JP2016027227A - 建物の接合構造及びその施工方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ユニット建物において、基礎10から上方に突出するアンカーボルト11を有し、床パネル40の側から延在して該床パネル40の上方にまで延在する連結具60を壁パネル50に連結してなり、連結具60が備える下座金61を床パネル40の下端部の下に添設するともに、基礎10の上に載置し、基礎10から突出するアンカーボルト11が連結具60の上記下座金61及び床パネル40の下端部を貫通し、該下座金61及び床パネル40の下端部に締結されてなるもの。
【選択図】 図1
Description
(a)連結具により、建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結し、建物構造体の高さ寸法精度を向上できる。
(d)接続具が、床パネルの下端部の接合用枠材の上に添設された補強座金を貫通し、下座金及び接合用枠材並びに補強座金に締結される。そして、補強座金の延長部が接合用枠材の上面において連結具が延出している部分の周辺に被着される。これにより、建物ユニットの壁パネルに作用した引き抜き力が連結具の下座金、及び接続具により下部構造体に伝達され、その引き抜き力に起因して接続具まわりに生ずるモーメントM(M=連結具に働く引抜き力P×連結具と接続具の軸間距離L)が下座金及び接合用枠材に曲げ変形を生じさせようとするとき、接合用枠材の上に添設された状態でそれらの下座金及び接合用枠材に締結されている補強座金が上記モーメントMに対抗してそれらの曲げ変形を上から押さえて抑制する。従って、下部構造体に対する建物全体の引抜き耐力を一層向上することができる。
(e)上述(d)の補強座金に補強リブが設けられる。補強リブが、上記モーメントMに対抗する補強座金の曲げ剛性を高め、補強座金による下座金及び接合用枠材のための曲げ変形抑制能を強化するものになる。
(f)床パネルの下端部の接合用枠材の側から延在させた連結具の上端部が、壁パネルの壁枠組に配設した枠状金具に締結される。これにより、建物構造体を構成する床パネルと壁パネルを隙間なく連結できる。
(g)連結具が下座金の上面にナットを溶接されるとともに、このナットに連結ボルトが螺着される。これにより、連結具を構成する連結ボルトの上端部を上述(f)の枠状金具に確実に締結できる。
(h)連結具の下座金が、建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材に固定的に取付けられる。床パネルの下端部の接合用枠材の側から該床パネルの上方にまで延在する連結具を該床パネルにセットするに際し、裏返しにした床パネルにおける接合用枠材の上向き面に対して連結具の下座金を簡易に取付けて固定化でき、その後この床パネルの上に壁パネルを立設するために該床パネルを裏返しの状態から反転させて正立させたとき、連結具の下座金を床パネルの下端部の接合用枠材から落下させることなく固定的に維持できる。これにより、連結具の下座金が床パネルの下端部の接合用枠材に添設される建物構造体の組立作業性を向上できる。
(i)下部構造体が基礎であり、接続具が基礎に植設されたアンカーボルトである建物において、該アンカーボルトが連結具の下座金及び床パネルの下端部の接合用枠材を貫通し、それらの下座金及び接合用枠材に締結される。
(j)下部構造体が下階の建物構造体であり、接続具が下階の建物構造体に植設されたジョイントボルトである建物において、該ジョイントボルトが連結具の下座金及び上階の建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材を貫通し、それらの下座金及び接合用枠材に締結される。
(k)建物構造体が建物ユニットからなるとき、ユニット建物において上述(a)〜(j)を実現できる。
本発明のユニット建物100は、基礎10(下部構造体)上に複数の建物ユニット30のそれぞれを図1、図2に示す如くに据付けて構築され、更には下階建物ユニット30A(下部構造体)の上に上階建物ユニット30Bを図3、図4に示す如くに据付けて構築される。
建物ユニット30(30A、30B)における壁パネル50の壁枠組54内で、隣り合う一対の縦枠53、53はスペーサ53Sにより一定の間隔を介しており、この間隔の下枠52上に枠状金具70を配設している。枠状金具70は、図1〜図4に示す如く、方形枠状に形成され、その下部内面にナット71がセット可能にされ、下部にはナット71と軸芯を一致するものとなるボルト挿通孔70Hが形成されている。枠状金具70は、一対の縦枠53、53に挿通したピン72が刺通されて保持される。枠状金具70のナット71には床パネル40の側に組込まれる連結具60の連結ボルト62における上端ねじ部62Bが螺合することにより、床パネル40と壁パネル50が連結される。
前述(A)により形成された建物ユニット30が基礎10の上面に設けた基礎スペーサ12の上に据付けられる。即ち、建物ユニット30における床パネル40に前述の如くに組込まれている連結具60が下端部に備える下座金61は、図1、図2に示す如く、該床パネル40の下端部の接合用枠材44に形成したザグリ45に納められて該接合用枠材44に添設している状態で、基礎10の基礎スペーサ12(上端部材)の上に載置される。
前述(A)により形成された上階建物ユニット30Bが下階建物ユニット30の上に据付けられる。上階建物ユニット30Bにおける床パネル40に前述の如くに組込まれている連結具60が下端部に備える下座金61は、図3、図4に示す如く、該床パネル40の下端部の接合用枠材44に形成したザグリ45に納められて該接合用枠材44に添設している状態で、下階建物ユニット30Aの壁パネル50における上枠51の上面に設けた壁上スペーサ56(上端部材)の上に据付けられる。
(a)連結具60により、建物ユニット30を構成する床パネル40と壁パネル50を隙間なく連結し、建物ユニット30の高さ寸法精度を向上できる。
実施例2が実施例2と異なる点は、基礎10に対する建物ユニット30の連結構造(図1、図2)において、更に、床パネル40における接合用枠材44の上に、アンカーボルト11が貫通する補強座金80を添設させたことにある。
アンカーボルト11が、床パネル40の下端部の接合用枠材44の上に添設された補強座金80を貫通し、下座金61及び接合用枠材44並びに補強座金80に締結される。そして、補強座金80の延長部80Aが接合用枠材44の上面において連結具60が延出している部分の周辺に被着される。これにより、建物ユニット30の壁パネルに作用した引き抜き力が連結具60の下座金61、及びアンカーボルト11により基礎10に伝達され、その引き抜き力に起因してアンカーボルト11まわりに生ずるモーメントM(M=連結具60に働く引抜き力P×連結具60とアンカーボルト11の軸間距離L)が下座金61及び接合用枠材44に曲げ変形を生じさせようとするとき、接合用枠材44の上に添設された状態でそれらの下座金61及び接合用枠材44に締結されている補強座金80が上記モーメントMに対抗してそれらの曲げ変形を上から押さえて抑制する。従って、基礎10に対する建物全体の引抜き耐力を一層向上することができる。
実施例3が実施例2と異なる点は、図11〜図13に示す如く、補強座金80に補強リブ85を設けたことにある。
実施例2の補強座金80に補強リブ85が設けられる。補強リブ85が、実施例2で前述したモーメントMに対抗する補強座金80の曲げ剛性を高め、補強座金80による連結具60の下座金61及び接合用枠材44のための曲げ変形抑制能を強化するものになる。
11 アンカーボルト(接続具)
30 建物ユニット
30A 下階建物ユニット
30B 上階建物ユニット
40 床パネル
44 接合用枠材
50 壁パネル
51 上枠
52 下枠
53 縦枠
54 壁枠組
60 連結具
61 下座金
62 連結ボルト
63 長ナット
64 止ねじ
70 枠状金具
71 ナット
80 補強座金
80A 延長部
85 補強リブ
100 ユニット建物
Claims (10)
- 下部構造体の上に建物構造体を据付けて構築され、建物構造体が床パネルの上に壁パネルを立設して形成されてなる建物の接合構造において、
下部構造体から上方に突出する接続具を有し、
床パネルの側から延出して該床パネルの上方にまで延在する連結具を壁パネルに連結してなり、
連結具が備える下座金を床パネルの下端部の接合用枠材の下に添設するともに、下部構造体の上に載置し、下部構造体から突出する接続具が連結具の上記下座金及び接合用枠材を貫通し、該下座金及び接合用枠材に締結されてなることを特徴とする建物の接合構造。 - 前記接続具が、更に前記接合用枠材の上に添設された補強座金を貫通し、下座金及び接合用枠材並びに補強座金に締結され、
補強座金の延長部が接合用枠材の上面において連結具が延出している部分の周辺に被着されてなる請求項1に記載の建物の接合構造。 - 前記補強座金に補強リブが設けられてなる請求項2に記載の建物の接合構造。
- 前記壁パネルが上枠、下枠及び縦枠からなる壁枠組を有し、該壁パネルの隣り合う一対の縦枠の間の下枠上に枠状金具が配設されてなり、
前記連結具の上端部が壁パネルの内部の上記枠状金具を貫通し、該枠状金具に締結されてなる請求項1〜3のいずれかに記載の建物の接合構造。 - 前記連結具が、前記下座金の上面にナットを溶接されるとともに、このナットに連結ボルトを螺着されてなり、
上記連結ボルトの上端部が壁パネルの内部の前記枠状金具を貫通し、該枠状金具にセットしたナットに螺着されてなる請求項4に記載の建物の接合構造。 - 前記連結具の下座金が、建物構造体における床パネルの下端部の接合用枠材に固定的に取付けられる請求項1〜5のいずれかに記載の建物の接合構造。
- 前記下部構造体が基礎であり、前記接続具が基礎に植設されたアンカーボルトである請求項1〜6のいずれかに記載の建物の接合構造。
- 前記下部構造体が下階の建物構造体であり、前記接続具が下階の建物構造体に植設されたジョイントボルトである請求項1〜7のいずれかに記載の建物の接合構造。
- 前記建物構造体が建物ユニットである請求項1〜8のいずれかに記載の建物の接合構造。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の建物の接合構造の施工方法であって、工場において前記壁パネルと床パネルとを接合して建物ユニットを製造した後、該建物ユニットを建設現場において下部構造体と接合することを特徴とする建物の接合構造の施工方法。
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