JP2016032454A - 圃園管理装置における作業支障回避構造 - Google Patents
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Abstract
Description
この種の被覆栽培に用いられる被覆資材は、通常、畝の形成状況、即ち仕立状態にならって細長状に形成されるものであり、具体的なサイズとしては、展開状態で幅約2m、長さ約50mほどの一定幅を有した長尺シート状である。また、茶畝に被せる前の被覆資材の荷姿としてはロール状に巻回された状態となっている。
ところでこれら作業の中では、更なる作業の円滑さ、行い易さが求められている。
特に茶園では茶畝と茶畝との間隔が狭い場合が多く、その場合、被覆資材巻取作業時の管理作業を行うにあたり、圃園管理装置の走行体が茶畝と接触状態となることが避けられない。
その結果、管理装置の一部と茶樹との引っ掛かり干渉が生じ、茶樹にダメージを与えてしまう。もとよりこの引っ掛かり干渉が茶樹の裾部との間でのみ生じていれば、そのダメージは許容できる範囲に留まるが、茶畝に被覆資材が施されている場合には、茶樹裾部のみのダメージに留まらず、被覆資材をも巻き込んでしまう事態も生じかねない。このような事態となると被覆資材そのものの破損は元よりであるが、被覆資材が引きづられることによって広い範囲に亘り茶畝を損傷させてしまう。特に被覆資材を巻き取る時期と言うのは、被覆資材の下で摘採できる程度に新芽が成長している時期であり、それらの収穫対象が損傷することは、営農者にとって極めて大きな損失を意味する。
前記走行機体は、畝を跨いで走行できるように正面視で門型のフレームを具え、その脚部フレームの下端に接地移動する走行体を設けているものであり、
この脚部フレームの周囲を覆うように外面を平滑な状態としたスキッド部材が設けられていることを特徴として成るものである。
更にまた、以上述べたように被覆対象Tとして種々想定されることから、被覆資材Sとしても茶園で一般的に用いられる寒冷紗に限定されるものではなく、化学繊維シートや不織布シート或いはマルチングシートなどでもよく、更には藁や竹などを長尺シート状に編み込んだものでも適用可能である。
以下、圃園管理装置1を構成する走行機体2と被覆資材処理ユニット3とについて説明する。
また、脚部フレーム21Aの下端には一例としてクローラを適用した走行体22を設ける。もちろん、この走行体22は、このようなクローラに限らず、畝地を過剰に押し付けないような空気タイヤ、或いは双方を適用した形態(例えば前側に空気タイヤ、後側にクローラを適用した形態)等が適宜採り得る。
具体的には、フレーム21の前端部に左右一対の昇降ガイドブラケット27Aと昇降受けローラ27Bとから成る昇降案内部材27を設け、これに左右一対の昇降アダプタ28を支持させる。なお左右それぞれの昇降アダプタ28は、各別に昇降位置を変えることができる。昇降アダプタ28の具体的構成は、上下に長杆状に延び、前記昇降案内部材27に直接支持される昇降ポスト28Aとその下方において前方に伸びるアダプタロッド28Bとにより構成される。なお昇降シフトのための機構は、従来公知の機構を採用するものであり、一例として昇降ポスト28Aの下端に接続したシフトケーブルをシリンダ等により、引き上げる等の手法を採る。
まずスキッド部材29の第一の実施例としては、カバーシート291が適用される。このカバーシート291は、例えば透明な樹脂シート等を適用するものであり、全体として柔軟な部材であるが、一定のコシ強さを有するものであり、厚さ3.0mm程度の透明ビニールシートが適用しても良い。要は、カバーシート291は、茶畝Tの茶畝裾部の尖った茎等と触れた場合であっても茎の先端部が突き刺さってしまうことがない程度に表面の硬さを有するとともにこれを弾性的に押し返し、円滑な摺擦状態が得られるものであればよい。
このものは、例えば脚部フレーム21Aの側面全体を覆うような形態とした長さとしてもよいし、適宜の寸法に分断してもよい。もちろんカバーシート291の高さ方向の寸法は、茶畝Tの高さを考慮し、茶樹裾部や、茶畝上面、側面に亘って張設することのある被覆資材Sとの接触が予想される範囲より高い寸法とする。
またカバーシート291の側面視形状は、走行機体2における側面形状等に合わせ、適宜選択されるものであり、例えば図1に示す実施例および図7に示す実施例においても異なる形状を図示している。何れにせよカバーシート291の適宜の位置にフック受け孔291aを複数設け、これを例えば脚部フレーム21Aや連結フレーム21Bにおけるフック状のスキッド固定部210に嵌め込むようにして固定する。もちろん図7に示すようにフックストラップ291bを用いてスキッド部材29の一例であるカバーシート291を脚部フレーム21Aの周辺に設けるようしてもよい。
またカバーシート291を分断して全体として脚部フレーム21Aを覆う場合、当然ながら、その合せ目については、進行方向のカバーシート291の端部が後続のカバーシート291の端部を外側から覆うように重ねられ、円滑な作業支障回避が達成できるようにする。もちろんこの場合合せ目で僅かな(例えば3mm程度)の段差が生ずるが、全体としてみた場合、外面は充分平滑な状態が保たれている。
なおいずれにしても、これらの固定ピン自体が引っ掛かり干渉の原因とならないようハードカウル292は、固定ピンの受入部210Aにおいて、図8に示すように凹陥状態に形成されることが好ましい。
また、本実施例では、上述したように走行機体2に被覆資材処理ユニット3を取り付ける形態であることから、被覆資材処理ユニット3の詳細な説明に先立ち、まずこの取付構造から説明する。
被覆資材処理ユニット3は、走行機体2に対し昇降動自在に設けられるものであり、図2、図3等に示すように前記アダプタロッド28Bに被覆資材処理ユニット3を挿し込むようにして取り付ける。この際、前述のように左右のアダプタロッド28Bを独立的に高さ設定して、被覆資材処理ユニット3を左右方向に傾けて走行機体2に搭載することもできる。このように傾けた搭載手法は、傾斜地の茶畝Tにおいて作業する場合等に有効である。
なお以下に示す実施例では、このような傾斜搭載を許容しないタイプのものについて説明する。
まず被覆資材処理ユニット3は、一例として茶園管理機の走行機体2に対して、いわゆるアタッチメントの一つとして用意されるものであり、図3に示すようにフレーム部材として基部フレーム3A、中間横行フレーム3B、案内作用フレーム3Cを具え、これらを上下に重ね合わせて組み合わせるような構成を採る。なおこのようなフレームの作用をする部材が分断構成されているのは、茶畝Tの状況等に応じて被覆資材処理ユニット3を適切な位置に設定できるようにするためである。従って茶畝Tの状況から被覆資材処理ユニット3を一定姿勢のまま作業できる環境にある場合、このようなフレームの作用をする部材の構成を採る必要はない。
そしてこのロッド受けスリーブ31は、この実施例では、左右一対のものが固定設置されており、傾斜設定を行わない構造を採る。しかし傾斜設定できるようアダプタロッド28Bの高さを左右変更した場合には、それに対応できるように左右のロッド受けスリーブ31は、両者の幅間隔を可変とする。
更に基部フレーム3Aは、これに支持される中間横行フレーム3Bを左右に横行させるための駆動部材である横行シフトモータ32を搭載するものであって、前記固定側ロッド受けスリーブ31近くに横行シフトモータ32を搭載し、その出力軸に捲回させた中継チェーン322を介してネジシャフト33の回転駆動を行う。
一方基部枠30は、中間横行フレーム3Bを支持する横行支持レール板34を4枚具える。
この案内作用フレーム3Cは、平面視で横方向に細長い案内枠36を主要なフレーム機能を奏する部材とし、更にロール支持枠37、ガイド支持ポスト38、延長枠39を含んで構成されている。
まずこの案内枠36は、ロール支持枠37を左右に立ち上げ状態に設けるとともに、その前方に左右一対のガイド支持ポスト38を設け、ガイド支持ポスト38の前方にはほぼ水平に伸びるような延長枠39を具える。これらの部材により以下述べる巻取軸装置4と被覆資材ガイド装置5とを支持する。まず案内枠36におけるロール支持枠37は、支柱状の駆動側の駆動側ロール支持ポスト370と、その反対側の側面に設けられる門型の取出側ロール支持枠371とを具える。この取出側ロール支持枠371は、開閉枠372を実質的な部材とするものであり、このものは、側面視で門型に形成した部材であって、側傍部に立つヒンジ支柱373に対してヒンジ374を介して開閉自在に形成されている。
そして、開閉枠372の上面と、前記駆動側ロール支持ポスト370の上端において後述する巻取軸装置4の巻取軸40を軸受部材を介して支持している。
またヒンジ支柱373の上端と開閉枠372の上面とには、その間に掛け渡されるように開閉維持スプリング378が設けられるものであって、前記ヒンジ374を中心にして、開閉枠372が閉鎖した状態、および開放されている状態、それぞれのポジションを弾性的に維持できるようにしている。
被覆資材処理ユニット3におけるフレーム部材の構成は、以上述べたものであり、次に巻取軸装置4について説明する。
まず巻取軸40は、図4、図6に示すように本体軸41と切離軸42とが分離自在に組み合わされて構成されており、巻取軸40は、巻取作業状態において左右にフランジ43を具える。具体的には巻取軸40は、本体軸41の一端に固定される固定フランジ43Aと、その反対側の切離軸42に設けられた開閉フランジ43Bとを具える。
前記本体軸41は、その内部に係止ピンユニット410を適宜の数具えるものであり、このものによって、巻取軸40によって巻き取る被覆資材Sの巻取開始端を掛け止める。この係止ピンユニット410は、図6(b)に拡大して示すようにほぼ円柱状の支持ピース411に対し、スリット状の空間を設け、ここに係止ピン本体412を回動軸412aにおいて回動自在に支持する。係止ピン本体412の下端にはセットスプリング413を作用させ、図に示すように係止ピン本体412が常時突出するような状態としている。なおこの突出状態は、ストッパ414によってほぼ直立した状態に支持されている。
このような構成から理解できるように、前記係止ピンユニット410における係止ピン本体412は、ストッパ414側からその上端が押圧されたときに、セットスプリング413に抗して倒伏し、本体軸41の周辺から軸内側に退去するような構成となっている。なお符号415は、前記係止ピンユニット410における支持ピース411に形成された固定メネジ415であり、この部分を利用して本体軸41内に挿入された係止ピンユニット410の支持ピース411を本体軸41の外側からネジ固定できるようにしている。
まず本体軸受ユニット44は、図6に示すように巻取軸40における本体軸41側を基端において支持する。即ち本体軸受ユニット44は、本体軸受440を主要部材とするものであり、前記本体軸41をピローブロック状に支持する。この本体軸受440は、前記案内作用フレーム3Cにおける駆動側ロール支持ポスト370に対し支持される水平回動基板441と、これに支持される上下揺動ブラケット442とにより支持されているものであり、結果的に本体軸受440は本体軸41を三次元方向に幾分か偏向できるような支持形態を採る。
まず水平回動基板441は、駆動側ロール支持ポスト370の上面に突出形成された回動支点441aを中心に、水平方向に首振り状に回動できるように支持される。一方、この水平回動基板441は、その左右に翼板状に立ち上がった揺動支持部441bにおいて前記上下揺動ブラケット442をピン支持するものであり、この構成により上下揺動ブラケット442は、水平回動基板441に対して上下に揺動するような動きをとる。この結果本体軸受ユニット44は、フレーム部材となる駆動側ロール支持ポスト370に対して三次元方向に幾分か自在に偏向するような動きができるように構成されており、これは本体軸41を切離軸42とが切り離されて本体軸41の自由端が下がったときに対応するものである(図5(b)参照)。前記上下揺動ブラケット442は、前記本体軸受440を支持するとともに更に側方に張り出す位置にモータ支持板443を設け、これによって駆動モータ45を支持する。
この駆動モータ45は、適宜の継手46を介して前記本体軸41の端部と接続され、その駆動を行う。
この切離軸受470は、スライドブラケット471に取り付けられる。このスライドブラケット471の基板部472には、引き出し長孔473が巻取軸40の軸方向に並行して一対設けられている。この引き出し長孔473に対しては、前記案内枠36における開閉枠372に対し突出状態に取り付けられるガイドピン372aがゆるく嵌り込み、その上部のフランジ部位において、引き出し長孔473の上面を覆うように構成されている。この構成により前記切離軸受ユニット47を全体として巻取軸40の軸方向に沿って移動し得るように構成されている。
そして、前記開閉枠372には、ガイドピン372aの近傍にロックメネジ372bが形成され、そのロックメネジ372bに対し、クランプボルト475が捻じ込まれる。このクランプボルト475は、その上端部に操作用のグリップ475aを具えるとともに、スペーサ475bが設けられ、その端部が基板部472における引き出し長孔473の脇縁部を押さえ込むように作用する。これにより切離軸受ユニット47は、取出側ロール支持枠371の開閉枠372に対し、位置決め固定される。そして前記切離軸受470は、基板部472から立ち上がり形成された軸受取付部476に対し固定される。この軸受取付部476に対向して、側方手前側に幾分か基板部472を立ち上げて形成させ、前記切離軸受470を摺動移動させるための手掛りとなる操作部477とする。
この被覆資材ガイド装置5は、図2、図3、図4、図5、図9に示すように被覆資材Sが巻き取られる方向を基準として、巻き取られる前側を前段ないしは前方とし、巻き取られてゆく側を後段ないしは後方とすると、巻取軸40の前段に設けられる。この被覆資材ガイド装置5は、受入ガイド体51、中間ガイド体52、巻取ガイド体53を主要部材とするものであり、更に回動ブラケット54によって中間ガイド体52と巻取ガイド体53とが支持され、全体として設置姿勢を反転状態とすることができるように構成されている。
まず受入ガイド体51について説明すると、このものは、前記延長枠39の先端部393に取り付けられるものであって、パイプ状部材が湾曲して形成され、その湾曲方向は平面視で、中心部が後方に向って湾曲するような構成を採る。この構成は、受入ガイド体51によって、掬い上げられる被覆資材Sが中心寄りに集中する傾向を付与するものであって、向芯案内構造511とする。
因みに向芯案内構造511自体は、このように湾曲させるほか、鼓状のローラを適用するなど、適宜の手法で被覆資材Sを中心に案内されるような構成を採ることができるものであって、このようなバリエーションについては、本出願人の一方が開発し、特許出願に及んでいる特願2013−102668号に開示しているものが適用できる。なお受入ガイド体51は、前記延長枠39の先端部393には、折り畳みリンク部392により折り畳めるように構成することにより、このもの自体を上方に跳ね上げ状態に折り畳めるようにして、圃園管理装置1をトラック等に積載して運搬する際の支障にならないように構成されている。
この中間ガイド体52は、ガイド面を直管状とした回転自在のローラ状のものであり、前述のとおり側面視で、受入ガイド体51に対し、被覆資材Sの送り方向に見て後方に設けられている。
更に中間ガイド体52の後段に巻取ガイド体53が設けられる。なおこの後段の意味は、被覆資材Sの送り方向に見て、次工程になるという意味であって位置的に後方という意味ではない。実際に位置的に見ると、被覆資材Sを巻き取っている巻取作業状態では、巻取ガイド体53は、側面視では中間ガイド体52より前方、やや上方に位置している。この巻取ガイド体53は、円管状部材が湾曲形成されているものであり、湾曲した中央部は、前方に向って張り出すような形状を採る。このような形状は、ここに案内されてくる被覆資材Sが中心から外側に広がるように案内されるための構成であり、これを展開案内構造531とする。この展開案内構造531は、受入ガイド体51における向芯案内構造511と同様に、例えば中膨らみの太鼓型のローラ形状を選択することもできる。なお巻取ガイド体53については、巻取軸40とほぼ平行するような補強バー532が設けられている。このような補強バー532と対になった巻取ガイド体53は、それらを端部接続板533により一体とされる。
そして端部接続板533は、回動ブラケット54に対して一体となるよう接続される。
そして回動ブラケット54の巻取作業状態における下方には、中間ガイド体52が支持されるものであり、一例として中間ガイド体52は、中間ガイド軸受542によって回転自在に支持されている。
なお回動ブラケット54の下方から前方に伸びるハンドル状部材は、操作レバー543であって、後述するように回動ブラケット54を回動させるための手掛りとする。
図2、図9に示すように回動ブラケット54における操作レバー543を操作することにより、これら中間ガイド体52と巻取ガイド体53の巻取作業状態から設定が切り替わり「巻取準備状態」となる。即ち図5(c)、図9に示すように時計方向に回動ブラケット54が回動すると、前記中間ガイド体52が上方に位置するように回動し、一方巻取ガイド体53は、上方から下方に回転して行くような位置設定となる。
このとき前記上方に位置する状態となった中間ガイド体52と、下方に位置する状態となった巻取ガイド体53との間に、被覆資材Sが通され、更に被覆資材Sの先端が巻取軸装置4側に捕捉されたときには、被覆資材Sそのものの通過経路は直線状に設定され、前記被覆資材Sの巻取軸40への巻き付け操作が極めて行い易い。
一方この状態から、回動ブラケット54を回動させると、前記中間ガイド体52が上方の位置から下方の位置に位置変換し、一方巻取ガイド体53が下方の位置から上方の位置に戻るように移動する。その結果、側面視で被覆資材Sは、受入ガイド体51と中間ガイド体52と巻取ガイド体53、更には巻取軸装置4に向ってジグザグ状の巻取作業状態での案内軌道が設定される。
(i)被覆資材Sの状況
まず作業対象となる畝の一例である茶畝Tに寒冷紗等の被覆資材Sが設けられている状況について説明する。
この状況は、図1、図10に示すように茶畝Tの上面からその側面まで覆うような寒冷紗が適用されるものであり、特にこの被覆資材Sを茶畝Tから巻き取る場合に茶畝Tの裾部に垂れ下がるように配設される部位が存在することから、その巻取作業が難しいという問題がある。
そして作業に先立ち、圃園管理装置1に対し、次のような準備がなされる。
(ii-A)スキッド部材29の装着
先に述べたように圃園管理装置1における走行機体2の脚部フレーム21Aおよびその近くの補機類などと茶畝Tの樹枝、そこに被されている被覆資材Sとの干渉が作業支障となることから、これを回避するためにスキッド部材29を装着する。スキッド部材29が柔軟でかつ一定のコシを有するカバーシート291の場合、そこに設けられたフック受け孔291aを走行機体2におけるスキッド固定部210に係止させて、ほぼ吊り下げ状態になるように取り付けたり、図7に示すようにフックストラップ291bを用いて吊り下げるように取り付ける。これによりカバーシート291は、脚部フレーム21Aの周辺に巻き付けられた状態で取り付けられる。
なおスキッド部材29が、ハードカウル292の場合は、これらは最中合せ状に脚部フレーム21Aを囲むようにして取り付けられるものであり、一対のハードカウル292を合せながら固定ピン293でスキッド固定部210等を利用して固定する。
被覆資材処理ユニット3は、ほぼ組立状態でその基部フレーム3Aにおけるロッド受けスリーブ31を走行機体2におけるアダプタロッド28Bに挿し込むようにして取り付ける。実際の作業としては、省力化等のために、被覆資材処理ユニット3の全体を可動スタンド等に支持させ、その位置に合せて圃園管理装置1を走行させて、且つ昇降アダプタ28におけるアダプタロッド28Bの高さを設定してそこに挿し込むような形態をとる。なおこの固定にあたっては、常法に従い、適宜のロックピン等によりその差込状態を維持する。
また被覆資材処理ユニット3における被覆資材ガイド装置5の受入ガイド体51については、運搬時等には、案内枠36における延長枠39の中間の折り畳みリンク部392を折り畳んで、その先端部393を上方に向けているが、その先端部393を下方に向けるような状態として、受入ガイド体51が前方に向うような位置設定とする。
(iii-A)巻取準備状態への設定
被覆資材Sの巻き取りにあたって巻取開始の準備は、従来は常に巻取作業状態にあった受入ガイド体51、中間ガイド体52、巻取ガイド体53との間にジグザグ状に被覆資材Sを通過させ、その後その先端を巻取軸装置4における巻取軸40に固定するという、極めて面倒な作業が行われていた。
本実施例にあっては、巻取準備の際に中間ガイド体52と巻取ガイド体53とを巻取準備状態とすることにより、このようなジグザグ状に被覆資材Sを通すような作業をする必要がなくなったものである。即ち巻取準備状態は、巻取作業状態に対し、図9に示すように操作レバー543の操作により回動ブラケット54を、図中、時計方向に約150°程度回動させ、中間ガイド体52と巻取ガイド体53との天地方向の設定を反転させる。その後上方に位置した中間ガイド体52と、下方に位置した巻取ガイド体53との間に、被覆資材Sを通過させ、その先端を巻取軸装置4の巻取軸40に固定する。なお巻取軸40への被覆資材Sの設定は、巻取軸40においては常に係止ピン本体412が突き出した状態となっているので、比較的網目が粗い寒冷紗等の網目をこれに係止させ、本体軸41を何回転かさせて、これに被覆資材Sの先端を適宜寸法巻きつけて、巻取開始状態としておく。
この状態に設定した後、回動ブラケット54を再度操作して、操作レバー543を図9中、反時計方向に回動させ、上方に位置した中間ガイド体52が被覆資材Sの上方からこれを下方に押し込むようにする一方、下方に位置した巻取ガイド体53は、下面から被覆資材Sを掬い上げるようにして更に中間ガイド体52の前方上方に案内する。この結果、側面視で被覆資材Sは、受入ガイド体51、中間ガイド体52、巻取ガイド体53、巻取軸40との間にジグザグ状に案内されるようになる。この状態が「巻取作業状態」である。
このような状態で圃園管理装置1を前進させるとともに、巻取軸装置4の巻取軸40を駆動してそこに被覆資材Sを巻き取っていく。
(iv-A)受入ガイド体51の向芯案内構造511(図10(a)〜(c))
先に述べたように被覆資材Sが特に茶畝Tの裾部までも覆うように設けられているから、この部位が円滑な巻き取りに支障となっている。まず受入ガイド体51が良好に作用する第一の要点は、受入ガイド体51が被覆資材Sを掬い上げるようにして下から案内することである。
そして受入ガイド体51は、更にその中央部位が進行方向に向って、平面視で後方に湾曲した形状となっており、この形状即ち向芯案内構造511が、巻き取られる被覆資材Sを中心に寄せるような作用をしている。
このような状態で、中間ガイド体52に至る被覆資材Sは、中間ガイド体52が一例として回転自在であることも助けとなって、このものと摺擦せずに円滑に巻き取られる向きを前方に切り換えられるように案内される。もちろん前方に案内する実質的な作用は、巻取ガイド体53が中間ガイド体52より、前方上方に配置されているからである。
巻取ガイド体53に至った被覆資材Sは、巻取ガイド体53が展開案内構造531を有しているから、平面視で前方に向う湾曲形状に案内されて、横に拡がるような状態となり、全幅に亘って、充分に拡げられた状態を現出させる。
このような状態で巻取軸装置4における巻取軸40は駆動されながら、そこに被覆資材Sを巻き取って行き、巻取ロールSRの状態とする。
この際巻取軸40には、フランジ43が設けられているから、これによって円滑な被覆資材Sの側端縁の案内がされる。
このような作業において、前記圃園管理装置1における脚部フレーム21Aは、茶畝Tと接触することは、避けられない。このとき、本発明に係るスキッド部材29の存在により、脚部フレーム21A等が茶樹裾部等に直接接触せずにスキッド部材29が茶畝Tや、それに被された被覆資材Sに対して、円滑に摺接するような状態となる。この結果従来生じていた脚部フレーム21Aまたはその周辺機材と茶畝Tや被覆資材S等との引っ掛かり干渉を完全に防止することができる。
なおこのとき被覆資材Sについて着目すると、既に述べたように被覆資材Sの巻き取りに関与する受入ガイド体51が有する向芯案内構造511、および巻取ガイド体53が有する横展開案内構造の作用により、被覆資材Sは茶畝Tに対し、片寄った状態で巻き取られことがない。
このことは茶畝Tの間を移動している圃園管理装置1の脚部フレーム21Aに対して、被覆資材Sが常に一定の位置にあることを意味している。この結果、被覆資材Sは、スキッド部材29に接する位置から外れることがなく、円滑な巻き取りを受けることとなる。因みに被覆資材Sが巻き取られているときに、このものが茶畝Tに対し、一方に極端に片寄ると、片寄った側では、被覆資材Sがスキッド部材29より更に下方の位置してしまい、脚部フレーム21Aの下方のクローラ走行体に巻き込まれてしまうという状態も予想されない訳ではない。
このような作業を完了すると、巻取軸40から巻取ロールSRを取り外す作業が行われる。
この作業にあたって、本実施例では巻取軸装置4における巻取軸40を本体軸41と切離軸42とに分離自在とし、切離軸42側は、例えば開閉枠372により扉状に開放され、設置位置から退去できるように構成されており、その作業が行い易いのである。
以下、これらの作業について説明する。
まず巻取軸40に対して、被覆資材Sが固定されているのは、本体軸41における係止ピン本体412に対し、被覆資材Sが係止していることによる。
そして、ここに巻き付けられている被覆資材Sは、巻取動作時に生じるテンションによりある程度強固に係止ピン本体412が突き刺さった状態となっている。
このため、まず開閉フランジ43Bを手掛りに手作業により回転させて、巻取軸40を巻取方向と逆の方向回転をさせる。これにより前記巻取ロールSRとなった被覆資材Sは、その中心部において本体軸41における係止ピン本体412との強固な喰い込みが解除される。
このような作業に続いて、巻取軸40を構成している切離軸42を本体軸41から切り離す操作を行う。この操作は、図5(b)に示すように切離軸受ユニット47におけるスライドブラケット471を外側にずらす操作であって、具体的にはスライドブラケット471におけるクランプボルト475を操作して、これにより基板部472の開閉枠372に対する固定状態を解除する。この操作は、クランプボルト475がその上端に操作用のグリップ475aを具えていることから、工具を要することなく行いうる。
もちろんこのようなクランプボルト475によるスライドブラケット471の固定ないしは解除の構造ではなく、その目的が達成できる範囲でのクイックレリーズ、クイックスナップと称されるロック部材でその操作を行ってももとより差し支えない。
なお再度巻取軸40における本体軸41と切離軸42とを設定するにあたっては、切離軸42に設けられた回り止め突起42aと本体軸41における回り止め切欠416とを合せて組み付けることとなる。
このような状態で本体軸41の自由端側から被覆資材Sを抜き取るが、実際には切離軸42がその位置に存在したのでは、それらを避けて充分本体軸41の自由端を上方に向けた状態で抜き取らなくてはならず、作業性は悪い。このため本装置にあっては、このような切離軸42の切り離しが完了した後、それらを全体としてその位置から更に退去させて本体軸41に残った巻取ロールSRの抜き取りを容易にしているものである。
即ち、図4(d)に示すように案内枠36のロックピン375を解除操作して開閉枠372がヒンジ支柱373に対して扉状に開放されるような状態とする。このように側方に開放させるような状態とすれば、開閉枠372に支持された切離軸受ユニット47は全体としてその位置から退去する。その結果、切離軸受ユニット47および開閉枠372が設けられた部位が充分に大きく開放され、本体軸41をほぼその位置のまま、本体軸41から巻取ロールSRを引き抜くことができる。
因みに開閉枠372の開放状態は、このような開き扉状ではなくともよい。実質的に定常位置から退去できればよいものであって、下端縁をヒンジとして上縁部を手前側に倒し込む形態や、引き戸状態にスライドして退去する形態等であってもよい。なお係止ピンユニット410おける係止ピン本体412は、その回動方向が巻取ロールSRの抜き取り方向には倒伏しうるように構成されているから、この巻取ロールSRの引き抜きにはあたっては、図4(d)に一部拡大して示すように係止ピンが巻取ロールSRの芯部に押さえ込まれる状態で倒伏し、その抜き取りが容易に行い得る。
このような作業のち、まず巻取軸装置4にあっては、開閉枠372を再度閉鎖することにより、切離軸42を元の閉鎖位置に戻した後、切離軸42を本体軸41の自由端側に嵌め込むようにする。その操作は、前記切離軸受ユニット47のスライドブラケット471ごと、本体軸41に向うように押し込むような操作をし、クランプボルト475によりその押し込み状態を維持する。開閉枠372全体としても、ロックピン375の操作により、開閉状態を維持する。
一方、被覆資材ガイド装置5にあっては、回動ブラケット54を操作して、巻取作業状態から再度これを戻すようにして、中間ガイド体52と巻取ガイド体53との位置設定が反転したような巻取準備状態とする。
本発明は以上述べた実施の形態を一つの基本的な技術思想とするものであるが、更に次のような改変が考えられる。
本発明は、主として茶園を対象として説明したが、先にも触れたように他の圃園において用いることももとより差し支えない。例えばマルチングシートの取り扱いにも応用し得るものである。
SR 巻取ロール
T 茶畝(被覆対象)
1 圃園管理装置
2 走行機体
3 被覆資材処理ユニット
4 巻取軸装置
5 資材ガイド装置
21 フレーム
210 スキッド固定部
210A 受入部
21A 脚部フレーム
21B 連結フレーム
21C 昇降ブラケット
22 走行体
23 操縦者用シート
24 操縦桿
25 コントロールボックス
29 スキッド部材
291 カバーシート
291a フック受け孔
291b フックストラップ
292 ハードカウル
293 固定ピン
3A 基部フレーム
40 巻取軸
41 本体軸
51 受入ガイド体
511 向芯案内構造
52 中間ガイド体
53 巻取ガイド体
531 展開案内構造
Claims (5)
- 走行機体と、管理装置ユニットとを具え、圃園における畝に沿って移動しながら、適宜の管理作業を行う装置に適用される作業支障回避構造であって、前記走行機体は、畝を跨いで走行できるように正面視で門型のフレームを具え、その脚部フレームの下端に接地移動する走行体を設けているものであり、この脚部フレームの周囲を覆うように外面を平滑な状態としたスキッド部材が設けられていることを特徴とする圃園管理装置における作業支障回避構造。
- 前記スキッド部材は、柔軟で且つ一定のコシ強さを有するカバーシートで構成されていることを特徴とする前記請求項1記載の圃園管理装置における作業支障回避構造。
- 前記スキッド部材は、一定の保形性を有するハードカウルで構成されていることを特徴とする前記請求項1記載の圃園管理装置における作業支障回避構造。
- 前記圃園における畝は、茶園における茶畝であり、管理作業は、管理装置ユニットとして被覆資材処理ユニットを適用した、被覆資材の巻取または展開の作業であり、前記スキッド部材によって、茶畝における茶樹枝や被覆資材と走行機体との引っ掛かり干渉の発現を防止するようにしたものであることを特徴とする前記請求項1、2または3記載の圃園管理装置における作業支障回避構造。
- 前記被覆資材処理ユニットは、フレーム部材に対し覆資材を巻き取るための巻取軸装置を設けるとともに、その前段に被覆資材ガイド装置を設けるものであり、この被覆資材ガイド装置は、畝上面に臨む位置に設けられる受入ガイド体と、巻取軸装置に寄った位置に設けられている巻取ガイド体と、これらの中間に設けられる中間ガイド体とを具えるものであり、前記受取ガイド体は、畝上に展開されている被覆資材を下面側からすくい受けるように配置されるとともに、被覆資材を幅方向中心寄りに寄せる向芯案内構造を有し、一方前記巻取ガイド体は、巻取軸装置に巻き取られる被覆資材をその前段において幅方向両側に展開させるように展開案内構造を具えていることを特徴とする前記請求項4記載の圃園管理装置における作業支障回避構造。
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