JP2016052987A - トータルピッチ安定性が改善されているガラス - Google Patents

トータルピッチ安定性が改善されているガラス Download PDF

Info

Publication number
JP2016052987A
JP2016052987A JP2015198516A JP2015198516A JP2016052987A JP 2016052987 A JP2016052987 A JP 2016052987A JP 2015198516 A JP2015198516 A JP 2015198516A JP 2015198516 A JP2015198516 A JP 2015198516A JP 2016052987 A JP2016052987 A JP 2016052987A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
temperature
less
consolidation
ppm
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015198516A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6152576B2 (ja
Inventor
クリッピンガー アラン ダグラス
Douglas Clippinger Allan
クリッピンガー アラン ダグラス
フレデリック ボーデン ブラッドリー
Frederick Bowden Bradley
フレデリック ボーデン ブラッドリー
ジェームズ エリソン アダム
James Ellison Adam
ジェームズ エリソン アダム
ジェームズ キチェンスキー ティモシー
James Kiczenski Timothy
ジェームズ キチェンスキー ティモシー
ポツザック マーセル
Potuzak Marcel
ポツザック マーセル
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Corning Inc
Original Assignee
Corning Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=49917775&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2016052987(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Corning Inc filed Critical Corning Inc
Publication of JP2016052987A publication Critical patent/JP2016052987A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6152576B2 publication Critical patent/JP6152576B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • C03C3/091Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
    • C03C3/093Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium containing zinc or zirconium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/083Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound
    • C03C3/085Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal
    • C03C3/087Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing aluminium oxide or an iron compound containing an oxide of a divalent metal containing calcium oxide, e.g. common sheet or container glass
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C3/00Glass compositions
    • C03C3/04Glass compositions containing silica
    • C03C3/076Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight
    • C03C3/089Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron
    • C03C3/091Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B17/00Forming molten glass by flowing-out, pushing-out, extruding or drawing downwardly or laterally from forming slits or by overflowing over lips
    • C03B17/06Forming glass sheets
    • C03B17/064Forming glass sheets by the overflow downdraw fusion process; Isopipes therefor
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B25/00Annealing glass products

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Geochemistry & Mineralogy (AREA)
  • Glass Compositions (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Devices For Indicating Variable Information By Combining Individual Elements (AREA)

Abstract

【課題】アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)及びアクティブマトリックス有機発光ダイオードディスプレイ(AMOLCD)のような、フラットパネルディスプレイデバイスにおける基板として用いるに望ましい物理特性及び化学特性を示す、無アルカリホウアルミノケイ酸ガラスを提供する。【解決手段】A:低温試験サイクル(LTTC)における圧密が5.5ppm以下、B:高温試験サイクル(HTTC)における圧密が40ppm以下、C:応力緩和試験サイクル(SRTC)における誘起応力の緩和が50%より小さい性能規準を有し、酸化物基準のモル%の組成で、SiO250〜85,Al2O30〜20,B2O30〜10,MgO 0〜20,CaO 0〜20,SrO 0〜20,BaO 0〜20を含むガラス。【選択図】なし

Description

関連出願の説明
本出願は2012年12月21日に出願された米国仮特許出願第61/740790号及び2013年11月27日に出願された米国仮特許出願第61/909612号の米国特許法第119条の下の優先権の恩典を主張する。上記仮特許出願の明細書の内容はそれぞれの全体が本明細書に参照として含められる。
本開示は高性能のビデオディスプレイ及び情報ディスプレイに使用することができるガラスシートを作製するための組成及び方法に向けられる。
液晶ディスプレイ、例えば、アクティブマトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)デバイスは非常に複雑であり、基板ガラスの特性は極めて重要である。何よりもまず、AMLCDデバイスの生産に用いられるガラス基板はその物理的諸元が厳しく管理されることが必要である。
液晶ディスプレイ分野では、多結晶シリコンに基づく薄膜トランジスタ(TFT)が、電子をより効率的に輸送できる能力のため、好まれている。多結晶シリコン(p−Si)ベースシリコントランジスタは非晶質シリコン(a−Si)ベーストランジスタより高い易動度を有すると評価される。これにより、より小さく、より高速なトランジスタの製造が可能になり、最終的に、より明るく、より高速なディスプレイが生産される。p−Siベーストランジスタにともなう問題の1つは、それらの製造にはa−Siトランジスタの製造に用いられる温度より高いプロセス温度が必要になることである。その温度範囲は、a−Siトランジスタの製造に一般に用いられる350℃の最高温度に比較して、450℃から600℃の範囲にある。そのような温度において、ほとんどのAMLCDガラス基板は圧密として知られる過程を経る。熱安定性または寸法変化とも称される圧密は、ガラスの仮想温度の変化によるガラス基板の不可逆的な寸法変化(収縮)である。「仮想温度」はガラスの構造状態を示すために用いられる概念である。高温から急速に冷却されたガラスは、「凍結された」高温構造のため、より高い仮想温度を有するといわれる。より緩やかに冷却されたか、またはアニール点近くにしばらくの間保持することによってアニールされた、ガラスはより低い仮想温度を有するといわれる。ガラスが高温に保持されると、基板の構造は熱処理温度に向けて緩和することが可能になる。ガラス基板の仮想温度はほとんど常に薄膜トランジスタ(TFT)プロセスにおける妥当な熱処理温度より高いから、この構造緩和は仮想温度の低下をおこさせ、したがってガラスの圧密(収縮/緻密化)をおこさせる。
圧密はディスプレイ製造プロセス中に位置合わせ問題を生じさせ得るし、したがって完成ディスプレイに解像度問題をおこさせ得るから、ガラスの圧密レベルを最小限に抑えることは有益であろう。
ガラスの圧密を最小限に抑えるためのいくつかの手法がある。1つは、ガラスを予備熱処理して、p−SiTFT製造中にガラスが受けるであろう温度と同様の仮想温度をつくり込むことである。この手法にはいくつかの難点がある。第1に、p−SiTFT製造中に用いられる複数の熱工程が、この処理では完全に補償することができない、若干異なる仮想温度をガラスに生じさせる。第2に、ガラスの熱安定性がp−SiTFT製造の詳細と密にリンクされ、これは異なる最終ユーザのための異なる前処理を意味し得るであろう。最後に、前処理は処理のコスト及び複雑性を高める。
別の手法は、ガラスのアニール点を高めることである。ガラスの仮想温度はアニール点が高くなるほど高くなり、パネル製造にともなう高温にかけられたときにガラスの圧密はより小さくなるであろう。しかし、この手法にともなう難題は、費用効果の高い高アニール点ガラスの生産である。コストに強く影響する主要因は欠陥及び資産寿命である。ガラスのアニール点が高くなるほど一般に、ガラスの製造中に用いられる処理温度が高くなり、よって、ガラス製造にともなう固定資産の寿命が短くなる。
また別の手法は、製造中の冷却速度の緩徐を含む。そのような手法にはメリットがあるが、フュージョンプロセスのようないくつかの製造手法では、融液からのガラスシートの急冷が生じ、比較的高い温度構造が「凍結」される。そのような製造プロセスでも何らかの制御された冷却は可能であるが、制御は困難である。
開示されるのは、3つの尺度:
(1)40ppmより小さい高温試験サイクル(HTTC)における圧密、
(2)5.5ppmより小さい低温試験サイクル(LTTC)における圧密、及び
(3)応力緩和試験サイクルにおける50%未満の緩和に調和する応力緩和率、
で測定されるような、トータルピッチ変動(TPV)が特に優れたガラス基板である。単一のガラス製品で3つの規準の全てを満たすことにより、最高解像度THTサイクルに対して基板が受け入れられることが保証される。ガラス緩和の基礎的物理の最近の理解により、出願人等が3つの規準の全てを満たすガラスを開示することが可能になった。
本開示は以下の性能規準:5.5ppm以下の低温試験サイクルにおける圧密、40ppm以下の高温試験サイクルにおける圧密、及び50%未満の応力緩和試験サイクルにおける誘起応力レベル、を満たす、高性能のビデオディスプレイまたは情報ディスプレイに用いるためのガラスシートを説明する。さらに詳しくは、本開示は、上記規準を満たし、シリコンと同等の熱膨張係数を有し、実質的に無アルカリ、無ヒ素及び無アンチモンである、ガラス組成を提供する。さらに詳しくは、本開示のガラスはさらに、2.6g/cmより小さい密度、0.5mm厚のガラスシートに対して50%より大きい300nmにおける透過率、及び1.25より小さい(MgO+CaO+SrO+BaO)/Alを示す。
他の態様のいくつかにしたがえば、ガラスは高いアニール点及び高い液相粘度を有し、したがって、成形マンドレル上の失透の可能性を低めるかまたは排除する。そのような組成の特定の詳細の結果、開示されるガラスは溶融すると、包有気体レベルが非常に低く、貴金属、耐火物及び酸化スズ電極材料への浸食が最小限の、優れた品質を示す。さらなる利点は、ある程度は以下の説明に述べられ、ある程度はその説明から明らかであろうし、あるいは以下に説明される態様の実施により習得され得る。以下に説明される利点は添付される特許請求の範囲に特に指摘される要素及び組合せを用いて実現及び達成されるであろう。上述の全般的説明及び以下の詳細な説明が例示及び説明ででしかなく、限定ではないことは当然である。
本明細書に組み入れられて本明細書の一部をなす添付図面は、以下に説明されるいくつかの態様を示す。
図1は、設定された時間枠にわたる、温度に関して本開示に説明されるような高熱温度サイクルのグラフ表示である。 図2は、設定された時間枠にわたる、温度に関して本開示に説明されるような低熱温度サイクルのグラフ表示である。 図3は、調査ガラスのアニール点(℃)の関数として高温試験サイクル(HTTC)において測定されるような、圧密のグラフ表示である。 図4は、調査ガラスのアニール点(℃)の関数として低温試験サイクル(LTTC)において測定されるような、圧密のグラフ表示である。 図5は、調査ガラスのアニール点(℃)の関数としてプロットされた、650℃/60分の応力緩和試験サイクル(SRTC)後の%応力緩和のグラフ表示である。50%より小さいガラス応力緩和が本開示の要点として指摘される。 図6Aは領域‘1’に含められるような本開示の圧密態様を満たすガラスのグラフ表示である。領域1内にあるガラスは本開示で具現化される応力緩和率も有する。 図6Bは図6Aから拡大された領域‘1’を示すグラフ表示である。
歴史的に、パネルメーカーは一般に「大型/低解像度」ディスプレイか「小型/高解像度」ディスプレイをつくってきた。これらの場合のいずれにおいても、ガラスはガラス基板に圧密として知られる過程を受けさせる高温に保持されていた。
与えられた時間/温度プロファイルを受けているガラス基板が示す圧密の大きさは式:
Figure 2016052987
で表すことができる。
ここで、T(t)は時間の関数としてのガラスの仮想温度、Tは熱処理温度、T(t=0)は初期仮想温度、bは「伸縮指数」、τ(T)は熱処理温度におけるガラスの緩和時間である。熱処理温度(T)を高めると圧密への「推進力」が低下する(すなわち、‘T(t=0)−T’の値が小さくなる)が、基板の緩和時間τがかなり大幅に短くなる。緩和時間は温度にしたがって指数関数的に変わり、温度が高められると、与えられた時間内の圧密の大きさを増加させる。
非晶質シリコン(a−Si)ベースTFTを用いる大型/低解像度ディスプレイの製造に対し、処理温度は比較的低い(おおよそ350℃以下)。そのような低温は、低解像度ディスプレイに対する緩い寸法安定性要件と相まって、仮想温度がより高い低アニール点(T(ann))ガラスの使用を可能にする。アニール点はガラスの粘度が1013.18ポアズ(1012.18Pa・秒)に等しい温度として定義される。T(ann)は、ガラス転移温度より低い与えられた温度におけるガラスの実効粘度として定義されるガラスの低温粘度を表すための簡単な尺度として用いられる。「低温粘度」が高くなるほど、マクスウエル関係式:
Figure 2016052987
により、緩和時間が長くなる。ここで、ηは粘度、Gは剪断弾性率である。より高性能の小型高解像度ディスプレイは一般に、a−Siプロセスよりかなり高い温度を用いる、多結晶シリコン(p−Si)ベースTFTを用いてつくられている。このため、p−SiベースTFTに対する圧密要件を満たすには、アニール点がより高いかまたは仮想温度がより低い、ガラスが必要であった。既存の製造プラットフォームに適合する、アニール点がより高いガラスを形成するか、あるいはこれらのプロセスでの使用を可能にするためにアニール点がより低いガラスの熱履歴を改善するため、多大の努力がなされ、これらの方策はいずれも前世代の高性能ディスプレイに対しては十分であることが分かった。しかし、最近、p−Siベースディスプレイはより一層大きい「新世代サイズ」ガラスシート上に(多くの小型ディスプレイが一枚の大寸ガラスシート上に)つくられるようになっており、目合わせマークはTFTプロセスにおいてかなり早くに配置される。これらの2つの要因は、ガラス基板がより一層優れた高温圧密性能をもたざるを得なくし、より低温の工程における圧密をトータルピッチ変動の有意な(及び、おそらくは支配的でもある)ソースとならせた。トータルピッチ変動(TPV)は(目合わせマークのような)造作の位置合わせの変動を指す。TPVは大寸ガラスシートの処理中に様々なソースから生じる。示されるであろうように、適切な高温圧密が適切な低温性能または適切なTPVを意味するとは限らない。
大型ディスプレイにおいてより高い易動度を得るため、パネルメーカーは酸化物薄膜トランジスタ(OxTFT)を用いる大型高解像度ディスプレイをつくり始めている。OxTFTプロセスはa−SiベースTFTと同様の最高温度で実行されることが多い(及び同じ装置を用いることが多い)が解像度要件はかなり高く、これは低温圧密がa−Si用基板に比較してかなり改善されなければならないことを意味する。低温圧密に関して課される厳しい要件に加えて、OxTFTプロセスにおいて蓄積される膜応力はガラスの応力緩和を総TPVへの主要寄与要因にならせた。
出願人等は、TPVが寸法安定性の最も重要な、圧密もまた応力緩和成分も組み入れる、指標であることを、熱サイクルが示すことに気付いた。新世代高性能ディスプレイにおいて不可欠な基板属性としての、同じプロセスにおけるこの高温圧密と低温圧密の共在及び応力緩和の導入は、現在市販されている基板の全てが不十分であることを示した。表1はTPVの3つの様相−低温圧密、高温圧密及び応力緩和−の全てを同時に制御することができるガラス組成を開示している。
本明細書では、高いアニール点を有し、したがって、非晶質シリコンTFTプロセス、酸化物TFTプロセス及び低温多結晶シリコンTFTプロセスにおいてTFTバックプレーン基板として用いるための良好な寸法安定性(すなわち、低圧密)を有する、実質的に無アルカリのガラスが説明される。本開示のガラスはTPVの3つの様相−低温圧密、高温圧密及び応力緩和−の全てを制御することができる。
アニール点が高いガラスはガラス製造以後の熱処理中の圧密/収縮によるパネル歪みを防止することができる。一実施形態において、開示されるガラスは顕著に高い液相粘度も有し、したがって、成形装置の冷所において失透するリスクをかなり低める。低アルカリ濃度が一般に望ましいが、実際上、完全に無アルカリのガラスを経済的に製造することが困難であるかまたは不可能であり得ることは当然である。問題のアルカリは、原材料内の汚染物、耐火物の少数成分、等として生じ、完全に除去することは困難である。したがって、開示されるガラスは、アルカリ成分LiO,NaO及びKOの合計濃度が約0.1モルパーセント(モル%)より小さければ、実質的に無アルカリであると見なされる。
一態様において、実質的に無アルカリのガラスは約765℃より高く、好ましくは775℃より高く、さらに好ましくは785℃より高いアニール点を有する。そのような高いアニール点の結果、低温多結晶シリコンプロセスにおいてバックプレーン基板として本開示のガラスを用いるための、低い緩和率−したがって、比較的小さな寸法変化量−が得られる。別の態様において、開示されるガラスの約35,000ポアズ(3500Pa・秒)の粘度における温度(T35k)は約1310℃より低い。ガラスの液相温度(Tliq)は、それより高い温度では平衡において結晶相がガラスと全く共存できない、最高温度である。別の態様において、ガラスの液相温度に対応する粘度は、約150,000ポアズ(15000Pa・秒)より高く、さらに好ましくは20,0000ポアズ(20000Pa・秒)より高く、最も好ましくは250,000ポアズ(25000Pa・秒)より高い。別の態様において、開示されるガラスはT35k−Tliq>0.25T35k−225℃であることを特徴とする。これはフュージョンプロセスの成形マンドレル上で失透する性向が最小であることを保証する。
一態様において、実質的に無アルカリのガラスは、酸化物基準のモル%で、
SiO 50〜85
Al 0〜20
0〜10
MgO 0〜20
CaO 0〜20
SrO 0〜20
BaO 0〜20
を含み、
0.9≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦3
である。ここで、Al,MgO,CaO,SrO,BaOはそれぞれの酸化物成分のモル%を表す。
別の態様において、実質的に無アルカリのガラスは、酸化物基準のモル%で、
SiO 68〜74
Al 10〜13
0〜5
MgO 0〜6
CaO 4〜9
SrO 1〜8
BaO 0〜5
を含み、
1.05≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2
である。ここで、Al,はMgO,CaO,SrO,BaOはそれぞれの酸化物成分のモル%を表す。
一態様において、開示されるガラスは化学清澄剤を含む。そのような清澄剤には、SnO,As,Sb,F,Cl及びBrがあるが、これらには限定されず、化学清澄剤の濃度は0.5モル%以下のレベルに保たれる。化学清澄剤には、CeO,Fe及びその他の、MnOのような、遷移金属の酸化物も含めることができる。これらの酸化物はガラス内での最終原子価状態における可視吸収によってガラスを着色することがあり、それらの濃度は0.2モル%以下のレベルに保たれることが好ましい。
一態様において、開示されるガラスはフュージョンプロセスによってシートにつくられる。フュージョンドロープロセスの結果、高解像度バックプレーン及びカラーフィルタへの表面媒介歪みを減じる、清浄な、ファイアポリッシュガラス表面が得られる。(いずれもドカーティ(Dockerty)の)米国特許第3338696号及び第3682609号の明細書に説明されるダウンドローシート引きプロセス及び、特に、フュージョンプロセスを本開示に用いることができる。上記2つの特許明細書は本明細書に参照として含められる。フロートプロセスのような、他の成形プロセスと比較して、フュージョンプロセスはいくつかの理由で好ましい。第1に、フュージョンプロセスでつくられたガラス基板は研磨する必要がない。現行のガラス基板研磨は原子間力顕微鏡法で測定して約0.5nm(Ra)より大きい平均表面粗さを有するガラス基板をつくりだし得る。フュージョンプロセスでつくられたガラス基板は原子間力顕微鏡法で測定して0.5nmより小さい平均表面粗さを有する。基板は光遅延で測定して150psi(1.03×10Pa)以下の平均内部応力も有する。
開示されるガラスはフュージョンプロセスに適合するが、それよりも要求が厳しくない製造プロセスによってシートまたはその他の用品につくることもできる。そのようなプロセスには、当業者には知られている、スロットドロープロセス、フロートプロセス、ローリングプロセス及びその他のシート成形プロセスがある。
ガラスシート作製のためのこれらの別法に比較して、上で論じたフュージョンプロセスは、表面が清浄な、非常に薄く、非常に平坦で、非常に一様なシートを作製することができる。スロットドロープロセスでも清浄な表面を得ることができるが、時間の経過にともなうオリフィス形状の変化、オリフィス−ガラス界面における揮発性屑の蓄積及び真に平坦なガラスを送り出すためのオリフィスの形成という難題により、スロットドローガラスの寸法一様性及び表面品質はフュージョンドローガラスに対して劣る。フロートプロセスは非常に大きくて一様なシートを供給することができるが、表面は、一方の側ではフロート浴と接触することで、他方の側ではフロート浴からの凝縮生成物にさらされることで、かなり汚染される。これは、高性能ディスプレイ用途に用いるには、フロートガラスは研磨されなければならないことを意味する。
残念なことに、またフロートプロセスとは違って、フュージョンプロセスでは高温からのガラスの急速冷却がおこり、この結果、高い仮想温度Tが生じる。仮想温度はガラスの現構造状態と対象温度において完全に緩和していればとるであろう状態との間の不一致を表すと考えることができる。ここで、ガラス遷移温度がTのガラスのT<T≦Tであるような処理温度Tへの再加熱の結果を考える。T<Tであるから、ガラスの構造状態はTにおいて平衡から外れており、ガラスはTにおいて平衡にある構造状態に向かって自発的に緩和するであろう。この緩和の速度はTにおけるガラスの実効粘度に反比例し、よって、高い温度では緩やかな緩和速度が得られ、低い温度では速い緩和速度が得られる。実効粘度はガラスの仮想温度とは反比例して変化し、よって、低い仮想温度では粘度が高くなり、高い仮想温度では粘度が比較的低くなる。したがって、Tにおける緩和速度はガラスの仮想温度に正比例する。高い仮想温度を組み入れるプロセスでは、ガラスがTに再加熱された時に、緩和速度が比較的高くなる。
における緩和速度を低めるための一手段は、その温度におけるガラスの粘度を高めることである。ガラスのアニール点はガラスが1013.2ポアズ(1012.2Pa・秒)の粘度を有する温度を表す。温度がアニール点より低くなるにつれて過冷却融液の粘度は高くなる。Tより低い低温において、アニール点が高いガラスはアニール点が低いガラスよりも高い粘度を有する。したがって、Tにおける基板ガラスの粘度を高めるため、そのアニール点を高めることを選ぶことができるであろう。残念なことに、一般にアニール点を高めるに必要な組成変更は他の全ての温度においても粘度を高めることになる。特に、フュージョンプロセスでつくられたガラスの仮想温度は約1011〜1012ポアズ(1010〜1011Pa・秒)の粘度に対応し、よって、フュージョン適合ガラスに対してアニール点を高めることは一般に仮想温度も高める。与えられたガラスに対し、仮想温度が高くなるほどTより低い温度における粘度は低くなり、したがって、仮想温度を高くすることは、他の手段でアニール点を高めることで得られるであろう、粘度増大に逆らう。Tにおける緩和速度の実質的な変化を見るためには、一般に、アニール点を比較的大きく変化させることが必要である。開示されるガラスの一態様は、約765℃より高く、別の態様においては775℃より高く、また別の態様においては785℃より高い、アニール点をガラスが有することである。そのような高いアニール点により、低温TFTプロセス中に、例えば、一般的な低温等結晶シリコン高速熱アニールサイクル中の、許容できるほど低い熱緩和率が得られる。
仮想温度への強い影響に加えて、アニール点を高めることは溶融/成形システム全体にわたって温度、特にフュージョンプロセスにおいて成形装置として用いられるアイソパイプにおける温度も高める。例えば、Eagle XG(登録商標)ガラスとLotus(商標)ガラス(コーニング社(Corning Incorporated)、米国ニューヨーク州コーニング(Corning))は約50℃異なるアニール点を有し、それぞれがアイソパイプに供給されるときの温度も約50℃異なる。約1310℃より高い温度に長時間保持されると、耐火ジルコンは熱クリープを生じ、これは[アイソパイプ自体の重量]+[アイソパイプ上のガラスの重量]によって加速され得る。開示されるガラスの第2の態様は、その供給温度が1310℃より低いことである。そのような供給温度により、アイソパイプを交換することなく、長時間の製造キャンペインが可能になる。
アニール点が高く、供給温度が1310℃より低いガラスの試作において、そのようなガラスはアニール点が低いガラスに比較して、アイソパイプのルート上及び−特に−エッジダイレクタ上で強い失透性向を示した。アイソパイプ上の温度プロファイルの慎重な測定は、輻射熱損失により、エッジダイレクタ温度がルート中央温度に比較して予想よりもかなり低いことを示した。エッジダイレクタは一般に、ガラスがルートを離れる際にはエッジダイレクタの間でシートを張力下におくに十分に粘性であり、よって平坦形状を維持することを保証するため、ルート中央温度より低い温度に維持されなければならない。エッジダイレクタはアイソパイプの両端にあるから、エッジダイレクタを加熱することは困難であり、したがって、ルートの中央とエッジダイレクタの間の温度差は50℃以上になり得る。
輻射熱損失は温度とともに大きくなるから、またアニール点が高いガラスは一般にアニール点が低いガラスより高温で成形されるから、ルート中央とエッジダイレクタの間の温度差は一般にガラスのアニール点にともなって大きくなる。これは、アイソパイプまたはエッジダイレクタ上で失透生成物を形成するガラスの性向に関する直接の結果を有する。ガラスの液相温度は、ガラスがその温度に永遠に保持されていれば結晶相が現れるであろう、最高温度として定義される。液相粘度は液相温度にあるガラスの粘度である。アイソパイプ上の失透を完璧に避けるためには、液相温度またはその近くにあるガラスがアイソパイプ耐火物上またはエッジダイレクタ材料上にはもはやないことを保証するに十分に液相粘度が高いことが望ましい。
実際上、所望の大きさの液相粘度を有する無アルカリガラスは僅かでしかない。非晶質シリコン用途に適する基板ガラス(例えば、Eagle XG)による実験は、エッジダイレクタをいくつかの無アルカリガラスの液相温度より60℃までは低い温度に連続的に保持できることを示した。アニール点がより高いガラスにはより高い成形温度が必要であろうことは分かっていたが、エッジダイレクタがルート中央温度に対してそれほどまでも低温になっていることは分かっていなかった。この効果を追い続けるに有用な尺度はアイソパイプ上への供給温度とガラスの液相温度Tliqの間の差である。フュージョンプロセスにおいては、約35,000ポアズ(3500Pa・秒)のガラスを供給することが一般に望ましく、35,000ポアズの粘度に対応する温度は便宜上T35kと表される。特定の供給温度に対し、T35k−Tliqを可能な限り大きくすることが常に望ましいが、Eagle XGのような非晶質シリコン用基板については、T35k−Tliqが約80℃以上であれば、長時間の製造キャンペインを行い得ることが分かった。温度が高くなると、T35k−Tliqも高くならなければならないから、1300℃に近いT35kに対するように、T35k−Tliqは少なくとも100℃であることが望ましい。T35k−Tliqに対する最小有用値は約1200℃から約1320℃までの温度でほぼリニアに変化し:
最小T35k−Tliq=0.25T35k−225
と表すことができる。ここで温度は全て℃単位である。したがって、開示されるガラスの別の態様はT35k−Tliq>0.25T35k−225℃であることである。
この規準に加えて、フュージョンプロセスには液相粘度が高いガラスが必要である。これは、ガラスとの界面における失透生成物を避けるため及び完成ガラス内の可視失透生成物を最小限に抑えるために必要である。特定のシート寸法及び厚さについてフュージョンプロセスに適合する与えられたガラスに対し、より幅が広いかまたはより厚いシートを製造するためにプロセスを調節することは一般に、アイソパイプ(フュージョンプロセスのための成形マンドレル)の両端の温度がより低くなるという結果になる。したがって、開示される液相粘度がより高いガラスはフュージョンプロセスによる製造に一層高いフレキシビリティを与える。
フュージョンプロセスにおける液相粘度と以降の失透性向の間の関係の試験において、開示されるガラスの供給温度のような高い供給温度では一般に、長期生産のため、アニール点が低い代表的なAMLCD基板組成には妥当であろう液相粘度より高い液相粘度が必要である。理論に束縛されるものではないが、この要件は温度が高くなるにつれて加速される結晶成長速度から生じていると思われる。フュージョンプロセスは基本的に等温プロセスであり、よって、ある同じ定温にある高粘度ガラスは低粘度ガラスよりも高温におけるフュージョンによって成形されなければならない。低温にあるガラスにおいてある程度の過冷却(液相温度より低い温度への冷却)を長時間維持することはできるが、結晶成長速度が温度とともに高くなり、したがって、粘度が高いガラスは粘度が低いガラスよりも短い時間で、等価な、許容できない量の失透を成長させる。どこで形成されるかに依存して、失透生成物は成形安定性を損なうことができ、完成ガラスに可視欠陥を導入することができる。
フュージョンプロセスで成形されるためには、開示されるガラス組成が200,000ポアズ(20000Pa・秒)より高く、さらに好ましくは250,000ポアズ(25000Pa・秒)より高い液相粘度を有することが望ましく、液相粘度は高いほど好ましい。驚くべき結果は、開示されるガラスの範囲全体にわたり、十分に低い液相温度及び、開示される範囲に入らない組成に比較してガラスの液相粘度が顕著に高いような、十分に高い粘度を得ることが可能であることである。
もちろん、本開示はフュージョンプロセスでの使用に限定されず、したがってフロートプロセスに対しては、上述した液相粘度条件もその他のフュージョン特有規準も必要ではなく、したがってそれらのプロセスに対しては組成ウインドウが広がる。
本明細書に説明されるガラス組成において、SiOは基礎ガラス形成剤としてはたらく。SiO含有量は50〜80モル%とすることができる。いくつかの態様において、SiOの濃度は、フラットパネルディスプレイガラス(例えば、AMLCDガラス)に適する密度及び化学的耐久性並びに、ダウンドロープロセス(例えば、フュージョンプロセス)によるガラスの成形を可能にする、液相温度(液相粘度)を有するガラスを提供するため、68モル%より高くすることができる。一実施形態において、SiO濃度は、従来の大量溶融法、例えば、耐火メルタ内のジュール溶融を用いるバッチ材料の溶融を可能にするため、約74モル%以下とすることができる。SiOの濃度が高くなるにつれて、200ポアズ(20Pa・秒)温度(融解温度)は一般に高くなる。様々な用途において、SiO濃度はガラス組成が1725℃以下の融解温度を有するように調節される。一態様において、SiO濃度は70モル%と73モル%の間である。
Alは本明細書に説明されるガラスをつくるために用いられる別のガラス形成剤である。一実施形態において、Al濃度は0〜20モル%である。別の実施形態において、またフュージョンプロセスでつくられるガラスについての要件として、10モル%以上のAl濃度は、低液相温度及び高粘度を有し、この結果、液相粘度が高い、ガラスを提供する。少なくとも10モル%のAlの使用は、ガラスのアニール点及び弾性率も向上させる。1.05以上の(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比を有する実施形態に対しては、Al濃度を約13モル%より低くしておくことが望ましい。一態様において、Al濃度は10モル%と13モル%の間である。
はガラス形成剤及び、溶融を促進し、融解温度を下げる、フラックスのいずれでもある。液相温度へのその影響の強さは粘度への影響の強さと少なくとも同程度であり、よってガラスの液相粘度を高めるためにBの増加を用いることができる。一実施形態において、B含有量は0〜10モル%であり、別の実施形態においては0モル%と6モル%の間である。別の実施形態において、本明細書に説明されるガラス組成は1モル%以上のB濃度を有する。SiOに関して上述したように、LCD用途にとってガラスの耐久性は非常に重要である。耐久性は、アルカリ土類酸化物の濃度を高めることである程度制御することができ、B含有量を大きくすることでかなり低めることができる。アニール点はBが多くなるにつれて低下し、よってB含有量を非晶質シリコン用基板における一般的な濃度に対して低くしておくことが望ましい。したがって、一態様において、本明細書に説明されるガラスは1モル%と5モル%の間のB含有量を有する。別の態様において、ガラスは2モル%と4.5モル%の間のB含有量を有する。また別の態様において、ガラスは2.5モル%と4.5モル%の間のB含有量を有する。
Al濃度及びB濃度は、ガラスの溶融特性及び成形特性を維持しながらも、アニール点を高め、弾性率を高め、耐久性を向上させ、密度を低め、熱膨張係数(CTE)を低めるために、対として選ぶことができる。
例えば、Bの増加及び対応するAlの減少はより低い密度及びCTEを得るに役立ち得るし、Alの増加及び対応するBの減少は、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al制御が求められるいくつかの実施形態においてAlの増加が(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比を、一実施形態においては約0.9より小さく、別の実施形態においては1.05より小さく、しなければ、アニール点、弾性率及び耐久性を高めるに役立ち得る。約1.0より小さい(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比に対しては、後段のシリカ原材料の溶融工程によるガラスからの包有ガスの除去が困難であるかまたは不可能であり得る。さらに、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.05であると、ムライト相のケイ酸アルミニウム結晶が液相として現れ得る。ムライト相が液相として存在すると、液相の組成感度がかなり高くなり、ムライト相失透生成物は非常に急速に成長するし、確立されると除去が非常に困難でもある。したがって、一態様において、本明細書に説明されるガラスでは、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≧1.05である。(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比の上限は、成形プロセスに依存して、3もの大きさになり得るが、一実施形態においては、また直ぐ後で説明されるように、上限は1.2以下であり、別の実施形態においては1.6以下、また別の実施形態においては1.4以下である。
ガラス形成剤(SiO,Al及びB)に加えて、本明細書に説明されるガラスはアルカリ土類酸化物も含む。一態様において、少なくとも3つのアルカリ土類酸化物、例えば、MgO,CaO及びBaOが,また必要に応じてSrOが、ガラス組成の成分である。アルカリ土類酸化物は、溶融、清澄化、成形及び最終用途に重要な様々な特性をガラスに付与する。したがって、これらの点においてガラス性能を向上させるため、一態様において、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比は1.05以上である。この比が大きくなるにつれて、粘度は液相温度より急速に高くなる傾向を有し、したがって、適する高いT35k−Tliq値を得ることが益々困難になる。したがって、別の態様において、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比は1.2以下である。
本発明のいくつかの実施形態に対し、アルカリ土類酸化物は事実上単一の組成成分であるとして扱うことができる。これは、これらの酸化物の粘弾性特性、液相温度及び液相関係に与える影響が、ガラス形成酸化物SiO,Al及びBに比して相互に定性的に同様であるためである。しかし、アルカリ土類酸化物MgO,CaO及びBaOは長石系鉱物、とりわけ、アノーサイト(CaAlSi)及びセルシアン(BaAlSi)及びこれらのストロンチウム含有固溶体を形成し得るが、MgOはこれらの結晶に有意な程度で関わることはない。したがって、長石系結晶が既に液相内にある場合、MgOの重畳添加は結晶に対して液体を安定化し、したがって、液相温度を低めるために役立ち得る。同時に、粘度曲線は一般により急峻になり、融解温度を下げるが、低温粘度にはほとんどまたは全く影響しない。この意味で、少量のMgOの添加には、高アニール点、したがって低圧密を維持しながら、液相温度を低め、かつ液相粘度を高めて、成形できるという利点がある。
AMLCD用途に用いるためのガラスは、28〜42×10−7/℃、好ましくは30〜40×10−7/℃、さらに好ましくは32〜38×10−7/℃の範囲の、または別の実施形態においては33〜37×10−7/℃の範囲の、CTE(0〜300℃)を有するべきである。いくつかの用途に対し、密度は、完成ディスプレイの重量が重要な属性であり得るから、重要である。
ガラス組成内に存在する酸化カルシウムは、低い液相温度(高い液相粘度)、高いアニール点及び弾性率、及びフラットパネル用途、特にAMLCD用途に最も望ましい範囲にあるCTEを生じさせることができる。酸化カルシウムは化学的耐久性にも有利に寄与し、他のアルカリ土類酸化物に比較すると、バッチ材料として比較的安価である。しかし、高濃度において、CaOは密度及びCTEを高める。さらに、十分に低いSiO濃度において、CaOはアノーサイト相を安定化し、したがって液相粘度を低める。したがって、一態様において、CaO濃度は0以上で20モル%までとすることができる。別の実施形態において、ガラス組成のCaO濃度は約4モル%と9モル%の間である。別の態様において、ガラス組成のCaO濃度は約4.5モル%と6モル%の間である。
SrO及びBaOはいずれも低い液相温度(高い液相粘度)に寄与することができ、したがって、本明細書に説明されるガラスは一般にこれらの酸化物のいずれも含有するであろう。しかし、これらの酸化物の選択及び濃度は、CTE及び密度の増大並びに弾性率及びアニール点の低下を避けるために選ばれる。ダウンドロープロセスでつくられるガラスに対し、SrOとBaOの相対比率は物理特性と液相粘度の適する組合せが得られるようにバランスがとられる。
これらの要件に加えて、ガラスはダウンドロープロセス、例えば、フュージョンプロセスで成形され得ることが好ましく、これはガラスの液相粘度が比較的高くなければならないことを意味する。個々のアルカリ土類は、これらがなければ形成されるであろう結晶相を不安定化するから、この点において重要な役割を果たす。BaO及びSrOは液相粘度の制御に特に有効であり、特にこの目的のために本発明のガラスに含められる。以下に提示される実施例において、アルカリ土類の様々な組合せが高い液相粘度を有するガラスを形成し、総アルカリ土類は低い融解温度、高いアニール点及び適するCTEを達成するに必要なRO/Al比制約条件を満たしている。
ガラス組成は一般に無アルカリである。しかし、ガラスはいくらかのアルカリ汚染物を含有し得る。AMLCD用途の場合、ガラスから薄膜トランジスタ(TFT)のシリコン内へのアルカリイオンの拡散によるTFT性能への悪影響を避けるため、アルカリレベルを0.1モル%未満にしておくことが望ましい。本明細書に用いられるように、「無アルカリガラス」は0.1モル%以下の総アルカリ濃度を有するガラスであり、ここで、総アルカリ濃度はNaO,KO及びLiOの濃度の和である。一態様において、総アルカリ濃度は0.1モル%以下である。
酸化物基準で、本明細書に説明されるガラス組成は以下の組成特徴、(i)多くとも0.05モル%のAs濃度、(ii)多くとも0.05モル%のSb濃度及び(iii)多くとも0.25モル%のSnO濃度の内の1つ以上または全てを有することができる。
AsはAMLCDガラスに対する有効な高温清澄剤であり、本明細書に説明されるいくつかの態様において、Asは、その優れた清澄化特性により、清澄化のために用いられる。しかし、Asは有毒であり、ガラス製造プロセス中のハンドリングに特別な配慮が必要である。したがって、いくつかの態様において、清澄化は実質的な量のAsを用いずに実施される。すなわち、完成ガラスが有するAsは多くとも0.05モル%である。一態様において、Asはガラスの清澄化に意図的に用いられない。そのような場合、バッチ材料及び/またはバッチ材料を溶融するために用いられる装置に存在する汚染物の結果として、完成ガラスは一般に多くとも0.005モル%のAsを有するであろう。
Asほどの毒性はないが、Sbも有毒であり、ハンドリングに特別な配慮が必要である。さらに、清澄剤としてAsまたはSnOを用いたガラスと比較して、Sbは、密度を高め、CTEを高め、アニール点を低める。したがって、いくつかの態様において、清澄化は実質的な量のSbを用いずに実施される。すなわち、完成ガラスが有するSbは多くとも0.05モル%である。別の態様において、Sbはガラスの清澄化に意図的に用いられない。そのような場合、バッチ材料及び/またはバッチ材料を溶融するための装置に存在する汚染物の結果として、完成ガラスは一般に多くとも0.005モル%のSbを有するであろう。
スズ清澄化(すなわち、SnO清澄化)は、As清澄化及びSb清澄化ほど有効ではないが、SnOは知られている有害特性をもたない遍在材料である。また、多年にわたり、SnOはAMLCDガラスのようなガラスためのバッチ材料のジュール溶解における酸化スズ電極の使用を介してAMLCDガラスの成分であった。AMLCDガラス内のSnOの存在は液晶ディスプレイの製造におけるこれらのガラスの使用においていかなる既知の有害作用もおこしていない。しかし、高濃度のSnOは、AMLCDガラス内の結晶性欠陥の形成を起こさせ得るから、好ましくない。一態様において、完成ガラス内のSnO濃度は0.25モル%以下である。
スズ清澄化は単独でまたは、望ましければ、他の清澄化手法と組み合わせて用いることができる。例えば、スズ清澄化はハロゲン化物清澄化、例えば臭素清澄化と組み合わせることができる。他の可能な組合せには、スズ清澄化と、硫酸塩、硫化物、酸化セリウム、機械的バブリング及び/または真空清澄化の組合せがあるが、これらには限定されない。これらの他の清澄化法は単独で用いることができると考えられる。いくつかの態様において、(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比及び個々のアルカリ土類濃度を上で論じた範囲内に維持することで、清澄化プロセスの実施がより容易になり、一層有効になる。
説明したように、本明細書に説明されるガラスは技術上既知の様々な手法を用いて製造することができる。一態様において、ガラスは、全体で50枚の連続ガラスシートが溶融されて清澄化されたバッチ材料から生産される製造プロセスを用いてつくられ、0.10包有気体/cmより少ない平均包有気体を有し、全体の中のそれぞれのガラスシートは少なくとも500cmの体積を有する。
一実施形態において、本開示のガラスは、0.5mm厚品に対し、300nmにおいて50%より高い透過率を示す。別の実施形態において、本開示のガラスは、0.5mm厚品に対し、300nmにおいて60%より高い透過率を示す。一実施形態において、本開示のガラスは2.3g/cm〜2.6g/cmの間の密度を示す。別の実施形態において、本開示のガラスは2.58g/cmより低い密度を示す。一実施形態において、本開示のガラスは製造方法がフュージョンダウンドローであることを示す内部融合線を示す。一実施形態において、ヤング率は70GPa〜90GPaの間にある。別の実施形態において、ヤング率は75GPa〜85GPaの間にある。
一実施形態において、本開示のガラスは、36×10−7/℃より小さいCTE、2.6g/cmより低い密度、1700℃より低い200ポアズ(20Pa・秒)温度、1350℃より低いT35k、及び100℃より大きいT35k−Tliqを有するであろう。
以下の実施例は開示される主題にしたがう方法及び結果を示すために以下に述べられる。これらの実施例では、本明細書に開示される主題の全ての態様を包含するつもりはなく、代表的な方法及び結果が説明される。これらの実施例では当業者には明らかな本発明の等価形態及び変形を除外することは考えていない。
数値(例えば、量、温度、等)に関して正確であることを保証するために努力はしたが、いくらかの誤差及び偏差は考慮されるべきである。そうではないことが示されない限り、温度は℃単位であるかまたは周囲温度にあり、圧力は大気圧またはその近くにある。組成はそれぞれ酸化物基準のモル%で与えられ、100%に規格化されている。反応条件、例えば、成分濃度、温度、圧力及びその他の反応範囲並びに説明されるプロセスから得られる製品の純度及び歩留を最適化するために用いられ得る条件の、数多くの変形及び組合せがある。そのようなプロセス条件の最適化には、妥当で日常的な手順の実験しか必要ではないであろう。
表1に示されるガラス特性はガラス技術において従来から採用されている手法にしたがって決定した。したがって、25〜300℃の温度範囲にわたる線膨張係数(CTE)は×10−7/℃単位で表され、アニール点は℃単位で表される。これらは繊維引き伸ばし法(それぞれ、ASTM基準E228−85及びC336)から決定した。g/cm単位の密度はアルキメデス法(ASTM C693)によって測定した。(ガラス融液が200ポアズ(20Pa・秒)の粘度を示す温度として定義される)℃単位の融解温度は、回転シリンダ式温度計(ASTM C965−81)によって測定した高温粘度に対するフルヒャー方程式フィッティングを用いて計算した。
ガラスの℃単位の液相温度はASTM C829−81の標準温度勾配ボート液相法を用いて測定した。これは、粉砕したガラス粒子を白金ボートに入れる工程、温度勾配領域を有する炉内にボートを入れる工程、ボートを適切な温度領域において24時間加熱する工程、及びガラスの内部に結晶が現れる最高温度を顕微鏡検査によって決定する工程を含む。さらに詳しくは、Ptボートからガラス試料を一体形態で取り出し、Pt−空気界面に接して、試料の内部に形成された結晶の位置及び性質を識別するために偏光顕微鏡法を用いて検査する。炉の温度勾配は非常によくわかっているから、温度対位置を十分よく、5〜10℃の範囲内で、評価することができる。試料の内部領域に結晶が観察される温度が(対応する試験時間に対する)ガラスの液相温度を表すとされる。試験は、より緩やかに成長する相を観察するため、より長い時間(例えば、72時間)をかけて実施されることがある。200ポアズ(20Pa・秒)に対応する温度及び液相粘度(ポアズ単位)は、ボーゲル−フルヒャー−タマン方程式:
Figure 2016052987
を用いる高粘度データへのフィッティングから決定した。ここで、Tは温度、A,B及びTはフィッティングパラメータである。液相粘度を決定するため、液相温度をTに対する値として用いる。ASTM E1875−00e1に述べられる汎用タイプの共鳴超音波分光法を用いて、ヤング率値をGPa単位で決定した。
表1に見られるように、例示のガラスは、ガラスを、AMLCD基板用途のような、ディスプレイ用途に、さらに詳しくは、低温多結晶シリコン及び酸化物の薄膜トランジスタ用途に、適するガラスとする、密度、CTE、アニール点、及びヤング率を有する。表1には示されていないが、ガラスは市販のAMLCD用基板で得られるものと同様の、酸性及び塩基性の媒質内の耐久性を有し、したがって、AMLCD用途に適する。例示のガラスはダウンドロー手法を用いて成形することができ、特に、上述した規準により、フュージョンプロセスに適合する。
表1の例示のガラスはシリカ源として、重量で90%が標準米国内規格100メッシュふるいを通過するように粉砕された、市販の砂を用いて作製した。アルミナをアルミナ源とし、ペリクレースをMgOのための供給源とし、石灰石をCaOのための供給源とし、炭酸ストロンチウム、硝酸ストロンチウムまたはこれらの混合物をSrOのための供給源とし、炭酸バリウムをBaOのための供給源とし、酸化スズ(IV)をSnOのための供給源とした。原材料を徹底的に混合し、炭化ケイ素グローバーヒータで加熱された炉内に吊された白金槽に投入し、均一性を保証するため166℃と1560℃の間の温度で数時間溶解及び撹拌し、白金槽の底にあるオリフィスを通して送り出した。得られたガラスパテをアニール点またはその近くでアニールし、次いで、物理的属性、粘性属性及び液相属性を決定するために様々な実験方法にかけた。
これらの方法は独特ではなく、表1のガラスは当業者には周知の標準的な方法を用いて作製することができる。そのような方法には、連続溶融プロセスで実施されるであろうような、連続溶融プロセスがあり、連続溶融プロセスに用いられるメルタは、ガスによるか電力によるかまたはこれらの組合せによって、加熱される。
開示されるガラスの生産に適する原材料は、SiOのための供給源としての市販の砂;Alのための供給源としてのアルミナ、水酸化アルミニウム、アルミナの水和形態及び、様々なケイ酸アルミニウム、硝酸アルミニウム及びハロゲン化アルミニウム;Bのための供給源としてのホウ酸、無水ホウ酸、及び酸化ホウ素;MgOの供給源としてのペリクレース、(CaO源でもある)ドロマイト、マグネシア、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム及び、様々な形態のケイ酸マグネシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、硝酸マグネシウム及びハロゲン化マグネシウム;CaOのための供給源としての石灰石、アラゴナイト、(MgO源でもある)ドロマイト、ウラストナイト及び、様々な形態のケイ酸カルシウム、アルミノケイ酸カルシウム、硝酸カルシウム及びハロゲン化カルシウム、並びに、ストロンチウム及びバリウムの酸化物、炭酸塩、硝酸塩及びハロゲン化物がある。化学清澄剤が望ましければ、SnOとして、他の主ガラス成分(例えば、CaSnO)との混合酸化物として、あるいは酸化条件においてSnO、シュウ酸スズ、ハロゲン化スズまたは当業者には既知のその他のスズ化合物として、スズを添加することができる。
表1のガラスは清浄剤としてSnOを含有するが、他の化学清浄剤もTFT基板用途に十分な品質のガラスを得るために用いることができるであろう。例えば、開示されるガラスに清澄化を容易にするための意図的な添加剤として、As,Sb,CeO,Fe及びハロゲン化物のいずれか1つまたは組合せを用いることができるであろうし、これらのいずれも実施例に示されるSnO化学清澄剤とともに用いることができるであろう。もちろん、As及びSbは一般に有害物質と認められており、ガラス製造の過程で、またはTFTパネルの処理において、発生し得るような廃液流は管理下におかれる。したがって、As及びSbの濃度は個々にまたは組み合わせて0.005モル%をこえないように制限することが望ましい。
開示されるガラスに意図的に組み入れられる元素に加えて、周期律表上のほぼ全ての安定な元素が、原材料内の低レベルの汚染物によるか、製造プロセスにおける耐火物及び貴金属の侵食によるかまたは完成ガラスの属性の微調整のための低レベルの意図的な導入による、いくらかのレベルでガラス内に存在する。例えば、ジルコニウムがジルコニウムに富む耐火物との相互作用を介する汚染物として導入され得る。別の例として、白金及びロジウムが貴金属との相互作用を介して導入され得る。別の例として、鉄が原材料内の混入物として導入され得るか、または包有気体の制御を強めるために意図的に添加される。別の例として、マグネシアが色を制御するためまたは包有気体の制御を強めるために導入され得る。別の例として、アルカリ元素が、LiO,NaO及びKOの複合濃度について、約0.1モル%までのレベルにある混入成分として存在し得る。
水素は水酸基イオン,OHの形態で不可避的に存在し、その存在は標準的な赤外分光法で確かめることができる。溶け込んでいる水酸基イオンは開示されるガラスのアニール点に、かなり強く、非線形に、影響し、したがって、所望のアニール点を得るには、補償のために主酸化物成分の濃度を調節する必要があり得る。水酸基イオン濃度は原材料の選択または溶融システムの選択によってある程度制御することができる。例えば、ホウ酸は主要な水酸基源であり、ホウ酸を酸化ホウ素で置き換えることは完成ガラス内の水酸基濃度を制御するための有用な手段になり得る。水酸基イオン、水和物、あるいは物理吸着または化学吸着している水分子を有する化合物を含む可能性をもつ他の原材料にも同じ論法が適用される。溶融プロセスにバーナーが用いられる場合、天然ガス及び関連する炭化水素の燃焼からの燃焼生成物によっても水酸基イオンが導入され得る。したがって、補償のため、溶融に用いられるエネルギーを電極に移行させることが望ましいであろう。あるいは、溶け込み水酸基イオンの有害な影響を補償するために、主酸化物成分の反復調節プロセスを代わりに用いることができるであろう。
イオウは天然ガス内に存在することが多く、同様に、多くの炭酸塩、硝酸鉛、ハロゲン化物、及び酸化物の原材料内の混入成分である。SOの形態においてイオウは包有気体の厄介な包有気体源である。SOに富む欠陥を形成する傾向は、原材料内のイオウレベルを制御することにより、またガラスマトリクスに低レベルの比較的還元された多価陽イオンを導入することにより、かなりの程度まで抑えることができる。理論に束縛されるものではないが、SOに富む包有気体は主としてガラスに溶け込んでいる硫酸塩(SO 2―)の還元によって生じると思われる。開示されるガラスの高められたバリウム濃度は溶融の早期段階においてガラス内のイオウ残留を強めると思われるが、上述したように、バリウムは低い液相温度、したがって大きいT35k−Tliq、及び高い液相粘度を得るために必要である。原材料内のイオウレベルを低レベルに意図的に制御することは、(おそらくは硫酸塩として)ガラスに溶け込むイオウを低減する有用な手段である。詳しくは、イオウはバッチ材料内に重量で200ppm未満であることが好ましく、バッチ材料内に重量で100ppm未満であることがさらに好ましい。
開示されたガラスのSO泡を形成する傾向を制御するため、還元された多価イオンを用いることができる。理論に束縛されるものではないが、これらのイオンは硫酸塩の低減のために起電力を抑制するための潜在的電子ドナーとして振る舞う。硫酸塩の低減は:
SO 2―→SO+O+2e
のような半反応を用いて書くことができる。ここで、eは電子を表す。この半反応についての「平衡定数」は:
eq=[SO][O][e]/[SO 2―]
である。ここで、括弧は化学活量を表す。理想的には、SO,O及び2eから硫酸塩を生成するように反応を進めさせたいであろう。硝酸塩、過酸化物またはその他の酸素に富む原材料の添加が役立ち得るが、溶融の早期段階においては硫酸塩低減に不利にはたらき得るし、これがまず第一にこれらの添加の効力を妨害し得る。SOはほとんどのガラスにおいて溶解度が非常に低く、よってガラス溶融プロセスへの添加は実用的ではない。電子は還元された多価イオンによって「添加」することができる。例えば、第1鉄イオン(Fe2+)についての適切な電子供与半反応は:
2Fe2+→2Fe3++2e
と表される。
電子の「活量」は硫酸塩還元反応を左に進めさせ、ガラス内のSO 2―を安定化する。適する還元された多価イオンには、Fe2+,Mn2+,Sn2+,Sb3+,As3+,V3+,Ti3+及び当業者によく知られたその他の多価イオンがあるが、これらには限定されない。それぞれの場合、ガラスの色への有害な影響を避けるため、そのような成分の濃度を最小限に抑えることが、あるいは、As及びSbの場合には、最終ユーザにおける廃物管理を複雑にするに十分に高いレベルのそのような成分の添加を避けることが重要になり得る。
開示されるガラスの主酸化物成分及び、上述した、副成分または混入成分に加えて、原材料の選択によって導入される汚染物として、またはガラス内の包有気体を排除するために用いられる意図的成分として、ハロゲン化物が様々なレベルで存在し得る。清浄剤として、ハロゲン化物は約0.4モル%以下のレベルで組み入れられ得るが、オフガスハンドリング装置の腐食を避けるため、可能であればより少ない量を用いることが一般に望ましい。好ましい実施形態において、個々のハロゲン元素の濃度は個々のハロゲン元素のそれぞれについて重量で約200ppmより少なく、あるいは全てのハロゲン元素の和について重量で約800ppmより少ない。
主酸化物成分、副成分、混入成分、多価イオン及びハロゲン清澄剤に加えて、所望の物理特性、光学特性及び粘弾性特性を達成するため、低濃度のその他の無色酸化物成分を組み入れることが有用であり得る。そのような酸化物には、TiO,ZrO,HfO,Nb,Ta,MoO,WO,ZnO,In,Ga,Bi,GeO,PbO,SeO,TeO,Y,La,Gd及び当業者には既知のその他の酸化物があるが、これらには限定されない。開示されるガラスの主酸化物成分の相対比率の反復調節プロセスにより、そのような無色酸化物は、アニール点、T35k−Tliqまたは液相粘度に許容できない影響を与えずに、約2モル%までのレベルまで添加することができる。
Figure 2016052987
Figure 2016052987
Figure 2016052987
Figure 2016052987
Figure 2016052987
Figure 2016052987
開示されるのは、3つの尺度:
(1)40ppmより小さい高温試験サイクル(HTTC)における圧密、
(2)5.5ppmより小さい低温試験サイクル(LTTC)における圧密、及び
(3)応力緩和試験サイクル(SRTC)における50%より小さい緩和と調和する応力緩和率、
で測定されるような、トータルピッチ変動(TPV)が特に優れたガラス基板である。3つの規準の全てを満たすことにより、基板は高解像度TFTサイクルに受容され得ることが保証される。これらの試験サイクルの簡単な説明は以下の通りである。
高温試験サイクル(HTTC)
試料を箱形炉内で図1に示される温度プロファイルにしたがって熱処理した。初めに、炉を590℃よりやや高い温度に予備加熱した。次いで、重ねた5つの試料を炉の前面の小さなスリットを通して入炉させた。30分後、試料を出炉させて大気中で急冷した。試料が590℃のピーク温度にあった総時間は約18分であった。本開示の目的に対して、この試験の規準は高温試験サイクルまたはHTTCと定義されることになる。一実施形態において、HTTC圧密は40ppm以下である。別の実施形態において、HTTC圧密は38ppm以下である。別の実施形態において、HTTC圧密は36ppm以下である。別の実施形態において、HTTC圧密は30ppm以下である。別の実施形態において、HTTC圧密は25ppm以下である。別の実施形態において、HTTC圧密は20ppm以下である。
低温試験サイクル(LTTC)
一般的なTFTアレイまたはCF基板温度サイクルで生じる熱圧密の大きさは、信頼できる品質保証測定を行うには不十分である。性能の実変化の識別を可能にする、より大きな圧密信号を達成するため、450℃/1時間の温度サイクルが用いられる。重ねた5つの試料(4つが実験試料で、1つは対照試料)を入炉させる前に、炉は450℃の直上の温度に保持される。炉が目標保持温度まで回復するにはほぼ7分が必要である。試料は450℃で1時間保持され、次いで出炉されて室温におかれる。一例の温度トレースが図2に示される。本開示の目的に対し、この試験の規準は低温試験サイクルまたはLTTCと定義されることになる。一実施形態において、LTTC圧密は5.5ppm以下である。別の実施形態において、LTTC圧密は5ppm以下である。別の実施形態において、LTTC圧密は4.6ppm以下である。
応力緩和試験サイクル(SRTC)
ガラス板を切断して10.00mm幅の角材にした。ガラスの厚さは成形されたままの厚さ(0.5mmと0.7mmの間)に維持した。抵抗加熱電気炉内部におかれた2つの支持剛体上にガラス試料を載せ、角材の中心のごく近くにSタイプ熱電対を配置し、プッシュロッド位置を調節することで、応力緩和実験を開始した。2つの支持剛体の支間は88.90mmであった。室温においてプッシュロッドの下端をガラスの表面の上方約5mmにおいた。炉の温度を650℃の最終実験温度まで急速に上げ、炉の内部におかれた全てのパーツの熱平衡を達成するために約5分間そのままにしておいた。プッシュロッドを2.54mm/分の速度で下降させ、ロードセル(LC)の信号をモニタすることで実験を続けた。これはガラス角材とのプッシュロッドの接触を見いだすために行った。LC信号が0.1ポンド(45.4g)に達すると、LC信号は荷重速度を10.16mm/分に増速をさせた。角柱の中心撓みが最終目標値(例えば、2.54mm)に達したときに荷重印加を停止し、プログラムを応力制御モードから歪制御モードに切り換えた。実験の残りの間、歪を一定に保ち、応力は可変とした。プッシュロッドのガラスへの最初の接触から2.54mmの最大歪に達する時点までの総時間は約12秒であった。数時間のデータが集まった後に実験を終了した。炉コントローラの比例−積分−微分パラメータの慎重な最適化により、等温保持の開始時に有意な温度オーバーシュートは見られなかったことは注目すべきである。
応力緩和実験は全て等温条件下で行い、温度はガラスの平角柱の中心近くに配置したSタイプ熱電対によって常時モニタした。実験中の温度変動は0.5℃をこえなかった。応力緩和実験の実施の前に、ガラス角柱の長さにわたる温度均一性に関する別個の実験を行った。与えられた実験のいかなる時点及び条件においても、温度均一性は2℃をこえるべきではない。原理上、応力実験は、角柱の十分よく定められた中心に荷重を印加し、角柱中心を原ゼロ線から2.54mmまで撓ませて、角柱をこの一定の歪に保持する、古典的な3点曲げ実験を真似ている。中心プッシュロッドは、ガラス角柱に接触すると、荷重(応力)を伝達する。中心プッシュロッドの先端はナイフエッジ形状を有し、くさびの幅はガラス角柱の幅よりやや大きい。くさび形プッシュロッドの背線はガラス角柱の表面に完全に平行である。そのような構成は角柱の幅にわたる応力の均一分布を保証する。プッシュロッドは変位を制御するリニア可変変位トランスデューサに結合される。この機器は、緩和が進行している間ガラス角柱に印加される中心荷重を維持する、十分に較正されたLCも装備していた。緩和プロセスの非線形性−緩和の進行は初期に早く、次いで徐々に緩やかになる−により、データ記録の目的のため、出願人等はそれぞれの緩和実験を3つの期間に分けた。第1の期間ではデータを0.5秒間隔で収集し、第2の期間ではデータを1.0秒毎に収集し、第3の期間ではデータを10.0秒毎に収集した。荷重印加期間(すなわち、実験の初めの12秒間)中の応力緩和の可能性に関しては、調査下のガラス組成の荷重曲線を全てプロットし、それぞれの場合に、荷重曲線は、荷重印加中の基本的に弾性的な応答を表す、線形の応力/歪関係を示した。したがって、応力緩和実験のゼロ時点は、上述したように、実験が応力制御モードから歪制御モードに切り替わった時点としてとった。サイクル中の%応力緩和Rは:
Figure 2016052987
と定義される。ここで、S60は、60分時(SRTCの終了時)において、制御されたプッシュロッドによって課せられた応力であり、Sは、0分時(SRTCの開始時)において、制御されたプッシュロッドによって課せられた応力である。本開示の目的に対し、上記試験規準は応力緩和試験サイクル(SRTC)と定義されることになる。一実施形態において、SRTCにおける%応力緩和は50%以下である。別の実施形態において、SRTCにおける%応力緩和は45%以下である。別の実施形態において、SRTCにおける%応力緩和は40%以下である。別の実施形態において、SRTCにおける%応力緩和は35%以下である。
試験サイクル及びTPV
上記の3つの測定は、高温及び低温における構造緩和(すなわち圧密)並びに応力緩和の、熱プロセス下におけるトータルピッチ変動に対する主駆動機構を取り込んでいるから、ガラス基板のトータルピッチ変動性能を表すことができる。歴史的に、トータルピッチ変動への圧密の寄与は、顧客のTFTプロセスにおいて目合わせマークは後からおかれるから、高温挙動によって支配され、これらのプロセスにおける早期の低温プロセスの多くは無関係とされていた。高温圧密はHTTC圧密によって表され、製造中のガラスリボンの冷却速度を低める、ガラスシートをオフラインでアニールする、及び/または(T(ann)によって捕捉されるような)ガラスの粘度を高めることで低減される。図3はT(ann)が高くなるにともなう圧密の全体的な減少を示し、主な例外はガラスが(フュージョンドロープロセスの代わりにフロートプロセスによるような)かなり異なる熱履歴をもってつくられていることである。これはガラス製造業者が以前はトータルピッチをどのように扱っていたかを示す。ガラス製造業者は問題の温度領域(すなわち、高温領域)における圧密を抑えるため、冷却速度を低め、及び/またはアニール点を高めていた。
TFT市場の最近の変化により、今ではパネルメーカーはそれぞれのプロセスの開始時に目合わせマークをおくことを強いられ、以前は無関係であった多くの低温工程が測定されるトータルピッチの変動への規準になっている。一般に、(図4のLTTCによって捕捉される)低温における圧密はHTTCと同様の傾向にしたがうが、高い(例えば、750℃より高い)T(ann)において、圧密はT(ann)とは無関係になり、大体6ppmの平らな線の上にのるようである。これは圧密低減への従来の方針の1つである、T(ann)を高めることがもはや実行可能な唯一の解決策ではないことを示す。図4の低められたLTTC圧密を有するアニール点が高いガラスは、ガラス緩和動力学の従来の理解に基づいて予測されるであろうよりもかなり高速ではたらいているガラスの緩和機構の制御の結果である。この機構は、アルカリ及び水のような、ガラスの極めて移動速度が高い混入成分にリンクされており、さらに、より低い(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al比がより低いLTTC圧密に相関されている。この高速緩和機構の制御に対する組成ベースの新しく得られた知見を最適化された冷却曲線制御と結び付けた結果として、いくつかの組成において、(ガラス8(表2参照)の、高いT(ann)=808℃にもかかわらず、高いLTTC圧密(0.7mm及び0.5mmにおいてそれぞれ5.8ppm及び6.5ppm)で実証されるように)T(ann)に無関係な、より低いLTTC圧密が得られた。HTTC圧密が優れているガラスがこの分離によって受け入れ得ないLTTC圧密を有し得ることは極めてあり得ることであって、今日のTFTプロセスにおいては両者の同時制御が重要である。
いずれの圧密サイクルにおいても、(フロートプロセス中に受けるような)極めて緩やかな冷却速度で冷却されたガラスは、表2のガラス2試料のいくつかによって示されるように、非常に良好な圧密性能を有する。これらのガラスは古いTFTプロセスでは十分うまくはたらくが、大きい新世代サイズのガラスシート上につくられる最高解像度ディスプレイに必要な新しいサイクルにおいては苦闘する。これは、TPVの別の態様である、低温粘度に比例する応力緩和による。図5はSRTCにおいて緩和する誘起応力の%を示し、T(ann)への事実上線形の依存性が明白に見られる。これはパネルメーカーにとって以前は有用であった、緩やかな冷却速度によりアニール点が低められたガラスがなぜもはや適し得ないかを説明するに役立つ。図5において、応力緩和が50%より小さいガラスは本開示のSRTC基準を満たす。
TPVの3つの態様の全ての管理が有益であり、多くの顧客との少なからぬ対話が出願人等にとって3つの試験サイクルの全てに対する(図3,4及び5に赤線で示される)「成功規準」を定めるに役立った。図6Aは、識別されるように、成功規準を満たすガラスが領域1に入っている、LTTC圧密に対するHTTC圧密のプロットである。応力緩和要件を満たすガラスは菱形で示され、応力緩和要件に失格するガラスは正方形で示されている。したがって、本発明に開示されるガラスは領域1内に入る菱形である(図6Bに、より容易に見ることができる)。
以前に開示された基板はより高いアニール点またはプロセス制御(例えば、製造中の低速冷却)によって低TPVを達成しようとしていた。図6によって実証されるように、そのような努力に結果は必ず上記の3つの規準の1つに失格する基板をもたらし、よっていくつかのTFTサイクルについては基板が最適になることはなかった。TPVに対するこれらの重要な属性に加えて、本開示のガラスはTFTの製造業者にとって有益なその他の属性(低密度、高UV透過率、等)とも調和し得るであろう。
Figure 2016052987
表2は、本明細書に説明されるHTTC規準,LTTC規準及びSRTC規準にしたがって試験した、実験ガラス及び市販ガラスのサンプリングである。ガラス1,6及び7は、試験して、一実施形態において説明したような、規準(40ppm以下のHTTC,5.5ppm以下のLTTC及び50%より小さいSRTC)を満たす実験ガラスである。ガラス2,4,9,10,11,15,16及び17は試験して、結果によって実証されるように、試験基準に失格した現行及び過去の市販ガラスである。ガラス5,8,12,13及び14は試験基準に失格した実験ガラスである。
本明細書に説明される材料、方法及び物品には様々な改変及び変形がなされ得る。本明細書に説明される材料、方法及び物品の他の態様が、本明細書の考察及び本明細書に開示される材料、方法及び物品の実施から明らかになるであろう。本明細書及び実施例は例示と見なされるべきであるとされる。
他の実施態様
1.ガラスにおいて、以下の性能規準、
A:LTTCにおける圧密が5.5ppm以下、
B:HTTCにおける圧密が40ppm以下、
C:SRTCにおける誘起応力の緩和が50%より小さい、
を示すガラス。
2.酸化物基準のモル%で、SiO 50〜85,Al 0〜20,B 0〜10,MgO 0〜20,CaO 0〜20,SrO 0〜20,BaO 0〜20を含む実施態様1記載のガラス。
3.酸化物基準のモル%で、SiO 68〜74,Al 10〜13,B 0〜5,MgO 0〜6,CaO 4〜9,SrO 1〜8,BaO 0〜5を含む実施態様1記載のガラス。
4.As及びSbの含有量が約0.005モル%より少ない実施態様1記載のガラス。
5.前記ガラスの内、LiO,NaO,KOまたはこれらの組合せの含有量が約0.1モル%より少ない実施態様1記載のガラス。
6.1.05≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.2である(ここでAl,MgO,CaO,SrO及びBaOは酸化物成分のモル%を表す)実施態様1記載のガラス。
7.1.05≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.4である(ここでAl,MgO,CaO,SrO及びBaOは酸化物成分のモル%を表す)実施態様1記載のガラス。
8.765℃より高いアニール点を有する実施態様1記載のガラス。
9.T35k−Tliq>0.25T35k−225℃である実施態様1記載のガラス。
10.T35k<1310℃である実施態様1記載のガラス。
11.28〜42×10−7/℃の間のCTEを有する実施態様1記載のガラス。
12.0.5mm厚で、50%より高い300nmでの透過率を有する実施態様1記載のガラス。
13.2.3g/cm〜2.6g/cmの間の密度を有する実施態様1記載のガラス。
14.75GPa〜85GPaの間のヤング率を有する実施態様1記載のガラス。
15.LTTCにおける圧密が5ppm、または5ppm未満である実施態様1記載のガラス。
16.LTTCにおける圧密が4.6ppm、または4.6ppm未満である実施態様1記載のガラス。
17.HTTCにおける圧密が38ppm、または38ppm未満である実施態様1記載のガラス。
18.HTTCにおける圧密が36ppm、または36ppm未満である実施態様1記載のガラス。
19.SRTCにおける誘起応力の緩和が45%より小さい実施態様1記載のガラス。
20.SRTCにおける誘起応力の緩和が40%より小さい実施態様1記載のガラス。

Claims (15)

  1. ガラスにおいて、以下の性能規準、
    A:LTTCにおける圧密が4.6ppm以下、
    B:HTTCにおける圧密が36ppm以下、
    C:SRTCにおける誘起応力の緩和が50%より小さい、
    を示し、酸化物基準のモル%で、SiO 50〜85,Al 0〜20,B 0〜10,MgO 0〜20,CaO 0〜20,SrO 0〜20,BaO 0〜20を含むことを特徴とするガラス。
  2. ガラスにおいて、以下の性能規準、
    A:LTTCにおける圧密が5.5ppm以下、
    B:HTTCにおける圧密が40ppm以下、
    C:SRTCにおける誘起応力の緩和が50%より小さい、
    を示し、酸化物基準のモル%で、SiO 50〜85,Al 0〜20,B 0〜10,MgO 0〜20,CaO 0〜20,SrO 0〜20,BaO 0〜20を含み、1.05≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.4である(ここでAl,MgO,CaO,SrO及びBaOは酸化物成分のモル%を表す)ことを特徴とするガラス。
  3. As及びSbの含有量が約0.005モル%より少ないことを特徴とする請求項1または2記載のガラス。
  4. 前記ガラスの内、LiO,NaO,KOまたはこれらの組合せの含有量が約0.1モル%より少ないことを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載のガラス。
  5. 1.05≦(MgO+CaO+SrO+BaO)/Al≦1.4である(ここでAl,MgO,CaO,SrO及びBaOは酸化物成分のモル%を表す)ことを特徴とする請求項1記載のガラス。
  6. 765℃より高より高いアニール点を有することを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載のガラス。
  7. 35k−Tliq>0.25T35k−225℃であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載のガラス。
  8. 35k<1310℃であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項記載のガラス。
  9. 28〜42×10−7/℃の範囲のCTEを有することを特徴とする請求項1から8いずれか1項記載のガラス。
  10. 0.5mm厚で、50%より高い300nmでの透過率を有することを特徴とする請求項1から9いずれか1項記載のガラス。
  11. 2.3g/cm〜2.6g/cmの間の密度を有することを特徴とする請求項1から10いずれか1項記載のガラス。
  12. 75GPa〜85GPaの間のヤング率を有することを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載のガラス。
  13. LTTCにおける圧密が4.6ppm以下であるか、またはHTTCにおける圧密が36ppm以下であることを特徴とする請求項2記載のガラス。
  14. SRTCにおける誘起応力の緩和が40%より小さいことを特徴とする請求項1から13いずれか1項記載のガラス。
  15. 70GPa〜86.6GPaの間のヤング率を有することを特徴とする請求項1から11いずれか1項記載のガラス。
JP2015198516A 2012-12-21 2015-10-06 トータルピッチ安定性が改善されているガラス Active JP6152576B2 (ja)

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261740790P 2012-12-21 2012-12-21
US61/740,790 2012-12-21
US201361909612P 2013-11-27 2013-11-27
US61/909,612 2013-11-27

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015549720A Division JP6134997B2 (ja) 2012-12-21 2013-12-19 トータルピッチ安定性が改善されているガラス

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016052987A true JP2016052987A (ja) 2016-04-14
JP6152576B2 JP6152576B2 (ja) 2017-06-28

Family

ID=49917775

Family Applications (5)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015549720A Active JP6134997B2 (ja) 2012-12-21 2013-12-19 トータルピッチ安定性が改善されているガラス
JP2015198516A Active JP6152576B2 (ja) 2012-12-21 2015-10-06 トータルピッチ安定性が改善されているガラス
JP2015198514A Pending JP2016011255A (ja) 2012-12-21 2015-10-06 トータルピッチ安定性が改善されているガラス
JP2016077912A Pending JP2016155753A (ja) 2012-12-21 2016-04-08 トータルピッチ安定性が改善されているガラス
JP2018201543A Active JP6589034B2 (ja) 2012-12-21 2018-10-26 トータルピッチ安定性が改善されているガラス

Family Applications Before (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015549720A Active JP6134997B2 (ja) 2012-12-21 2013-12-19 トータルピッチ安定性が改善されているガラス

Family Applications After (3)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015198514A Pending JP2016011255A (ja) 2012-12-21 2015-10-06 トータルピッチ安定性が改善されているガラス
JP2016077912A Pending JP2016155753A (ja) 2012-12-21 2016-04-08 トータルピッチ安定性が改善されているガラス
JP2018201543A Active JP6589034B2 (ja) 2012-12-21 2018-10-26 トータルピッチ安定性が改善されているガラス

Country Status (7)

Country Link
US (5) US9051206B2 (ja)
EP (3) EP2935134B1 (ja)
JP (5) JP6134997B2 (ja)
KR (4) KR101632546B1 (ja)
CN (4) CN110698057A (ja)
TW (3) TWI598313B (ja)
WO (1) WO2014100432A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180040964A (ko) * 2016-10-13 2018-04-23 주식회사 엘지화학 열적 안정성을 나타내는 무알칼리 유리 조성물 및 그로부터 제조된 고변형점 무알칼리 유리

Families Citing this family (51)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9162919B2 (en) * 2012-02-28 2015-10-20 Corning Incorporated High strain point aluminosilicate glasses
US9359251B2 (en) 2012-02-29 2016-06-07 Corning Incorporated Ion exchanged glasses via non-error function compressive stress profiles
US10494292B2 (en) * 2013-01-31 2019-12-03 Corning Incorporated Fictivated glass and method of making
US9150448B2 (en) 2013-03-14 2015-10-06 Corning Incorporated Dimensionally-stable, damage-resistant, glass sheets
DE102013102848B3 (de) * 2013-03-20 2014-02-06 Schott Ag Hochbrechende Dünngläser, Verfahren zu deren Herstellung, Schichtverbund und Verwendung
JP6365826B2 (ja) * 2013-07-11 2018-08-01 日本電気硝子株式会社 ガラス
WO2015080171A1 (ja) * 2013-11-28 2015-06-04 旭硝子株式会社 無アルカリガラス基板、および、無アルカリガラス基板の薄板化方法
TWI705889B (zh) 2014-06-19 2020-10-01 美商康寧公司 無易碎應力分布曲線的玻璃
US20170226000A1 (en) * 2014-08-13 2017-08-10 Corning Incorporated Intermediate cte glasses and glass articles comprising the same
JP6575223B2 (ja) * 2014-08-27 2019-09-18 Agc株式会社 無アルカリガラス
WO2016053775A1 (en) * 2014-09-30 2016-04-07 Corning Incorporated Methods and glass manufacturing system for impacting compaction in a glass sheet
CN108164133A (zh) 2014-10-08 2018-06-15 康宁股份有限公司 包含金属氧化物浓度梯度的玻璃和玻璃陶瓷
CN115286240A (zh) 2014-10-31 2022-11-04 康宁股份有限公司 对玻璃进行尺寸稳定的快速蚀刻
JPWO2016084952A1 (ja) 2014-11-28 2017-10-05 旭硝子株式会社 液晶ディスプレイパネル
CN107207310A (zh) * 2014-12-08 2017-09-26 康宁股份有限公司 具有低压缩的层叠玻璃制品及其形成方法
JP7060915B2 (ja) * 2014-12-12 2022-04-27 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス
KR101632614B1 (ko) * 2014-12-24 2016-06-22 코닝정밀소재 주식회사 유기발광소자용 광추출 기판 제조방법, 유기발광소자용 광추출 기판 및 이를 포함하는 유기발광소자
JP7182871B2 (ja) 2015-04-03 2022-12-05 日本電気硝子株式会社 ガラス
US20180141857A1 (en) * 2015-05-15 2018-05-24 Nippon Electric Glass Co., Ltd. Strengthened glass plate producing method, glass plate for strengthening, and strengthened glass plate
KR20180025859A (ko) * 2015-07-03 2018-03-09 아사히 가라스 가부시키가이샤 캐리어 기판, 적층체, 전자 디바이스의 제조 방법
US9701569B2 (en) 2015-07-21 2017-07-11 Corning Incorporated Glass articles exhibiting improved fracture performance
US11613103B2 (en) 2015-07-21 2023-03-28 Corning Incorporated Glass articles exhibiting improved fracture performance
EP3383809A4 (en) * 2015-12-01 2019-12-11 Kornerstone Materials Technology Co., Ltd ALKALINO-EARTHOUS ALUMINOSILICATE GLASS WITH LOW BORON CONTENT AND BARIUM FREE AND ITS APPLICATIONS
KR20240019400A (ko) 2015-12-11 2024-02-14 코닝 인코포레이티드 금속 산화물 농도 구배를 포함하는 융합-형성가능한 유리계 제품
CN105601105B (zh) * 2015-12-30 2018-09-07 芜湖东旭光电装备技术有限公司 一种玻璃用组合物、低脆性无碱玻璃及其制备方法和应用
TWI774655B (zh) * 2016-02-22 2022-08-21 美商康寧公司 無鹼硼鋁矽酸鹽玻璃
CN105753329B (zh) 2016-03-15 2018-07-31 巨石集团有限公司 一种高性能玻璃纤维组合物及其玻璃纤维和复合材料
KR20240033166A (ko) 2016-04-08 2024-03-12 코닝 인코포레이티드 금속 산화물 농도 구배를 포함하는 유리-계 제품
US10271442B2 (en) 2016-04-08 2019-04-23 Corning Incorporated Glass-based articles including a stress profile comprising two regions, and methods of making
WO2018038059A1 (ja) * 2016-08-23 2018-03-01 旭硝子株式会社 無アルカリガラス
US11161769B2 (en) * 2016-09-16 2021-11-02 Corning Incorporated High transmission glasses with alkaline earth oxides as a modifier
KR20190091437A (ko) * 2016-12-20 2019-08-06 니폰 덴키 가라스 가부시키가이샤 유리
RU2642732C1 (ru) * 2016-12-23 2018-01-25 Юлия Алексеевна Щепочкина Стекло
WO2018123675A1 (ja) * 2016-12-28 2018-07-05 日本電気硝子株式会社 ガラス
CN110139839B (zh) * 2016-12-29 2022-12-13 康宁股份有限公司 抗负感的稀土掺杂玻璃
JP6972598B2 (ja) * 2017-03-22 2021-11-24 日本電気硝子株式会社 ガラス板及びその製造方法
CN107032604A (zh) 2017-04-18 2017-08-11 东旭科技集团有限公司 玻璃用组合物、碱土铝硅酸盐玻璃及其制备方法和应用
TWI766041B (zh) * 2017-06-14 2022-06-01 美商康寧公司 控制壓實的方法
TW201912597A (zh) 2017-08-24 2019-04-01 美商康寧公司 用於選擇性地改變玻璃基製品的虛擬溫度之方法及設備
CN109809687A (zh) * 2017-11-21 2019-05-28 彩虹显示器件股份有限公司 一种用于高分辨率显示器的基板玻璃
JP6787872B2 (ja) * 2017-11-28 2020-11-18 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス板
US10829408B2 (en) * 2017-12-13 2020-11-10 Corning Incorporated Glass-ceramics and methods of making the same
TWI809029B (zh) 2018-01-15 2023-07-21 美商康寧公司 尺度上穩定快速地蝕刻玻璃
EP3810558B1 (en) * 2018-06-19 2023-04-26 Corning Incorporated High strain point and high young's modulus glasses
EP3856695A4 (en) * 2018-09-25 2022-06-29 Corning Incorporated Dimensionally stable glasses
JP7478340B2 (ja) * 2018-10-17 2024-05-07 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス板
WO2021019654A1 (ja) * 2019-07-29 2021-02-04 Agc株式会社 支持ガラス基板
CN110746111A (zh) * 2019-09-29 2020-02-04 彩虹显示器件股份有限公司 一种玻璃基板及其作为玻璃衬底的应用
WO2022066574A1 (en) * 2020-09-25 2022-03-31 Corning Incorporated Stress profiles of glass-based articles having improved drop performance
CN112881196A (zh) * 2021-01-14 2021-06-01 清华大学深圳国际研究生院 一种玻璃材料高温粘弹性参数检测方法
WO2023084979A1 (ja) * 2021-11-10 2023-05-19 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス板

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009525942A (ja) * 2006-02-10 2009-07-16 コーニング インコーポレイテッド 熱および化学安定性が高いガラス組成物ならびにその製造方法
WO2012103194A1 (en) * 2011-01-25 2012-08-02 Corning Incorporated Glass compositions having high thermal and chemical stability

Family Cites Families (31)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
NL206950A (ja) * 1956-04-23 1900-01-01
US3338696A (en) 1964-05-06 1967-08-29 Corning Glass Works Sheet forming apparatus
BE757057A (fr) 1969-10-06 1971-04-05 Corning Glass Works Procede et appareil de controle d'epaisseur d'une feuille de verre nouvellement etiree
US6169047B1 (en) 1994-11-30 2001-01-02 Asahi Glass Company Ltd. Alkali-free glass and flat panel display
JP3901757B2 (ja) * 1994-11-30 2007-04-04 旭硝子株式会社 無アルカリガラス、液晶ディスプレイパネルおよびガラス板
JP3800657B2 (ja) * 1996-03-28 2006-07-26 旭硝子株式会社 無アルカリガラスおよびフラットディスプレイパネル
JP3988209B2 (ja) * 1996-06-03 2007-10-10 旭硝子株式会社 無アルカリガラスおよび液晶ディスプレイパネル
JP3804112B2 (ja) * 1996-07-29 2006-08-02 旭硝子株式会社 無アルカリガラス、無アルカリガラスの製造方法およびフラットディスプレイパネル
JP2000044278A (ja) * 1998-05-20 2000-02-15 Nippon Electric Glass Co Ltd ディスプレイ用ガラス基板
US6753279B2 (en) * 2001-10-30 2004-06-22 Corning Incorporated Glass composition for display panels
JP4305817B2 (ja) 2002-12-11 2009-07-29 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス基板
CN1764610A (zh) * 2003-03-31 2006-04-26 旭硝子株式会社 无碱玻璃
US7207193B2 (en) * 2003-12-08 2007-04-24 Corning Incorporated Method of fabricating low-warp flat glass
EP1746076A1 (en) * 2005-07-21 2007-01-24 Corning Incorporated Method of making a glass sheet using rapid cooling
US8007913B2 (en) * 2006-02-10 2011-08-30 Corning Incorporated Laminated glass articles and methods of making thereof
TWI388520B (zh) * 2006-11-01 2013-03-11 Corning Inc 硼鋁酸矽酸鹽玻璃澄清
CN101092280B (zh) * 2007-06-07 2012-01-18 河南安彩高科股份有限公司 铝硼硅酸盐玻璃组合物及其应用
US7709406B2 (en) * 2007-07-31 2010-05-04 Corning Incorporation Glass compositions compatible with downdraw processing and methods of making and using thereof
CN101784494B (zh) * 2007-08-31 2013-01-30 旭硝子株式会社 玻璃板及其制造方法以及tft面板的制造方法
JP5327702B2 (ja) * 2008-01-21 2013-10-30 日本電気硝子株式会社 ガラス基板の製造方法
US8187715B2 (en) * 2008-05-13 2012-05-29 Corning Incorporated Rare-earth-containing glass material and substrate and device comprising such substrate
RU2010154445A (ru) * 2008-05-30 2012-07-10 Фостер Вилер Энергия Ой (Fi) Способ и система для генерации энергии путем сжигания в чистом кислороде
US8713967B2 (en) 2008-11-21 2014-05-06 Corning Incorporated Stable glass sheet and method for making same
EP2450319A4 (en) 2009-07-02 2015-01-28 Asahi Glass Co Ltd ALKALIFREE GLASS AND METHOD FOR THE PRODUCTION THEREOF
WO2011049100A1 (ja) * 2009-10-19 2011-04-28 旭硝子株式会社 基板用ガラス板、その製造方法およびtftパネルの製造方法
US20110265516A1 (en) 2010-04-29 2011-11-03 Douglas Clippinger Allan Compositional control of fast relaxation in display glasses
JP6149284B2 (ja) * 2010-10-06 2017-06-21 コーニング インコーポレイテッド 高熱および化学安定性を有する無アルカリガラス組成物
JP5874316B2 (ja) * 2010-10-27 2016-03-02 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス
JP5729673B2 (ja) * 2010-12-06 2015-06-03 日本電気硝子株式会社 無アルカリガラス
US9162919B2 (en) * 2012-02-28 2015-10-20 Corning Incorporated High strain point aluminosilicate glasses
JP6037117B2 (ja) 2012-12-14 2016-11-30 日本電気硝子株式会社 ガラス及びガラス基板

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009525942A (ja) * 2006-02-10 2009-07-16 コーニング インコーポレイテッド 熱および化学安定性が高いガラス組成物ならびにその製造方法
WO2012103194A1 (en) * 2011-01-25 2012-08-02 Corning Incorporated Glass compositions having high thermal and chemical stability

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180040964A (ko) * 2016-10-13 2018-04-23 주식회사 엘지화학 열적 안정성을 나타내는 무알칼리 유리 조성물 및 그로부터 제조된 고변형점 무알칼리 유리
KR102106613B1 (ko) * 2016-10-13 2020-05-04 주식회사 엘지화학 열적 안정성을 나타내는 무알칼리 유리 조성물 및 그로부터 제조된 고변형점 무알칼리 유리

Also Published As

Publication number Publication date
US20150259241A1 (en) 2015-09-17
JP6589034B2 (ja) 2019-10-09
KR101872577B1 (ko) 2018-06-28
TW201619086A (zh) 2016-06-01
TWI598313B (zh) 2017-09-11
KR101872576B1 (ko) 2018-06-28
TWI510446B (zh) 2015-12-01
US20160168013A1 (en) 2016-06-16
CN105164068A (zh) 2015-12-16
JP2016011255A (ja) 2016-01-21
TW201619085A (zh) 2016-06-01
EP3447034A3 (en) 2019-06-26
TWI574930B (zh) 2017-03-21
KR101632546B1 (ko) 2016-06-21
CN110698057A (zh) 2020-01-17
CN105399326A (zh) 2016-03-16
KR102029530B1 (ko) 2019-10-07
JP2019048767A (ja) 2019-03-28
KR20160045938A (ko) 2016-04-27
US20170144918A1 (en) 2017-05-25
EP3447034A2 (en) 2019-02-27
US20140179510A1 (en) 2014-06-26
US9919952B2 (en) 2018-03-20
WO2014100432A1 (en) 2014-06-26
CN105314848A (zh) 2016-02-10
JP6134997B2 (ja) 2017-05-31
US9573839B2 (en) 2017-02-21
US20140249017A1 (en) 2014-09-04
EP2935134A1 (en) 2015-10-28
US8975198B2 (en) 2015-03-10
US9051206B2 (en) 2015-06-09
EP2935134B1 (en) 2019-01-16
KR20150117299A (ko) 2015-10-19
JP2016155753A (ja) 2016-09-01
KR20150117300A (ko) 2015-10-19
JP2016505502A (ja) 2016-02-25
JP6152576B2 (ja) 2017-06-28
US9328013B2 (en) 2016-05-03
EP3444229A1 (en) 2019-02-20
KR20150097787A (ko) 2015-08-26
TW201429911A (zh) 2014-08-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6589034B2 (ja) トータルピッチ安定性が改善されているガラス
US9802857B2 (en) Dimensionally stable fast etching glasses
JP2018027894A (ja) 高歪点アルミノシリケートガラス
JP6149320B2 (ja) 寸法安定性抗損傷性ガラス板
KR20170008278A (ko) 알루미노실리케이트 유리
KR20240060711A (ko) 치수적으로 안정한 급속 에칭 유리
KR102673755B1 (ko) 고 변형점 및 고 영률 유리
KR20240096724A (ko) 고 변형점 및 고 영률 유리

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160721

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160830

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20161130

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170120

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170428

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6152576

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250