JP2008306970A - 水産飼料の飼料効率改善及び魚粉削減 - Google Patents

水産飼料の飼料効率改善及び魚粉削減 Download PDF

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Abstract

【課題】水産飼料に使用される魚粉や魚油等の貴重な資源を最大限に有効利用し、且つ養殖分野において未開発の安価なバイオマス素材を発掘し、それを飼料に応用することによって、餌飼料経費の上昇を抑え養殖業者の経営安定に資する技術を完成させることを課題とする。
【解決手段】タケ亜科植物成分が、水産飼料の効率を著しく改善する効果を有することを見出し、タケ亜科植物の葉及び茎を原料とし、その全乾燥物、抽出物及び抽出残渣あるいはその乾燥物の少なくとも1種以上を含有した飼料を開発した。また、さらにタケ亜科植物成分が、飼料中の魚粉配合率を削減し、安価な植物性飼料原料を利用するために有効であることをも見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は水産飼料の経済性を顕著に高める技術に関し、より詳細にはタケ亜科植物成分を含有する飼料を養殖魚介類に投与することによって、飼料の効率を向上させ、成長を顕著に促進し、さらに飼料中の魚粉配合率削減を可能とすることができる水産飼料の改善技術に関する。
養殖対象となる水産動物は、陸上動物に較べ蛋白要求率が高く、したがって水産養殖用飼料の多くは高い蛋白質含量となっている。
水産飼料の原料は、高い蛋白質含量のものが求められるが、中でも動物性の蛋白源として魚粉は重要であり、水産飼料の主原料となっている。
魚粉は、近海で大量に漁獲されたマイワシ等から生産されていたが、近年その漁獲量が激減したため、国内生産量も激減しており、その供給をペルーやチリなどの南米からの輸入に依存せざるを得ない状況となっている。
世界的に見たイワシ等の多獲魚の資源量は、エルニーニョなどの気候条件にも左右され、魚粉の供給を担う南米諸国においては、その資源維持のための漁獲制限が行われており、魚粉の供給不安を招いている。
一方において、近年北欧・中国・東南アジア・北米等の諸外国において魚介類の養殖がさかんとなり、これに伴い養殖用配合飼料の主原料である魚粉が世界的に逼迫し、価格の高騰を見せている。特に、中国での需要が多く、今後もさらにその増加が予想される。
植物性の高蛋白原料としては、比較的安価な大豆油粕やコーングルテンミールなどがあるが、多くの水産動物ではその利用率が低く、有効に利用されていない。
また、これら植物性飼料原料も気候条件によってその収穫量の変動が大きく、さらに石油に代わる環境に優しいバイオエタノール原料としての需要拡大が重なって、その供給不安とともに価格上昇の傾向にある。
わが国の水産養殖業は、長引く不況の中での魚価の低迷と消費の減退により疲弊しており、生産コスト引き下げのための経済性の高い飼料が求められている。
これまで、多くの研究者によって、魚粉を削減し比較的安価な植物性原料を使用した飼料の開発が行われてきたが、多くの水産動物においては植物性原料の利用率が低いため、飼料効率の低下を招いたり、魚粉に多く含まれるタウリンの不足により緑肝症が発生する等、解決すべき問題が山積しており、理想的な魚粉削減飼料は完成していない。
タケ亜科植物は貴重なバイオマス素材であり、様々な薬理効果等が報告されているが、北海道や東北地方などの山間部に自生するチシマザサやクマイザサを中心に膨大な資源量があるが、その資源の大半は未利用で放置されている状況にある。
タケ亜科植物の飼料への応用技術に関しては、「熊笹エキス飼料の製造方法」(特公昭61−28350号公報(特許文献1))があるが、これは馬の好物である熊笹の代わりに熊笹のエキスを飼料として与えるもので、熊笹の代替飼料に関するものである。また、「竹又は笹の抽出成分を含んでなる飼料用添加剤」(特開2005−151928号公報(特許文献2))は、ペット等の罹病率の低下等を意図したものである。
すなわち、本願発明のような水産飼料における飼料効率の改善や魚粉削減に関係したものではない。
先にも述べたとおり、養殖業者は生産コスト引き下げのために、より経済性の高い飼料を求めている。この要望に答えるために、需給が逼迫し高騰している魚粉の配合率を削減し、より安価な植物性原料を多用してもなお飼料効率が低下しない飼料の開発が待たれているところである。
特公昭61−28350号公報 特開2005−151928号公報
原料となるイワシ等の漁獲量の変動や世界的に旺盛な需要により、価格上昇圧力が高まっている魚粉や魚油は、現在の水産飼料における主原料である。また、気候条件によって収穫量の変動が大きいトウモロコシや大豆等の植物性飼料原料も、石油に代わる環境に優しいバイオエタノール原料としての需要拡大が重なって、その供給不安とともに価格上昇の傾向にある。水産飼料に使用されるこれらの貴重な資源を最大限に有効利用し、且つ養殖分野において未開発の安価なバイオマス素材を発掘し、それを飼料に応用することによって、餌飼料経費の上昇を抑え養殖業者の経営安定に資する技術を完成させることを課題とする。
本発明者らは、各種の素材を用い、養殖魚介類への投与効果について鋭意研究を積み重ねた結果、様々な機能が謳われているタケ亜科植物成分が、水産飼料の効率を著しく改善する効果を有することを見出した。また、さらにタケ亜科植物成分が、飼料中の魚粉配合率を削減して安価な植物性飼料原料を利用するために有効であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は
(1)タケ亜科植物成分を含有してなる飼料効率改善用及び/又は魚粉配合率削減用水産飼料、
(2)タケ亜科植物成分が、タケ亜科植物の葉及び茎を原料とし、その全乾燥物、抽出物及び抽出残渣あるいはその乾燥物の少なくとも1種以上を含有することを特徴とする(1)記載の水産飼料、
(3)水産飼料が鮭鱒類養殖用及び/又はアユ養殖用であることを特徴とする(1)又は(2)記載の飼料、
(4)乾燥飼料中のタケ亜科植物成分の含有量が、全乾燥物では0.01重量%〜1重量%、抽出物では0.005〜0.1重量%、抽出残渣の乾燥物では0.05〜2重量%であることを特徴とする(2)又は(3)記載の飼料
に関する。
本発明のタケ亜科植物には、全てのタケ・ササ類を包含するが、中でもササ類ササ属植物の応用が望ましく、ミヤコザサ、チマキザサ、チシマザサ、クマイザサ、クマザサ等のササが挙げられるが、資源量の豊富さと収穫効率の良さなどの理由から、特にチシマザサとクマイザサの活用が望ましい。
本発明のタケ亜科植物成分を得るための出発材料は採集した葉や茎である。本発明の全乾燥物とは、収穫したタケ亜科植物の葉と茎を細断し、それをパドル型回転乾燥機等で水分が10%以下となるまで乾燥してから、必要に応じてハンマーミルやバーチカルミル、ビンミル等でさらに粉砕して得られたものである。
本発明の抽出物は、水や温水又は熱水で抽出する方法、アルコールなどの溶剤で抽出する方法、加圧して搾り出す方法あるいはこれらの方法を組み合わせる方法等様々な製法があり、そのいずれの製法によっても本発明の抽出物を得ることができるが、新鮮な生の材料を高圧・低温で圧搾し、それを減圧濃縮して得られるものが有効成分の変性が極めて少ない点で好適である。抽出物は液体であり、それを必要に応じて適度に希釈して養殖現場でペレットなどに添加して使用することもできるが、これを噴霧乾燥や凍結乾燥などの方法で乾燥粉末としたほうが工業的には使いやすい。
抽出残渣とは上記のような方法で抽出物を抽出した残渣のことであり、湿潤品として得られ、そのままでも使用できるが、パドル型回転乾燥機などでこれを乾燥し、さらにハンマーミルやバーチカルミル、ビンミル等によって粉砕し、乾燥粉末品として使用する方法が輸送や保管・使用に便利である。
本発明は、ブリ、マダイ、カンパチ、ヒラメ、トラフグ、スズキ、マアジ、サバ、ギンザケ、大西洋サケ、ウナギ、コイ、ニジマス、アユ等の養殖魚類、クルマエビ等の養殖甲殻類、アワビ等の貝類、観賞用の魚介類等、餌飼料を給餌して管理飼育されている全ての動物に適用できるが、特に鮭鱒類及びアユにおいてその効果が顕著である。
本発明に言う水産飼料とは、(1)ドライペレットのような固形状乾燥飼料、(2)ドライペレットを破砕し篩いで分級したクランブル状乾燥飼料、(3)比較的高水分のペレットであって用時に加水させて給餌される膨化タイプ飼料、(4)給餌高速撹拌造粒装置等の装置を用いて造粒した顆粒状乾燥飼料、(5)原料を単に混合・粉砕した飼料であってそれに水を加えて練り上げて給餌される粉末状乾燥飼料、(6)生餌と粉末状乾燥飼料を混合・破砕・成形して給餌されるモイストペレット、そのモイストペレット製造時に混ぜ込んで使用するペレットタイプの固形状乾燥飼料、(7)粉末状飼料のみに水を加えて成形後使用されるシングルモイストペレット、(8)種苗生産において培養され稚仔に給餌されるワムシやアルテミア等用の餌飼料、(9)生原料を多用するペースト状飼料、(10)生餌として単独使用されるイワシ・アジ等の小型の漁獲魚、及び(11)ドライペレットやクランブル、高水分膨化ペレット飼料、モイストペレット、練りや加水用の水、ペースト状飼料等に適宜添加して使用される飼料添加剤など、全ての餌飼料を指す。
これらのうち、(1)、(2)及び(4)などのような乾燥飼料に対する本発明のタケ亜科植物全乾燥物の添加率は、0.01重量%〜1重量%、抽出物の添加率は、0.005重量%〜0.1重量%、抽出残渣の乾燥物の添加率は、0.05重量%〜2重量%であり、この添加率が基本である。さらに望ましくは、全乾燥物では0.05重量%前後、抽出物では0.01重量%前後、抽出残渣の乾燥物では0.5重量%〜1重量%の範囲である。
各素材ともに前記の下限値を下回る添加率では、飼料効率の改善効果が判然とせず、上限値を上回る添加率では、餌飼料自体の粗蛋白等の栄養値が下がることもあって成長が制限される恐れがあることと費用対効果の面でマイナスとなりうるからである。なお、本発明に言う乾燥物とは、通常は水分が5〜10%程度のものを指す。
この乾燥飼料への基本添加率とその標準的な給餌率に基づけば、魚介類の単位体重あたりの各素材の投与量が算定される。さらにこの数字に基づいて、給餌率が様々である上記(3)、(5)〜(10)のような餌飼料への添加率を適宜計算すればよい。また、(11)の飼料添加剤では、上述の乾燥飼料への基本添加率と飼料添加剤の餌飼料に対する添加率などから、飼料添加剤中の各素材の配合率が決定される。
本発明のタケ亜科植物成分の投与効果は、投与を開始して2〜3週間で早くも現れはじめるが、飼育の全期間にわたって投与することにより、顕著な飼料効率の改善効果を奏する。
本発明により、飼料効率が改善され、他の高価な生餌用小型魚類、魚粉や魚油、大豆あるいはトウモロコシや小麦等の有用資源を有効活用することができるとともに、現在、その多くが活用されていないタケ亜科植物のバイオマス資源を水産養殖において有効に利用することができる。
以下に実施例で本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(ニジマスでの水槽試験)
タケ亜科植物成分として使用したチシマザサの抽出残渣乾燥粉末は、(株)ヒロインターナショナルから入手したものを使用した。この粉末は、収穫したチシマザサの葉と茎を細断して高圧・低温で搾汁し、樹液を採取した残りの残渣をパドル型回転乾燥機で乾燥してから、ビンミルで粉砕して得られたものである。
Figure 2008306970
表1に示す3種類(飼料1、飼料2及び飼料3)の配合内容の試験飼料を作製した。
魚油を除く各原料を秤量・混合したのち、JIS標準篩32メッシュ以下に粉砕し、飼料2と飼料3については魚油を添加、これに約4%の水を加えて混練したのち、ディスクペレッターを用いて直径約3.2mmのペレット状に成型し、これを熱風乾燥機を用いて乾燥してハードペレット飼料を作製した。飼料1は対照飼料であり、飼料2は魚粉の配合割合を減じて大豆油粕の配合割合を増加した飼料、飼料3は飼料2にエキス抽出残渣乾燥粉末を0.1重量%配合した飼料である。
平均体重が45g前後のニジマスを供試し、各試験飼料について、300リットル容のパンライト製水槽を2水槽ずつ用いて、各水槽に総体重を測定した15尾ずつを収容し、エアレーションを施して水温16〜17℃の流水で飼育した。各飼料は朝昼夕の3回に分け、原則として日曜日を除く毎日、飽食給餌を行って摂餌量を記録した。試験期間は52日間で給餌日数は40日であった。試験終了日に各水槽内の供試魚の総体重測定と尾数確認を行った。
Figure 2008306970
飼育試験の結果は表2のとおりとなった。生残率はいずれの水槽でも100%であった。
飼料効率の算出は、次式に拠った。
(終了時総体重−開始時総体重)÷給餌量×100=飼料効率
また、個体平均増重倍率は、次式に拠った。
終了時平均体重÷開始時平均体重×100=個体平均増重倍率
対照の飼料1と比較して、飼料効率及び個体平均増重倍率において、飼料2はいずれも劣り、飼料3ではいずれも優れる結果となった。すなわち、魚粉を減らし魚油を入れただけの飼料2は結果が悪く、魚粉を減らし魚油を入れた他に、チシマザサの抽出残渣乾燥粉末を入れた飼料3では良い結果が得られた。この結果から、チシマザサの抽出残渣乾燥粉末の配合により飼料中の魚粉配合率を削減しても飼育成績が落ちることはなく、むしろ向上させることが明らかとなった。
(アユでの水槽試験)
タケ亜科植物成分として使用したチシマザサの抽出残渣乾燥粉末は、実施例1で使用したものと同様、(株)ヒロインターナショナルから入手したものを使用した。
Figure 2008306970
表3に示す7種類(飼料4〜飼料10)の配合内容のクランブルタイプの試験飼料を作製した。
各原料を秤量・混合したのち、粉砕機でJIS標準篩32メッシュ以下に粉砕し、コンディショナーで調湿・混練後、2軸エクストルーダーにて直径約6mmのペレット状に成型し、これを熱風乾燥機で乾燥してEP飼料を作製した。このペレットをクランブラーで破砕し、JIS標準篩の12メッシュから24メッシュの間の分画を採取して試験飼料とした。飼料4は対照飼料であり、飼料5〜飼料10はエキス抽出残渣乾燥粉末を各々0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%配合し、合計が100となるよう魚粉で調整した飼料である。
底面積4.8m2、水深1mのコンクリート製8角水槽7水槽を用いて、各水槽に平均体重が約7.2gのアユを総体重として8.46kg(推定尾数は1169尾)ずつ収容し、エアレーションを施して水温16〜17℃の流水で飼育した。各飼料は朝昼夕の3回に分け、原則として日曜日を除く毎日、飽食給餌を行って摂餌量と斃死尾数を記録した。試験期間は30日間で給餌日数は25日であった。試験終了日に各水槽内の供試魚の総体重測定を行った。
Figure 2008306970
試験の結果は表4のとおりであった。
飼料効率の算出は、(終了時総体重−開始時総体重)÷給餌量×100で求められるが、飼料6の給餌区については、若干の斃死があり生残率が100%でなかったため、開始時と終了時の総体重、斃死尾数、総給餌量から、補正飼料効率及び生残率を求めた。
補正飼料効率の算出は、次式に拠った。
〔終了時総体重−開始時総体重+(開始時平均体重+終了時平均体重)÷2×斃死尾数〕÷給餌量×100=補正飼料効率
対照の飼料4に較べて、飼料5〜9は、飼料効率と個体平均増重倍率のいずれにおいても優れ、特に抽出残渣乾燥粉末を0.5重量%ないし1重量%配合した飼料7と飼料8が最も優れていたが、同乾燥粉末を5重量%配合した飼料10では劣った。すなわち、チシマザサの抽出残渣乾燥粉末が2重量%までは飼料効率と個体平均増重倍率が対照より優れていたが、チシマザサの抽出残渣乾燥粉末が5重量%になると飼料効率と個体平均増重倍率が対照より劣ってくることが分かった。
(ニジマスでの水槽試験)
タケ亜科植物成分として使用したチシマザサの全乾燥物、抽出物、抽出残渣乾燥粉末は、すべて(株)ヒロインターナショナルから入手したものを使用した。全乾燥物は、収穫したチシマザサの葉と茎を細断してそのままパドル型回転乾燥機で乾燥してから、ビンミルで粉砕して得られたものであり、抽出物は、収穫したチシマザサの葉と茎を細断して高圧・低温で搾汁し、それを減圧濃縮した抽出液である。抽出残渣乾燥粉末は、実施例1で使用したものと同様、樹液を採取した残りの残渣を乾燥、粉砕して得られたものである。
Figure 2008306970
表5に示す13種類(飼料11〜飼料23)の配合内容のクランブルタイプの試験飼料を作製した。
各原料を秤量・混合したのち、粉砕機でJIS標準篩32メッシュ以下に粉砕し、これに約4%の水を加えて混練したのち、ディスクペレッターを用いて直径約3.2mmのペレット状に成型し、これを熱風乾燥機を用いて乾燥してハードペレット飼料を作製した。このペレットをクランブラーで破砕し、JIS標準篩の10.5メッシュから16メッシュの間の分画を採取して試験に供試した。飼料11は対照飼料であり、飼料12〜飼料17は全乾燥物を各々0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%、1重量%配合し、飼料18〜飼料22は抽出物を各々0.005重量%、0.01重量%、0.05重量%、0.1重量%、0.5重量%配合し、飼料23はエキス抽出残渣乾燥粉末を0.1重量%配合した飼料である。
平均体重が約2gのニジマスを供試し、各試験飼料について、縦・横・高さが各々27cm・15cm・17cmのプラスチック製水槽13水槽を用いて、各水槽に総体重を測定した15尾ずつを収容し、エアレーションを施して水温16〜17℃の流水で飼育した。各飼料は朝昼夕の3回に分け、原則として日曜日を除く毎日、飽食給餌を行って摂餌量を記録した。試験期間は17日間で給餌日数は13日であった。試験終了日に各水槽内の供試魚の総体重測定と尾数確認を行った。
Figure 2008306970
結果は表6のとおりであった。
生残率はいずれの水槽でも100%であった。対照の飼料11に較べて、飼料13〜飼料16及び飼料18〜飼料21は飼料効率と個体平均増重倍率において優れる結果となった。しかし、抽出物を0.5重量添加した飼料22の飼育成績は対照の飼料11よりも劣った。この結果から、飼料効率改善に最も効果のあるチシマザサ全乾燥物の配合レベルは0.05重量%前後であり、抽出物の配合レベルは0.01重量%前後であることが明らかとなった。また、飼料23の結果から実施例1における抽出残渣乾燥粉末の効果も再確認された。
(アユでの水槽試験)
Figure 2008306970
表7に示す6種類(飼料24〜飼料29)の配合内容のクランブルタイプの試験飼料を作製した。
各原料を秤量・混合したのち、粉砕機でJIS標準篩32メッシュ以下に粉砕し、コンディショナーで調湿・混練後、2軸エクストルーダーにて直径約6mmのペレット状に成型し、これを熱風乾燥機で乾燥してEP飼料を作製した。このペレットをクランブラーで破砕し、JIS標準篩の9.2メッシュから14メッシュの間の分画を採取して試験飼料とした。飼料24及び飼料25は対照飼料であり、飼料24は魚粉を約55重量%、飼料25は約50重量%配合している。また、飼料26及び飼料27は魚粉配合率を約50重量%とし、抽出残渣乾燥粉末を各々0.5重量%、1重量%、飼料28及び飼料29は魚粉配合率を約40重量%と大幅に削減し、抽出残渣乾燥粉末を各々0.5重量%、1重量%配合した飼料である。
底面積4.8m2、水深1mのコンクリート製8角水槽6水槽を用い、各水槽に平均体重約24gのアユを1000尾ずつ収容し、エアレーションを施して水温16〜17℃の流水で飼育した。各飼料は朝昼夕の3回に分け、原則として日曜日を除く毎日、飽食給餌を行って摂餌量を記録した。試験期間は32日間で給餌日数は25日であった。試験終了日に各水槽内の供試魚の総体重測定と尾数確認を行った。
Figure 2008306970
補正飼料効率の算出は、実施例2と同様に次式に拠った。
〔終了時総体重−開始時総体重+(開始時平均体重+終了時平均体重)÷2×斃死尾数〕÷給餌量×100=補正飼料効率
表8に示すとおり、生残率は各区間で変わらなかったが、補正飼料効率では飼料27〜飼料29が、また個体平均増重倍率では飼料28及び飼料29が対照である飼料24よりも優れる結果となった。
魚粉配合率を約50重量%とした飼料25〜飼料27の比較では、対照である飼料25に較べ、飼料26及び飼料27、即ちチシマザサの抽出残渣乾燥粉末を0.5重量%及び1重量%添加した飼料の給餌区の補正飼料効率、個体平均増重倍率がともに優れる結果となった。
また、魚粉配合率を約40重量%とし、チシマザサの抽出残渣乾燥粉末を0.5重量%及び1重量%添加した飼料28及び飼料29では魚粉配合率を約55重量%とした対照の飼料24、あるいは魚粉配合率を約50重量%とした対照の飼料25よりも補正飼料効率、個体平均増重倍率が優れた結果が得られた。
以上の結果から、ニジマスと同様、アユ用飼料においてもチシマザサの抽出残渣乾燥粉末の配合により飼料中の魚粉配合率の削減が可能であることが明らかとなった。
(マダイでの水槽試験)
Figure 2008306970
表9に示す6種類(飼料30〜飼料35)の配合内容のペレットタイプの試験飼料を作製した。
魚油を除く各原料を秤量・混合したのち、粉砕機でJIS標準篩32メッシュ以下に粉砕し、これに約5%の水を加えて混練し、ペレットマシーン(CPM社製・2HP・1/8インチダイ)を用いて直径約3.2mmのペレット状に成型し、これを熱風乾燥機を用いて乾燥したのちに、既定量の魚油を噴霧添加してハードペレット飼料を作製した。飼料30は対照飼料であり、飼料31〜飼料35は抽出残渣乾燥粉末を各々0.1重量%、0.5重量%、1重量%、2重量%、5重量%配合し、合計が100となるよう魚粉で調整した飼料である。
平均体重が45g前後のマダイを供試し、各試験飼料について、500リットル容のFRP製水槽6水槽を用いて、各水槽に体重を測定した30尾ずつを収容し、エアレーションを施して水温22℃の流水で飼育した。各飼料は朝夕の2回に分け、原則として日曜日を除く毎日、飽食給餌を行って摂餌量を記録した。試験期間は53日間で給餌日数は45日であった。試験終了日に各水槽内の供試魚の体重測定と尾数確認を行った。
Figure 2008306970
試験の結果は表10のとおりであった。
対照の飼料30に較べて飼料32〜飼料34は、飼料効率と個体平均増重倍率のいずれにおいても優れ、特に抽出残渣乾燥粉末を1重量%配合した飼料33が最も優れていた。また、抽出残渣乾燥粉末を0.1重量%配合した飼料31は対照の飼料30とほぼ同等であったが、同乾燥粉末を5重量%配合した飼料35では飼料効率、個体平均増重倍率ともに劣る結果となった。
以上の結果から、ニジマス・アユと同様、マダイにおいてもチシマザサの抽出残渣乾燥粉末に飼料効率改善効果のあることと魚粉削減効果のあることが明らかとなった。

Claims (4)

  1. タケ亜科植物成分を含有することを特徴とする飼料効率改善用及び/又は魚粉配合率削減用水産飼料。
  2. タケ亜科植物成分が、タケ亜科植物の葉及び茎を原料とし、その全乾燥物、抽出物及び抽出残渣あるいはその乾燥物の少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1記載の水産飼料。
  3. 水産飼料が鮭鱒類養殖用及び/又はアユ養殖用であることを特徴とする請求項1又は2記載の飼料。
  4. 乾燥飼料中のタケ亜科植物成分の含有率が、全乾燥物では0.01〜1重量%、抽出物では0.005〜0.1重量%、抽出残渣の乾燥物では0.05〜2重量%であることを特徴とする請求項2又は3記載の飼料。
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