JP2016029923A - 魚粉を使用しない養魚用飼料およびその製造方法 - Google Patents

魚粉を使用しない養魚用飼料およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 魚粉を含まない養魚用飼料でありながら、嗜好性や消化吸収性に優れ、常温で長期間保管ができ、且つ低コストで製造できる飼料を提供すること。【解決手段】 鮮魚または魚加工残渣から選択される動物性原料をペースト状にした原料と、植物性原料を主体とする粉末状原料を含む混合物を、エクストルーダーで混練・加熱し、ダイから押出成形する。【選択図】 なし

Description

本発明は、養魚用飼料およびその製造方法に関する。
従来、養魚用飼料として、動物性原料および植物性原料を配合し、これをペレット状に成形・加工した固形飼料が広く使用されている。
このような固形飼料は、動物性原料、植物性原料(例えば植物性油かす類、穀類、糟糠類等)、および飼料用添加物を混合し、蒸気および水を加え、加熱し、ペレット状に成型することにより製造される。
動物性原料としては、保存性に優れ、且つ、魚介類による嗜好性や消化吸収性に優れるという理由から、主に魚粉が用いられており、固形飼料中に40〜60質量%程度の高い割合で添加されている。
しかしながら、魚粉の製造には、生魚に蒸煮加工等の加熱処理を施し、脱汁し、濃縮したエキスを再添加し、次いで加熱乾燥させ粉砕する工程が必要であり、多大な手間とコストがかかる。また、魚粉の原料であるマイワシの漁獲量減少により、日本の魚粉生産量は減少し、輸入魚粉に依存しなければならず、海外からの輸入原料相場に左右されるという問題がある。このような理由から、魚粉の使用量を低減させた養魚用飼料が求められている(特許文献1、2)。
添加する魚粉の量を削減した飼料が研究されているが、摂餌不良による成長の低下等があり、満足のいく成果は得られていない。
また、削減した魚粉の分の栄養素を補うために、種々の栄養素を添加する方法があるが、これにより製造コストおよび原料コストが増加するという問題がある。
また、動物性タンパク質を魚粉以外の原料から補う技術として、冷凍魚と配合飼料粉末とを混合し、造粒して得られるオレゴンモイストペレットがある(特許文献3)。
しかしながら、オレゴンモイストペレットは、加熱加工処理を行っていないため、造粒直後に給餌するか、または冷凍保管する必要がある。また、解凍後は酸化による品質劣化が早く、保存性に著しく劣る。さらに、配合飼料粉末中の植物性原料は、トリプシンインヒビター等の吸収阻害因子を含む。この吸収阻害因子は、加熱処理により失活するが、オレゴンモイストペレットにおいては、未加熱のために失活しておらず、魚類による消化吸収を阻害する。したがって、オレゴンモイストペレットへの植物性原料の添加量には制限があり、飼料の総質量(乾燥質量)に対し、一般的には10質量%(乾燥質量)であり、多くとも25質量%(乾燥質量)が限度となっている。さらに、オレゴンモイストペレットは、魚が摂餌する前に水中に溶け出してしまい、海洋汚染を引き起こすという問題がある。
特開平11−98963号公報 特開平8−89178号公報 特開平9−172982号公報
本発明者らは、上記の問題点を解決し、魚粉を含まない養魚用飼料でありながら、魚介類による嗜好性や消化吸収性に優れ、且つ常温で長期間保管することができ、さらには低コストで製造される養魚用飼料、およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、種々研究の結果、動物性原料をエクストルーダーに導入する前に必要とされ魚粉の製造等に行われていた加熱・乾燥工程を必要としない製造方法であって、ペースト状の動物性原料と粉末状の植物性原料とを、押出成形時に同時に加熱し、加熱工程を最小限に留めることによって、上記の課題が解決されることを見出した。
すなわち、本発明者は、鮮魚または魚加工残渣から選択される動物性原料をペースト状にし、得られたペースト状原料と、植物性原料を主体とする粉末状原料とを含む混合物を、エクストルーダーで混練し、加熱し、ダイから押出成形することを特徴とする、養魚用飼料の製造方法、およびそれにより製造される養魚用飼料が、上記の目的を達成することを見出したものである。
そして、本発明は、以下の点を特徴とする。
1.鮮魚または魚加工残渣から選択される動物性原料をペースト状にし、得られたペースト状原料と、植物性原料を主体とする粉末状原料とを含む混合物を、エクストルーダーで混練し、加熱し、ダイから押出成形することを特徴とする、養魚用飼料の製造方法。
2.前記鮮魚または魚加工残渣を、エクストルーダーのダイ径の1/2以下の目開きの篩を通過可能なように磨り潰してペースト状にすることを特徴とする、上記1に記載の製造方法。
3.前記混合物が、前記ペースト状原料を湿質量5〜40質量%の範囲で含むことを特徴とする、上記1または2に記載の製造方法。
4.前記ペースト状原料の水分含量が、30〜90質量%であることを特徴とする、上記1〜3のいずれかに記載の製造方法。
5.上記1〜4のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とする養魚用飼料。
6.前記鮮魚および魚加工残渣並びに魚油以外の動物性原料を含まないことを特徴とする、上記5に記載の養魚用飼料。
7.養魚用飼料の総質量に対して、乾燥質量基準(水分が0%として計算)で、植物性原料を47〜99.5質量%含み、且つ、ペースト状原料を0.5〜28質量%含むことを特徴とする、上記5または6に記載の養魚用飼料。
8.水分含量が5〜15質量%であることを特徴とする、上記5〜7のいずれかに記載の養魚用飼料。
本発明の製造方法によれば、魚粉の製造にかかる多大な手間やコストをかけることなく、高い消化吸収性を示し、且つ、保存性に優れた養魚用飼料を製造することができる。
特に、本発明は、魚粉の代わりに、国内で漁獲され廃棄されている未利用魚や魚加工残渣といった廃棄物等の国内未利用原料を有効に活用するものである。したがって、輸入魚粉の相場に影響されることがない。
また、オレゴンモイストペレットのような未加熱の飼料とは異なり、成形加工時に加熱することにより、保存性に優れるだけでなく、植物性原料中に含まれる阻害因子による消化吸収阻害を防ぎ、さらに、澱粉がアルファ化されることにより、栄養性の高い飼料を提供することができる。そのため、飼料中の植物性原料の配合率を高めることができ、良好な消化吸収性を保ちながら、コストを下げ、保存性を高めることが可能である。また、吸収率が高く、給餌量を減らすことができる。さらに、オレゴンモイストペレットとは異なり、自動給餌器が使用可能である。
また、本発明の製造方法によれば、動物性原料として添加する鮮魚および魚加工残渣は、エクストルーダーに投入する前に、カッター等でペースト状にするだけの前処理を行えばよく、魚粉のように、予め加熱や乾燥を繰り返し行う必要がない。
したがって、製造にかかる時間およびコストを大幅に削減することができ、さらには、加熱工程を繰り返すことにより生じる原料品質の劣化を最小限に抑えることができる。すなわち、本発明の養魚用飼料は、1回の加熱工程のみで製造されるため、高い栄養価および嗜好性を発揮するものである。
さらに、本発明の養魚用飼料は、給餌の際の散逸量が少なく、魚場環境への負荷が少ない。
以下に、本発明について詳細に説明する。
(1)植物性原料およびそれを主体とする粉末状原料
本発明において使用される植物性原料としては、穀類、糟糠類、植物性油粕類等が挙げられる。
穀類としては、馬鈴しょでん粉、タピオカでん粉、コーンスターチ、デキストリン、キャッサバミール、小麦粉、大麦、ライ麦、精白米、きな粉、とうもろこし、マイロ、パン粉等が挙げられる。
糟糠類としては、米糠油粕、小麦・とうもろこしジスチラーズグレインソリュブル、焼酎粕、白酒糠、リジン発酵粕等が挙げられる。
植物性油粕類としては、コーングルテンミール、大豆油粕、脱皮大豆油粕、濃縮大豆タンパク質、発酵脱皮大豆油粕、なたね油粕、ごま油粕、小麦グルテン、とうもろこしタンパク質、ポテトプロテイン等が挙げられる。
本発明において、上記の植物性原料は、単独で用いても、2種またはそれ以上を併用してもよい。
植物性原料は、一般的に、トリプシンインヒビター等の消化酵素阻害剤を含むことが知られ、これらは、魚の体内で飼料の吸収を阻害する。したがって、モイストペレットのような非加熱飼料では、植物性原料の含有量を少なくする必要がある。しかしながら、本発明によれば、植物性原料は押出成形時に加熱されるため、消化酵素阻害剤が、消化酵素との結合力を失い、前述の吸収阻害を引き起こさない。
よって、本発明において、植物性原料は、飼料の総質量(乾燥質量)に対して、乾燥質量に換算して47〜99.5質量%の範囲で、より好ましくは65〜85質量%の範囲で、配合することができる。植物性原料の配合量が47質量%より少ないと、造粒が困難となり好ましくない。また、85質量%より多いと、嗜好性が悪く好ましくない。
上記植物性原料に、必要に応じて慣用の飼料用粉末状添加剤を0〜10質量%、好ましくは1〜6質量%の範囲で適宜に添加して、植物性原料を主体とする粉末状原料として使用される。
本発明において、粉末状とは、目開き0.5mm(30メッシュ)の篩を通過可能な固体物であって、粉末状、粒状、顆粒状を呈するものとして定義される。なお、本明細書全体において、篩の目開きおよびメッシュは、JIS Z 8801の規定に基づく。粉末の粒度は、最終製品となるペレットのサイズ等に応じて、当業者が適宜に選択することができる。
飼料用粉末状添加剤としては、例えば、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、糖等の栄養成分、着色料、香料、抗酸化剤等の成分、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、各種ガム類、ポリアクリル酸ナトリウム等の粘結剤等を挙げることができるが、給餌する魚の種類や月齢等に応じて、当業者が適宜に選択し、配合することができる。
なお、従来は、種々の栄養分をバランスよく含有する動物性タンパク質原料が、粉末状植物性原料に適宜混合して使用されるが、本発明においては、鮮魚および/または魚加工残渣をペースト状にしたペースト状原料により、十分量の動物性タンパク質が補われるため、該ペースト状原料以外の動物性タンパク質原料を添加する必要がない。特に、本発明においては、魚粉を使用しないことを特徴とする。
(2)動物性原料
本発明において使用される動物性原料としては、鮮魚および魚加工残渣が挙げられる。本発明においては、鮮魚および/または魚加工残渣を、ペースト状にしたペースト状原料として、上記の粉末状原料と共にエクストルーダーに投入し、混練し、加熱し、押出成形する。
鮮魚としては、マイワシ、カタクチイワシ、サバ、アジ、サンマ、オオナゴ、コウナゴ、タラ、イカ、オキアミ等が挙げられるがこれらに限定されず、入手可能ないかなる魚介も使用することができる。
魚加工残渣としては、上述の魚介の加工時に副生する、頭部、内蔵、皮、骨、鰭、鱗、尾等の種々の残渣を使用することができる。
これらの鮮魚および魚加工残渣を、任意の粉砕手段で細かく粉砕し、必要に応じてさらに摩砕することにより、ペースト状原料とする。
粉砕手段および摩砕手段としては、慣用のチョッパー、サイレントカッター、ミクロカッター、マスコロイダー、リファイナー等を、所望の粉砕度に応じて、または使用する鮮魚および魚加工残渣の種類に応じて、適宜に選択または省略することができる。
鮮魚や魚加工残渣は、骨、皮、鱗等の種々の大きさの固形物を含むため、ペーストの粉砕度を調整せずにエクストルーダーに投入すると、ダイ径より大きな固形物がダイ孔を埋めてしまい、造粒が不安定になる。
また、ダイ径より小さな固形物であっても、固形物が同時にダイ孔に入ると、目詰まりを起こす。これらのトラブルを防ぐためには、ペースト状原料は、エクストルーダーのダイ径の1/2以下、より好ましくは1/3以下の目開きの篩を通過可能な程度まで、粉砕及び/又は摩砕されていることが好ましい。
所望の粉砕度を得るためには、ペースト状原料をエクストルーダーに投入する前に、所望の目開きの篩に通して裏ごし処理を施してもよい。
上記ペースト状原料は、その総質量に対し、30〜90質量%の範囲で水分を含有するものであってよい。水分含量が30質量%より少ないと、流動性が無く好ましくない。また、90質量%より多いと、嗜好性成分が不足し好ましくない。水分含量が少なすぎる場合は加水し、多すぎる場合は脱水または乾燥させることにより、所望の水分含量に調整することができる。
上記ペースト状原料を、ポンプ等によりエクストルーダー内またはコンディショナー内に送り込み、植物性原料を主体とする粉末状原料、および、場合により、さらなる添加剤、例えばオイル、液状ビタミン剤のような液状添加剤、並びに、製造工程に応じて添加される蒸気および水等と混合する。
ここで添加されるオイルとしては、植物性油および動物性脂のいずれも使用可能である。魚油、大豆油、綿実油等が挙げられるが、摂餌性に優れるため、魚油が特に好ましく使用される。魚油としては、肝油を含む慣用の魚油を使用することができるが、好適には、例えばイワシ油、サンマ油、イカ油等が挙げられる。
上記動物性原料からなるペースト状原料と、植物性原料を主体とする粉末状原料と、場合により添加されるオイル等の添加剤との混合物において、ペースト状原料は、混合物の総質量に対して、5〜40湿質量%の範囲で、より好ましくは10〜30湿質量%の範囲で配合される。
ペースト状原料の配合量が5質量%より少ないと、嗜好性物質が不足し、また、消化吸収性に劣り、好ましくない。また、40質量%より多いと、混合物の取り扱い性が劣り、造粒が困難となる。
また、ペースト状原料は、飼料の総質量(乾燥質量)に対して、乾燥質量に換算して0.5〜28質量%の範囲で、より好ましくは5〜28質量%の範囲で、配合することができる。ペースト状原料の配合量が0.5質量%より少ないと、嗜好性物質が不足し、また、消化吸収性に劣り、好ましくない。また、28質量%より多いと、混合物の取り扱い性が劣り、造粒が困難となる。
(3)押出成形
上記の粉末状原料と、ペースト状原料と、オイル等とからなる混合物は、エクストルーダー(押出機)のバレル(シリンダ)内で、スクリューの回転により混合・混練され、加熱されながら、ダイ方向(出口方向)に搬送される。
ここで、加熱工程は、60℃以上で60秒間以上であることが好ましく、より好ましくは、90〜110℃で40〜60秒間である。加熱温度がこれより低いか、または加熱時間がこれより短いと、魚肉のタンパク質が変性しない。
また、植物性原料中の吸収阻害因子(トリプシンインヒビター等)が十分に失活せず、魚類による消化吸収を阻害する。また、加熱による殺菌が不十分となり、保存性が損なわれる。一方、加熱温度が高すぎるか、または加熱時間が長過ぎると、栄養価や嗜好性が損なわれる。なお、加熱温度および加熱時間は、バレルに組み込んだヒーターやダイまでの搬送時間によって調整することができる。
上記混合物は、ダイまで搬送され、次いで、ダイから押し出されて、ペレット状に切断され、本発明の養魚用飼料が製造される。ダイプレートのダイ径およびダイの開口数は、飼料の用途等に応じて当業者が適宜に設定することができる。ダイプレートの開口面積と、原料の投入速度とを調節し、押出時に圧力を調整すること等により、飼料の硬度や水への沈降性等を当業者が適宜に設定することができる。
最終的に得られる本発明の養魚用飼料は、乾燥質量基準で、植物性原料の含量が47〜99.5質量%であり、ペースト状原料の含量が0.5〜28質量%であり、さらに、オイルの含量が0〜25質量%であることが好ましい。
また、湿質量基準で水分含量が5〜15質量%であることが好ましい。ペレット状に成形後に乾燥させることにより、所望の水分含量となるように調製してもよい。
オイルの含量が25質量%より多いと、成型が困難となり好ましくない。また、水分含量が5質量%より少ないと、熱変性を引き起こし得る。一方、15質量%より多いと、常温保存性が低下する。
本発明の養魚用飼料は、給与対象である魚介類の種類や大きさ等に応じて任意のサイズであってよい。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、これらは本発明を制限するものではない。
以下の実施例において、各種含量は以下の方法により測定した。
[ペースト状原料の水分含量の測定方法]
分析試料5〜7gを正確に量ってアルミニウム製ひょう量皿(あらかじめ乾燥して重さを正確に量っておいたもの)に入れ、105±2℃で5時間乾燥し、デシケーター中で放冷後、重さを正確に量り、試料中の水分量を算出する。
[養魚用飼料の水分含量の測定方法]
分析試料2〜5gを正確に量ってアルミニウム製ひょう量皿(あらかじめ乾燥して重さを正確に量っておいたもの)に入れ、135±2℃で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後、重さを正確に量り、試料中の水分量を算出する。
[養魚用飼料の植物性原料および動物性原料の含量(乾燥質量)の測定方法]
分析試料2〜5gを正確に量ってアルミニウム製ひょう量皿(あらかじめ乾燥して重さを正確に量っておいたもの)に入れ、135±2℃で2時間乾燥し、デシケーター中で放冷後、重さを正確に量り、試料中の水分量を算出する。
[実施例1]
濃縮大豆タンパク質8質量%、大豆油粕28質量%、コーングルテンミール23質量%、澱粉・小麦粉11質量%、飼料用粉末状添加剤(ビタミン・ミネラル)12質量%、および、魚油18質量%からなる基本配合物を調製した。
一方、鮮魚および魚加工残渣として、カタクチイワシおよびコウナゴをサイレントカッターで粉砕し、次いでミクロカッターで粉砕し、得られたペーストを、目開き2.1mmの篩に通過させて裏ごし処理を施して、ペースト状原料を調製した。この水分含量は71.2質量%であった。
上記基本配合物を流量69.2kg/hで、2軸エクストルーダー((株)スエヒロEPM製アルファライザー100)に投入した。また、上記ペースト状原料をモーノポンプにより流量33.6kg/hで、2軸エクストルーダーに投入した。
バレル温度130℃、回転数280rpm、投入口からダイまでの搬送時間(加熱時間)50秒、ダイ径8mm、ダイ穴数1個の加工条件下で、基本配合物とペースト状原料を混練し、加熱し、棒状に押出成形し、カッターで直径と長さの比を1:1で切断して、浮き餌状の本発明の養魚用飼料を製造した。
得られた養魚用飼料中、植物性原料の含量は乾燥質量で86.6質量%であり、ペースト状原料の含量は乾燥質量で13.4質量%であった。また、水分含量は、5〜10質量%の範囲となるように乾燥機で乾燥させた。
得られた養魚用飼料は、良好な成形性を示し、また、常温で長期保存可能であった。
[実施例2]
バレル温度を80℃とした以外は、実施例1と同様にして、ペレット状の本発明の養魚用飼料を製造した。
得られた養魚用飼料中、植物性原料の含量は乾燥質量で86.6質量%であり、ペースト状原料の含量は乾燥質量で13.4質量%であった。また、水分含量は、5〜10質量%の範囲となるように乾燥器で乾燥させた。
[実施例3]
バレル温度を110℃とした以外は、実施例1と同様にして、ペレット状の本発明の養魚用飼料を製造した。
得られた養魚用飼料中、植物性原料の含量は乾燥質量で86.6質量%であり、ペースト状原料の含量は乾燥質量で13.4質量%であった。また、水分含量は、5〜10質量%の範囲となるように乾燥器で乾燥させた。
[実施例4]
実施例1と同様にして、本発明の養魚用飼料を製造した。ただし、以下の点において、条件を変更した。
基本配合物の流量を43.5kg/hとした。また、ペースト状原料の流量を11.5kg/hとした。さらに、バレル温度130℃で、回転数を300rpm、投入口からダイまでの搬送時間を40秒とした。
得られた養魚用飼料中、植物性原料の含量は乾燥質量で92.2質量%であり、ペースト状原料の含量は乾燥質量で7.8質量%であった。また、水分含量は、5〜10質量%の範囲となるように乾燥器で乾燥させた。
[実施例5]
バレル温度を90℃とした以外は、実施例4と同様にして、本発明の養魚用飼料を製造した。
得られた養魚用飼料中、植物性原料の含量は乾燥質量で92.2質量%であり、ペースト状原料の含量は乾燥質量で7.8質量%であった。また、水分含量は、5〜10質量%の範囲となるように乾燥器で乾燥させた。
[実施例6]
実施例1と同様にして、本発明の養魚用飼料を製造した。ただし、以下の点において、条件を変更した。
基本配合物の流量を69.2kg/hとした。また、ペースト状原料の流量を8.9kg/hとした。さらに、バレル温度110℃で、回転数を300rpmとした。
得られた養魚用飼料中、植物性原料の含量は乾燥質量で96質量%であり、ペースト状原料の含量は乾燥質量で4質量%であった。また、水分含量は、5〜10質量%の範囲となるように乾燥器で乾燥させた。
得られた養魚用飼料は、十分な成形性を示し、また、常温で長期保存可能であった。
[実施例7]
実施例3で製造した養魚用飼料を用いてブリ稚魚の飼育試験を実施した。
試験の条件は、1トン水槽にブリ稚魚(平均体重48g)を30尾放養し、加温海水23℃で飼育日数28日、給餌日数28日の条件で飼育した。
試験飼料は、魚粉区を試験の基準となる区とし、さらに発明区、植物区の計3試験区を設定した。
それぞれの区の飼料の配合組成および分析値を表2、表3に示した。また、飼育成績等を表1、グラフ1に示した。
試験の結果、植物原料単独の植物区では成長が劣ったものの、発明区においては、実施例に基づく飼料を与えることで、魚粉区と同等の成長が確認できた。
なお、日間給餌率は以下のとおり定義され、配合組成中の「その他」は、ビタミン混合、無機質混合、アミノ酸混合、小麦粉、澱粉を示す。
日間給餌率=餌の量÷[(終了時体重+開始時体重)÷2×飼育日数]×100
Figure 2016029923
Figure 2016029923
Figure 2016029923
Figure 2016029923
[実施例8]
実施例3で製造した養魚用飼料を用いてマダイ稚魚の飼育試験を実施した。
試験の条件は、0.5トン水槽にマダイ稚魚(平均体重8.6g)を30尾放養し、加温海水23℃で飼育日数28日、給餌日数28日の条件で飼育した。
試験飼料は、魚粉区を試験の基準となる区とし、さらに発明区、植物区の計3試験区を設定した。
それぞれの区の飼料の配合組成および分析値は表5、表6に示した。また、飼育成績等を表4、グラフ2に示した。
試験の結果、植物原料単独の植物区では成長が劣ったものの(P<0.01)、発明区においては、実施例に基づく飼料を与えることで、魚粉区と同等の成長が確認できた。
Figure 2016029923
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Figure 2016029923
Figure 2016029923
[実施例9]
実施例3で製造した養魚用飼料を用いてギンサケ稚魚の飼育試験を実施した。
試験の条件は、80L水槽にギンサケ稚魚(平均体重6g)を27尾放養し、18〜19℃の井戸水で、飼育日数28日、給餌日数24日の条件で飼育した。
試験飼料は、魚粉区を試験の基準となる区とし、さらに発明区を設定した。
それぞれの区の飼料の配合組成および分析値を表8、表9に示した。また、飼育成績等を表7、グラフ3に示した。
試験飼料は魚粉区を対象とし成長を比較した。飼育成績は表7、グラフ3に示した。
試験の結果、魚粉区と発明区で各飼料を同じ量給餌し、4週間飼育した後の最終の取り上げ体重は0.4gの差となり、発明区のものは魚粉区と比べ成長に有意な差はなく、淡水魚の飼育においても魚粉区と同等の成長が確認された。
Figure 2016029923
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Figure 2016029923
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以上の実施例等から明らかなとおり、本発明の養魚用飼料は、魚粉を含まない養魚用飼料でありながら、魚介類による嗜好性や消化吸収性に優れ、且つ常温で長期間保管することができ、さらには低コストで製造出来ることが確認された。

Claims (8)

  1. 鮮魚または魚加工残渣から選択される動物性原料をペースト状にし、得られたペースト状原料と、植物性原料を主体とする粉末状原料とを含む混合物を、エクストルーダーで混練し、加熱し、ダイから押出成形することを特徴とする、養魚用飼料の製造方法。
  2. 前記鮮魚または魚加工残渣を、エクストルーダーのダイ径の1/2以下の目開きの篩を通過可能なように磨り潰してペースト状にすることを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記混合物が、前記ペースト状原料を湿質量5〜40質量%の範囲で含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 前記ペースト状原料の水分含量が、30〜90質量%であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法により製造されることを特徴とする養魚用飼料。
  6. 前記鮮魚および魚加工残渣並びに魚油以外の動物性原料を含まないことを特徴とする、請求項5に記載の養魚用飼料。
  7. 養魚用飼料の総質量に対して、乾燥質量基準で、植物性原料を47〜99.5質量%含み、且つ、ペースト状原料を0.5〜28質量%含むことを特徴とする、請求項5または6に記載の養魚用飼料。
  8. 水分含量が5〜15質量%であることを特徴とする、請求項5〜7のいずれか1項に記載の養魚用飼料。
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