JP2016031072A - 挿入式拡張管一体型エアクリーナおよびこれを適用したエンジン吸気系 - Google Patents

Abstract

【課題】吸圧性能の向上、通気抵抗の減少、構成部品数および締結工程数の低減、高周波騒音の改善、吸気系の吸圧の改善および騒音・振動・ハーシュネス（Ｎｏｉｓｅ、Ｖｉｂｒａｔｉｏｎ、Ｈａｓｈｎｅｓｓ：ＮＶＨ）性能の向上が可能な挿入式拡張管一体型エアクリーナおよびこれを適用したエンジン吸気系を提供する。【解決手段】フィルタの内蔵されたチャンバ空間がエアクリーナカバー３０に遮られ、外部からエアが流入するフィルタチャンバ１０Ａと、フィルタチャンバに延び、流入したエアが外部に排出される拡張管チャンバ１０Ｂと、フィルタチャンバと拡張管チャンバを区分しながら、拡張管チャンバ１０Ｂの断面積に比べて小さい大きさの断面積（Ａ１）を通して、フィルタチャンバから拡張管チャンバに流入したエアを通過させる雌通路ボス１１とからなるエアクリーナボディ１０が含まれたことを特徴とする。【選択図】図１

Description

本発明は、挿入式拡張管一体型エアクリーナおよびこれを適用したエンジン吸気系に係り、より詳しくは、嵌合式結合構造のエアクリーナカバーとエアクリーナボディを有する拡張管により、吸圧性能の向上と通気抵抗の減少および吸気系の騒音・振動・ハーシュネス（Ｎｏｉｓｅ、Ｖｉｂｒａｔｉｏｎ、Ｈａｓｈｎｅｓｓ：ＮＶＨ）の改善がなされた挿入式拡張管一体型エアクリーナおよびこれを適用したエンジン吸気系に関する。

一般的に、エアクリーナは、エンジン吸気系を構成し、外部から流入する空気内に含まれた埃のような異物を濾過することにより、清浄な状態の吸気がエンジンに供給可能になる（例えば、引用文献１〜３参照）。
このようなエアクリーナは、大きく、エンジンカバー一体型エアクリーナ、引出し式エアクリーナ、ボルティング構造のエアクリーナなどに分けられる。
エンジンカバー一体型エアクリーナは、エンジンカバーに連結されたエアクリーナカバー、エアクリーナボディ、レゾネータ（Ｒｅｓｏｎａｔｏｒ）、フィルタ（Ｆｉｌｔｅｒ）、及び２つのクランプ（Ｃｌａｍｐ）から構成される。
引出し式エアクリーナは、エアクリーナカバー、エアクリーナボディ、フィルタ、エアクリーナキャップ（Ｃａｐ）、エアクリーナボディ、エアクリーナキャップ（Ｃａｐ）の固定のための２つのクランプ、及びフィルタ固定カム−シャフト棒から構成される。
ボルティング構造のエアクリーナは、エアクリーナカバー、エアクリーナボディ、フィルタ、及び６つのボルトから構成される。

しかし、エンジンカバー一体型エアクリーナは、ヒンジ構造の導入によるエアクリーナ金型製作費が高く、レゾネータがエアクリーナボディと一体化されることによりエアクリーナの容量が小さくなり、エアクリーナカバーの取り外しが要求されるなど煩雑なエアクリーナ整備性を抱える問題がある。
一方、引出し式エアクリーナは、クランプによるエアクリーナボディとエアクリーナキャップ（Ｃａｐ）のヒンジ構造の追加、フィルタ固定カム−シャフト棒によるエアクリーナキャップ、カム−シャフト棒およびエアクリーナボディ融着構造の追加など、引出し式構造の装着による追加的な構成要素の増加および原価上昇の問題があり、さらに引出し式構造の追加によるフィルタ濾過面積の縮小によるエンジン２馬力／吸圧１Ｋｐａの減少をもたらす吸圧上昇などの問題を有する。
さらにまた、ボルティング構造のエアクリーナは、６つのボルトの使用による原価上昇および煩雑なエアクリーナ整備性などの問題を有する。

特開２０１１−０５７１３１号公報 特開２００６−２３３９２７号公報 特開平１０−２６６９１３号公報

本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的とするところは、エンジンカバー一体型エアクリーナと引出し式エアクリーナおよびボルティング構造のエアクリーナに比べて、吸圧性能の向上、通気抵抗の減少、構成部品数および締結工程数の低減、高周波騒音の改善、吸気系の吸圧の改善および騒音・振動・ハーシュネス（Ｎｏｉｓｅ、Ｖｉｂｒａｔｉｏｎ、Ｈａｓｈｎｅｓｓ：ＮＶＨ）性能の向上が可能な挿入式拡張管一体型エアクリーナおよびこれを適用したエンジン吸気系を提供することにある。

上記目的を達成するためになされた本発明の挿入式拡張管一体型エアクリーナは、フィルタの内蔵されたチャンバ空間がエアクリーナカバーに遮られ、外部からエアが流入するフィルタチャンバと、フィルタチャンバに延び、流入したエアが外部に排出される拡張管チャンバと、フィルタチャンバと拡張管チャンバを区分しながら、拡張管チャンバの断面積に比べて小さい大きさの断面積（Ａ１）を通して、フィルタチャンバから拡張管チャンバに流入したエアを通過させる雌通路ボスとからなるエアクリーナボディが含まれたことを特徴とする。

フィルタチャンバには、エアの流入するエアインレットが形成され、拡張管チャンバには、エアの排出されるエアアウトレットが形成され、エアアウトレットは、拡張管チャンバがフィルタチャンバを外れた部位に形成される。
エアクリーナカバーには、雌通路ボスに挿入されるように、エアクリーナカバーから突出した雄通路ボスが形成され、雌通路ボスには気密リングが嵌合する。
エアクリーナカバーには、雄通路ボスの周辺部位に突出したフィクサがさらに備えられ、フィクサは、雌通路ボスの周辺部位に嵌合して固定される。
雌通路ボスは、互いに区分された第１、第２雌通路ボスからなり、雄通路ボスは、互いに区分された第１、第２雄通路ボスからなり、フィクサは、第１雌通路ボスと第２雌通路ボスとが互いに当接した中間部位の溝に嵌合する第１フィクサと、第１雄通路ボスの左側部位の溝に嵌合する第２フィクサと、第２雄通路ボスの右側部位の溝に嵌合する第３フィクサとから構成される。
第１、第２雌通路ボスおよび第１、第２雄通路ボスのそれぞれは、楕円形のエア通過ホールを形成する。

拡張管チャンバには、外部に排出されるエアの流れによる吐出騒音を低減させる圧縮吸音ダクトが備えられ、圧縮吸音ダクトは、拡張管チャンバの底面から突出する。
雌通路ボスに結合されていないエアクリーナカバーの部位と、フィルタチャンバの部位とを結合するフックが備えられ、フックは、雌通路ボスからエアクリーナカバーの分離時、エアクリーナカバーのヒンジ点として作用する。
フックは、フィルタチャンバの部位に形成されたヒンジストラップと、エアクリーナカバーの部位に形成されたヒンジボスとからなる。
拡張管チャンバにはエアクリーナキャップが結合され、エアクリーナキャップは、拡張管チャンバが流入したエアを外部に排出させる内部チャンバ空間を外部と遮断する。

また、上記の目的を達成するための、本発明のエンジン吸気系は、フィルタの内蔵されたチャンバ空間がエアクリーナカバーに遮られ、外部からエアが流入するフィルタチャンバと、フィルタチャンバに延び、流入したエアが外部に排出される拡張管チャンバと、フィルタチャンバと拡張管チャンバを区分しながら、拡張管チャンバの断面積に比べて小さい大きさの断面積を通して、フィルタチャンバから拡張管チャンバに流入したエアを通過させる雌通路ボスとからなるエアクリーナボディ、拡張管チャンバの底面から突出し、外部に排出されるエアの流れによる吐出騒音を低減させる圧縮吸音ダクト、エアクリーナカバーを雌通路ボスの周辺部位に嵌合して固定させるように、雄通路ボスの周辺部位に突出したフィクサ、雌通路ボスに嵌合し、エアクリーナカバーとフィルタチャンバの気密を維持する気密リング、雌通路ボスに結合されていないエアクリーナカバーの部位と、フィルタチャンバの部位とを結合し、雌通路ボスからエアクリーナカバーの分離時、エアクリーナカバーのヒンジ点として作用するフックとから構成されたエアクリーナ、及び、拡張管チャンバに結合されたエンジンカバーが含まれたことを特徴とする。

エンジンカバーは、拡張管チャンバの内部空間を外部と遮断させる。
フィルタチャンバには、エンジンルームに備えられた吸気ダクトが連結され、外部からエアを導入する。
拡張管チャンバには吸気ホースが連結され、吸気ホースは、エンジンに供給される吸気を制御する電子スロットル制御（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｔｈｒｏｔｔｌｅ Ｃｏｎｔｒｏｌ：ＥＴＣ）に連結される。

本発明によると、本発明のエアクリーナは、エアクリーナカバーとエアクリーナボディの嵌合式結合部位を用いて、エアクリーナボディが広い空間の拡張管およびサージタンク（Ｓｕｒｇｅ Ｔａｎｋ）として作用することにより、吸圧性能の向上と通気抵抗の減少が非常に効率的に行われる。
また、本発明のエアクリーナは、ヒンジ（Ｈｉｎｇｅ）を用いたエアクリーナカバーとエアクリーナボディとの一体化により、クランプ対比部品数の縮小と締結工程数の低減および整備性の向上が可能であり、特に、引出し式エアクリーナ対比の別のエアクリーナフィルタ固定構造の削除により、原価および重量低減効果が非常に大きい。
さらに、本発明のエアクリーナは、エアクリーナボディに融着した圧縮吸音ダクトによる高周波騒音の吸音が非常に効率的に行われる。
また、本発明のエアクリーナは、エンジンカバーと共に一体化されてエンジン吸気系を構成することにより、透過面積の増大による吸気系の吸圧の改善および吸気系の騒音・振動・ハーシュネス（Ｎｏｉｓｅ、Ｖｉｂｒａｔｉｏｎ、Ｈａｓｈｎｅｓｓ：ＮＶＨ）の改善が非常に効率的に行われ、特に、エンジンカバーと共に一体化されたエアクリーナがエンジンの上方に装着されることにより、エンジンルームの美観が大きく改善される効果がある。

本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの構成図である。 図１のＡ−Ａ断面図である。 本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの分解構成図である。 本発明に係るエアクリーナカバーとエアクリーナボディの挿入式固定構造の詳細図である。 本発明に係るエアクリーナボディがサージタンク（Ｓｕｒｇｅ Ｔａｎｋ）として作用可能な拡張管の断面図である。 本発明に係るボディＢ拡張管公式を説明するための図である。 本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの作動状態を示す作動図である。 本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの性能線図である。 エンジンカバーを用いて、本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナがエンジン吸気系の一部として構成された例示図である。

図１は、本実施形態に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの構成を示す図であり、図２は、図１のＡ−Ａ断面図である。
図示したとおり、挿入式拡張管一体型エアクリーナ１は、エアクリーナキャップ１−１と、エアクリーナボディ１０と、圧縮吸音ダクト２０と、エアクリーナカバー３０と、フック５０と、フィルタ６０と、吸気ダクト７０と、吸気ホース８０とを含む。
エアクリーナキャップ１−１は、エアクリーナボディ１０の一部露出空間を遮ることで外部と遮断する。エアクリーナキャップ１−１は、別のカバー板（Ｐｌａｔｅ）を用いることができるが、エンジンに設けられるエアクリーナ１の特性上、エンジンカバーを意味する。

エアクリーナボディ１０は、エアクリーナカバー３０に遮られたフィルタチャンバ１０Ａと、エアクリーナキャップ１−１に遮られた拡張管チャンバ１０Ｂとに区分される。フィルタチャンバ１０Ａの一方の側部にエアインレット１３−１を形成して、外部からエアがフィルタチャンバ１０Ａの内部に流入し、拡張管チャンバ１０Ｂの一方の側部にエアアウトレット（１３−２）を形成して、拡張管チャンバ１０Ｂの内部からエアが外部に排出される。そのため、断面Ａ−Ａのとおり、エアインレット１３−１に流入したエアは、フィルタチャンバ１０Ａと拡張管チャンバ１０Ｂを経てエアアウトレット１３−２に抜けるエア流れ経路を有する。
圧縮吸音ダクト２０は、エアクリーナボディ１０の拡張管チャンバ１０Ｂを通るエアの流れをある程度阻止することにより、拡張管チャンバ１０Ｂを通ってエアアウトレット１３−２に抜ける吐出騒音を低減する。圧縮吸音ダクト２０は、拡張管チャンバ１０Ｂの底面に融着する。
エアクリーナカバー３０は、エアクリーナボディ１０のフィルタチャンバ１０Ａと拡張管チャンバ１０Ｂを区分する雌通路ボス１１に連係されることにより、エアクリーナカバー３０の一方の端部位が雌通路ボス１１に挿入されて固定されてよい。エアクリーナカバー３０がエアクリーナボディ１０のフィルタチャンバ１０Ａと結合されることにより、フィルタチャンバ１０Ａのチャンバ空間が外部と遮断可能になる。

フック５０は、エアクリーナボディ１０とエアクリーナカバー３０とをヒンジ結合することにより、エアクリーナカバー３０をエアクリーナボディ１０から分離する時、フック５０がヒンジ点となるエアクリーナカバー３０の動きを実現する。
フィルタ６０は、エアクリーナボディ１０のフィルタチャンバ１０Ａのチャンバ空間に内蔵され、エアクリーナカバー３０に固定されて動きが防止される。フィルタ６０は、フィルタチャンバ１０Ａのチャンバ空間に流入して拡張管チャンバ１０Ｂに抜けるエアに含まれた異物を濾過する。
吸気ダクト７０は、ベローズが挿入され、外部空気を流入させる通路として作用する。そのため、吸気ダクト７０は、エアクリーナボディ１０のエアインレット１３−１に連結される。吸気ダクト７０は、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ１の特性上、吸気ダクト（Ａｉｒ Ｉｎｔａｋｅ Ｄｕｃｔ）を意味する。

吸気ホース８０は、エアクリーナボディ１０の内部空気を外部に排出する通路として作用する。そのため、吸気ホース８０は、エアクリーナボディ１０のエアアウトレット１３−２に連結される。吸気ホース８０は、エンジン吸気系を構成するエアクリーナ１の特性上、電子スロットル制御（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｔｈｒｏｔｔｌｅ Ｃｏｎｔｒｏｌ：ＥＴＣ）に連結されたＥＴＣ連結ホースを意味する。
図３は、本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの分解構成図であり、エアクリーナボディ１０、エアクリーナカバー３０、気密リング４０、フック５０の詳細な結合構造を示す。
図示したとおり、エアクリーナボディ１０は、格子模様が底面に形成されたフィルタチャンバ１０Ａと、互いに間隔をおいて複数の圧縮吸音ダクト２０が底面に融着した拡張管チャンバ１０Ｂと、フィルタチャンバ１０Ａに向かって突出した構造からなり、気密リング４０が嵌合した雌通路ボス１１と、エアインレット１３−１と、エアアウトレット１３−２とを備える。

特に、フィルタチャンバ１０Ａには、フック５０をなすヒンジストラップ５１が一方の端部位に形成され、ヒンジストラップ５１は、雌通路ボス１１の反対側部位に位置することにより、エアクリーナカバー３０をフィルタチャンバ１０Ａから分離する時、フック５０がヒンジ点となるエアクリーナカバー３０の動きを実現するように作用する。また、拡張管チャンバ１０Ｂは、エアアウトレット１３−２を一方の端部位に形成するように、フィルタチャンバ１０Ａに比べて相対的に長い幅長を形成する。そのため、エアインレット１３−１を用いてフィルタチャンバ１０Ａに連結された吸気ダクト７０と、エアアウトレット１３−２を用いて拡張管チャンバ１０Ｂに連結された吸気ホース８０が、相手部品による干渉のないレイアウト自由度を有することができる。これと共に、雌通路ボス１１は、楕円形のエア通路を形成した第１雌通路ボス１１Ａと第２雌通路ボス１１Ｂとに区分される。そのため、気密リング４０は、第１雌通路ボス１１Ａに嵌合した第１気密リング４０Ａと、第２雌通路ボス１１Ｂに嵌合した第２気密リング４０Ｂとに区分される。
このようなエアクリーナボディ１０の構造は、エアが流入して排出される過程において非常に効率的な吸圧性能の向上と通気抵抗の減少および高周波騒音の向上といった性能の改善を可能にすると共に、部品数の縮小と締結工程数の低減および整備性の向上といった構造の改善をなすことができる。特に、拡張管チャンバ１０Ｂは、フィルタチャンバ１０Ａを抜けてきたエアの流動低下によりエアの流れが安定化し、かつエンジンの波長減少によりＮＶＨの向上がなされるように、サージタンク（Ｓｕｒｇｅ Ｔａｎｋ）の機能を果たす。

そして、エアクリーナカバー３０には、エアクリーナボディ１０の雌通路ボス１１が嵌合する雄通路ボス３３が形成され、雄通路ボス３３の反対側にフック５０をなすヒンジボス５３が形成される。そのため、ヒンジボス５３は、エアクリーナカバー３０をフィルタチャンバ１０Ａから分離する時、フック５０がヒンジ点となるエアクリーナカバー３０の動きを実現するように作用する。特に、第１、第２雄通路ボス３３Ａ、３３Ｂの間には、第１、第２、第３フィクサ３１−１、３１−２、３１−３がさらに形成される。
また、フック５０は、エアクリーナボディ１０のフィルタチャンバ１０Ａに形成されたヒンジストラップ５１と、エアクリーナカバー３０に形成されたヒンジボス５３とからなる。特に、フック５０は、第１、第２フック５０Ａ、５０Ｂを一対で構成することにより、エアクリーナボディ１０からエアクリーナカバー３０を分離する時、より安定的なヒンジ構造が提供可能になる。

一方、図４は、本発明に係るエアクリーナカバーとエアクリーナボディの挿入式固定構造の詳細図であり、エアクリーナカバー３０とエアクリーナボディ１０の挿入式固定構造の例を示す。
図示したとおり、第１、第２雄通路ボス３３Ａ、３３Ｂのそれぞれに第１雌通路ボス１１Ａと第２雌通路ボス１１Ｂが嵌合すると、第１、第２雄通路ボス３３Ａ、３３Ｂの間から突出した第１、第２、第３フィクサ３１−１、３１−２、３１−３による固定力Ｆａ、Ｆｂ、Ｆｃが形成されることにより、エアクリーナカバー３０とエアクリーナボディ１０の挿入式結合が行われる。
具体的には、第１フィクサ３１−１による固定力Ｆａは、第１雌通路ボス１１Ａと第２雌通路ボス１１Ｂとの間に形成された溝に嵌合して形成され、第２フィクサ３１−２による固定力Ｆｂは、第１雌通路ボス１１Ａの一方の端に形成された溝に嵌合して形成され、第３フィクサ３１−３による固定力Ｆｃは、第２雌通路ボス１１Ｂの一方の端に形成された溝に嵌合して形成される。
そのため、エアクリーナボディ１０に３点の固定力Ｆａ、Ｆｂ、Ｆｃを有するエアクリーナカバー３０は、エアの流れ時、通気抵抗による持ち上がり現象を防止することができる。

図５は、本発明に係るエアクリーナボディがサージタンク（Ｓｕｒｇｅ Ｔａｎｋ）として作用可能な拡張管の断面構造を示す図であり、図６は、本発明に係るボディＢ拡張管公式を説明するための図である。また、図７は、本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの作動状態を示す作動図であり、図８は、本発明に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナの性能線図である。
図示したとおり、エアクリーナボディ１０を長さ方向に切断した断面は、フィルタチャンバ１０Ａと雌通路ボス１１および拡張管チャンバ１０Ｂに延びる連続的な長さ方向の断面構造を有し、拡張管チャンバ１０Ｂの第２断面積Ａ２は、雌通路ボス１１の第１断面積Ａ１に比べて相対的に大きい大きさに形成される。そのため、第１断面積Ａ１と第２断面積Ａ２との差は、図６に例示された数式で証明されるように、拡張管チャンバ１０Ｂをサージタンク（Ｓｕｒｇｅ Ｔａｎｋ）として作用させることができる。
このような作用の結果は、図８のとおり、吸気ダクト７０から流入したエアが吸気ホース８０に抜ける時、性能測定されたトランスミッションロス（Ｔｒａｎｓｍｉｓｓｉｏｎ Ｌｏｓｓ：ｄｂ）−周波数（ＨＺ）線図の騒音低減量で立証される。

一方、図９は、エンジンカバーを用いて、挿入式拡張管一体型エアクリーナ１がエンジン吸気系の一部として構成された例を示す。
図示したとおり、エアクリーナ１は、エアクリーナボディ１０の拡張管チャンバ１０Ｂを外部から遮るエアクリーナキャップ１−１を除去し、エアクリーナキャップ１−１の代わりに、エンジンカバー１００で拡張管チャンバ１０Ｂを遮ることにより、簡単にエンジン吸気系の一部として構成できる。
この場合、エアクリーナ１のエアインレット１３−１に連結される吸気ダクト７０は、外部からエアを導入するエンジン吸気系の吸気ダクト（Ａｉｒ Ｉｎｔａｋｅ Ｄｕｃｔ）に代替される。また、エアクリーナ１のエアアウトレット１３−２に連結される吸気ホース８０は、エンジンに供給される吸気を制御する電子スロットル制御（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｔｈｒｏｔｔｌｅ Ｃｏｎｔｒｏｌ：ＥＴＣと略す）に連結されたＥＴＣ連結ホースに代替される。
そのため、本実施形態に係るエアクリーナ１は、どの車種のエンジン吸気系にも容易に適用可能な拡張性を有することができる。

上述のとおり、本実施形態に係る挿入式拡張管一体型エアクリーナ１には、フィルタ６０の内蔵されたチャンバ空間がエアクリーナカバー３０に遮られ、外部からエアが流入するフィルタチャンバ１０Ａと、フィルタチャンバ１０Ａに延び、流入したエアが外部に排出される拡張管チャンバ１０Ｂと、フィルタチャンバ１０Ａと拡張管チャンバ１０Ｂを区分しながら、拡張管チャンバ１０Ｂの断面積Ａ２に比べて小さい大きさの断面積Ａ１を通して、フィルタチャンバ１０Ａから拡張管チャンバ１０Ｂに流入したエアを通過させる雌通路ボス１１とからなるエアクリーナボディ１０が含まれることにより、吸圧性能の向上と通気抵抗の減少および吸気系の騒音・振動・ハーシュネス（Ｎｏｉｓｅ、Ｖｉｂｒａｔｉｏｎ、Ｈａｓｈｎｅｓｓ：ＮＶＨと略す）の改善がなされ、エアクリーナカバー３０とエアクリーナボディ１０の嵌合式構成によるクランプ対比部品数の低減および締結工程数の低減が可能であり、特に、車両の吸気系への適用時、吸気系の吸圧の改善および性能の向上もなされる。

１：エアクリーナ
１−１：エアクリーナキャップ
１０：エアクリーナボディ
１０Ａ：フィルタチャンバ
１０Ｂ：拡張管チャンバ
１１：雌通路ボス
１１Ａ、１１Ｂ：第１、第２雌通路ボス
１３−１：エアインレット
１３−２：エアアウトレット
２０：圧縮吸音ダクト
３０：エアクリーナカバー
３１−１、３１−２、３１−３：第１、第２、第３フィクサ
３３：雄通路ボス
３３Ａ、３３Ｂ：第１、第２雄通路ボス
４０：気密リング
４０Ａ、４０Ｂ：第１、第２気密リング
５０：フック
５０Ａ、５０Ｂ：第１、第２フック
５１：ヒンジストラップ
５３：ヒンジボス
６０：フィルタ
７０：吸気ダクト
８０：吸気ホース
１００：エンジンカバー
Ａ１：雌通路ボス１１の第１断面積
Ａ２：拡張管チャンバ１０Ｂの第２断面積
Ｆａ：第１フィクサ３１−１による固定力
Ｆｂ：第２フィクサ３１−２による固定力
Ｆｃ：第３フィクサ３１−３による固定力

Claims (14)

1. フィルタの内蔵されたチャンバ空間がエアクリーナカバーに遮られ、外部からエアが流入するフィルタチャンバと、前記フィルタチャンバに延び、流入したエアが外部に排出される拡張管チャンバと、前記フィルタチャンバと前記拡張管チャンバを区分しながら、前記拡張管チャンバの断面積に比べて小さい大きさの断面積を通して、前記フィルタチャンバから前記拡張管チャンバに前記流入したエアを通過させる雌通路ボスとからなるエアクリーナボディが含まれたことを特徴とする挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
2. 前記フィルタチャンバには、エアの流入するエアインレットが形成され、前記拡張管チャンバには、エアの排出されるエアアウトレットが形成され、前記エアアウトレットは、前記拡張管チャンバが前記フィルタチャンバを外れた部位に形成されたことを特徴とする請求項１に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
3. 前記エアクリーナカバーには、前記雌通路ボスに挿入されるように、前記エアクリーナカバーから突出した雄通路ボスが形成され、前記雌通路ボスには気密リングが嵌合したことを特徴とする請求項１に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
4. 前記エアクリーナカバーには、前記雄通路ボスの周辺部位に突出したフィクサがさらに備えられ、前記フィクサは、前記雌通路ボスの周辺部位に嵌合して固定されることを特徴とする請求項３に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
5. 前記雌通路ボスは、互いに区分された第１、第２雌通路ボスからなり、前記雄通路ボスは、互いに区分された第１、第２雄通路ボスからなり、前記フィクサは、前記第１雌通路ボスと前記第２雌通路ボスとが互いに当接した中間部位の溝に嵌合する第１フィクサと、前記第１雄通路ボスの左側部位の溝に嵌合する第２フィクサと、前記第２雄通路ボスの右側部位の溝に嵌合する第３フィクサとから構成されたことを特徴とする請求項４に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
6. 前記第１、第２雌通路ボスおよび前記第１、第２雄通路ボスのそれぞれは、楕円形のエア通過ホールを形成したことを特徴とする請求項５に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
7. 前記拡張管チャンバには、外部に排出されるエアの流れによる吐出騒音を低減させる圧縮吸音ダクトが備えられ、前記圧縮吸音ダクトは、前記拡張管チャンバの底面から突出することを特徴とする請求項１に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
8. 前記雌通路ボスに結合されていない前記エアクリーナカバーの部位と、前記フィルタチャンバの部位とを結合するフックが備えられ、前記フックは、前記雌通路ボスから前記エアクリーナカバーの分離時、前記エアクリーナカバーのヒンジ点として作用することを特徴とする請求項１に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
9. 前記フックは、前記フィルタチャンバの部位に形成されたヒンジストラップと、前記エアクリーナカバーの部位に形成されたヒンジボスとからなることを特徴とする請求項８に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
10. 前記拡張管チャンバにはエアクリーナキャップが結合され、前記エアクリーナキャップは、前記拡張管チャンバが流入したエアを外部に排出させる内部チャンバ空間を外部と遮断することを特徴とする請求項１に記載の挿入式拡張管一体型エアクリーナ。
11. フィルタの内蔵されたチャンバ空間がエアクリーナカバーに遮られ、外部からエアが流入するフィルタチャンバと、前記フィルタチャンバに延び、流入したエアが外部に排出される拡張管チャンバと、前記フィルタチャンバと前記拡張管チャンバを区分しながら、前記拡張管チャンバの断面積に比べて小さい大きさの断面積を通して、前記フィルタチャンバから前記拡張管チャンバに前記流入したエアを通過させる雌通路ボスとからなるエアクリーナボディ、
    前記拡張管チャンバの底面から突出し、外部に排出されるエアの流れによる吐出騒音を低減させる圧縮吸音ダクト、
    前記エアクリーナカバーを前記雌通路ボスの周辺部位に嵌合して固定させるように、前記雄通路ボスの周辺部位に突出したフィクサ、
    前記雌通路ボスに嵌合し、前記エアクリーナカバーと前記フィルタチャンバの気密を維持する気密リング、
    前記雌通路ボスに結合されていない前記エアクリーナカバーの部位と、前記フィルタチャンバの部位とを結合し、前記雌通路ボスから前記エアクリーナカバーの分離時、前記エアクリーナカバーのヒンジ点として作用するフックとから構成されたエアクリーナ、及び、
    前記拡張管チャンバに結合されたエンジンカバーが含まれたことを特徴とするエンジン吸気系。
12. 前記エンジンカバーは、前記拡張管チャンバの内部空間を外部と遮断させることを特徴とする請求項１１に記載のエンジン吸気系。
13. 前記フィルタチャンバには、エンジンルームに備えられた吸気ダクトが連結され、外部からエアを導入することを特徴とする請求項１１に記載のエンジン吸気系。
14. 前記拡張管チャンバには吸気ホースが連結され、前記吸気ホースは、エンジンに供給される吸気を制御する電子スロットル制御（Ｅｌｅｃｔｒｏｎｉｃ Ｔｈｒｏｔｔｌｅ Ｃｏｎｔｒｏｌ：ＥＴＣ）に連結されたことを特徴とする請求項１１に記載のエンジン吸気系。

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