JP2016052278A - ベーキング食品用膨張剤、ベーキング食品用プレミックス、ベーキング食品及び炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤 - Google Patents

ベーキング食品用膨張剤、ベーキング食品用プレミックス、ベーキング食品及び炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤 Download PDF

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Abstract

【課題】ベーキング食品に、優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能なベーキング食品用膨張剤、ベーキング食品用プレミックス、ベーキング食品及び炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤を提供する。【解決手段】ベーキング食品用膨張剤は、炭酸水素ナトリウムと、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分と、を含む。糖カルボン酸は、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、及びパノース酸化物からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含むのが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、ベーキング食品用膨張剤、ベーキング食品用プレミックス、ベーキング食品及び炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤に関する。
近年、食生活が洋風化し、パン等のベーキング食品の消費量が増加するに従って、ベーキング食品の膨らみ、風味、食感等の様々な特性の向上が求められるようになり、これらの課題の解決のために種々の膨張剤が開発されている。
膨張剤としては、アルドン酸を有効成分としたものが知られている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3には、炭酸水素ナトリウムを含むベーキングパウダーとグルコノデルタラクトン及び/又はグルコン酸とを含む膨張剤が開示されており、これらはベーキング食品に、優れた食感や風味を付与できることが記載されている。
また、特許文献4には、油脂と多孔質な炭酸カルシウムとが4:6〜7:3の比率で配合された膨張剤により、ベーキング食品に低減した粉臭や口あたりの良い食感を付与できることが記載されている。
特開平4−200341号公報 特開平5−23096号公報 特開平6−133681号公報 特開2001−286255号公報
しかしながら、上記特許文献1〜4の膨張剤を用いたベーキング食品は、製造過程で加熱後の放冷中に縮んでしまい、また、キメの細かさの点で十分でなかった。
本発明は、以上の実情に鑑みてなされたものであり、ベーキング食品に、優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能なベーキング食品用膨張剤、ベーキング食品用プレミックス、ベーキング食品及び炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、炭酸水素ナトリウムと、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分とを併用することで、縮みにくさ、キメの細やかさに優れたベーキング食品を得られることを見出し、本発明に至った。より具体的には、本発明は以下のようなものを提供する。
(1) 炭酸水素ナトリウムと、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分と、を含む、ベーキング食品用膨張剤。
(2) 前記糖カルボン酸が、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、及びパノース酸化物からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む、(1)に記載の膨張剤。
(3) 前記糖カルボン酸が、マルトオリゴ糖酸化物、分岐オリゴ糖酸化物、水飴酸化物、粉飴酸化物又はデキストリン酸化物の形態で含まれる、(1)又は(2)記載の膨張剤。
(4) 前記塩類が、カルシウム塩、マグネシウム塩及びナトリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む、(1)から(3)いずれかに記載の膨張剤。
(5) 前記炭酸水素ナトリウムと、前記成分との質量比が1:2〜1:40である、(1)から(4)のいずれかに記載の膨張剤。
(6) 穀類粉末と、(1)から(5)のいずれかに記載の膨張剤とを含む、ベーキング食品用プレミックス。
(7) 前記穀類粉末が小麦澱粉である、(6)に記載のプレミックス。
(8) 前記成分の含有量が、前記穀類粉末100質量部に対して2.5質量部以上である、(6)又は(7)に記載のプレミックス。
(9) 冷凍生地用又は冷蔵生地用である、(6)から(8)のいずれかに記載のプレミックス。
(10) (6)から(9)のいずれかに記載のプレミックスが用いられたベーキング食品。
(11) 重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分からなる、炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤。
本発明によれば、ベーキング食品に、優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能なベーキング食品用膨張剤、ベーキング食品用プレミックス、ベーキング食品及び炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤を提供することができる。
比較例3に係る蒸しケーキ断面の画像を示す図である。 比較例3、実施例2〜4に係る蒸しケーキ断面の画像を示す図である。 蒸し時間の経時変化における比較例3〜6、実施例5に係る蒸しケーキのそれぞれの断面画像の図である。 比較例3、実施例6〜9に係る蒸しケーキ断面の画像を示す図である。 比較例7、8、実施例13に係る蒸しケーキ断面の画像を示す図である。
以下、本発明の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。なお、説明が重複する箇所については、適宜説明を省略する場合があるが、発明の要旨を限定するものではない。
<ベーキング食品用膨張剤>
本発明のベーキング食品用膨張剤は、炭酸水素ナトリウムと、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分と、を含む。本発明のベーキング食品膨張剤によれば、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能である。また、ベーキング食品の蒸したときの変色の抑制をすることができる。
本発明において、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分を、炭酸水素ナトリウムと併用することで、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能な理由は、以下のとおりに推測される。
ベーカリー食品において、通常澱粉成分は膨化粒状を維持しているが、加熱後の放冷中に縮みが発生した部分を顕微鏡観察すると澱粉粒が崩壊し糊化したものが観察される。ベーカリー食品を加熱する過程では、上部より加熱されるが、この上部で水蒸気が逃げ切れずに滞留することにより、一部の澱粉粒が崩壊糊化し、焼き上がり後にこの水蒸気が冷えて、糊化した上部の体積が縮まるものと考えられる。重合度1の糖カルボン酸であるグルコン酸やグルコン酸Caは、水の少ない条件では、結晶化しやすく不安定であるのに対して、重合度2以上の糖カルボン酸は、水和に優れ安定性である。このため、生地上でも、水和した状態で均一に分散させることができ、炭酸水素ナトリウムと効率良く反応することで、均一に気泡を発生させることが、キメの細かさに繋がるものと考えられる。また、糖カルボン酸が水を抱き込み、澱粉の過剰な膨潤を抑えることで、澱粉粒が崩壊することなく、加熱後の放冷中における縮みを抑制するものと考えられる。
(糖カルボン酸)
糖カルボン酸は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化されたものであれば、特に限定されない。澱粉分解物又は転移反応物の重合度は、例えば、2〜100等であってもよい。より具体的には、糖カルボン酸は、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、パノース酸化物等が挙げられる。これらのうち、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能である点で、マルトビオン酸、マルトトリオン酸が好ましく、マルトビオン酸がより好ましい。これらは、単独で使用してよく、2種以上を併用してもよい。また、糖カルボン酸は、遊離の酸であってもよく、塩又はラクトンであってもよい。
マルトビオン酸は、上記成分(重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分)中、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能な点で、50質量%以上の含有量であることが好ましく、60質量%以上の含有量であることがより好ましく、70質量%以上の含有量であることが更に好ましく、80質量%以上の含有量であることが最も好ましい。
糖カルボン酸の塩としては、特に限定されないが、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、亜鉛塩、鉄塩、銅塩等が挙げられる。これらのうち、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能である点で、カルシウム塩、マグネシウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩が好ましい。これらは、単独で使用してよく、2種以上を併用してもよい。
糖カルボン酸は、どのような形態で含まれてもよく、例えば、マルトオリゴ糖酸化物、分岐オリゴ糖酸化物、水飴酸化物、粉飴酸化物又はデキストリン酸化物の形態で含まれてもよい。また、液体であっても粉末であってもよい。
糖カルボン酸は、常法に従って製造することができる。例えば、澱粉分解物又は転移反応物を化学的な酸化反応により酸化する方法や、澱粉分解物又は転移反応物にオリゴ糖酸化能を有する微生物、又は酸化酵素を作用させる反応により製造することができる。
化学的な酸化反応としては、例えば、パラジウム、白金、ビスマス等を活性炭に担持させた酸化触媒の存在下で、マルトース等の重合度2以上のアルドースと酸素をアルカリ雰囲気下で接触酸化させることにより、糖カルボン酸を製造することができる。以下に、化学的な酸化反応によるマルトビオン酸の製造方法について、より具体的な一例を説明する。
まず、50℃に保持した20%マルトース溶液100mlに白金−活性炭触媒3gを加え、100mL/minで酸素を吹き込みながら600rpmで攪拌する。反応pHは、10N水酸化ナトリウム溶液を滴下することによって、pH9.0に維持する。そして、反応開始から5時間後、遠心分離とメンブレンフィルターろ過により触媒を取り除いて、マルトビオン酸ナトリウム溶液を得ることができる。得られたマルトビオン酸ナトリウム溶液をカチオン交換樹脂又は電気透析により脱塩することで、マルトビオン酸を得ることができる。
マルトビオン酸に塩類を添加することで、マルトビオン酸塩を調製可能である。例えば、マルトビオン酸カルシウムを製造するには、上記の方法で得られたマルトビオン酸溶液に炭酸カルシウム等のカルシウム源を2:1のモル比となるように添加し、溶解させることで、マルトビオン酸カルシウムを調製することができる。この際に使用されるカルシウム源は、可食性のカルシウムであれば特に限定されず、例えば、卵殻粉末、サンゴ粉末、骨粉末、貝殻粉末等の天然素材、あるいは、炭酸カルシウム、塩化カルシウム等の化学合成品等が挙げられる。
ラクトンを調製する方法は、特に限定されないが、脱水操作により調製することができ、例えばマルトビオン酸を脱水操作することで、マルトビオノラクトンを調製することができる。また、マルトビオノラクトン等のラクトンは、水に溶かすと速やかにマルトビオン酸等の糖カルボン酸となる。
オリゴ糖酸化能を有する微生物を用いた方法としては、例えば、アシネトバクター属、ブルクホルデリア属、アセトバクター属、グルコノバクター属等を用いた微生物変換・発酵法により糖カルボン酸を製造することができる。
酵素反応による製造方法としては、例えば、オリゴ糖酸化能を有する微生物から酸化酵素を抽出する方法で製造することができる。
(膨張剤)
炭酸水素ナトリウム(重曹)は、ベーキング食品の製造において、ガス発生源となるものであり、本発明においては、これに上記糖カルボン酸を併用することで、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを与えることができる。
炭酸水素ナトリウムは、どのような形態で膨張剤に含まれてもよく、例えば、ベーキングパウダー(アルカリ性を呈し且つガス発生源となる炭酸水素ナトリウムと、酸又は酸性反応を呈する塩類でガス発生促進の役割を果たす酸性膨張剤とを加えて一包式にミックスしたもの)の形態で含まれてもよい。すなわち、本発明の膨張剤は、炭酸水素ナトリウムの他に、酸性膨張剤(例えば、d一酒石酸水素カリウム、第一リン酸カルシウム、d一酒石酸、焼ミョウバン、フマル酸、リン酸ナトリウム、グルコノデルタラクトン等)を含んでもよい。また、本発明の膨張剤は、コーンスターチ等の遮断剤を含んでもよい。
炭酸水素ナトリウムと、上記成分(重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分)は、特に限定されないが、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能である点で、炭酸水素ナトリウムと、上記成分との質量比が、1:2〜1:40であるのが好ましくは、1:5〜1:30であるのが更に好ましい。また、特にベーキング食品に優れた膨らみを付与可能な点で、炭酸水素ナトリウムと、上記成分との質量比が、1:10〜1:28であるのが更に好ましく、1:20〜1:28であるのが、最も好ましい。
<ベーキング食品用プレミックス>
本発明のベーキング食品用プレミックスは、穀類粉末と、膨張剤とを含む。
穀類粉末は、特に限定されないが、例えば、小麦粉(薄力粉、中力粉、強力粉)、大麦粉、米粉、大豆粉、とうもろし粉、ライ麦粉等が挙げられる。また、本発明によると、炭酸水素ナトリウムと、糖カルボン酸等を併用することで、小麦澱粉等のグルテンフリーの穀類粉末を使用しても、縮みにくさ、キメの細かさに優れ、更に、口どけに優れたベーキング食品を製造できる。この観点で、グルテンフリーの穀類粉末である、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、コーンスターチ、サゴ澱粉、米粉、大豆粉等を使用することが好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、プレミックスは、穀類粉末に加え、根菜類粉を含んでもよく、含まなくてもよい。
穀類粉末と、上記成分(重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分)との質量比は、特に限定されず、例えば、上記成分の含有量が、穀類粉末100質量部に対して、0.1〜100質量部であってもよいが、得られるベーキング食品が、縮みにくさ、キメの細かさに優れる点で、穀類粉末100質量部に対して1.0質量部以上であるのが好ましく、2.0質量部以上であるのがより好ましく、4.0質量部以上であるのが更に好ましい。特に、得られるベーキング食品の膨らみが優れる点で、穀類粉末100質量部に対して上記成分の含有量が、7.5質量部以上であるのが好ましく、10質量部以上であるのが更に好ましい。
本発明のプレミックスは、冷凍生地用又は冷蔵生地用として用いることに、特に好適である。冷凍生地は、特に凍結及び解凍時に、氷結晶の成長や凍結変性により、グルテンの三次元構造が破壊され、焼成後の製品のボリュームダウンや腰折れ等の現象が起こることが知られている。このため、糖カルボン酸を配合することで、グルテンの構造変化に左右されること無く、縮みにくい製品に仕上げることができる。
プレミックス中の膨張剤の含有量は、特に限定されないが、ベーキング食品に優れた縮みにくさ、キメの細やかさを付与可能である点で、穀類粉末100質量部に対して1〜20質量部であるのが好ましく、1.5〜19質量部であるのがより好ましく、2.5〜18質量部であるのが更に好ましい。また、特にベーキング食品に優れた膨らみを付与可能な点で、8〜18質量部であるのが好ましい。
本発明のプレミックスを用いて製造した生地は、炭酸水素ナトリウムと、上記成分(重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分)とを併用することで、pHを中性に近づけやすく(例えば、ベーキング食品のpHを8以下に調製しやすい)、変色を抑制することができる。
本発明のプレミックスは、上記の他、従来の公知の成分を含んでもよく、含まなくてよいが、そのような公知の成分としては、乳成分(脱脂粉乳等)、糖質(砂糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、水飴、粉末水飴、デキストリン、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール、還元麦芽水飴等)、増粘剤(HMペクチン、LMペクチン、キサンタンガム、グァーガム、ローカストビーンガム、カラギナン、トラガントガム、アラビアガム、マクロホモプシスガム、寒天、ゼラチン、カードラン、グルコマンナン、アルギン酸、アルギン酸塩、微結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、大豆多糖類、プルラン)、油脂(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、生クリーム等の乳脂肪分、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、オリーブ油、サフラワー油、パーム油等)、乳化剤(グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸ナトリウム、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン等)、塩類(食塩等)、調味料(アミノ酸、核酸等)等が挙げられる。
<ベーキング食品>
本発明は、上記プレミックスが用いられたベーキング食品を包含する。
ベーキング食品は、特に限定されないが、例えば、ケーキ、蒸しケーキ、ホットケーキ、クッキー、プレッツェル、クラッカー、ウエハース、マフィン、和菓子、ドーナツ、スナック菓子、菓子パン、蒸しパン、食パン、調理パン等が挙げられる。
ベーキング食品は、上記のプレミックスを用いて、常法に従って製造することができる。例えば、まず、上記プレミックスに、水、卵成分(全卵、卵黄等)、乳成分(生乳、牛乳、バター、チーズ、濃縮ホエイ、ホイップクリーム等)等の任意の成分を、所望の方法で加える。この際、加える成分を全て同時に加えてもよく、あるいは、それぞれの成分を必要に応じて順次に加えてもよい。成分を加えた後、混捏工程によって生地を得る。この生地に対して、必要に応じて、発酵・熟成を行い、最終的に焼成、蒸し、フライ等の加熱処理を施すことによって、製造することができる。
<炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤>
本発明の炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤は、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分からなる。本明細書において、「膨張性」とは、ベーキング食品の製造における膨張時の縮みにくさ、キメの細やかさ、膨らみを意味する。
本発明に膨張性改善剤は、炭酸水素ナトリウムを用いてベーキング食品の製造する際に、ベーキング食品の縮み、キメの細やかさ、膨らみを改善することができる。
膨張性改善剤を構成する成分は、上記膨張剤に含まれる、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分と、同様のものを好適に用いることができる。
(調製例1 マルトビオン酸の調製)
30%マルトース溶液(サンエイ糖化株式会社製)1000mlに、5%パラジウム炭素(川研ファインケミカル株式会社製)を9g添加した。この溶液を40℃に保持した後、空気1.0L/min、回転数600rpmで反応を開始させた。反応pHを9.0に維持するように20%水酸化ナトリウム溶液を連続的に添加した。反応開始から6時間後、触媒を含む反応液を遠心分離と0.2μmのメンブレンフィルターとでろ過し、マルトビオン酸ナトリウム溶液を得た。この溶液を強酸性カチオン交換樹脂(ダウケミカル社製、商品名「DOWEX−88」)2Lをつめたカラムへ通液することで脱塩処理を行った。次に、弱塩基性アニオン交換樹脂(三菱化学社製、商品名「WA30」)200mlと強酸性カチオン交換樹脂(ダウケミカル社製、商品名「DOWEX−88」)200mlの混合樹脂をつめたカラム、次いで粒状活性炭(武田薬品工業製、粒状白鷺)200mlをつめたカラムに順次通液し脱色を行った後、減圧濃縮と凍結乾燥によりマルトビオン酸粉末285gを得た。
(調製例2 マルトース水飴酸化物の調製)
調製例1のマルトースの代わりに、マルトトリオース含量19質量%、マルトース含量57質量%、グルコース含量1質量%のマルトース水飴(サンエイ糖化社製)を用いた以外は、上記調製例1と同じ方法により、マルトビオン酸を主成分とするマルトース水飴酸化物粉末を得た。
(調製例3 マルトビオン酸カルシウムの調製)
調製例1で得たマルトビオン酸粉末30gをそれぞれ蒸留水100mlへ溶解後、炭酸カルシウムに対して2:1のモル重量比となるように攪拌しながら少しずつ添加した。反応終了後の溶液を0.2μmフィルターで濾過し、凍結乾燥することで、マルトビオン酸カルシウム粉末を得た。
(調製例4 マルトビオン酸マグネシウムの調製)
炭酸カルシウムの代わりに炭酸マグネシウムを用いた以外は、調製例3と同様の方法により、マルトビオン酸マグネシウム粉末を得た。
(調製例5 マルトース水飴酸化カルシウムの調製)
マルトビオン酸粉末の代わりに調製例2のマルトース水飴酸化物粉末を用いた以外は、調製例3と同様の方法により、マルトビオン酸カルシウムを主成分とするマルトース水飴酸化カルシウム粉末を得た。
(調製例6 マルトビオン酸ナトリウムの調製)
調製例1で得たマルトビオン酸粉末30gをそれぞれ蒸留水100mlへ溶解後、水酸化ナトリウムを1:1のモル重量比となるように攪拌しながら少しずつ添加した。反応終了後の溶液を0.2μmフィルターで濾過し、凍結乾燥することで、マルトビオン酸ナトリウム粉末を得た。
<炭酸水素ナトリウムとマルトース水飴酸化カルシウムとの組み合わせによる蒸しケーキへの影響>
(比較例1)
上白糖80gと全卵120gを比重が0.35g/ml程度となるようにハンドミキサーD−1089D(パール金属)で3分攪拌した。これに薄力粉100gと炭酸水素ナトリウム(重曹)0.5gをふるい入れ、ゴムヘラで粉気が無くなるまで切り混ぜた。その後、無塩の溶かしバター90gを加え油気が無くなるまで切り混ぜ、蒸しケーキ用生地を作製した。これを丸形のシリコンカップ(容積78ml)へ30gずつ分注し、蒸し器で10分間蒸した後、室温で1時間放冷して、比較例1に係る蒸しケーキを製造した。
(比較例2)
生地に対するカルシウム量が約150mg/100gとなるように、上白糖の一部を炭酸カルシウムに置き換えて配合した以外は、比較例1に係る蒸しケーキと同様の方法により、比較例2に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例1)
生地に対するカルシウム量が約150mg/100gとなるように、上白糖の一部を、調製例5で調製したマルトース水飴酸化カルシウムに置き換えて配合した以外は、比較例1に係る蒸しケーキと同様の方法により、実施例1に係る蒸しケーキを製造した。
(評価1)
室温で1時間放冷した後の、実施例1、比較例1及び2に係る蒸しケーキについて、変色の程度を評価した。表1に評価結果と、各蒸しケーキの配合、pHを示す。なお、以下の表において、「Ca」はカルシウム、「Mg」はマグネシウム、「Na」はナトリウムをそれぞれ指す。
評価の結果、無添加である比較例1に係る蒸しケーキ、炭酸カルシウムを配合した比較例2に係る蒸しケーキでは、生地のpHが8以上となり、蒸しケーキ全体が黒っぽく変色した。これに対し、マルトビオン酸カルシウムを配合した実施例1に係る蒸しケーキは、生地のpHが7程度と中性になり、変色が抑制され淡い黄色の蒸しケーキとなったことが確認された。この結果より、マルトビオン酸カルシウムと炭酸水素ナトリウムとを配合することで、酸性の膨張剤として、変色を抑制でき、良好に働くことが確認された。
<マルトビオン酸塩の蒸しケーキへ与える影響>
(比較例3)
比較例1で用いた炭酸水素ナトリウムをベーキングパウダーとし、蒸し時間を12分とした以外は、比較例1に係る蒸しケーキと同様の方法で、比較例3に係る蒸しケーキを製造した。比較例3に係る蒸しケーキの配合を、以下の表2に示す。
(実施例2)
薄力粉100質量部に対して10質量部の、調製例3のマルトビオン酸カルシウムを、表2の上白糖の一部と置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例2に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例3)
薄力粉100質量部に対して10質量部の、調製例4のマルトビオン酸マグネシウムを、表2の上白糖の一部と置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例3に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例4)
薄力粉100質量部に対して10質量部の、調製例6のマルトビオン酸ナトリウムを、表2の上白糖の一部と置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例4に係る蒸しケーキを製造した。
(評価2)
比較例3、実施例2〜4に係る蒸しケーキの評価は、「蒸し縮み」、「キメ」、「膨らみ」について画像処理により数値化することによって、評価した。
蒸しケーキを直径上より2等分すると、この断面は、淡い黄色のケーキに対し、蒸し縮みにより褐色となった部分と、気泡による影の3つの色調に分類される。このケーキ断面をスキャナー(HP Officejet 7500A、出力設定:イメージタイプ24bitカラー、解像度200dpi)を用いてJPEG形式で取り込み、画像解析ソフトImage Jを用いて、RGBスタックより青色を、HSBスタックより輝度のスライス画像を取得した。この画像の輝度強度130以上がケーキ断面全体を、輝度強度130〜170で気泡を、青色強度60〜130で気泡と蒸し縮みを選択することが出来る。これらの画素数を求め、以下の式で、蒸し縮みの割合、気泡の割合、比較例3に係る蒸しケーキに対する膨らみの変化率を算出した。なお、図1は、比較例3に係る蒸しケーキ断面をデジタルカメラで撮影し、二値化した画像であり、黒い部分が、蒸し縮みと気泡を示している。
蒸し縮み:断面積に占める蒸し縮みの割合(%)={(青強度60〜130の画素数)−(輝度130〜170)}÷(輝度130以上の画素数)×100
キメ:断面積に占める気泡の割合(%)=(輝度130〜170の画素数)÷{(輝度130以上の画素数)−(青強度60〜130の画素数)+(輝度130〜170)}×100・・・・断面積中の蒸し縮みを排除して計算
膨らみ:比較例3に係る蒸しケーキ断面積を100%とした時の変化率(%)=(輝度130以上の画素数)/(比較例3に係る蒸しケーキの輝度130以上の画素数)×100
蒸し縮み、キメ、膨らみについて、上記の式で算出した数値を以下の表3の評価基準に当てはめて、総合的に評価を行った。評価の結果を、表4に示す。また、比較例3、実施例2〜4に係る蒸しケーキの断面画像を、図2に示す。
評価の結果、図2、表4に示すように、無添加の比較例3に係る蒸しケーキは、蒸し縮み、キメの細かさ、膨らみの評価が低かったのに対し、実施例2に係る蒸しケーキ(マルトビオン酸カルシウムを配合)、実施例3に係る蒸しケーキ(マルトビオン酸マグネシウムを配合)、実施例4に係る蒸しケーキ(マルトビオン酸ナトリウムを配合)は、蒸し縮みが生じることなく、キメが細かく均一で膨らみの良好な蒸しケーキであった。これにより、炭酸水素ナトリウムと、マルトビオン酸カルシウム、マルトビオン酸マグネシウム又はマルトビオン酸ナトリウムとを配合することで、蒸し縮み、キメの細かさ、膨らみのバランスに優れた良好な蒸しケーキを得られることが確認された。
<蒸し時間の経時変化におけるマルトビオン酸カルシウムの蒸しケーキへ与える影響>
(比較例4)
カルシウム含有量8.9質量%のグルコン酸カルシウムを、生地に対し約150mg/100gのカルシウム量となるように、上白糖の一部を置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、比較例4に係る蒸しケーキを製造した。
(比較例5)
カルシウム含有量13質量%の乳酸カルシウムを、生地に対し約150mg/100gのカルシウム量となるように、上白糖の一部を置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、比較例5に係る蒸しケーキを製造した。
(比較例6)
カルシウム含有量40質量%の炭酸カルシウムを、生地に対し約150mg/100gのカルシウム量となるように、上白糖の一部を置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、比較例6に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例5)
調製例5のカルシウム含有量4.1質量%のマルトース水飴酸化カルシウムを、生地に対し約150mg/100gのカルシウム量となるように、上白糖の一部を置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例5に係る蒸しケーキを製造した。
(評価3)
蒸し時間の違いによる影響を観察するため、蒸し時間9分、10分、11分、12分毎に蒸し器より蒸しケーキを取り出して、評価2と同様の評価方法で、比較例3〜6、実施例5に係る蒸しケーキについて、蒸し縮み、キメを評価した。その評価結果を表5に示す。また、比較例3〜6、実施例5に係る蒸しケーキの各蒸し時間における、断面画像を図3に示す。
その結果、表5、図3に示すように、比較例3〜6に係る蒸しケーキで用いたカルシウム素材では、蒸し縮み、キメが粗い仕上がりになった。これに対し、マルトース水飴酸化カルシウムを配合した実施例5に係る蒸しケーキでは、蒸し時間の違いによる影響を受けることが無く、キメが細かく均一で、膨らみの良好な蒸しケーキとなった。
<マルトース水飴酸化カルシウムの配合量の違いの蒸しケーキへ与える影響>
(実施例6)
調製例5のマルトース水飴酸化カルシウムを、薄力粉100質量部に対して2.5質量部となるように上白糖の一部と置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例6に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例7)
調製例5のマルトース水飴酸化カルシウムを、薄力粉100質量部に対して5質量部となるように配合した以外は、実施例6に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例7に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例8)
調製例5のマルトース水飴酸化カルシウムを、薄力粉100質量部に対して10質量部となるように配合した以外は、実施例6に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例8に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例9)
調製例5のマルトース水飴酸化カルシウムを、薄力粉100質量部に対して15質量部となるように配合した以外は、実施例6に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例9に係る蒸しケーキを製造した。
(評価4)
評価2と同様の評価方法で、実施例6〜9に係る蒸しケーキについて、蒸し縮み、キメ、膨らみの評価を行った。比較例3、実施例6〜9に係る蒸しケーキについての評価結果を表6に示す。また、比較例3、実施例6〜9に係る蒸しケーキの断面画像を図4に示す。
その結果、表6、図4に示すように、マルトース水飴酸化カルシウムを薄力粉100質量部に対して2.5質量部以上添加した実施例6〜9に係る蒸しケーキでは、蒸し縮みが生じることなく、キメが細かい蒸しケーキとなることが確認された。また、マルトース水飴酸化カルシウムを薄力粉100質量部に対して10質量部以上添加した実施例8、9に係る蒸しケーキでは、膨らみの評価が、特に優れることが確認された。
<マルトース水飴酸化物と他のカルシウム素材との併用が蒸しケーキに与える影響>
(実施例10)
調製例2のマルトース水飴酸化物2gと、生地に対して約150mg/100gのカルシウム量となる量の炭酸カルシウムとを、上白糖の一部と置き換えて配合した以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例10に係る蒸しケーキを製造した。なお、マルトース水飴酸化物は全卵及び上白糖を目標の比重まで泡立てた後に添加した。
(実施例11)
調製例2のマルトース水飴酸化物2gに代えて、調製例2のマルトース水飴酸化物4gを用いた以外は、実施例10に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例11に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例12)
炭酸カルシウムに代えて、マルトース水飴酸化カルシウムを用いた以外は、実施例10に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例12に係る蒸しケーキを製造した。
(評価5)
評価2と同様の評価方法で、実施例10〜12に係る蒸しケーキについて、蒸し縮み、キメ、膨らみの評価を行った。比較例3、比較例6、実施例10〜12に係る蒸しケーキについての評価結果を表7に示す。
その結果、表7示すとおり、マルトース水飴酸化物と炭酸カルシウムとを併用しても、蒸し縮み、キメの細かさ、膨らみのバランスに優れた蒸しケーキを得られたことが確認された。また、マルトース水飴酸化物とマルトース水飴酸化カルシウムとを併用しても、蒸し縮み、キメの細かさ、膨らみのバランスに優れた蒸しケーキを得られたことが確認された。
<グルテンフリー条件下でのマルトース水飴酸化物カルシウム添加の蒸しケーキに与える影響>
(比較例7)
薄力粉を小麦澱粉とした以外は、比較例3に係る蒸しケーキと同様の方法で、比較例7に係る蒸しケーキを製造した。
(比較例8)
炭酸カルシウムを、生地に対して約100mg/100gのカルシウム量となるように、上白糖の一部を置き換えて配合した以外は、比較例7に係る蒸しケーキと同様の方法で、比較例8に係る蒸しケーキを製造した。
(実施例13)
調製例5のマルトース水飴酸化カルシウムを、生地に対して約100mg/100gのカルシウム量となるように、上白糖の一部を置き換えて配合した以外は、比較例7に係る蒸しケーキと同様の方法で、実施例13に係る蒸しケーキを製造した。
(評価6)
評価2と同様の評価方法で、比較例7、比較例8、実施例13に係る蒸しケーキについて、蒸し縮み、キメ、膨らみの評価を行った。その評価結果を表6に示す。また、比較例7、比較例8、実施例13に係る蒸しケーキの断面画像を図4に示す。
その結果、比較例7(無添加)、比較例8(炭酸カルシウムを配合)に係る蒸しケーキは、蒸し縮みの評価が悪く、ネチョネチョした蒸しケーキとなり、キメの細かさ、膨らみの評価もよくなかった。これに対し、マルトース水飴酸化カルシウムを配合した実施例13に係る蒸しケーキは、グルテンフリーの小麦澱粉を用いたにも関わらず、蒸し縮みが生じることなく、キメが細かく、膨らみが良好であり、更に、口どけのよい蒸しケーキとなったことが確認された。これにより、マルトース水飴酸化カルシウムと、炭酸水素ナトリウムとを併用することで、グルテンフリーの穀類粉末を使用しても、蒸し縮み、キメの細かさ、膨らみに優れ、口溶けの良好な蒸しケーキを得られることが示された。

Claims (11)

  1. 炭酸水素ナトリウムと、重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分と、を含む、ベーキング食品用膨張剤。
  2. 前記糖カルボン酸が、マルトビオン酸、イソマルトビオン酸、マルトトリオン酸、イソマルトトリオン酸、マルトテトラオン酸、マルトヘキサオン酸、及びパノース酸化物からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む、請求項1に記載の膨張剤。
  3. 前記糖カルボン酸が、マルトオリゴ糖酸化物、分岐オリゴ糖酸化物、水飴酸化物、粉飴酸化物又はデキストリン酸化物の形態で含まれる、請求項1又は2記載の膨張剤。
  4. 前記塩類が、カルシウム塩、マグネシウム塩及びナトリウム塩からなる群から選択される少なくとも1つ以上を含む、請求項1から3いずれかに記載の膨張剤。
  5. 前記炭酸水素ナトリウムと、前記成分との質量比が1:2〜1:40である、請求項1から4のいずれかに記載の膨張剤。
  6. 穀類粉末と、請求項1から5のいずれかに記載の膨張剤とを含む、ベーキング食品用プレミックス。
  7. 前記穀類粉末が小麦澱粉である、請求項6に記載のプレミックス。
  8. 前記成分の含有量が、前記穀類粉末100質量部に対して2.5質量部以上である、請求項6又は7に記載のプレミックス。
  9. 冷凍生地用又は冷蔵生地用である、請求項6から8のいずれかに記載のプレミックス。
  10. 請求項6から9のいずれかに記載のプレミックスが用いられたベーキング食品。
  11. 重合度2以上の澱粉分解物又は転移反応物の還元末端側のアルデヒド基が酸化された糖カルボン酸、その塩類及びそのラクトンからなる群から選択される少なくとも1つ以上からなる成分からなる、炭酸水素ナトリウム用膨張性改善剤。
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