が繰り返される。処理を終了するか否かが判断される(ステップSP8)。ステップSP8において、処理を終了しないと判断された場合(ステップSP8:No)、上述の処理が繰り返される。ステップSP8において、処理を終了すると判断された場合(ステップSP8:Yes)、上述の処理が終了される。
以上説明したように、本実施形態によれば、第1回収部51が内部空間SAに配置されるときに第2回収部52が外部空間SBに配置され、第1回収部51が内部空間SAから外部空間SBに移動するときに第2回収部52が外部空間SBから内部空間SAに移動するようにしたので、第1回収部51が回収された電子部品Cで一杯になる前に、回収された電子部品Cを収容した第1回収部51と空の第2回収部52とを円滑に交換することができる。これにより、多数の電子部品Cが第1回収部51に貯留された状態が放置されることが抑制される。そのため、回収された電子部品Cの劣化が抑制される。したがって、第1回収部51に回収された電子部品Cを再利用しようとするとき、その電子部品Cを再利用することができる。
第1回収部51が回収された多数の電子部品Cで一杯になっている状態を放置しておくと、それら電子部品C同士の接触により、電子部品Cが破損したり劣化したりする可能性がある。特に、電子部品Cがリードを有するリード型電子部品(挿入型電子部品)である場合、多数の電子部品Cが第1回収部51に貯留されると、リードが変形したり破損したり劣化したりする可能性が高くなる。電子部品Cがリードを有しないチップ型電子部品(搭載型電子部品)である場合でも、多数の電子部品Cが第1回収部51に貯留されると、それら電子部品Cが劣化する可能性がある。また、第1回収部51が電子部品Cで一杯になると、回収位置PCに移動したノズル14と第1回収部51の電子部品Cとが接触する可能性が高くなる。その接触によっても、第1回収部51の電子部品Cが劣化する可能性がある。
本実施形態よれば、少なくとも2つの回収部(第1回収部51及び第2回収部52)が設けられ、第1回収部51が内部空間SAに配置されているときに第2回収部52が外部空間SBに配置されるようにしたので、内部空間SAに配置されている第1回収部51を使ってノズル14から電子部品Cを回収することができる。外部空間SBに第2回収部52が配置されることにより、第2回収部52に電子部品Cが収容されている場合、作業者等により、その第2回収部52から電子部品Cを円滑に取り出すことができ、第2回収部52を空にすることができる。第1回収部51が電子部品Cで一杯になる前に、内部空間SAから外部空間SBへ第1回収部51を移動するとともに、その第1回収部51と同期して、外部空間SBから内部空間SAに第2回収部52を移動することにより、電子部品Cで一杯になった第1回収部51と空の第2回収部52とを迅速に交換することができる。内部空間SBに配置された第2回収部52を使ってノズル14から電子部品Cを回収することができる。外部空間SBに第1回収部51が配置されることにより、その第1回収部51から電子部品Cを円滑に取り出すことができ、第1回収部51を空にすることができる。第2回収部52が電子部品Cで一杯になる前に、内部空間SAから外部空間SBへ第2回収部52を移動するとともに、その第2回収部52と同期して、外部空間SBから内部空間SAに第1回収部51を移動することにより、電子部品Cで一杯になった第2回収部52と空の第1回収部51とを迅速に交換することができる。以後、同様の処理が実行されることにより、内部空間SAに配置されている第1回収部51又は第2回収部52が多数の電子部品Cで一杯になってしまうことが抑制される。そのため、回収装置50によって回収された電子部品Cの劣化が抑制され、回収された電子部品Cを再利用することができる。
また、本実施形態においては、回収部駆動装置53によって、第1回収部51(又は第2回収部52)が内部空間SAから外部空間SBに移動するときに、第2回収部52(又は第1回収部51)が外部空間SBから内部空間SAに移動される。これにより、内部空間SAにされる第1回収部51と第2回収部52との交換が迅速に行われる。そのため、電子部品実装装置10の稼動を停止することなく、第1回収部51と第2回収部52とを交換することができる。したがって、電子部品実装装置10の稼動率の低下が抑制される。
また、本実施形態によれば、内部空間SAの第1回収部51に回収された電子部品Cの数データが取得され、取得された数データに基づいて、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えたか否かが判定され、その判定結果に基づいて、第1回収部51と第2回収部52との交換を実行するか否かが判定される。閾値は、第1回収部51に貯留される電子部品Cの数が増し、電子部品C同士の接触、又は電子部品Cとノズル14との接触により、電子部品Cが劣化してしまう可能性が高くなる電子部品Cの数を含む。その閾値は、例えば、事前実験又はシミュレーションにより予め求めることができる。その閾値データは、記憶装置90に記憶される。制御装置40の回収部制御部83は、第1回収部51に回収された電子部品Cの数が閾値を超えるとき、内部空間SAから外部空間SBへの第1回収部51の移動、及び外部空間SBから内部空間SAへの第2回収部52の移動が開始されるように、回収部駆動装置53に制御信号を出力する。これにより、内部空間SAの第1回収部51が電子部品Cで一杯になる前に、第1回収部51と第2回収部52とを交換することができる。内部空間SAに第2回収部52が配置されている場合についても同様である。
また、本実施形態によれば、内部空間SAに配置されている第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないように、複数の電子部品Cが第1回収部51に回収される。電子部品Cが積み重ねられてしまうと、電子部品Cの劣化をもたらす可能性が高くなる。特に、電子部品Cがリードを有するリード型電子部品(挿入型電子部品)である場合、電子部品Cが積み重ねられてしまうと、リードが変形したり破損したり劣化したりする可能性が高くなる。本実施形態によれば、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないように、ヘッド制御部81は、第1回収部51の底部において電子部品Cが並べて配置されるように、実装ヘッド16を使って電子部品Cを第1回収部51に搬送する。これにより、電子部品Cの劣化が抑制される。内部空間SAに第2回収部52が配置されている場合についても同様である。
本実施形態によれば、閾値は、第1回収部51の大きさ(外形の寸法)及び電子部品Cの大きさ(外形の寸法)に基づいて定められた、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないで収容される電子部品Cの数の最大値を含む。その閾値は、第1回収部51の設計値データ及び電子部品Cの設計値データ等に基づいて事前に求めることができる。第1回収部51に搬送された電子部品Cが、第1回収部51の底部に並べて配置できず、積み重ねて配置しなければならない状態になったと判定されたとき、第1回収部51と第2回収部52との交換が実行される。これにより、空の第2回収部52が内部空間SAに配置されるので、回収される電子部品Cを積み重ねなくて済む。
本実施形態によれば、第1回収部51の位置を検出する第1位置検出装置74と、第2回収部52の位置を検出する第2位置検出装置75とが設けられる。これにより、第1回収部51の位置データ(座標データ)、及び第2回収部52の位置データ(座標データ)が取得される。制御装置40は、内部空間SA(回収位置PC)に、第1回収部51及び第2回収部52のどちらが配置されているのかを判断することができる。内部空間SAに第1回収部51が配置されているとき、制御装置40(ヘッド制御部81)は、第1回収部51の座標データに基づいて、実装ヘッド16を制御して、第1回収部51の適切な位置に、電子部品Cを搬送することができる。例えば、制御装置40は、第1回収部51の座標データに基づいて、第1回収部51において電子部品Cが積み重ならないように、実装ヘッド16を使って電子部品Cを第1回収部51に搬送することができる。内部空間SAに第2回収部52が配置されているときも同様である。
本実施形態によれば、回収部駆動装置53は、第1プーリ61と、第2プーリ62と、第1プーリ61及び第2プーリ62に支持されるベルト部材63と、ベルト部材63の一部に第1回収部51を連結する第1連結部64と、ベルト部材63の一部に第2回収部52を連結する第2連結部65と、内部空間SAと外部空間SBとの間を移動するように第1回収部51をガイドする第1ガイド部材66と、内部空間SAと外部空間SBとの間を移動するように第2回収部52をガイドする第2ガイド部材67と、第1プーリ51を正方向及び逆方向のそれぞれに回転可能な回転モータ68と、を有する。これにより、回転モータ68が作動するだけで、第1回収部51及び第2回収部52は、内部空間SAと外部空間SBとの間を同期して移動することができる。
本実施形態によれば、第1回収部51に緩衝部材76が配置される。これにより、第1回収部51に搬送された電子部品Cに作用する衝撃力が緩和される。したがって、電子部品Cの劣化が抑制される。緩衝部材77が配置されている第2回収部52に電子部品Cを搬送した場合も同様である。
なお、本実施形態において、供給装置12から供給される電子部品Cは、同種の電子部品でもよいし、異種の電子部品でもよい。供給装置12から供給される電子部品Cの大きさ(外形の寸法)は、同一でもよいし、異なってもよい。回収装置50に回収される電子部品Cは、同種の電子部品でもよいし、異種の電子部品でもよい。回収装置50に回収される電子部品Cの大きさ(外形の寸法)は、同一でもよいし、異なってもよい。回収装置50は、電子部品Cの大きさごとに、電子部品Cを回収してもよい。
なお、上述の実施形態においては、回収装置50が2つの回収部(第1回収部51及び第2回収部52)を有する例について説明した。回収装置50は、3つ以上の任意の複数の回収部を有してもよい。複数の回収部のうち、少なくとも1つの回収部が内部空間SAに配置され、ノズル14から電子部品Cを回収する。内部空間SAに配置されている回収部が電子部品Cで一杯になったとき、外部空間SBに配置されている回収部と交換される。